(136)118 次回予告・リゾナンター'14 『She's Like the Wind』

「…力が欲しいか。ならばくれてやろう」

「からかうのはやめてください。亀井さん」

氷の魔女、藤本美貴の凶弾に鈴木香音が傷ついてから二週間、リゾナントは平穏を取り戻していた
治癒能力を持つ道重さゆみと能力を複写できる譜久村聖とのWタッグによる看病の結果、氷槍で傷ついた香音の傷もかなり癒えてきた
水と意識が繋がっているところを氷結魔法で襲われた鞘師里保は、精神を汚染されていないか精査する為、外出を禁止されていた
外に出れない間の鞘師はリゾナントの業務に勤しむ合間、身体の鍛錬や実践稽古、【アクアキネシス】の特訓などに一心不乱に取り組んでいた。
その日も、リゾナントの営業が終了後、地下のプールで水を操っていたところだ。

「言っておきますが、私は別に…」
「別にお説教するつもりなんてないよ。ガキさんやさゆ、れいなは心配してたけどね」

香音を傷つけられ、その復讐に焦っているわけではないと言おうとした機先を制せられ鼻白む里保に亀井絵里はいつもの調子で話しかける
さゆみや聖が香音の治癒から離れられない分の人手不足を補うために、特別外出許可を取ってリゾナントに泊まり込んでいた絵里は今日で一旦病院に戻るという

(それにしてもこんなに元気そうな人がなんで長期入院してるんだろう)

見る者の心蕩けさせるような笑いを浮かべている絵里を黙って見つめていると…。

「君の気持はよくわかるよ。だって私だって風を操れるようになったのはさゆのこと守りたいと思うようになったのがきっかけなんだからさ」

だから、やろうよと絵里は言った。

「君が求めているものを教えてあげられるかもしれない」
「折角ですが、御覧のように【アクアキネシス】を全開で使ったので疲れてるんです」

いくら元気そうでも心臓に疾患を抱えているという絵里に無理をさせるわけにはいかない
そんな心遣いから出た断りの言葉を絵里は嘲笑った

「じゃあもしも私が、あるいはさゆが、あるいは香音ちゃんが殺されそうになっていたとしても君はそう言って疲れてるって逃げるわけ」

わかりきった挑発だが、里保の心はざわついた。
その精神を反映するように、特訓で半分程度の水位に下がっていたプールの水面が揺れ動く
それを見た絵里はまるで舞うような動作で両手を掲げる。

「ハンデをあげるよ。私はテキトーに手加減するから、君は殺す気でおいで」

次回、モーニング戦隊リゾナンター’14『She's Like the Wind』

プールを挟んで睨み合う二人。
里保の心を映した水面の乱れを絵里の操る風が切り裂いていく


投稿日時:2016/11/29(火) 17:50:50.64

 







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