(118)228 Rs『ピョコピョコ ウルトラ』5 side D-Kudo
カランコロン
やっと最後の1人が帰ったな
ま、ハル目当てで来てるらしいから大目に見るけど
「田中っち、ランチの看板を頼める?」
「あ、ハル行きます」
「よく働くったいね、工藤は」
「本当にねぇ。やっぱり看板娘の座、譲ったら?」
「ちょっ、まだソレ言いますか!?」
台拭きを持って追いかける田中
トレイを持って逃げ回る新垣
幼稚園児かっ!
カランコロン
外に出て、看板を替える
店内を見ると、2人はまだ追いかけっこをしていた
「……外の掃除でもするか」
ほうきとちりとりを持って、店の前に出る
ヒュウ
「おわっ、寒!」
陽射しは暖かいんだけど、風が冷た過ぎて顔が痛い!
こんだけ寒けりゃ、激辛ヘルプミーカレーが売れたのも納得だな
確か今日は、ハンバーグって言ってたな
さっさと終わらせて飯だ!
自然とほうきの動きも速くなる
そういえば、今日もハルが大活躍だったんじゃね?
セットメニューやドリンクを勧めたり
一見のじっちゃんに、また来る約束させたりさ
やっぱハルって、なんでも出来るな!
新垣も田中も、スッゲー褒めてくれるし
次も頑張ろう!
「……って、なんでハルは張り切ってんだ?」
ほうきを動かす手が止まる
「違うじゃん。ハルがここに来た理由って
「あのー、すみません……」
突然、高い声が聴こえた
「お店……空いてますか?」
「ハイ?」
見ると、黒髪ロングの女の子が立っていた
大きな眼が揺れ、声は震えてるみたい
変な奴
「あっ、そ、そうですか。よ、良かった……」
なんで顔が引きつってんだよ
なんで泣きそうになってんだよ
あんたに何があったんだよ
「あ、あのっ……入っても、良いですか?」
入りゃ良いだろ!
ココは喫茶店だぞ!
営業中だよ!
「ど・う・ぞ!」
「ヒッ! すっ、すみませーんっ!」
カランコロン!
飛び込む様に入店した
なんかメンドクセー客だな
つーかアイツ、絶対ハルより年上だろ!
なんで年下にビビってんだよ!
更新日時:2016/04/11(月) 23:37:45.11
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