(132)251 『戦え、そのいただき(ます)のために(前半)』

ドクン ドクン ドクン
心臓の鼓動が響き、口渇感を否が応でも感じてしまう

額に溢れる汗がライトに輝く

「あれ?どうしたの?もしかして、ビビッてるの?」
「そんなことない!これは・・・そう、作戦よ」
「・・・作戦なんてあるのですかね?」

ある、作戦はあるんだ。そう勝負は一瞬
相手も能力者ゆえに、自分のペースに巻き込んだ方が勝ち、といっても構わない
しかし、そんなことではないことはわかっている

「そんなこといって、私達全員に勝てるなんて思っているんですか?」
そう、敵は一人ではない。味方は・・・いない
無謀?いや、そんなことない!
ここで、私は勝たなければ・・・

「いくぞ、勝負だ!!」

だって私は・・・

私は大きく手を振り上げ、思い込めて、突き出した
そして瞬間、能力を放ち、蒼き獣が地を轟かせる咆哮を上げた

相手は驚きながらも、意思に屈する腕を突き出した

そして、私は悟った。負けたのだと、そして崩れ落ちた。燃えたよ、燃え尽きたよ

★★★★★★

「はい、あゆみちゃんがパーではるなんがチョキだからあゆみちゃん、脱落ね」
「あゆみん、バカだな~リオンで驚かせる作戦でしょ?そんなの読まれるにきまってるじゃん」
「よりによって心理戦が得意なはるなんにそんな作戦するとか単純っちゃね」
「ああああああ、ケーキ~わたしのケーキイイィィ」
「あゆみん、残念でした。じゃあ次の対決ね」

きっかけは20分前
「これ、みんなで食べてね。お土産だから」
突然新垣さんが現れて、ケーキを置いて行ってくれたのだ
「こ、これは・・・フランスのケーキ!!」
「良いんですか?『ピンチャポー』のフォンダンショコラじゃないですか?」
「あ~いいの、いいの。みんなで食べてね。って、あああああ」
「どうしたんですか?」
「・・・ごめん、みんな、これお店のお土産の分だった・・・2人分しかはいってない」

そんなこんなで、新垣さんのケーキ争奪ジャンケン大会が始まった
参加者は譜久村さん、生田さん、はるなん、私、くどぅー、まーちゃん、小田、はーちん、野中、まりあ、羽賀ちゃん
全員でじゃんけんしてもいいのだが、さすがに時間がかかるのでくじ引きで一回戦い、その勝者でケーキを争うことになった
一回戦はずるいはるなんが純粋な私の作戦の裏をかいて、勝利を収めた

二回戦はまりあと羽賀ちゃんが戦い、あっさりとまりあは負けた
羽賀ちゃんは何もしていないようだが、まりあは「あかねちんのせいだ~」と泣きじゃくっている
そんなまりあを羽賀ちゃんは漆黒の瞳で見下ろし、「ほらほら、泣かないの」なんて慰めている

三回戦は生田さんとくどうー
くどぅーは「はるの千里眼は全てを見通します!」と高らかに宣言した
しかし生田さんは精神破壊を駆使し、くどぅーをあっさりと中二病に陥れた
そしてくどぅーは「勝利のVサイン」とチョキを繰り出し、あっさりと生田さんがあっさりとグーで勝利をかざった

四回戦は小田ちゃんとはーちん
「正直者のはるなはグーを出しますよ」と心理戦に持ち込もうとしたはーちんだったが、あっさりと負けた
しかも、はーちんはチョキを出していた
「・・・私の勝ちですね」と小田はあまり嬉しそうにはしていなかったが、尾形は抗議の声を上げ続けた
「嘘や、嘘や、はるなはグーをだしたんや!小田さんが時をとめはって、はるなの手の形を変えたんや!」

五回戦は譜久村さんと野中。
始まる前に握手を求め、譜久村さんが笑顔で、野中ちゃんは素直だからパーを出してね、とつぶやいた
そして、野中はボーっとした表情で頷き、じゃんけんポン!! パー チョキ
「ありがとう、野中ちゃんはほんっといい子だね」
頭をなでる譜久村の袖の下からワイヤーが顔をのぞかせていた

そしてまーちゃんは一回戦シード
「まさだけ、じゃんけん一回なのずるい!」と主旨をわかっていない発言をしたが、その優位性を訊き、それならいい、と笑った

そして、もう負けてしまった私にとってはどうでもいいが、決勝戦
能力複製の譜久村、精神破壊の生田、策士のはるなん、天然のまーちゃん、ずるい小田そして頑張れ羽賀ちゃん

そして、決勝戦、ケーキをかけた戦いが始まったのだ。


投稿日時:2016/10/10(月) 15:47:02.52 


作者コメント

>>202に触発されてリゾナンター同士を戦わせてみた。
たぶん、それぞれの試合を細かく書いたらもっと面白いんだろうな
アイデアでてから、一時間くらいで書いたので適当だけどよろしく(笑) 





ページの先頭へ