(134)355 次回予告・リゾナンター'16 『Wonderful World』
「さすがにこれだけ時間が経つと、あ、待って一つだけアクティブな接続が見つけられるかも」
「とりあえずやってみて。あーりーはその間ガードを」
「で、昨日はなんであんな無茶をしたの」
「無茶をしたつもりはないんだけどね」
「だったらなんであんなに限界を超えてDシステムとの接続を維持したの」
「あいつが原因だ。まさか相川と入れ替わってたとはな」
「ああ中西の【交通規制】ね」
「フルパワーの【交通規制】で足止めを食らった時点で時間内に片づけるのが難しいと思った、だから」
「だから敢えてティラノを暴走するに任せたと」
「もしDシステムの射程距離とか制限時間を知られたら、次からは間違いなく持久戦に持ち込まれる」
「意外とクレバーなのね」
「確かに接続し続けるのは危険だったけど、ティラノの制御を90パーセント放棄したお蔭で体への負担は抑えられた」
「でもあのまま力の奔流を流れるままにしていたらいずれはかなともの体自体がやられてたかも」
「それはそうだけどあの場合、あれが一番ベストな選択だったのはリーダーも認めるよね」
「まあかなともがそこまで考えてのことだったら私はいいけどところで」
痛み分けに終わったジャッジメントとアンジュルムの局地戦
その後の顛末についてジャッジメントのリーダー宮崎由加は、金澤朋子と話し合っている
「町が2ブロック消えた所為で、防衛事務次官の首が飛ぶそうよ」
「同時に二か所で不発弾処理が失敗して、百人単位の隊員が亡くなったってことにしたんだっけ」
「ずいぶんお粗末な情報操作だけど、何とか押し通すみたいよ」
「まあなんだかんだでいいデータが取れて科学者先生にとっては良かったんじゃねえの」
「まあその失態のせいで喫茶店の支援者を潰すなんて地味な仕事を仰せつかったわけだけど」
「失態っていうならセルシウスの方がひどいだろうが。奴ら現場にさえ顔を出さなかったらしいじゃないの」
「情報が錯綜してるのよね。岡井・萩原が裏切ったとか、偽物が紛れ込んだとか」
「鉄の結束も大したことねえな、おい佳林」
「痛っ、何よいきなり殴らないでよ」
「嬉しそうな顔で言っても説得力無いよ。花を摘みに行くぞ」
「行って来たらいいんじゃな痛っ」
「お前バカか。乙女が一人で花を摘みに行ったら危険だろうが」
「ゴジラなみに町を破壊した人間が言っても説得力痛い痛い離してっ」
「で何よ」
「中西の奴にティラノのスペックを知られた、多分だけど」
「え何でそんな大事なことをリーダーに言わないの」
「言ったら私を前線に出さねえだろうが」
「でも危険だよ」
「ティラノの牙の前には朱莉の【爆裂装甲】も意味が無いってことがわかった時点で奴らどうすると思う」
「それは…ティラノとの激突を回避して全力で本体のかなともを潰しに来るよね」
「そうだそこで今度あいつらと戦うことになったら私はとにかく一人で突撃する」
「それは」
「いいから聞け。おそらく主力が総がかりで私を潰しに来る。その時は安全圏からお前がやれ、私ごとな」
「そんなことできないよ。まさかかなともDシステムの所為で体が…」
「それは関係ない。どっちにせよ私の体はそんなに長く持たなかった。だったらできるだけ有効に使いたい。そう思ったからDシステムの被験者に立候補した」
「そこまでしなくちゃいけないの。一度アンジュルムとコンタクトを取って…」
「そんなわけにはいかないよ。私たちはこの世界で蝕み合い、潰し合っていくそういう運命だ。だったらお前は生きろ」
次回、モーニング戦隊リゾナンター’16 『Wonderful World』
「喫茶店の大口支援者見つかったけど、二人どうする」
「勿論行くに決まってる。 組織に逆らう不届きなあなたをジャッジメント!! なんてね」
「かなとも物凄く悪い顔をしてるよ」
この世界はスバラしいよね
そう思える時が来ると信じて共に戦ってきた仲間が急に手の届かない所に行ってしまった気がした宮本佳林は金澤朋子の手を握りしめた
投稿日時:2016/11/07(月) 00:06:43.90
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