(111)32 『青春小僧が泣いている──Lost story Haga』1

http://www35.atwiki.jp/marcher/pages/1242.html の後日談になりますが、
いきなり再会しております。


見つけた!

「はるかさん!」
「え?」

はるかさんが朱音を見る

「君は、あの時の……?」

朱音の事、覚えててくれた

「無事だったんだね。良かった」

その笑顔
朱音が見たかった笑顔が、朱音の目の前に

「きゃあっ!」

後ろから引っ張られて、地面に倒れ込む

「やっと見つけたぞ、羽賀朱音!」
「た、隊長!」

見上げると、怒りを露わにした隊長が居た
その後ろには、牧野さん

「あんた、いきなりなんだよ! 女の子に乱暴するな!」

はるかさんが隊長に向かって叫ぶ

「羽賀は後でたっぷりと説教してやる。その前に、貴様は口封じだ!」

──念動力──サイコキネシス

隊長が取り出したロープが、はるかさんの首に巻き付く

「うぐっ!」

はるかさんが必死にロープを剥がそうとする
けれど、首から離れるどころかどんどん締まる

このままじゃ死んじゃう!

「やめてください!」

隊長の腕を掴む

「羽賀! なんのつもりだ!?」
「この人にヒドイ事しないでください!」

力いっぱい掴んでるけど、隊長の腕はビクともしない

「貴様……逆らう気か!」
「やめてください!」
「くっ……お前は後だ! まずはこいつを
「やめてーっ!」

──痛覚制御──エキスパンド・ペイン

「なっ……ぐああああっ!」

掴んでる手に力を込める

「離せ! やめろ! 腕が……!」
「この人にヒドイ事しないで! この人にヒドイ事しないで!」

朱音が助けなきゃ!
朱音が助けなきゃ!
朱音は絶対に助けなきゃいけないんだ!

「早く……放せ!」
「きゃっ!」

隊長に突飛ばされ、地面に背中を打ち付けた

「くっ……痛みを消す能力だったはずだが……一体、どうなっている?」

背中の痛みを我慢して起き上がる
はるかさんを見ると、首を押さえてむせていた
ロープはどこかへいってしまったみたい

「……羽賀朱音。これまでの行為は、組織への裏切りとみなされる。
が、お前の能力については詳しく調べる必要が有る。牧野!」
「……はい」


投稿日時:2015/12/22(火) 23:20:56.59





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