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(130)89 『Chelsy』27

カメラをセットしているとノックの音がした。振り返ると班長が入ってきた。
「おや?ジョニー君だけか?チェルシーはどうしたんだ?」
「彼女なら疲れたようでベッドで仮眠をとっていますよ。可愛い寝顔ですよ、相変わらず
まあ、スーツで久々に闘ったみたいですから、仕方ありませんがね」
班長は後ろ手で扉を閉めながら、そうか、と呟き、手近の椅子に腰を下ろした

「本当ならばチェルシーを待つべきだとは思うんですけどね、
あの様子だといつ起きるのか分からないので先に始めてしまおうかと」
ジョニーはノブに手をかけ、部屋の中に入った
「チェルシーはきっとあまり気持ちの良くない夢の中です
自分自身でしてしまった行為を悔い、悩むでしょうね。でも、それは仕方がないことでしょう
闘わなければ彼女自身の命が危なったわけですからね。All she need is Kill.
どうです?班長 僕の声が聴こえます?』
「ああ、聴こえるよ」

ジョニーが入った部屋と班長がいる部屋の間には大きなガラスがはめ込まれている
いわゆるマジックミラーで班長の側から部屋の中は見えるが、反対側からは見えない
そして、ジョニーのいる部屋の真ん中には大きな椅子とその上に手足を拘束された男が一人
男は頭にヘルメットのようなものを被らされ、目は布で覆われ、手足には電極のようなものが付けられている

『カメラとマイクのスイッチは既に起動させました。すでに録画開始しているので、下世話なジョークは止めてくださいよ』
「ああ、それはまたのきかいにするよ」
『それでは、自白剤を飲ませますが、その前にこの男を起こさないといけないので、先生、気付け剤の注射をお願いします』
『了解、ジョニー』

拘束された男にはすでに点滴が繋がれ、その側管から医療室のドクターが注射液を注入していく
しばらくすると、拘束されている男は目覚めたようで、ううん・・・と唸った

『それでは自白剤を飲ませますよ』
ジョニーが男の口にカプセル剤を放り投げ、男はむせながらも飲み込んだ
むせこみが終わったところでジョニーは班長の方(ジョニーには見えないが)を向き、頷いた
『無事に自白剤を飲んだと思います。これで『ウル』についての尋問準備完了です』
「ジョニー、申し訳ないが、一応暴れないかそこで見ていてくれるか?」
『了解しました。では尋問を始める。『ウル』について知っていることをすべて話してくれ』
『・・・ああ・・・知っていることをすべて話す』    (Chelsy 


投稿日時:2016/09/12(月) 23:03:00.21



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