(128)80 『Chelsy』18
「・・・チェル・・・シー・・・チェルシー・・・」
ノイズに紛れて安心する声が通信機から届いた
「ジョニー?どうかしたの?」
「どうかした、じゃないよ。さっきからレーダーを見ているが、なんだか囲まれているみたいじゃないか」
「みたいじゃなくて、囲まれているのよ。そんなことよりいつからみていたの?」
「ひどいな、そんなストーカーみたいな言い方をしなくても」
ジョニーと言葉を交わしながらも、磁場を狂わせるために手元のタブレットを操作する
相手の位置を把握し、どこに磁場のゆがみを作るのか
どこに足場を作って、どこに爆弾を設置して、どこから攻撃すれば・・・
電磁銃も安全装置を外し、いつでも撃てるように整えた
「チェルシーが『ウル』を追うといっていたんだから、大抵どこを探すかはわかるよ
大方、その売人でも張っていたんだろ?マーキングしていたんだろ?
僕のところにもそれくらい情報は入ってくるんだからね」
「データベースから検索したのね」
「That’s right」
モニターに移される金属反応から敵のおおよその位置を掴みながら、位置関係を把握する
銃弾の飛んでくる方向と速度から大体の拳銃、銃弾の数を把握する
動かない金属反応は大方、ナイフであろうか?
「良い趣味とはいえないわね」
「おいおい、君のことを心配しているんだぜ、僕なりに」
「それなら、少し黙っていてくれるとありがたいんだけどね」
「Oh! 厳しいね。でもわかった。それだけ、真剣だということだね」
「・・・」
「でも、これだけは言わせてね。殺してはだめだよ」
「わかっているわ。情報を得ないといけないんだからね
・・・終わったら、連絡を入れるわ。それまで私の無事を祈っていて」 (Chelsy
投稿日時:2016/08/18(木) 00:46:57.89