(133)373 次回予告・リゾナンター '16 『愛のため今日まで進化してきた人間 愛のためすべて退化してきた人間』

愛のため今日まで
進化してきた人間
なのになぜ寂しいの?

組織の一員にも休日はある
常に地下の秘密基地で世界征服の野望を実現するために日夜悪だくみをしているわけではない

秋というよりは初冬のその日、
スマイレージの面々は全員で海を訪れていた
休日といっても実質、半日しかないならば今夏、訪れて土地勘のある海に出かけようということになったのだが

「わださああああん!!!!!!!」

肌寒い天気にもかかわらずおかしなテンションで騒ぐ佐々木莉佳子を起点に笑いの渦が広がっている
それをまるで母親のように笑いながら見つめている彩花

愛のためすべて
退化してきた人間
なのにまだ寂しいの!

誰かが足りない気がする
それが誰なのかはわからないが

中西香菜、竹内朱莉、勝田里奈
任務でも訓練でも彩花を支えてくれる心強い仲間だ

室田瑞希、相川茉穂、佐々木莉佳子
先輩の厳しい指導を受けながら怯むことなく使命を果たす若い力

上國料萌衣、笠原桃奈
少しずつ個性を発揮しつつあるスマイレージの未来

何の不満も無い
自分は仲間に恵まれていると思う
しかし足りない
彼女たちのように仰ぎ見るのではないもっと対等な目線で彩花の傍らに立つ者
時に彩花を苛立たせる物言いをするような仲間が居たと思うのだが…

自分の能力は生まれ持ったものではない
第三者によって開発され、強制的に進化させられたもの
能力を発動させる度に、そんな思いが湧いてくる
でも誰の手で、何のために

海に入るわけにはいかない一行は水族館を訪れていた
ある動物の展示の前で足を止め、涙を流す彩花

「どうしたんですか、こんなアザラシなんか感動するところですか」

私には仲間がいた
前田憂佳、小川紗季、そして福田花音

世界中の能力者の皆を幸せにするという無邪気で無謀な私の夢の為に共に戦ってくれた大切な仲間
彼女たちの思いを、花音が稼いでくれた時間を無駄にしないために
この涙の意味を変えてみせる

次回、リゾナンター’16 『愛のため今日まで進化してきた人間 愛のためすべて退化してきた人間』

その日スマイレージはアンジュルムと名前を変え、組織に反撃を加える第一歩を踏み出した 


投稿日時:2016/10/30(日) 13:56:28.69





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