(126)285『Chelsy』12
「班長なにかあったのかな?デザート届けにいったら表情暗かったんだよ
チェルシー、さっきもあんな感じだった?」
「う、うん。なんだか、健康診断の結果が悪かったとかなんとかで」
「ふ~ん、僕もすこしは運動した方がいいのかな?こう見えてもね・・・」
ジョニーが続けて話しているが、頭に入っていかなかった
班長は曖昧な表現をしていたが、簡単にいうならば『スパイ』が紛れているということだ
決して小さくないこの機関には敵対する組織もある
南米、中東、アジア、そしてダークネス本体だってありうる・・・
誰が?なんのために?いつから?そしてどうやって?
日本支部であるここに潜入するというのも違和感がある。支部にはそこまでの機密情報はない。
重要な事項は厳重な警備のもとに本土の本部に私だって知らない場所で管理されているのだから
それに、この支部にいるのは「本部」から送られてきたはずの構成員しかいない
本部に用があるのならば、支部にいるはずがなく、ミスをしたというならばスパイというのが明るみになるはずだ
「・・・だから夏風邪には葱を首に巻く民間療法が効果があるとされているんだ。チェルシー、聴いてる?」
「え?え?え?」
「聴いてなかったみたいだね。全く、何を考えていたの」
「え、が、学校でハ、鳩に」
「What?まだ苦手なのかい?Chikenだね」
「ムッ、鳩はpigeonよ」
「ハハハ、チェルシーは面白いよ、豆鉄砲とくらった顔をしていたのに、すぐにころころ表情が変わる。可愛いね」
それにウル、と呼ばれた薬のことも考えなくてはならない
その薬を飲まされたら、どうなるのだろう?完全に支配され、記憶も意思もなくなるのか?
それに薬でどうやって人間を支配するのか?可能なのか?
「ねえ、ジョニー、人を薬で操ることってできると思う?」
「なに、言ってるんだよ、チェルシー、君は僕に恋という魔法の媚薬をくれたじゃないか」
・・・真面目に聴いてほしいんだけどな (Chelsy
更新日時: 2016/07/30(土) 22:21:56.72