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(134)361 次回予告・リゾナンター'16 『いつかどこかで』

「こないだは大変やったな」
「でも田中さんが駆けつけてくれたおかげで被害も最小限で済みました」
「ほんでその時のことで相談があるそうやけど」
「光井さんもお忙しいことはわかってるんですけど」
「水臭いこというたらあかんわ。電話では友達のことや言うとったな」
「ええ、襲撃を受けた時、田中さんが真っ先に駆け付けてくれたんですけど実はその前にもう一人…」
「聖ちゃんの友達が助けに来てくれたんやね」
「ええ、私より二つ下、凰卵女学院で下級生だった竹内朱莉ちゃんていうんですけど」
「ふうん、見間違いととかやないん? ちゃんと話はしたんか」
「それが話せなかったんです。パーカーのフードを深くかぶって。体つきも以前よりは逞しいっていうか頼もしくなってたんですけど」
「あはは、女の子はそのへんどう言うたらええんか大変やな。結局言葉は交わせなかったんや?」
「はい。でも私と朱音ちゃんを銃弾から庇ってくれた時に覗いた顔は間違いなく朱莉ちゃんだったんです」
「銃弾から庇ったっていうことはその彼女、ええと朱莉ちゃんに弾は当たったん」
「ええ、何発かは間違いなく」
「そやのに田中さんが到着したのを見届けると去って行ったと。怪我もしてなかったと」
「血の跡とかも残ってませんでした」
「うーんパーカーの下に防弾ジャケットとか着こんどったとしても、普通の人間は弾が何発も当ったらそう動けんもんやけどな」
「ですから多分朱莉ちゃんも…」
「能力者っちゅうわけやな。でも聖ちゃんの能力やったらその子かその子の持ち物に触れたらなんかわかるんちゃうのか」
「それが…」

朱莉らしき少女に守られた形の聖もまた朱音のことを守るのに必死で、【接触感応】を発動する余裕すら無かったという

「その朱莉ちゃんと最後にあったのはいつ頃。 あっこないだの襲撃の時はのぞいて」
「私が三年生だった時の冬、試験終わりに学校の中庭で会ったのが最後です。実はその数日前から朱莉ちゃんの様子が少しおかしくて」

思春期の人間関係なんて梅雨空のように変わりやすい
聖が普通の少女なら、その朱莉という少女との別れも何ということはないものだったろう
しかし聖は能力者であり、朱莉という少女もまた能力者であるとするなら…

「あのな聖ちゃん、うちの能力は多分聖ちゃんが考えてるような万能なものやない」

特定の誰かがいつどこへ現れるかをピンポイントで予測することなどできないことを聖に告げる

「そう、現在からつながる無限の可能性のいくつかが視れる、ことも、ある、その程度の力でしかないんや、でもな」

今日、聖から朱莉という少女の情報を得たことで、その未来を視れる可能性がアップしたのも事実

「だから何か視えたらすぐに連絡するから。聖ちゃんもまた何かわかったら遠慮せず連絡してきてや」

次回、モーニング戦隊リゾナンター’16『いつかどこかで』

光井愛佳は嘘をついた
実は訪れてきた聖の顔を見た時点で、もっとも可能性の高い聖の未来が視えてしまっていた
泣き叫ぶ聖の腕の中で血を流し息絶えた少女の姿を愛佳は視てしまったのだ

うちが未来を視てしまった観測者効果によって朱莉ちゃんって子が死んでしまう確率はかなり上がってしまった
でもうちは認めへん
そんなくそったれな未来なんて認めへん
うちが神様やったらそんな未来は簡単に変えられるけど、神様やないうちは仲間の力を借りて変えてみせる

かつて支え合い、共に戦った仲間の顔を思い浮かべながら聖に笑いかける愛佳

「その朱莉っていう子といつかどこかで出会うために物語ははじまってるんやから、なあ聖ちゃん」
「はい!!」


投稿日時:2016/11/07(月) 07:05:24.07



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