(116)241 『鋼鎮』

ミーンミンミンミンミンミーン

「山の中は夏でも涼しいな。都心の暑さが地獄なら」
「ここは天国ですね。今度は任務でなく、休暇で来たいものですが……っと、あそこです。今回のターゲットの──ぐあっ!」
「おじさん達、この辺じゃ見かけないね。家に何か用?」
「うぐぅ……重い……子ども1人のはずなのに……」
「お前、まさかターゲットの!? 早くそいつから降りろ!」
「やーだよっ。だっておじさん達──朱音が目的でしょ?」

ボキボキッ

「があっ! 潰れる! 骨がっ折れぁぐぅ! やめ……ろ……」
「朱音のチカラ、知ってるんでしょ? だから来たんでしょ?」
「つ……ぶれ……し、ぬ──」
「しっかりしろ! は、話をしよう! な? まずそいつから降りてくれ──」
「良いよ、降りてあげる。でも、次はおじさんね」

ズンッ

「ぐあぁぁぁっ!」
「朱音のチカラは、朱音の重さを変えられる」

ギギッボキッ

「鋼の様な重さで、半紙を留める文鎮の様に押さえる。これが書道流奥義“鋼鎮”」

グシャッ──

「たった2人で来るなんて、羽賀の者を甘くみないで欲しいな」

ミーンミンミンミンミンミーン


投稿日時:2016/03/10(木) 00:25:58.96





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