(130)218 『Chelsy』29

体が思い通りに動かないわけではない
頭が誰かに支配されているわけでもない
それなのに、なぜか、あの声の指示だけは従わなくてはならない、そう心が訴えていた

私、何をされたの?どうしてここに連れてこられたの?
そして、声に促されるように飲み込んだ、あのカプセルは一体なんだったの?
特に・・・痛いことも気持ち悪いこともないのに・・・
昨日も、今日も、あの声が聴こえたのは、あの薬を飲みなさいと言われた時だけだった
それ以外は特になにも起きていないし、冷蔵庫にはご飯もお水もあった

見張りがいるのかなんて思ったけど、それもなさそうだし・・・
部屋の奥にはシャワーも、トイレもあったし、目覚めたのはベッドの上
さすがにテレビまではなかったけれども、私のカバンは見つかったし、中身もすべて揃っていた
電話もメールもどうしてだろうか?繋がらないのはおかしいけれどもこれは軟禁なの?監禁なの?誘拐なの?

もちろんもう一つの扉がなんなのか確認したが・・・どういうことなの?
鍵はかかっていなかったし、扉の先には白い廊下が、奥にはエレベーターらしき扉もあった
出てはいけないのかな?と思う気持ちと早く一刻も逃げ出したいという妙な気持ちが闘っていた
携帯の画面に記された日時、時刻は着々と進んでおり、どうすればいいのか?
ここで助けがするまで待っていた方がいいのかな?

ん? なんだろう? 廊下から音がした?

ドンッ ドンッ 

ひ、ひいぃぃ

「大丈夫よ、千佳ちゃん。あなたを助けにきたわ」
・・・助け?警察じゃないよね?だって私と同じくらいの女の子だもん  (Chelsy


  投稿日時:2016/09/19(月) 20:29:21.41





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