(127)132 『Chelsy』14

「ただいまー」
「おかえり」「おかえりなさい」「・・・こんにちは」
「ふ~喉乾いたっ!おなかすいた!」
ごちゃごちゃした派手なバッグを椅子に置きながら指定席に腰を下ろした
「いつものでいい?」
「お願い。あとアイスコーヒー」
「了解。氷は少な目、でいいよね?」
「うん」

鏡を取り出しメイクを整えていると甘い香りが拡がる
「いい匂いやん」
「ふふふ、表面にグラニュー糖まぶして、オーブンで焼いてるの」
「・・・カロリー増えるのは目をつぶっていただけるとありがたいです」
「こらあ、サボっていないで手伝え!」

「ん~食べたい!食べたい!」
「こら、これはダメっ」
「はいはい、あとで作ってあげるから我慢してね。カップケーキお待たせしました」
「フフフ・・・これ好いとうと」
「『すいとうと~』」「『すいとうと~』」

「ところでこのチラシどうしますか?」
「なに、それ?」
「ん~さっき探し人のチラシ張ってくださいって持ってきたの。ほらシルベチカ事件」
「・・・心配ですね。花言葉のようにならない内に見つかってほしいです」
「花言葉?」
「・・・『わたしを忘れないで』です」

「でも、チラシを張る前にお願いしたいことがあるんだよね」
「わかりました。『視て』みますよ」
「お願いね」     (Chelsy 


投稿日時:2016/08/05(金) 22:16:51.98



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