リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第51話(ミラー)

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1 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/05(水) 22:01:59.58 0
从*` ロ´)<やっばぁ、なんかめっちゃワクワクする! 
从*・ 。.・)<さゆみ、可愛い子がいいなぁ 
||c|#・e・)|<コラー!田中っちもさゆみんも遊びじゃないんだからね! 
川*’ー’)<愛佳、今度は愛佳が救う番だよ 
川=´┴`)<は、はい! 
「リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第49話 290『再始動~Re-sonantor~』」より 
前回のお話はこっちやで↓ 
        リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第50話 
          http://toki.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1290568236/ 
リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ@wiki 
http://www39.atwiki.jp/resonant/ 
まとめサイト 
 PC:http://resonant.pockydiary.net/index.html 
携帯:http://resonant.pockydiary.net/index.cgi 
まとめサイト Ver.2 
http://resonanter.blog47.fc2.com/ 
リゾナントブルーAnother Vers(ry 暫定保管庫(まとめサイト3) 
http://www35.atwiki.jp/marcher/ 
掲示板 (感想スレ、作品題名申請スレ、あとがきスレ他) 
http://jbbs.livedoor.jp/music/22534/ 
テンプレ>>2-7ぐらいまで
2 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2011/01/05(水) 22:02:44.44 0
このスレの始まりと 今まで出てきた設定やイメージ画像 
http://www39.atwiki.jp/resonant/pages/43.html 
高橋愛 
http://www39.atwiki.jp/resonant/pages/12.html 
ttp://resonant.pockydiary.net/file/template/r_ai.jpg 
新垣里沙 
http://www39.atwiki.jp/resonant/pages/13.html 
ttp://resonant.pockydiary.net/file/template/r_risa.jpg 
亀井絵里・道重さゆみ 
http://www39.atwiki.jp/resonant/pages/14.html 
http://www39.atwiki.jp/resonant/pages/15.html 
ttp://resonant.pockydiary.net/file/template/r_sayueri.jpg 
田中れいな 
http://www39.atwiki.jp/resonant/pages/16.html 
ttp://resonant.pockydiary.net/file/template/r_reina.jpg 
久住小春 
http://www39.atwiki.jp/resonant/pages/17.html 
ttp://resonant.pockydiary.net/file/template/r_koharu.jpg 
光井愛佳 
http://www39.atwiki.jp/resonant/pages/18.html 
ttp://resonant.pockydiary.net/file/template/r_aika.jpg 
ジュンジュン・リンリン 
http://www39.atwiki.jp/resonant/pages/19.html 
http://www39.atwiki.jp/resonant/pages/20.html 
ttp://resonant.pockydiary.net/file/template/r_junlin.jpg
3 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2011/01/05(水) 22:03:27.33 0
<よくわかる!? リゾナントスレの世界観図説> 
リゾナンター派(多数派)─┬─ダークネスと闘う超能力少女たちだよ派(鉄板路線派) 
               │  ├ダークネスは悪の組織の名前だよ派(暗闇=敵だよ派) 
               │  │ └ラスボスの名前でもあるよ派(ダクネチュ様派) 
               │  ├実は前身となる正義の組織があったんだよ派(OGメンはかつての味方だよ派) 
               │  │ ├方針転換して悪の組織になったので新組織を立ち上げたよ派(見解の相違派) 
               │  │ └組織はつぶされ現メン(の一部)が生き残ったんだよ派(正義の組織再興派) 
               │  └前身はなく愛ちゃんが一から始めたんだよ派(OGメンは最初から敵だよ派) 
               │    ├最初に見つけた仲間はれいなだよ派(同居人優先派) 
               │    ├最初に見つけた仲間はガキさんだよ派(娘。加入順優先派) 
               │    ├最初に見つけた仲間はガキれな以外の子だよ派(基本にとらわれないよ派) 
               │    └愛ちゃんは美少女コレクターだよ派(百合愛好派) 
               │ 
               ├─モーニング娘。をやりつつ敵と闘うよ派(鉄板路線派「かなしみ戦隊」系) 
               │ 
               ├─政府直属の能力者集団だよ派(独自路線派「共鳴者」系) 
               │ 
               └─その他(各種独自路線派) 
リゾナンダー派(少数派)─┬─戦隊モノのヒーローなんだよ派(特撮愛好派) 
            │   ├各自のイメージカラーが個人の戦隊カラーになってるよ派(LLはどうなったの派) 
            │   └リゾナンカーとセットで使いたいよ派(とことん特撮派) 
            │ 
            ├─スレが始まった時はこっちだったんだよ派(原理主義) 
            │ 
            └─その他(各種独自路線派) 
“ター”でも“ダー”でもどっちでも派(穏健派) ─┬─面白ければなんでもいいよ派(内容重視派) 
                              │ 
                              └─シリアスとギャグで使い分けるよ派(こだわり作者派)
4 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2011/01/05(水) 22:04:10.44 0
【今まで出てきた能力まとめ】 
高橋愛:精神感応(リーディング) /瞬間移動(テレポーテーション)/光使い(フォトン・マニピュレート) 
新垣里沙:精神干渉(マインドコントロール) 
亀井絵里:傷の共有(インジュリー・シンクロナイズ) /風使い(ウィンド・マニピュレート) 
道重さゆみ:治癒能力(ヒーリング) 
  さえみ(姉人格):物質崩壊(イクサシブ・ヒーリング) 
田中れいな:共鳴増幅能力(リゾナント・アンプリファイア) 
久住小春:念写能力(ソートグラフィー) /幻術(ハルシネーション)/発電(エレクトロキネシス) 
光井愛佳:予知能力(プリコグニション)/心の浄化(ハート・プリフィケイション) /水守(みまもり) 
リンリン:念動力(サイコキネシス)/発火能力(パイロキネシス) 
ジュンジュン:念動力(サイコキネシス)/獣化(メタモルフォシス(トゥ・ビーストorパンダ)) 
詳しくはこちら 
ttp://www39.atwiki.jp/resonant/pages/35.html 
ジュンジュン獣化参考画像 
ttp://resonant.pockydiary.net/file/panda.jpg 
喰らってくたばれ! 
必殺! 
ttp://resonant.pockydiary.net/file/helpme.gif 
リゾナンカー 
ttp://resonant.pockydiary.net/file/template/car.jpg 
リゾナントロボ… 
発…… 
ttp://resonant.pockydiary.net/file/robo.gif
5 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2011/01/05(水) 22:04:53.72 0
【喫茶店リゾナントイメージ】 
間取り 
ttp://resonant.pockydiary.net/data/upfile/142-1.gif 
ttp://resonant.pockydiary.net/data/upfile/784-1.jpg 
ttp://resonant.pockydiary.net/data/upfile/785-1.jpg 
本日のランチ 
ttp://resonant.pockydiary.net/data/upfile/155-1.jpg 
ttp://resonant.pockydiary.net/data/upfile/156-1.jpg 
タウン誌紹介文 
ttp://resonant.pockydiary.net/data/upfile/383-1.jpg 
【TV・映画イメージ】 
リゾナンターEDイメージ(字あり提供入) 
http://jp.youtube.com/watch?v=ijT95qkTqfA&NR=1 
リゾナンター予告イメージ 
http://jp.youtube.com/watch?v=wSVKqpCYrQs 
リゾナンター予告編・i914Ver.  ※血液等の映像が含まれますので苦手な方は見ないほうがいいです 
http://jp.youtube.com/watch?v=TEsl4BjQ8sA 
リゾナンターの予告編パート2/映画風 
http://jp.youtube.com/watch?v=9Rvh02cQQoI&fmt=6 
リゾナンター/共鳴セヨ 
http://jp.youtube.com/watch?v=3m65hxrvduY 
リゾナンター予告編/ダークネスVer. 
http://jp.youtube.com/watch?v=OkFqDKBJUBg&fmt=6 
イントロダクション 
http://www.youtube.com/watch?v=srvVoDEse2g 
リゾスレ一周年記念動画 
http://www.youtube.com/watch?v=VBgPc_o1u0E&fmt=18 
The loneliness of the girls 
http://www.youtube.com/watch?v=4IAclB1_-zs 
リゾナンターOP 
http://jp.youtube.com/watch?v=EXNriFUNuUY
6 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2011/01/05(水) 22:05:36.30 0
【初代まとめサイトで投稿日順に読む裏技】 
まとめサイトの[検索]で「(1)」とか指定すると、第1話(1スレ目)の作品が投稿日順に並びます(降順) 
(投稿日=まとめサイト掲載日時であり、スレ投下日時ではありません) 
ただし、次回予告についてはシングルの順序と合わせるために 
順番に並ぶように投稿日をいじってあるのでこの限りではありません 
このスレに初めて来たから様子がわかんないよ、って人にはイイかも 
※時々検索結果に違うスレの作品が混じりますが、本文中に張ったリンク(例:(1)123)を拾ってしまうためです 
【まとめサイトVer.2で投稿日順に読むには】 
タグでスレごと(第○話)の作品群を見ることができます。 
登録日の順になっているのでそこからたどっていけばおk 
【代理投稿を依頼するときのお願い】 
したらば掲示板のアク禁スレに作品を上げるときは対処方法の指示も書いてください 
例えば 
・規制食らったので転載してほしい 
・レス数多いから掲載を手伝ってほしい 
など 
転載する人は必ず投下する旨をアク禁スレに宣言していってください 
(投下かぶり防止のため。宣言が同タイミングなこともあるのでリロード&しばらく待つのも大事)
7 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2011/01/05(水) 22:06:46.23 0
川*’ー’) < テンプレの設定やまとめサイトを参考にして自由に想像するやよ 
ノ|c| ・e・) < 登場人物の能力やストーリーの背景・設定は作者さんの自由なのだ 
ノノ*^ー^) < シリアル路線でもコメディ路線でもお好きなものどうぞ 
从*・ 。.・) < AAを使ったものや1レス完結ものでもOKなの 
从*´ ヮ`) < 他の作者さんの設定を流用するのもありっちゃ 
ノリo´ゥ`リ < 気に入った話の続きや繋ぎの話を書いてみるのもありカナ☆ 
川=´┴`) < プロットを書いて他の作者さんにストーリーを書いてっておねだりしてもええで 
川*^A^) < アーでも書いてくれるかは作者さん次第ヨ 
川´・_o・) < ソッカー 
作品投稿の際、10レスを越える場合は連続投稿規制(バイバイさるさん)がかかるので注意。 
それから1レス当たり最大32行までしか入らないのでそれも注意。 
ttp://resonant.pockydiary.net/file/template/r_coming.jpg 
君の作品を待ってる 
<※初めてスレを訪れた方へ> 
 お勧めの作品やわからない用語については遠慮なく質問してみてください 
 スレに何人もいるであろう「生き字引」が24時間以内に答えてくれるでしょう(多分)
8 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/05(水) 22:07:50.85 0
新メンバーと共に新スレもよろしくどうぞ 
テンプレも次スレには再度見直しが必要になってくるかもしれませんね 
ご意見等またお寄せくださいませ 
ちなみに第50話までの作品INDEXです↓ 
よろしければお使いください 
http://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/191008.xls&key=resonant 
※ファイルを開くにはEXCELが必要ですのでご了承ください
9 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/05(水) 22:34:16.27 0
乙です 
スレ立て人さん
10 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/05(水) 23:04:04.71 0
スレ立て乙であります
11 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/05(水) 23:25:49.53 0
新スレオメ
12 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/05(水) 23:43:46.49 0
>>8 
いただきました 
ほんと便利
13 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/06(木) 00:18:03.09 0
ダクネチュ)<皆の者あけおめだゾ! 
ノlc| ・e・)<おめでとうございます 
ダクネチ;)<む!何か新たな蒼き共鳴を感ずるゾォ・・・リサよワシに何か報告していない事はないか? 
( ・e・;)<えッいえ 気のせいですよぉ(ときどきこのオッサン鋭い時があるからなぁ・・・) 
ダクネチュ)<まぁ良い良い!こちらも臨時に何人か部下を雇ったからな・・・いでよ!! 
ノノ*^ー^)リo´ゥ`リ川´・_o・)川*^A^)<ハハッーーーーー!!!! 
ttp://resonant.web.fc2.com/data/toro17101.jpg 
( ・e・;)<ええーー!   ボソボソ(ちょっあんたたち何で!?)ボソ 
川´・_o・)川*^A^)<オッサン ケッコウ カネモチ! オトシダーマ! ノノ*^ー^)リo´ゥ`リ<オッサン ウメボシ クレル! スッパボール! 
   _, ,_ 
ノlc| ・e・)<オッサン言わない~何でアンタ達までカタコトなのよぉっ!もう・・梅干し食べたら帰んのよ 
ノノ*^ー^)リo´ゥ`リ川´・_o・)川*^A^)<ハーイ 
              -2011年 里沙のスッパイ苦悩は 今年も続く- 
14 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/06(木) 00:36:19.10 0
ダクネチュ様乙です 
次に狂犬ミティを書くときはまた出演して頂きますのでw
15 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/06(木) 00:42:54.59 0
カタコトワロタw 
なんかあの2人っぽいなあ… 
しかしスパイとスッパイをかけるとはさすがダクネチュ様w
16 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/06(木) 04:22:57.45 0
ダクネチュ様大人気ですねw
17 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/06(木) 07:54:36.41 0
ダクネチュ様の安定感と安心感はハンパない
18 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/06(木) 10:24:02.20 0
前スレラストがほほえましすぎる 
1000 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/06(木) 01:51:06.09 0 
    川´・_o・) <ジュンジュンが1000とるダ 
    http://static16.photo.sina.com.cn/orignal/6713d81ag99007e890f9f.jpg 
でもジュンジュンそこは携帯でw
19 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/06(木) 12:24:10.82 0
確かに携帯で書き込んでたら完璧だった 
20 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/06(木) 13:28:37.21 0
携帯はずっと規制されてるからなあ 
貼ったの自分じゃないけどw
21 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/06(木) 16:26:11.49 0
http://stat001.ameba.jp/user_images/20110106/12/tanakareina-blog/2f/ae/j/o0359064010965862536.jpg 
2011年…喫茶リゾナントの制服も進化を遂げる
22 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/06(木) 19:13:17.33 0
行かねば
23 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/06(木) 19:29:18.99 0
51話ってすごいですね! 
ここで未完成ですが作品投下したいと思います・・・ 
24 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/06(木) 19:30:28.51 0
愛ちゃんと愛佳は静かに泣いている。 
れいなは俯いて震えている。 
小春はずっと叫んでいる。 
ジュンジュンとリンリンは血を流して倒れている。 
さゆみはというと早く二人を治療しなきゃいけないのに、絵里の手を握ったまま動けないでいる。 
ひどいよ、と絵里が呟いた。 
さゆみも呟いた。 
ひどいよガキさん。 
なんでこんなことするの? 
なんで?なんでなんでなんでなんでなんで!? 
声は次第に大きくなって、地下倉庫にずいぶんと空しくこだました。 
なぜならそれをぶつける対象がいないから。 
ガキさんはいなくなった。目の前で姿を消しちゃった。 
さゆみたちを裏切って。 
でもなぜだろう、ガキさんはまださゆみたちのすぐそばにいる気がするのは、この事実を認めたくないせいかな。 
25 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/06(木) 19:31:26.32 0
◆ 
目、醒めたらリゾナント。 
足はもうイタクナイ……。道重サン……イツモアリガトございマス。 
オーミナサン!リンリン元気になりマシタ! 
……ワタシそんな寝てタ!?びっくりデース。 
高橋サンアリガトー。水美味しいデス。 
アージュンジュン!!ジュンジュンはだいじょぶ?……アーヨカタ。 
みなサン無事でヨカタ。 
……新垣サン……イッチャタんデスネ……。引き留めラレナカタ……。 
どう思うか、ですカ? 
ア、だいじょぶデスヨー、頭スッキリダカラ! 
リンリン、新垣サン許せナイデス。ダッテ仲間を攻撃シタ!リンリンイタカタ。 
ムコウは手加減ナンカしてマセンデシタ。 
デモ、リンリン聞こえマシタ。 
新垣サン、リンリンに攻撃したトキトテモ悲しそうに言いマシタ。 
「出逢ってごめんね」 
「裏切って」じゃナクテ、「出逢ってごめんね」ッテ。 
ワタシたちと出逢ったコト否定シタ。 
リンリン切ないデス。このコトバ頭から離れないヨ。 
ぐずっ、うぅ……ティッシュくだサーイ……亀井サンアリガトー。 
26 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/06(木) 19:32:13.74 0
◆ 
アノネ、ジュンジュンもそれ聞いたヨ。 
多分ワタシたちにシカ聞こえてナイヨ。 
新垣サンオカシカタ。ツラソウな顔ナノニ強くて本気ダタ。 
え?何デスカ道重サン。意味わかんないノ?ナンデ? 
ダカラー、フツウ心に迷いあるトキ、身体イウコトききませんヨ。 
ジュンジュンは獣化シテ理性あんまりなくなるカラ、迷いもありまセン。 
ナノニ新垣サンに倒されタ。 
精神干渉使い、多少自分をコントロールできるカモだケド…… 
攻撃強い慣れてるジュンジュンとリンリン、アッサリ倒すハ信じラレナイ! 
え?何デスカ久住サン。つまりどゆコトかテ? 
ダカラー、新垣サンは操られてタかもシレナイヨ。 
デモ新垣サンの精神強いダカラ、心までゼンブ明け渡サレナカタ。 
ホントは戦いたくナイ、デモジュンジュンとリンリン来たモンダカラ、戦サわレタンダヨ。 
心と身体バラバラなるト、サイショに心が悲鳴上げるヨ。 
27 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/06(木) 19:32:57.17 0
◆ 
ちょっと待ってください、一度整理してもいいですか? 
あの地下倉庫には新垣さんしかおらへんかった。 
ジュンジュンの説が正しければ、あの時すでに新垣さんは操られていた。 
そうや……新垣さんがリゾナントに来いひんようなって、連絡も取れへんかった三日間……。 
そのあいだに新垣さんがダークネスと接触したんや。 
私らも異常事態だと思った頃に連絡が来て、全員をあそこに呼び出して、揃ったところで言いはった。 
「もうあなたたちと一緒にいられない。さよなら」 
そのあと怒ったジュンジュンとリンリンが新垣さんに詰め寄ったら……銅線で攻撃して、姿を消してもうた。 
操られていたかどうかは保留にして、あ、ごめんジュンジュンのこと信じてるけど、ちょっと待ってな? 
色々と疑問が残ります。大きく二つ。 
一、なぜ地下倉庫に集めたのか。 
リゾナンターを辞めると宣言するだけならこの場所でもいいはずです。 
穏便に済まさせないことを予想しての選択かもしれませんが、新垣さんの性格からして事を大げさにするのは避けるばず。 
二、だとすれば真の目的は何か。 
ジュンジュンとリンリンへの攻撃も言わば反撃。新垣さんは私らを攻撃する気はなかったと思います。 
そもそも私は新垣さんがダークネスに寝返る未来は見ていないんですよ! 
愛ちゃん、何か新垣さんから感じ取りませんでしたか? 
28 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/06(木) 19:33:43.49 0
◆ 
あっしはガキさんから何も感じなかったやよ。愛佳も言うように殺気もなかった。 
だから……油断してた。 
ガキさんを見つけたと思ったらあんなこと言うしリンリンたちは怪我するし、気が動転しちゃってた。 
リーダー失格でごめん……。……ありがとれいな。 
ガキさんから何も感じなかった。あっしらを裏切ることの躊躇いも何もなかった。 
まる一日経ったわけだけど、そのことがずっと引っかかってたんだ。 
ガキさんは、なんの躊躇いもなく、ガキさんのままで、あっしらと訣別できる人間か? 
答えはNo,出来ない。ガキさんは素直でいい子やざ。 
あんないい子がリンリンの足に、ジュンジュンの腕に銅線の束を突き刺したのは、絶対変なんよ。 
絶対変なのに、あの時はその違和感を見破れなかった。あっしの不注意のせいで。 
そこでみなさんに提案があります。 
もう一度、あの地下倉庫に行きたいです。 
あっしも、あの場所に集められたことが無意味とは思えない。 
調べればガキさんの痕跡が残っているかもしれない。 
あっしはガキさんにもう一度逢いたいんやよ。 
29 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/06(木) 19:34:30.08 0
◆ 
れーなは怒っちょる。 
れーなは謎とか心理とか小難しいもんはキライっちゃね。 
そりゃあ人間やし、何でもかんでも割り切れるもんでもないのは解るっちゃけど、それにしたってガキさんは解りにくい。 
消えるにしたって、なぜなのかもっとちゃんとれーなに一発で解るように説明してから消えんかい!あ、これ次会ったら言おう。 
  
次会ったら……。 
会えるのかな。 
もうれーなたちの前に現れてくれないのかな。 
ガキさん。 
愛ちゃんはさっき素直って言いよったけど、れーなから見ればとても複雑。完璧な笑顔の裏に完璧に感情を隠す人。 
れーなとは正反対やん!だかられーなはガキさんのことすごく気になる。 
「さっき笑っとったやん、ほんとに楽しかった?れーなといて楽しい?」って実際聞いたこともあったなぁ。 
そしたらガキさん笑って 
「田中っちは可愛いね~!楽しいに決まってんじゃん!」 
って言っとった。あー、あの笑顔は本物。れーな嬉しくなったもん。 
てことはガキさんは素直ってこと?れーなが逆に素直じゃない? 
もう……わからん。やっぱりれーなは小難しいもんはキライっちゃね。やめーやめー。 
ひとりでぐるぐる考えていたのが顔に出ていたのか、さゆがこっち見とう。なんね? 
へ?着いた?ここだ! 
なんかむずむずするけん、でもガキさんに会って話しよったらこのむずむずがなくなる気がする。 
うん、だから、絶対会える!会えなくってもなんかある!コレれーなの直感よ!! 
30 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/06(木) 19:35:19.03 0
◆ 
田中さん張り切ってるなぁ。小春はなんかダルイっす。乗り気じゃないんじゃなくてさ。 
全然覚えてないけど、みっしげさんが言うには相当叫んでいたらしい。 
にーがきさんのバカー!とかその他もろもろ。どうりでノドが痛いわけだ。 
さて、昨日の舞台にとーちゃく。 
戸が壊されている大きな木造倉庫。もちろん何年も使われた痕跡はない。 
どういうわけか地下に続く階段があるへんてこな倉庫。 
よくよく考えるとおかしいよね?あんな立派な地下倉庫作れるなら、ふつー見える地上の部分もちゃんとしない? 
愛ちゃんのみけんにぎゅっとしわが寄ってる……小春とおんなじこと考えてるのかな。 
かなり嫌な予感がする。今までこんな感覚になったことはあっただろうか。気をつけよう。 
そうそう、すぐ能力を使えるように気を抜くなって愛ちゃんに言われてたんだった。 
階段を降りきると、地下なのに薄ら明るい。電気なんてつくわけないのに。 
へんてこだらけだ。なんで昨日は気付かなかったんだろう。にーがきさんに電気をつける能力はないじゃないか。 
これじゃあ、小春たちのほうが大バカだ。にーがきさんは絶対悪くない。 
奥のほうから、生き物の気配がした。小春、集中。 
31 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/06(木) 19:36:15.74 0
◆ 
「あれ……女の子だよね!?しかも小学生いや中学生くらいかな?」 
声が思いのほか響いてしまって、みんなびっくりしている。エリ自身もびっくりしちゃったくらい。 
でも奥から出てきたのが女の子四人とわかったとき、みんなだってホッとしたはずだ。 
「おねえちゃんたち、なに?ここは私たちの遊び場なんだけど」 
むしろ女の子たちのほうが警戒していた。よし、ここはエリが緊張をほぐしてあげましょう! 
「あのねぇおねえちゃんたち、お友達探してるんだけど。私と同い年なの。知らないかな?」 
「知ってる?」 
「さぁー」 
「私たちしか来ないしねー」 
「だよねー」 
「そっか……残念。でもね、昨日ここにお友達が来たのは確かなんだ。ちょっと調べさせてもらうよ?」 
「ダメだよせっかく遊んでるんだから」 
「そこをなんとか!」 
こうべを垂れ、パンッと両手を前で合わせてお願いのポーズ。 
これがいけなかった。 
一瞬でも目を離してはいけなかったのに。エリはとんでもない愚か者。 
腹部に衝撃を受けた。こみ上げる鉄の味。吐血。膝から崩れる。さゆが来る。まだ治らない。まだ治らないの?やだ、やだ。 
床からエリを襲った子をゆっくり見上げると、暗い瞳で笑っていた。昔のエリみたい…………。 
32 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/06(木) 19:39:38.26 0
>>24-31『Lost children』前編 
後編は練り固まったら投下する予定です;
33 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/06(木) 20:08:08.13 0
>>33 
面白い 
話し言葉の連続が独特のテンポを生み出して面白い 
ストーリー自体も波乱含みですしね 
一つだけ気になったのはガキさんが鋼線じゃなくて銅線を使ったってとこかな 
まあ人それぞれだけどw
34 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/06(木) 20:08:52.03 0
焦って自分にレスしとるw
35 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/06(木) 20:28:20.74 0
>>33あーやってしまったwご指摘ありがとうございます
36 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/06(木) 20:35:01.53 0
>>32 
面白いね! 
ガキさんの裏切りに心引き裂かれるリゾナンターたちが凄く悲しい 
みんなそれぞれに怒りながら、信じようとしながら、泣いているのが超胸に来た! 
続き待ってるけんね!
37 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/06(木) 21:56:28.16 0
>>32 
謎の4人の正体は誰なんか 
凄く気になるわ 
後編を楽しみにしてます
38 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/06(木) 22:22:48.45 0
>>32 
口語体で視点を変えながら物語を進行していくというのはおもしろい手法ですね 
「謎」の生かし方がすごく上手いなと思いました 
このスレの根本とも言えるガキさんスパイ設定を描きつつ……「小中学生くらいの女の子四人」 
どのような決着を見るのか楽しみにしています
39 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2011/01/06(木) 23:54:02.50 0
ホゼナンター 就寝! 
 ミ ○ノ 
   く ) 
  ノノ
40 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/06(木) 23:54:46.61 0
ageて寝ろよダメナンターw
41 : FL1-118-108-198-169.stm.mesh.ad.jp[] 投稿日:2011/01/07(金) 00:38:14.28 0
>>18 
1000取ろうとしたら携帯が規制されてたダ… 
今パソコンで保全しようとしたらパソコンも規制されてるダヨ… 
  バン  ノノハヽ 
 バン  ∩#´・_o・) < キーッ! 
 ___(ミつ/ ̄ ̄ ̄/__  
     \/___/ 
バンバンバンバンバンバンバンバンバンバン 
バンバンバンバンバンバンバンバンバンバン 
  バン  ノノハヽ 
 バン  ∩#´・_o・)キーッ! 
 ___(ミつ/ ̄ ̄ ̄/__  
     \/___/ 
  ドゴォォォォン!! 
        ; '     ; 
         \,,(' ⌒`;;) 
         (;; (´・:;⌒)/ 
   ノノハヽ(;. (´⌒` ,;) ) ’ 
Σ川;´・_o・) <((´:,(’ ,; ;'),` 
⊂ ⊂    / ̄ ̄ ̄/__ 
      \/___/ 
      ノノハヽ 
  …  川´・_o・) < …直ったダヨ 
 ___( つ/ ̄ ̄ ̄/__  
     \/___/
42 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/07(金) 01:00:01.98 0
  ノノハヽ 
∩#´・_o・) <ハダカでなにが悪いダ!! 
     ⊂ 
http://aewen.com/momusu/li/img/aewen1735.jpg
43 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/07(金) 01:16:13.70 0
www 
そんなジュンジュンが大好きですw
44 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/07(金) 02:14:02.06 0
みんなも見てただろうけど凄いねこの威圧感 
歴代最強の力を秘めた将来の救世主って感じ 
末恐ろしい戦士になりそうw 
ttp://tvde.web.infoseek.co.jp/cgi-bin/jlab-dat/s/755750.jpg
45 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/07(金) 05:00:43.48 0
強そうだね
46 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/07(金) 05:17:13.71 0
もう画像消えてる 
何の画像だったの?
47 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/07(金) 07:03:23.30 0
情報操作が行われたのか(違 
多分美女学じゃないのかな 
48 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/07(金) 08:02:34.76 0
やっすぃーの画像だね多分 
( `.∀´)じゃなくてさやっすぃーねw
49 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/07(金) 11:05:27.78 0
http://picroda.jphip.com/hp/jphip14605.gif 
確かに強そうw
50 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/07(金) 13:08:38.79 0
鞘師はドラゴンボールの孫悟飯みたいなイメージ 
まだ子供だけど物凄い潜在能力を持ってる
51 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/07(金) 14:45:11.85 0
評価高いな
52 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/07(金) 17:17:09.32 0
まだほとんど見てないんだから何も分からないよw 
というかスレの設定の話かな
53 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/07(金) 18:15:08.42 0
古武術使いで水使いってのもあながち使えない設定でもなさそう?
54 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/07(金) 19:31:09.41 0
その人の中での世界観だから何でもありだと思うよ
55 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/07(金) 20:23:17.41 0
リゾナンター加入前のみんなみたいにどうしようもない壮絶な孤独をどうやって新メンに背負わせるのか勝手に期待してるw
56 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/07(金) 22:50:40.59 Q
57 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/08(土) 00:08:13.50 0
>>55 
鈴木からは想像しにくいなw
58 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2011/01/08(土) 00:11:40.38 0
譜久村は前歴があるから想像(妄想)しやすいな
59 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/08(土) 00:19:04.90 0
メンバーの過去の話って実際のエピソードとかキャラとかあんまり関係ないからなんでもありっちゃありな気もする
60 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/08(土) 01:16:48.77 0
wikiにこれまでの各メンバーの設定の経緯が書かれてる
61 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/08(土) 02:43:17.76 0
zzz
62 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/08(土) 06:03:29.47 0
wikiなんでみっつもあるの
63 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/08(土) 06:52:03.01 0
64 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/08(土) 09:15:17.76 0
>>62 
ウィキは一つだよ 
まとめサイトは3つあるけどね 
リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ@wiki 
http://www39.atwiki.jp/resonant/ 
まとめサイト 
http://resonant.pockydiary.net/index.html 
まとめサイト Ver.2 
http://resonanter.blog47.fc2.com/ 
リゾナントブルーAnother Vers(ry 暫定保管庫(まとめサイト3) 
http://www35.atwiki.jp/marcher/
65 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/08(土) 11:49:14.89 0
>>63 
Gだからっ。 私、Gだから!!
66 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/08(土) 12:02:32.42 0
第50話に上げられていた話。 
愛ちゃんと一緒にリゾナントに帰ってきたガキさんが足音を消していたことに不審を抱いたれいなを描いた 
『師走になると人身事故が増えるんだって。』 
             http://www35.atwiki.jp/marcher/pages/264.html に勝手に乗っかった想像 
67 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2011/01/08(土) 12:03:18.53 0
「うん……」 
口ごもった語尾が動揺を物語ってるよ 
キミは上手くごまかせたつもり? 
いくらうわべをとりつくろっったって心の動きは隠せやしない 
キミはわたしを疑っている 
それほど深くじゃないけれど 
わたしのことを不思議に思ってる 
気配を殺し足音を消してキミの大切な人の側にいるわたしを 
でもねれいな 
キミはおかしいと思わないのかな 
人のいない場所に忍び込む時じゃなくて 
人と一緒にいる時に足音を消すなんて 
身に染み付いた習性を隠しきれないとでも思った? 
そんなに間抜けなスパイだと思われちゃったかな私 
ドタドタと大きな足音を立てる事だってできる 
わざと転んで痛がることも 
素っ頓狂な声で挨拶をすることだってね 
なのにキミの前で気配を殺したのは理由があるんだ 
高橋愛は騙されやすい 
精神感応という他人の心を読むチカラをもっているのに 
いやだからこそ彼女は他人の心を大切にする 
そんな彼女を守る為にキミはとても警戒してる 
リゾナントの客にわざと噛み付いたり 
私に疑惑を持ちながらその場を丸く治めたり
68 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2011/01/08(土) 12:04:00.61 0
キミのしたことは間違ってないよ 
キミの考えはとても正しいよ 
そんなキミを私は試した 
キミの前で気配を消した 
疑われるのは織り込み済みさ 
キミは私に疑いを持った 
調査は成功ってわけさ 
いや本当はキミを試すためだけにこんなことをしたわけじゃない 
キミの強い警戒心はキミにとっては諸刃の剣さ 
キミの強い警戒心は孤独の檻となってキミを閉じこめる 
私に持った疑いはやがてキミを孤立させる 
私はキミを孤独の檻にいつでも閉じこめられる 
精神の触手で人を操るだけがマインドコントロールじゃない 
マインドコントローラーは感情の反発を利用して人を想定どおりに動かす 
私は表情で、言葉で、一挙手一投足でキミを操れる 
キミは私の思うがままさ
69 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/08(土) 12:05:16.81 0
>>67-68 
『最近初日の出暴走って聞かないよね』 
ちょっと黒いガキさんでした 
まあれいながBといえばガキさんはC 
FならばガキさんはGってことですよw 
前スレに投下しときたかったなあ
70 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/08(土) 13:57:26.12 0
むむ 
れいなを一枚上回るガキさんが黒くて新鮮やね
71 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/08(土) 14:16:50.64 0
>>69 
敢えて足音を殺して気付かせて…ってのはおもしろいアイディアですね 
こういったリゾナントの仕方というのもおもしろいなあ 
原点に立ち返ったスパイガキさんを改めて書いてみたくもなりますね
72 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/08(土) 16:22:09.57 0
>>69 
心理戦の駆け引きっぽい感じが深くていい 
>私はキミを孤独の檻にいつでも閉じこめられる 
こう思ってるガキさんもまた孤独の檻に自らを閉じ込めてるのかもしれませんな 
初期のガキさんは組織とリゾナンターの狭間で苦しんでいるという印象があるのでこういうのは新鮮ですね 
また違った想像をお待ちしております
73 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/08(土) 18:22:29.09 0
巡回保全
74 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/08(土) 19:04:58.92 0
前スレ968以降に投下された話ある? 
緊急入院して今日退院してきたもんで
75 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/08(土) 19:26:20.02 0
それはそれは退院おめでとうございます 
943の『■ フィジカルアデプト-鞘師里保- ■』が最後だったかと 
76 : 74[] 投稿日:2011/01/08(土) 19:32:46.96 0
>>75 
ありがとう 
すっきりした
77 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/08(土) 21:12:13.89 0
結石?
78 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/08(土) 21:16:41.90 0
気胸 
禁煙決定しました
79 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/08(土) 21:30:33.21 0
ご自愛くだされませ
80 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/08(土) 23:10:02.81 0
さゆのヒーリングで
81 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/08(土) 23:49:58.72 0
イクサシブ!イクサシブ!
82 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 00:26:42.75 0
まだ続いてたんだ 
51話ってすごいね
83 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 03:39:38.74 0
oyarizo
84 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 08:24:52.93 Q
進もう進もう
85 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 11:15:50.24 0
和カフェ「リゾナント」のマスター 
http://aewen.com/momusu/takahashi/img/aewen8872.jpg
86 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 11:22:55.50 0
>>78 
お大事に
87 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 12:05:08.37 0
>>85 
やっちまいな
88 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 12:16:25.94 0
>>87 
色っぽい
89 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 12:22:36.31 0
誰が極道やねん
90 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 13:12:48.51 0
キルビルw
91 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 13:45:17.81 0
ドキドキしちゃってお茶が飲めません><
92 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 14:57:01.51 0
>>78 
お大事にね 
禁煙すると良いことがいっぱいあるよ! 
体調も体質も変化するからね!ガンバレイナ!
93 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 15:53:44.87 0
川*’ー’)<喫茶リゾナントは禁煙でございますやよ!
94 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 16:20:50.59 0
「じゃあ、香音。少しの間、家を空けるから閉じまりには気をつけるんだぞ。」 
「はーい、わかってます!パパも取材気をつけてね。」 
「ああ、行ってくる。」 
「行ってらっしゃい!」 
少女は笑顔で父を送り出した。 
少女は鈴木香音。愛知県に住む小学6年生。 
母はすでに病気で他界して、ジャーナリストをしている父とふたりで暮らしている。 
そして父がいない家の中で香音は自分の部屋のベッドの上で雑誌を読んでいた。 
「あっ、しまった。炊飯器のスイッチいれるの忘れてた。階段まで行って降りるの面倒だな。そうだ、力を使っちゃおう。」 
香音はベッドの上に立って何やら準備体操をしている。 
「よし!」 
すると香音の体がベッドに吸い込まれていった。 
ガタン! 
香音は部屋の真下のキッチンに降り立った。 
香音の力は非物質化。体の原子の構造を変えて、壁をもすり抜けることができるのだ。 
プルルルル! 
家の電話が鳴り始めた。 
香音は受話器をとった。 
「はい、鈴木です。えっ、病院?」
95 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 16:22:20.47 0
電話を受けて、香音は急いで病院に向かった。 
「鈴木香音さんですね。残念ですが、さきほど・・・」 
現れた医師に促されて、部屋に入ると・・・・ 
「パパ・・・どうして・・・どうして・・・」 
目の前にはすでに息をしていない父の姿があった。 
「さっき笑顔で出かけたばかりじゃない。どうしてよ、どうしてよ!」 
香音は父の遺骸にすがりついて泣き続けた。 
その後、警察の説明によると父の運転していた車が対向車と衝突したというのことだった。 
即死ではなかったために病院に搬送されたがすでに手の施せない状態だった。 
後日、親戚の手伝いもあって父の葬儀は無事済ませた。 
親戚の人たちは香音を引き取ろうといってくれたのだが、香音は・・・ 
「みなさんのご厚意はうれしいです。でも、私両親の思い出が詰まったこの家を離れたくはありません。」 
「でも、香音ちゃんひとりじゃあ・・・」 
「大丈夫ですよ。香音ちゃんの面倒は僕たちがしますから。」 
「栄治兄ちゃん。」 
香音の近所に住む青年・栄治。父親同士が仲良く、家族ぐるみでの付き合いをしていた。 
「それに心配なったらいつでも来てくれていいから。私、おいしい料理でもてなすから。」 
「そう、じゃあ栄治さん。香音ちゃんの事よろしくお願いします。」
96 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 16:23:55.13 0
そしてさらに時がたち、弁護士と名乗る人から父の残した遺言状が届いた。 
父がいつの間にそんなものを用意していたのかわからなかった。 
とりあえず香音は遺言状が入っている封筒を破り、中を見た。 
「香音へ・・・ 
この手紙を読んでいるということはお父さんはもうこの世にいない。 
お父さんは今命をかけてあることを調べている。しかしそのことでお前の命も狙われるかもしれない。 
だから、この手紙を読んだらすぐにお父さんの書斎にある金庫の中からUSBを取り出してくれ。お前の秘めた能力を使えば、できるはずだ。 
そして東京に向かうんだ。そこで銀座のトレゾアという店に向かって芹沢という人に会うんだ。その人はお父さんの親友だから、信用できる。 
あとは彼の指示に従ってくれ。お父さんがそばにいれなくてすまない。愛している・・・」 
(パパ、私の力の事を知ってたんだ。でも、何なのパパまるで自分が死ぬ事を分かってたみたい。) 
ガサッ、ガサッ! 
誰かが外にいる。 
香音は窓からこっそり外を見た。そこには栄治の姿がある。 
(あ、栄治兄ちゃんだ。どうしたんだろう、こんな時間に。) 
よく見ると、栄治以外に黒服の男が数人いた。
97 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 16:25:32.78 0
「間違いないのか?あの男の娘の元に手紙が届いたというのは。」 
「はい、さきほど男が家をたずねました。」 
「おそらく我々が仕留めた弁護士だろう。荷物や事務所を探っても何もなかったから。おそらくこの家だろうとは思っていたが・・・」 
「どうしますか?」 
「栄治、お前はあの娘と親しいだろう。今から家に訪ねて、中に入れてもらえ。」 
「それでUSBの在り処を知って、娘はどうします。」 
「秘密を知っているかもしれない。殺せ。」 
その話は香音のところまで聞こえていた。 
とっさに香音は物陰に隠れた。 
(そんな、栄治兄ちゃんは悪い人?) 
ピンポーン! 
「香音ちゃん、栄治だよ。ちょっと開けてくれないかな。」 
ピンポーン! 
再びベルが鳴らされた。 
すると黒服の男が・・・・ 
「もういい、かまわん。無理やりでも聞き出す。」 
バーン! 
ドアが強く叩かれている。破られるのは時間の問題だ。 
香音は急いで父の書斎に向かった。 
「パパの金庫は確か・・・あった!」 
香音は金庫を見つけるや否や力を使い、金庫の中に手を入れた。 
そして手を金庫から抜くとUSBが握られていた。
98 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 16:26:39.52 0
バコーン!扉が破られた。 
「書斎は二階です。」 
栄治の声が聞こえた。彼は家に何度も来ていたからここにはすぐ来る。 
幸い、手紙を読んで出発の準備をしていたから財布の入ったカバンを持ったままだ。 
香音はUSBをカバンに入れて、机に立って窓の外を見た。 
「誰もいない。でも、ちょっと高いかな。」 
でも、ためらっているわけにはいかない。 
「仕方がない。えーい!」 
香音は壁をすり抜けて、二階から降り立った。 
「おい、何か音がしなかったか?」 
表を見張っている男たちがこちらに向かってくる。 
香音はすぐさま、その場を離れた。 
何とか、名古屋駅にたどり着いた香音はすぐさま新幹線で東京に向かった。 
名古屋駅にたどり着くまで襲われやしないかとドキドキしながら向かっていた。 
新幹線に乗っても誰が襲ってくるか冷や汗を流していた。
99 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 16:28:13.05 0
そして東京駅に到着した。 
香音はすぐさま、近くでタクシーを拾った。 
「銀座のトレゾアまでお願いします。」 
「はい。」 
タクシーは出発した。 
なんとかタクシーに乗れて、香音はほっとしている。 
しかし、香音は東京に来たことがないのですぐには気付かなかったがタクシーは銀座に向かっていなかった。 
「運転手さん、方角が違うんじゃ・・・」 
キー! 
タクシーが人通りのない所で急停車した。 
「きゃあ!」 
すると後部座席のドアが開き、男が無理やり入ってきた。その男は・・・ 
「栄治・・・兄ちゃん。」 
香音は栄治を見て、おびえている。 
「探したよ、香音ちゃん。東京について油断したね。」 
突然、タクシーから拘束具がでてきて、香音の体を固定した。 
香音は何とか逃げようとするが、外れない。 
「無駄だよ。僕たちと来るんだよ。」 
「いや、離して!」 
「あまり騒がれると困るね。」
100 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 16:29:10.52 0
栄治がハンカチを取り出すと香音の口にあてた。 
「んー!んー!」 
香音は抵抗するが意識が次第になくなっていく。 
(誰か、誰か助けて!) 
その頃、喫茶リゾナントでは・・・ 
愛がテーブルを拭いていた。 
(誰か、誰か助けて!) 
「誰かが助けを呼んでる。」
101 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 16:33:56.47 0
>>94-100 
「新たなる出会い 鈴木香音 編 (1) 」 
どうもみなさんあけましておめでとうございます。 
リゾナンタークライシス作者の2011年第一発目の作品です。 
今回は新メンバーの鈴木香音ちゃんを登場させてみました。 
いろいろ悩みましたが、前スレの鞘師里保ちゃんの物語に触発された形です。
102 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 17:12:16.20 0
>>101 
ごめんまだ読めてないけど 
いっぱいスレ立ちそうなのであげとく
103 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 17:14:28.36 0
リーダーが・・・
104 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 17:20:41.29 0
ガセなのかどうか判断がつかずにいたけど……ほんとなんだね……
105 : 名無し募集中。。。 [] 投稿日:2011/01/09(日) 17:24:53.84 P
公式にも来ましたね
106 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 17:53:10.05 0
すごい速さで下がってるねさすがに 
こんなときこそ俺たちホゼナンターが立ち上がらなきゃ…
107 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 18:23:49.54 0
はぁ。
108 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 18:36:11.44 0
秋ツアーで卒業ってことは普通に考えれば千秋楽の12月卒業だと思うんだが本人はあと9ヶ月と言ってるのは何故? 
>>101 
物凄いタイミングで投下したけもんだねえ 
迫り来る闇の緊迫感とか後を引く終わり方とかこれまでのクライシス作者さんの話とは一線を画する感もあるね 
続きが上がるのを待ってますよ 
109 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 18:42:06.06 0
卒業したらどこへ行くの?
110 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 18:43:51.95 0
フレンドシップっていうflashを思い出しました
111 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 18:55:13.88 0
リゾスレどうなるん?
112 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 19:11:11.45 0
リゾナントブルーの9人の内の誰か一人でも娘。であり続けるなら自分の中ではありだけど 
作家の人たちはきついだろうね
113 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 19:15:41.29 0
まぁ自由に想像スレ
114 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 19:16:48.44 0
現実では結構寂しいけど 
リゾスレ的には愛ちゃん離脱的な話はいくつかあったからね
115 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 20:06:09.72 0
残りのメンバーがいてこそというのはあるけどねえ
116 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 20:06:51.64 0
共鳴者とか異能力シリーズとかね
117 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 20:39:13.29 0
小春 
絵里 
ジュンジュン 
リンリン 
愛ちゃん 
このスレ立ってからいたメンバーが5人もいなくなるなんて・・・
118 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 20:46:42.91 0
>>101 
壁抜けの能力か・・・ 
リゾナントにいる愛ちゃんとどう絡んで行くのか楽しみ
119 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 20:51:29.58 0
あああ愛ちゃん卒業かぁーーー 
>>69リゾナントありがとうございます! 元になった作品の作者です 
ゆるりとした不穏な雰囲気がそのまま表現されているのが嬉しいです! 
穴だらけの設定も上手に活かしていただけましたw 
黒ガキさんかっこいいっす
120 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 22:35:19.86 0
むむ
121 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 23:38:50.88 0
俺が守っておくからさ
122 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/10(月) 00:00:22.18 0
357 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/09(日) 23:29:33.65 0 
福井にたくさん雪が降ってるんだけど 愛ちゃんなんだね
123 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/10(月) 00:02:03.92 0
v')<(せめてものお情けさ・・・)
124 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/10(月) 00:15:03.50 0
魔女が降らせた…何の雪だろ
125 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/10(月) 00:34:19.27 0
>>122 
なんか泣けた 
北側の窓だけ雪貼りついて真っ白になってたから静かに降ってたんじゃなく吹雪いてたっぽいけど
126 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/10(月) 02:13:17.02 0
今夜は夢に笑顔のままで出てきてね…
127 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/10(月) 03:41:10.41 0
あー今日は衝撃の一日だった 
リゾスレ的にもリーダー卒業はキツイなぁ
128 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/10(月) 08:30:18.01 0
ずっと変わらずにいるものなんてない 
でも・・・ずっと変わらないものがある
129 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/10(月) 10:10:23.39 Q
ホゼナンターの仕事もその一つかな
130 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/10(月) 11:30:46.12 0
たとえばあまりの寒さに目が覚めて、恐るおそる窓から外を眺めたとする。 
そして、もし雪が降り積もっていたとしよう。 
「わぁっ、雪だ! 積もってるよ」 って言ってられるうちがこども。 
「あ~あ、雪が積もってるよ」と嘆くのが大人。 
にこんなことを言ったのは、勤め先である「ピンチャンポー」のオーナー菅井ちゃんだった。 
実際はもっと特徴のある菅井ちゃん独特の言い回しで告げられたのだったけども。 
何にせよそんな菅井理論に従うのなら、私は大人だ。 
今朝目が覚めたのは、寒いからではない。 
決められた時刻にセットしている携帯のアラームの音でだった。 
カーテン越しに窺える窓の外がなんだか白かったので、カーテンを開けてみれば外は雪景色だった。 
一応は都会。 
膝まで沈むほどに、積もってるわけじゃない。 
ところどころに地面が覗いている。 
だか、そこは都会。 
たとえ疎らであっても、雪は脅威だ。 
特に電車、バスを乗り継いで通勤する人間にとっては。 
だから急いで出勤の準備をした。 
着替え、食事、洗顔。 
一日の労働の為には、どれ一つなおざりには済ませることは出来ない。 
それでも各々にかける時間を少し駆け足で処理して、次へ移る時間を早くして。 
そうして、9分強の時間を捻出した。 
たった9分、されど9分。 
朝の9分は大きい。 
私はデキル女。。 
そんなわたしの思惑は、家を出て数分先のバス停でもろく崩れさった。
131 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 11:31:35.51 0
来ないのだ。 
駅までの路線バスが来ないのだ。 
雪のせいで運行が乱れたらしい。 
風こそ吹いていないが、立っているだけで身も凍りそうなバス停。 
傘を手に手袋、マフラー、コートで身を固め立ち尽くす人々に混じってバスを待つ。 
待った、待った。 
実際にはそれ程待ってはいないのだろうが、突き刺すような寒さは時間を長く感じさせる。 
待って、さらに待って。 
うわぁっ。 寒いよ冷たいよ。早くバス乗りたいよ。 
そうして佇んで、時刻表から十八分遅れで待望のバスが来た。 
バス停に流れる安堵の空気。 
しかし超満員。 
列の真ん中、里沙の五人ぐらい前まで乗ったところで、「次のバスをご利用ください」のアナウンス。 
ちょっ、待ってってば。 
次のバス来るのいつ? この調子だとまた遅れてくるでしょ。 
そしてその分たくさんの人を詰め込んで、このバス停からは乗り込めないかもしれない。 
そして、その次……。 
覚悟を決めて、列を外れて歩き出す。 
駅まではバスで十分強。 
歩いても三十分、雪道を考えても四十分みればつけるだろう。 
最初からこうしてればよかったかと悔やみつつ、歩き出す。 
若い、私、まだまだ若い。 
歩道の上にはたくさんの足あと。 
私と同じ方向へと歩いていった先人たち。 
みんな考えることは似たりよったりだ。
132 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 11:32:17.92 0
ちょっと凍っているところもあったりするけど、人が歩いたところをたどっていけば大丈夫。 
ちょっぴり急いで、でもあわてないで。 
歩いてると温かくなってくる。 
なんだか健康的だ。 
毎朝歩いてもいいかな。 
駅まで半分くらいのところまで来たかなってところで、排気音が聞こえてきた。 
まさかね、と振り返る。 
えっ! 
音の発信源は見慣れた色の路線バスだった。 
行き先の表示は? ガーン! あたしが乗ってる経路じゃん。 
でも、待てよ。 
中は絶対、満員すし詰め状態に決まってる。 
あたしが乗ってたら絶対押し潰されるぐらい、ってか最初から乗れないぐらい一杯に決まって…。 
ちょっと、これ何よ。 
さっき見送ったバスよりも乗ってる客少なっ! 
これなら乗れてたのにっ。 
もう少し我慢してたら乗れてたのに。 
早く駅に着けてたのに。 
そう思った瞬間。足を滑らせた。 
あっ!と思った時らもう転げてた。 
人が踏みしめて溶けかけてた氷の上にまた雪が降り積もって、シャーベット状になったところで転んだ。 
これ以上ないぐらい、見事にしりもちをついてた。 
呆然とするわたしに排気ガスを浴びせながら、バスは無情にも走り去っていく。 
しかもご丁寧に窓辺にいた高校生二人組は笑ってた。 
あの子達、わたしの後ろに並んでいた連中だ。
133 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 11:33:08.86 0
悔しいのと恥ずかしいのとで、駅に行くのやめようかなと思っちゃった。 
でも折角ここまで来たんだから家に引き返すのはもったいないから立ち上がって雪を払って、また歩き出す。 
そんなわたしを褒めて、褒めて。 
えっちらおっちら歩いて、やっとこ駅にたどり着いた。 
寒かったけど、電車に乗ればあったかい。 
たどり着いたよパラダイス。 
思っていたが甘かった。 
ここでも長蛇の列が待っていた。 
人はバス停よりもたくさんいるけど、寒いのは寒い。 
結局、「ピンチャンポー」に着いたのは始業より五十分も遅れてだった。 
しかもわたし以外のスタッフは勢ぞろいしてて、ばつが悪いったらありゃしない。 
菅井ちゃんからは「雪だからって遅刻した理由にはならないのよ、しっかりしなさい」と怒られるし。 
まあ、そうだよねえ。  
でもついてないなぁ。 
こんな日はとことんついてない。 
仕入先のミスをこっちがかぶったり。 伝票計算があわなくて何度もやりなおしたりとか。 
お昼ご飯を買いに行ったコンビニで、お目当てのお弁当が目の前で他の人の手に渡ったりとか。 
まあ三時終わりだったので何とか最後までもったけど、ホントに泣きそうだったんだから。 
疲れた体を引きずってリゾナントに向かってたら、近くで傍を通り過ぎた車に泥雪を引っ掛けられけどもうわかってたから。 
今日はそういう日だって。はぁっ。 
あぁもう、まったく。 
私はお姫様。 
性悪の魔女に囚われて、氷の牢獄に閉じ込められ迫害を受ける哀れなお姫様なんてかっこよくね? 
……なんて、バカなこと考えてたからかな。
134 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 11:33:53.33 0
ぱしゃっ。 
胸に軽い衝撃を受けた。 
誰かに攻撃されたんだ。 
いったい、誰? 
「あひゃひゃっ。 ガキさん、油断しすぎ」 
あんたね、子供か。 
私はデキル女。 
こんな子供相手に本気になってもしょうがない。 
「何か温かいものを飲ませてよ」 
子供店長を店内に誘おうとしたら、軒先に小さな雪だるまが九つ並んでるのが見えた。 
雪が足らなくてその辺の雪をかき集めてきたんだろうな。 
不揃いで泥が混じって薄汚れてたりするけど。 
「あの一番端のきれいなやつ、あれがわたし」 
一番初めに作ったのかな。 
泥が混じってなくて真っ白なやつ。 
まあ似てるっちゃあ似てるけどさ。 
ってことは隣の小さなのが私なわけ。 
いや、別に気にしてないから。 
小さくたって全然平気だから。 
「それがれいなでぇ」 
ちょっ、待ってよ、待ってよ。
135 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2011/01/10(月) 11:34:48.83 0
そこは私じゃないの。 どう考えたって私じゃないの。 
そんな私の気持ちを知ってか知らずか、雪のお姫様は無情な宣告を続ける。 
「絵里、さゆ、小春に愛佳、ジュンジュン、リンリン」 
芸が細かいというか、さゆには木の葉っぱでうさみみをサービスしてるし、ジュンジュンだるまは小石でパンダの顔っぽくしてるし。 
「一番端っこが里沙ちゃん」 
そこにはもう雪だるまというよりは泥人形って言った方がいいぐらいブサイクな泥雪の塊りがあった。 
ちょっ、私泣いてもいいかな。 今日の朝からあったいろんなことのどれよりもショックなんですけど。 
「里沙ちゃんは一番最後に時間をかけて作るつもりやったけど、もう雪が残ってなくて」 
俯いてしまった私に心細げな声をかけてくる。 
「やっぱ、私が先頭ったら後ろのみんなが見えん。 一番信頼できる人に皆が遅れたりはぐれたりしないように見て欲しくって」 
リゾナントに背を向けて歩き出した私を、オロオロした声が追っかけてくる。 停めてあったどこかの車の傍で止まる私。 
「里沙ちゃっ、うわ!!」 
「ブハハ、かかったな」 
車のボンネットに残ってた雪を素早く握って投げてやった。 
「ちょっ、いきなり何すんの」 
「それはこっちのセリフだよ」 
見てろよ、雪め、朝から散々困らせてくれた分、これから思い切り投げつけてやる。 
136 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/10(月) 11:35:57.93 0
>>130-135 
『雪の日』とでもしときましょうかね
137 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/10(月) 14:25:40.78 0
乙です! 
卒業にからめての素敵なお話 
9人分のだるまにも触れていて 
二人の関係にもグッときました
138 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/10(月) 14:26:23.16 0
菅井ちゃんw
139 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/10(月) 15:39:23.94 0
>>94 
クロロホルムかがされるときはがいじめが解けないってことは 
壁は抜けても人間(生物)は抜けないって設定なの?
140 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/10(月) 16:23:48.42 0
>>139 
作者としてはこのときの香音ちゃんは恐怖のあまり、力を使うことを忘れています。 
私の中では人間も抜けれるようにしたいと思ってます。 
今回のご指摘も考慮して続きを書きたいと思ってます。 
新メンバーを描くのはやはり大変です。 
141 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/10(月) 17:16:06.27 0
能力に重大な制限がある方がドラマにはなりやすいよね
142 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/10(月) 17:52:17.60 0
菅井先生はやっぱりボイトレやってるのかな
143 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/10(月) 17:58:43.36 0
>>136 
すごくいい……! 
ストーリーの内容そのものもですが里沙の視点による語り口調の文体が素晴らしいですね 
ある種散文的とも言える描写で始まる冒頭もすごく好きです 
これがどんな話に繋がっていくんだろう…と出だしで引き込まれました 
そして……いいラストですね本当に 
時期や季節に合った素敵な作品でした
144 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/10(月) 18:10:47.98 0
>>101 
前スレで鞘師前乗りしたものです 
触発されて…と伺ってまたそれに触発されてしまったのですが 
続きとなるとご迷惑をおかけすると思うので 
パラレルワールド的な形で鞘師を傍観者席に座らせてみました 
多分このあと高橋さんがさっそうと登場して鈴木ちゃんを助けるのでしょうね
145 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/10(月) 18:12:19.96 0
 ■ マーダースインテンツ-鞘師里保- ■ 
正直なところ鞘師は途方に暮れていた。 
東京… 
じぃちゃまは「向こうから見つけてくれる」と言った。 
ならばきっと見つけてくれるだろう。じぃちゃまがそこまで言うのだから高橋愛という人は信用できる。こちらから動くこともないだろう。 
だがそうだとしてもとりあえず向かうべき方向を決めねばならない。 
また、名古屋で足止めしたであろう追手のことも考慮しなければならない。 
いや、すでに東京にも別の追手が待ち伏せている可能性も高い… 
鞘師はそこまで充分考慮はしている…が実のところ途方に暮れていたのはそんなことではなかった。 
自分でもあきれるほど「命の重さ」を実感できぬ鞘師にとって自分が狙われていることなどさしたる問題でもないからだ。 
そんな「些細なこと」よりとりあえず朝食だ。 
食べ盛りの小学生にとって朝ご飯は命より重要だった。 
鞘師が途方に暮れていること、それはまさに今察知した微弱な殺意だった 
近い…殺意の発信源はすぐ目の前のタクシー乗り場にいた。 
女の子…?鞘師の目に自分とごく近い年頃の少女がタクシーに乗るところが映る。 
殺意は運転席から彼女へと向けられていた… 
強さとあいまいさからすぐに殺すつもりではないようだ。 
おそらく、どこか人目につかないところまで運んでから… 
何故タクシーの運転手が初対面の少女を狙うのか?そういったことは鞘師は考えようともしない。彼女は事実と予測、そして直感を重んじる。だが憶測は判断を鈍らせるだけだ。 
少女を乗せたタクシーが走り去る。 
ほんの少しの間、朝ご飯と見知らぬ少女を天秤にかけた後、鞘師はタクシーを追うことに決めた。 
「すいません。目の前のタクシーに付いて行ってください。」 
 ■ マーダースインテンツ-鞘師里保- ■でした 
146 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/10(月) 18:17:51.17 0
 ■ アンダーグラウンド-鞘師里保- ■ 
「同志K…例の保有者は?」 
「すでに補足していますが確保には至っていません… 
第一世代の裏切り者四人はチームアルファにより処分しましたが、 
アルファも負傷者多数にて追跡不能、現在ベータとの合流のため待機中。 
同志S…いや首謀者のSはチームガンマと交戦・逃走後行方をくらましています。こちらも甚大な損害を…」 
「Sの方はいい。どうせ囮だ。保有者の確保を優先せよ」 
「はっ…しかし…」「どうした?」「保有者はすでに都内です…条約違反になるのでは」「同志Kそれは君が考えることではない。君は保有者確保だけ考えていればいい」 
「はっ」 
「覚醒前とはいえSによって育成された保有者だ…近接戦闘は特に警戒し慎重に確保せよ」 
交信を終えるとディスプレイに目を戻す 
「鞘師里保…ようやく育った広域型の能力保有者…ここまで育ててきてむざむざ渡してなるものか…」 
ディスプレイには別室の映像が映し出されていた。 
「えーご説明のとおり、保有能力は水限定の念動力【アクアキネシス】です。 
現状覚醒はしておりませんが、臨床データから言って今度こそ 
広域型まで成長する可能性が極めて高い… 
まず1年以内に70%…三年以内に99.9999%…広域型へ覚醒します。 
いうまでもありませんがインフラは電気ガス水道により成り立っています… 
そのどれ一つが失われても都市機能は破壊されます。 
たとえば水道の蛇口をひねるだけで…その水に触れるだけで 
繋がる上水道管全てを破裂させることが可能ならば? 
いや水源そのものから根こそぎ水が奪われたら? 
そう…水を支配する者に逆らえる者などいません。 
どんな権力者も…国家も…水の前にはひざまづかざるをえません。 
しかも第二世代の香水シリーズと違いあくまで水…とてもクリーンでエコな兵器となることでしょう。」 
 ■ アンダーグラウンド-鞘師里保- ■でした
147 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/10(月) 18:58:02.64 0
面白えな 
リゾブルみたいに想像力を刺激してくれる素材がない限り新メンについては難しいとは思うけど中々に面白い 
どこか命について薄い鞘師ちゃんがそのことで既成のメンバーの反発を買ったりどこかで感情が爆発したりとか思い浮かぶな
148 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/10(月) 20:32:30.82 0
>>146 
本格的な設定だなあ 
9期の能力はこれまでに出てこなかったやつがいいな
149 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/10(月) 21:13:42.80 0
>>146 
面白いなホントに 
150 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/10(月) 21:16:20.45 0
>>136 
この人は上手いねぇ…… 
この人の書く日常って凄く好き
151 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/10(月) 22:51:17.51 0
新メンの話いいね
152 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/10(月) 23:45:13.09 0
>>146&>>101 
早くも二つの話がリゾナントしてますね 
俺的にズッキの『壁抜け』の能力はX-MENの「シャドウ・キャット」みたいだなって感じた 
ちなみにX-MENでは「自身を構成する原子を通り抜けようとする物体を構成する原子の間の空間を通らせる」と定義してます 
つまり『禍刻Ⅰ』で愛ちゃんが敵の間を「ぶつかるようにして移動」したのと『似た』能力です 
あとXーMENではこの能力を『他者に拡張する(=増幅)事が出来る』っていう設定もありますよ
153 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/11(火) 01:21:59.70 0
   _, ,_ 
川*’ー’)ムズカシイヤヨ
154 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/11(火) 06:48:19.35 Q
モーニンQ
155 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/11(火) 08:25:26.53 0
朝の巡回
156 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/11(火) 11:47:22.03 0
昼のジュンジュン
157 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/11(火) 12:07:28.12 0
>>153 
この愛ちゃんかわいいw
158 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/11(火) 14:12:46.75 0
どの愛ちゃんもかわいい 
なぜならば愛ちゃんは天使だから 
        ――アイケル談
159 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/11(火) 16:51:10.66 0
誰なんだ
160 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/11(火) 17:39:32.21 0
「愛ちゃん、どうしたと?」 
「れいな、聞こえんかったか?心の声を・・・」 
それを聞くとれいなの顔が真剣なものになった。 
「やっぱり愛ちゃんにも聞こえたと。れいなにも聞こえたということは他のみんなにも・・・」 
「うん、この感覚久しぶりやな。れいな、たぶん一刻を争うやよ。」 
「そうやね、急いだ方がいいと。店は・・・」 
「うちが店番してますよ。」 
「のえるちゃんお願いね。」 
そういうと愛はれいなの手をつないで心の声が導くまま瞬間移動した。 
その頃、香音は廃工場に連れていかれていた。 
香音は椅子に座らされて、手足をロープで縛られて声をだされないようにガムテープで口をふさがれている。 
本当なら力で縄を抜けることができるのだが、周りを囲まれているので縄を抜けても逃げるのは不可能と考えているのだ。 
栄治たちは香音から奪ったカバンを探りUSBを探している。 
「おい、見つかったか。」 
「いや、ない。持ち物はこれだけのはずだが・・・」 
栄治たちの視線は香音に注がれている。 
香音は怯えた表情をしている。 
「香音ちゃん、USBをどこにやったんだい?」 
香音は栄治から顔をそらした。 
おびえているのと同時に香音には栄治たちに屈しないという信念が生まれていた。 
「こいつ、調子に乗りやがって!」
161 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/11(火) 17:40:11.70 0
バチッ! 
栄治が香音の顔を叩いた。 
その勢いで香音の口のガムテープがはがれた。 
「言え!USBはどこだ!」 
「言わない!言うもんか!」 
「さらに痛い目をみないとダメみたいだな。」 
栄治が手を振り上げる。香音は顔を伏せた。 
ガシッ! 
「女の子に手を挙げるなんて最低やけん!代わりにれいなのパンチをあげると!」 
れいなが栄治の顔面にパンチを喰らわせた。 
栄治は吹き飛ばされた。 
「なんだ、貴様らは!」 
黒服の男たちが銃を抜こうとすると・・・ 
「あんたらにもプレゼントや!」 
愛が背後に回り、首に手刀を当て男たちを気絶させた。
162 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/11(火) 17:42:10.44 0
その頃、れいなが香音を縛っている縄を解いていた。 
「大丈夫と?」 
「はい、あなたたちは?」 
「あんたの心の声を聞いて駆けつけた正義の味方と。」 
「心の声?」 
「そう、心の声。ともかく、ここは危険やけん。」 
「待ってください、その前に・・・」 
香音は倒れている栄治の元に駆け寄った。 
「教えて、どうして私を襲ったの?一体、あなたは何者なの。」 
「・・・」 
栄治は黙ったままだ。 
すると香音は栄治に掴みかかった。 
「教えて!」 
「知ったところでどうする?お前はもうこの世の闇に足を踏み込んだんだ。いずれは死・・・・」 
すると栄治は急に苦しみだして倒れた。 
「ねぇ、栄治兄ちゃん!どうしたの?」 
倒れた栄治に愛が駆け寄り、調べる。 
「毒を飲んだみたいやね。たぶん、自殺用として歯に仕込んだみたいやよ。」 
その時、愛が一瞬あたりを見回した。 
「愛ちゃんどうしたと?」 
(いや、気のせいか?) 
その時、廃工場の物陰から少女が状況を見守っていた。
163 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/11(火) 17:42:59.29 0
その後、愛とれいなは香音を連れて喫茶リゾナントに戻り、事情を聞くことに・・・ 
「そう、お父さんを亡くしてひとりで東京に・・・」 
「はい。」 
「なるほど、お父さんの手紙を読んだっちゃけど。香音ちゃんの力って何とよ?」 
「ああ、これのことですね。」 
すると香音は目の前のテーブルに手を勢いよく振り下ろした。 
スルッ! 
香音の手はテーブルをすり抜けた。 
「これが私の力です。」 
「なるほど非物質化ね。ところで彼らが探していたUSBはどうしたの?」 
「それは・・・」 
香音はいきなりブーツを脱ぎ出して、手を入れた。 
中からUSBが出てきた。 
「私、触れたものも非物質化することができるのでとっさにUSBをブーツに隠したんです。」 
「へぇ、頭いいと。」 
「香音ちゃん、それはあーしたちが預かってもいいかな?」 
「でも、手紙にあるように父はUSBを芹沢って人に渡すようにって・・・」 
「香音ちゃんが知ってる人?」 
「いえ、私も初めて聞く名前です。」 
それを聞いて、愛は何か考えごとをしている。 
「じゃあ、今からその芹沢って人に会いに行こう。」
164 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/11(火) 17:44:18.87 0
愛は店をれいなに任せて、香音を連れて銀座のトレゾアという店を訪ねた。 
「いらっしゃいませ。」 
「あの芹沢さんいらっしゃいますか?」 
「芹沢さんですね。少々お待ちください。」 
応対にでた女性が奥に行こうとすると奥の部屋からスーツを着た男性が出てきた。 
「あっ、先生。お客様です。」 
「客?」 
男性が愛たちの方に近づく。 
愛もその男性の顔を見た。 
「!」 
「高橋さん、どうしたんです?」 
「いや、何でもないやよ。」 
「私が芹沢眞一郎です。どなたかな?」 
「あの私、鈴木香音と申します。父の手紙でここに来るように言われました。」 
香音は手紙を芹沢に渡した。芹沢はそれを読んだ。 
「そうですか、わかりました。そのUSBは今持っていますか。」 
「はい。」 
香音はカバンからUSBを取り出した。 
「お渡し願いますか?」 
「はい。」
165 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/11(火) 17:45:31.40 0
香音はすぐにUSBを渡そうとする。 
「ちょっと待ってください!」 
「なんだね。」 
「その前にあなたの事聞かせてください。そのUSBは普通の品物ではありません。現にこの子は襲われたんです。あなたと彼女のお父さんとの関係を・・・」 
「詳しいことは言えないんだが、この子のお父さんとは親しい間柄でね。」 
「話すことができないんならそのUSBを渡せません。あなたが正直に言ってくれるまでは・・・」 
「そうかね、それは残念だ。だが、それは君のような若い子がどうにかできる代物ではないんだがね。仕方がない。香音さん君は当分このお姉さんに守ってもらいなさい。」 
「えっ?」 
「彼女、とても強いみたいだし。私のような一介のファッションプロデューサーよりも安全だ。」 
愛と香音はトレゾアを後にし、リゾナントに戻った。 
愛はカウンターに行かず、二階の「魅惑の水さんルーム」に直行した。 
「愛ちゃん、どうしたと?」 
「さぁ、芹沢さんに会ってから何やら怒ってるみたいです。」 
愛は部屋のドアを怒り任せに閉めた。 
「もう、まったく変わってないんだから。最低!」 
その夜、トレゾアでは・・・ 
「先生、よろしかったのですか?」 
「川久保君、仕方がないだろう。あの状況ではどんなに言っても愛はUSBを渡さないだろう。頑固なところは相変わらずのようだ。」 
「でも、父親なのですから託してもいいのでは・・・」 
「父親だからこそ、渡せないというところだろう。あの子は私の事を信用していないんだろう。何か裏があると。」 
「でも、あのUSBを持っていることはお嬢さんを危険にさらすことに・・・」
166 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/11(火) 17:46:26.43 0
喫茶リゾナントにて・・・ 
「このUSBは香音ちゃんが持つようにして。」 
「えっ?」 
「お父さんが必死に守ろうとしていたものを赤の他人が持つわけにはいかない。娘であるあなたが守るんやよ。」 
「でも・・・・」 
香音は不安な顔をしている。 
「大丈夫と。もしもの時はれいなたちが助けるけん。明日には他の仲間も紹介すると。」 
「当分の間はあーしの部屋で寝るといいやよ。学校の事もあーしがなんとかするやよ。」 
「はい、それとひとつ提案させてもらっていいですか?」 
翌日、里沙が朝早くリゾナントを訪れると・・・ 
「おはよう。」 
「いらっしゃいませ!」 
「あれ?愛ちゃん、誰この子?」 
「リゾナントの新しい看板娘やよ。」 
「鈴木香音です。よろしくお願いします。」 
香音が学校に行く前と帰った後に店を手伝わせてほしいと提案したのだ。 
ずっと愛とれいなのお世話になったままなのは申し訳ないということだった。
167 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/11(火) 17:47:15.54 0
「香音ちゃん、そろそろ学校いかんと。」 
「あっ、じゃあ行ってきます。」 
カバンを持ってリゾナントを出る香音を見て、お客さんがつぶやく。 
「ああ、笑顔の天使が行っちゃった。」 
「看坂猫で我慢すると。」 
「ねぇ、愛ちゃん。昨日の心の声のことなんだけど愛ちゃんは心配するなって電話してきたけど・・・」 
「あの子やよ、昨日の心の声。詳しいことは後で・・・」 
リゾナントに舞い込んできた笑顔の天使・鈴木香音。 
彼女が持ち込んだUSBがリゾナンターの運命を大きく揺さぶることになるとはだれも知らなかった。
168 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/11(火) 18:20:59.69 0
>>160-167 
「新たなる出会い 鈴木香音 編 後編」
169 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/11(火) 19:03:48.61 0
高橋さんとの合流はちょっとここでは無理そうですね。 
軌道修正。
170 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/11(火) 19:06:09.13 0
 ■ エスケープ-鞘師里保- ■ 
鞘師里保は途方に暮れていた。 
急に裏通りに消えたタクシーを追うも見失い、鞘師自身もタクシーを降りた。 
目の前には廃工場が不気味にそびえたっている。 
「おなか…すいたな…」 
ふとそのとき鞘師の中にかすかに響くものがあった。 
「この中か…」 
殺意ではない。はっきりとしたものではないがこの感覚は先ほどの少女のものだ。 
そう直感した。 
「おなか…すいたな…」 
鞘師はもういちど呟くとボッという風切り音をあげ一気に廃工場へと走り出していた。 
―――――――― 
鞘師里保は若干困惑していた。 
さきほど目の前で起きたこと…この状況はどういうことだろうか? 
廃工場内にかけ込んだ鞘師が見たものは今まさに目の前で消える複数の女性と例の少女。 
171 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/11(火) 19:08:11.33 0
横たわる男性がすでに死亡していることを見てとった鞘師はとりあえずその場を離れることにした。 
鞘師は手近なファーストフード店へ入ると「季節限定!」と書かれたセットメニューを注文した。 
先ほど苦悶の表情で横たわる死体を見たばかりだが、食べ盛りの小学生から食欲は奪えない。 
目の前で人が消えるなんて不思議なこともあるものだ。 
鞘師はすでに少女の身の安全に関しての心配は忘れていた。 
いや最初から心配していたかどうかすらあやしいが、とにかく現状自分にできることはなさそうだ。 
ほとんどソースの味しかしないそのハンバーガーをパクつきながら思い返す。 
先ほどの心の響き、あれは殺気を察知するとか相手の意思を読むとかいった武術的な感覚とは別の何かだったように思う。 
「なんだったのかな…このソース」
172 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/11(火) 19:09:05.39 0
じぃちゃまの好みもあるが典型的な和食で育ってきた鞘師だったが 
やはりこういったジャンクフードへのあこがれも強い。 
あっという間に平らげた先ほどのハンバーガーの味についていまさら考えてみる鞘師だった。 
現状の情報でわからないことはどこまで行ってもわからない。ならば保留だ。 
それよりも… 
とりあえずお腹の満たされた鞘師はジュースと食べかけのポテトをテーブルに置いたまま、トイレへとむかった。 
「まだ食べかけですよ」といわんばかりに。 
鞘師がトイレへ入ると同時に先ほどまで 
いちゃいちゃしていた一組のカップルが急に無言になる。 
やおら立ち上がると鞘師の入ったトイレへと向かう。 
入口を男が見張り女が中へ… 
「窓だ…逃げられた。」 
「気付かれていたか。お前はそのまま窓から出て追え。こちらは外から回る」 
「了解」 
 ■ エスケープ-鞘師里保- ■ でした 
173 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/11(火) 19:45:42.71 0
>>170-172 
『■ エスケープ-鞘師里保- ■』 
ちょっとアンカーつけさしてもらおうか
174 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/11(火) 19:46:26.09 0
>>168 
見事に香音ちゃんをリゾナントに導いたもんだ 
舞台の設定も取り入れるとか時間をかけて練った跡が窺われる意欲作乙でした 
>>173 
短い話だけど鞘師さんの只者じゃないところが描かれてますな 
別の話とカメオ出演っぽくリゾナントする辺り心憎いですな 
このスタイルで何処までいけるものか楽しみにしてます
175 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/11(火) 21:20:17.62 0
いっぱい作品くるねーw 
いいよいいよー
176 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/11(火) 23:17:20.66 0
まだまだ来るから守っとくよ
177 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/12(水) 00:17:06.26 0
>>168 
>>173 
違う作家さんが書いてるんだよね 
短いスパンで見事にリンクさせてるな
178 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/12(水) 00:22:16.55 0
未来は一つ―――その考えは、今でも変わらない。 
だけど…どうしても頭から離れないことがある。 
自分が変えた“未来”はどこへ行くのだろう。 
訪れなかった“未来”はどこに消えたのだろう。 
自分の選択によって変えられてしまった“未来”は一体どこに――― 
かつて“視”た“未来”の中、今日この日を…私の18歳の誕生日を笑顔で祝ってくれていたあの人。 
それなのに、その日を実際に迎えた現在(いま)、あの人は私の隣にはいない。 
私は本当に正しい未来の中にいるのだろうか。 
正しい選択をしてきたのだろうか。 
胸を締め付けるような不安が襲ってくる。 
「光井さん、お誕生日おめでとうございます!」 
「おめでとうございまーす!」 
「―――?」 
そのとき―― 
明るいいくつもの声が私の耳に届いた。 
現在へと戻ってきた意識が、何人もの笑顔に迎えられる。
179 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/12(水) 00:23:02.05 0
同時に、“未来”の中であの人が言っていた言葉が不意に甦った。 
 ――ずっと傍にいるからさ。これからも…ずっと一緒だよ―― 
そのときにあの人が浮かべていた、少し照れたように笑顔とともに…… 
その笑顔に釣り込まれるように、私の頬にも自然と笑みが浮かぶ。 
あのとき“視”た“未来”の中には、確かにあの人の笑顔があった。 
でもその代わり、今現在ここでこうして実際に自分を祝ってくれている彼女たちの笑顔はなかった。 
そういうことなんだ。 
やっぱり……未来は一つなんだ。 
今度こそ、その本当の意味を理解できた気がした。 
「訪れなかった“未来”」もまた、そのたった一つの未来の中に内包されて生き続けているのだと。 
どこにも行ってなどいないのだと。 
今目の前にある、この新しい笑顔たちとともに、ずっと私の傍にあるのだと――― 
「ありがとうなー」 
初々しい笑顔たちに「オトナのスマイル」を返し、私はもう一度噛み締めるように言った。 
「ほんまに…ありがとう」 
“未来”の中の……そして未来の中のあの人へのお礼の言葉を。
180 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/12(水) 00:23:44.55 0
>>178-179 
『All Is Keeping Alive』 
以上です。 
光井さんの18歳の誕生日にはブラック&エロスな愛佳を書いてやろうかと目論んでいたのですが、そんな気分になれなくなってしまったのをお許しください。 
訪れなかった“未来”はあなたの中に。(ねーよ) 
ともかくみっつぃー18歳おめ!
181 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/12(水) 00:42:46.95 0
>>180 
これまた新メンもからめてきたね、なんかいい感じだ 
あと愛佳ブログからもネタ持ってきてるのかな? 
そして愛佳おめでとう愛佳
182 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/12(水) 01:46:27.28 0
>>173 
かわりにどうもすみません。 
書きっぱなしでアンカーでつなぐのを忘れていました。 
以下 
 ■ インビジブルビューティー-前田憂佳- ■ 
を投下させてください 
183 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/12(水) 01:47:48.48 0
 ■ インビジブルビューティー-前田憂佳- ■ 
鞘師の立ち去った廃工場、 
無人のはずのその場所にもう一人の傍観者が存在していた。 
「あーもしもし。かのんちゃん?かのんちゃんだよね?ホントに花音ちゃん?」 
誰もいないはずのその空間でちょっとぐずついた赤子のようなかわいらしい少女の声が響く。 
「んーこほん…花音ちゃんのかのんせいは何パーセントっ?!!」 
…長い…沈黙 
「…例のアレ、高橋さんたちの手に渡っちゃった。」 
携帯?少女の声は携帯で会話をしているのだろうか? 
「して、でもよくね?とりあえず『あっち』にわたることは阻止できたわけだし。リゾさんたちはみんないい人だからきっといい感じにしていくと思うし。」 
「それよっかさ。気になることが一個増えた。」 
「どーも部外者にチョコっと目撃されちゃったみたい。現場と、高橋さん達が『飛ぶ』とこ。」 
「でもさー変なんだよね。その子、たいして驚くでもなく、現場をしっかり観察したうえで、立ち去ったんだよ。変でしょ?変だよね?変だよっ!」 
「して、して、その子プロにつけられてるの、多分10人以上だよ。」 
「しかも~その子それ気がついてるみたいだった。それで全然へーきですって感じだった。ゆーかならきっと泣いちゃうもんそんなの。ありえん。」 
「でねーどうしよっかなって思って…うん!花音ちゃんもそうおもう?あたしもそうおもった!」 
「じゃあそっち花音ちゃんたちに任せていい?あれだけプロが動いてれば逆にすぐわかるもんね!」 
「あたしこっちの後始末やっとくから!じゃあまたー」 
 ■ インビジブルビューティー-前田憂佳- ■ でした
184 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/12(水) 04:00:55.16 0
ゆうかりんおやすみ
185 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/12(水) 05:34:30.65 0
おちたらどうするホゼナンター
186 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/12(水) 06:15:04.63 0
>>174 
舞台の設定ってなに? 
廃工場ってなんかリアルで舞台になってたっけ? 
ミュージカルとか?
187 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/12(水) 07:37:51.19 0
「ファッショナブル」の舞台で愛が父親に反発してるとかじゃないのかね
188 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/12(水) 08:02:24.45 0
>>180 
乙でした 
テンプレの話とも繋がる内容ですな 
実現したものしなかったもの 
未来は無限の可能性を秘めているのですなあ
189 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/12(水) 09:05:55.43 0
>>180 
川=´┴`)<ありがとうねー 
http://mitsui321aika.maxs.jp/321/img/aika2236.jpg
190 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/12(水) 10:08:35.78 0
>>187 
ていうかその父親絡みの設定全部だな 
川久保さんまで含めて
191 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/12(水) 12:25:10.94 0
おっぱい
192 : 名無し募集中。。。 [] 投稿日:2011/01/12(水) 12:37:22.37 P
おっきいな~
193 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/12(水) 12:49:12.48 0
みんな騙されないで 
それは小春の悪戯だから
194 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/12(水) 12:50:18.61 0
ゆうかりんのなら本物
195 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/12(水) 15:44:16.97 0
ゆうかりんの消えるバストの怪
196 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/12(水) 17:41:55.38 0
取り急ぎ↑
197 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/12(水) 17:54:46.76 0
>>196 
川=´┴`)<ありがとうねー 
http://mitsui321aika.maxs.jp/321/img/aika2238.jpg
198 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/12(水) 18:48:49.47 0
愛佳サービスしすぎw
199 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/12(水) 19:11:02.43 0
>>198 
川=´┴`)<きょうはウチが主役でっせ 
http://stat001.ameba.jp/user_images/20110112/13/tanakareina-blog/b4/72/j/o0640042610978578435.jpg
200 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/12(水) 19:18:12.47 0
なぜかマスターが一番嬉しそう
201 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/12(水) 20:00:33.72 P
みっつぃ18歳ってことはこの春卒業じゃないの 
進路どうするんだろう
202 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/12(水) 22:25:56.65 0
川*^A^)<リンリンと一緒にグランドラインを目指しマース!
203 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/12(水) 22:34:18.45 0
去年末のJCB後の店貸し切りでパーティした写真なんかリゾナントでやってるみたいに見えて凄く微笑ましかった
204 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/12(水) 23:56:58.71 0
http://mitsui321aika.maxs.jp/321/img/aika2239.jpg 
川=´┴`)<…誕生日を祝うレスが少ないんちゃうん?
205 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 00:43:16.31 0
 ■ ファーストアタック-鞘師里保- ■ 
「やっぱり実戦ってうまくいかないや」 
今まさに、空中高く放り投げた女をくるくるときりもみさせながら鞘師は 
即座に自身の動きの反省に入っていた。 
自分でも意外なほど緊張で力が入っている。 
軽く地面に転がすだけのつもりがこんなに高く放り投げてしまった。 
鞘師はむしろ自分の意外な人間らしさに感動すら覚えていた。 
「怖い…私もちゃんと緊張できるんだ」 
ぐしゃっ 
嫌な音を立てて女がコンクリートに頭から叩きつけられる。 
思っていたより、敵意の察知の精度が甘い。 
稽古の時より技に入るまでの準備の余裕がない。 
当たり前のことを一つ一つ確認して行く。 
男が追いついてくる。 
鞘師は角を曲がるとすぐに地面に伏せ丸くなる。 
角を曲がってきた男が足元の鞘師に躓く。 
そのまま男の脛と背が触れただけの状態を維持しながら鞘師が立ち上がる。 
空中にはね上げられ泳ぐように空を掻く男の中指を掴みひねり上げ、そのまま投げた。 
ぼきり。 
指、肘、肩。 
瞬間的に関節という関節が回外可動域いっぱいにねじり上げられ靭帯が破砕する。 
肘と肩は脱臼しているはずだ。 
男は悲鳴を上げない。 
「痛くないのかな?いや我慢してるんだ…すごい」 
そんな感想を持つ頃にはブロック塀を乗り越え、建物と壁の間の隙間を走り抜けている。 
開いているドアに飛び込み、厨房をかけぬけて駐車場へ出、 
そのまま反対側の路地へと走りぬける。 
上手くまけた。 
初陣にしては上出来なのかもしれない。
206 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 00:45:08.46 0
いや…まだだ… 
あいかわらず殺意はない、が明確な敵意が鞘師を索敵しているのを感じる。 
鞘師は土地勘のないゆえに避けがたいミスをしていた事に気がつく。 
彼らは数で徐々に包囲網を狭めていく。 
いずれは逃げ場のない場所に追い込まれ捕まることになる。 
塀を乗り越えるのはいいアイディアだと思ったがどうやら相手にとってはそれも想定内だったようだ。 
まだ昼間だ。大声を出せば助かるだろうか? 
小学生の少女が悲鳴をあげて助けを呼べば、最悪誰も助けてくれないまでも目撃者は確保できる。 
目撃者を恐れて引いてくれる…可能性は低そうだった。 
もしそんなことで退くほど度胸がないか、もしくは慎重に事を運ぶつもりなら 
鞘師がどこか宿に泊まるなり腰を落ち着けたのち寝込みを襲う方が確実なはずだ。 
それをしないということは、見られてもいいから即座に自分を捕まえたい。 
そういうことだ。 
警察その他の公的機関に逃げ込む? 
いやそれが出来るならじぃちゃまがそうしている。 
そうせず東京へ逃がしたということはあとは言わずともわかるとじぃちゃまは考えていたはずだ。 
高橋という人が自分を見つけるにしてもおそらくは 
宿帳とかそういった自分の痕跡をたどってくるのだろう。 
そう鞘師は考えていた。 
探偵とか、なにかそんなようなひとの取りそうな動きを予測していた。 
そもそも小学生一人で泊まれるような宿があるのか?とまではさすがに鞘師の知識では思いいたらなかった。 
どの道この状況下ではあてにできそうにない。 
そうなると、どうやってこの包囲から脱出すべきか…
207 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 00:47:08.05 0
まてよ?脱出する? 
鞘師は状況をもう一度整理する。 
自分は本当に追い詰められているのだろうか? 
自分でそう思いこんでいるだけではないのか? 
確かに自分には土地勘がない。 
このまま相手に追われる方追われる方へ後手後手に動けば追いつめられる。 
だが相手は「今現在の鞘師の正確な位置」など知らないのではないか? 
土地勘があるがゆえに敵は鞘師を漠然とした面でとらえている。 
自分たちが頭の中で勝手に描いた地図上で勝手に囲った檻の中にもう閉じ込めた気でいる。 
だが、「現実の鞘師はまだ自由ではないか」 
鞘師は大きく深呼吸をした。 
落ち着く必要はない、興奮して当たり前だ、自分は普通の小学生なんだから、 
「だが、水軍流は超人を作るための術理ではない。」 
急にじぃちゃまの言葉を思い出す。ただ聞き流していただけのはずの言葉が鮮明に蘇る。 
水軍流は凡庸の人間が凡庸の心のまま、凡庸な己を自由にするための術理だ。 
足が震え、涙と鼻水にまみれ、腰を抜かし泡を吹き、大小便を垂れ流した状態でも十全に身を守れる、それでこそ技だ。それでこそ伝統だ。 
それに比べれば今の自分は充分すぎるほど冷静だ。やれる。 
208 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 00:50:23.89 0
精度が不十分とはいえ、鞘師の敵意に対する感度は充分実用の範囲にあった。 
敵意を察知できぬ距離や場所の敵は鞘師に何ら害を与えられない。 
一方鞘師に直接危険が及ぶ敵は必ず鞘師の方が先に察知できる。 
そうだ…逃げる必要などない、追いつめているのは自分の方だ。 
ここに至って状況に何の変化もないままに 
狩るものと狩られるものは逆転していた。 
鞘師の中だけで。 
そう鞘師は「常識的」すぎた。 
もっと「現実的」に警戒すべきだった。 
つい先ほど見た、その光景、それはもしかしたら鞘師が生き延びるに当たっての判断を 
より正確にするための超自然的な啓示であったのかもしれない。 
だが鞘師はその啓示に気付けてはいなかった。 
この世界には常識を超えた―忽然と目の前から消えることが出来るような―能力を持った人間が現実に存在するのだということに、考えが及んではいなかったのだ。 
先ほどまで晴れていた空には暗雲が立ち込めていた…ひと雨来るのかもしれない… 
 ■ ファーストアタック-鞘師里保- ■ でした
209 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 00:51:04.39 0
>>205-208 
■ ファーストアタック-鞘師里保- ■ でした 
210 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 01:02:35.06 0
>>201 
案外桃子みたいに進学決めてたりして
211 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 01:05:20.22 0
何か鞘師が既に達人っぽいw
212 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 01:22:07.51 0
>>210 
愛佳しっかりしてるからなあ 
その線もあり得るかもしれないね
213 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 01:24:22.46 0
 ■ シンデレラシンドローム-福田花音- ■ 
一千人の超能力者との戦い… 
その壮絶な戦いを潜り抜け最強の超能力者高橋愛は 
最凶の超能力者福田花音に深々と銃剣を突きたてた。 
力なく崩れ落ちる花音。 
内臓が破裂し口からどす黒い粘液をゴブゴブと吐き出す。 
「うふふ…やっぱり高橋さんすごいや…1000人も…1000人も集めたのに…」 
「花音ちゃん…どうして『力』を私に使わんかった?花音ちゃんの『力』なら…私ひとりを洗脳するだけで済んだはずやのに!そうすればこんなに…」 
「こんなに殺さなくて済んだ?…うふふ…ちょっとは嫌がらせに…なったかにょん…」 
「花音ちゃん…」 
「あたし…決めてたから…この力に目覚めてからずっと…」 
「本当に友達になりたい人には絶対に使わないって…Psy/my/rageの四人もそう…エッグのみんなもそう…あたしの能力を知りながら…みんなあたしを信じてくれた… 
あたしが友達には使わないって信じてくれた…ふふふ…あたしがいっくらシンデレラの生まれ変わりって言っても誰も信じてくれなかったくせに…」 
「花音ちゃん…」 
「高橋さん…『疑うことなく』信じて…あたし…あたし本当にシンデレラな…んだ…から…」 
「 うん…信じるよ… おやすみ花音ちゃん… 」 
214 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 01:25:35.47 0
 ■ ヘルゲートキーパー-小川紗季- ■ 
死屍累々と屍が積み上がられた荒野。 
ふわり…純白のドレスの少女達が舞い降りた… 
小麦色の小さな少女が口を開く… 
「花音のウソつき…」 
「…これアンタ死のうとしたでしょ?だから一人でこんなことしたんだ…」 
ぽろぽろと涙がこぼれおちる 
「約束したよね?花音…あたしたち四人は絶対に生き延びるって!」 
「どんなことをしてでもこの地獄をはいずりまわってやるって…」 
「許さない…あたしは約束を忘れない…花音だけ楽になんてさせない。」 
少女は花音の身体に触れる…やさしく頬を撫で、 
そして思い切り髪を掴んで引き上げ、叩き下ろし、地面にねじり付けた。 
「あたしがいる限りあんたは死ねない!死なせてなんかやらないんだ!」 
死者の口がごぼごぼと音を立てる…全身が硬直と痙攣を繰り返し、 
ちぎれかけた腕がのたうち回り… 
傷口から目から鼻から、ありとあらゆる穴から血が吹き出す… 
…死者は、再び現世へ引き戻された。 
「ぐうう…ぐぉ…ぐぎゃあああああああ!!!」 
「だっ!まっ!れっ!クソ花音!」 
今まさに自分が蘇生させたその肉塊の顔面を少女は何度も何度も何度も… 
思い切り、殴りつける。 
「あたしは地獄の門番…あたしの許しなくば何人たりとも死の安息は訪れない! 
たとえ一片の肉片でもっ!あたしの前でっ!死ぬことはっ!許さない!!!」 
許さない!!!!!
215 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 01:27:19.93 0
 ■ ミスリードビジョン-光井愛佳- ■ 
「ぐうぉひぎやああああ!じなせてぇ!死なせてぇ!!!」 
「みっつぃ!みっつぃ!どうしたの!しっかりして!」 
「ぐううう!!!ぐおおお!…ぐ…はぁはぁ…ああ?…高橋さん…?」 
そこは喫茶リゾナント。 
あーたしかとっくに年が明けたのにクリスマスグッズが安くなってたからって 
サンタのカッコして「あわてんぼうのクリスマスパーティーだー前乗りしすぎだー」とかって騒いでそのまま… 
「いや…すんません…愛佳ねぼけてました?」 
「え?夢なわけ?何かすっごいうなされようだったけど」 
「いやほんとえらいすんません…二日酔いかなーなんてw」 
「ちょっとーお酒も飲んでないのに二日酔いってw」 
心配かけたらあかん…悪夢なんてよー見ることや…それにしても… 
むせかえるような死臭、ひたひたと一面に広がる血の海…高橋さん…そして…「かのん」? 
かのんって香音ちゃんのこと?洗脳?そしてあの女の子たち…。四人の女の子… 
ここ数日の間、立て続けにリゾナントには新しい少女たちが加わっていた…四人の新たな少女たち… 
だめだ…記憶が混濁して…全てがぼんやりとして像が結べない… 
「もしかしたら香音ちゃんは…この四人のコらはうちらの大きな脅威になる…そういう未来の可能性なのかもしれへん…」 
高橋さんにだけでも警告すべきやろか… 
「あっひゃーだれ?アタシのシャンパンにワサビいれたの!!!!」 
「しっしらんとね~」 
「あー絶対れいな!れいなや!!このこの!」 
どうするにしても… 
愛佳はむっくとおきあがる 
「高橋さん!それ犯人ウチや!!!!」 
いまは!!!逃げろ~~~~~~~~~~~!!!! 
 ■ ミスリードビジョン-光井愛佳- ■ でした
216 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 01:29:31.90 0
>>213-214 
鞘師ちゃんのはなしの途中ですが>>183 の前田憂佳につづきスマイレージ投下します 
 ■ シンデレラシンドローム-福田花音- ■ 
 ■ ヘルゲートキーパー-小川紗季- ■ 
 ■ ミスリードビジョン-光井愛佳- ■ 
それとなんかこの飲み会にぴったりな感じだったので 
ttp://stat001.ameba.jp/user_images/20110112/01/takahashiai-blog/5d/9d/j/o0612061210978074705.jpg
217 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 04:17:00.61 0
整い前田おやすみ
218 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 04:18:12.13 0
>>216 
凝った作りだよね 
一つ一つが独立してて感じも違うけど繋がってて 
愛佳の話では新メンとスマイレージのイメージを重ねたり 
才気を感じる
219 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 08:20:14.88 0
おはナント
220 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 08:27:58.62 0
>>216 
乙 
スマとか花音ぐらいしか判らんが何となく雰囲気は伝わってきた
221 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 10:29:14.72 0
もしかしてスマイレージって初登場?
222 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 12:17:05.53 0
リゾナンタークライシスとかに個別で出てなかったっけ
223 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 12:52:09.71 0
そういわれてもまとめサイトが多すぎて 
どこ見ていいかわかんない件
224 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 13:10:54.78 0
他ユニットを本格的に絡ませるのは意識的に避けられてきた感があるからね 
でもリゾナンターも半分がいなくなってしまったしこれからは変わっていくのかも
225 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 13:36:40.45 0
当たり前っちゃ当たり前だけど 
アイドルユニットの名前だからカワイイんだけど 
カッコよく決まる名前なわけじゃないから難しいよねそのまま出すの 
ガッタスとかたんぽぽとかあたりまでならコードネームっぽいけど 
℃-uteとかスマイレージはそのままだとね 
226 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 13:49:01.97 0
それはどこかずれてるよ 
モーニング娘。自体名前は基本的には出てないのに
227 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 17:01:56.30 0
消えなさい 
                ★   ★   ★   ★   ★   ★ 
「田中っち、やりすぎ!」 
「だけど突然ミヤが向かってきたけん、反射的に手が出てしまったとよ!!」 
新垣はジュンジュンが部屋の隅へと雅を運ぶのを目の端にしながられいなに詰め寄る 
「雅ちゃんに訊けばなにかわかったかもしれないんだよ!」 
「・・・」 
新垣に追い詰め、いや問い詰められているれいなの傍では高橋と光井が倒れ込んでいる男の顔を覗き込んでいた 
「高橋さん、この人、犯人さんやと愛佳思うんですけど」 
「・・・だろうね。でも、なんでこいつしかいないんだろうね?幸い息はしているね、かろうじてだけど」 
高橋は男の口元に手をかざし呼吸を確かめた 
「どうします?警察に突き出しましょうか?」 
「うんそうしようと思ってるがし。ただ、その前に、ガキさん、ちょっといい?」 
「ん?何、愛ちゃん?」 
ぶすっと不満たらたらなれいなの横で新垣は不満を言い足りないようでれいなに負けずむくれている 
「ガキさん、れいなだって悪気があったわけじゃないんだから許してあげてよ」 
「・・・反省しているんだったらいいよ」 
すぐに「れーな、反省してます!」という声が返ってきた 
それを聴いた久住が小さな声で「はやっ・・・」と呟いたので、二人に睨まれた。 
久住は『フフフーン 鼻をぷ~ん♪』と鼻歌を歌いながら後ずさる 
「よろしい、で、愛ちゃん、何すればいいの?」 
「こいつの心の中に入って(ダイブして)ほしいんよ、あっしの精神感応は相手の意識がないと難しいがし」 
高橋がいう「こいつ」とは目の前に倒れ込んでいる男のことである
228 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 17:03:19.88 0
「・・・こいつね。ま、なんかは知ってるでしょ。いいわ、ちょっと行ってくるよ 
 でも愛ちゃん、『ダイブ』している間は無防備になっちゃうから誰か私のそばにおいてよね」 
男の脇腹に軽く蹴りを加えて、イライラを八つ当たりした新垣は集中に入る 
「ガキさん、大分怒っているがし・・・えっと、リンリン、エリ、ガキさんの警備よろしくね」 
呼ばれた二人は新垣を刺激しないように傍らに恐る恐る座る 
リンリンの表情を言葉で示すなら(オーマイ、ゴッドォォォ)といったところであろう 
「小春と愛佳は雅ちゃんが気付いたらあっしに連絡してね。あっしは別の部屋を探しに行くから」 
そういい高橋はれいなとジュンジュンと連れて部屋を後にした 
「・・・でも、夏焼さん、しばらく起きそうにないですよね、久住さん?」 
「まあ、田中さんの本気のパンチくらったし。イタイよ、きっと、なかなか消えないよ、これは」 
雅の少し腫れてきた頬に濡れたハンカチをそっと被せながら久住が同情の言葉を述べた 
「怪我とかこういう時はいつも道重さんがあっという間に治してはりましたからね」 
「道重さんって小春達にとって大切な仲間ですし、すぐにどんな傷でも治してくれたもんね」 
感慨深く道重のことを光井と久住は思い浮かべた 
(犯人はいったい何のために道重さんを誘拐しはったんやろ?) 
                ★   ★   ★   ★   ★   ★ 
高橋、れいな、ジュンジュンの三人は階段を降り一階に戻ってきた 
「行くよ、れいな、ジュンジュン」 
高橋を先頭にし三人は慎重に部屋を一つ一つ確認する 
(どこかにサユを連れていった犯人の形跡があるかもしれない) 
そんな希望を胸にして一つ、また一つと部屋を調べていく 
しかし調べても調べても何もみつからない 
あの大きな部屋と同じようにいくつかの部屋は壁紙が剥がれ、ドアには大きな穴が開いていた 
小さな無数の穴や壁紙が無残に剥がれた壁、床に放置されたナイフ、まだ完全に乾いていない血で濡れている床 
靴に血を付けないように気をつけながら、床に落ちていたナイフを拾い上げて電灯の光に当ててみた 
「けっこう鋭いっちゃね」 
「田中サン、ハンカチ使って持ったほうがイイダ。指紋付くと大変デス」
229 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 17:04:45.26 0
「れいな、何でも簡単にさわらないほうがいいがし、先に毒が仕込んでるかもしれないから」 
そういいながら次の部屋に入っていった高橋の忠告にれいなはキャッと小さく叫んでナイフを手から放した 
その姿を観た「田中サン、大げさダナ」とジュンジュンは思わず吹き出し、れいなのその大きな瞳で睨まれた 
「れいな、ジュンジュン来て!」 
先に入っていった高橋の声質が明らかに変わったのを察知した二人は急いで部屋に入っていく 
部屋でその光景を目にしたれいなは「ガキさん達呼んで来ると!」といい弾丸のように飛び出して行った 
                ★   ★   ★   ★   ★   ★ 
新垣のサイコダイブは順調に進んでいるようだ。静かに目を閉じ、微動だにしない 
一方で新垣の傍にいるように高橋に言われた亀井は対照的に落ち着きがない 
「亀井サン、大丈夫デスカ?」 
そんなリンリンの不安な声をよそに、亀井の視線は宙を舞ってばかりだ 
「亀井さん、道重さんがおらへんくて、ダメージ受けてるようですねえ」 
リンリンが新垣を大人しく座らせようとしている様子を見ながら光井が呟いた 
「道重さんと一番仲良かったから…お互いマジで依存していたような間柄だもん」 
雅が早く起きるように微弱な電気を流し続けながら久住が相槌をうつ 
「道重さんと亀井さんっていつも一緒にいたもん。きっと小春達が知らない思い出もたくさんあったんだろうね」 
「休日も二人で遊んでいるっておっしゃってましたし、亀井さんの病室に道重さん頻繁に通ってたらしいですわ 
 看護師さんに『あなた、来すぎねw』って笑われてて、名前覚えられたらしいですわ」 
「道重さんらしいですね。なんていうかほんとおかしいくらいに一緒だよね~」 
そんな会話を続ける視線の先にはやはりおどおどしてばかりの亀井の姿がある
230 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 17:06:08.69 0
「・・・なあ、久住さん、もし、もしやで、道重さんが帰ってこなかったら愛佳達、どうなるんやろ?」 
久住は突然の問いに言葉を失う 
「なにいってんの、みっつぃ?帰ってこないわけないじゃん!ぜっっっったいっ、帰ってくるよ!」 
「そうかもしれんけど、わからんやんか。絶対なんてない、それは愛佳自身が誰よりもわかってる 
 愛佳だって道重さんが無事に戻ってくると信じているわ。でも、いなくなって気付くやろ、寂しさってもんを 
 気付くんや、当たり前にあったもんが急になくなった時にその価値を、重さを、今が幸せってことを」 
「何言ってるの?」 
「愛佳はただの高校生、久住さんは有名アイドルなんですよ! 
ジュンジュン、リンリンなんて中国から来たんですよ!普通、こんな風に出会えないじゃないですか 
出会えたのは奇跡という言葉で簡単に片づけられる。でに、それが当たり前になっているのがおかしいやろ 
今までやって何回も危ない目にあうてるし、無事にすんどるんが不思議なくらいや! 
だからって、今度も大丈夫っていう保証はどこにも・・・」 
「みっつぃ!!!」 
急に叫んだ久住に驚いたように亀井、リンリン、そして雅が起きあがった 
「帰ってこないなんて言わないでよ!わからないよ、無事かどうかなんて誰にも 
 でも、無事ってことを、帰ってくることを願うのが仲間なんだよ!小春、そうみんなから教わったよ!・・・みっつぃからも」 
久住の言葉で落ち着いた光井は座り込み、「すみません」と呟いた 
何が起きたのかわからない雅はキョロキョロと辺りを見渡し、なぜか腫れている頬に手を置いた 
雅は「あの~」と申し訳なさそうに光井と久住に声をかけた 
「あ、夏焼さん、気がついたんだ、よかったですわ。リンリン、夏焼さん、おきはったで!」 
光井が明らかに頬が腫れていて「よくはない」雅をみながら言った 
「なんであんた達がここにいるの?あと、すんごくほっぺたが痛いんだけどさ、説明してくれる?」 
自分がしたことを覚えていないのか困惑した表情で雅が尋ねてきた 
「それはな・・・」 
光井が説明しようと口を開こうとした時、廊下からドタバタと音が聴こえて来た 
「ガキさん、エリ、小春、愛佳、リンリン、すんごいもん見つけたと!あ、雅、起きたかいな! 
 ・・・小春、愛佳は何しとうと?」 
れいなが目にしたのは飛びだそうとする雅の体を両側から必死に押さえている久住と光井の姿であった
231 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 17:08:02.10 0
                ★   ★   ★   ★   ★   ★ 
「あれ、珍しいですね?こんな時間に」 
「なによマルシェ、私だってこんな時間に起きていているわよ、悪い?」 
「どうされたんですか?不機嫌そうですね」 
「・・・いやなことがあったの」 
                ★   ★   ★   ★   ★   ★ 
「田中さん、何か見つけたんですか?」 
光井がれいなが新垣、亀井、リンリン、久住ついでに雅を連れて階段を下りる最中に尋ねた 
「一階に牢屋があって中に人がいたと」 
光井は一瞬『牢屋』という現実感のない単語に違和感を感じた 
「牢屋って・・・それに人?それってもしかして例の誘拐事件の被害者やないですか?」 
「わからんっちゃ、れーなは見つけてすぐにガキさんを呼びに来たけん 
 今頃、愛ちゃんが調べていると」 
6人は一応誰かが潜んでいる可能性もあるのでできるだけ靴音を消して階段をおりる 
「田中っち、その中に女の人いなかった?」 
怒りの収まった新垣が尋ねる 
「女の人?おったと思うっちゃけど、それがなにか関係あると?」 
「う~ん、愛ちゃんとジュンジュンが揃ってから説明するよ」 
れいなを先頭にした6人が部屋に到着すると、その光景をみた光井は思わず呟いてしまった 
「ほんまに牢屋ですやん・・・」 
部屋の中には幾つもの一人ずつ閉じ込めるための檻が置かれ、窓には鉄格子がはめられている 
気がつかなかったが、この部屋にはドアがないが、ドアがあったと思われる部分の蝶番は他の部屋より厚かった 
これはこの部屋のドアが他の部屋よりも頑丈に作られ、それが何者かによって破壊されたことを意味していた 
「愛ちゃん、田中っちがいってんだけど人がいたって?」 
「うん・・・いたことはいたんだけど」
232 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 17:10:55.26 0
「『だけど』ってどういう意味?まさか、怪我していて誰も何も話せないとか!!」 
新垣の顔に不安の色が浮かぶ 
「それはナイデスヨ。新垣サン、みんな元気デス」 
ジュンジュンは床に寝ている数人の見知らぬ人たちのそばにいた 
「皆さん、ちょっと気絶しているガ、元気ダ。皆サン、眠っているダケダ」 
「あっしらがこの部屋に入った時からこの人らはこうやって檻の中で眠ってたよ。怪我はないから大丈夫 
 そんで、部屋の隅に手錠が落ちていたがし、ほい。多分、それがつけられていたと思われがし」 
高橋から手錠を受け取り確認し終えた新垣は、それをリンリンに手渡した 
「あの~高橋さんちょっといいですか?」 
おずおずと後ろの方から雅が手を上げて高橋に自分の存在をアピールする 
「おう、雅ちゃん、気がついたんか。よかった。えーと、なに?」 
「ここにいるので全員ですか?この人達だけがここの部屋に収容されていたんですか?」 
そういいながら雅は被害者の顔を確認して回った 
「隣の部屋にもいたけど、とりあえずこの部屋に集めたから全員やよ」 
「そうですか・・・」 
雅の不安げな様子に真っ先に気がついたのはれいなであった 
「どうしたとミヤ?もしかして誰か探してると?」 
雅は何も言わずにただ首を縦に振った 
「・・・高橋さん、なんでここに私がいるのか説明してませんでしたよね?」 
「そういえばそうやったね」 
雅は携帯を取り出し、その中から一枚の携帯写真を選択し高橋に見せた 
「この子は?」 
「私が探している子です。私はこの子を探しにここに来たんです」 
携帯画面には雅ともう一人の女が笑顔でピースしているプリクラが映し出されていた 
「高橋さん、例の誘拐事件の被害者って何人いるか知っています?」 
「ん?何人やったっけ?」 
「もう、しっかりしてよ愛ちゃん、昨日の高校生で5人でしょ」 
新垣が携帯画面を覗き込もうとしたついでに答える
233 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 17:12:49.88 0
「昨日の事件、目撃したのは一緒にいた高校生ってことになってるの知ってますか?」 
雅が携帯をしまいながら問いかけた 
「愛佳は知ってましたけど、多分ニュースでは報道されておらんと思いますよ」 
「・・・そっか出ていないんだ・・・その目撃した高校生って私のことなんです」 
なぜか残念そうな表情を少し浮かべて雅が言った 
「その時私はその子と待ち合わせをしていて向かっている途中でした。なので正確には『一緒』ではなかったんですけど 
 まあ、なんにせよ私の姿を見つけたその子が私に向かって駈け寄ってきたんですよ 
 そしたら路地から黒い車が出てきて無理やり車に乗せて走り去ったんですよ 
 びっくりしましたよ、突然すぎて。まさかこんな平和な国で誘拐なんてものに出会うなんて思わなかったので」 
「それで雅ちゃんは警察を呼んだんだね」 
「はい、でもテレビに載らなかったんですね 
 ・・・車のナンバーと出てきた男達の顔はばっちり覚えていたんですけどね」 
雅の残念そうな表情の理由が『自分がテレビに出なかったこと』ということがわかり光井は少々呆れ顔だ 
「それで今日、偶然この辺を歩いていたら昨日のあの車があったんですよ! 
 ナンバーが一緒だったんで間違いない!と思って、こっそりと後をつけて・・・」 
「それでよく走ってここを突き詰めたわね」 
「タクシーで『前の車を追ってください』って言ったんですよ。なんか運転手さんテンションあがってました」 
雅がなぜかわからないといった表情を浮かべた。その台詞が運転手の言われたい台詞ランク上位なのを知らないのだろう 
「っていうか相変わらず夏焼さん行動力ありますわ」 
光井は一年前の出来事を思い出しながら皮肉っぽく呟いた 
「それがミヤやけん、しかたなかと?」 
一番付き合いの長いれいなは何も疑問を持つことなく納得したようだ 
「それで機会を伺おうとして夜中になるまで待ってたんですよ。忍び込むのは夜の方がいいじゃないですか 
そしたら急に建物の電気が消えて、窓ガラスが割れて、中から銃を撃つ音がしてきて・・・」 
「ちょっと待って、雅ちゃん、その瞬間を見ていたの?」 
声を大きくしながら高橋がその部分を詳しく訊くため驚いている雅に近づいた
234 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 17:15:00.35 0
「え?そうですけど。でも、ずっと外にいたんで中は分かりませんよ 
 でも、これ幸いと思ってベランダに飛び移って、二階から忍び込んだんですよ」 
うんうんとれいなは頷いているが、他の6人は呆れかえる 
(撃たれるとか自分が危ないとか思わないのかしら?)と新垣をはじめとした数人は心の中で呟いた 
「そしたら一階から叫び声が聞こえてきたんで、これは危ないと思ってちょっと隠れて… 
 でも、暫くするとその叫び声も消えたのでこっそり一階に降りようとしたんですよ 
 そしたら偶然、あの男がいたんで事情を尋ねようと尋問していたら高橋さん達が来たってところです」 
「あれが『尋問』って雅ちゃん、やること派手すぎるよ」 
ボロボロな姿になっていた哀れな男の姿を高橋は思い出していた 
「で居たかいな?その探している子は。というか名前くらい教えるとよ!れーな達も探してやるけん」 
れいなが珍しく優しく尋ねた。やはり道重がいない状況に似ているから共感しやすいのだろう 
「それがいないんですよ~田中さ~ん、一階にも、二階にも、向かいのホームにも、路地裏の窓にも」 
「・・・それ有名アーティストの歌詞だから、気をつけてね」 
新垣が眉にしわを寄せながら注意したが「え、なんのことですか?」と言う雅は気がつかないようだ 
「ねえ、雅ちゃん、昨日だよね?連れ去られたのは。もしかしてその子って愛佳と同じ高校の子のこと?」 
「そうや、愛佳と同じ高校の子や!もしかして愛佳、知ってたりするかもしれへん。夏焼さん名前教えてもらえますか?」 
そうお願いされ雅の口から出た名前に光井は驚きを隠せなかった。というのも愛佳の友達の友達であったからだ 
光井は「世間は狭いもんやなあ・・・」と感じた 
「でも、夏焼さんと一体どこで知り合いはったんですか?学校も違いますし」 
それから雅はその子との出会いをリゾナンターに説明し始めた 
簡潔に言うならば前回の事件の後、街で絡まれていた彼女を助け、それから仲良くなったということであった 
その話を聴いたれいなは「れいなとミヤの出会いに似とうやん」と目を丸くして驚いた 
「ですよね~」と雅も自分のことながら改めて驚いているようである 
「ところでですけど~」と雅が高橋の方を向き直して口を開いた
235 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 17:17:17.88 0
「なんでみなさん、ここにいるんですか?これってダークネスとやらの仕業だからですか?」 
「「「「「「え~?」」」」」」と亀井とリンリンを除く6人が驚きの声を上げた 
「な、なんでそんなに驚くんですか!」と驚かされた雅も負けじと大声を出す 
「あ、あのさ、雅ちゃん、私達をみてなにか気付かなかった?」 
何度も驚かされた雅の発言、行動だが、まさかそれ以上驚くことはないだろうという想像を遥かに超えた発言だった 
雅は高橋の問いに対しても鈍感なのか、はたまたアホなのか頭の上には「?」が浮かんだままだ 
「雅ちゃん、私達、リゾナンターって9人なの知っているよね」 
「もちろん。高橋さん、新垣さん、田中さん、落ち着きのない亀井さんでしょ。 
 壁によりかかっている久住さん、その横にいる愛佳、介抱役のジュン、手錠がはずれなくなったリンリン」 
「ちょ、リンリン何しとるんや!」 
「HAHAHA~光井さん~助けてクダサイ~取れなくなりマシタ」 
慌ててリンリンの手錠を外しにかかった光井であった 
「あれ?一人足りない・・・道重さんがいない?」 
「そうっちゃ、れーな達はサユを助けにここに来たとよ。でも、おらんかった」 
「え?道重さんが同じように誘拐されたってことですか?」 
「ま、そういうことがし」 
雅は自分の腫れて痛む頬を押さえて茫然とした 
「え、じゃあ、この頬とか治らないんですか?」 
申し訳なさそうに静かに頷くれいな 
「そういえばガキさん、なんかダイブした男から何かビジョンは見えなかったの?」 
呆然とする雅をよそにして高橋が新垣にふと思い出したように尋ねた 
「あ、そうだったね。簡単に言うとあいつは下っ端でほとんど何も見ていないみたいだった 
 ただいくつかの断片的な姿、というかキーワードが読み取れたよ」 
「キーワードって?」 
「『黒い女が襲ってきた』『闇』の二つ」 
「それって一体何を・・・」 
新たな謎を生み出し闇はますます濃くなっていくのだった
236 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 17:20:17.93 0
>>227-235 
「Vanish!Ⅱ~independent Girl~」(4)です。間隔めっちゃ開いたw 
覚えてますか?このシリーズをw 
なんか最近、新メンの話が多いからこういうシリーズものは落としにくくて仕方ないよw 
なるべく早く、できれば合流が本格的になるまでに完結させたいですな
237 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 17:53:53.51 0
まとめサイトの1と2ってどうちがうの?
238 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 19:00:55.34 0
>>236 
乙です 気持ちはよく分かりますw 
でもどちらも遠慮せず上げていけばよいのではないでしょうか 
相変わらず曲名や小ネタなどを仕込みつつ気になる展開をみせてくれますね 
完結を楽しみにしています 
ところで一つ気になったのですが… 
「がし」って「~だよね」という感じの同意を求める語尾だと聞いた気がするのですが
239 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 19:14:42.20 0
>>237 
オリジナルのCIGで動いてる1の収録作品が多すぎて重くなったんでブログサイトの2に移行って流れじゃなかったかと 
一部作品が重複してる
240 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 19:19:44.48 0
>>236 
乙です 
ⅡはⅠよりもれいなが楽しそうで何よりです 
雅ちゃんも含めた9人を活き活きと描く手際は見習いたいもんです 
女の子たちがVanishするのかそれとも別の何かがVanishするのか 
完走を楽しみにしてる人間がここにいるということは伝えておきたい 
241 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 22:05:57.31 0
取り急ぎの↑
242 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 22:06:09.42 0
急ぎ↑
243 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 22:09:16.35 0
>>238 
博多弁も関西弁も福井弁もほとんど聞いたことないから、全て想像で済ましてますw 
実際に言えるのは去年カメちゃんが出ていた某ドラマの方言だけです 
現実じゃ『たげ』使ってますw
244 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 22:10:07.38 0
>>236 
物凄く細かい部分まで書きこんでるね 
冒頭の「消えなさい」とかマルシェと話してる人物とか 
今謎の部分がどういう形で明らかにされていくか楽しみにしとります
245 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/13(木) 22:41:58.82 0
今回はカメがメーンだと思ってたけどさゆなんかな 
たださゆがさらわれたのにしては緊張感が無い気もする
246 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/14(金) 00:03:46.05 0
51話は作品の上がってくるペースが凄いな
247 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/14(金) 01:14:40.15 0
まだまだ勢いは続きそうやね
248 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/14(金) 03:51:10.90 0
 ■ ウェイクアップ-鞘師里保- ■ 
鞘師は若干後悔していた。 
もしもう少し鞘師が冷静だったなら… 
敵がなぜ目撃される危険を顧みず襲ってきたかということに考えが及んでいたはずだ。 
一つは目撃者の存在を握り潰せるだけのコネを相手が持っているということ。 
もう一つは敵の側に「時間制限がある」ことだ。 
鞘師自身あと一歩のところまでこの答えに近付いていたはずだ。 
敵は寝込みを襲えないのだ。夜まで待てない理由があるのだ。 
ここまで考えが至ればわざわざ危険を冒して無理矢理戦う必要などなかったはずだ。 
必要最小限、包囲網の一点だけを突破しあとは時間切れまで逃げまわればよかった。 
だが初陣の興奮か…いや小学生にしては十分賢しい鞘師でも、やはり子供だったということだろう。 
彼女は不必要な蛮勇を見せてしまった。 
今この場で追手をすべて片付ける。 
その浅はかな自惚れがこの現状を引き寄せた。
249 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/14(金) 03:55:32.58 0
「あーもうやだ!ほんと!あーもうやだ!」 
がすっごすっ…鈍い音を立てて首の折れた女がうずくまる鞘師を蹴り続けている。 
「みてよ!この首!完っ全に折れちゃってる!」 
「あっなんか変な味がする…脳漿?あーもうっやだ!この身体気に入ってたのに!」 
「やめとけよ。死んじまうぞ」 
こちらは先ほど腕を破壊した男の方だ。やはり右腕は完全に破壊されているようだが眉一つ動かさない。 
「いーじゃん!こんなガキっ!なんだってのっ!あたしの身体とこのガキどっちが大事?」 
この二人、実際カップルだったのだろうか? 
「そういうことじゃねーよ…生け取りじゃなきゃ意味ねんだって」 
無線を通しての会話では無感情に情報をやり取りしていた二人だったがいまのふたりの会話が普段の口調なのだろう。 
どうしてだろう?鞘師は自分のミスがどこにあったのか理解できずにいた。 
周囲に敵意などなかった。 
遠くにうっすらとなら複数の敵意を感じていたが充分に距離を取っていたはずだ。 
一人、二人、確実に先手をとり片づけていっていた。 
流れは完全に掴んでいた。 
戦いを楽しむ余裕すらあった。 
が、突然何の前触れもなく鞘師は気を失い、気がついたときには両腕を折られ、 
両足をねじられ、身動きできぬほどに痛めつけられていたのだ。 
女の固いつま先が鞘師の柔らかい腹に突きささる。 
何度目かになる嘔吐を繰り返す。とうに吐しゃ物は吐き切っていた。 
もう胃液も出ない。
250 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/14(金) 03:58:12.64 0
「児童虐待のうち最も多いのは母親からの虐待」 
男は『身体を壊されたぐらいの』ことで年端もいかないガキを執拗に蹴り続ける女を見ながら、雑誌か何かで読んだことを思い出していた。 
「やめとけって。もうすぐ車が来る。身体ならまた探せばいいだろ」 
「そういうこと言ってんじゃないの!この身体がいいの!」 
そういうともう一度鞘師に蹴りを入れ、ようやく女は息をついた。 
「んもう…あれ?やだ雨?雨なの?最低ーもー!おしっこいきたくなっちゃう!」 
雨か…ちょっとラッキー。 
絶え間なく襲い来る激痛の中で鞘師はふとそんなことを考える。 
鞘師は不思議と雨が大好きだった。雨の日に傘を差すなんてもったいない。 
もちろん両親の前では普通に傘を差していたが 
誰に気兼ねをせずとも好いとなればどんな土砂降りでも、傘など差さない。 
強い雨ほど楽しくなった。 
ずぶぬれが無性に楽しいのだ。 
プールやお風呂も大好きだった。 
毎日弟妹たちをお風呂に入れてあげていた。 
パパやママ…じぃちゃまとも…お風呂はみんなで入るもの…楽しい時間。 
体中びしょ濡れでも誰にも叱られない。水って楽しい、水って嬉しい… 
「そんなことより、そのガキもう『拘束』しとかなくて平気なのか?」 
「そんなもんいらないわよ!両手両足折ってあるんだから!なんも出来っこないでしょ!」 
そういうと再び女は鞘師を蹴り飛ばした。 
251 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/14(金) 04:04:34.58 0
「ぐふぅ」 
びしゃびしゃっ!すでに路面は雨に濡れ真っ黒に染まっていた。 
まだぼんやりとはしているがこの女には殺意がある。 
「殺してやる」というよりは「死ねばいいのに」といった感情だろう。 
後ろの男に殺意はないがこの女の暴走を特に強く止める気もなさそうだった。 
「ああ、これは死んじゃうかなぁ」 
鞘師はぼんやりと考える…予想通りというかさして感慨もなかった。 
自身が死ぬかもしれないというのに「ああそうか」という程度だった。 
パパやママはこんなにはきっと痛くなかったかもなぁ… 
「おかしいな…車来ねえぞ」 
男は無線に向かって車の手配の確認を始めた 
「こちらベータ1、合流の手はずはどうなってる…どうした?応答せよ」 
「東京なんて出る幕ないとか言っちゃってさ…外様は楽しく遊んでればそれでいいじゃけんのーとかいって、デカイ口叩いてたくせに 
みーんなやられちゃうからあたしたちが出てかなきゃなんなくなって… 
てゆうか東京駐在が外様ってどういう神経してんだろ?田舎もんのクセに!」 
「ひがむなよ、実際外様だろ、このガキの詳細だっておりてこねえぐらいだし」 
「なに?孝一は全然平気なわけ!あーもうやだ!」 
「ばかコードネーム使えって…それよりベータ2と連絡とれねえぞ。アルファもだ…なんか変だ。」 
「誰も聞いてやしないわよ。知ってるでしょアタシの力。」 
「いやそっちのことじゃねえって。聞けよ話。」 
「こんなまどろっこしいことになるならさ、このガキも親子共々消しちゃえばよかったのよ。そうすりゃ孝一たちも…アタシの体だってさ!なんでこいつだけ生け取り?しらないわよそんなこと!」
252 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/14(金) 04:08:45.13 0
その瞬間、そう、まさにその瞬間、鞘師の中で何かが音を立てて組み換わっていった。 
「このガキも親子共々消しちゃえばよかったのよ。」 
確かにこの女はそう言った。 
どうということはない。事故で死のうが殺されようが死は死だ。 
そこに何も違いはない。 
鞘師自身そこに何の怒りもない。感情もない。新しい事実が確認できた。ただそれだけ。 
ただ、それだけのはずだった。 
でも…でも… 
「そうか…パパ達を殺したのは こ い つ ら か 」 
共鳴セヨ… 
鞘師は声にならぬ声を聞いた気がした。 
共鳴セヨ… 
なにに? 
『力』ニ… 
ちから? 
蒼キ『力』に共鳴セヨ! 
――――――――
253 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/14(金) 04:09:48.66 0
このスレまだやってんのかよ 
キモイぞお前ら
254 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/14(金) 04:12:39.62 0
高橋愛が鞘師里保を見つけたとき、すでに雨は上がっていた。 
瞬間的に高橋の中に流れ込んできた。巨大な怒り… 
何かに抑圧され堰き止められ続けたそれは… 
今まさにその呪縛から解放され…猛り、吠え、全てをなぎ倒し、 
全てを飲み込み全てを押し流す… 
巨大な多頭龍のごとき奔流の正体にたどりついてみるとそれは 
、小さな…とても小さな少女だった。 
「愛ちゃん?そっちどぉ?」 
「ガキさん、無事逢えたやよ…この子も共鳴者や…」 
「そぉ…こっちはムリ…ぐっちゃぐっちゃ…きっとその子なのね」 
「うん…この子ひどい怪我してる。さゆはまだ絵里のとこだっけ?」 
「ううん。さっき連絡ついた。もうリゾナントにいるって。」 
「そう…後始末お願い。今すぐ治療しなくちゃ」 
高橋は気を失い…震えながら苦痛にうなされ続ける少女を抱きかかえる 
「怖かったやろ…もう平気やから…」 
目が覚めたときには、もう平気だから 
パパ…ママ… 
鞘師は夢を見ていた。 
小さな鞘師が今よりもっと小さい頃、まだ妹弟達が小さくて一緒に入れなかった頃… 
遠くでママの声がする…もー二人とも早く上がってーご飯片づけちゃうよー…はーい!いまあがるー 
「あったかいね!おふろ!りほおふろだーいすきっ」 
そうかー里保はお風呂好きか?パパとお風呂どっちが好きかな? 
「んー?おふろ!それからパパ!」 
あちゃーマジか?割とへこむわーはははは…はははは 
ごめんね…ぱぱ…ごめんね…お風呂なんかよりパパの方が…ずうっと…ずううっと… 
255 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/14(金) 04:15:23.22 0
>>248-252 
>>254 
 ■ ウェイクアップ-鞘師里保- ■ でした 
256 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/14(金) 05:36:40.46 0
何この圧倒的な質感 
凄いなあ
257 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/14(金) 08:05:23.18 0
>>255 
乙です 
まだ本格的に始動していない新メンでこれだけ本格的な話を書けたものだと感心している 
重くて暗いけど力強さと希望が感じられた 
仲間との日々が鞘師に笑顔を取り戻させることを願う
258 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/14(金) 10:44:28.86 0
ほぜなんたー 
http://www.youtube.com/watch?v=qD3oo1csl0Q 
259 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/14(金) 11:44:28.70 0
まとめサイトの2が物足りなく感じるのは 
能力まとめやメンバーまとめが省略されてるせいだとおもうの
260 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/14(金) 12:20:53.54 0
>>255 
乙おつ 
まだ新メンバーが動いてるのを見たことがないのだが凄みは伝わった気がするよ
261 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/14(金) 12:27:57.58 0
とりあえずホゼナンターが投下したのを見るんだ
262 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/14(金) 14:57:00.54 0
川*TAT)ノシ<再見
263 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/14(金) 15:15:48.94 0
リンリン帰国しちゃったね 
寂しいわ
264 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/14(金) 17:19:56.15 0
265 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/14(金) 19:35:43.45 0
青空は繋がってる
266 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/14(金) 21:00:33.51 0
『さすがですね、お嬢・・・あ、いえ、銭琳殿。やはり百年に一人の天才という話は本当のようだ』 
『ハハ、ありがとうございます』 
違う。そんな風に思われたかったわけじゃない。 
『ほんっとにいい子だよね~、リンリンは』 
『オゥ!褒められた!ヤッター!』 
違う。そんなことを言われたかったわけじゃない。 
『広東省での件はごくろうだった。次は天津だ。行ってくれるな?』 
『・・・はい。わかりました、総統』 
違う!そんな言葉を待っていたんじゃない! 
本当の自分は。 
本当に求めていたのは――――― 
記憶の断片が渦を巻いてリンリンに迫りかかる。 
時系列も登場する人々もてんでバラバラな過去の記憶。 
次第に強く激しくなっていくそれはやがて竜巻と呼べる大きさにまで成長し、 
あっという間にリンリンの体を呑み込んだ。 
267 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/14(金) 21:01:37.20 0
渦の内部。 
荒れ狂う記憶の奔流。 
頭の中には怒涛の勢いで様々な情景が流れ込んできたが、こんな事態に遭ってもリンリンは状況の観察を怠らない。 
瞬時に、流れてくるこれが自身の持つ記憶のすべてではないと悟り、またこれらの記憶には 
とある共通点が存在することを見抜いていた。 
そうして、いくつもの記憶が嵐のように脳裏を過ぎ去っていった後。 
ようやくリンリンは解放された。 
渦が消え、辺りは漆黒の闇に閉ざされる。 
「あれ?」 
闇の中に、一組の男女を見つける。 
がっしりとした体格の男と、まだ小さな女の子の二人組。 
さっきまではいなかったはずだ。女の子のほうは身長からいって4,5歳くらいだろうか。 
・・・というか、その前に。 
あれは、どう見ても。 
「私と・・・・・・お父様?」 
リンリンが見つけた二人は、父と自分自身だった。 
ただし、まだこうして日本で活動することなど夢にも思わなかった十数年前の姿の。 
あ、きっとこれは夢なんだな。 
心のどこかで冷静にそう判断する自分がいる。 
が、夢は理屈じゃない。 
だから、いつの間にか大人の自分と子供の自分の意識が交じり合って 
一つになっていたとしても、なんら疑問に思うところはなかった。
268 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/14(金) 21:02:54.93 0
『我が組織はおまえの力を借りねばならんほど人材に困っているわけではない。 
 諦めろ、琳。この程度で音を上げるようでは護衛官など到底務まらん』 
冷たく言い放ち、背を向ける父の姿。 
覚えている。 
これは確か、護衛官となるための訓練を始めたばかりの頃に、父に稽古をつけてもらった際の記憶だ。 
当時の自分はまだ弱くて、幼くて。 
父の厳しい教えについていけず、投げ出してしまいそうになることもしばしばだった。 
そんな娘を見限って、父は立ち去ろうとする。 
行かないで、お父さん! 
喉元までせり上げてきた言葉を、必死になって押し込めた。 
こんな弱々しい姿は、あの父の娘として相応しくない。 
父は、娘が生まれるずっと前から総統だった。 
彼は銭琳の父親である前に一組織の長なのだ。普通じゃない。普通の父子にはなれない。 
だから、その子は強くあろうと決意した。 
自分があらゆる面で強くなって父や組織の役に立てれば、それがなによりの父子の絆になると信じた。 
そうして小さな少女が秘めた決意は日増しに大きくなっていき、 
いつしか“周囲が求めている自分像”を保つことが少女の癖になっていた。 
いわゆる普通の生活を諦めて。 
誰かに甘えたくなる気持ちを隠して。 
自分に向けての妥協を捨てて。 
誰に対しても誠実な「銭琳」もしくは「リンリン」を取り繕って――――― 
269 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/14(金) 21:04:00.13 0
彼女は、断片的に再生される記憶の共通点に気づいていた。 
これらの記憶はすべて、彼女が相手に対して反射的に従順な態度をとった時の記憶。 
心に抱いた本当の気持ちを、押し殺した時の記憶だった。 
※ 
そこに壁があることはわかっていた。 
単に透明だったから、周囲には気づかれずにいただけで。 
ジュンジュンにはわかっていた。 
そこに壁があることを。 
自分と他人の間に確かな壁があることを。 
ジュンジュンは、大きなアクリルケースのようなものの中に入って膝を抱えていた。 
辺りが闇に包まれているこの空間で、そこにアクリル板があると気づく者はいないだろう。 
透明な壁が存在することを知っているのはジュンジュンだけだ。 
獣化能力者の抱える闇は、獣化能力者にしかわからない。 
時として、能力者を「化け物」と呼ぶ輩に出くわすことがある。 
だが、獣化能力者に対してそれは比喩でもなんでもない。 
本当に“化け物”なのだから。 
向こうからすれば侮蔑の言葉を放ったつもりでも、こちらとしては事実を言われただけであって、悲嘆も否定もしようがない。
270 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/14(金) 21:05:29.43 0
さらに。 
獣として発揮する力は人間を凌駕するが、獣化している間は人間的な思考力が鈍る。 
つまり、人間よりも獣と呼ぶに近い時間が生まれるわけだ。 
このわずかな時間がジュンジュンを悩ませる。 
もしも人間としての理性に獣としての本能が勝ってしまったらどうなるか。 
暴れだす。止められない。壊れていく。全部。 
能力の暴走に対する恐怖は、“普通”の能力者の比ではない。 
こんな自分がここにいてもいいんだろうか。 
彼女たちの仲間を――“人間”を、名乗ってもいいんだろうか。 
人と深く関わり合うことが怖い。 
いつ暴走するかもわからない自分が怖い。 
自分が醜い化け物であると見抜かれるのが怖い。 
仲間たちに見放されてしまう日が来るのが、怖い。 
そこに壁があることはわかっていた。 
色が透明で、自分が必要以上に踏み込もうとしなかったから、周囲には気づかれずにいただけで。 
ジュンジュンにはわかっていた。 
自分が壁を作ったことを。 
自分と他人を隔てる、確かな壁を作ったことを。 
271 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/14(金) 21:06:26.76 0
※ 
闇の中に、大きな鏡が浮かんでいる。 
一枚で全身像を映すことができる姿見だ。 
道重さゆみはその前に立って、自らの姿を映した。 
通常、鏡というのは自分の姿を左右あべこべにして映す道具のことをいう。 
しかし、この世界において常識は通用しない。 
鏡に映ったのはさゆみの姿ではなかった。 
姿形はほとんど同じ、けれどもまったく別の人物。 
「お姉・・・ちゃん?」 
戸惑いがちに尋ねたさゆみの言葉に、鏡の中の彼女はゆっくりとうなずいた。 
彼女は「さゆみ」ではなく「さえみ」。 
さゆみの“姉”ともいうべき、別人格。 
鏡の中で、さゆみの最大の理解者が微笑んでいた。 
「ホントにお姉ちゃん?え、なにこれ?どういうこと?」 
「ここはさゆみの夢の中・・・精神の内部みたいね。だから通常ではありえないことが起きてしまう」 
「夢?じゃあ、本当のさゆみはどっかで寝てるってこと?」 
「そうね。でも、この夢を克服しない限り、現実の世界にいるあなたが目を覚ますことはないみたい」 
272 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/14(金) 21:07:23.99 0
夢を克服? 
聞いたことのない言葉の取り合わせに、さゆみは首をかしげる。 
さえみは浮かべていた笑みを消した。 
感情の窺い知れない瞳でさゆみを見据える。 
「なんで夢を克服しなきゃならないの?お姉ちゃんと一緒にいられるなら、さゆみはしばらくこのままでいいよ?」 
「気持ちは嬉しいけど、それじゃダメなのよ。ぐずぐずしていたら手遅れになる。・・・そうでしょう?」 
「そうでしょう、って・・・・・・」 
力強さと神秘性を兼ね備えた光が、さえみの瞳にはあった。 
有無を言わさぬ力強さと、見えないものでも見通してしまいそうな神秘性。 
さゆみは寒気を感じた。 
夢の中、なのに。 
「さゆみ、よく聞いて。・・・ええ、わからなくてもいい。わからなくてもいいから、頷いて?」 
「・・・うん」 
「いい?これは悪夢なの。この悪夢から脱出するには自分の内なる闇を克服するしかない。 
 それができないと、あなたの心は一生この夢の中に縛りつけられてしまう。 
 だけど、もしそれができるなら、あなたの心はこれまで以上に強くなれるはずよ」 
「うん」 
「あなたの抱える闇はこの私。私自身が、あなたの心の闇の象徴。だから・・・・・・」 
「さゆみ。私を殺しなさい」 
273 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/14(金) 21:08:35.79 0
>>266-272 
『ダークブルー・ナイトメア~4.闇のカタチ(2)』 
間が空き過ぎてすみません 
なんだこれって人にもすみません 
日を追うごとに完成させる自信がなくなっていくんですが途中で投げ出すのもいやなので 
もう少し居座らせていただきます
274 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/14(金) 21:21:01.66 0
>>273 
何これ?面白い! 
前のって何処で読めるの?
275 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/14(金) 23:02:08.12 0
>>273 
なんという押し迫ってくるようなリアルな恐怖感… 
それぞれのメンバーが心の奥底に抱く闇のカタチが読む方まで圧迫してくるかのようです 
凄い……これは本当に凄いです 
完成させる自信をなくすなんて絶対に言わないで最後まで読ませてください! 
>>274 
このシリーズに関してはこちら↓ 
http://www39.atwiki.jp/resonant/pages/192.html 
の「四字熟語の人」のところに『ダークブルー・ナイトメア』シリーズとしてまとめてありますので是非見てみてください
276 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/15(土) 00:50:14.98 0
277 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/15(土) 02:14:47.59 0
>>273 
最後の展開好きだ 
全員がとうやって悪夢に勝つのか楽しみ
278 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/15(土) 03:28:31.48 0
>>256 >>257 
>>255です 
感想どうもありがとうです 
鞘師ちゃん単体で動いてるうちはまだしも 
既存メンバーと絡むストーリーに関しては 
なかなか想像しにくいです…うう
279 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/15(土) 06:45:27.18 0
あーめのふーらない星では愛しーあえーないーだろう
280 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/15(土) 08:53:42.89 0
>>273 
ナイトメア脱出の糸口はさえみさんか? 
それとも・・・ 
続きが気になりすぎる
281 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/15(土) 10:58:46.77 0
はやく9期メンバーのフリートークが聞きたいものだ
282 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/15(土) 11:58:21.79 0
http://www35.atwiki.jp/marcher/pages/165.html#id_a4688300 
アサシンガールリンク切れしてる 
http://www35.atwiki.jp/marcher/pages/165.html#id_8ae9ad2d 
鞘師里保リンク切れしてる 
283 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/15(土) 13:41:16.90 0
リンリンのブログが泣ける (ToT)/~~~ 
一推しがリンリンだったけど結局最後まで書けなかった 
・・・誕生日までに頑張ろうかな
284 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/15(土) 14:16:21.29 0
待ってます 
あのブログは名文すぎましたよね…。・゚・(ノД`)・゚・。
285 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/15(土) 15:34:30.28 0
(50)511『“未来”への反逆者たち ―闇と光(2)―』の続きです 
現実世界もこのスレも大きな変化のさ中ですが……ひとまず最初に思い描いた世界を最後まで書かせてください 
『“未来”への反逆者たち』前回まで―― 
氷と炎 リンリン VS 藤本美貴 
 川'v')<何故そこまで……父親の復讐か? 
 川*^A^)<言ったはずダ。復讐ではナイ。自分の信ずる未来ト……守るべき仲間の為ダ! 
チカラとココロ(1) 新垣里沙 VS 辻希美 
 ||c| ・e・)|<ジュンジュン……!? 
 ( ´ⅴ`)<死ね、裏切り者―― 
チカラとココロ(2) 紺野あさ美 VS 石川梨華 
 ( ^▽^)<いつから敵の“お医者さん”になっちゃったわけ?Dr.マルシェさん 
 川o・-・)<里沙……ちゃん、あの人、を……石川、さんを……解放、して……あげて…… 
チカラとココロ(3) 新垣里沙 VS 石川梨華 / 新垣里沙 VS 保田圭 
 ||c| -e-)|<安……倍さん、の、思い…描い、て…いた“未来”…は……――― 
 ( `.∀´)<――戻れないのよ、もう 
闇と光(1) 田中れいな VS 吉澤ひとみ 
 从*` ロ´)<れいなは信じとー。自分を生んでくれたパパとママのことを 
 (0^~^)<………話にもなんねーよ 
闇と光(2) 高橋愛 VS 中澤裕子 
 川*’ー’)<カオリさんも、きっとそれに気付いたんやない?だから…… 
 从#~∀~#从<すまんけど、話はそこまでや愛ちゃん 
286 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/15(土) 15:35:13.60 0
壁面の多くが分厚いガラスで占められたやや大きめの部屋。 
そのうち三面を、廊下が囲んでいる。 
これまで見てきたいくつかの実験室とは異なり、室内には新しい機器類がいくつも置かれ、動作している。 
部屋の中央には、ほぼ全面をガラスで作られたさらに小さな部屋のようなものがある。 
だが、その大部分は大きな布のようなもので覆われており、中を覗き見ることはできない。 
「ここ……か」 
記憶の中の“未来”と照らし合わせながら、愛は小さく呟いた。 
どうやら無事に辿り着けたらしいという安堵と共に、これまでとはまた違う緊張に支配される。 
中澤が空間の裂け目へと“消え”た後、愛は迷うことなく一人で目的の場所へと向かった。 
不安がなかったと言えば嘘になる。 
愛佳の“視”た“もう一つの未来”の断片の中では、少なくとも愛は一人でここに立ってはいなかった。 
それを思うと、やはり心細さを覚えずにはいられない。 
だが、それと同時に、愛は改めて感じていた。 
 ―既にもう、“未来”はその形を変え始めている 
その行き着く先を知る者は、もういない。 
だからこそ……もう、迷ったり怯えたりしてはいられない。 
未来へと青空を繋ぐために――― 
「ようこそ、我が楽園へ」 
そのとき―― 
不意に明るい声が頭上から響いた。
287 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/15(土) 15:35:59.82 0
「お久しぶり。…っていってもそっちは多分覚えてないだろうけど」 
声は、愛の立つ廊下の天井に取り付けられたスピーカーから聞こえてきていた。 
声の主の姿を探して一瞬泳いだ愛の目が、ガラス越しに白衣を着た女性の姿を捉える。 
にこやかな笑みを湛えた表情とは裏腹に、その瞳の奥には深い闇の色が広がっていた。 
 ―この感じ…どこかで…… 
2つの意味で既視感を覚えた愛の脳裏に、様々な過去の映像がフラッシュバックする。 
「マコト…ちゃん……?」 
無意識に口をついて出た言葉に合わせるようにして、目まぐるしくザッピングされていた頭の中の映像が止まった。 
細部がぼやけて曖昧になったその記憶の映像の中で、白衣を着た両親らしき2人に手を引かれて危なっかしく歩く無邪気な笑顔の女の子――― 
「へぇ~、覚えてんの?さすがデキが違うね」 
だが、その微かな記憶の映像は、皮肉な響きを含んだ軽い声によって断ち切られる。 
愛の目には、再び現在の映像――大人になった小川麻琴が浮かべる暗い笑顔――が映っていた。 
それと同時に、もう一方の既視感を覚えた理由を愛は理解した。 
麻琴の瞳の奥、そして心の奥底に燃える、仄暗くも激しい炎……それは、銭琳に初めて出逢ったときのことを思い起こさせる。 
すなわち――― 
「そうだよ。わたしはあんたに両親を殺された、あのときの女の子だよ」 
「―――!」 
もしかしたら…という思いはあった。 
麻琴が自分に向ける感情は、あのとき銭琳から感じたものと同じ、激しい「復讐」の2文字だったから。 
しかし……
288 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/15(土) 15:36:43.75 0
「あーしが……殺した……?」 
呆然とその言葉を繰り返す愛の頭の中は、もやがかかったように霞んでいた。 
愛佳の“視”た“未来”の中の「小川麻琴」と、自分の微かな記憶の中の「マコトちゃん」が結びついたばかりのところに投げかけられた衝撃的な言葉。 
その言葉に、そしてその憎しみのこもった視線に愕然としながら、愛は不明瞭な記憶を懸命に辿り、その当時のことを思い出そうとした。 
だが、先ほどのぼやけたような映像の他には、手がかりになるような記憶は浮かび上がってこなかった。 
「あれ?それは覚えてないんだ。都合いいなあ。じゃ、説明しようか?」 
麻琴の軽い口調は変わらなかったが、その響きに含まれる憎悪の感情はありありとしている。 
「わたしの両親、あんたの母親、それから田中れいなの両親はある実験(プロジェクト)に関わってた。それは知ってるよね?」 
「人為的な“能力者の製造”……やろ?」 
「そう。生まれてくる前の胎児に特殊なチカラを付与する……って実験。要は“人間兵器”の製造実験だね」 
口元を捻じ曲げるようにした笑顔を浮かべ、麻琴は蔑むように小さく肩を竦める。 
「その意味ではあんたがわたしの両親を殺したのは当然なのかもね。最初から人を殺すために生まれてきたんだから」 
「……あーしは…何人…殺したの?あなたの両親の他に…」 
「さあ?ま、でも1人や2人じゃないんじゃない?何しろ4歳にしてわたしの両親を消し去った『天才』なんだから」 
僅かに掠れた声が、冷静を装う麻琴の感情の昂ぶりを感じさせる。 
それを痛いほどに分かりながらも、愛は返す言葉を見つけられずにいた。 
自身が“組織”による実験の産物であることは知っていた。 
自分の母親や、れいなの両親がそれに関わっていたということも。 
同時に、覚悟もしていた。 
自分が過去に人を“殺した”ことがあるという事実を突きつけられる……覚悟を。 
だが、実際に当事者の口から告げられた自分の“過去”は、想像以上に重かった。
289 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/15(土) 15:37:26.20 0
「わたしの両親は高橋愛の能力の暴走による“事故”で死んだ……そう聞かされたときの気持ちは、今でも忘れない」 
仮初めの笑顔を消し去った麻琴の声のトーンが低くなる。 
その一瞬――表情を無くした顔の中で揺らめく憎悪の瞳の奥に、深い孤独の色が浮かぶのを、愛は見た。 
心を繋ぎ合った仲間たちに出逢ったときと同じ、闇の中に独りきりで立ち尽くす、哀しい心を。 
愛佳の“視”た“未来”の中で麻琴が洩らした言葉がそれに重なる。 
 ――奪われたから…奪おうと思った―― 
 ――奪われたから……取り戻したかった……―― 
その言葉の意味が、今ようやく分かった。 
小川麻琴は、自分の両親を“奪われた”のだ。 
他ならぬ、愛の手によって…物心がつく以前に。 
そして……もう一つ分かったことがある。 
“未来”に“雨”を降らせる本当の意味での元凶はすなわち、麻琴ではなく……愛自身だったのだと。 
「償えるものなら…この身をもって償いたい。……でもお願い、今はあーしの話を聞いてほしい」 
そうなのであれば、尚更“未来”を変えなければならない。 
自分のせいで、多くの人たちの…そして麻琴の未来を奪ってしまうことになる前に、なんとしても。 
「あなたのお父さんとお母さんは、それぞれ遺伝子工学と脳科学の権威だった。その知識を生かしてプロジェクトに関わっていた」 
「……それが?」 
「あなたはそのどちらの才能も受け継いだ。…ううん、必死に自分でものにしたんだよね」 
「だからそれが――」 
「お願い。あなたが今やっている研究を……すべて今すぐ破棄してほしい」 
そう言って頭を下げる愛に、麻琴が微かに息を呑む空気がガラス越しに伝わってきた。
290 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/15(土) 15:38:08.86 0
「…わたしのやってることを知ってるんだ。得意の“精神感応―リーディング”で盗み聞いたってわけ?便利でいいね」 
僅かな沈黙の後、吐き捨てるようにそう言う麻琴に、愛は首を横に振りながら必死に言葉を重ねた。 
「違う、そうじゃないんよ。あなたの研究が、世界に…人類に壊滅的な打撃を与えるんよ」 
「………は?」 
会話の流れに関係なく、突然思いもかけない言葉を聞かされた麻琴の眉がしかめられる。 
上手く説明できない自分を腹立たしく思いながら、愛は愛佳の“視”た“未来”を麻琴に告げた。 
麻琴の行なっている研究――「クローン生成」「記憶の移植」「細胞の超速成長」――これらは、絶望的な未来を人類にもたらす。 
感染から発症まではわずか半日から数日、そしてひとたび発症すれば病状の進行はあっという間で、その致死率はほぼ100%に達する――― 
――そんな、過去に類例を見ない強毒性と感染力を併せ持つ凶悪な未知のウイルスを、その研究の過程で誕生させることで。 
「未知のウイルス?言うに事欠いてそんなバカげた話を信じろって?ありえない。わたしはウイルスなんて一切扱ってない」 
「分かってる。それは分かってる。だけど本当なの。実際に起こるの。ほんの数日後に…“あの人”が原因になって」 
冷たい視線と抑揚のなくなった声を向ける麻琴に、愛は懸命の面持ちで室内を指差す。 
その指先は、室内に置かれた強化ガラスの小部屋に向けられていた。 
「そうか……あんたはまたわたしから奪う気なんだね。パパとママを…」 
「それは……だけど―――」 
「だけど何!?あんたはわたしのパパとママを殺した!なのにまたもう一度奪うのか!まだ足りないのか!この殺人兵器が!」 
スピーカーから響く麻琴の声がひび割れる。 
それは、麻琴のひび割れた心をそのまま表しているようにも聞こえた。 
「クローン生成」「記憶の移植」「細胞の超速成長」――これらの研究が何のためのものなのか……つい先ほどようやくはっきりと分かった。 
麻琴は“奪われた”ものを“取り戻したかった”のだ。 
すなわち―――想い出の中だけではない、実際の両親の温もりを………
291 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/15(土) 15:38:50.15 0
「この子の言ってることはほんとだよ、小川」 
「!?」 
そのとき、不意に背後から聞こえた声に、愛は驚いて振り返った。 
そこには、闇色の細身のスーツに身を包んだ見知らぬ女の姿があった。 
愛から少し距離を置いたまま、女は麻琴に向かって話を続ける。 
「あんたが実験材料に使ってるその“獣人族”の男の体内で、凶悪なウイルスが育ってる。今この瞬間も」 
「保田さん……?何故あなたがここに……それに…どうしてそんなことを知って……どういうことですか?」 
思いがけない来訪者に幾ばくかの冷静さを取り戻した麻琴が、微かな困惑の表情を浮かべる。 
「本来であれば人間には感染しないはずのウイルス…それが人間にも感染するようになることがある。例えばインフルエンザウイルスの抗原不連続変異のように」 
だが、スーツの女――保田圭はその問いには直接答えず、淡々と話を続けた。 
麻琴の研究の基となっている、7年前のあの件の際に持ち帰られていた脳死状態の“獣人族”の男―― 
遺伝子をいじられ、脳を刺激され、細胞組織を採取され、新たに植えつけられ……それらを繰り返すうち、元々その体内にあった“それ”は徐々に徐々にその形を変えていく。 
ある種の動物にとっては無害であり、かつ人間には感染しないはずのそのウイルスは、毒性や進行性、感染力を著しく強めた上に、人間の体内に侵入する術をも獲得した――― 
RNA遺伝子、変異性、融合、レセプター……愛には説明し得なかった言葉を整然と重ねる保田の話を聞くうち、麻琴の表情が青ざめていくのがガラス越しにもはっきりと分かった。 
「『セリアンスロゥプ・ウイルス』――とでも呼ぶべきかしら。もしかしたらこれは“獣人族”の“復讐”なのかもしれないわね。人類への」 
“獣人族”の中だけで、ひっそりと共存し、誰にも知られないまま平和に暮らしていたウイルス。 
だが、その宿主は殲滅され、ウイルスたちは行き場を失ってしまった。 
ギリギリ“生きて”いる宿主の体内の中、ウイルスは新たな住処を得るために、自らを変異させていったのだろう。 
それとも……保田の言うように、もしかすると宿主の気持ちを汲んでその復讐に手を貸したのかもしれない――― 
そんな感慨を抱く一方、愛は不可解な思いを禁じえなかった。 
何故“組織”の人間が……?というその愛の疑問は、保田の次の言葉で吹き飛んだ。
292 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/15(土) 15:39:32.39 0
「そして、その犠牲者第一号は……もう分かってるだろうけど小川、あんただよ」 
「なっ――!?」 
驚きに見開かれた目で、愛は保田を見遣った。 
そこにはガラスの向こうへと視線を注ぐ保田の冷たい無表情がある。 
そしてその先……部屋の中には、着ている白衣と同じ顔色になった麻琴が呆然と立っていた。 
だがその顔には、愛とは違ってもう驚きの色は浮かんでいない。 
おそらくは、今の保田の話の中で悟っていたのだろう。 
自分が既に感染していることを――― 
だけど――― 
「どうして……!」 
“未来”はその形を変え始めている……改めてそれを思い知らされ、愛は愕然とした。 
自分の知っている“未来”――愛佳が“視”た“もう一つの未来”の中では、この時点でまだウイルスは誰にも感染していないはずだった。 
それなのに……… 
「まさか…あのときの指示は……わたしにウイルスを感染させるために?」 
愛の疑問に答えるかのように、麻琴が震える声で保田に問いかける。 
「…そうよ。あんたには真っ先に死んでもらわないと。殺人ウイルスを世界にばら撒くきっかけを作った張本人として。“組織”とは無関係なところで」 
「……!……そのために…どうなるか知っててわたしにこの研究をさせてたの!?」 
「もちろん知ってた。あたしたちにとっては、その結果こそがあんたのくだらない研究の中にあって唯一必要なものだから」 
そう冷たく言い放つ保田の横顔を見ながら、愛は先ほどのあさ美の言葉を思い出していた。 
れいなが自分にかけた電話は、間違いなく他にも何人かこの場に呼び寄せた――というその言葉を。 
そして同時にそのことが、“未来”を僅かに変えてしまっているのだろう。 
このままでは………
293 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/15(土) 15:40:14.73 0
「里沙は死んだよ」 
「………えっ?」 
横顔を見せたまま、保田が唐突にポツリと呟いたその言葉の意味が、一瞬分からなかった。 
息を呑み、固まる愛に視線を移し、保田は先ほどよりもはっきりとした声で繰り返す。 
「里沙は死んだ。あたしが…殺した。ついさっき」 
「―――――!!」 
一瞬――目の前が、黒とも赤ともつかない色で染められた気がした。 
無意識にチカラを使い、保田の心を読もうとしたが、ガードされているらしきその内心はまったく窺い知ることができない。 
だが―――愛には分かった。 
保田が今口にしたのは、紛れもない事実であるということが。 
訊きたいことが山ほどあった。 
伝えなければならないことが山ほどあった。 
目の前の“敵”への警戒を怠ってはならないことも…分かっていた。 
しかし、里沙を失ったのだという喪失感が、それらの思いを越えて愛の心を支配する。 
二度と生きては会えないかもしれないという覚悟があったにも関わらず…それはまだ心の底までは届いていなかった。 
保田の声が、静かに廊下に響いた――― 
「そして高橋愛、あんたにも今ここで……死んでもらう」 
                                       To be continued...
294 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/15(土) 15:41:13.68 0
>>285-293 
『“未来”への反逆者たち ―闇と光(3)―』 
以上です。 
自分の中だけでの了解事項が多すぎて、意味不明な部分がありすぎる気が思い切りしていますが… 
最後までには色々明らかになったりならなかったりすると思いますのでお許しください。 
…これだけは作中で理解が及ぶように説明しきれる自信がないので注釈を。 
今作中にある“もう一つの未来”とは、愛佳がメンバー全員に告げたものとは違い、内緒にしていたのを愛が“覗いた”ものです。 
要は、全員でここに乗り込んだ際に起こるはずだった“未来”の断片です。 
最後にリゾナント元について。 
「小川麻琴の両親が高橋愛の能力の暴走で死んだ」というくだりは、直接的ではありませんが(06)284『絆と足枷』(及びそれに連なる作品)のエピソードを、形を変えて取り込んだものです。 
また、以前の繰り返しになりますが、れいなの両親や愛の母親が“組織”の研究に絡んでいたという設定は(8)505『覆る偶然と繋がりゆく必然』(及びそれに連なる作品)が元になっています。 
同様に、「7年前のあの件」は(23)076『里沙とパンダ鍋とジュンジュン』(RとRシリーズ)のエピソードを改変したものです。 
各作者様、ありがとうございました。 
蛇足ながら、拙作における小川麻琴は↓にチラッと出てきています。 
(36)472『Innocent wild“BEAST”』 
(39)725『Inner heated “FLAME”』 
295 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/15(土) 17:02:51.52 0
色んなものが繋がっていく展開に引き込まれたわ
296 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/15(土) 19:12:02.39 0
>>294 
乙です 
重たくて絶望的な未来をリーダーがどう変えていくか 
終章が来て欲しくないという矛盾した思いと共に待っております
297 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/15(土) 20:07:47.28 0
おおおお乙です 
いよいよ次は光vs時間停止の対決ですかああ 
いやマジで待ってます
298 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/15(土) 21:29:37.46 0
フクちゃんまだ出てきてないよね
299 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/15(土) 22:14:32.76 0
>>294 
スレの積み重ねてきた歴史を感じさせる内容だった 
完走をお待ちしております 
>>298 
まだですねえ団地妻
300 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/16(日) 00:05:27.02 0
300到達
301 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 02:11:23.14 0
>>294 
いいなあ 
自分も最後の草案だけは出来てるんだがねえ 
吉澤 VS 粛清人A 
从‘ 。‘)<貴様…私もろとも死ぬつもりか! 
(0`~´)<「次」が無くなっちゃうけどな 
怪盗v-u-den VS 粛清人R 
( ^▽^)<どうしたの?これはアナタの領域でしょ? 
(;^▽^)<これが…本…物… 
ジュンジュン・リンリン VS 矢口・保田 
川*^A^)<貴女の能力…コンナ感じでショ? 
( `.∀´)<あんた達は侮れないからね… 
(~^◇^)<殺しちゃえばいいじゃん! 
川´・_o・)<ソノ台詞 ソノママ返スゾ 
光井 VS 飯田 
川 ‘~‘)<早くその顔を切り刻んであげる… 
川=´┴`)<その前に息の根止めて差し上げますわ…
302 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2011/01/16(日) 02:12:22.23 0
久住 VS 小川 
∬∬´▽`)<「自分」を殺して生きてきた…その点では一緒でしょ? 
ノリo`ゥ´リ<同じにしないで欲しいっすね 
田中 VS 後藤 
( ´ Д `)<田中ちゃんは結構買ってたんだけどなあ 
从 ` ヮ´)<れいなは負けん。この戦いだけは負けん! 
道重 VS 紺野 
川o・-・)<これこそが知りたかった事実 
从*・ 。.・)<助けて…お姉ちゃん! 
亀井 VS 藤本 
川'v')<亀ちゃん、戦いから身を引きな。そうすれば今なら助かる 
ノノ*^ー^)<そうしたら…絵里は一生後悔する! 
新垣 VS 安倍 
(●´ー`)<なっちは…救われちゃいけないんだよ! 
||d ・e・)<安倍さん…今助けます! 
高橋 VS 中澤 
从#~∀~)<ずっと後ろから見てきた…30代がどないやねん! 
川*’ー’)<それが…共鳴… 
こんな感じかなあ 
草案しかできてないんで恥ずかしいけど
303 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/16(日) 03:43:18.04 0
単体での田中れいなの弱さに悩まされる 
一騎討ちさせられない 
304 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/16(日) 08:33:37.32 0
怪盗v-u-den VS 粛清人Rはおもしろそうじゃまいか 
安倍vsガキさんは戦いのベクトルをどう描くかだわなあ
305 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/16(日) 09:55:03.99 0
>>303 
その意見はむしろめずらしいのではw
306 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/16(日) 10:04:56.93 0
能力戦という意味ではそうやもしれませんな
307 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/16(日) 12:23:42.73 0
強さの定義とは人それぞれってことか
308 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/16(日) 12:33:38.60 0
亀井 VS 藤本 
くいこまされてカメが泣かされるな
309 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/16(日) 14:20:16.39 0
その対決は是非見てみたい 
出来れば映像化もw
310 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/16(日) 14:25:25.97 0
他のリゾナンターがいないとただのケンカの強い一般人だからな 
リンリンとか敵に直接触れないとだめな能力者ならなんとか勝てそうだけど 
れいなで思い出すのは亀ちゃんと組んで戦う短編 
亀ちゃんが自分に付けた1ミリの傷を何万人に配布してからその傷を全部敵に集中させて倒すってやつ 
こういうときのれいなは恐ろしい
311 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/16(日) 15:22:44.13 0
>>310 
面白いアイデアだねそれ
312 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/16(日) 15:25:52.45 0
>>310 
作品名とか思い出せないんだけどね 
313 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/16(日) 17:00:07.44 0
『禍刻III―Crimson symphony―』 http://resonant.pockydiary.net/index.cgi?no=570ですな
314 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/16(日) 17:52:03.54 0
『禍刻IX―A bloody stray cat―』 http://resonant.pockydiary.net/archives/746.html 
↑ちなみにこっちは田中れいな単体バージョンです 
…って自作が話題に上がっててびっくりしたついでに宣伝しておきますw 
自分の中では田中れいなはある意味最強の能力を持っているという認識です 
解釈の仕方も様々でしょうし人それぞれですよねこの辺りは本当に
315 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/16(日) 19:06:22.96 0
能力の強弱はどうとでも書けなくはないですな 
問題はそれに説得力が有るか無いかで 
その点禍刻シリーズは能力の解釈とか描写とか凄みがありました
316 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/16(日) 21:45:25.38 0
まあ上げておこうか
317 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/16(日) 23:04:23.55 0
auやドコモが規制されてるせいかどのスレも寂しいよ
318 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/16(日) 23:12:29.07 0
ソフトバンクもやよ
319 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/16(日) 23:25:01.17 0
>>313-314 
このシリーズ好きだ
320 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/17(月) 00:41:21.99 0
ウィキ落ちてる?
321 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/17(月) 01:00:18.82 0
サーバの障害か緊急メンテかも
322 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/17(月) 02:52:45.21 0
湯たんぽ代わりにれーにゃ抱いて寝るやよ
323 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/17(月) 05:15:22.79 0
ほぜなんと
324 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/17(月) 06:52:14.60 O
ブルー
325 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/17(月) 08:07:30.81 0
雪こそ降らなかったが昨日は寒かったぜ
326 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/17(月) 08:21:41.74 0
こちらは今日も真っ白
327 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/17(月) 12:13:26.41 O
携帯の規制が解除されている!
328 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/17(月) 15:24:46.64 0
ほんとマジ規制だけは勘弁して欲しいわ
329 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/17(月) 15:57:27.43 0
PCは大丈夫なはず…
330 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/17(月) 17:36:04.24 0
昼休みはproxyで書き込めなかった俺がホゼ
331 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/17(月) 18:19:43.01 0
http://www.youtube.com/watch?v=L2PBNP7q7Jk 
これ聞いて構想中…
332 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/17(月) 20:25:06.65 0
人が少なめのようなので… 
>>294『“未来”への反逆者たち ―闇と光(3)―』の続きを上げさせてください 
『“未来”への反逆者たち』前回―― 
闇と光(3) 高橋愛 VS 保田圭 
 ( `.∀´)<里沙は死んだ。あたしが…殺した。ついさっき 
 川*’ー’)<―――――!! 
 ( `.∀´)<そして高橋愛、あんたにも今ここで……死んでもらう 
(※作中「* * *」で視点が飛びます)
333 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/17(月) 20:25:52.82 0
      *      *      * 
言葉と同時に、保田は自身の能力を解放した。 
瞬間、一切の音が遠ざかる。 
小さく息を吐き、ガラスの向こうへと視線を動かした保田の瞳に、動作を停止した機器類が映った。 
蒼白な顔で立ち尽くす麻琴もまた、先ほどまでの小刻みな体の震えを止めている。 
まばたきすら止めたその顔には、様々な感情に歪んだ表情が生々しく貼りついていた。 
「…あんたには申し訳ないと思う。だけど……もう、こうするしかないんだよ。選んだ道をひたすら進むしか。今さら道は踏み変えられない」 
麻琴の耳には届くことのない言葉を、保田はガラス越しに弱々しく投げかけた。 
 ―誰かが変えなきゃ、この理不尽な世の中は絶対に変わらない。そして……変化には犠牲が付き物なのよ。これまでがそうだったように。 
自分でも言い訳めいて聞こえるその言葉を心のうちで反芻しながら、保田はゆっくりとナイフを抜き出した。 
里沙の胸を刺し貫いたときの感触が、その手に甦る。 
 ――あたしたちならさ、創れると思うんだよ。そんな世界が。そのために……あたしたちは生まれてきたんじゃないかな?そう、思おうよ。ね……?―― 
その脳裏には、涼やかな声でそう微笑む一人の女性の姿が浮かびあがっていた。 
先ほど里沙が言ったように、彼女が―――安倍なつみが思い描いていた世界は……“未来”は、今の自分たちのような姿ではなかったに違いない。 
だけど――― 
 ―時は流れ続けてる。たくさんの過去を飲み込んで。たくさんの人を飲み込んで。時の奔流を止めることなんて誰にもできない。 
“停止した時間”の中でそんな独白をしていることに皮肉を覚えながらも、何かを振り切るように小さく首を振る。 
「――戻れないのよ、もう」 
そしてあのときと同じ言葉をそっと呟き、再び小さく吐息を漏らすと、“決着”をつけるべく愛の方へと視線を巡らせた。
334 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/17(月) 20:26:36.46 0
「なっ―――!?」 
次の刹那――その視線の先に、ありえないはずの光景を認めた保田の表情に驚愕が浮かんだ。 
「そんな…どうして……?」 
上ずる声で喘ぐように言いながら、保田は再びガラスの向こうを確認する。 
そこには先ほどと変わりない光景があった。 
停止した機器類、そして同じ姿勢と表情で立ち尽くす麻琴の姿。 
だが――― 
「保田圭さん……やね、あんた。里沙ちゃんから話は聞いとった。“時間停止―タイム・フリーズ”の能力者やって」 
「何故……?あんた一体どうやって………」 
“停止した時間”の中――自分と同じように話し、動く愛の姿に、保田は隠しきれない動揺を露わに視線を行き来させた。 
直後――自身の能力限界が訪れ、“時間”は元通りに動き出す。 
動き出した時の中、今度は自分たちが停止してしまったかのように、2人は数秒間黙って向かい合っていた。 
「…でもそれは…あんたの嘘やね、保田さん。あんたは本当に時間を止めてるわけやない」 
静かに言葉を重ねる愛の雰囲気は、先ほどまでとはどこか違っている。 
        ――“覚醒”―― 
その瞳に捕われたように立ちすくむ保田の頭に、不意にそんな言葉が浮かび、同時に背筋を冷たいものが貫いた。 
「…その通りよ。あたしの能力は、正確には“加速―アクセラレーション”――運動速度、知覚、思考を超高速化する能力」 
不覚にも剥き出しにしてしまった動揺と、恐怖にも近いその感覚を取り繕うように、保田は冷静さを取り戻したかのごとく装いながら言葉を返す。
335 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/17(月) 20:27:19.24 0
「でも…“普通の人間”にとっては、時間を止められてるんとほとんど変わらんやろね。里沙ちゃんがそうだったように」 
静かに…どちらかと言えば淡々と重ねられる愛の一言一言が、保田の手の平に汗を滲ませる。 
かつて経験したことのない、畏怖とも言えるほどの戦慄が保田の全身を支配していた。 
「まさか……あんたもあたしと同じ能力を?だけど―――」 
高橋愛―――20年ほど前に行われていた実験(プロジェクト)によって生み出された能力者。 
偶然にも元々保持していたと思しきチカラに加えて、人為的な能力の付与が成功したことで、2つのチカラを持って誕生したあまりに特異な存在。 
「あんたの能力は“精神感応―リーディング”と“瞬間移動―テレポーテーション”のはず………まさかその上にまだ他に…?」 
そんなことがあり得るのだろうか。 
2つの異なる能力を有しているという時点で、既に“常識外れ”だというのに。 
だが実際に、愛は“停止した時”の中に入ってきた――― 
 ―お前は本当に人間なのか……? 
思わず出かけたその言葉を、保田は寸前で飲み込んだ。 
その言葉だけは言ってはならない。 
紛れもなく、高橋愛は人間なのだから。 
自分と同じ、一人の人間なのだから。 
自分が誰かを人間扱いしないのであれば、自分のしようとしていることそのものが根底から揺らぐ。 
それは、同時にこれまでやってきたことを……そして自分自身を否定することに他ならない。 
そしてそれ以前に、保田は愛に対して一人の人間としての敬意を払いたかった。 
「“精神感応―リーディング”は、あーしが元々持ってたチカラ。そして、“瞬間移動―テレポーテーション”が後から付け加えられたチカラ……やと前まで思っとった」 
「………?」
336 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/17(月) 20:28:01.74 0
 ―……思って…いた? 
保田の認識の中の高橋愛も、まさに今本人の口から語られた通りの能力者だった。 
それが違っているというのだろうか。 
「あーしに与えられた能力は、“光―フォトン”――すべての物を光に還す能力。……保田さん、あんたは光よりも遅いんよ」 
「な―――!!」 
想像もしていなかった言葉を突きつけられ、しかしそれでいて保田は半ば本能的にその意味を一瞬で理解した。 
高橋愛の瞬間移動は常に光を伴なう……そう里沙が報告していたことが今さらのように思い出される。 
だが、そのことについて深く考えたことはなかった。 
光を伴なう瞬間移動能力者など、他に出会ったことがなかったにもかかわらず…… 
本人の認識如何には関係なく、愛は“瞬間移動”をしていたわけではなかったのだ。 
おそらくは…自身の体を瞬時に光子化して“光速移動”した後、再び自身の体を再構築するのだろう。 
自分の“加速”が無力なのも当たり前だ。 
相手は“光”なのだから――― 
思考ではなく、感覚でそう悟るのと同時に……保田はその場に崩れ落ちた。 
      *      *      * 
「あんたを…あんたらを止めるには…もう、こうするしかないんかな」 
抑揚の乏しい声で呟くように言う愛の姿は、いつの間にか廊下の床に崩れ落ちた保田のすぐ傍にあった。 
ゆっくりとしゃがみこんだ愛の手が、目を閉じた保田の頭部辺りにそっとかざされる。 
その掌の中で、淡い光の粒子がいくつも弾けては消えた。
337 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/17(月) 20:28:44.89 0
“光―フォトン”――すべての物を光に還す能力―― 
今の愛は、そのチカラの使い方をはっきりと理解していた。 
すぐ目の前に倒れる一人の人間を、一瞬にして物質的に“無”に帰すことすらできる、悪魔のようなそのチカラを。 
この能力を愛に与えた“組織”においても、愛の本当のチカラの意味を知る者は少ないのかもしれない。 
秘密裏に当時の研究について探っていたあさ美でさえ、推論のみからのあやふやな真実にしか到達しえなかったらしいことからもそれは窺える。 
 ―麻琴の両親はこの悪魔のチカラをどこまで理解していたのだろうか…… 
思考を止めかけた頭に、そんな思いがふと過ぎる。 
麻琴が聞かされたという、能力の暴走による“事故”―――それはきっと、“不可解かつ不可能な失踪”を指していたのに違いない。 
消えるはずのない場所から麻琴の両親は忽然と消え失せ、そして二度と戻ってこなかったのだろう。 
その原因となったのは、愛以外に考えられないという状況で。 
すなわち“愛の瞬間移動の能力”が原因であると考えるしかない状況で――― 
だが、現実はおそらくほんの少しだけ違っていた。 
“組織”の見解は「どこか二度と生きて戻ってこられないところに飛ばされた」―――であったに違いない。 
しかし、実際にはきっと――― 
手を伸ばし、保田の髪に軽く触れる。 
その瞬間、緩くウェーブのかかったダークブラウンの髪が数本、光の粒子になって弾けた。 
麻琴の両親も、こんな風に跡形もなく消え去ったのだろう。 
「殺人兵器」――麻琴がそう罵るのも頷ける。 
感情の乏しくなった瞳に僅かに自嘲の色を浮かべ、口元を歪める。 
迷う必要など、もうどこにもない。 
目の前の人間を消し去ることは、“未来”を救うことになるのだから。 
今さら一人の人間を消し去ることに躊躇いを覚えるなど、人を殺すために生まれた自分にとっては滑稽以外の何ものでもないのだから―――
338 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/17(月) 20:29:27.45 0
「愛ちゃん……」 
「―――!?」 
そのとき――― 
不意に耳に飛び込んできたその声に、愛はビクリと体を震わせた。 
「里沙ちゃん!?」 
反射的に周囲を見回した愛の視界に入ってきた人影はしかし、それまでと変わらず目の前に横たわる保田だけだった。 
幻聴だったのか――そう思いかけたとき、再び声が聞こえた。 
「ごめん……後から絶対に行くって言ったのに…行けなくて……ごめん」 
「―――――!!」 
その声の出所を知り、愛は息を呑んだ。 
自分の足元に横たわる保田……愛が手をかざしたそのすぐ下の口から、その声は発されていた。 
冷静になって聞けば、確かに声は保田のそれだ。 
だが、愛には分かった。 
今、話しているのは、紛れもなく――里沙であると。 
「ねえ愛ちゃん。愛ちゃんはあのときわたしを止めてくれたよね。この場所に、わたしを助けに来てくれたあのとき……わたしが、選ぶべき道を間違えかけたあのとき………」 
  ―――後催眠暗示――― 
“里沙”の声を呆然と聞く愛の頭に、そんな言葉が浮かぶ。 
おそらく里沙は、最期を迎えるそのときに、保田の脳に最後の力を振り絞って侵入したのだ。 
これほどに精神のガードを得意としている相手の脳に……愛にメッセージを残すために――― 
里沙の死を聞かされた瞬間から彩色を失っていたかのようだった愛の視界が、再び色を持ち始める。 
同時に、自分の体に何か温かいものが流れ込んでくるような感覚を、愛は感じていた。
339 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/17(月) 20:30:09.33 0
「愛ちゃん…あのとき、わたしは心から思ったよ。愛ちゃんに出逢えて本当によかったって。愛ちゃんはわたしにとっての光なんだって」 
「里沙ちゃん……」 
「愛ちゃんは、わたしの進むべき道を照らしてくれた。正しい方向に導いてくれた。愛ちゃんは、光なんだよ。わたしだけじゃない、みんなにとってかけがえのない…光」 
「光……?」 
思わず自分の掌を見遣った愛の瞳に、淡い光の粒子が幾粒か映る。 
「愛ちゃん…愛ちゃんならきっと、その光で正しく未来を照らせる。わたしを…みんなを救ってくれたように。導いてくれたように。わたしはそう信じてるから」 
「!!里沙ちゃん……!」 
言葉に滲む別れの気配に慌てて視線を戻し、愛は思わずその名を呼んだ。 
保田の―――里沙の口元に、微笑が浮かぶ。 
「愛ちゃん、ありがとう。わたし……幸せだった。大好きだよ、愛ちゃん………」 
「里沙ちゃん―――!!!」 
涙で滲む愛の視界の中、最後にそう微笑んで……里沙は去った。 
今度こそ、二度とは会えない遠い場所へと――― 
「光……あーしは……光……」 
だが、自分の手を見つめ、呆然と里沙の言葉を繰り返す愛の胸の中は、先ほどまでとはまるで違う思いで満たされていた。 
“光”――自分のそのチカラは、人間を…世界を消し去るためのものではなく、照らすためのチカラなのだと。 
自分はそのために生まれてきたのだと――― 
再び視線を足元へと動かす。 
里沙の遺した言葉に満たされたその瞳に映るのは、もう「“未来”のために消し去るべき人間」ではなかった。 
かつての自分や里沙と同じ、ただの悲しい一人の人間だった。 
光の射さない闇の中で進むべき道を見失い、孤独に押し潰されそうになっている……一人の弱い人間だった―――
340 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/17(月) 20:30:51.29 0
涙をぬぐい、小さく息を吐くと、愛はゆっくりと立ち上がった。 
考えなければいけない。 
“未来”を変えるために、自分は何をするべきか。 
自分に何ができるのか。 
「―――――!?」 
思い出したようにガラスの向こうへと視線をめぐらせた愛は、次の瞬間それを泳がせる。 
「マコトちゃん……?」 
先ほどまでその中に在ったはずの、白衣姿は消えていた。 
立っていた場所のみならず、部屋のどこにもその姿は見当たらない。 
探さなければ……! 
そう思ったそのとき、愛の目の前で空間が切り裂かれた。 
その隙間から、ゆっくりと人影が姿を現す。 
「まさか……圭坊が負けるなんてな」 
元通りに閉じた景色の中、独り言のようにそう呟く中澤に、愛は先ほど伝え切れなかった思いを口にしようとした。 
だが――― 
「れいなは死んだよ、愛ちゃん。ウチが……殺した」 
「―――――!!」 
続いて発された、今度は明確に愛に向けられた中澤の言葉が、それを遮った――― 
                                       To be continued...
341 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/17(月) 20:31:46.28 0
>>333-340 
『“未来”への反逆者たち ―闇と光(4)―』 
以上です。 
以下補足という名の蛇足。(ネタバレ含みます) 
作中の愛ちゃんの能力は(03)750『光放つ、原罪』で登場した「光を操り、すべてを光に返す、至高の能力」を元にさせていただいています。 
ただし、作中にもあるように「光使い」の能力が別にあるわけではなくて、瞬間移動とイコールという設定にしています。 
ちなみに“停止した時間”についていけたのは(ご都合主義的こじつけによる)副産物的なもので、保田さんと同じように“時間停止”ができるというわけではありません。 
その保田さんの能力は、(49)540『黄金の輝き』と非常に重なっている部分があるのですが、これはたまたまリゾナントです。(先を越された的なw) 
しかもこちらは空気抵抗なんて都合よく無視していますのでやや気まずいですw 
さらに蛇足ですが、作中で“里沙”が愛に語っているのは(06)423『里沙、孤島に囚われ(後編)』のエピソードです。
342 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/17(月) 20:37:38.62 0
いやマジで震えが来た 
カッコイイにも程がある!
343 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/17(月) 21:08:14.86 0
>>341 
積み重ねてきたものが結実したね 
本当に胸が高鳴る展開だ 
344 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/01/17(月) 21:57:45.47 0
>>341 
胸高まりまくりました! 
あそこで催眠がねえ~!!! 
こういうドラマを待ってたんよ!


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