(113)70 『青春小僧が泣いている──Lost story Haga』3

「ごめんなさい……朱音は、はるかさんに着いて行きます」

牧野さんの横を通り過ぎる

ガシ

すれ違い様に脚を掴まれた

「行っちゃダメ……羽賀ちゃんを……悲しませたく、無い」

腕を掴み返す

さっき初めて出来た能力の新しい使い方
痛みを消すだけだったのに、強くする事も出来た
この能力があれば、逃げられる

「……牧野さんでも、邪魔をするなら遠慮しませんよ」

──痛覚制御──エキスパンド・ペイン

「ああっ!」

牧野さんが顔を歪める

「……手を離してください」
「行っちゃ……駄目」

額に汗を滲ませながら、掴んだ手を離さない牧野さん

「どうして、そんなに?」


投稿日時:2016/01/26(火) 18:10:41.33







ページの先頭へ