リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第53話(ミラー)

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1 :名無し募集中。。。:2011/02/19(土) 19:19:24.61 0
 _, ,_ 
(*・e・)<Cだからっ。私、Cだから!! 
「リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第49話 270『妄想コワルスキー』」より 
前回のお話はこっちだからっ。あと私はCだから!! 
        リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第52話 
          http://toki.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1295321033/ 
リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ@wiki 
http://www39.atwiki.jp/resonant/ 
まとめサイト 
 PC:http://resonant.pockydiary.net/index.html 
携帯:http://resonant.pockydiary.net/index.cgi 
まとめサイト Ver.2 
http://resonanter.blog47.fc2.com/ 
リゾナントブルーAnother Vers(ry 暫定保管庫(まとめサイト3) 
http://www35.atwiki.jp/marcher/ 
掲示板 (感想スレ、作品題名申請スレ、あとがきスレ他) 
http://jbbs.livedoor.jp/music/22534/ 
テンプレ>>2-7ぐらいまで 
2 :名無し募集中。。。:2011/02/19(土) 19:20:07.83 0
このスレの始まりと 今まで出てきた設定やイメージ画像 
http://www39.atwiki.jp/resonant/pages/43.html 
高橋愛 
http://www39.atwiki.jp/resonant/pages/12.html 
ttp://resonant.pockydiary.net/file/template/r_ai.jpg 
新垣里沙 
http://www39.atwiki.jp/resonant/pages/13.html 
ttp://resonant.pockydiary.net/file/template/r_risa.jpg 
亀井絵里・道重さゆみ 
http://www39.atwiki.jp/resonant/pages/14.html 
http://www39.atwiki.jp/resonant/pages/15.html 
ttp://resonant.pockydiary.net/file/template/r_sayueri.jpg 
田中れいな 
http://www39.atwiki.jp/resonant/pages/16.html 
ttp://resonant.pockydiary.net/file/template/r_reina.jpg 
久住小春 
http://www39.atwiki.jp/resonant/pages/17.html 
ttp://resonant.pockydiary.net/file/template/r_koharu.jpg 
光井愛佳 
http://www39.atwiki.jp/resonant/pages/18.html 
ttp://resonant.pockydiary.net/file/template/r_aika.jpg 
ジュンジュン・リンリン 
http://www39.atwiki.jp/resonant/pages/19.html 
http://www39.atwiki.jp/resonant/pages/20.html 
ttp://resonant.pockydiary.net/file/template/r_junlin.jpg 
3 :名無し募集中。。。:2011/02/19(土) 19:20:50.57 0
<よくわかる!? リゾナントスレの世界観図説> 
リゾナンター派(多数派)─┬─ダークネスと闘う超能力少女たちだよ派(鉄板路線派) 
               │  ├ダークネスは悪の組織の名前だよ派(暗闇=敵だよ派) 
               │  │ └ラスボスの名前でもあるよ派(ダクネチュ様派) 
               │  ├実は前身となる正義の組織があったんだよ派(OGメンはかつての味方だよ派) 
               │  │ ├方針転換して悪の組織になったので新組織を立ち上げたよ派(見解の相違派) 
               │  │ └組織はつぶされ現メン(の一部)が生き残ったんだよ派(正義の組織再興派) 
               │  └前身はなく愛ちゃんが一から始めたんだよ派(OGメンは最初から敵だよ派) 
               │    ├最初に見つけた仲間はれいなだよ派(同居人優先派) 
               │    ├最初に見つけた仲間はガキさんだよ派(娘。加入順優先派) 
               │    ├最初に見つけた仲間はガキれな以外の子だよ派(基本にとらわれないよ派) 
               │    └愛ちゃんは美少女コレクターだよ派(百合愛好派) 
               │ 
               ├─モーニング娘。をやりつつ敵と闘うよ派(鉄板路線派「かなしみ戦隊」系) 
               │ 
               ├─政府直属の能力者集団だよ派(独自路線派「共鳴者」系) 
               │ 
               └─その他(各種独自路線派) 
リゾナンダー派(少数派)─┬─戦隊モノのヒーローなんだよ派(特撮愛好派) 
            │   ├各自のイメージカラーが個人の戦隊カラーになってるよ派(LLはどうなったの派) 
            │   └リゾナンカーとセットで使いたいよ派(とことん特撮派) 
            │ 
            ├─スレが始まった時はこっちだったんだよ派(原理主義) 
            │ 
            └─その他(各種独自路線派) 
“ター”でも“ダー”でもどっちでも派(穏健派) ─┬─面白ければなんでもいいよ派(内容重視派) 
                              │ 
                              └─シリアスとギャグで使い分けるよ派(こだわり作者派) 
4 :名無し募集中。。。:2011/02/19(土) 19:21:38.44 0
【今まで出てきた能力まとめ】 
高橋愛:精神感応(リーディング) /瞬間移動(テレポーテーション)/光使い(フォトン・マニピュレート) 
新垣里沙:精神干渉(マインドコントロール) 
亀井絵里:傷の共有(インジュリー・シンクロナイズ) /風使い(ウィンド・マニピュレート) 
道重さゆみ:治癒能力(ヒーリング) 
  さえみ(姉人格):物質崩壊(イクサシブ・ヒーリング) 
田中れいな:共鳴増幅能力(リゾナント・アンプリファイア) 
久住小春:念写能力(ソートグラフィー) /幻術(ハルシネーション)/発電(エレクトロキネシス) 
光井愛佳:予知能力(プリコグニション)/心の浄化(ハート・プリフィケイション) /水守(みまもり) 
リンリン:念動力(サイコキネシス)/発火能力(パイロキネシス) 
ジュンジュン:念動力(サイコキネシス)/獣化(メタモルフォシス(トゥ・ビーストorパンダ)) 
詳しくはこちら 
ttp://www39.atwiki.jp/resonant/pages/35.html 
ジュンジュン獣化参考画像 
ttp://resonant.pockydiary.net/file/panda.jpg 
喰らってくたばれ! 
必殺! 
ttp://resonant.pockydiary.net/file/helpme.gif 
リゾナンカー 
ttp://resonant.pockydiary.net/file/template/car.jpg 
リゾナントロボ… 
発…… 
ttp://resonant.pockydiary.net/file/robo.gif 
5 :名無し募集中。。。:2011/02/19(土) 19:22:20.62 0
【喫茶店リゾナントイメージ】 
間取り 
ttp://resonant.pockydiary.net/data/upfile/142-1.gif 
ttp://resonant.pockydiary.net/data/upfile/784-1.jpg 
ttp://resonant.pockydiary.net/data/upfile/785-1.jpg 
本日のランチ 
ttp://resonant.pockydiary.net/data/upfile/155-1.jpg 
ttp://resonant.pockydiary.net/data/upfile/156-1.jpg 
タウン誌紹介文 
ttp://resonant.pockydiary.net/data/upfile/383-1.jpg 
【TV・映画イメージ】 
リゾナンターEDイメージ(字あり提供入) 
http://jp.youtube.com/watch?v=ijT95qkTqfA&NR=1 
リゾナンター予告イメージ 
http://jp.youtube.com/watch?v=wSVKqpCYrQs 
リゾナンター予告編・i914Ver.  ※血液等の映像が含まれますので苦手な方は見ないほうがいいです 
http://jp.youtube.com/watch?v=TEsl4BjQ8sA 
リゾナンターの予告編パート2/映画風 
http://jp.youtube.com/watch?v=9Rvh02cQQoI&fmt=6 
リゾナンター/共鳴セヨ 
http://jp.youtube.com/watch?v=3m65hxrvduY 
リゾナンター予告編/ダークネスVer. 
http://jp.youtube.com/watch?v=OkFqDKBJUBg&fmt=6 
イントロダクション 
http://www.youtube.com/watch?v=srvVoDEse2g 
リゾスレ一周年記念動画 
http://www.youtube.com/watch?v=VBgPc_o1u0E&fmt=18 
The loneliness of the girls 
http://www.youtube.com/watch?v=4IAclB1_-zs 
リゾナンターOP 
http://jp.youtube.com/watch?v=EXNriFUNuUY 
6 :名無し募集中。。。:2011/02/19(土) 19:23:02.01 0
【初代まとめサイトで投稿日順に読む裏技】 
まとめサイトの[検索]で「(1)」とか指定すると、第1話(1スレ目)の作品が投稿日順に並びます(降順) 
(投稿日=まとめサイト掲載日時であり、スレ投下日時ではありません) 
ただし、次回予告についてはシングルの順序と合わせるために 
順番に並ぶように投稿日をいじってあるのでこの限りではありません 
このスレに初めて来たから様子がわかんないよ、って人にはイイかも 
※時々検索結果に違うスレの作品が混じりますが、本文中に張ったリンク(例:(1)123)を拾ってしまうためです 
【まとめサイトVer.2で投稿日順に読むには】 
タグでスレごと(第○話)の作品群を見ることができます。 
登録日の順になっているのでそこからたどっていけばおk 
【代理投稿を依頼するときのお願い】 
したらば掲示板のアク禁スレに作品を上げるときは対処方法の指示も書いてください 
例えば 
・規制食らったので転載してほしい 
・レス数多いから掲載を手伝ってほしい 
など 
転載する人は必ず投下する旨をアク禁スレに宣言していってください 
(投下かぶり防止のため。宣言が同タイミングなこともあるのでリロード&しばらく待つのも大事) 
7 :名無し募集中。。。:2011/02/19(土) 19:23:56.44 0
川*’ー’) < テンプレの設定やまとめサイトを参考にして自由に想像するやよ 
ノ|c| ・e・) < 登場人物の能力やストーリーの背景・設定は作者さんの自由なのだ 
ノノ*^ー^) < シリアル路線でもコメディ路線でもお好きなものどうぞ 
从*・ 。.・) < AAを使ったものや1レス完結ものでもOKなの 
从*´ ヮ`) < 他の作者さんの設定を流用するのもありっちゃ 
ノリo´ゥ`リ < 気に入った話の続きや繋ぎの話を書いてみるのもありカナ☆ 
川=´┴`) < プロットを書いて他の作者さんにストーリーを書いてっておねだりしてもええで 
川*^A^) < アーでも書いてくれるかは作者さん次第ヨ 
川´・_o・) < ソッカー 
作品投稿の際、10レスを越える場合は連続投稿規制(バイバイさるさん)がかかるので注意。 
それから1レス当たり最大32行までしか入らないのでそれも注意。 
ttp://resonant.pockydiary.net/file/template/r_coming.jpg 
君の作品を待ってる 
<※初めてスレを訪れた方へ> 
 お勧めの作品やわからない用語については遠慮なく質問してみてください 
 スレに何人もいるであろう「生き字引」が24時間以内に答えてくれるでしょう(多分) 
8 :名無し募集中。。。:2011/02/19(土) 19:25:14.19 0
  _, ,_ 
(*・e・)<眉毛をコピペミスしたのだ…でもCなのだ… 
9 :名無し募集中。。。:2011/02/19(土) 19:59:27.95 0
ガキさんドンマイ 
そしてスレ立ておつでした 
10 :名無し募集中。。。:2011/02/19(土) 21:05:04.76 O
最近ダクネチュ様は…? 
11 :名無し募集中。。。:2011/02/19(土) 22:16:41.98 0
タイミングの問題とかもあるかもねえ 
>>1 
スレ立て乙です 
12 :名無し募集中。。。:2011/02/19(土) 22:49:37.98 0
sure立ておつ 
13 :名無し募集中。。。:2011/02/20(日) 00:08:37.47 0
  _, ,_ 
(*・e・)<シーーーーー!! 
14 :名無し募集中。。。:2011/02/20(日) 00:22:25.74 0
ガキさんがCなわけがなかろうハハハハハ 
ガハッ・・・・・・・・・ 
15 :名無し募集中。。。:2011/02/20(日) 03:03:43.23 0
川o・-・)<あらダークネス様 美味しいお紅茶が入りましたので・・・特製ミルクはお入れになられますか? 
ダクネチュ)<おおありがとうマルシェ・・特製?なんだそれ? 
川o・-・)<はい美味しいミルクティーにはとても重要な物です・・・いでよ!! 
                 ≪!改造戦隊美勇伝参上!≫ 
                  从*^▽^)从,,^ ロ ^) 川 ´^`) 
川o・-・)<ダークネス様もうお分かりですね 
ダクネチュ)<え いや全然話が読めんのだけども 
从*^▽^)こちらがコーヒーを入れ 从,,^ ロ ^)次に砂糖 川 ´^`)そして最後の仕上げにミルクを・・・ 
                 -おわかりいただけただろうか- 
ダクネチ;)<ちょっと待て!今何処からミルク出したー!! 
川 ´^`)<何て チチですけど 何か? 
ノ|c| ^e^)<あ 美味しそうなコーヒーなのだ~!いただきまーす ゴクリッ! 
ダクネチュ)<阿!!! 
ttp://resonant.web.fc2.com/data/toro17101.jpg 
  _, ,_ 
ノlc| ・e・)<吽??? 
川o・-・)<あらあら きっとA→Cになれますわ 
16 :名無し募集中。。。:2011/02/20(日) 05:48:42.17 0
www 
17 :名無し募集中。。。:2011/02/20(日) 07:13:11.20 O
おおダクネチュ様降臨!w しかも美勇伝w さらに岡πネタとは… 
逆に涙をさそいますな…w 
18 :名無し募集中。。。:2011/02/20(日) 08:35:16.39 O
ちょっと待てミルクティーはどこ行った?w 
ダクネチュ様が降臨したときの安心感は異常だなあ 
19 :名無し募集中。。。:2011/02/20(日) 08:49:38.46 0
51話は途中で落ちたから降臨のタイミングを逃しちゃったんだよね 
>>15 
ダクネチュ様乙 
特製ミルクの効用でガキさんもきっと 
20 :名無し募集中。。。:2011/02/20(日) 08:50:51.29 0
999 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2011/02/20(日) 08:45:22.93 0 
1000ならガキさんはC 
1000 名前:名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2011/02/20(日) 08:45:29.22 0 
   _, ,_ 
ノlc| ・e・)<さっさと次スレへ行くのだ シーーーーー!! 
21 :名無し募集中。。。:2011/02/20(日) 09:12:45.91 0
昔のDVDとかを見てみたら、ガキさんがCチームに入る事がやたら多くて吹いたw 
22 :名無し募集中。。。:2011/02/20(日) 09:50:29.77 0
Cチームに入るようにマインドコントロールでw 
23 :名無し募集中。。。:2011/02/20(日) 11:08:12.75 0
>>15 
特性ミルク下さい 
一ガロン下さい 
24 :名無し募集中。。。:2011/02/20(日) 12:07:47.33 0
【注意】 
以下の与太話を書いた人間は、その元ネタである真野恵里菜主演のドラマ「半分エスパー」を殆ど見たことがありません。 
ですから実際の「半分エスパー」とはかなり違ってると思いますがその点だけは判っておいていただきたい。 
25 :名無し募集中。。。:2011/02/20(日) 12:08:36.07 0
世界の破壊者 高橋愛。 守るべきものの為に立ち上がれ。 
2011-2-20 12:08:00 
ランチ 
テーマ:ブログ 
今日のお昼は近所の喫茶店でいただきました。 
カメラの調子が悪いので画像は上げれませんが 
オムライス↑ 
バジルパスタ↑ 
美味しかったです。 
店のマスターは私より年下のカワイイ女の子です。 
関西弁がとても素敵です。 
アメちゃんももらいました~。 
ラッキー! 
26 :名無し募集中。。。:2011/02/20(日) 12:09:20.86 0
日課になったブログの更新を終えた高橋愛は溜息をついた。 
その原因は故郷の母親から送られてきたお見合い写真。 
相手は地元でゴルフ場やホテルを経営している企業の跡取り息子。 
“お前もそろそろ身を固めたらどうだい”という手紙が添えられていた。 
スポーツマンで高学歴で目鼻立ちも整っている彼は、お見合い結婚の相手としては恵まれている。 
故郷に帰って両親を安心させてやるべきなのだろうか? 
「お客さん、若いのに何溜息ついてますの。 さてはうちに一目惚れして禁断の恋に身を焦がしてって、違うか!!」 
喫茶店のマスター、光井愛佳が話しかけてくる。 
勝手にボケて、勝手に突っ込んでそのノリは売れない女芸人みたいだということは口に出さない。 
溜息の原因はもう一つあった。 
それは今の仕事。 
公務員の恵まれた待遇自体に不満は無い。 
仕事を通じて知り合った一人の少女が愛の心を掻き乱す。 
その少女の名は真野恵里菜 。 
愛が働く国立エスパー研究所で養成された見習いのエスパー。 
テレポーテーション、サイコキネシス。 
圧倒的なポテンシャルを有しながら、その力を制御しきれずに様々な騒ぎを巻き起こす彼女のことを人はこう呼ぶ。 
“半分エスパー”と。 
愛は国立エスパー研究所(通称:こくえけん)の所長秘書であり、見習いエスパーに社会的な常識や人間関係を指導する教師でもある。 
その仕事柄これまでに様々なエスパーを見てきた愛だが、その中でも真野恵里菜は別格だ。 
“こくえけん”の外の世界に出る為に、恵里菜が能力で破壊した施設の跡を見たときは信じられなかった。 
あんな可憐な子がこんな凄まじいチカラを持っているなんて。 
27 :名無し募集中。。。:2011/02/20(日) 12:10:17.76 0
恵里菜に恐怖を抱いたが、追跡する愛から逃れようと発動したテレポーテーション能力を制御しきれず、同じ場所で消えたり現れたりする恵里菜を見ていて愛は気づいた。 
彼女、真野恵里菜は強大なチカラを持っていても、普通の女の子だということに。 
所長の判断で“こくえけん”の外で暮らすようになった恵里菜を折にふれ観察して、その思いは確信へと変わった。 
街で出会う様々な人々との出会いを通じて成長していく恵里菜を微笑ましく見守っていた愛は、ある日こんな疑問を抱いた。 
―あんなチカラを持っていて真野ちゃんは怖くないんかな? 
「疲れてはるんやったら、アメちゃんあげよか?」 
お座なりな返事をしている愛を気遣ってか、愛佳が彩りも渋い包み紙の飴を差し出している。 
一人で店を切り盛りするしっかり者の少女はさっきももらったからと、固辞する愛の手に無理やりアメを握らせる。 
♪カランコロン とドアベルが鳴った。 
栗色の髪に端正な顔立ち。 
女の愛から見ても魅力的な女性が、どこか覚束ない足取りで入ってきた。 
新しい客の元へ向かう愛佳。 
「いらっしゃいまし。 お客さん初めてですね。 お近づきのしるしにアメちゃんあげよか」 
「あ、あ、ありがとうございます。 ところでつかぬ事をお尋ねしますが、私の名前はマイケル・J・フォックスでしたね?」 
アホだ。 あの女、見惚れてしまう美貌の値打ちが半減するぐらいのアホだ。 
アホ女のおかげで愛佳のアメちゃん攻撃からは解放された。 
再び物思いに沈む。   
28 :名無し募集中。。。:2011/02/20(日) 12:11:00.39 0
ねえ、真野ちゃん。 何で君はそんなに楽しそうなの? 
             ・ 
ねえ、真野ちゃん。 自分の持ってるその強いチカラ、君は怖くないの?  
             ・ 
ねえ、真野ちゃん。 君は何故あんなに躊躇いなく跳べるの。 
             ・ 
             ・ 
チカラで跳んだ先が、もしも深い海の底だったら君はどうするの?   
             ・ 
             ・ 
燃え盛る炎の中だったら君は死ぬかもしれないんだよ。  
             ・ 
             ・ 
固い石の中だったら、君は一生閉じこめられたままかもしれないんだよ。 
             ・ 
             ・ 
             ・ 
無事に街の中へ跳べたって、そこにいる人たちに悪意の籠った眼差しで見つめられたら、君は、君は。 
             ・  
             ・ 
             ・ 
なのに、ねえ真野ちゃん。 何で君はそんなに無邪気に跳べるの?    
             ・ 
             ・ 
             ・ 
君の瞳に世界はどう映っているの? ねえ真野ちゃん・・・・・思考の海に沈んだ愛はいつのまにか微睡みの中に… 
29 :名無し募集中。。。:2011/02/20(日) 12:11:55.31 0
             ・ 
             ・ 
「今日からは少し違う遊びをしようね、アイちゃん」 
これは夢の中だということは判った。 
分厚いガラスの水槽の中で手足を拘束されたアイ。 
頭には電極が貼られ、白衣を着た人間が水槽の周りを取り囲んでいる。 
最初はこくえけんの施設だと思った愛だったが、研究員の顔ぶれに見覚えは無い。 
周囲を観察していて気づかなかったが、愛の身体は子供のように縮んでいた。 
「これからその水槽は水が一杯になっていくからね。 溺れたくなかったら、心の中で強く思うんだ。 あそこに跳びたいって」 
愛に話しかける研究員が指差した先には、今愛が拘束されているのと同じ大きさの水槽。 
中は空っぽだ。 
水槽の上下は頑丈な金属製。  
その天井から水が噴き出てきた。 
思わず出してと助けを求めるが、外とは隔絶している。 
先ほどの声はスピーカーで伝えられたものらしい。 
愛は水槽の中で立たされた状態で拘束されている。 
その膝のあたりまで水が溜まってきた。 
パニック状態に陥った愛に聞こえる声。 
それは聞こえない筈の、外の研究員たちの声。 
30 :名無し募集中。。。:2011/02/20(日) 12:13:07.80 0
―この実験は危険過ぎる。 失敗したらどう責任を取るんだ。 
―何らかの結果を出さなくては私たちプロジェクト“i”関係者全員に危険が及ぶ。 どれだけ莫大な金と時間を費やしてきた。 
―しかしここでこの検体を失うことがあったらどうする。 
―大丈夫だ。 君も見ただろう。 3日前の監視カメラの映像を。 僅か数十センチだったが確かにこの検体は空間を跳躍していた。  
―この実験はこの検体にとってもプラスだ。 もしもテレポーテーション能力の発動を制御できなければ、検体自身の生命に危険が及ぶ。 
―1593年メキシコシティに現れたマニラ総督府の護衛官の例。 彼のような幸運な例は稀だ。 
―1809年、英国の外交官ベンジャミン・バトハーストの失踪事件。 1915年トルコのガリポリ半島で発生した英国陸軍の小隊消失事件。 
―テレポーテーション能力の暴走によると推定される消失事件の犠牲者と同じように、検体i914も何処かに消えてしまう恐れがある。 
自分は検体“i914”と呼ばれているんだ。 
現実なら耐えられない過酷な事実を、夢の中の愛は醒めて認識していた。 
この周りの研究員たちは“こくえけん”の職員とは違う。 
“こくえけん”の人間ならエスパーの存在も尊重してくれる。 
こんなモルモット扱いにはしない。 
そんな風に思っている間にも、水は胸の辺りまで昇ってきた。 
冷たい。 水以上に自分を観察している研究員の心の冷たさに恐怖した愛は夢から覚めようとするが… 
覚めん。 どうして、これは夢だと判ってるのにどうして覚めない。 
助けて、お父さん、お母さん、ばっちゃ。 
わがまま言わず故郷へ帰って結婚するから、助けて。 
所長、所長なら助けてくれますよね。 
いつかは演技とはいえ注射器を刺してすいませんでした。  
謝りますから、お願いです。 助けてください。 
31 :名無し募集中。。。:2011/02/20(日) 12:13:49.72 0
                     ★ 
「お客さん、お客さん」 
愛を起す声がした。 
目を開くと喫茶店のマスター愛佳が心配そうに見つめている。 
その隣ではマイケル・J・フォックス(仮名)もぽけっとした顔つきで愛を見ていた。 
「大丈夫ですか。 随分うなされてましたよ」 
あんたみたいなアホに心配されたくはないと思ったが、とりあえず礼を言っておく。 
どんな風にうなされていたか、マイケル・J・フォックス(仮名)に尋ねてみたが、返ってきたのは不明瞭な返事。 
やっぱりアホだ。 
そうだ今日は真野ちゃんと会う約束をしてたんだ。 
約束の場所に向かうために、食事の勘定を済ませようとした愛の耳に大きな音が飛び込んできた。 
爆発音とは違う、でも何かがぶつかり合って壊れたような音。心の不安を掻き立てるようなノイズ。 
天然系のマイケル・J・フォックス(仮名)ですら目を白黒させている。 
あの音は、まさか真野ちゃん? 
胸騒ぎがした愛は店の外へ飛び出す。 
駆け出そうとして靴が邪魔なことに気づいた愛は、カードで購入したばかりのパンプスを脱いで手に持ち走り出した。 
「こらあ。食い逃げやで。 食事代2200万円払わんかい! 違うか!!」 
代金を取り立てようと愛佳が後を追う。 
何故かマイケル・J・フォックス(仮名)も後を追うが、愛の健脚に引き離されてしまう。 
                    ★ 
32 :名無し募集中。。。:2011/02/20(日) 12:14:52.12 0
何、これは。 
恵里菜との約束場所に駆けつけた愛は、我が目を疑った。 
恵里菜が何故か出演する「スマイレージのスマイルレディオ」が収録されているラジオ局だ。 
通りに面した局の建物の窓のガラスが全て砕け散っている。 
道路では何台もの車が横転しており、信号機や標識が折れ曲がり、自販機は無残に変形している。 
いた。 
真野恵里菜がいた。 
最高レベルのテレポーターにしてサイコキノ。 
“半分エスパー” 真野恵里菜の姿が見えた。 
立ち尽くす恵里菜の前にはフードつきのスウェットパーカーを着た人間が立っている。 
顔はフードに隠されて見えないが、その佇まいは自信に満ちていた。 
脅えていた。 
真野恵里菜が脅えていた。 
「どうしたの、真野ちゃん」 
「…た、高橋さん」 
その奔放な行動でいつも愛を翻弄する真野恵里菜のそんな姿を見るのは初めてだった。 
エスパーを悪用しようとしている人間、組織は多い。 
“こくえけん”はそんな勢力からエスパーを守る使命も帯びている。 
フード付きパーカーを着た人間が恵里菜を脅えさせていると考えた愛は、恵里菜を引き離そうと考えた。 
手にしてきたパンプスを路上に放り投げると抱えてきたバッグの中から支給された携帯電話を取り出した。 
通話ボタンを押して“こくえけん”へのビーコン信号を1.5秒間発信すると設定していた数字を入力する。 
9,1,4 
内蔵された高性能のバッテリーが起動し、110万ボルトの電圧がチャージされ携帯電話は強力なスタンガンへと姿を変えた。 
「そこのパーカーを着たあんた。 真野ちゃんから離れて!」 
33 :名無し募集中。。。:2011/02/20(日) 12:15:47.53 0
愛の警告が耳に入ったはずなのに動こうとしない。 
「真野ちゃん。 ここから離れて」 
恵里菜も地面に棒が生えたように動かなかった。 
パーカーを着た人間が顔を覆っていたフードを払う。 
女! 
恵里菜を威圧していた人間は若い女だった。 
女の顔は年月をかけて雨水に打たれた結果、角が取れた岩のように丸かった。 
その顔に嘲るような笑み。 
あんなに綺麗で優しい顔立ちなのに、何であんなささくれ立ったような表情をするの? 
不審に思った愛だったが、今は恵里菜の安全を確保を優先することにした。 
スタンガンから生じる電流のスパークを誇示しながら、女に警告する。 
「これは普通のスタンガンよりも強力だから」 
靴を履かないまま恵里菜とパーカーの女の間に割って入ろうとする。 
足の裏にガラスの破片や瓦礫を感じるが、足元は安定させておきたい。 
「真野ちゃん。 もうちょっとで救援が来るから」 
元気付けの言葉にあまり意味は無かった。 
固い表情のままの恵里菜、そして女が…。 
「助けが来ても意味なんかないね。 お前らぬるま湯に慣れきった連中に何が出来るっていうんだ」 
地を蹴った女が愛に肉薄する。 
34 :名無し募集中。。。:2011/02/20(日) 12:16:28.27 0
ひぃぃ。 
上げそうになった悲鳴を必死で堪えた愛は、女に対してスタンガンを行使しようとする。 
心臓からは狙いを外す。 
悪いけど、あんただって只者じゃないみたいやし。 
心の中で女に詫びる愛。 
女の唇が歪む。 
「私の能力は“反射”。 このチカラを発動している間、私に対して放たれた攻撃は無条件に跳ね返される」 
一体この女は何を言ってるの? 
意味がわからない。身体が痺れている。 
スタンガンから女の足に向かってスパークが伸びている。 
スパークは女の身体の直前で見えない壁に阻まれ、愛の身体に逆流している。 
110万ボルトの電圧が全身を走る。 
愛の手からスタンガンが落ちた。 
背中から倒れ落ちる愛。 
女の手が愛の腕を掴む。 
「能力者でも無い普通の人間を死なしちゃ、保田さんに叱られる」 
女の手は思ったよりも柔らかかった。 
その感触に優しさを感じた愛は、女の心を引き寄せようとするが、地面までの高さを見計った女はその手を振りほどいた。 
ゆっくりと地面に倒れた愛の目に、立ち尽くす恵里菜の姿が映った。 
真野ちゃん、ゴメン。 守ってあげれなくて・・・・・ 
35 :名無し募集中。。。:2011/02/20(日) 12:18:21.75 0
>>25-34 
『モーニング戦隊リゾナンターR 第??話 「半分エスパーの世界(前)」』 
後編は明日か明後日に頃合を見計って 
最近の話が長くなる傾向が自分でもウンザリです 
36 :名無し募集中。。。:2011/02/20(日) 14:32:38.10 0
よっしゃ後で読ませてもらうで 
37 :名無し募集中。。。:2011/02/20(日) 16:44:44.80 0
半分エスパーのドラマとi914のエピソードを思いっきり大胆に融合させたものだと思う 
能力者でない愛ちゃんがどう真野ちゃんを守るのか 
後編を待っている 
38 :名無し募集中。。。:2011/02/20(日) 16:54:36.90 0
>>35 
半分エスパーをちゃんと見てたら逆に書けなかったかもしれない物語ですねw 
しかしながら愛佳のキャラなんかは見事にドラマで見たままでw…まさに「融合」という感じがします 
ドラマのガッカリ部分を埋めてもらえるかもしれないと期待して後編を待ってます 
しかしまさかこんな形であの人が登場してくるとは… 
39 :名無し募集中。。。:2011/02/20(日) 18:53:33.43 0
半分アゲ! 
40 :名無し募集中。。。:2011/02/20(日) 19:21:08.21 0
>>35 
シリーズの前半戦は吉澤さんが狂言回しの役割を担ってたけど後半戦は麻琴がキーパーソンになりそうだ 
完結編楽しみにしてます 
41 :名無し募集中。。。:2011/02/20(日) 20:45:56.56 0
全部あげ 
42 :名無し募集中。。。:2011/02/20(日) 22:10:00.58 0
よっしゃ上げとくで 
43 :名無し募集中。。。:2011/02/20(日) 23:24:54.39 0
少し早いけど寝るナンター 
44 :名無し募集中。。。:2011/02/21(月) 00:12:28.58 0
http://www.youtube.com/watch?v=Cno5lPfdAUY 
「リゾット・ブルー」 
くだらなさ過ぎてワロタwww 
45 :名無し募集中。。。:2011/02/21(月) 00:31:07.94 O
>>44 
このスレに影響されたわけじゃないでしょうけど 
まさかこういうのがあったとはw 
早速マスターに報告だっ。 
46 :名無し募集中。。。:2011/02/21(月) 00:37:37.71 0
>>44 
おもしろかったw 
47 :名無し募集中。。。:2011/02/21(月) 01:59:03.19 0
重い娘によく見られるってww 
48 :名無し募集中。。。:2011/02/21(月) 04:39:11.07 0
おやりじょ 
49 :名無し募集中。。。:2011/02/21(月) 05:37:04.10 O
>>35 
マイケル・J・フォックス(仮名)がツボでした 
半分エスパー懐かしい 
50 :名無し募集中。。。:2011/02/21(月) 07:43:25.82 O
何で分かるんですか 
エスパーですか 
51 :名無し募集中。。。:2011/02/21(月) 09:39:28.10 O
(仮名)という所がヒントっぽくもありますよねw 
52 :名無し募集中。。。:2011/02/21(月) 12:00:42.07 0
>>35の続き 
本当は前後編もなく全体で5レスぐらいにおさめるつもりだったのにこんな有様になったことに愕然としてる。 
【注意】 
半分エスパーに関する知識はwikiで調べた情報が頼りです 
愛佳とマイケル・J・フォックス(仮名)の登場回はつべでちらりと見ました 
ドラマ「半分エスパー」において、愛ちゃんは能力者じゃなかった、よね? 
恵里菜がテレポートしてるのは予告編か何かで見たけどそれ以外の能力って何かありましたっけ? 
その程度の認識の人間が書いたってことだけは判っておいて欲しい 
53 :名無し募集中。。。:2011/02/21(月) 12:00:59.31 0
( ・e・)<カメー! 
ノノ*^ー^)<……… 
54 :名無し募集中。。。:2011/02/21(月) 12:01:25.52 0
                    ・ 
                    ・ 
                    ・ 
苦しい。 
心臓は波打ち、肺は悲鳴を上げ、体中は冷え切っている。 
気がつけば私は分厚い強化ガラスに囲まれていた。 
ガラス越しに私を観察する白衣の研究員たち。 
その背中越しには今私が閉じ込められているよりも小さな水槽が見える。 
その内部は水で満たされている。 
戻ってきたんだ、夢の世界に。 
現実の世界でパーカーの女に襲われていた真野恵里菜を守ろうとして、果せなかったという認識が明確にある。 
スタンガン、110万ボルトの電撃、“反射”能力による反撃。 
自分の知らない能力を持った人間が存在することを知った愛は自分を責める。 
これまで上から与えられた仕事をこなして、時間が来ればプライベートに戻って、お食事して、買い物して、たまに合コンに参加して。 
そんなお気楽な日々を過ごしてきた結果がこの有様だ。 
真野ちゃんのことを守れず、失神させられてしまった。 
恵里菜のことを救うために、夢から覚めようとする愛だったが、研究員たちの声がそれを阻んだ。 
―素晴らしい。 あの検体は確かに空間を跳躍したぞ。 能力発動の瞬間の映像と脳波の記録は出来ただろうな。 
―勿論だ。 しかし何とかして跳躍中の脳波を記録できないものか。 小型のチップを脳に埋め込むわけにはいかないのか。 
―現状では無理だ。 能力の発動にどんな影響が出るか判らない。 それに粒子化した肉体を再構成する過程で異質の… 
―脳波を解析して、検体の粒子化の過程を記録した映像とシンクロさせるんだ。 脳のどの領域で粒子化を… 
―何はともあれ、祝杯を上げよう。 プロジェクト“i”の新しい一歩に。 
55 :名無し募集中。。。:2011/02/21(月) 12:02:07.45 0
この夢の中は…地獄だ。 
強すぎるチカラを持つ恵里菜に対して抱いた負のイメージがこんな夢を私に見せているのだろう。 
夢だと判っているから耐えられるけど、そうじゃなきゃ狂ってしまう。 
分厚いガラスは外の音声をカットする働きをしているようだ。 
しかしそんな機能とは関係なく、研究員たちの思考が愛の心の中に飛び込んでくる。 
“こくえけん”はエスパーをこんな目で見たり、実験動物みたいに扱ったりはしない。 
でも世界にはエスパーを悪用しようという集団が存在していることを愛は知っている。 
エスパーのチカラが強ければ強いほど、そこに利用価値を見出す非道な連中。 
あのパーカーの女もきっとそんな連中の一味なのだろう。 
                    ★ 
「ひどい」 
パーカーの女を詰る恵里菜。 自分を守ろうとして女に倒された愛のもとに駆け寄りたいのだが、それを阻む事情があった。 
女のチカラで自分が傷つくことが怖いのではない。 
「ひどいって何がさ」 
女が心外そうな表情を装う。 
「だってあなたは高橋さんをそんなにひどい目に遭わせて。 それに街もこんなに壊して!!」 
パーカーの女は自分を糾弾する恵里菜に向かって右手の人差し指を掲げると左右に振った。 
「今の見てなかったっけ?。 私はこの女がいきな使ってきたスタンガンの電撃を跳ね返しただけ。 
ラジオ局や街を壊したのだって私じゃない。 壊したのは真野ちゃん。 君のサイコキネシスじゃないか」 
56 :名無し募集中。。。:2011/02/21(月) 12:02:49.82 0
女の冷静な指摘に対して恵里菜は反論する。 
「でも、それはいきなり現れたあなたが私のことを…」 
「そう。 私は君をいるべき場所に誘うためにわざわざこの世界にやって来た。 “半分エスパー”の世界にね」 
                    ★ 
―しかし検体“i914”の不安定すぎる。 いくらスペックが高くてもこれじゃ実戦で運用できない 
―実戦への投入は考えなくていい。 評議会の年寄り連中を納得させられるだけのデータが存在すればプロジェクトは続く。 
―それはデータを改竄しろということか。 
―存在すればいいと言った。 後は察しろ。 
―とにかく第一線における運用プランが必要だ。 
―こんなのはどうだ。 あまりにも圧倒的過ぎる検体“i914”を補完し、牽制する為に能力者のチームを組ませるんだ。 
―“i914”を制御するためのマインドコントローラー。 暴走による負傷をカバーするためのヒーラー。 
―それなら一人面白いのがいたぞ。 北信越の統括から報告があった小川麻琴という“反射”能力者。 “i914”に年齢も近い。 
―お前どうかしてるぞ。 検体に年齢なんて無いだろう。  
―最強の“i914”に対するカウンター、いや安全装置としての、無敵の“m1029”か。 悪くない。 
57 :名無し募集中。。。:2011/02/21(月) 12:03:32.22 0
何とかこの悪夢から覚めて現実の世界に戻らないと。 でも戻ったってエスパーでもない普通の人間の私に何が出来る。 
無力感に苛まれながら、恵里菜のことを守りたいという気持ちには揺るぎは無い。 
真野ちゃんはまだ半分エスパーなんだから大人の私が守ってあげないと。 
ガラス越しの研究員たちの狂騒をよそに、愛は自分の指先を見つめる。そして… 
                  
                    ★ 
「この世界は君のいるべき場所じゃない。 君だってそう思ったことはあるだろう?」 
「そんなことありません。 色んな人との出会いを与えてくれたこの街のことが好きなんです」 
「そんなにこの街のことを大切に思うんなら、尚更この世界を離れなきゃいけないね。 何たって…」 
パーカーの女は少し間を置くと、恵里菜の表情を見つめ自分の言葉がどれだけ恵里菜に浸透しているか確認する。 
「この辺りをこんなに壊しちゃったのは、“半分エスパー”真野恵里菜ちゃんが発動したサイコキネシスに他ならないんだから」 
パーカーの女は暴力に訴えることなく同行を求めた自分に対して、強烈なサイコキネシスを発動させた恵里菜のことを揶揄した。 
「私はたまたま“反射”というチカラを持っていたからこうして無事だけど、もしそうでなかったら今頃はああなってた」 
女は横転した車や無残に歪んだ自販機を指差す。 
「でも真野ちゃんってそんなにカワイイ顔して、実はとてつもないSなんじゃないの」 
「私はただ、あなたのことが」 
「怖かったんだろうね。 自分を守る為に真野ちゃんはチカラを使っちゃったわけだ。 それは判るよ。でもね、真野ちゃん。  
もしも私が誰かに脅されて真野ちゃんを連れに来たとしたら。 そしてそんな私を自分のチカラで傷つけていたとしたら君はそんなに平気な顔をしていられたかな」 
58 :名無し募集中。。。:2011/02/21(月) 12:04:18.09 0
冷たい笑いを浮かべながら自分を指弾する女のペースに恵里菜は巻き込まれていく。 
「鞘から抜いた日本刀を手にして、満員の通勤電車に乗り込めばどうなると思う? 
ニトログリセリンを積んだF1カーで一般の道を全速力で走ったらどうなると思う? 
ウサギを何百匹と入れたケージにライオンを放てば何が起こると思う?」 
恵里菜は思わず息を飲んだ。 
「君のチカラは強すぎる。 強すぎる君のチカラに比べて君自身はまだ未熟すぎる。 だからこそ君は“半分エスパーなんだよね”」 
これまで冷たかっただけの女の声にどこかしら温かいものが混じったように恵里菜には感じられた。 
「行こう。 君には正しい道を指し示してくれる存在が必要だ」 
「正しい道?」 
「そう、君を世界を救う存在へと導く道。 君はそのチカラで世界を救うんだ。 もしもこのままこの世界に留まったなら、真野ちゃん。 
君は君が愛した人たちを傷つけてしまう。 君自身のそのチカラでね。 だから、行こう」 
女が手を差し出した。 
恵里菜は躊躇いながら、女に近づこうとする。 
「違う・・・・」 
喉の置くから搾り出すよな声がした。 
「高橋さん!」 
恵里菜はその声の主に駆け寄った。 
そしてふらつきながら、よろめきながら立ち上がろうとする愛に手を貸した。 
59 :名無し募集中。。。:2011/02/21(月) 12:04:59.63 0
「高橋さん、口から血が」 
愛の口元が血で汚れていた。 
よく見ると左手の中指と薬指の爪が剥がれている。 
「高橋さん、一体何が?」 
恵里菜の問い掛けには答ることなく、目の前の女を睨む。 
「チカラが人を傷つけるんじゃない。 人を傷つけるのは人だ。 だから真野ちゃんは決して人を傷つけたりはしない」 
そう言うと真野の手を振りほどいて、女に向かって歩み寄る。 
「だから真野ちゃんは私が守!?」 
女の“反射”によって弾き飛ばされる愛。 
その身体は愛佳を追い越して現場に到着したマイケル・J・フォックス(仮名)にぶつかり…。 
「イテテ、どうもすいません」 
自分の身体の下敷きになったマイケル・J・フォックス(仮名)を気遣う愛。 
当のマイケル・J・フォックス(仮名)はというと。 
「思い出しました。 思い出しました。 私の名前は亀井絵里っていうんですよね?」 
―やっぱりアホだ。 
マイケル・J・フォックス(仮名)こと亀井絵里が無事だったことに安心しながらも、パーカーの女の動向を窺う。 
女は…愛の醜態を見ながらニヤニヤ笑っていた。 
60 :名無し募集中。。。:2011/02/21(月) 12:05:46.95 0
「さっき説明してあげたのに。 私に対する攻撃を跳ね返すって。 学習効果が無いね。 全く高橋愛っていうのはどの世界でも」 
「何であんたが私の名前を知ってる?」 
面識の無い女が自分の名を知っていることを問い質す愛。 
「そんなことはどうだっていい。 お前は面白いことを言った。 チカラが人を傷つけるんじゃない、人が人を傷つけるって」 
その言葉に対して何か答えようとする愛のことを制して女は続けた。 
「じゃあ、人を傷つけた人間を。 人を壊した人間のことを憎んでもいいってことだよな。 
いや、そいつは人の形はしていても人じゃない。 化け物だ。 答えろよ高橋愛。 私の心はもう決まってるけどお前の口から聞きたい」 
― 何故そんなことを自分に訊くのか女の真意が全く読めない。 
  ただエスパーでない自分が目の前の女には到底敵わないということは身に染みて判っている。 
  ならば、時間を稼ぐために 
「いや、人を憎むのは良くない。 そんなことをしたって何の解決にもならな・・」 
「じゃあその人の形をした化け物が大手を振って歩いてるのを黙って見てるしかないのか。 
償いようのない過ちを犯した化け物が誰に咎められることもなく、大切な場所や仲間を手に入れてのうのうと生きているのを指をくわえて見てろと言うのか」 
― 今この女が言っているのは自分の身に起こったことなんだ。 だからこの女の目はとても暗くて、哀しくて。 
「あんたの身の上に何があったのか私には判らない。 でもあんたがとても辛い目に遭ったことはあんたの目を見たら判る」 
愛の言葉に女の顔は険しさが増した。 
61 :名無し募集中。。。:2011/02/21(月) 12:06:29.05 0
「でも聞いて。 あんたの目には世界は憎しみと哀しみで一杯に映ってるのかもしれない。 でも真野ちゃんの目に映る世界は喜びと希望に満ち溢れている。 だから…」 
真野ちゃんの心を惑わせるようなことはしないでと言おうとした愛の身体は、女の蹴りを喰らって吹き飛ばされた。 
「お前が言うなぁぁぁ!!」 
愛を蹴り飛ばした女は暗い目で恵里菜を睨んだ。 
「私と一緒に来るんだ。 さもないとそいつを、高橋愛を…」 
テレポーテーションを発動させた恵里菜が倒れた愛の元に跳び女と対峙していた。 
「そいつを守ろうっていうのか。 面白い。 だがお前に何が出来る。 お前のチカラは私には通用しない。 
お前の力が最高のスペックを誇ったとしても、お前の拳は私に届かない。 お前が“最高”ならば私は“無敵”、おい、お前!!」 
「高橋さん!」 
折れ曲がった標識につかまりながら愛が立ち上がろうとしていた。 
「私の蹴りで肋骨の2,3本は持ってかれたろうに。 それに立ち上がったところでお前に何が出来る。 能力者でもないお前には何も出来ない」 
「出来る。 人は皆心に無限の可能性を抱いた半分エスパー。 やると決めたことは何だってやれる!!」 
女に向かって愛は突き進んだ。 
62 :名無し募集中。。。:2011/02/21(月) 12:07:55.25 0
>>54-61 
『モーニング戦隊リゾナンターR 第??話 「半分エスパーの世界(中)」』 
>>25-34 
『モーニング戦隊リゾナンターR 第??話 「半分エスパーの世界(前)」』 
最後まで書き終わってますが、長々とスレを独占するのもアレなのでこの辺で止めます 
明日か明後日か良い日を見計って上げさせていただければなと思っております 
63 :名無し募集中。。。:2011/02/21(月) 13:13:15.93 0
あの脱力感漂うドラマをどう料理するかと思ってたら熱い展開じゃまいか 
続きを熱望しとるよ 
64 :名無し募集中。。。:2011/02/21(月) 16:28:13.59 O
後で読むからっ 
私はCだから! 
65 :名無し募集中。。。:2011/02/21(月) 19:02:17.60 O
いそがC… 
66 :名無し募集中。。。:2011/02/21(月) 19:22:07.07 0
>>62 
乙です 
ⅰ914の過去と半分エスパーの現在を巧みに繋いで見せていますな 
女の正体は見え見えですけど彼女が愛ちゃんとどんな邂逅を果たすのか 
後編をお待ちしております 
67 :名無し募集中。。。:2011/02/21(月) 21:10:17.13 O
おいおい 完成してるなら一刻も早く読みたいがな 
68 :名無し募集中。。。:2011/02/21(月) 22:18:34.55 0
うm 
69 :名無し募集中。。。:2011/02/21(月) 23:50:11.53 0
(⊃Å`)<寝るナンター 
70 :名無し募集中。。。:2011/02/22(火) 00:37:07.20 0
>>62 
続き待ってます 
71 :名無し募集中。。。:2011/02/22(火) 01:28:18.01 0
o´ゥ`リ 
72 :名無し募集中。。。:2011/02/22(火) 05:47:37.98 0
おはh 
73 :名無し募集中。。。:2011/02/22(火) 05:50:02.63 0
ある日、亀井絵里は病院の地下3階を訪れていた。 
(ここに来るのはあの事件以来か。) 
絵里が言うあの事件とはDr.マルシェが開発した細菌のためにリゾナンターをはじめ多くの人々が行動不能になった事件である。 
その事件はさゆみが細菌発生装置を止め、絵里とジュンジュンが血清の材料を確保したおかげで事なきを得た。 
しかし絵里にはひとつ気になることがあった。 
(どうしてれいなの写真があの部屋にあったんだろう。) 
絵里はあの時、地下三階でリゾナンターのメンバー・田中れいなの幼少期の写真を見つけたのだ。 
ずっと気にしていたのだが、さまざまな事件が立て続けに起こったことですっかり忘れていたのだった。 
ただ、れいなの過去についてはデリケートな事だと感じている絵里は本人に聞くのは気がひけたので写真があった病院の地下3階へと向かったのであった。 
「それにさゆの両親の病院になんで地下室があったんだろう?ロビーにそんな表示はなかったし。紺ちゃんの一件がなかったら絶対わからなかったよ。」 
様々な疑問をぶつぶつ呟いている内に問題の地下3階についた。 
かつてこの中で絵里を成長させる戦いが繰り広げられたのだ。 
「もう防衛機能なんて働かないよね・・・」 
ここの防衛装置として大型ロボットが絵里とジュンジュンの前に立ちはだかったが、新たな力に目覚めた絵里のおかげもあってなんとか切り抜けた 
74 :名無し募集中。。。:2011/02/22(火) 05:50:46.03 0
ガサッ! 
何か物音がした。 
それに絵里は驚いた。 
「何?何?まさかまたロボット!」 
絵里がおそるおそる部屋の中を覗くと・・・ 
「あれ?女の子?」 
そこには小学生ぐらいの少女が部屋の中をうろうろしていた。 
「ね、ねぇ・・・」 
絵里が声をかけると少女は鋭い目をして絵里を睨みつけた。 
(こ、怖っ!れいなみたい・・・) 
「ねぇ、あなたどうしたの?病院の患者さんなのかな?」 
「病人がこんなところでうろうろすると思いますか?亀井絵里さん。」 
「そうだよね、絵里何言って・・・ちょっと待ってあなたどうして絵里の名前を・・・」 
「そうですね、説明したいところですけど・・・ちょっと無理みたいです。」 
「えっ?」 
すると絵里の降りてきた階段の方から男が数人降りてきた。 
「え、何なんなの?」 
「ちょっと後ろにいてください。あの人たちの目的は私ですから。」 
「ちょっと、待って!」 
「大丈夫です。あなたより戦い慣れてますから。」 
75 :名無し募集中。。。:2011/02/22(火) 05:51:28.92 0
そういうと少女は男たちの方に向かっていった。 
「鞘師、俺たちと来るんだ。」 
「戻ったって殺すんでしょ。戻る気はない。」 
「仕方がない。お前の命はここでもらう。」 
男たちは一斉に懐から銃を抜く。 
「あ、危ない!」 
絵里がそう叫ぶのが早いのか。鞘師という少女は足を男たちの銃に向けて一閃した。 
パキン! 
すると男たちの銃が横に割れた。 
「くそっ!」 
男たちが悔しそうな顔をしていると少女はいつの間にか男たちの懐に入り、全員に拳をぶつけ、悶絶させていた。 
「す、すごい。あの早さ愛ちゃん並だ。」 
少女の戦闘はまるで瞬間移動を駆使して敵を倒していく愛のように見えた。 
絵里が感心していると少女は男のひとりに近づいた。 
「私を倒そうって言うんならもっと腕の良い人を派遣することね。さっきは殴るだけにしたけど今度は・・・」 
少女は腕を振り上げて、まるで突き刺すような態勢をとった。 
「ちょっと、何してるのよ。」 
「殺すんです。死体にして相手を怯えさせるんです。二度と私に手を出させないように。」 
少女は表情を変えずに恐ろしいことを言っている。 
そして少女は腕を動かした。 
76 :名無し募集中。。。:2011/02/22(火) 05:52:10.85 0
「だめ!」 
絵里の叫びに少女は腕を止めた。 
「だめよ、そんな簡単に命を奪ったら・・・その人にも家族がいるかもしれないじゃん。いくらあなたを襲ったからって命を奪ったら帰ってこないんだよ。それにまだ小さいあなたが命を奪うなんてそんなのないわよ。」 
「甘いですね。」 
「えっ?」 
少女は薄らと冷たい笑みを浮かべている。 
「そんな事が甘いのはリゾナンターとして戦っているあなたが一番わかっていると思ってましたけど。その歳で甘い事を言っててはずかしくないんですか?」 
「甘い?」 
「戦いは非情です。殺すか殺されるかの世界なんですよ。命がどうのこうの言っていたら闘えま・・・」 
バシッ! 
絵里は少女の頬をビンタしていた。 
「命を守るが甘い考え・・・冗談じゃないわよ!絵里たちは殺し合いをするために戦っているんじゃない!命を・・・そこから生み出される未来を守るために戦ってきたのよ!」 
絵里にビンタされた少女はそのまま階段へと進んだ。 
「ちょっと、待って。この人たちどうするのよ。」 
「ほおっておいても自分たちから姿を消します。全員殺すつもりでしたけど、あなたに免じて命だけは勘弁してあげます。」 
77 :名無し募集中。。。:2011/02/22(火) 05:52:54.33 0
少女と絵里は病院の外に出た。 
「ねぇ、あなた名前は?鞘師っていうのが聞こえたけど。」 
「鞘師里保。」 
「へぇー里保ちゃんか。ありがとうね、あの人たちの命救ってくれて。」 
「リゾナンターってあなたみたいに甘い考えの持ち主の集まりなんですか?」 
「えっ、まぁそうかな?でも、みんな強いよ。絵里だってそういう思いを持っているから強くなれたし。そういえばあなたどうして絵里の事を知っているの?」 
「あなただけではありませんよ。ほかのリゾナンターのみなさんのこともある程度知ってます。戦闘相手としてデータを見てますから。」 
「戦闘相手って?」 
「あの病院に行ったのもあなたと道重さゆみ、田中れいなに関することの調べていたんです。実は私・・・」 
「実は?」 
「対リゾナンター戦士。あなたたちを倒すために自衛隊に育てられたんです。ちなみに亀井さん、さっきビンタしましたけど、私が能力を解除していなかったら・・・」 
すると里保は近くの鉄柵に手を振り下ろした。 
スパッ! 
すると鉄柵が真っ二つに切れた。 
「手が真っ二つになってましたよ。」 
78 :名無し募集中。。。:2011/02/22(火) 05:53:36.10 0
絵里に寒気が走った。 
さきほどの男たちの銃が切られていたことは気になっていたけど、この子自身の体で切っていたとは。 
「この斬体化の力は対リゾナンター用に人工的に植え付けられたんです。今度からは下手に触らない方がいいですよ。まぁっみんな、怖がって握手もしないでしょうけど。」 
里保がそのままどこかに行こうとすると絵里が里保の手を掴んで引っ張った。 
「えっ、ちょっと何するんですか!」 
「行こうよ、喫茶リゾナントへ。」 
「何考えてるんですか!私はあなたたちと戦うために訓練されたって・・・」 
「でも、あなたは良い人だよ.絵里の言うことを聞いてくれたし。あなたは自分の事をあえて嫌われ者になろうとしているけど、本当は違うんでしょ。さっ、会わせてあげるよみんなに・・・」 
「ちょっと!」 
(この子は救ってあげないといけない。この子は絵里と同じなんだ、自分の力で関係ない人が傷つかないようにあえて遠ざけている。私たちなら救えるはず。たとえ私たちの敵なんだとしても・・・) 
絵里は急いでリゾナントへ向かった心のうちに深い悲しみを抱える少女を救うために・・・ 
79 :名無し募集中。。。:2011/02/22(火) 05:56:02.73 0
>>73-78 
「新たなる出会い 鞘師里保 編 」でした。 
どうもリゾクラ作者です。 
作者が何パターンも設定を考えてしまった鞘師里保ちゃんの登場回です。 
実はここに投稿する数時間前にできたホクホクの作品なのでおかしなところがあるかもしれません。 
ちなみにすでにほかの作者さんで出ている水限定念動力や水軍流はどこかで織り込んでみたいなと思っています。 
今回は「Eri-Jun](07)100『Orange-Aid』という作品にリゾナントしました。 
------------------------------------------------------------------------ここまで 
したらばの【アク禁】スレからの転載でした 
80 :名無し募集中。。。:2011/02/22(火) 06:39:00.55 0
斬人といえばMr.1を思い出したよw 
81 :名無し募集中。。。:2011/02/22(火) 08:28:17.90 0
>>79 
斬体化という能力と鞘師という姓が上手く繋がってると思う 
新メンバーの能力の並列化にまた新しいラインナップが加わったのか 
82 :名無し募集中。。。:2011/02/22(火) 11:21:45.86 0
むむ 
83 :名無し募集中。。。:2011/02/22(火) 12:35:38.23 0
リホー・リスキニハーデン・セイバー・フェノメノン 
84 :名無し募集中。。。:2011/02/22(火) 13:56:18.19 0
来訪者がいるな 
85 :名無し募集中。。。:2011/02/22(火) 14:46:31.94 O
>>79 
えりりんの優しさと暖かさ そして強さが伝わってきた 
リゾナンターと出会ってこれから鞘師がどう変わっていくのか楽しみだ 
86 :名無し募集中。。。:2011/02/22(火) 17:46:27.86 0
>>79 
乙です 
カメと鞘師 
現実ではまずお目にかかれない顔合わせを堪能させてもらいました 
87 :名無し募集中。。。:2011/02/22(火) 19:30:10.00 0
誤って斬体化して傷つけることを恐れ他人の手を握ることを拒む鞘師 
非物質化する自分なら大丈夫だと鞘師の手を取る香音で話が浮かびかけた俺が上げとくよ 
88 :名無し募集中。。。:2011/02/22(火) 19:51:08.27 0
9期4人でホームドラマの構想をふと思いついた 
89 :名無し募集中。。。:2011/02/22(火) 20:05:49.87 0
ユーたち書いちゃいなyo 
90 :名無し募集中。。。:2011/02/22(火) 20:10:03.26 0
もはや完全に別スレだなw 
91 :名無し募集中。。。:2011/02/22(火) 20:12:10.74 0
じゃあ書くのやめとこうw 
92 :名無し募集中。。。:2011/02/22(火) 20:43:55.48 0
いやいやゴメン否定的な意味で言ったわけではなかったんだけどね 
あまりにもスレタイ関係ねーってのがおもしろくてw 
93 :名無し募集中。。。:2011/02/22(火) 20:47:21.16 0
読みたいの 
94 :名無し募集中。。。:2011/02/22(火) 22:05:01.66 O
まぁスレタイの通りの作品もよし。 
新メンバーと当時のメンバーを 
絡めるのもよしって事で。 
95 :名無し募集中。。。:2011/02/22(火) 23:45:13.76 0
ホゼ 
96 :名無し募集中。。。:2011/02/23(水) 00:39:00.25 O
夢を見るのさ 
97 :名無し募集中。。。:2011/02/23(水) 02:08:13.92 O
LOVEセンチュリー 
98 :名無し募集中。。。:2011/02/23(水) 04:44:08.88 0
>>62の続き 
どちらかというとOG寄りの内容だということだけは判っておいて欲しい 
99 :名無し募集中。。。:2011/02/23(水) 04:44:52.83 0
女は“反射”の能力を解除していた。 
相手は能力者ではない普通の人間。  
鍛錬を重ねたわけでもないOL程度の体力しか持ち合わせていない女。 
そんな女の攻撃を防ぐのにチカラの発動は必要ないと思ったかだらが、それだけではない。 
― あいつと同じ姿をしたお前を壊してやる。 お前の力を利用するのではなく、私自身の拳で壊してやる。 
苛立ち、怒り、憎しみが女を動かしていた。 
― ふん。 遅いし、狙いが見え見えなんだよ。 えっ!! 
愛の動きを見切っていた女。 だが一瞬愛の姿が消えたように見えた。そして…。 
女の予測を超えてその眼前に接近した愛の拳が炸裂した。 
― こいつ、跳んだのか。 今確かにテレポートしたぞ。 
事前に得ていた情報からは有り得ない愛の動きに驚きながらも、優れた運動神経で回避行動を取る。 
間に合ったはずだった。 
鍛え上げられた女なら、愛の拳に空を切らせることは容易いはずだった。 
しかし女は見誤ってしまった。 
愛の経験値の無さを。 
人間が繰り出すことの出来る最速レベルの打撃なら女は回避しただろう。 
だが“こくえけん”の所長秘書として働き、誰かに拳を振り上げたことの無い愛の拳は遅かった。 
恵里菜を守るという決意は秘められていたが。 
予測を遥かに下回るスピード、威力の愛の拳は結果的に女の裏をかいた。 
へなへなの拳が女の顎を掠めていく。 
100 :名無し募集中。。。:2011/02/23(水) 04:45:35.05 0
― やばい。 脳が揺れた? 
虫も殺せないような愛のへなちょこパンチを受けて、平衡感覚を一瞬失いかけた女は大きく体勢を崩し、倒れそうになる。 
拳を振るった愛が信じられないような表情でその様子を見ている。 
― くそっ、こいつなんかに。 
素人同然の愛に倒される醜態だけは見せたくないと、体勢を立て直そうとした女はよろめいた場所にあった標識につかまった。 
その標識も先刻発動した恵里菜のサイコキネシスによって劣化していたのか、女の体重を受けて、曲がり、折れた。 
「あははははははははははははははは」 
折れた標識を手にしながら、笑い出だす女。 
その狂騒を痛ましそうな目で見つめる愛と恵里菜。 
「高橋さん、大丈夫ですか」 
「大丈夫やないよ、真野ちゃん」 
二人の間に束の間の安堵の空気が流れる。 
「あははははっ。 面白い。 こうでなくっちゃ。 こうこなくっちゃ、面白くない」 
漸く笑いを終えた女が、愛たちを見た。 
― やばい。 あの女イッちゃってる。 
愛が恐れたのも無理はない。 
女に瞳には狂気の焔が宿っていた。 
101 :名無し募集中。。。:2011/02/23(水) 04:46:15.31 0
「いいねえ、高橋愛。 今お前は確かにテレポーテーションの能力を発動した」 
「いやっ。 私そんなつもりとか全然」 
「否定することはない。 私がこの目で見たんだ。 でもこれで限定解除だ。 お前が能力者であるなら手加減抜きだ。 私から仕掛けてお前を潰す」 
― ひぃ。 とんでもないことになった。 
愛には能力を発動したという意識はない。 
ただ恵里菜のことを守るという決意だけで突き進んだだけだった。 
自分が女の“反射”能力の盾を打ち崩せるとは思ってもいなかった。 
少しでも女を引きつけて、恵里菜が逃げる隙を作れればいいと思っただけだった。 
折れた標識を振り上げて、女が迫っていた。 
傍らの恵里菜に告げる、女に攻撃を仕掛けず、逃げろと。 
恵里菜は愛を置いて逃げることなど考えてはいなかった。 
“こくえけん”で愛からこう教わった。 
「真野ちゃん。 一日でも早く一人前のエスパーになりなさい。 そしてそのチカラで困ってる人を助けてあげなさい」 
そう教えてくれた愛を見捨てることなんて出来るはずなかった。 
愛にもそんな恵里菜の気持ちは伝わった。 
― 別にエスパーでなくたってそれぐらいわかる。 
  この子を未来に導くのが私の仕事。 
  神様、私にもう一度だけ勇気と力を。 
  女が標識を振り下ろす前に懐に飛び込む。 
102 :名無し募集中。。。:2011/02/23(水) 04:47:12.16 0
女には愛の意図はお見通しだった。 
恵里菜を突き飛ばすようにして自分に向かってきた愛を見てほくそ笑む。 
― さよなら、高橋愛。 
振り下ろすと見せかけていた標識を槍のように突き出す。 
恵里菜のサイコキネシスで劣化していた上に、女の体重を浴びて折れた標識の柱部分の先端はささくれ立っていた。 
その先端が愛の胸に刺さろうとした。 
その時、闇色の光が広がり、時間が静止した。 
愛が、恵里菜が、マイケル・J・フォックス(仮名)こと亀井絵里が、ようやくこの場に到着した光井愛佳が、遠巻きにこの戦いを見ていた野次馬が。 そして愛を壊そうとしていたパーカーの女が。 
全てのものが動きを止めた。 
音の消えた世界を一人の女が歩いてくる。 
一切の感情を何処かに捨ててきたような女。 
高い知性を窺わせる貌。 
もしも、パーカーの女がその女を見ればこう呼んだだろう。 
「保田さん」と。 
野次馬や横転している車。  
あらゆる障害物を悠然と回避して愛たちのいる地点に到達した保田は、標識の槍で愛を突き刺そうとしている女の腕に触れた。 
その瞬間パーカーの女の時間が動き出す。 
「保田さん。 どうしてここへ」 
「ねえ、小川。 私のやろうとしていることはその過程で無辜の人たちの命を限りなく奪ってしまう。  
だからこそ避けられるなら流血の事態は避けなさい。 特に無能力者の血を流すことは。 この世界に送り出す前に言ったはずよ」 
「離してください、保田さん。 こいつは確かに瞬間移動して私に攻撃してきた」 
103 :名無し募集中。。。:2011/02/23(水) 04:47:55.03 0
「だからって、あんたに危害を加えられたとは思わないけどね」 
保田は小川の腕から手を離すと動きを止めた愛の前に立ちはだかる。 
「そこを退いてください、保田さん。 そいつは、そいつは!」 
「あんたがその気になれば私の制止なんて意味はない。 やりなさい、あんたのやりたいようにやりなさい。でもね」 
「で、も…」 
愛への敵意は消えないながらに、保田の言葉の続きを待つ。 
「本当にそれがあんたの望みなの。 瞬間的に能力の萌芽を見せたとはいえ、あんたの足元にも及ばない無能力の女の命を奪ってそれであんたは満足なの?」 
小川の身体が震えだす。 こみ上げる感情を抑えるように。 
「私はあんたが血に餓えた殺戮者でも、復讐の念に取り付かれた復讐者であっても構わない。 でも小川、あんたはそれでいいの?」 
「や、保田さん」 
小川の身体の震えが大きくなる。 
そんな小川を見つめながら保田は話し続ける。 
「この壊れかけで不安定で移ろいやすい世界の中で自分を見失ったら、あんたはあんたでいられない。 きっと泡のように消えてしまうわよ。 
それでもいいの、小川。 あんたの望みは何。 あんたは一体何がしたかったの? 何になりたかったの?」 
小川の手から標識が落ちた。 
跪き、両腕で地面を叩き思いのたけを吐き出す。 
「ヒーローになりたかった。 私は世界を救うヒーローになりたかった。でも、でも・・・・」 
104 :名無し募集中。。。:2011/02/23(水) 04:48:37.42 0
言い終わり、慟哭する小川を見つめながら保田は街の破壊状況を観察する。 
― 真野恵里菜の強烈なサイコキネシスを本人にダメージを与えることなく見事に反射しているわね。 
  街の建物にしたって、反射を拡散させることによって最小限のダメージに抑えている、この子は。 
自らも跪き、小川の肩に手をかける。 
ひっ、と声を上げる小川に静かに語りかける。 
「一緒に世界を救いましょう。 私たちのことをヒーローと呼ぶ人はいない。 死神や悪魔と罵る人はいてもね。 
でも私は世界を救ってみせる。 私や私の仲間の生きている世界を救ってみせる。 そして、そこにはあんたもいて欲しい」 
小川の慟哭が収まるのを待って、立ち上がるように促がす。 
「行きましょう。 もうこの世界には用はない」 
「で、でも真野恵里菜はどうするんですか」 
「彼女が闇に堕ちたなら、最高の能力者として働いてもらうつもりだったんだけどね」 
そう言うと歩き出し、愛に向かって手を差し伸べた状態で静止している恵里菜の傍らで立ち止まる。 
「でも残念ながら、彼女は闇に堕ちなかった。 洗脳したり、脅迫して働かせることは出来てもそれじゃ意味はない。 
自らの意志を持たない能力者なんて私のやることの役になんて立たない」 
「でも…」 
どこか不満そうな小川を伴って、その場を後にする保田。 
105 :名無し募集中。。。:2011/02/23(水) 04:49:21.24 0
「この子が味方になってくれたら、あんたの負担も減ると思ったけど」 
「頑張ります。 保田さんのためなら私」 
そんな小川の肩を叩くと、世界と世界の壁を超えるための転送ポイントに誘いながら、指を鳴らした。 
― そして、時は動き出す。 
「お、あわわわ」 
標的を見失い、バランスを崩し倒れる愛。 
そんな愛に向かって手を差し伸ばしていた恵里菜もまた倒れ、愛のお尻に顔を埋める。 
「うわっ、重い」 
「失礼です。 私そんなに重くありません」 
身を起こし顔を見合わせる二人。 
「ちょっとどいて、どいて」 
今頃になって愛に追いついた愛佳が二人に折り重なるように倒れ…。 
「重い」  
愛と恵里菜の口から同じ言葉が飛び出した。 
「しっつれいやな、あんたら。 特にあんた、食い逃げの分際で何て言い草や。 出るとこ出よか。 無銭飲食で捕まったら今の職場首になるで」 
「それは困ります。 今の職場お給料も良いし」 
106 :名無し募集中。。。:2011/02/23(水) 04:50:07.22 0
愛の慌てぶりを見ると、愛佳の顔が笑いでほころんだ。 
「冗談やがな。 そっちの姉さんのことが心配やったんやろ。 そんな人から金取るほどウチはえげつのうないでぇ」 
良かったと胸を撫で下ろす愛と恵里菜。 
「訳も判らんと走ってきたら、お腹がすいたで。 ほなもう一度店に帰って飯にしよか。 勿論ウチのおごりやで」 
「やったぁ」と手を叩く恵里菜の無邪気な様子を見ながら、愛は故郷の母親にお見合いを断る決心がついた。 
― お母さん。 私故郷には帰れません。 ここには私を必要としてくれる半分エスパーがいる。 
  この子を助けて、教えて、導いて、私も成長していく。 だから…ゴメン。 もうちょっとの間だけわがままを許して。 
愛佳の喫茶店に向かい歩き出した三人を亀井絵里がぽけーと突っ立って見ている。 
その所在無げな様子に愛は思わず声をかける。 
「えっと、亀井絵里さんやったね。 あんたも一緒に来ない」 
「すっごい。 何で私の名前判るんですか。 ひょっとしてあなた、エスパー」 
― アホや。 この女掛け値なしのアホや。 
すっごい、すっごいと騒ぎ立てる亀井絵里をあしらいながら愛は思う。 
人はみんな心に無限の可能性を抱いてる。  
真野ちゃんにも、私にも、そしてあの人にだって。 
自分の命を奪おうとまでした女のことを思いながら、恐れや憎しみは覚えていない。 
ただ、ただ、心が疼いていた。 
あの人はいったい……。 
107 :名無し募集中。。。:2011/02/23(水) 04:51:48.21 0
以上 
>>99-106 
『モーニング戦隊リゾナンターR 第??話 「半分エスパーの世界(後)」』 
>>54-61 
『モーニング戦隊リゾナンターR 第??話 「半分エスパーの世界(中)」』 
>>25-34 
『モーニング戦隊リゾナンターR 第??話 「半分エスパーの世界(前)」』 
判りづらいという自覚はありますが早朝のホゼナントとして許してもらいたい 
108 :名無し募集中。。。:2011/02/23(水) 06:34:03.38 0
乙です! 
どうなるかハラハラしました 
緊迫感のある展開でしたが 
でも最後クスッとさせられてw 
109 :名無し募集中。。。:2011/02/23(水) 08:23:40.84 0
謎を残しつつ段々ストーリーが動き出してる感じだね 
110 :名無し募集中。。。:2011/02/23(水) 12:03:13.03 0
>>107 
あのゆるいドラマが元だとは思えないほどのシリアスで熱いストーリーでした 
あまり見ていなかったのがいい方向に働いたのかもしれませんねw 
名作コメディ『半分エスパーの脚本』のネタもちゃんと使われててさすがですw 
番外編同士も繋がりを見せ始めてシリーズの深化が進んできましたねえ 
この先どのように展開していくのかどんな世界が読めるのか楽しみです 
111 :名無し募集中。。。:2011/02/23(水) 12:30:05.74 0
完成度がパねえな 
112 :名無し募集中。。。:2011/02/23(水) 13:32:59.92 O
おいおい! 終わってないやんかぁ! 続く感満々やんけ! 
はように続きたのむでぇ! 
113 :名無し募集中。。。:2011/02/23(水) 15:26:38.34 0
色んな世界を繋ぐこと以上に熱さこそがこのシリーズの魅力だと思った俺が上げておこう 
114 :名無し募集中。。。:2011/02/23(水) 17:13:14.42 0
ふむ 
115 :名無し募集中。。。:2011/02/23(水) 17:51:53.96 O
スパイの憂鬱の世界すらあんだけ熱くできるんだもんなあ 
116 :名無し募集中。。。:2011/02/23(水) 19:32:11.81 0
うm 
117 :名無し募集中。。。:2011/02/23(水) 21:00:49.21 0
さて次なる世界は 
118 :名無し募集中。。。:2011/02/23(水) 22:33:40.55 O
さーて来週のサザエさんは 
119 :名無し募集中。。。:2011/02/23(水) 23:07:08.87 0
「リゾナンダーが消えた日」 
「ボスの正体」 
「9期がてんやわんや」の3本です。 
120 :名無し募集中。。。:2011/02/23(水) 23:10:46.26 0
Σノ|c|;・e・)<んがぐぐ…! 
121 :名無し募集中。。。:2011/02/24(木) 00:33:23.21 0
寝るナンター 
122 :名無し募集中。。。:2011/02/24(木) 00:54:50.76 0
>>119 
サザエさんがまさかの黒幕仕様w 
123 :名無し募集中。。。:2011/02/24(木) 00:57:22.10 O
もし磯野家の人々が超能力者だったら…みたいなアホなこと考えてしまった 
124 :名無し募集中。。。:2011/02/24(木) 01:26:39.70 0
フネさんがボスか 
125 :名無し募集中。。。:2011/02/24(木) 03:47:14.43 0
おやりぞ 
126 :名無し募集中。。。:2011/02/24(木) 05:18:35.27 0
目覚めたっちゅうねん 
127 :名無し募集中。。。:2011/02/24(木) 06:53:55.30 O
お魚くわえたリゾナンター 
128 :名無し募集中。。。:2011/02/24(木) 08:54:48.79 O
フネさんの友達近所のカメさん 
ノノ*^ー^)<マイケル・J・フォックスですよ? 
129 :名無し募集中。。。:2011/02/24(木) 11:50:36.60 0
ホゼネイター 
130 :名無し募集中。。。:2011/02/24(木) 13:21:16.50 O
翼があるなら翔ばなけりゃ 
131 :名無し募集中。。。:2011/02/24(木) 13:28:06.04 0
泳ぐ鳥よ 
お前の体は何で出来ているか知っているか? 
132 :名無し募集中。。。:2011/02/24(木) 13:38:49.63 O
飛べることに憧れるけど 
諦めずに歩くからヒトなんじゃない? 
133 :名無し募集中。。。:2011/02/24(木) 14:10:40.91 0
岡井ちゃんちゅっちゅ 
134 :名無し募集中。。。:2011/02/24(木) 15:27:18.18 0
何か高尚な会話が繰り広げられてると思ったら 
135 :名無し募集中。。。:2011/02/24(木) 17:29:11.16 0
JUMP!JUMP! TAKE OFF しようぜ! 
136 :名無し募集中。。。:2011/02/24(木) 18:03:32.34 0
 ■ デビルマッシャー -和田彩花・前田憂佳X後藤真希・矢口真里- ■ 
矢口真里は逃げだした。 
銃声と、怒号。 
先ほどまでの狂騒が嘘のように、夜の闇は静寂を取り戻していた。 
がすん…。 がすん…。 がすん…。 
漆黒の闇の中、何かが固いアスファルトに叩きつけられる音が響いてくる。 
いや漏れ聞こえる音はそれだけでは無かった。 
「あぁ…あぁ…やめ…やめろぉ…もうやめろよぉ…」 
声だ。悲痛な、どこか諦めにも似た、よわよわしい哀願のつぶやき…。 
闇に目が慣れれば、そこには三つの影が見えてくるだろう。 
小柄な女性がへたり込んでいる。 
迷彩の戦闘服、胸には突撃銃を抱え、足元には空の薬莢が無数に散乱していた。 
そしてその視線の先に、二つの折り重なった影。 
白いワンピースのドレスから、小麦色の、長く美しい手足をのぞかせた少女が、 
黒革のライダージャケットの女性の上にしゃがみこんでいる。 
馬乗り?そうではない。 
しゃがみこんだ少女の裸足は、仰向けに倒れた女性の胸部と腹部を無遠慮に踏みしだいていた。 
右手は無規則に動き回り、左手は女性の頭部へ。 
がすん…。 
137 :名無し募集中。。。:2011/02/24(木) 18:07:48.99 0
また、不快な音が闇に響く。 
その音は少女の左手から、 
がすん…。 
いや、そうではない。 
がすん…。 その音は…。 がすん…。 
その音は、女性の後頭部とアスファルトとの衝突音。 
がすん…。 がすん…。 がすん…。 
高速で叩きつけられた頭部がまるでバスケットボールのようにバウンドし少女の左手に吸いつく。 
そしてまた頭部が高速で射出され、アスファルトへ叩きつけられる。 
その繰り返し。 
138 :名無し募集中。。。:2011/02/24(木) 18:10:55.25 0
「こんなことって…ありえねぇ…ありえねえよ… 
さっきの『アレ』はなんだ? 
お前、さっき『何をした』んだ?なんで後藤の能力が… 
ご…後藤だぞ、後藤なんだぞそれ。お前…それをこんな…こんな簡単に… 
オイラと後藤を相手にして…こんなあっけなく… 
いやそうじゃない。 
何お前、普通に『 能 力 使 っ て る ん だ 』よ!ええっ? 
なんでオイラの【能力阻害(インぺディメント;impediment)】が効かないんだ? 
なんなんだ…なんなんだよぉお前ぇぇ…」 
ごしゃっ…。 
ついに女性の―後藤真希の後頭部は無残にはぜ…。一面に血と脳漿を撒き散らした。 
「やだなぁ…矢口さぁん。あやですよぉ彩。忘れちゃったのぉ?」 
少女は顔を上げない。 
動かなくなった後藤真希から目を離すことなく、 
その身体から降りることもなく、ゆっくりと立ち上がる。 
139 :名無し募集中。。。:2011/02/24(木) 18:13:36.42 0
「なんかぁ、『エッグ』の頃ぉ、彩たちとぉ遊んでくれたことあったじゃないですかぁ☆ 
彩、とーってもぉうれしかったのにぃ、ショックー☆」 
「え…エッグだとぉ…。」 
エッグ…、そう呼ばれた次世代能力者の開発計画。 
莫大な研究費用を投じたものの、数人の成功例を見るにとどまり、先ごろその計画は休止状態となったはず。 
当然成功例の情報は矢口も把握している。そのリストにこんな奴はいなかった…。 
「エッグのぉみんな、みーんなが泣いてた。 
『じっけん』のときにぃみーんな『たすけてー』ってさけんでた。」 
「まさか…リフューズナンバーか!?」 
「そう!彩わぁいらない子になっちゃったからぁ処分されちゃうとこだったんだってぇ☆」 
リフューズナンバ―…名前などどうでもいい。 
要は使い物にならないと判断され、殺処分される廃棄物だ。 
それがなぜ生き残っている?それがなぜ『あんな能力を身につけている?』 
「なんかぁ彩わぁ、みんなをたすけたかった。 
でもぉ、彩わぁバカだしぃ、あの時の彩わぁまだ『力』が足りなかった。 
だからぁ…、なぁんにもできなかった…。なんかぁ彩、悲しかった☆」 
140 :名無し募集中。。。:2011/02/24(木) 18:18:04.26 0
―でも、今の彩は違う― 
「この世界わぁ神さまがいーっぱい住んでるんだってぇ。 
日本中の神社にわぁいっぱい神様がいてぇ、山とかぁ川とかぁいろんなところに神様がいてぇ、 
仏さまとかぁ、ゼウスさまとかぁ、ドガとかぁ、だびんちとかもぉ神さまなんだってぇ☆ 
でもぉなんかぁ、いーっぱい神さまはいたけどぉ彩たちをぉたぁすけてくれる神さまはいなかった。 
だからぁ、彩わぁ神さまになるの☆ 
憂佳ちゃんとかぁ紗季ちゃんとかぁ…、あとついでに花音ちゃんとかのぉ神さまなのです☆ 
みーんなを笑顔にしてあげる女神さまだよっ☆ 
素敵!素敵!そしたらぁNASAになってぇ宇宙人に会ってぇ宇宙旅行に連れていくんさぁ! 
あとぉ憂佳ちゃんにぃ、いひひっ☆憂佳ちゃんにぃ、いーっぱい、いやらしい服とか着せてぇ☆ 
紗季ちゃんとかにわぁ、お菓子とかぁケーキとかあげてぇ☆ 
あとぉ62歳になったらぁ、フランスに行ってぇ…、あれ?矢口さん?」 
141 :名無し募集中。。。:2011/02/24(木) 18:23:09.14 0
矢口真里は逃げだした。 
一目散に。なりふり構わず。 
冗談じゃねえよ。なんなんだ? 
あんな化物、オイラじゃどうしようもねーよ。 
オイラだって一生懸命戦ったんだ。やるだけやった。 
後藤はもう死んでる…そうに決まってる。見捨てたわけじゃない。 
仕方なかったんだ。 
今オイラが死んだら誰が組織に報告するんだよ。 
そうさ、もちろん刺し違えてでもかたきを討つ覚悟や度胸はあるさ。 
でも今は、報告しなきゃいけない。 
決して怖くて逃げだしたわけじゃねえぞ。 
「あれぇ?矢口さぁん。彩の話、もう聞いてくれないのぉ?」 
少女は逆さ吊りの状態で、全速力で逃げる矢口と並走していた。そう、空中を。 
「ひぃっ!」 
142 :名無し募集中。。。:2011/02/24(木) 18:26:27.70 0
至近距離の和田彩花の顔面に向け、矢口は突撃銃の引き金を引く。 
軽快な連続音とともに秒間十数発の弾丸が和田彩花の顔面へと殺到する。 
はずだった。 
居ない。先ほどまでそこにいたはずの和田彩花は引き金が引かれるコンマ何秒前から 
実に緩慢にその位置を変えていた。 
ゆらり。ゆらり。 
当たらない。どれだけ撃っても当たらない。 
悪夢だ。 
先ほどの戦闘で、充分思い知っていたはずの現実。 
「ぎゃはは!なにそれー?彩には『そういうの』全然当たんないんさぁ☆」 
逃げきれない。 
力なく矢口はへたり込んだ。 
逆さまのまま少女は矢口の目の前、空中でぴたりと静止した。 
143 :名無し募集中。。。:2011/02/24(木) 18:29:30.28 0
「そうだ…お前…、思い出した…、思い出したぞ…お前。」 
だが矢口の記憶の中の和田彩花は…あの和田彩花は… 
「お前の能力は…、ただの、ただの【浮遊(レビテーション)】だったはずだ! 
それも地面すれすれをふわふわと漂うだけの…くらげみたいな役立たず、 
それだけの能力だったはずだ! 
なのに…なのに『さっきのアレ』はなんだったんだ?『今のコレ』も 
なんであんな…、なんで『あんなことが』出来るんだよ!」 
少女はくるりと回転し、地上へと降り立った。 
「彩の話もう聞いてくれないんだぁ?じゃあ矢口さんもいらない子だぁ☆」 
和田彩花の両目が見開かれる。 
鼠を弄ぶ子猫のような、羽虫の羽をもぐ赤子のような、 
好奇心に満ちあふれた、狂気をはらんだ歓喜の笑み。 
ああ、殺される。 
「だめよ彩花ちゃん」 
矢口の背後から、幼子がぐずついたような甘い声。 
振り向いた矢口は息をのむ。誰も、いない。 
「お久しぶりです、矢口さん。きっと私のことも全然覚えてないんでしょうけど。」 
空間が揺らぐ…、抜けるように白い肌、艶やかな黒髪…。 
和田彩花同様の、純白のワンピースを着た、可憐な美少女が浮かび上がる。 
「彩花ちゃん。矢口さんは殺さなくていいよ。 
花音ちゃんも言ってたでしょ?矢口さんは『話せばわかってくれる人』だって。」 
144 :名無し募集中。。。:2011/02/24(木) 18:33:07.39 0
「えーでも矢口さん彩の話聞いてくれないの。だからぁ。」 
「だめ、彩花ちゃん。いいからおいで。」 
はーい。和田彩花は小走りに駆け寄り、前田憂佳に抱きついた。 
ぴったりと頬を寄せ合う。 
二人の少女は抱き合ったまま、美しくも冷たい視線を…。 
みじめにへたり込み、がくがくと震える矢口へと向けた。 
「安心してください。矢口さんは助けてあげます。 
今夜のことは、どなたにでも、矢口さんのお好きなように、お話してくださって結構ですが… 
ただ、後藤さんの件については、組織とはすでに話が付いていることなので、あしからず。」 
「なっ!組織が後藤を売ったとでもいうのかよ?でたらめいうんじゃ」 
「そう思うのでしたら、ぜひご自分でお確かめくださればいいと思いますよ。 
組織にはこういう情報がもう上がっているはずです。 
後藤さんは何ものかと交戦し死亡。詳細一切不明、と。 
今日、矢口さんが後藤さんと一緒にいたという記録も全て消されていると思いますけど。」 
「そ、そんなことが…」 
「矢口さんだって、味方を見捨てて敵前逃亡なんていう恥ずかしい失態を報告するのなんてお嫌でしょ?」 
「そーだ☆そーだ☆恥ずかしいぞぉ☆」 
145 :名無し募集中。。。:2011/02/24(木) 18:35:21.89 0
和田彩花がすっとんきょうなテンションのヤジを飛ばす。 
「あ、彩花ちゃん…。もうちょっと静かにしていようね。」 
「はぁーい☆」 
「うん…、いいこいいこ…。 
さて、矢口さん、いつもご自分がなされていることを他人にされてみたご感想はいかがですか?」 
そう、矢口は確かに【能力阻害】を使った。使ったはずだった。だが… 
「【二重能力者(デュアルアビリティ)】…?いや、それじゃつじつまが合わねぇ…」 
確かに、希少例ではあるが【二重能力者】は存在する。 
リゾネイターの高橋もその一人だ。 
だが、矢口は別に能力一つづつを封じるわけでは無かった。 
相手が一人である限り、複数の能力を持っていようが根こそぎ封じ込める力を持っている。 
しかし、コイツの場合は… 
「彩花ちゃんにはどんな能力者も絶対に勝てない。 
そして、どれだけの銃弾も、彩花ちゃんには無意味…。 
現実に体感した矢口さんにはもう充分おわかりですよね?」 
この力と引き換えに、彩花ちゃんの時間は、あの日のまま止まってしまったけれど… 
前田憂佳は最後の言葉を飲み込んだ。 
146 :名無し募集中。。。:2011/02/24(木) 19:16:38.89 0
そして別の言葉をつなげる。 
「どうしても死ぬまで戦いたいとおっしゃるのでしたら、強くは止めません。 
このまま続けましょう。 
でも矢口さんはそこまで聞き分けのない人じゃないですよね?」 
完全に上からの物言い。こんなガキに。 
だが矢口はすでに戦意は喪失していた。 
こいつらの言いなりになるしかない。 
「オイラはこのあと、どうすればいい?」 
「なにも。 
矢口さんは今まで通りの毎日を。 
なにかあればその時はこちらから、あらためて接触します。 
変な気を起こさないでください、なんて野暮なことも言いません。 
もともと矢口さんを縛るつもりもありませんしお好きなように。」 
147 :名無し募集中。。。:2011/02/24(木) 19:19:57.95 0
下手なことをすれば『警告なしに消す…。』そう言っているに等しい、最大限の脅迫。 
矢口は首を縦に振るしかなかった。 
「よかった。 
願わくば今後も『平和的な関係で』ありたいものですね。」 
少女たちは虚空へ消えた。 
揺らぐ陽炎のように、忽然と。 
夜の闇は静寂を取り戻していた。 
148 :名無し募集中。。。:2011/02/24(木) 19:23:44.20 0
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以下補足情報。 
補足1.組織側登場人物の能力設定。 
後藤真希:【暗黒物質(ダークマター;dark matter)】 
・詳細不明。実際には物質というよりは異空間の一種と推測されている。 
天文の分野でよく耳にする実在の暗黒物質とは別物。 
視認される現象としては一切光を反射しないマットで漆黒の不定形の『なにか』を出現させ 
自在に形状変化させ攻撃や防御に利用する。 
翼と化して飛行する等の使用も可能。 
高硬度の物質を斬り裂く、銃弾や爆風、超高熱や超低温を防ぐなど、 
物理的には最強の攻撃能力と無敵の防御能力を持つ。 
極端な話、全身を【暗黒物質】で覆ってしまえば、文字通り悪魔のごとき人外の戦闘能力を発揮するはずで 
後藤相手に勝つことなど、まして殺すことなど不可能に近いはずなのだが… 
矢口真里:【能力阻害(インぺディメント;impediment)】 
能力を妨害し事実上完全に封じ込めることが可能。 
通常は距離にして数十メートル圏内の一人の能力を封じ込める。 
またわざと妨害の威力を弱め、『がんばれば能力が使える』ようにすることも可能。 
この場合、対象者は普段より威力の落ちた能力、かつ激しい体力気力の消耗を強いられる状態となる。 
そんな相手をいたぶって楽しむのだ。 
なお、エネルギー弾~という設定は当作品では割愛されており、 
実際に相手を倒すのは部下やコンビを組んだ他の能力者となる。 
一人で戦う場合は、銃器に頼ることになる。 
149 :名無し募集中。。。:2011/02/24(木) 19:26:16.74 0
>>136-148 
 ■ デビルマッシャー -和田彩花・前田憂佳X後藤真希・矢口真里- ■ でした。 
150 :名無し募集中。。。:2011/02/24(木) 20:14:41.11 0
あやちょ完全に池沼やないかい! 
151 :名無し募集中。。。:2011/02/24(木) 20:30:47.04 0
そういう意味では久しぶりにぞわっときたかも 
でも能力の設定とかは相変わらず緻密だね 
152 :名無し募集中。。。:2011/02/24(木) 20:39:22.53 0
あやちょエエネ! 
白熱した! 
153 :名無し募集中。。。:2011/02/24(木) 21:21:33.46 0
>>149 
乙です 
あいかわらず能力設定がすごい 
矢口の能力阻害が効かない能力とはなんなのか 
引っ張られた謎に 
一体どういうオチをつけるのか楽しみ 


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