リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第18話(ミラー)

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1 名前:名無し募集中。。。:2008/11/05(水) 22:49:25.20 0
从*・ 。.・)<人は皆、いつかは死ぬものです。そしてまた生まれる。破壊と創造は常に表裏の関係なのです

『リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第3話 833』より

前スレ
リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第17話
http://schiphol.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1223990949/

まとめサイト
 PC:http://resonant.pockydiary.net/index.html
携帯:http://resonant.pockydiary.net/index.cgi

リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ@wiki
http://www39.atwiki.jp/resonant/

キャラ設定・作品ジャンル別検索ページ
http://resonantwolves.blog33.fc2.com/

掲示板 (感想スレ、作品題名申請スレ、あとがきスレ他)
http://jbbs.livedoor.jp/music/22534/

テンプレ>>2-14ぐらいまで

2 名前:名無し募集中。。。:2008/11/05(水) 22:50:41.23 0
188 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/04/13(日) 19:37:30.49 0

黒服を来てダンス踊ってるのはモーニング戦隊リゾナンターなんだよ
悪と戦う正義のヒーロー女集団なのさ
でも彼女達は普段は普通の社会で人間として暮らしてる

隊長の高橋は普段はジムで筋トレするOL、小春はアイドル、光井は女子高生、田中は孤独な不良
などみんなそれぞれ人間界で普通の生活を送ってんだよ
だけど悪の化身ダークネス邪鬼が街で暴れた時に
みんな集合して黒服を着て踊ってリゾナンター変身するわけよ
それを表現したのがあのPV


210 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/04/13(日) 20:08:59.27 0
ガキさん実は敵のスパイっていうのはどうだ?
でも悩んでるんだリゾナンダーたちの優しさに触れて
そして最終回で彼女は決断を迫られることになる・・・


259 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/04/13(日) 21:05:08.45 0
リゾナントイエロー(高橋)
リゾナントライトグリーン(新垣)
リゾナントオレンジ(亀井)
リゾナントピンク(道重)
リゾナントブルー(田中)
リゾナントレッド(久住)
リゾナントパープル(光井)
リゾナントインディゴ(ジュンジュン)
リゾナントグリーン(リンリン)

9人揃ってモーニング戦隊リゾナンダー

3 名前:名無し募集中。。。:2008/11/05(水) 22:51:25.76 0


↑このPVから妄想するスレ

4 名前:名無し募集中。。。:2008/11/05(水) 22:52:01.16 0
初期設定(第1話から抜粋)

高橋:リーダー兼スカウトマン

新垣: 実は敵のスパイ
    しかしリゾナンダーたちと共に過ごすうちその優しさに触れて悩み始めている

光井:成績優秀の普通の女子高生だがいじめられっこ
    エリートの両親は夜遅くまで帰ってこず家でも孤独

久住:超人気売れっ子モデル
    プライドが高く世の中は全てお金が解決すると言い放つ彼女はワガママな面もあり周囲を騒がせることもしばしば

田中:幼い頃に事故で両親を亡くして孤児院で育つ
    学校にも行かず不良仲間と遊ぶ荒れた毎日を送っていた

亀井:道重とはとても仲の良い大親友
    2人で将来一緒にケーキ屋を経営するという夢がある
    しかし生まれつき重度の心臓病を患っていた為病室に閉じこもる日が多かった

道重: 亀井とはとても仲の良い大親友
    2人で将来一緒にケーキ屋を経営するという夢がある
    大学生

ジュンジュン・リンリン: ビザが切れたけど日本に滞在したい謎の中国人


5 名前:名無し募集中。。。:2008/11/05(水) 22:52:36.76 0


強く・・・なりたいんだろ?
大切な人を守るために・・・




あいぼん・・・れいなはもう昔とは違うと
守るべきものが見つかったけん




・・・定期連絡です
特に変わった動きはありません
はい 何か動きがあればすぐ知らせます・・・




ビザが無いのか
一つだけ日本で仕事を続ける方法がある




そのハナシ・・・
ノッタアル!

6 名前:名無し募集中。。。:2008/11/05(水) 22:53:10.68 0



さゆも・・・

絵里も・・・

一緒に戦う・・・!


2人の夢を守るため

同じような夢を持った人たちを守るため・・・





こんな私でも誰かを救えますか?




はあ?
何で小春が見ず知らずの人助けなきゃいけないわけ?
そんなの誰かに任せておけばいいじゃん

7 名前:名無し募集中。。。:2008/11/05(水) 22:53:47.57 0
喰らってくたばれ!
必殺!




リゾナンカー


リゾナントロボ…
発……


8 名前:名無し募集中。。。:2008/11/05(水) 22:54:20.45 0
【今まで出てきた能力まとめ】

高橋愛:精神感応(リーディング) /瞬間移動(テレポーテーション)/光使い(フォトン・マニピュレート)
新垣里沙:精神干渉(マインドコントロール)
亀井絵里:傷の共有(インジュリー・シンクロナイズ) /風使い(ウィンド・マニピュレート)
道重さゆみ:治癒能力(ヒーリング)
        さえみ(姉人格):物質崩壊(イクサシブ・ヒーリング)
田中れいな:共鳴増幅能力(リゾナント・アンプリファイア)
久住小春:念写能力(ソートグラフィー) /幻術(ハルシネーション)/発電(エレクトロキネシス)
光井愛佳:予知能力(プリコグニション)/心の浄化(ハート・プリフィケイション) /水守
リンリン:念動力(サイコキネシス)/発火能力(パイロキネシス) ※手で掴める物限定
ジュンジュン:念動力(サイコキネシス)/獣化(メタモルフォシス(トゥ・ビーストorパンダ))

ジュンジュン獣化参考画像


9 名前:名無し募集中。。。:2008/11/05(水) 22:54:56.91 0
【GAME】

リゾナントブルーRPG
ttp://www4.uploader.jp/dl/reinachan/reinachan_uljp00256.zip.html

上とは別物
ttp://www4.uploader.jp/dl/reinachan/reinachan_uljp00277.exe.html
リゾナントブルーRPG Ver:0.2
※「RGSS200J.dllが見つかりません」が出たらここからランタイムインストールね
ttp://www.famitsu.com/freegame/rtp/vx_rtp.html

10 名前:名無し募集中。。。:2008/11/05(水) 22:55:42.78 0
【喫茶店リゾナントイメージ】

間取り


本日のランチ



タウン誌紹介文


【TV・映画イメージ】
リゾナンターEDイメージ(字あり)

リゾナンターEDイメージ(字なし)

リゾナンターEDイメージ(字あり提供入)

リゾナンター予告イメージ

リゾナンター予告編・i914Ver.  ※血液等の映像が含まれますので苦手な方は見ないほうがいいです

リゾナンターの予告編パート2/映画風

リゾナンター予告編/刃千史Ver


11 名前:名無し募集中。。。:2008/11/05(水) 22:56:15.32 0
娘。シングルソート http://resonant.pockydiary.net/singlesort.html
娘。C/Wソート http://resonant.pockydiary.net/cwsort.html

結果は掲示板の曲ソートスレに書いちゃってくださいね
http://jbbs.livedoor.jp/music/22534/

12 名前:名無し募集中。。。:2008/11/05(水) 22:57:20.92 0
【投稿日順に読む裏技】
まとめサイトの[検索]で「(1)」とか指定すると、第1話(1スレ目)の作品が投稿日順に並びます(降順)
(投稿日=まとめサイト掲載日時であり、スレ投下日時ではありません)

ただし、次回予告についてはシングルの順序と合わせるために
順番に並ぶように投稿日をいじってあるのでこの限りではありません

このスレに初めて来たから様子がわかんないよ、って人にはイイかも

※時々検索結果に違うスレの作品が混じりますが、本文中に張ったリンク(例:(1)123)を拾ってしまうためです

※※現在タグでスレごとの作品が読めるようになっています

13 名前:名無し募集中。。。:2008/11/05(水) 22:57:54.69 0
【代理投稿を依頼するときのお願い】
したらば掲示板のアク禁スレに作品を上げるときは対処方法の指示も書いてください
例えば
・規制食らったので転載して欲しい
・レス数多いから掲載を手伝って欲しい
など

14 名前:名無し募集中。。。:2008/11/05(水) 22:58:37.24 0
川*’ー’) < テンプレの設定やまとめサイトを参考にして自由に想像するがし
ノ|c| ・e・) < 登場人物の能力やストーリーの背景・設定は作者さんの自由なのだ
ノノ*^ー^) < シリアル路線でもコメディ路線でもお好きなものどうぞ
从*・ 。.・) < AAを使ったものや1レス完結ものでもOKなの
从*´ ヮ`) < 他の作者さんの設定を流用するのもありっちゃ
ノリo´ゥ`リ < 気に入った話の続きや繋ぎの話を書いてみるのもありカナ☆
川=´┴`) < プロットを書いて他の作者さんにストーリーを書いてっておねだりしてもええで
川*^A^) < アーでも書いてくれるかは作者さん次第ヨ
川´・_o・) < ソッカー

15 名前:名無し募集中。。。:2008/11/05(水) 22:59:44.38 0


君の作品を待ってる

16 名前:名無し募集中。。。:2008/11/05(水) 23:01:16.27 0
从*` ロ´) < テンプレ完了!

17 名前:名無し募集中。。。:2008/11/05(水) 23:20:53.20 0
  ノノハヽ
  从*・ 。.-)ノシ <前スレ埋まるまでねるの、おやさゆみん。
  /,/⌒⌒ヽ
  と(_(^)_(^)_⌒ヽ、

         パタッ
   ,/⌒⌒ヽ
  と(_(^)_(^)_⌒ヽ、

18 名前:名無し募集中。。。:2008/11/05(水) 23:39:05.98 0
テンプレさん乙ですー
今スレは一体どんな作品が投下されるのかワクワクしますね

19 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 00:35:24.22 O
乙です!

20 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 01:36:09.47 O
新スレオメ!
今スレも盛り上げてきたいもんだね

21 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 02:01:30.35 0
おめ!
テンプレさん乙です
18話て!凄すぎます!

22 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 03:03:35.30 O
前スレはさゆによってモコモコにされたようです

23 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 03:47:12.62 0
1000 名無し募集中。。。 2008/11/06(木) 02:53:27.94 0
ダークネスなんてモコモコにしてやるの
    oノハヽo
   从*・ 。.・)=つ≡つ
   (っ ≡つ=つ
   ./   ) ババババ
   ( / ̄∪


   /ヽ /ヽ
  ':' ゙''"  `':,
  ミ  *・ 。.・  ;,
 :; . っ     ,つ
  `:;      ,;' モコッ
   `( /'"`∪

24 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 06:36:57.67 O
じゅ、獣化!? ・・・新能力?w

25 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 06:37:36.37 O
18話おめ!
素敵な作品に満たされるといいね

26 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 06:39:06.32 0
ノ|c| ・e・) <報告します・・新たにガイノイド部隊の存在を確認・・・
ダクネチュ) <そうか・・・え!!何それ!強い?飛ぶの?ねぇ飛ぶの!?

ノ|c| ・e・) <え・・はあ・・・たぶん・・・

27 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 07:16:19.25 O
ダクネチュ様w

28 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 08:18:55.23 0
新スレおめ乙!!
>>23
カワイw

29 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 08:36:03.70 0
読書の秋 リゾスレの秋

30 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 10:28:32.21 0
18スレ目突入!
おめでとう!!
>>23かわいい!!

31 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 11:11:30.03 0
>>1
乙です!
新たな物語の幕開けに胸が高鳴ります
新スレを飾る名台詞はさゆ…と見せかけてさえみ姉さんですね
厳かな台詞と無表情なAAが逆にマッチしていて素敵w

>>23
いつかのセリアンスロゥプさゆですね
この話題で盛り上がったのはもう何スレ前になるんだろう

>>26
新スレ恒例ガキさんの定期連絡乙です
ダクネチュ食いつきすぎw
っていうかダクネチュって誰やねんwww

32 名前:サボリン∞ヽ( ゚∀。)ノ:2008/11/06(木) 12:50:16.62 O
新スレ初見参ズザー
テンプレさんいつも乙です

今日は朝からいしよs…じゃなかったダークネスの新ユニットのアルバム予約した
PV見たらなんかもうwktkが止まらない

スレ冒頭からダークネスに釣られる人でゴメンナサイ

33 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 13:30:56.82 0
ちょくちょくダークネスサイドに堕ちる貴方が嫌いじゃない

34 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 14:53:16.69 O
あれはそりゃ惹かれるよね
彼女らを主人公にして書きたくすらなる
リゾナンターたちですらダークになってきてる今むしろ必然かもw

35 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 16:48:05.36 O
新スレおめでとう!
あのユニット・・・ダークネスとは違う動きを見せそうだね

36 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 18:57:02.56 0
ダークネス
リゾナンター
刃千吏
黎明

37 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 18:59:21.70 0
スレ落ちちゃうよ!

38 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 19:13:46.06 0
>>37
「フッフッフ、相変わらず隙だらけだわねお嬢さん達」


39 名前:SABOGRY & MATOMERY ヽ( ゚∀。)ノ:2008/11/06(木) 19:19:06.25 O
\||/|///
ヽ( ゚∀。)ノ ニアウ?

40 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 19:38:03.79 O
>>38
G様はダークネスも抜けて新たな帝国へ移った、と言う設定になるのかな?

41 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 19:38:06.94 O
ガイルがいるな

42 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 19:48:31.99 0
川*’ー’)<リゾマンコブルー

43 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 19:55:59.37 O
この前からそれ言いたいの我慢してたのに~

リゾマンコサーモンビンク!

44 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 20:12:05.82 0
だからこのスレは女性居るんだと何度言えば

45 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 20:25:50.31 0
>>39
やべw かわいいww

46 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 20:59:17.36 O
G様があのユニットを引き連れ新たな組織を・・・
強そうだ

47 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 21:01:57.19 0
じーさま

48 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 21:12:59.42 O
>>44
スマソ・・・自重していたのだが>>42への共鳴を止める事が出来なかった・・・

49 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 21:38:29.87 0
多少下品でもおもしろきゃいいけどさあ・・・
そんなに言い続けないといけないネタでもないだろうに

50 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 21:56:41.75 O
>>39
なんか和んだw
サボティ可愛いよサボティ…

51 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 22:08:39.80 0
少女は、己の存在理由を疑った。
――無風状態が続く。

少女は、互いの体を支え合える友に出逢った。
―――そよ風が、髪をなびかす。

少女は、生きる理由ではなくその目的に価値を見出した。
――――追い風が、背中を押している。


踏み出す一歩に比例して
吹き抜ける風が強くなる。
少女の士気に呼応して
どんどんどんどん強くなる。

さあ。

旋風を、巻き起こせ。



52 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 22:10:20.08 0
前スレの最後の方でチラッと触れた
メンバー別のキャッチフレーズのようなネタです
四字熟語を使って各メンを1レスで表現できたらと思ってます
ちなみに、今スレ中の完走を目指してるけどまだ全員分は書けてませんw

>>51『威風堂々』featuring亀井絵里 のつもり


保全代わりと思って許してね

53 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 22:11:07.07 0
>>38
新しい帝国の誕生か…

54 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 22:15:56.63 0

蒼い色は、共鳴を思わせる。

それは仲間を繋ぐ絆であり、強き力に変えるものであり、心を一つにするものでもある。
決して失うことはない、温かくて優しく包み込んでくれる。


紅い色は、残酷さを漂わせる。

それは身体から飛沫する血のように、刃を流れる液体のように、人を斬るという行為に恐怖を感じさせる。
常に付き纏うその色は、斬るたびに人を狂わせていく。


それでも、蒼は紅を引き寄せ、紅は蒼を引き寄せる。
相反するその二色は、互いを惹き付けてやまない。

そして彼女たちは、蒼と紅を常に感じる存在。



―――それが共鳴者、"リゾナンター"である


55 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 22:18:55.21 0
自分はリゾナンターというものを表現してみました
色を使いたかったのでうまく表現できてたらなーて感じです

>>52
亀井絵里が出てきたからビックリしました
それなら自分はリゾナンターでいこうと思いましたw
えりりんかっこいい!!

56 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 22:32:33.02 0
>>38だけど適当に写真貼って書いただけなんだけど
G様とかガイルとか新しい組織とか言われてどういうこと?w
後藤って今まで何か設定で出てきたことあるの?
wiki見たけど特に何も書いてないし・・

57 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 22:34:49.36 0
なにかができあがりつつあるのかもしれない

58 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 22:36:15.92 0
>>51
カッコイイ!!!
>>54
紅と蒼か・・・
こっちもカッコイイ!!!

>>51>>54・・・二人の共鳴がカッコイイ!!!!



59 名前:SABOGRY & MATOMERY ヽ( ゚∀。)ノ:2008/11/06(木) 22:38:30.76 0
\||/|///
ヽ( ゚∀。)ノ ガイルってたぶんオレのことなんだぜ?

ごひいきがピンチだから新スレ化作業はSABOGRYするんだぜ

60 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 22:49:04.32 0
新組織とか第三、第四のグループっぽくていいね
前から思ってたんだけど組織の基本相関図だけは統一してほしいなー
例えばこんな感じでみんなで相談して決めとくとか

【ダークネス】・・・敵対関係・・・・【リゾナンダー】・・協力関係?・・【刃千吏】
   ↑
 仲間?敵対?
   ↓
【新組織】
小さい組織だが強力でダークネスも一目置く存在
目的は?世界征服?リゾナンダーとは?


などなど何か新しいクッションが欲しい
半年経ってダークネスとリゾナンダーだけじゃマンネリしそうだし

61 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 22:57:37.45 0
統一しないのがこのスレのいいところなんだけどなー

62 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 23:09:55.68 0
>>61
やっぱしないほうがいいかな
今までのように統一しなくてみんな設定バラバラなのがいいかなとも思ったんだけど
テンプレにあるような簡単な基本相関図くらいならいいかなとも思ってね
確かに創生期じゃないから難しいかもねー

63 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 23:46:18.03 0
設定の統一はあまり意味がないと思うな
リゾナンターVSダークネスという構図で書いている人ばかりじゃないし
だいたいが「リゾナンダー」って言ってる時点で相容れない人もいると思うよw

64 名前:名無し募集中。。。:2008/11/06(木) 23:55:42.49 0
何でも有りがこのスレの醍醐味だから作りたい人が勝手に作ればいいんじゃないかな
別にみんながそれに従う必要もないし逆にそれに同調して乗っかかるのも自由だし
個人的にはエロも大歓迎なんだけどただ女性陣がうるさいんでw

65 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 00:02:04.43 O
>>59
サボティちゃんの名前変遷にまた新たな一ページがw
で 短縮したいんれすけどなんて呼べばいーれすか?

66 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 00:05:49.96 0
ひとつのフォーマットとして提供するのはあり
設定を固定するというのならそこに意味も意義も見出せない
何よりテンプレにあるのは最初に出てきた一つのアイデアで決まりではない

67 名前:SABOGRY & MATOMERY ヽ( ゚∀。)ノ:2008/11/07(金) 00:06:54.21 0
\||/|///
ヽ( ゚∀。)ノ<ヅラかぶってるだけだからなぁw

サボグリーが好きです
でもサボティの方がもーっと好きです

68 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 00:11:14.92 0
そもそもテンプレのビザ切れの方がお目にかからないくらいだからねw
出来ればそういう役割はwikiが担うべきだと思うな

69 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 00:19:19.80 0
テンプレはほぼ意味ないしね
各メンバーのキャラ設定や特殊能力もあまり関係ないよ
たまたま最初に出てきたからまだ載ってるだけで光井が念動力を使ったり高橋が念写したり作者の自由でいいと思う

70 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 00:25:06.29 0
そういう役割が指し示すところがよく分からない
出てきたアイデアを載せるということならテンプレは>>1>>3>>12-15だけでよくなる
というか1に前スレとwiki読めだけでいいことになるが

71 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 00:58:23.72 0
設定は自由だとテンプレにも謳ってるんですけどね>>14
誤解する人や無意味とする人も出てきてますし大きく見直しますか

72 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 02:07:00.43 0
とりあえず指摘部分を削って>>1>>3>>11-13>>15としますか

73 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 02:48:07.36 0

大事なテンプレについての討議を千切って恐縮ですが、
時間の関係で投下させていただきます

【注意】オリキャラがでます

11レスくらいあって長いので、今宵は前半の4レスを投下します



74 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 02:50:56.04 0
昨夜、急に指令が出た。自分のランクでは珍しいことに単独での任務だ
その任務とは、敵の総本山へ乗り込み、特殊な方法で動向をスパイするというもの
ただ、宛がわれた観察、実験のみを行えとのことだった。

普段は簡単な活動しかしてない。同じような能力者はごまんといるのだ
にも関わらず、自分がこのような大きい仕事を任じられたのは、
特殊な方法に結びつく、ある試験中の重要アイテムと適合したからだ

このような好機が二度もあるとは思えない

  だからこの命と引き換えになっても 私は…
  たった一人良い思いをする、あいつを許すことなんか、出来ないから。

*  *  *  *

 手入れの行き届いたすてきなお店ですね。

店内にいるのは数人の客と、それより少し少なめの店員

普通の客を装い、サービスを受ける。
あくまでもこのアイテムの効果を調べるためなのだ、そう言い聞かせながらも
どこか居心地の良いこの店に心が休まるのも確かだった。


75 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 02:52:47.23 0

この店に自分が日常=客として溶け込んだその時を見計らって、
支給された重要アイテム―腕のブレスレットに少し力を込める
安物のような、赤黒いビーズがぼうっとテーブルの下で妖しく光り始めた

     ―壊す、この店を。殺す、この店員を―

笑顔を崩さぬまま、ありったけの憎しみを、レジのところにいる背の低い女に投げかける

『強い感情には、いくら心を読む力を隠していても反応するものだ』
私は、この任務を要請してきた、開発局のあの女の顔を思い返す。
リゾナンター最強の女は、やはりこの店の主、高橋愛。―あの、i914。
幽閉されていた、使い捨ての下級兵時代から知っていた、その最強の能力者の名

対して、試用段階のこのブレスレットに込められた力は、精神隠密(サイコ・ステルス)
その名の通り、自己の精神を他人に隠避する力がある。対一般人なら持っていても役には立たない。
だが精神感応に対して効果があると実証でき、実用化にこぎつければ、彼女を打ち破る大いなる助けとなる。

  だが…所詮、能力者の世界だって、人物ではないのだ  
  持って生まれた、能力が、役に立つのか、どうか
  そして、役に立つのかどうかは…時の運。
  事実、このサイコ・ステルスも、あの時は…何の役にも立たないとそう判断されていたのだから

美味しかったです、そうi914に微笑みかけながら料金を払う。
またいらしてくださいね、店員のそして彼女の曇りのない笑顔に、苛立ちさえ感じる。

  なぜ、同じ能力者として生まれたのに、私はこのように日陰の中で生き
  あいつらは、のうのうと陽だまりのなかで暮らしているのだろうか


76 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 02:54:31.29 0
 
 
店の外はどしゃぶりの雨だった。私にはお似合いだ。
良かったら、と透明なビニール傘をi914に差し出され、申し訳なさそうに受け取る


  ああ、でも。一番許せないのは…


店の角を曲がったところで、その傘を下ろし、雨を一心に浴びる


  同じであったのに、そこを抜け出したあいつ…


傘を持つ手に輝くのは、あのブレスレット


  まだぬけぬけと…生きている、あの女…


かしゃり、と骨を折った傘を道端に投げ捨てると、私の身体は地球上から見得なくなった
 

  ―これが生まれながらに持った“重大で”それでいて“しょうもない”私の力
  ―身体隠密(フィジカル・ステルス)



77 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 02:56:42.43 0

まるで当たり前にように、女が傘を差して雨空を潜り、早足で喫茶店へ向かっていた
お生憎様だけど、もうお前がそこに行くことはない。出来ない。

お前以上に精神感知能力の高いi914を騙し通したこのサイコ・ステルス
そして、わたし自身の持つフィジカル・ステルス
この二つを持ってすれば、何人たりとも私を見つけることはできない。
組織に支給された、一発限りの弾が込められた拳銃を道の真ん中でその額に向けて構えていても、
彼女は気づかず、その歩みに迷いはない。

しゃらり、とブレスレットが動いた。わかってる、あなたも悔しいんだよね?

何の役にも立たないとして、幽閉され、肉体労働をさせられ、新薬の実験台にされ、
逃げだそうとして、捕まり、簡単にその命を奪われながら
一度、利用価値があるとわかるや、その力を宿した血液を採取され、新技術によって結晶化され
こんな形になって、蘇ることになった…私の兄さん

世間に存在を否定され、ダークネスに能力で選別、否定され、命を弄ばれ、
その死によっても、この地から解き放たれることなく、地上に繋がれたままのその呪われた人生

そうまでしても兄が、いや、多くの仲間たちが欲しようとも手には入らなかったものたち
それら、すべて手に入れたのに…
すべて捨てて、陽だまりに走ったお前を…私は許さない…
たとえ命令違反となり、罰を受けるけることになったとしても…

  ―裏切り者、新垣里沙に地獄の俘囚から死の鉄槌を


78 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 02:58:59.94 0

以上>>74-77です。
続きはまた機を見て、あげさせて頂きます。


79 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 04:02:12.83 0
>>78
面白い!続きがすっごい気になる!
超待ってます!!

80 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 07:29:04.76 O
乙!
てっきりターゲットは愛ちゃんだと思ってたw
続きまってます ノシ

81 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 08:35:02.76 0
オリジナルの人物を見事に描き出していますねえ
バックグラウンドを伴なって一人の人間として読み手の頭の中に浮かび上がります
話の進め方も卓越していて読みながら先を気にせずにはいられません
自己の能力とアイテムを併用しての「最強」の能力・・・この後どうなるのかすごく気になります
読者としてワクワクすると同時に勉強になりますねこれは

82 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 08:35:20.89 O
>>78
いいですねえ 続きが待ち遠しいです!

83 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 11:11:13.68 O
もうすぐ昼ね
一人の昼

84 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 11:56:18.66 0
一人じゃないさ
この青空の下にはみんながいる

・・・めっちゃ曇ってたごめん

85 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 14:10:31.58 0
めっちゃ曇ってたよw

86 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 14:11:17.59 O
テンプレ話は場を設けて意見出し合ってもいいかもですね
確かに今のは掛け離れてるしテンプレさんもたくさんで大変でしょうしw

87 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 14:15:13.04 0
i914って何なんですか?
お話の中の愛ちゃんは人間じゃないの?

88 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 14:31:32.50 O
>>87
>>1のWiki

てか東京都品川区某所はきれいに晴れてる

89 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 15:01:24.30 0
>>78
オリジナルの人物がお話の中で息づいていますね・・・
上手いな~
続きが楽しみです!

90 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 16:25:59.64 0
>>87
wikiにもありますがTakahashi(02)034 『the Resonanter i914』が初出です
同じ作者さんの書かれた[Ai-Rena](08)505 『覆る偶然と繋がりゆく必然』でもi914の誕生について触れられています
同様に[Takahashi](08)893 『葉を隠すなら森へ、愛を隠すなら名へ』でも

これらは大きく設定に影響している作品だと思いますが・・・必ずしも皆が高橋愛=i914で書いているわけでもないと思います
「i914」の捉え方も人それぞれだと思いますし
ちなみに自分は「人間ではない」という捉え方はしていません

91 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 16:47:34.02 0
>>90
いつも的確な回答乙です
自分は質問者ではないんですけどね・・・
一つおたずねしたいのはいつも何か質問があると
人間ウィキのような方が答えて下さいますが
同一人物なのでしょうか?

92 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 17:09:33.26 0
>>91
過去にもでしゃばって答えたことは確かに何度かありますが毎回ということはさすがにないですw
単に重度のリゾスレ病患者の一人であり 他にもそのような方がおられることを喜んでいる感じです

93 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 18:09:24.57 O
>>86
したらばのスレ立てスレがいいかもね

94 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 18:38:32.72 O
一秒規制とは驚いたな

95 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 19:30:32.49 O
どのくらいで保全したらいいかわからない

96 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 20:00:44.48 0
30分で300番台半ばまで落ちてるなあ

97 名前:サボリン∞ヽ( ゚∀。)ノ:2008/11/07(金) 20:42:40.11 0
\||/|///
ヽ( ゚∀。)ノ<しつこいと言われてもこのヅラ気に入ってしまった

しかし突然の移転だなぁ
ある意味新スレ化作業してなくてよかったかもw

1秒規制を面白がって他スレで連投してることとかもありそうだし
しばらくはいつも以上にこまめに保全しておいた方がいいかもしれない

98 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 20:55:00.86 0
落ちてなかったんだ?
どうして見れなかったんだろう?

99 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 21:02:58.40 0
狼が鯖移転したから

100 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 21:26:56.43 0
鯖移転した後は書き込みがないとスレが復活しないとかそんなんだった気がする

101 名前:名無し募集中。。。 :2008/11/07(金) 21:33:49.58 0
>>100
ないスレに書き込みするの? どうやって?

102 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 22:03:25.62 0
ないんじゃなくて不可視状態ってこと

103 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 22:09:32.83 O
難しいな

104 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 22:58:31.42 0
1秒規制ってどういうこと?

105 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 22:58:55.94 0
どうもです、◇◆の人です

何度も書き込もうとしてことあるごとできませんでしたw
規制にかかったりスレがもう900番台後半だったり新スレ行って一秒規制…
とりあえずやっと書き込めるので報告ぐらいは…

前スレで書いた次回予告の本編が完成したので投下していこうと思ってます
自分で言っておいて遅くなってすんません...
推敲してたのと勇気がなかなか出なくて足踏み状態でしたw

けっこうな長編になってしまいましたが、これから投下していきますのでよろしくお願いします

106 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 23:01:00.41 0


ここは太平洋にある小さな島、『海上の孤島』。
闇を統べる者達が管理している島で、別名『牢獄島』と呼ばれていた。

その名のとおり、この島全体が監獄として使用されており、闇に捕まり狂った者や反逆者たちが収容されている。


その反逆者たちの中に共鳴者は含まれており、監獄に収容されている彼女 -新垣里沙-も例外では無い。


   ◆◆


「どうやって助け出すんですか?」
「海の上だし、けっこう遠いよ」
「他に方法は無いと?」


喫茶リゾナントの店内は少し慌しかった。
というのも、時間を遡ること約2時間半前…


107 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 23:02:40.65 0
テンプレってこのスレの起源みたいだから消さないでほしいな
初めて来た人とかも分かりやすいだろうし

108 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 23:06:45.04 0

   **


「愛ちゃんっ」

店の扉を開けたと同時にいきなりれいなに名前を呼ばれた愛は振り返った。

「いきなり何ぃ?」

れいなは走って帰ってきたらしく、息を整える仕草をしてカウンター席に座った。
そして、"あのこと"について聞いてきた。

「さっきの共鳴、あれなん?」

どこか強い意志のある瞳で愛を見つめるれいな。
その瞳の奥には、絶対に突き止めたいという気持ちが溢れるぐらいにある気がした。

「れいなも、感じたんか?」
「感じたと。でもメンバーの誰のでも無かったけん、周りを探したと。
 でも近くには誰もおらんし。…どう思う?」
「んー、…あの共鳴は、どっかで感じたことのある気がしたんやけどなー」
「高橋さんもそう感じはったんですか?」
「あ、愛佳」

扉のほうから声がして見ると、いつのまにか店に来ていた愛佳だった。


109 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 23:09:03.11 0

「愛佳もさっき感じたんです。メンバーかなって思ったんですけど、なんか違う感じで…」
「ほら、愛佳も感じとったと」
「え、田中さんも感じてはったんですか?」
「店に帰ろうとする前に感じたけん、探してみたけど無理だったと」
「そうなんですかー…」

愛は二人の会話を聞きながら、先ほどの共鳴が誰のものかを考えていた。
考えれば考えるほど、見知った誰かのものだと感じているのに、その誰かが分からない。

「れいな!」
「うおっ、びっくりしたー…さゆなんね?」
「変な共鳴した!」
「道重さんもですか!?」


次第に店に集まってくるメンバー。
先ほどの共鳴を感じたらしく、皆口々にそのことについて話している。
今日、病院を退院した絵里も、この共鳴について話したいらしく真っ先に店に来たみたいだ。

「亀井サンはどう思いマスか?」
「絵里には分かんないよー…でも、どっかで聞いたことのある声だった気がする…」
「どこかで聞いたことのある声…」
「愛ちゃん?」

思考を激しく巡らす。
今までこんなにも思い出そうとしたことがなかったぐらいに。


110 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 23:12:03.67 0

「なあ、さっきの共鳴ってなんて言ってた?」
「なんて言ってたっけ?」
「なんか、会いたい、とか」
「笑顔を思い出しましたよ」
「なんか懐かしかったよね」
「でも小春、悲しい気持ちになりましたよ」
「あー、確かに悲しかったと」
「胸がイッパイ?になりました」
「誰なんだろうね」

メンバーが口々に思い出して言うことを、すべて集約して考えてみる愛。
もう少しで分かりそうな…喉元まで出かかってるのになかなか出てこない。

「うーん……」
「リーダーがすっごい考えてるの」
「ほんとだ」

メンバーに何を言われても思考はすでに謎の共鳴へと飛んでいた。


「アー!」
「いきなりなんねっ、ジュンジュン」
「絵里の心臓がびっくりするじゃーんっ」
「お守り見えました!!」
「は?」
「え?いきなり何?」
「ジュンジュンだいじょーぶー?」

でも見えたんデス!と強く言うジュンジュン。
メンバーからそれは幻想だとか言われてもめげずに言っていた。


111 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 23:14:14.72 0

「高橋サン!」

ジュンジュンに呼ばれて顔を向ける。


「お守り………っあ!!!」

思い出した思い出した思い出した!!


「里沙ちゃんや!!」


いきなり思い出して大声を上げた愛を皆は不思議に見つめる。

「みんな!里沙ちゃんや!!」

メンバーに思い出せと強く伝える。

「……お守り?……あ!新垣さんや!!」
「え?だ……っ思い出した!!ガキさんやん!!」

口々に思い出したと声を上げるメンバー。
引っかかっていたものがすっと取れた瞬間のように、彼女たちは声を上げて謎の共鳴の正体である人の名前を叫んだ。


112 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 23:16:35.98 0

「里沙ちゃんや…なんで忘れとったんやろ…」


愛は呟き、正体を突き止めた瞬間、ここにはいない里沙のことを想う。

忘れてはいけない人なのに、なぜ忘れていたのか。
そして、なぜ里沙は今ここに一緒にいないのだろうか。

なぜこうなってしまったのか、愛には里沙を問いただす権利がある。
そして問いただすには、どこかにいる里沙を探して見つけなければいけない。


「里沙ちゃん……」


愛はもう一度、彼女の名前を呟く。
そして会いたいと、この共鳴で感じ取ってくれたらと願う。


113 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 23:17:12.25 0



continue...




114 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 23:19:21.97 0
>>106
>>108-113
以上7レスです

話題ぶったぎっての投下、失礼致しました

115 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 23:24:29.89 0
すいません
更新しないまま書き込んで途中割り込んでしまいました・・

116 名前:名無し募集中。。。:2008/11/07(金) 23:37:06.22 O
乙おつ!
がきさん奪還話は以前別の作者さんでもありましたが 今度はどんな展開で奪還するのか楽しみです

117 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 00:24:05.35 0
「ふぅ、今日も疲れたぁ~」
ブティック、「ピンチャボー」での残業を終えた里沙が自宅マンション
の前に辿り着いたのはもう23時過ぎだった。

「おかえり、里ぃ沙ぁあああああああ!!!」
耳障りな声、ざわっと来るような感覚・・・
里沙は背後から駆け寄る漆黒の人影に向けて振り返り様、束になった鋼糸を放つ
人影を捕獲するように拡がり、襲いかかる鋼糸
「無駄無駄無駄ぁああああああああああ!!!」
漆黒の人影の前で四散する鋼糸・・・念動力!・・・やはりアイツだ!

「石川さん!なぜ!?」
「総帥から勅命が下ったんだよ!リゾナンター抹殺のなぁ!」
「そ、そんな・・・」
「だからお前ももう用済みってわけさ・・・死ねっ!」
「!!!」

全身を黒革の戦闘服で包んだ粛清人『R』こと石川梨華の掌から強大な念動波が放たれる
放たれた『念』は里沙の身体を捉え、手足をへし折り、ぐしゃぐしゃに捻じ切る
血を噴き出し、崩れ落ちる里沙の身体

118 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 00:25:07.87 0
「フフフ・・・アーッハッハッハッハッ!あ~スッキリしたぁ!!!」

スパイでありながら明らかにリゾナンターに組していた裏切り者、
ダークネスの鉄の掟を破る者・・・最も忌むべき存在を始末し『R』は恍惚の笑みを浮かべる

「雑魚の分際でダークネス様に逆らうからこうなるのさ、アーッハッハッハッハッ!」
「アーッヒャッヒャッヒャッヒャッ!」
「・・・誰だ!?」

自らの笑いにハモるような笑い声の方を『R』はキッ、と睨む

「アッヒャー、傑作やよ~!」
拍手をしながら歩いてくるブルーの戦闘服を着た人影
「高橋・・・愛」
ダークネスに逆らい続ける仇敵の姿に憤怒に染まる『R』の顔。
しかしすぐにそれは邪悪な笑みに変わる

119 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 00:25:36.96 0
「残念ねぇ、里沙はもう・・・」
「もう?もう?どうしたんやよ?プッ、アッヒャー!」
相変わらず笑い続ける高橋愛・・・まさか!
ハッと気付いたように前を見る『R』。そこには里沙の死体は無い。

「ざ~んねん、さっきのは小春の念写でしたぁ!」
街路樹の上に潜んでいた久住小春が言い放つ
「全てウチの予知夢通りや」
物陰から現れた預言者の少女、光井愛佳

「貴様ら・・・貴様らぁあああああああ!!!うっ!」
愛に襲いかかろうとする『R』の身体に背後から絡みつき、拘束する鋼糸
「終わりです・・・石川さん」
悲しみを湛えた瞳で鋼糸の操り主、里沙が言い放つ
「こんな糸ぉ!!!」
『念』で鋼糸を断ち切ろうとする『R』しかし鋼糸は断ち切れない

120 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 00:26:07.78 0
「ただの糸じゃないネ!」
「私達の『想い』が宿った鋼糸ヨ!」
両脇から里沙の両腕を握り、『念』を鋼糸に送り込むジュンジュン、リンリン
「お前ら如きの『念』などぉ!!!」
こめかみに血管を浮だたせ、更に『念』を増幅させる『R』
たわみ始める鋼糸
「そうはさせんっちゃよ!!!リゾナント!!!」
田中れいなが現れ、『共鳴』の力でジュンジュンリンリンの『念』を増幅させる

「ぐっ、うぉおおおおおおおおおおおおお!!!ぎざまら・・・ぎざまらぁ!!!」
鋼糸の拘束が強まり、獣のように吠える『R』
拘束していた鋼糸に向けてで無く、周囲に向けて無秩序に『念』を暴走させる『R』
めくれ上がる道路のコンクリート、舞い上がる石、瓦礫、外灯
「絵里!」
「了解!!!ボルテックフィールド!!!」
真空のフィールドを『R』の周囲に作り出す亀井絵里
「物が四散するのを防ぐだけでなく真空状態で相手の呼吸を断つ攻防一体の技なの」
出番が無いので解説する道重さゆみ

121 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 00:26:35.47 0
「・・・!・・・・!!!」

真空状態の中で何事かまだ叫んでいる『R』
しかしやがて、その顔は青褪め、鋼糸に掛っていた抵抗は弛み
がくり、と『R』の首が傾く

「みんな!もう終わりやよ!!!」

愛の叫びで一斉に止まる能力の発動
拘束を解かれ地面に崩れ落ちる『R』の身体
そのまま・・・動かない

「やった・・・やったーーーーーー!!!」

勝利に湧くメンバー達。
遂にダークネス最強の『DEATH DIVA』の一角を崩したのだ。

122 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 00:27:03.99 0
しかし、喜びに沸くメンバーの中で
「死んじゃったの?」
ぽつり、とさゆみの一言
「まだ息はあるみたい。気絶してるだけ」
「このまま放って置クカ?危険ネ」
「でも・・・」
「生かしておいたらコイツはまた来るっちゃよ!」
倒れた『R』の処遇を巡って割れるメンバーの意見


「殺したら・・・コイツらと同じやよ」
愛の一言で静まり返るメンバー
「それに、何度来ても・・・何度来てもあっし達は勝てる!」
皆、黙って愛の言葉に頷く
「聞こえるかダークネス!!!これが、これがリゾナンターの力やよーーーーー!!!」
天に向かって叫ぶ高橋愛の声が、深夜の住宅街に響き渡った

123 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 00:27:33.50 0
【都内某所地下】

「収容された病院に回収班を回して下さい。ナノマシンは恐らく必要ないでしょう。ダメージは小さくはないですが」
電話を切り、ふぅ、と息をつく白衣の女
「だから言わんこっちゃない。それにしても・・・」
甘い、甘いよ愛ちゃん・・・
白衣の女は口にしようとしたその言葉を噛み潰し、先程の戦闘データの解析を始めた。

(おしまい)

124 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 00:29:44.78 0
ずっと書きたかった[Other](05)491の続きを書きましたがなんかアッサリ味に
リーダー何もしてないわw
多人数VS一人のバトルって難しいです

125 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 00:44:34.82 0
>>114
乙です!共鳴・・・いいねえ凄く良い!続き早く読みたい!

>>124
>出番が無いので解説する道重さゆみ
ここ好きw
最後のマルシェが不気味・・・


126 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 03:05:52.29 0
>>114
こりゃ続きが楽しみだわ!!!
>>124
力みなぎるリゾナンター達が生き生きしてて読んでいて嬉しくなった!!!

127 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 03:05:52.78 O
一秒規制恐ろしい

128 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 07:34:01.72 0
また前スレとは違う雰囲気になってますね
変幻自在のスレが本当に素敵

129 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 09:32:56.76 0
>>124
面白かったです!

>「それに、何度来ても・・・何度来てもあっし達は勝てる!」
カッコイイ!


130 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 10:55:35.48 0
飛んでくる相手を右にいなして―――
斬りかかる相手には正面から突き入れてやって―――
回り込んでくる相手にはヒジ食らわせて―――

最小限の動きでの連携技。今までとは違う動き。ニューれいなやね。
れーな、こうやってじっとしとったって攻撃できるとよ?
相手もれーなが動かんとわかるとアホみたいに寄ってきよる。
そこをこうしてイチモウダジンにするっちゃよ。ね? 効率いい。

「おらー!!! かかってこいやー!!!!!」

れーなの挑発にカンタンに乗っかって、敵サンは集まってくる。
さぁ、来い。まずはどいつから? れーなの右、食らわせちゃるよ?

ぐぉああああああああああああああ!!!!!
人とも怪物とも思えん奇声を上げて襲いかかる相手に右の拳を振り上げた瞬間、
辺りが明るい光に包まれて、次に瞬きをした時には、敵は消え去っていた。

「アホはどっちやー、バカれいなー」

光の技の主、愛ちゃんはれーなを軽くにらみつけながら地上に降り立った。
うわ、マズい。愛ちゃんにはバレとう。逃げたいけど、れーなは動けない。

「んなん、気づかんワケないやろ? ちゃんとさゆに治してもらってな」

そう言うと愛ちゃんはひょいとれーなの腕を肩にかけた。
今まで強がってたけど、その時初めて右足がめちゃくちゃ疼いた。
だって、言えんやん。自分の不注意で足ひねったなんて。それで戦えんなんて。
でも結局はバレとうと。やけん、やっぱ仲間って頼りにせんとね。
れーなは何かこっぱずかしくなって、ゴメンナサイとつぶやいてから愛ちゃんにしがみついた。

131 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 10:56:14.80 0
何なの一秒規制って?
連投可能ってこと?
だとすれば何故そんなことを?

132 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 10:57:20.78 0
『野良猫、動かず。』

お題:れいな足をケガする(byポケモー日記)

踏み外して痛めた足が右なのか左なのかわかりませんがとりあえず右ってことでw
愛ガキ書くのも好きだけど愛れな書くのも好きだなぁ自分w

133 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 11:01:54.74 0
割り込んですいません
リロードすればよかった

>>132
乙です
やせ我慢れいな優しい子やね

>れーなは何かこっぱずかしくなって、ゴメンナサイとつぶやいてから愛ちゃんにしがみついた。
超カワイイ!

134 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 11:52:42.13 0
>>132
かわいい話乙!
野良猫が好きになった!

135 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 12:10:42.24 O
>>131
そう連投可能
鯖か何かの実験らしいよ

136 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 12:52:59.31 0
ありゃ
移転後すぐはさるさんONになってたけど無くなってるんだね

137 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 14:22:58.30 O
>>132
面白かったです れいなが好きになってきちゃう

138 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 15:34:17.89 0
面白いスレですね 僕も何か考えてみようかな

139 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 15:39:56.58 0
考えよう

140 名前:サボリン∞ヽ( ゚∀。)ノ:2008/11/08(土) 15:45:33.37 0
\||/|///
ヽ( ゚∀。)ノ<新スレ化作業

・dat追加
・過去ログ追加(23ch)
・現行スレ

野良猫は威嚇ばかりするくせに実は弱いところも持ってるってことですよ
1レスが40行くらいいければもうちょっと言葉足せたんだけどなぁw

141 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 16:02:18.25 O
いろいろ乙です

ってかずっとヅラつけてたら蒸れるよw

142 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 16:17:04.43 O
乙です!
そのズラ、日に日にだんだん伸びてきたら怖いね・・・

143 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 17:04:30.14 0
>>138
ようこそ!

>>140
乙です
あーゆう話すごく上手いですね!

ズラずれてますよ!

144 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 17:04:45.93 0
ネタふりはよせ つい応えたくなっちゃう人だからw

145 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 18:02:28.05 0
>>130
れいな可愛い!

>>140
ヅラ!ヅラ!

146 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 18:06:56.91 O
本当だ!あの人ズレてる・・・
こういう時は言ってあげた方がいいのかなぁ・・・
でも本人・・気にしてたら悪いしなぁ・・・w

147 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 18:43:45.95 0
そんなお題がハロモニ@であったなあw

148 名前:サボリン∞ヽ( ゚∀。)ノ:2008/11/08(土) 18:46:49.71 0
\  || .|/// ./
  \||/|///
Σヽ( ゚∀。)ノ<ギクッ

てかこの方がよっぽどH&Aに似てきてる

みんなの言うヅラずれてるがネタなのか本当なのかわからない件
自分が見てる環境じゃどれもずれてないんだけど

149 名前:名無し募集中。。。 :2008/11/08(土) 18:53:09.90 0
無駄なリアリティw
今更だけどサボAAって逆さまで見ると狂ったLLみたいでワロスw

150 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 19:07:06.35 O
触手!?なんか深海生物みたいでグロカワイイぜ!
グロカワイイ?・・・ハッ!まさにH&Aジャマイカ!

151 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 19:32:46.12 0
>>148
めっちゃパンキッシュやん!
ちゃんと見えてますよ!

152 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 19:36:10.09 O
>>147
あれは面白かったなw
明らか頭ズレてる大臣とかガキんちょにマジギレするれいなとか妄想デート中のカメとかw
あのマナーの先生とか国王も交えて1本書いてみたいと昔思ったのを思い出したw

153 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 21:12:03.29 0
数日ぶりに覗いたら作品きてるわサボティは愉快なことになってるわw
いやはや本当このスレは衰えないなぁ

154 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 22:37:08.72 0
>>153
久しぶり!
待ってたよ!・・・君を。

155 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 22:43:06.12 O
>>132
今日だけは 愛ちゃんの背中 借りるけん
今度はれなに 頼ってほしか


从´ヮ`)<今度はれなが守るけんね!

156 名前:サボリン∞ヽ( ゚∀。)ノ:2008/11/08(土) 23:15:02.08 0
まとめサイトがもうすぐ100,000HITだ
でもあれものすごいカウンタが回りやすい(ページ移動で1カウント)んだよね
今タグ打ちでまとめページ行き来しているから1作品タグ付けるだけで2~3カウントしちゃってる

あまりにカウンタ回りやすいから100,000ってのもあんまし実感も感動もないんだけど
まとめ作業なんかで100,000を自分で取るのは嫌だなw ちょい自重

157 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 23:27:55.41 0
リゾナンター予告編/予知能力者Ver.というのを作りました
もしお時間に余裕があれば見てやってください

高画質版


上がだめな時はこっちで見てください


>>156
いつも乙です!まとめサイトには毎日行ってます!


158 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 23:33:09.97 0
編集うまいなー

159 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 23:34:21.06 0
>>157
相変わらず素晴らしい

みっつぃー。・゚・(ノД`)・゚・。

160 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 23:37:56.23 0
>>157
もう凄いとしか言い様が無い

161 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 23:56:27.03 0
>>157
いじめっ子はfkskかw

162 名前:名無し募集中。。。:2008/11/08(土) 23:56:56.05 0
>>157
生きると言う言葉が伝わってきた
・・・これはもうドラマ化するしかないな

163 名前:名無し募集中。。。:2008/11/09(日) 00:01:31.80 0
>>157
待って涙出てきたよこれ本気で
前作の動的な映像とはまた全く違う素晴らしさです
ありえん・・・ありえんセンスです
言葉運びといい映像のチョイスといい・・・
未来で待つ仲間と抜けるような青空の部分にはほんと涙が・・・
もう一回見てくる(涙声で)

164 名前:名無しじゃないやい:2008/11/09(日) 00:11:24.56 0
>>156
何気なくアクセスしたら10万ヒット踏んじゃったよー
証拠の魚拓?w送りますわ

いやはや、これも何かの運命なのかしらね…w

165 名前:名無し募集中。。。:2008/11/09(日) 00:15:08.20 0
>>157
We're sorry, this video is no longer available.
ってふたつともでて見れない・・・

166 名前:名無し募集中。。。:2008/11/09(日) 00:24:14.95 0
みなさん温かなレスをありがとうございます!
また何か作れたらと思います・・・その時はまた見てやってください
>>165
お手数ですがyoutubeのモニターの下にある「標準画質で見る」を
クリックして下さいませ。
それで無事、映りましたら今度は同じ所の「高画質で見る」をクリックしていただくと見れると思います。


167 名前:名無し募集中。。。:2008/11/09(日) 00:46:55.62 0
>>140
お久しぶりです
画像付き過去ログを17話まで更新しました

168 名前:名無し募集中。。。:2008/11/09(日) 00:54:07.57 0
>>148
一応載せておきます
ここはAAが少なかったんでいままで問題なかったのかな

※下のAAのズレない環境が標準です。

│〃ノノハヽ ♪                ノハヘヾヽ | 'ノノ゛゛ヾ | ☆ノノハヽ│ ノハヾヽ |
│川*^∇^) [ВеγγуΖ工房]φ(´∇`*从│川´・д・リ | 州*´ρ`リ | 从゚ー゚;从 |

│〃ノハヾ  .| 〃ノノハヽ  ノハヾヽ☆│          | 〃ノノハヽ   |  ☆ノノハヽ      |
│リ ・一・リφ | リd ` v ´)σ)・ v ・`;洲 | С゚-цте | 从;・ゥ・) …│ヽリl|*´∀`l|ノ ~ф |


169 名前:名無し募集中。。。:2008/11/09(日) 01:06:59.39 0
>>167
乙です
作品ごとに読むのもいいですが、色んなレスとかも通して眺めたい時に
過去ログを利用させてもらってます、重宝してます

>>166
こんな妄想の産物に涙するとは、自分は病んでるわ
でも幸せ…

170 名前:サボリン∞ヽ( ゚∀。)ノ:2008/11/09(日) 01:13:17.61 0
>>168

(↑FireFoxにて)
うーん?
Live2ch(通常環境)だとベリキュのAAは若干ずれててサボティの伸びた頭はずれてない
むしろ>>140でずれてるとこのキャプが見たいんだけど…

>>167
乙です
あとで暫定版消しておきますね

171 名前:名無しじゃないやい:2008/11/09(日) 03:00:25.64 0
保全の精神で予告予告ー!


「あたしとやりあって勝てると思ってるの?」

「…年寄りに負ける気はしない、私は―――お前をダークネスへと連れ帰り、その技術で永遠を手に入れる」

対峙する二人。
永遠の命を欲する者。
そして―――永遠を殺す者。

「あんたはあたしと入れ違いにMに…いや、ダークネスにきたのか…。
じゃあ、あたしが―――ただの機器開発者じゃない、なんて知るわけがないわね」

鮮やかな微笑み。
そして、彼女が欲する永遠は―――殺される。

「何を言ってももう、聞こえちゃいないんだろうけど。
相手が悪かったわね、あたしは―――永遠を殺す者」


『永遠殺しの調停者-The anti-eternal arbiter-』

近日投下予定(内容は予告と大幅に異なる可能性大)


172 名前:名無し募集中。。。:2008/11/09(日) 07:00:16.52 0
>>171
物凄く期待して、お待ちします

173 名前:名無し募集中。。。:2008/11/09(日) 07:03:25.97 0
>>167
乙です
いつも覗かせてもらってます!
>>171
楽しみにして待ってます!
永遠を殺す者ってなんだろう?・・・すごく興味が湧きます!!

174 名前:名無し募集中。。。:2008/11/09(日) 09:34:01.80 0
>>157
乙乙!泣いた!
みっつぃーがバイバイって。・゚・(ノД`)・゚・。

愛ちゃんとみっつぃーの気持ちが重なり合うとこがいいね

175 名前:名無し募集中。。。:2008/11/09(日) 11:45:59.21 0
>>171
期待上げ

176 名前:名無し募集中。。。:2008/11/09(日) 12:40:54.48 0
>>157
すげえええええ
マジで鳥肌たった!!
映像で見るとほんと感動するわ

177 名前:名無し募集中。。。:2008/11/09(日) 13:27:41.53 0
>>157
すごいの来てたんだな
感動した!
みっつぃーが愛おしくなった!

178 名前:名無し募集中。。。:2008/11/09(日) 15:11:40.94 0
>>171
永遠殺しとは…
早く読みたいです!!

179 名前:名無し募集中。。。:2008/11/09(日) 16:36:17.98 0
このスレは平和なのが好きだな
全部良作と言っても過言じゃない

180 名前:名無し募集中。。。:2008/11/09(日) 16:39:00.93 0
>>168
昔設定したつもりだったんだけどおかしくなってたので直した
ありがとん

181 名前:名無し募集中。。。:2008/11/09(日) 17:39:01.33 0
このスレは作品がたくさん投下されていいね

182 名前:名無し募集中。。。:2008/11/09(日) 17:52:50.46 0
ここに至るまで作者さんは何人いたのかなあ
今でも全員が見てるのだろうか

183 名前:名無し募集中。。。:2008/11/09(日) 19:25:53.14 O
たいていの作者さんはないやいさんやサボリンさんくらいの数書いてるんだろうか

184 名前:名無し募集中。。。:2008/11/09(日) 19:47:07.24 0
>>182
どうだろ
俺は月に2~3回覗いてるだけだからなー
投稿したのは1作品だけだし

185 名前:名無し募集中。。。:2008/11/09(日) 21:12:14.91 0
何だか静かだね
今週もライブだっけ?
それとも日本シリーズが盛り上がってるからかな?w

186 名前:名無し募集中。。。:2008/11/09(日) 21:15:18.47 0
昨日八王子
今日安倍さん

187 名前:名無し募集中。。。:2008/11/09(日) 21:35:10.23 0
保全代わりに投下させていただきます
>>106>>108-113の続きです

188 名前:名無し募集中。。。:2008/11/09(日) 21:36:38.58 0

鳴り響いた悲しき共鳴が新垣里沙のものであると知り、
皆は彼女を探そうとするが手がかりなどまったく無いに等しく、
どこから手をつければいいのか分からなかった。


「ガーキさーん、どこにいるんですかー」
「ここで言ったって分からんやろ」
「分からないから言ってるんじゃん」
「絵里もれいなも睨み合わないのっ」
「だってー…」

誰もが考えるのを諦めていたその時、一人の訪問者がやってきた。


「喫茶リゾナントって、ここですか?」


一番に訪問者に気付いた愛は、その人に近づき答えた。

「はい、そうですけど…」

愛がそう言うと訪問者はニコリと笑い、次には衝撃的な言葉を発した。


「私、新垣里沙という女性の行方について知っている者です。」


そう言われ、一斉に驚くメンバー達。
訪問者はただ、笑顔を浮かべてそこに立っていた。


189 名前:名無し募集中。。。:2008/11/09(日) 21:40:24.79 0

   **


「海上の孤島、ですか…?」
「はい、彼女はそこに囚われています」


あの後、訪問者は皆に疑いの目をかけられるが、話だけでもさせてくださいと言い、
椅子に座り、店内にいた愛達に新垣里沙の居所を教えた。


「海の上とかどうすればいいんですか?」
「私が船を手配しています。それに乗り込んで助けに行ってください」
「待って」
「高橋サンどうシマした?」

それまで口を開かずに黙って話を聞いていた愛。

「あんたのこと、信用できん。
 いきなり来て、里沙ちゃんの居場所を知ってるって言われても、
 私達はあんたのことをそう簡単には信じることなんてできん」
「…そうですね。もしかしたらガキさんをさらった人たちの一人かもしれないですし」
「どこまで信用できるかは、こっちが決めることっちゃけん」
「その言葉を信じるかどうかは絵里たちが決めることです」

口々に言うメンバーは、まだ疑いの目で訪問者を見つめる。

「それに、名前を言うことができないなんて信じられませんっ」

押し黙る訪問者。

190 名前:名無し募集中。。。:2008/11/09(日) 21:42:46.53 0

「もしも、あんたが私達の敵だとしたら、なんでその話を私達に伝えるんや?」
「……貴女達の仲間である新垣里沙が、海上の孤島に囚われているというのは本当。
 そして船を手配したことも、貴女達に協力をしようと思っているのも本当です」
「じゃあなんで名前は言えないんですか?」
「それは私が所属する団体の規則に反すること。
 名前を言わなくても、信じてもらえれば大丈夫だから。
 協力したいと思ったから、私はここまで貴女達に伝えに来たのです」


何が大丈夫なのか、愛は考えた。
里沙の情報は、この人からしか貰えず助ける方法もこの人しか持っていない。
大切な仲間のことだ。
だからこそ、正確な情報だということを知って行動したいと思っている。

けれど、目の前にいるのは名前も名乗れない一人の訪問者。
半信半疑で聞いてきた情報を、鵜呑みにできるほど馬鹿ではない。

しかし…

「……信じよう」
「え、愛ちゃん?」
「うっそ、ホントに?」
「あんたの話、信じるよ。でも一つだけ、言っておく。」
「何ですか?」


191 名前:名無し募集中。。。:2008/11/09(日) 21:45:18.76 0

「…里沙ちゃんは、あーし達の大切な仲間や。
 協力したいと言った以上、あんたはあーし達の側につくことになる。
 よって、ここにいる仲間と里沙ちゃんを傷付けることは一切あーしが許さん。」
「…もし、それを破れば?」
「もし破ったら、……信じたあーしがバカやったっていうことになる。
 だから、その時はあーしがあんたを敵と見なして、殺す」

一瞬、緊張の糸が店内を張り巡る。

「いいか?」
「…分かりました、その規則に従いましょう」
「なら、信じることにするよ」

一気に緊張が解ける店内。
愛以外のメンバーはため息を漏らす。


「…ということで、作戦を練りましょう」

訪問者がそう言い、彼女たちは身を寄せて相談を始めた。


192 名前:名無し募集中。。。:2008/11/09(日) 21:46:43.20 0



continue...




193 名前:名無し募集中。。。:2008/11/09(日) 21:50:59.60 0
>>188-192
以上の投下です

タイトルを今回から一区切りした頃に付けさせて頂きます
>>106>>108-113を『海上の孤島 -終わりの始まり- 前編』
>>188-192を『海上の孤島 -終わりの始まり- 後編』

後編が短くなりましたが、これでお願い致します

194 名前:名無し募集中。。。:2008/11/09(日) 22:29:29.17 0
>>193
乙です
謎の協力者やら団体の正体が気になります
どんな救出劇になるのか、次の更新を楽しみにしてます



195 名前:名無し募集中。。。:2008/11/09(日) 23:43:33.30 0
流れ無視してうp

何スレ目かでごとーさんには羽がある的な設定を見た気がするので
自重?なにそれおいしいの?

自分がカキカキしてるまに投下祭りでうはうはです
それにしても動画のひとは毎回クオリティー高すぎだとゆいたい

196 名前:名無し募集中。。。:2008/11/09(日) 23:49:52.28 0
>>195
あなたのクオリティーも上がる一方で素晴らしいです!

197 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 00:12:51.02 0
>>185
ミルキーライブから帰還
小春編書きたくなっちゃったなー( ・ー・)♪

198 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 00:17:16.95 0
書いちゃえ!

199 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 01:15:20.53 0
れいなの誕生日が迫ってるね
しかし各個の誕生日を意識できるほど長々続くとは思わなかったなあほんと

200 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 02:07:57.02 0
>>193
続き気になるぅ~!!!次回の投下、心待ちにしてます!
>>195
凄い上手い!Tシャツにして着たいわ!


201 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 02:19:11.09 0
作品投下の多い中、無駄に長文で申し訳ないですが…。
『コードネーム「pepper」-ガイノイドは父の夢を見るか?-2 』 の続きを投下します。
規制解除になりました。まだ油断は出来ませんが…。

なんと今回のパートでは「pepper」が登場しないと言う…、リゾナンターメインの内容です。
なんでこう長くなるんだろう…? けっこうエピソードカットとかもしてるんですが。
とりあえずよろしくです。

202 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 02:20:29.33 0
遡る事数時間…。

作戦会議を終えたリゾナンター達は喫茶店「リゾナント」の扉を開けると、夜の街へ飛び出して行く。
阿久博士の最速での奪還を目指す以上、時間を無駄にする訳には行かない。
目指すは警察庁・科学技術局のある警察庁の総本山、Kasumigaseki City の警察庁本庁舎で
ある。
しかし、先ずは阿久博士の所在を確認する必要があった。この本庁舎のどこかにいるのか?それ
とも、「pepper」達が向かうというTukuba Cityの何処かなのか、それとも…?
愛は他のメンバーを待機させると、小春のみを伴い、既に正門の閉鎖された庁舎の裏通用門に
近づく。
巨大な庁舎に働く人は想像以上に多く、定時をだいぶ過ぎたこの時間でも、通用口を通り退庁して
いく人は多かった。

愛は退庁していく人々に丹念に精神感応によるマインドサーチ(探査)を掛けていく。しかし、退庁
する人皆が阿久博士の事を考えている訳も無く…、それぞれの心はこれからの夜食の買い物や
恋人、家族の事、あるいは残した仕事の事などで占められている。
小春を伴ったのはその為だった。小春が退庁する人達の視界に、一瞬だけ阿久博士の映像を現出
させる。サブリミナル画像のように一瞬でも、人はそれにより自分の記憶の中の情報を想起するの
だった。愛はそれを逃さず読み取ろうとしていた。
“そういえば、阿久博士、ご病気はどうなんだろ…。”
“あー、阿久博士の代理の秋元とかいうヤツ、いけ好かなかったな…。早く博士が戻ってくりゃ良い
けどな…。”
どうも博士の処遇は内部的にも秘密であり、「病気療養中」とされているらしい。これでは相当な
幹部クラスにあたらない限り、阿久博士の所在を知る事は難しそうだ…。

203 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 02:23:50.36 0
次第に退庁者もまばらになり、今夜は無理なのか… と、愛たちが半ばあきらめかけた頃、黒塗り
の車が横付けになり、いかにも幹部クラスのスーツの男が登庁してくる。
“…こんな時に秋元君まで意識不明とはどう言う事だ…? まさか例のダークネスとかいう組織が
絡んでいるのか…? いまさら阿久博士に戻ってもらうのもみっともない話だ…”
「小春!お願い!」すかさず愛が指示し、小春が男の前に一瞬阿久博士のビジョンを現出させる。
"…阿久博士は無事だろうな…? まあ、あそこならよほどの事がない限り大丈夫だろうが…。”
男の脳裏に浮かんでいたのは、なんと防衛省の本庁舎であった。
表向きは警備を厳重にする為という事ではあったが、警察庁内に信奉者の多い阿久博士を監禁
状態に置く事には、庁内の反発が大きい事を懸念した秋元が、自分のつてのある防衛省に依頼
したらしい。
「…防衛省…!!」愛は溜息をつく。これは作戦の練り直しが必要だわ…。とりあえず愛たちは再び
メンバーと合流する事にした。

しかし、ちょうどその頃、既に Ichigaya City の防衛省本庁庁舎の正門前には、庁舎内を覗う女の
姿があった…。

その数十分後、防衛庁本庁舎の裏門に歩み寄る1つの影。
黒いレザーのジャンプスーツを身にまとった、小柄な女性のように見えるその人影は、つかつかと門衛に
近づくと、低い声で聞く。
「阿久博士はどこにいる?」
「何!?」
「誰だ、君は!?」門衛が気色ばむ。
女は、スッと左手を一人の門衛に向けて上げる。するといきなり門衛の身体が宙を飛んだ。
「うわああああああ!!」
門衛の身体ははるか後方の庁舎の10階付近の壁に叩きつけられた。壁にヒビ割れが走り、血飛沫が
飛ぶ。血塗れの門衛の身体はズルズルとゆっくり壁をつたって落ち、動かなくなる。
「な!?何をする!?」
詰め寄るもう一人の門衛にもまた女が左手を向けると、門衛の身体は立ったままゆっくりと宙に浮かぶ。
「阿久博士はどこにいる?」
「…!」
再び二人目の門衛も物凄いスピードで宙を飛び、庁舎の壁に叩きつけられる。

204 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 02:24:39.14 0
異常を察知した数名の隊員達が守衛室から銃器を手に飛び出してくるが、状況を見て唖然としてしまう。
「な、なんだこれは…!? 何が起こったんだ!?」
驚愕している彼等にまたしても女が手をかざすと、それぞれが持つ銃器が物凄い力でもぎ取られ、女の
脚元に引き寄せられてしまう。
「念動力!!」「ダークネスの能力者か!!」
「いったん引け!!応援を呼ぶんだ!!」

守衛の隊員達が庁舎に逃げ込むと、後に残された女はニヤリと笑い、
「キシシ…。ダークネス顔しとうって言われるのは納得いかないっちゃけど、この役楽しいっちゃね!」
「れいな、あんまり喋っちゃダメやよ、最低限にしてね!」と愛がたしなめる。
いつのまにか先ほど飛ばされた守衛達の側にしゃがみこんでいた絵里とさゆみが報告する。
「二人とも怪我はないですよ~。ビックリして気絶してるだけですう~。」
「ジュンジュンもリンリンも、飛ばし方上手なの~。」
「ホントにはぶつけてないデスから!」
「バッチリですよ!」と、門衛達を念動力で飛ばしたジュンジュンとリンリンがニコニコして答える。
「じゃあ、もう良いよね~。」と小春が言うと、念写された庁舎のヒビや血飛沫、門衛達の血の跡が消える。
「あ、次が来ます!今度は最初から撃ってきますよ!田中さん、隠れてください!」
愛佳が予知を報告すると、メンバーは物陰に隠れ、小春が幻のれいなの姿を出現させる。

現れた自衛部隊員達が銃を乱射するが、もちろん幻のれいなには全く効果が無く、隊員達はパニックに
陥る。
「…阿久博士はどこにいる…?」
茂みの中かられいながマイクを使ってスピーカーから声を流す。
その言葉で隊員達の頭に想起されるイメージを、愛が必死に読み取る。完璧に近いイメージが浮かばない
限り、その場所へのテレポートは不可能だからだ。
「ねえ、みっつぃー、上手く行きそう? これで博士の所にたどり着けるのかな?」さゆみが聞く。
「あ、待って下さい! 未来のビジョンが見えました! …田中さんらしき人が博士に会ってます!」
「…あれ…? でもおかしいな…? 田中さんが巨乳に見えます!」
「なんがおかしかと!」
「ま、待ってみっつぃー、それってもしかして本物の…?」
「ダークネス!?」メンバーの声が揃った。

205 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 02:27:52.69 0
その頃、庁舎の中にある、閣僚等が緊急時等に長期宿泊する為に作られた施設の中では、監禁された
阿久博士が苛立ちを募らせていた。
長身にボサボサ頭の博士が、それなりに豪華にしつらえられた広いホールの中を、ウロウロと歩き回って
いる姿には焦燥感が漂っている。

ふと、室内に妙な冷気が漂い…。ロックされていたはずのドアがゆっくりと開く。

阿久博士がノックの音に気付いて視線を送ると、既に開いたドアの横に二人の若い女の姿があった。
一人は黒のレザーのジャンプスーツに身を包み、開いた胸元からは乳房の豊かさがうかがえた。もう一人
も黒のレザージャケットとマイクロミニを身につけ、美しい脚を見せ付けるようにしている。

「ほう…。 これはこれは、こんな殺風景な所へ、そんな美しいお嬢さん方が、何の御用かな?」
「私達は、闇の住人…」
「…そして、闇の代理人…、とでも申し上げましょう」
「あまり名も名乗らない輩との付き合いはご遠慮したいのだがね…? 私は阿久悠だが…、それは知って
の事だろう?」
「これは失礼しました。 …闇に永く住みますと、名前などと言うものはあまり意味を持たなくなりますので
ね… 私はアヤとお呼び下さい」
「…私はミティ」
「…ふむ、なるほど。それで、何かね? お酒の相手でもしてくれるのかね? それともピンクレディでも
歌ってくれるのかな? …いや、今はモーニング娘。かね?」 
「…モーニング娘。も古いですわよ、博士」アヤが冷静に答える。

206 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 02:28:44.94 0
「…お預かり戴いていた物を返して頂きに来ました」 ミティ が続ける。
「…預かっていた物?」
「私達のデータを基に博士が作り上げた、ガイノイドチーム、『pepper』の事ですよ」
それを聞いた博士が突然笑い出す。
「ハッハッハ!なるほど! …しかし、君達は私を誰だと思っているのかな? 私が君達の考えた、あんな
計画に基づいて彼女等を作ったと思うのかね?」
「何っ!?」
「まあ、確かにリゾナンターの諸君のデータは活用させてもらったが、あれは別に君達の考えたものでは
ないだろう? 私とパートナーが生み出した彼女等は、君達の想像などはるかに越える存在なのだよ。」
「…彼女等と比べれば、君達の計画など子供の遊びに過ぎん。 …まあ、少々光る部分もあったから、あれ
を考えた担当者は、よければ私の研究所で鍛えなおしてあげても良いがね」
「くっ!」 ミティが言葉に詰まる。

「ほう…。そういうことですか」アヤが歩み出る。
「それは興味深いですね…。 ますます彼女たちが欲しくなりました」
「どうですか? 私達がここから開放して差し上げましょう。そして彼女たちの捜索も。 …そのかわり…
“色々と”私達にご協力戴く事にはなりますがね」
「…なかなか悪くない条件だね・・・。だが、パートナーを選ぶのは慎重にならないとね。 …彼女たちの
条件も聞いてみても良いかな?」
「彼女たち・・・!?」
ハッとしたアヤが視線を送った先には…、勢ぞろいしたリゾナンター達の姿があった。

207 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 02:29:26.93 0
「君達はリゾナンター…だね? 私は阿久悠だ。…私をここから解放してはくれないかね?」
「もちろん!」愛が答える。
「私達はその為に来ました!!」メンバー達が叫ぶ。
「交渉成立の様だが…。君達はどうするのかな?」
「…それでは…、 力づくで来ていただくまでですね…」
アヤが言い放ち、二人が構えると、二人の身体から邪悪な闘気がほとばしる。
「そうはさせない!」
愛が叫ぶと、れいなにより増幅されたテレポート能力で、メンバー全員が阿久博士の前に瞬間移動する。
「今日はあーしたちの目的を絶対に遂行する!!絶対にあんた等に邪魔はさせない!!」
「へえ…、アタシ達の力はわかっているわよねえ…? あなた達全員だろうと、アタシ達二人の力があれば
敵じゃない。…それに今日は里沙もいないみたいじゃない?」
ミティが冷たい笑みを浮かべながら言う。
確かに、以前散々に翻弄された「A」ことアヤ、そしてミティの力量を考えると、リゾナンター全員と言えども
勝ち目は薄い。しかし、愛にためらいは無かった。
「リンリン!!」
愛が叫び、リンリンが床に両手を叩きつけると、一気に炎が燃え上がり、円形にアヤとミティを包囲する。
「小春!!」
愛の声と同時に、部屋中に無数のリゾナンター達の分身が登場し、炎の周りをさらに包囲する。これも、
れいなにより増幅された小春の幻術である。
「…この『氷の女王』ミティ様に炎とは…なめられたものね? それにいくら分身を出した所で、攻撃できる
のは本体のみ、それに数人だけときてる…。仕掛けた時がアンタ達の最後よ!」
ミティの笑みには余裕さえ見えた。
「どうしたの!? ビビって仕掛けられないの?」
ミティが挑発する横で、突然スッ…とアヤが構えをとき、炎の中に歩み入る。
「!?」
炎の中に立つアヤは、何事も無く平然としている…。そして炎はあっという間に消え去った。それと同時に
リゾナンター達の姿も全てが消えうせ、ホールには二人だけが残されていた。
「あいつら…!! 全て幻術!?」
「逃げられたわ…。今この正門前から、2回目のジャンプ(瞬間移動)に入る…。もう間に合わない…」
ミティが窓に走りよる。正門前に、闇に溶け込むように姿を消すリゾナンター達の姿が見えた。
「アイツ! 騙しやがって!!」

208 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 02:33:17.54 0
「『目的を遂行する』とは言ったけど、『戦う』なんて一言も言ってないやよ・・・」
当初から移動地点に想定していた防衛省に程近い公園で、悪戯っぽい笑みを浮かべながら愛がつぶやく。

「さあ、博士!彼女たちに会いに行きましょう!!」

******************************************

今回は以上です。続きます。 色々作品投下の多い中、迷いましたがすいてる時間帯かな?
という事で…。 長いですが読んで見て下さい。

209 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 02:39:14.20 0
おお!知的なリーダーだw
ドキドキわくわくな展開ですね

210 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 05:20:57.00 O
おはようリゾナンター

211 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 07:16:01.70 O
千葉からおはよう
リゾナンター達

212 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 07:22:17.22 O
>>208
リーダーカッケー!博士もなかなかやるな!
続き待ってます

213 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 07:33:22.17 O
>>208
血痕が小春の能力、念写を使っているのが面白いね
今回はペッパーが誰も倒れなかったから
少しホッとしている自分がいるよ

214 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 09:16:38.40 0
>>208
超面白かった!
庁舎の通用口で愛と小春が阿久博士の所在を探る場面が面白かったです!


215 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 10:03:34.56 0
小春の能力の強力さをここ数作で思い知った感じ
念写って結構万能だなあ

216 名前:名無し募集中。。。 :2008/11/10(月) 11:15:17.49 0
>なんでこう長くなるんだろう…? けっこうエピソードカットとかもしてるんですが

この分もそうですが自分的には長さを感じさせずに読ませて貰ってます

217 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 12:08:38.05 0
>>157
いいねえ
ただ高画質版が18秒で終わっちゃうのはなんでだろう
こっちのせいかな

218 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 12:33:47.50 O
>>217
あまりに凄いから短く感じてしまったのではw
今回のスレも前半から良作の小説・動画投下でお腹いっぱいだーヤッター!

219 名前:名無し募集中。。。 :2008/11/10(月) 12:58:59.29 0
誰も>>204の下から4行目の光井の台詞何気に失礼だなw

220 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 15:11:26.46 O
>>219
たしかにwww

221 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 16:21:02.02 0
>>219
俺そこで深夜だってのに爆笑したしw

222 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 17:21:33.93 0
夕焼けが見事な赤だわ
それにしても寒いなー

223 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 18:18:50.72 O
ミティが盛んになる季節となって参りました

224 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 19:58:32.38 O
寒いねぇ、そういえばこの前喫茶リゾナントの横通った時
「うええおええ鍋初めました」って貼り紙があったよ。
もうそんな季節かねぇー。

225 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 20:02:58.08 O
>>223
四半期ごとに強くなる能力ですか?
あと、天気によっても変わると話しにバリエーションができそうですね
>>224
食べて暖まりたい

226 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 20:37:37.93 O
明日のことを考え
早いですが今日のうちにあげさせて頂きます…

>>74-77の続きです

予定通り7レスです ホッ

227 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 20:39:47.26 0
 * * * *

「やめて下さい」

もう外すことはない距離に近づきながら、拳銃の引き金はぴくりとも動かなくなった
雨が、おかしな方向に流れていく。私の銃から伸びた何かに水滴が伝っているのだ
それが新垣里沙のピアノ線であると気づいた瞬間、私の背中に雨のそれとは違う何かが流れる

「監視者がいるのを知っていますか?4人。あなたからは死角。」

不審がられずに知りたければ、そのまま私の鞄の留め具に映るビルの陰を見ればいい
静かにそう告げる新垣の言葉通りにすると、組織の誰かが見張っている

「どうして…」
幾重にも重なった疑問の言葉だった。

  どうして、私ごときに監視がつく?
  どうして、私に気づいた?

「私になんの恨みがあるかは知らないけど、
 私を攻撃する意思を見せたのは、任務の内容に含まれてはいないでしょう?」

すべて知っていたかのように彼女が言うと、がくっと私の拳銃を持つ手が下がった
彼女が、ピアノ線の拘束を解いたのだ

「私を消すのは、ある一定の幹部以上のみに任されています。最良の時に始末できる情報と先見の明と腕を持った人間に」

さも当たり前のように、見えないはずの私に対して言葉を続ける新垣


228 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 20:41:18.64 0

「でも、それをおもしろくないと思う人間が多い。彼らは秘密裏に私を亡き者にしようと謀っています」

  自分たちには火の粉のかからない方法で。
  不満を持った中級兵が、任務を無視して新垣を殺しましたってそんなシナリオを夢見てね。

「不満を大きくして、力を大きくして、けしかける。そんな被害者を何人も作り続ける」

雨の音がまったく違うものに聞こえた
信じたくない、もっとも憎んでいた新垣の言葉が今は世界で一番正しい言葉のように聞こえた

「…っるさい…」

  雨も、新垣も、あの研究員も、ダークネスも
   『能力者だからって、気後れすることのない世の中を作りたいだろ?』
  兄も、私も…
   『何があっても、生きるんだ』

「五月蠅い!!!」

力任せに、腕を上げ、引き金に力を込める。
その弾はわたしの手が触れている拳銃から離れた瞬間に世界に現れ、
新垣の手に繋がった、見えない流線に触れた瞬間、霧散した。

…ただ音だけが、主を置いて世界に発現した


229 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 20:42:33.43 0

「諦めて下さい。確かにあなたもあなたの攻撃も私には見得ない。
 でも、この線が近づくものをオートで捕縛し、私の許可と共に撃破します。」

まるで編み目のようにふよふよと糸が浮いている…これがあるから新垣は私を捕まえることが出来たのか。
いくら私が消えたとしても、色を失っても…世界からいなくなったわけではない。
彼女に触れずに、攻撃することは出来ない…私の力では…

雨の中、見えない自分の膝が地につく音だけが生きている証だった。

終わりだ。たとえここから逃げたとしても、任務を失敗した、死。組織から、抜け出しても粛正による、死。
『何があっても生きる』その兄の言葉が再び脳内に駆け回る。

口ではそう言いながら私を置いて、世界から逃げたくせに…
私は思わずブレスレットを引きちぎり、地面に投げた

それは雨に流されて散り散りになる。まるで、血のように…
認めたくなかった自分の感情が、雨と死に向き合うことで、明らかにされていく

 本当は憎い、ダークネスがニクい。世界が憎い。
  自分のものさしにあったものしか愛さない、すべてが憎い。
  それを平気で捨て去り、見えているのに見えないフリが出来る、すべてが憎い

 本当は羨ましい、新垣里沙が羨ましい。
  能力者としての居場所も、人間としての居場所も得た彼女が羨ましい
  私たちが命を刈り取られる組織を軽々と抜けた、彼女の力が羨ましい

230 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 20:44:54.32 0

「くそ…くそぉ…」

  そして…何よりも 自分が 自分の弱さが 自分の存在が 情けない

私には力がないから、ダークネスを壊せない。
私の力がしょうもないから、対リゾナンターとして、活躍することも出来ない。
所詮は、世界から無用とされた、無視された存在。見えているのに、見えないのと同じ。
見える人間からは、自由におもちゃにされても、命を長らえさせるためには、這いつくばって命乞いをするしかない、ちっぽけな自分

失敗したときのために、自分を消滅させる弾薬は今、世界から消えた
命を張ったとしても、この命では敵に傷一つ与えることはおろか、自分を消すことも出来ない

  ああ、どうして。命には位階が存在するんだろう。

惨めなわたしに、新垣の審判が下る時がきた
きっと彼女は、私を逃がす。自分の手で殺すのを嫌がって…
組織に帰れば殺されるとわかっていても、それに目を瞑って、わたしの命をどこかに差し出す
彼女が殺さない判断をすれば、だれかが私を殺すだけ。
彼女に不利益はないのだ。それならば何も、自分の手は汚さないだろう。



「あなたは、何事もなかったかのように、組織に帰って下さい。」

不意に届いた信じられない言葉。私は理解できず、彼女を見上げた。


231 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 20:45:41.42 0

「監視者は、私が始末しますから」

  って言っても、ちょっとだけ今日の記憶を弄らせてもらうだけだけですけど。
  あなたはわたしと接触なんかしなかった。その事実を植え付けます。
  あなたに命令を回した人間は失望しても、組織の信頼は損なわれない―任務は、成功。

「黙って帰らせれば、あなたの命を助けることができる。」

裏切り者は、悲しげな、それでいて意思の強い笑顔で私を助けようとする
あなたは私を知らない。姿さえ見てはいない。命を狙った。それなのに。
甘いよ。それじゃ、あんたを殺そうとする人間からとても逃れることなんてできな…

「甘くても、なんでも、私のいたい世界では、こうなんです。」

  もう、ただ、いたいだけじゃない。
  みんなの仲間として相応しい人間で居続けるために、私はなんの努力も苦難も厭わない
  私は、ここにいる。それに、ホントはもっとわがままで…
  闇の中から、私と同じようにみんなを…あなたを、救いたいと願ってしまっている…それなのに…

「あなたを組織に帰すことしかできない、私を許してくれませんか?」
  
  本当は、あんな組織に帰すのはイヤで…
  でも、まだ準備の整わない私たちではあなたの裏切りに対する粛正からあなたを守りきれない可能性がある。
  命が失われてしまっては、何にもならない。もう守ることも、できません。  


232 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 20:47:29.95 0
私の言葉を遮ってまで言い切った、彼女の本心。やっと私は理解した。

彼女自身もずっと、辛い戦いの中に身を寄せていた。
闇の中を歩むしかなかった、自分に訪れた好機を生かすために、死にものぐるいで戦ってきた。
裏切りの心痛を心に隠して。組織の中で苦しむ、顔も知らない仲間を想って。
凛とした瞳で、この雨の中、私を助けようともがいてくれていた。

「それに、甘いのは、あなたもでしょう?」

  今まで殺そうと思うほど憎んでいた相手の言葉を信じてくれようとするなんて

ありがとう。そう、本来こちらから言うべき言葉を放つと、
両の手からそれぞれ色の違うピアノ線が4本ずつ、四方に伸びていく。
透明なラインは攻撃の為、黄緑のラインは精神の乗っ取りの為。
それは、彼女の強さに憧れた、生前の兄から聞いたバトルスタイルだった。

そして同時に、彼女の右手の人差し指から、私の頭に向かって黄緑のラインが伸びる
私の記憶まで、…消す…の?
私は無我夢中で、彼女に姿を晒す。嫌だから、あなたのことを忘れるのは…

「私は仲間と共に、組織を壊して、必ず、あなたや他のみんな…解放すると誓います。
 それまで、私たちを待っていて下さい。そして…何があっても生き延びて下さい。」

  …ああ、ある種の生き甲斐となっていた、あなたへの恨みを…わたしのために残すのか…

  フラッシュが何度も脳内に起こり、私の意識はそこ、で……


233 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 20:49:06.13 0

 *  *  *  *

「くぁああ…」

一日の労役で酷使した体を休めるため、ベッドに体を転がした
あの刺激的な任務以来、相変わらずの下っ端仕事しか回ってこなくなった
新開発兵器サイコ・ステルスはi914には効果がなく、私は命からがら組織に逃げ帰った
『効かない』という実験結果を命がけで得てきた報酬として、わたしにはこのブレスレットが与えられた。
何が報酬だ。これ不良品だし…そもそも私の兄自身。最初っから私のもんだ。

あの夜は、兄を失った悲しみ、組織や世界への憎悪に変化をもたらすようなことはなかった
それなのに…なんだか時折、穏やかな気持ちになってしまうのだ。
特に、あれほど憎み、羨んでいた新垣のことを考えるときに、
なにかしら言葉にならない甘い希望を胸にしてしまっている。一体なんなんだろ。

  わたし、リゾナンターになんかされたんかな…

なら生きてないわな…なんて独りごちて、見えない夜空に向かって手を挙げると、
しゃらり、とあの夜から少し軽くなった気がするブレスレットが手首から下がった
その瞬間―珠を繋ぐ透明な線が、不思議な色に光った気がして、目を擦る。

  それは、空の青色と希望の黄色を混ぜたような、黄緑色

 私が、その色の意味を知るのは、それからしばらくしてからのこと
 いつなのかは、まだわからなくても、きっと訪れるその未来でのこと

234 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 20:51:51.69 0

以上>>227-233です。

前半の折りには、感想ありがとうございました。
励みになります。感謝です。

まとめちゃんへ
いつもありがとうございます。
まとめサイト収録の際は、前半>>74-77と一緒に放り込んで下さい。
どうかよろしくお願いします。

235 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 21:10:03.61 0
そう遠くない未来で救われるといいな
そしてガキさんのやさしさが心に染みますね

236 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 21:10:46.88 0
>>234
素敵なラストですね・・・
なんだかリゾナンターたちに無性に会いたくなった

237 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 22:27:03.71 0
>>234
良い話乙!
感動した

238 名前:名無し募集中。。。:2008/11/10(月) 22:41:20.54 0
>>234
いいなあ上手いなあ
ガキさんかっけーなあ

239 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 00:00:25.25 0
从 ´ ヮ`)

240 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 00:10:11.30 0
うええおええ鍋で暖まりたい…。 pepperです。

今回は軽めのお話でしたが、逆に楽しんでいただけたみたいで、嬉しいです。
特に>>214さん、あそこは長くなるからカットすべえか…と一度は思ったところなので、
意外かつ嬉しいですねw

   ∋oノノハヽ
>>221 从*` ロ´)<なんがおかしかと!

241 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 00:14:13.36 O
>>239
れいなお誕生日おめでとうれいな
きっと作者さん達が筆によりをかけたバースデー作品を届けてくれると思うよ

242 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 00:17:55.28 0
ズレた…w

>>234
素敵なお話でした。 主人公にも興味がわきますね。 …続編もあっても良いんじゃないですか?

>>157さんや、 >>195さんのような、映像の力って やっぱり強いですね…。
一瞬で人を魅了してしまう… うらやましいです。

243 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 00:29:17.46 0
ではでは拙いながらもれいな誕生日話を投下させてもらいます

244 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 00:30:28.97 0


『 私のヒーロー 』


流れ星のように現れて助けてくれたあの時から
アナタは私のヒーローなんだよ



245 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 00:31:41.40 0

闘うとき
アナタはいつだって懸命に立ち向かって
その強さはどこから沸いてくるの?っていうぐらいに
燃えたぎる闘志が伝わってくる


人懐っこい笑顔も
弱さを見せない強がりな所も
恥ずかしがり屋な所も

心に秘めた強い想いも
仲間を守ろうとする強い意志も

アナタはすべてを大切にして
アナタはすべてを守っている


246 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 00:32:59.65 0


そんなアナタは私のヒーロー

流れ星のように現れて助けてくれたあの時から
アナタは私のヒーローなんだよ


いつかアナタが助けてくれた時
まだ幼くて力も扱えていないのに
アナタが私を探し出して助けてくれた時から

アナタは私のヒーロー


247 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 00:34:13.99 0


けれどたまに可愛いから
小さな後ろ姿を見るとたまに抱きしめたくなるのは
秘密だからね?



248 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 00:36:45.13 0
>>244-247
以上です

なんとなくリゾナントして書いてみました
れいな誕生日なのにれいな視点じゃないっていうwww
皆さんの好きなように解釈してもらってけっこうですが、
とりあえずれいなとあともう一人です

11日の最初の一発目、失礼致しました

249 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 00:58:39.79 0
>>157
これのBGMなんて曲なんですか
素晴らしすぎるさしこみなんですけど

250 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 03:24:02.50 O
おやすみリゾナンター

251 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 04:12:58.56 O
>>248 作品の冒頭と後半で浮かんだ顔が違いましたww
ので自分は2人の気持ちとして受けとります
オタオメ作品乙です!


252 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 06:04:22.02 0
>>248
なんてかわいいマイ・ヒーロー

253 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 08:31:40.34 0
>>234
相変わらず引き込まれるストーリー展開と描写ですねえ
常に練られた独自の設定と文章の整合がまた素晴らしい
(・・・多分あの作者さんだと思って書いているのですが)
ガキさんの「強さ」が胸に沁みました

>>248
>流れ星のように現れて助けてくれたあの時から
>アナタは私のヒーローなんだよ
これを冒頭と文中で繰り返して使っているのが巧いなあと思いました
っていうかめっちゃかわいい

254 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 08:35:35.20 0
これスゲェ~!!!

http://jp.youtube.com/watch?v=hXy6-R92XL8
リゾナントブルーCG

255 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 09:16:17.54 0
怖いよ

256 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 09:31:38.64 0
>>254
すげぇ~!!けどワロタよw
エンディング?の歌も良いなぁ

257 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 10:21:45.55 0
>>256
エンディングはTake Off is Now
リゾナントライブの未発表曲

やべーこれマジすげーなw リゾナントブルーすごくない?
いろんな共鳴・・・

258 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 11:42:54.44 0
>>254
これ作った人・・・あまりにもバカすぎるw
心からの褒め言葉としてそう言いたい
リゾスレ話のシーンの再現とかも是非してほしいね
そのためにはまずは誰かが訳さないとダメだけどw

259 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 12:03:51.72 0
>>254
ああーこれ自分もやろうとしたんだよなあ
喫茶リゾナントの間取り再現しようとしたんだ
シムズ2のことがよくわからなくて(ソフト買わないと駄目だし)やめたんだよ
この方にやってもらいたいw

260 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 13:34:30.33 0
>>254
これすごい
こういうのって作れるソフトあるんだ
ここの住人が作ったの?

261 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 13:36:00.74 0
>>254
このソフトを上手く作れば映画のワンシーン作れるんじゃない?
ダークネスと戦ってるシーンとか

262 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 15:00:57.23 O
スレ住人様の中に大富豪はいらっしゃいませんか?
なんかこういうの見てると本気で実現してほしくなってくるw

263 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 16:10:32.76 0
>>261
ぶっちゃけ手書きアニメーションの方が楽だしカッコイイと思う

264 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 17:09:55.14 0
浮かれ気分のパーティ後の朝。
ちょっとあくびしながら仕込みを終わらせて、もう一度ロフトに戻る
あんまり寝てないから、きっと寝転がったらまた寝ちゃう。
だから、どこにも寄りかからず、ちょうど真ん中で手紙と箱の山を眺める

待ちに待ったれーな自身の誕生日。
今日が次のパーティに一番遠いのか…
なんて、当たり前のことに気づいて待ち遠しくなるあたり、れなホントに祝われるの、好きぃ

今年で体は19になる。気持ちはもっともっと若いっちゃけど!
ああ、子どもでいれる最後の歳か…そう考えるとなんだかちょっと切なくなった

二十歳になったからって大人になれるわけじゃないと思う。
実際ハタチのガキさんだって、そっから2年進んだ愛ちゃんだって、
まだまだお子様なとこがいっぱいあるし…
ハタチって、ただ、子どもじゃなくなるだけで、すぐに大人になれる訳じゃないんだろうな…

もっともっと大人って思ってた。
きっとおおきくなったら自分で好きなことが出来て、楽しくて、いろんなとこに行けて…
すっごく自由になれるって、そう思ってた。


265 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 17:10:35.12 0


でも、あと1年で自分の状況が激変するとは思えないし、あんまり変わりたくないってのが本音。
わからんけどね、いざハタチになったら、やらなーって思うんかも…

  田中さんは、いつも優しくて  田中さん、いつもありがとう
  れいな、大好き  これからもよろしくね

部屋、汚くなるけど。手紙全部広げて、眺める
一生懸命書いてくれたであろう、一つ一つの文字と、プレゼントに精一杯感謝する

  れいなは優しくなんか、なかよ
  みんなが大事やから、そうなっちゃってる
  みんなが優しいから、れなも優しくしたいって、自然と出来る。
  
この字一つでも、欠けさせることは、しない。
みんなの存在が、れなにとって、なにより大切なプレゼント

それを見ながら夜に向け、針と糸でもう一つの仕込みをする。



266 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 17:11:47.52 0

支度を終え、梯子を降りると、そこには愛ちゃんが立っていた。
ジュン子共々夜更かしキングのこの人は、昨夜のドンチャン騒ぎ(れな、古いっちゃね)にも
関わらず、寝不足を感じさせない見事な佇まいで、れいなに「改めておめでとう」と言った

ちょっと照れくさくて、ありがとうを言うのが遅れたら、
ずいっと顔の前に袋を突き出された。

???でいっぱいになりながらおそるおそる受け取ると
愛ちゃんは「必要経費やから」という言葉を残して1階に降りてった。
なんやろ?プレゼントはもうもらったし…

「うわ…これ…」
ガサガサ中を探ると、スポーツ用品店の箱が出てきた
横のラベルには、“グローブ”の記載
普段から愛用しているものが、この間の戦いで穴が開いてしまってた。
でも、これ、大事なものだったから、新しいものにするのをかたくなに拒んでた
ジュンジュンに、田中さん、それ汚いです。とか言われてたけど、朝こっそり補修してごまかして使ってた

バレたくなかったんだ、愛ちゃんには…
これ、愛ちゃんにずっと前に買って貰ったものだったから。
絶対に大切にするって約束して無理にかっこいい高いモデル買って貰ったのに…
自分の分身としてずっと大切にしてきたのに…



267 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 17:13:02.21 0

どうしよう、気づかれてたか…当たり前っちゃけど…
なんて思いながらも、お礼と場合によってはお詫びをするために中身を確認する

かっこいい、黒いグローブ。
中の生地がピンクになってて、隠れピンクヲタのれなの血が騒ぐ
右手に着けてむぎゅむぎゅしてみる。新しいもの特有の堅さがあるけど、
良いものなんだろうな…ものすごく着け心地が良くて、良い意味で重い。
間違いなく、前回のものよりも良いもの…

左手も左手も!と当初の目的を忘れてつけようとして、
中にメモが入っていることに気づき、慌ててカサカサ開く


  武器は命 命にお金は惜しまないこと
       
                      愛

と、どこぞの武士のような言葉が書かれていた。
愛の横に書かれてたかわいらしいハートがなんか浮いてたと。

箱の中に慌てて手紙をしまって、左手にも装着してから階段を駆け下りる

ありがとう、愛ちゃん! その言葉を伝えるために…


268 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 17:14:43.03 0

1階に降りて礼を言うと、当初のれなの予定とは違う展開になった。

「壊れたんは、仕方ないやろー?
 それだけれーなが頑張って戦ってくれたってことやもん」

だから、早く言いま!あんたの手になんかあったらどうするがし!!
なんて説教されてしまった。でも、れなの顔は緩みっぱなしだった。

敵が早く出ないかな、なんて不謹慎だけど…
このおかげできっとれなはもっと強くなるよ。



カランカラン
終わらない説教に空気を読んでくれたのか。ドアが開いてお客さんが入ってきた。

愛ちゃんは笑顔にシフトチェンジさせ、接客を始める

れーなはひとまずグローブをポケットに大事にしまって、
愛おしい気持ちを表すために2度叩きキッチンに走った。


269 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 17:16:46.89 0


从 ´ ヮ`)<ウォラーッ!かかってこーい!!

川´・_o・)<田中さん、まだタグついてるぞ?



以上>>264-268です。 

突貫工事で申し訳ないが、祝いの気持ちはここにあり
田中さんおめでとうございます!


270 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 17:20:53.62 0
いいわー
泣けた
愛ちゃんに貰ったグローブ付けて戦ってたとは

271 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 19:28:14.77 O
泣ける

272 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 20:55:41.35 0
前から思ってたんだけど「がし」ってどういう意味なんかなあ
福井の住人さんはいないのかな

273 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 21:16:09.89 0
>>272
標準語としては「だよ」に近い感動詞です。
自分の場合は「がし」よりも「やよ」の方が
使うことが多いような気がしますが。
あとは「~やのぉ」とか「~がぁ」とか。
リーダーの場合は少し石川の方も入ってそうですが。

約三時間で何か書けるだろうか…(汗)

274 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 21:33:49.57 0
>>269
>れーなはひとまずグローブをポケットに大事にしまって、
>愛おしい気持ちを表すために2度叩きキッチンに走った。

ポケットをポンポンって叩く仕草で、もの凄く伝わってきます。
嬉しかったんだなぁ~って!

>>273
!!お待ちしてます!

>>249
シティ・オブ・エンジェルという映画のサントラの曲をベースに4曲くらいを混ぜて使ってます


275 名前:D8q0Q1U:2008/11/11(火) 21:44:30.58 O
2ちゃんで、しかも狼でリゾナンター本人たちに見せても喜ばれそうなのって
このスレくらいだよなw

276 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 22:00:53.45 O
しかしみんなやっつけとか言いながら、いい話書くよなあ・・・
才能が裏山

277 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 22:07:11.94 0
ずっと独りで生きてきた。頼れるものは何もない。
だから信じた道を行く。
その道が泥に塗れていようとも
汚れることを厭わない。
どんなにこの身を汚しても、悲しむ人はいないから。

今は独りじゃなくなった。頼れる仲間がそばにいる。
だから信じた道を行く。
その道が泥に塗れていようとも
汚れることを厭わない。
どんなにこの身を汚してでも、守りたいものができたから。

みんなには、綺麗なままでいてほしいから。


一人が怖い夜もある。だけど、独りじゃない。



278 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 22:08:44.81 0
れいな祭りに便乗してみる

>>277『独立独歩』(田中れいな)です

279 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 22:22:31.64 0
>>274
ありがとうございますシティ・オブ・エンジェルか
ぴったりなタイトルなんですね今度観ます

280 名前:名無し募集中。。。:2008/11/11(火) 23:03:47.76 0
>>278
>汚れることを厭わない。
>どんなにこの身を汚してでも、守りたいものができたから。

カッコイイねココ!



281 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 00:14:13.25 0
みんなおやすみなさい
また明日ね

282 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 00:15:58.23 0
好きな漫画も好きなテレビも服の趣味もよく聴く音楽も泣ける映画も違う二人。
なのに不思議と気が合って、やっぱり考えてみると奇跡だとしか思えない。
いろんな偶然が重なり、偶然の爪先で自分達は踊らされてるだけでは無いだろうか。
だが、彼女は決まってこう言ってみせる。

 「偶然なんてないんじゃない?きっとさ。だって嫌じゃない?
 面白くも無いし、偶然なんかで生まれたり死んだりもしたくない。
 こうやってここに居る事も、こうして幸せなことも、きっと、必然なんだよ」

 それに、こんな景色を「偶然」なんていう言葉で表すこと自体が勿体無いないでしょ。

グラスを傾けながら彼女は笑って言った。
目の前には主賓を尻目に騒ぐことを止めない面々。

MDコンポからは次々とポップな曲が流れ、一生懸命飾りつけしたと思わしき
天井の装飾は蛍光によって淡黄色を帯びていた。
テーブルには数々の料理が皿に盛り付けられていたが、大食漢な人間が多いためか
既に余りモノしか残っていない。
れいなは溜息を付きながら、自分用にとっておいた小皿にフォークを刺す。

 「ていうか、これ片付けるん誰がやると?」
 「こういう時のオチって結局主役の人が大変な思いをするんだよね」
 「そんな恒例イベントいらんし」
 「まぁいいやん。これも一つの思い出って事で」

ふと、隣に避難させてあるメンバーからのプレゼントと手紙を見つめ
思わず緩む口角を無理やりグラスを傾けて掻き消す。
祝杯を挙げられるのは嫌いではない、寧ろ心地の良い空間がれいなは好きだった。


283 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 00:16:40.97 0

帰ってきた瞬間にクラッカーの音と共に花が咲いたようなメンバーの笑顔。
口々に述べる祝いの言葉に感謝し、執拗に絡んでくるのをわざと嫌そうに払ったり。
大きなマンホールのケーキに涙腺が緩んだものの、思いっきり蝋燭を消してやったり。

  そんな他愛の無いパーティが始まったこの日、田中れいなは19才になった。

隣に座る彼女、道重さゆみとはまた同い年になったワケである。
何度か自分達が二十歳になることを思い描きながら話もしたし、その時自分達は
どうなっているかなどが凄く気になっていた。
その最初の一歩目を歩んだのだが、不思議と、あまり、何も無かった。

否、もっと何か、違うものだと思っていたのかもしれない。
何かが終わって、何かが始まるような、そんな期待感。
もしくは世界の終わりのような変化をこの身で感じられるかのような瞬間。
そういうのを求めていたのだろうか。

だがその結果、何も変わらずに世界は廻っている。

 「さゆはさ、この年になってみて、何か変わった?」

れいな自身が19歳になった時に聞いてみようと思っていた問い掛け。
さゆは「んー」と考えるような仕草をし、不意にれいなが持っていたフォークの先に
刺さっていた唐揚げを指で摘み上げた。

「あ」と声を発する前には既に指に挟まれた唐揚げは口の中へと消えている。
美味しそうに食べるその顔を恨めしそうに見つめるれいなに、さゆは言った。


284 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 00:17:45.87 0

 「なーんにも」
 「なーんにも?」
 「変わるって事はさ、気持ちの持ちようって関係してくるような気がするんだよね。
 多分心の中で「変わりたくない」って思ってる部分があるんじゃない?」
 「じゃあ、それをどうやって「変わりたい」にすると?」
 「れいなは変わりたいの?」
 「……分からん」
 「じゃあさ、れいなは何で変わりたいって思うの?」

指先を軽く舐めて問い掛けるさゆに、れいなは言葉に詰まった。
何故大人というものに拘るのか。
何故かと問われた瞬間、れいなはその理由が曖昧な事に気付く。
二十歳なんだから、大人なんだからという言葉を並べてはいるものの、その人物が
まだまだコドモな部分があるのだと知ると余計に分からなくなった。

 オトナになれば分かると思っていたその答えが欲しくて。

思えば、それが初めて変化を求めたのかもしれない。
単純な場所から生まれた疑問は、れいなに焦りの色を混ぜ合わせて行た。

 「私は、今のれいなが好きだけどなぁ。
 だから、こうして同い年になったれいなにお祝いしたいって思ったんだもん。」

さゆみは事も何気にそんな発言をする。
れいなは顔が熱くなるのを感じ、グラスを傾けようとした。
中身の無いグラスからは、一滴の粒も流れてこない。

 「あ、おかわり取ってこようか?」
 「いいけん、自分で取りにいくと」


285 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 00:19:00.69 0

無愛想に言って、空になった小皿とグラスを持って立ち上がる。
と、突然、れいなよりも真っ赤な顔で瓶を片手に出現する黒い影。
酒独特の匂いが全身を纏っているかのように漂っている。

 「何々ー?れいな顔真っ赤だよぉー?」
 「クサッ、酔っ払いが何言うとるん…ってか、絵里まだ未成年っちゃろ?」
 「ガキさんも飲んでるから良いのー」
 「はぁ?そんなワケないやろうがっ」

絵里の背後に見えたのはMDコンポの前で何か説教しているかのような里沙の姿。
その手にはコーラがグラスの中で揺れていた。
れいなは見なかったフリをし、絵里から瓶を取り上げ、酔っ払いの首謀者である愛とジュンジュンに返した。
隣で喚く彼女を無視し、テーブルの残骸を見つめ、まだ残っているモノを適当に小皿に移す。
その隣の隣では愛佳、小春、リンリンがよく分からないゲームをし始めている。
「いももの1!」という小春の声が聞こえた気がした。

 「それにしても、絵里ってホントにお気楽やね。二十歳になる人間とは思えんと」
 「んー?あー…そういえば来月かー絵里の誕生日、ウヘヘ、大人の階段を全力疾走だよ」
 「転がってまた19歳に逆戻りとかは勘弁やけんね」
 「デキル女は風速300メートルのチカラによって羽ばたくのさーっ!」
 「あっそ」

「れいな冷たーい」と酔っ払いの絡みの如く引っ付いてくる絵里を肘で剥がすれいな。
不意に、そんな彼女を見ていると思わず自分が考えていたものがバカらしくなった。
オトナになるにしろ、コドモの自分にしろ、田中れいなは田中れいなだ。
大人への憧れは確かにある、が、それが本当にれいなが求めている大人の姿なのかは分からない。


286 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 00:20:07.35 0

ならその答えは、その時になれば嫌でも分かる。
今拘っていても、結局自分は自分でしかないのだから。
18才の自分におやすみなさい、19才である自分におはようございます。
でも時には、その時の自分に帰ってみるのも良い。

 自分の中に境界線を張る必要などないのだから。

 「れいなー?どうしたの?」
 「んーま、コドモな絵里にはまだ分からんことっちゃよ」
 「わーれいなにコドモ扱いされるのって何かムカつくんですけどぉ」
 「さゆに聞いても多分そう言うやろね」

バカにしたように笑顔を浮かべて言うと、絵里はフニャフニャとさゆみの傍へと行ってしまった。
さゆみと視線が合い、笑顔を浮かべると同じく笑顔を浮かべる。

「偶然」でも「必然」でもどちらでも良い。
ただここに、誰かに励まされて、守られて、守って、心から笑える世界を生きて行くのが大切な事だから。
未来の自分にタスキを渡す為に、田中れいなは、第一歩を進んだのだ。


287 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 00:27:38.39 0

从´・ v・)<で、結局後片付けは田中さんがしましたとさ
川*’ー’)<たのもしい同居人が居て助かったやよ
ノcノ|;・e・)<何故か頭痛がする…おかしいのだ…

>>282-286
以上です。
ギリギリ間に合いませんでしたorz
続編がなかなか進まないので保全程度の物語を投下しましたが
まとめきらずにお目汚し失礼致しました(汗)

288 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 00:34:01.19 0
从´・ v・)
↑ごめん誰?

289 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 00:49:47.93 0
なんとなく誕生日企画は女性らしい作品が多いですね
温かくてよかったです

290 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 01:06:54.68 0
愛理??

291 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 03:03:57.59 0
从*` ロ´)<あぶないっちゃよ!

292 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 04:34:38.45 0
>>288
小春の顔文字だとおも
今はノリo´ゥ`リが一般的だけど昔使われてた

293 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 06:02:10.31 0
>>287
>否、もっと何か、違うものだと思っていたのかもしれない。
>何かが終わって、何かが始まるような、そんな期待感。
>もしくは世界の終わりのような変化をこの身で感じられるかのような瞬間。
>そういうのを求めていたのだろうか。

>だがその結果、何も変わらずに世界は廻っている。

この気持ち凄く良く分かる!
良くぞ、言葉で言い表してくれた!
何か、嬉しい!


294 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 08:31:10.76 0
この1ヶ月半ほどって3人が同じ年で並んでいる期間なんだなと改めて
なんか知ってたのに気付かなかったって感じです

295 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 10:18:27.17 O
今日もいい話だなあ

296 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 10:19:09.58 0
ゴキブリ斜視ヲタしかいないなこのスレ

297 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 11:45:10.34 0
>>287
れいなとさゆ、れいなと絵里の軽妙な会話のやりとりがいいですね

>「んー?あー…そういえば来月かー絵里の誕生日、ウヘヘ、大人の階段を全力疾走だよ」
>「転がってまた19歳に逆戻りとかは勘弁やけんね」
>「デキル女は風速300メートルのチカラによって羽ばたくのさーっ!」

特にこの部分、大好きです!w

“続編”のほうもお待ちしています

298 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 11:56:27.29 0
>>287です。
滅多にAAを使わない人間なので、申し訳なかったです(汗)
今はこっちなんですねノリo´ゥ`リ<イエイイエイ♪
単語登録もしておきました。

299 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 13:27:25.61 0
小春の昔のAAとやらをむしろ初めて見た
真ん中の「v」は口じゃなくて鼻かな?
いやまあどうでもいいんだけどw

300 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 14:52:33.76 0
動画を作っている職人さんにリクエストしたい
今度はダークネス編で作ってもらえないでしょうか?

301 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 16:52:58.29 0
確かに見たいですが・・・PVに出てこないだけに素材集めが大変でしょうね

302 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 18:42:34.56 O


303 名前:サボリン∞ヽ( ゚∀。)ノ:2008/11/12(水) 19:23:45.01 O
\||/|///
ヽ( ゚∀。)ノ<やぁ久しぶり!


青の球団優勝しました
なぜかWikiに載ってて吹きました載せた人GJ
観戦成績はそれはステキなことになってるので今度載せます

で、優勝にテンション上がってまとめまくるサボティをご想像の皆様
なぜか日曜(中野で天使に会ってきた×優勝)以来忙しいのです
スレ読んでますが眺めてる程度です
今週はこんな感じなので全然手つかずになるでしょう

エ?イツモドオリ?アーアーアーry

304 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 20:51:29.19 0
サボリンさんに限らず皆さん忙しいのかな
・・・斯く言う自分もスレを追うのが精一杯ですが

305 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 20:53:39.19 0
ネタが出ないんです

306 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 21:14:19.90 0

こんにちは、闇さん。私の旧い友達。
またあなたとお話ししに来ちゃった。

どうしてかって?

ひとつのヴィジョンがやさしく忍び寄ってきたの。
そして一粒の“種”を残していった。
私が眠っている間にね。

その“種”は私のアタマの中で育ち始めた。
でもヴィジョンはそっと佇んだまま。

静寂の音の中で―――




・・・最近こんな曲まで SIDE Darkness な人の台詞に思えます

307 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 21:44:19.12 0






放っておいてほしいわ、本当。
正義とか悪とか、そんなものには興味なんてないのよ。
でも―――場合によっては、口を挟むこともあるかもしれないわね。






308 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 21:44:59.25 0





『永遠殺しの傍観者-The anti-eternal onlooker-』







309 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 21:45:28.82 0
星一つすら見えない夜空だった。
あたしは一人、壁に寄りかかって砕けたガラス片が散らばる窓から夜空を見上げていた。

荒れ果てたビルは埃くさくて、顔をしかめたくなるけれど。
とりあえず雨風はある程度は凌げるし、浮いた宿代でお気に入りのブランデーも買えた。
後は、“喧嘩”を売ってくる馬鹿者がいなければかなり上等な夜になるだろう。

瓶に直接口を付け、一口二口喉を鳴らしながら飲む。
ビールでもないのにそんな飲み方をするなんて、と酒好きが見ていたらそう言って嘆くに違いない。
もっとも、嘆かれようとも怒鳴られようとも知ったことじゃないけれど。

もうじき、野宿をするのも厳しい季節がくる。
いい加減自分の“城”へと戻って、この時季だけでもゆっくり過ごしてもいいだろう―――何者かに占拠されていなければ。

心地よい酩酊に、目を伏せていた時だった。
何者かが近づいてくる足音に舌打ちしながら、あたしはブランデーの瓶に蓋をして地面に置く。
まだ目に見える範囲に“侵入”してきていないというのに、まるですぐ傍にいるかのような―――殺気。


「こんばんわ、保田さん」

「…あんたは?」

「私は―――魔女」


目の前に姿を見せた女は、そう言って婉然と微笑んだ。
しかし、この女は一体何者なのだろう。
会った記憶はないのに、向こうはあたしの名前を知っている―――ひょっとしたら、女はかつてあたしが属していた組織の人間なのかもしれない。

310 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 21:46:00.99 0
面倒なことになりそうだ、なんて思いながらあたしは女を睨み付ける。
大概の人間はこの一睨みで萎縮してしまうというのに、女は顔色一つ変えなかった。


「そんなに睨んだら、せっかくの美人が台無しですよ」

「あんたみたいに整った顔の人間にそう言われると、ただの皮肉にしか聞こえないわね。
で、用件は?」


大方、この女も―――あたしの持つ“技術”を求めてやってきたのだろう。
組織を抜けても尚、こうしてあたしのもつ技術に縋り付いてくる能力者は後を絶たない。
その度に能力者達を撃墜しながら、あたしは組織から逃げ続けていた。

何かに属するということは、時には自分の意思や信念を曲げることがあるということ。
最初のうちはよかったのだ、ただただ自分や自分の技術が必要とされていることが嬉しかったから。
だけど、いつしか、思うような物を生み出すことよりも組織のために必要な物を生み出すことを強制させられた。

能力者の能力を引き上げる増幅装置、複数の能力を同時に行使することを可能にする制御装置。
座標を指定するだけで何処にでも飛ばすことの出来る転送装置等―――これらの装置が何に使われるかを知った時、
あたしは組織から抜けることを決意した、例え、技術の流出を恐れる組織から刺客を差し向けられたとしても。

小さな頃から、機械弄りが好きで。
いずれは、何処かでこの特技を活かして生きていけたらとは思っていたけれど。
能力者という“化け物”をより強く禍々しい存在へと変える物を生み出したかったわけではなかった。

311 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 21:46:37.23 0
「用件は一つだけです、保田さん。
あなたのその技術で―――私の命を永遠のものにしてほしいんです」

「魔女だっけ…あんたは魔法使いだから分からないかもしれないけれど、世の中、
出来ることと出来ないことがあるのよ」

「対能力者用機器、能力者専用装備…あらゆる能力の原理に精通し、機械では到底再現するのは
不可能だと言われていた幾多の能力を機械で具現化してきたあなたに出来ないことなんてあるんですか?」

「出来ないことなんてない、それがあたしの信条。
正直に言うと、あんたの願いを叶えられるだけの技術力は持っているつもりよ。
でも、ね―――あんたの願いを叶えてやるつもりはないから」

「…交渉決裂ですね、困ったなぁー、それじゃあ―――言うことを聞く気になってもらうしかないか」


その言葉を最後まで聞く前に、あたしは素早く右に横転する。
刹那、あたしの体を掠めるように落ちてきたのは二メートル程の氷塊だった。
体勢を立て直す隙を与えない速度で、女は次々に巨大な氷塊を生み出してはあたし目がけて落としてくる。

所々ガラスの破片が落ちている床を転がり回りながら、あたしは徐々に女との間を詰めていく。
もう少し、後一メートル―――今!

あたしはその場に跳ね起き、拳を天へと突き出して頭上目がけて落ちてきた氷塊を粉々に砕いた。
あたしをただの機器開発者だと思っていたのだろう、女は目の前の事態に驚き目を見開く。

312 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 21:47:12.45 0
「…保田さん、機器開発しか出来ないただの人間だと思ってましたけど、結構体術いける人なんですね。
でも、身体能力だけで倒せる程、この氷の魔女ミティは弱くない―――今のうちですよ、さっきの発言を撤回するなら」

「―――あたしは同じことを二度言うつもりはない」

「そうですか、じゃあ、本気を出すしかないですね」


低い声と共に、女はあたしに向かって手を翳す。
先程までの巨大な氷塊ではなく、女を守るかのようにこぶし大の氷塊が無数に出現した。

刹那、氷塊は意思を持っているかのように次々とあたしの元へと飛来してくる。
あたしは拳と蹴りで氷塊を砕き続けながら、女の様子を窺った。

本気を出すと宣言した割に、どこか力を押さえているように感じさせるその冷静な表情。
氷使いという能力が彼女を冷静な人間にしているのか、それとも元々の性質なのか。

あたしは女に知られないようにいつでも自分の“能力”を解き放てる状態を保ちながら―――ニヤリと微笑んでみせた。
この程度なの、そう言わんばかりの挑発的な微笑みにようやく、女の顔に感情が浮かぶ。

それは、怒り。
個人差はあるが、能力者は自分の能力に対して強い自信を持っている。
自分の能力を嘲笑われて平成を保っていられる能力者は、あたしが知りうる限りまずいない。

女は一旦攻撃の手を止め―――今度は、無数の氷の刃を生み出した。

さすがにこれは、さっきのように拳で砕くなんて真似は出来そうもない。
かと言って、この無数の氷の刃を全て避けきれるとも思えなかった。
お気に入りの服を赤く染めるわけにもいかないし―――そろそろケリをつけるべきだろう。

“能力”を解き放つタイミングが訪れないならば、自分で作り出せばいいだけのこと。
あたしはさっきよりもさらに、笑みを深くしながら口を開いた。

313 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 21:47:43.24 0
「ミティだっけ、あんた、何で永遠の命なんて欲しがるわけ?
いつまでも美しく若々しい姿を保ちたい、とか?」

「…かつて、私にはこの命よりも大切な存在があった。
彼女だけいればそれでよかった、なのに、彼女は病気で呆気なく死んでしまった。
私が永遠の命が欲しいのはただ一つ、いつ生まれ変わってくるともしれない彼女を待ち続けたいだけ」

「へぇ、随分ロマンチックな理由だね…輪廻転生なんて信じてるんだ。
でもね、輪廻転生なんてありえない、遺伝子のいたずらで彼女によく似た人間が生まれてくることはあっても、
あんたの大切だった彼女はこれからどれだけ生きたってもう二度と会えないんだよ」

「うるさい、うるさい!!!!!!」

「大人しく自分の生をまっとうしな、本当に輪廻転生ってやつを信じてるならあんたも死んで生まれ変わればいい、
本当に神様なんてものがいるならあんたと彼女を次の生で引き合わせてくれるに違いないから」

「うるさい、私は、私は―――永遠が欲しいんだ!!!!!!!!!!」


その叫び声と共に、女はあたし目がけて氷の刃を解き放つ。
だけど、その氷の刃が届くよりも先にあたしは能力を解き放った―――“時間停止-タイム・サスペンション-”を。

能力を解き放ったと同時に、女を中心に半径三メートル以内の空間はこの世の全てのものに平等に降り注ぐ
時の流れから完全に切り離され、停止した。
憤怒の形相のまま固まっている女に、あたしは哀れみの目を向けずにはいられない。

314 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 21:48:49.71 0
「他の願い事だったら、場合によっちゃ聞いてあげなくもなかったけどね。
あたしは―――永遠を殺す者。
今も尚全てのものに平等に降り注ぐ、永遠とも呼べる長いこの時を自在に切り取り、停止させることが出来る能力者。
もっとも、あんたはそんなこと知るわけないか…それにしても、とんだ笑い話だわ。
永遠に抗い、永遠を殺す者に永遠の命を求めるなんて」


あたしは女に背を向けて、ゆっくりと歩き出す。
女の来訪があるまで立っていた場所へと戻り、ブランデーの瓶を拾い上げた。

もう、ここには留まれない。
時間を切り取り停止させるという最強の能力の一つと言える能力を行使したのだ。
女が結界を張っていても、向こう側からしたら十分感知できたに違いない、瞬間的とはいえそれだけ巨大なエネルギーを放出したのだから。

面倒なことは避けたかった。
あたしはあたしとしての生を全うしたいだけだし、それ以上のことには何の興味もない。
この世界を支配しようと企む組織にも、そしてその野望を阻止しようとしている勢力も、どうでもよかった。
光も闇も、正義も悪も―――勝手に戦い続ければいい、ただ、そんなことにあたしを巻き込まないで欲しい、それだけだ。


「今回も見た目とは裏腹に派手にやっちゃったねー、圭ちゃん」

「…後藤、あんた、見てたなら手伝いなさいよ。
あんたの能力の方が向こうから察知される可能性は低いんだから」


廃ビルから立ち去ろうとしていたあたしの目の前に現れたのは、あたしの舎弟を自称する能力者“後藤真希”だった。
栗色の髪をなびかせ、後藤はあたしの傍へと近寄ってくる。
何を考えているのか分からない表情を浮かべながら、悠然とした足取りで。

315 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 21:49:26.25 0
「えー、だって後藤の能力だって圭ちゃん程じゃないにしても、結構エネルギー反応大きいよ。
どっちが仕留めたところで、ここ出て行かなきゃいけなかったって思うんだけど」

「はいはい、分かった分かった。
後藤、そいつ―――始末して」


はーい、と言う間延びした返事と共に、後藤は時間の流れから切り離された女の方に手を翳す。
刹那、空間に“切れ目”が入り―――女はその切れ目の中へと吸い込まれて消えた。

“空間支配-スペイシャル・マスター”、その名の通り空間を支配する能力。
自在に空間を支配し、今の空間から全く異なる亜空間へと任意の者を転送し―――そこに閉じこめることの出来る能力は、
あたしの能力程ではないにしろ、かなりのエネルギーが放出される能力だった。

時を止められ、自らの意思ではけして抜け出ることの出来ない“牢獄”へと転送された女。
数年か、数十年か、あるいは数百年。
あたしの能力の効力が切れ、急激に動き出す時の流れに身体が耐えきれずに死んでしまうか、あるいは
それから逃れたとしても、けして抜け出ることの出来ぬ牢獄の中を死ぬまで彷徨うか。
いずれにせよ、永遠を望む愚か者に相応しい死に様だろう。

全てが終わった。
あたしは後藤を伴い、廃ビルを後にする。
折角心地よく酩酊していた夜なのに、後味が悪い。

316 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 21:50:01.39 0
「ねー、圭ちゃん、後藤思うんだけどさー、組織の人間もそれに敵対する人間も全部やっつけちゃえば、
誰にもこの生活を邪魔されないって思うんだけど」

「面倒くさいでしょうが、それに、さっきの女程度の能力者ならまだしも、幹部連中は一筋縄じゃいかないし…。
あたしは、降り掛かる火の粉を払う以上のことは基本的にしたくないわけ、分かる?」

「そりゃ、後藤もそれは圭ちゃんと同じだけど…でもさ、いつかは向こうだって本腰入れてくるかもしれないじゃん。
そしたら、どうしたって面倒くさいことからは逃れられないよ。
なら、そうなる前に叩いちゃった方が早くない?」

「…あのね、あたしは何よりも一番面倒なことが嫌いなの、もう、ああいう世界には金輪際関わりたくないの。
―――でも、組織にしても、他の誰かにしても、この生活を壊そうとするなら…その時は介入せざるを得ないわね」


溜息を付きながら、あたしはけしてそうならないことを祈るしかなかった。
ただ静かに生きていきたいだけなのだ、どちらかの勢力に荷担することなく、一切の争いに関わることなく。

こんなあたしは、能力者としても、一人の人間としても駄目な人間なのだろう。
その能力を行使し戦うことを嫌い、善や悪といった価値観を嫌い、ただ自分のことだけを考えて生きるあたし。

自分の思うがままに生きる、たったそれだけのこと。
でも、それを組織や、組織に対抗する勢力が邪魔するようなことがあるならば。

“傍観者”としての自分を捨て、戦いに身を投じるまでだ。

ブランデーの瓶を開け、あたしは中身を一気に飲み干す。
圭ちゃん飲み過ぎ、てか酒臭いーと喚く後藤の頭に拳骨を一つ落として。

317 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 21:50:36.22 0
「後藤、あんた金持ってる?」

「持ってないし、てか、圭ちゃんがお酒買わなきゃ今頃綺麗な宿のベッドでゆっくり寝れてたのにー」

「はいはい、あたしが悪かったわよ。
…後藤、走るわよ」

「えー、お風呂代わりに雨に打たれるのも悪くないって後藤は思うんだけどなー」

「このクソ寒いのに雨に打たれたら風邪どころか凍死するわよ、あんたは好きなだけ雨に打たれなさい、じゃあね」

「あ、圭ちゃん待ってよー!」


突如降り出してきた雨から逃れるように、あたしと後藤は夜の街を駆け抜けていった。

318 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 21:51:49.33 0
>>307-317
『永遠殺しの傍観者-The anti-eternal onlooker-』 了
予告と若干タイトルが変わったのは気まぐれです

319 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 22:09:09.68 0
>>318
カッケェェェェェ!!!
圭ちゃんの本格的なバトルが初めて読めて嬉しいです
しかも後藤さん付きとか何か分かりませんがものすごい得した気分です
能力を初め細部の設定が素敵ですね
何より文章そのものに惹き込まれます
やっぱり現メンとは少し違う「大人」なカッコよさだなあ

それにしてもミティはやられ役多いなあw

320 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 22:31:03.30 0
>>318
時は万人に平等に降り注ぐ・・・
永遠を欲するミティの切ない思いに同情しつつも
やはり刹那を生きて残す何かがあるからこそ生きることは素晴らしいのだと思います

ないやいさん 素敵な作品でした


321 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 22:56:10.46 0
ないやいさんのあととても申し訳ない気分ですが
時期が遅れてしまわないうちにあげさせてください。


322 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 22:57:06.07 0


祭りの後の静けさはれいなを寂しくした。
ロフトの上で膝を抱え、小さな窓から切り取られた星空を眺める。

生まれてきて、よかったのだろうか。
不意に答えの出ない疑問が頭によぎり、首からさげたロケットをぎゅっと握った。
れいなを産み、育てた両親は記憶の随分端っこだ。
思い出したい思い出は、思い出したくない思い出に紛れて想うように手に入らない。
繋がらない記憶のかけらを必死に集めたが、それはただの断片に過ぎず
れいなが求めるものは手のひらに残らなかった。
色々なことがありすぎた。れいなの生きた19年は―――

「会いたいんよ。いっぱい、しゃべりたいんよ。」

じわり、と涙が浮かぶ。
無理にでも仲間を引き止めればよかった。
れいなのために開いてくれた誕生日パーティーは、楽しくて、嬉しくて、可笑しくて、それから愛に溢れていた。
恋しい。愛しい。この命をかけてでも、守りたい。

そう思える仲間と出会えた事を、伝えたかった。
今を、元気に生きていることを、伝えたかった。

「何で…」

れいなと同じで、強かったんっちゃろ?

323 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 22:57:51.82 0


ダークネスごときに、簡単に命を奪われるような両親ではない。
真実を知りたかった。
だけど、ずっと、避けてきた。
拾い集めた記憶ともしも違っていれば、
持っている汚れたピースが、自分が作り出した空想だったなら
愛された記憶が嘘だなんて、そんな事言うやつは容赦なく殺してしまえるくらい


――― 怖い。


324 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 22:59:35.83 0
不意に扉を叩かれる音がして、れいなは膝に埋めていた顔を上げた。
愛がれいなに買ってくれた、冬物の暖かな布団が涙を吸い込んでいる。
ぐしぐしと袖口で乱暴に涙を拭い、咳払いを一つしてロフトから飛び降りた。
何事もなかったような顔をして扉を開ける。

「愛ちゃん、どしたん?」

ほら、ちゃんと。いつものれいなだ。

「れーな」

いつもと、いつもと変わらない。

「…なん、愛ちゃん」

強くて、かっこよくて、たまに自分でも惚れ惚れしてしまうくらい

「れいな。」

リゾナント最強の共鳴力を誇る―――

「愛ちゃん」

仮面がくずれた。保っていた均衡が音を立てて、壊れていくようだった。
彼女の名前を呼ぶ声が、
コーヒーの香りと、それに混ざる、甘くて優しい特有の香りが


記憶の片隅にある母に似ていた。

325 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 23:00:31.70 0

「愛ちゃん!」


身体後と全部、愛にぶつかる。
愛はそうされるのが分かっていたかのように、平然と受け止めた。
それから自分が持つ力全部で、強く抱きしめる。
その瞬間、小さなカケラだった記憶がフラッシュバックする。



――― ほら、れいな。寂しくなかとよ。お母さんずっと傍におっちゃるけんね。
    誕生日はなに買ってあげようか。れいないい子にしとるけん、好きなもん選んでよかとよ
    れいなはおっきくなったら何になるん?お母さんめちゃめちゃ楽しみにしとるんよ
    世界一好いとけんね、れいな。お誕生日おめでとう…、


326 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 23:01:18.49 0




 生まれてきてくれて、ありがとう。



「生まれてきてくれて、ありがとう」


母と、愛の声が重なる。
嘘じゃない記憶に、れいなは声を上げて泣いた。
愛は小さく震えるれいなの頭に頬を寄せ、穏やかに微笑んだ。


327 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 23:02:58.53 0
>>322-236

若干暗くなってしまってすみません。
れいなの両親の設定は一応色々読み返して創りましたが、
やっぱり少しずつ違ってきますので深くは考えないでください。
生まれてくる子どもがみな愛されて望まれて生まれてきますように。

おつきあいありがとうございました
さ、ないやいさんの読もうっと!


328 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 23:40:56.05 0
>>327
暗くなんか無い!感動した!

329 名前:名無し募集中。。。:2008/11/12(水) 23:50:39.53 0
>>327
誕生日おめでとう=生まれてきてくれてありがとう
・・・前回もでしたがこれは本当に感動します
愛ちゃんのときに一度使われ そしてまた今回使われることで一層その効果が高まっていますね
母親と愛ちゃんを重ねているのがすごく感動的です

330 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 00:16:41.20 0
『海上の孤島』シリーズの続きを投下させていただきます

331 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 00:18:50.59 0


闇は彼女の心を覆う
ゆっくりと、ゆっくりと侵食していく


「いつになったら、死なせてくれるの…?」



332 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 00:21:42.12 0

   ◆◆


高すぎる天井の近くに、小さな窓がある。
そこから漏れる光は微かで、時はすでに夜だと告げていた。

囚われの裏切り者、新垣里沙は薄暗い牢屋の中にいた。
身体を小さくして膝を抱き、目を閉じてうずくまっていた。
目を閉じて考えることは、ここに来るまでに自分がいた喫茶リゾナント。

そして、今でも大切だと思っている仲間たち…


彼女を苦しめていたのは、決して裏切りの行為だけではなかった。
仲間を想う気持ちにも、苦しめられていた。
それは彼女の心を悲しませ、暗い深淵へと落とした。


「……愛ちゃん…」


そして、あともう一つだけ。

愛と里沙が交換した、イニシャルの入ったお守り。
彼女を守る物であるのに、今では里沙を苦しめる物でしかなかった。


333 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 00:23:25.69 0

   **


「迎え」が来たのは、闇が落とされた時間も深い頃だった。

里沙は目の前にいる闇からの伝達者から伝言を受け取った。
それは彼女を狼狽させ、悲しみを与えるものだった。


『 スパイとして働いていた新垣里沙を [海上の孤島] へと送る。以上――― 』


それは、事実上の死刑処分だった。
『海上の孤島』へ送られるということは、新垣里沙は反逆者として、"共鳴者"として見なされてしまったのである。

スパイとしてしっかりと働いてきたつもりだったのに…

彼女はこの報せを受け、最初は取り乱した。
しかし、取り乱しても状況は変わらない。
取り乱した思考を一旦停止し、彼女は冷静さを取り戻した。

そして、その事実を受け止めることにした。


この報せを受けるに従い、上層部からの命令で新垣里沙という人間の記憶を共鳴者の記憶から取り除かなければいけなかった。
それは闇の集団にとっては必要不可欠なことであり、もし残っていれば後々面倒なことになりかねないからである。

だから取り除かなければいけないのだが、里沙は少し躊躇していた。
しかし、これは命令である。
闇に所属している以上、命令は絶対だ。


334 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 00:25:10.46 0


それから一週間後―――
彼女は仲間たちの記憶を操作し、"新垣里沙"という人間を抹消した。



335 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 00:26:53.03 0

   **


『海上の孤島』、別名「牢獄島」に新垣里沙は連れられてきた。

実際には見たことなど無く、話に聞くだけだった。
しかし目の前にすると、それはひどく、彼女をさらに闇に落とした。


絶壁ばかり、周りは海だけ。
カラスや鷲が飛び交い、「牢獄島」はひどく暗い雰囲気に包まれていた。

正門だと思える大きな鉄の扉を開けて中に入る。
内部は薄暗く、黒い服に身を包んだ多くの監視者が所内を歩いていた。
ロビーとは言えなくもない広い部屋を通り抜け、
淡く光る白い蛍光灯で照らされた細長い廊下を監視者数人に連れられて歩く。
その先にあるエレベーターに押し込まれるように乗り込み、上階へと進んだ。

エレベーターから降りると、目の前にはまたも細長い廊下。
廊下の左右には鉄の扉がたくさん存在し、監視者に囲まれてその廊下を歩く。
よく鉄の扉の表面を見てみると、そこには一つずつ数字が書かれていた。
たぶん、囚人を識別する為の番号なのだろう。

  ―――自分はもうすぐ処刑されるというのに…

こんなにもひどく冷静な自分を里沙は頭の中で客観的に見ていた。

336 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 00:28:50.84 0

急に立ち止まる監視者。
里沙もそれに習い、立ち止まる。

目の前には他の鉄の扉とは違う、白い鉄の扉があった。
先頭にいた監視者はその扉を指差し、中に入れと促した。
里沙は眉をひそめるも、抵抗はせずに扉を開けて中に入った。


入るとそこは、今までの薄汚い感じとは違った場所が広がっていた。

広い円形の部屋だった。
壁、天井、床のすべてが真っ白で、少し目が痛くなるのを感じたぐらいだった。
そして、その円形の部屋からまた、今度は黒く染められた扉が全部で5つあった。
後ろにいた監視者は右から2番目の扉の前に行き、扉を白い鍵で開けた。
里沙は他に側にいた監視者に促され、その扉の中へと入っていく。


そこは、今度は白とは対照的に真っ暗だった。
まさしく牢屋と呼ばれるような場所で、けれど天井は高く、窓が一つ高いところにあった。

窓を見つめていると、後ろで扉が閉まり鍵をかけられる音がした。


彼女 -新垣里沙- が、『牢獄島』に囚われの身となった瞬間であった。



337 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 00:31:42.84 0

    ◆◆


囚われの身となった次の日、里沙の下に闇からの伝達者が送られてきた。

また何かの報せか…
彼女はひどく落ち込んだ心で、伝達者からの手紙を受け取った。


『 囚人、新垣里沙に伝える。
  機密情報を共鳴者に漏洩した疑いで死刑を確定す。
  よって処刑日は本日から一週間後、24時に執行す。以上――― 』



時は迫る。
この報せを受けても、彼女の頭の中はひどく冷静だった。

仕方が無いと思っていた。
闇の集団でスパイの役目を授かった者は、役目が終わった後に殺されるということが噂であったから。
役目をもらったばかりの当初はそんなことなど頭に無く、懸命に努めようと思っていた。
しかし、先輩たちの話を立ち聞きしたばかりに、その噂は里沙に伝わってしまった。
頑張っていれば大丈夫だと思っていたけれど、どれくらい頑張っても進む先はスパイなら誰でも同じであると分かってしまった。


  ―――スパイは裏切り者でしかない


ならば、来るべき時が来るまで、スパイという役を演じようではないか。


338 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 00:36:39.79 0


しかし、彼女は後悔することになる。

共鳴者である愛達を信頼し、大切だと思ってしまったことを。
たくさんの思い出を仲間と共に作ってしまったことを。

愛と交換したお守りと、それに込めた誓いを。


それらはすべて彼女の心を温かくさせる物のはずなのに、
この時ばかりは、彼女を苦しめるものでしかなかった。



339 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 00:37:34.21 0


continue...



340 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 00:57:16.75 0
ここでコンティニューですか

341 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 01:23:24.79 0
投下お疲れさまです

でももう少し前の方々のことを考えて欲しいかなーと
ちょっと投下時間かぶりすぎじゃないかなと思います・・・
みんなの気配りでなりたってるスレなので
せっかく投下して下さったご自身の作品を愛する意味でも
もう少し時間について考えてほしいなーって思います

342 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 01:25:44.03 0
ここは狼だよw

343 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 01:59:16.39 0
>>331-339の作者です

自分の勝手な行動で一部の人に迷惑をかけてしまいすみませんでした
前々から投下する時間等が他の作者と被ってしまいまして、
もしかしたらこのことについて何か言われるかもしれないと思っていましたが、申し訳ないです
一応気にはしていましたが何も言われないので大丈夫かなーと天狗になってました

これからはいろいろと気にしつつ投下していきますのでよろしくお願いします

344 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 02:01:03.27 0
基本読者な俺は全然気にならんけどなw

345 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 02:04:45.59 0
全然気にすることじゃないでしょ
ちょっと過剰すぎね?

346 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 02:09:22.37 0
うむ
ちょっと堅苦しいなw

347 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 05:57:36.14 0
>>318
ダークネスからさえもはぐれている二人がカッコイイね!
瞬間に閉じ込められたミティはきっと美しいんだろうなぁ

>>327
>>324のところが全部好き!心に染み入ってくる!

>記憶の片隅にある母に似ていた。
ジーンときました

>>339
早く続きが読みたいです!気になるわぁ~







348 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 07:16:00.57 O
投下時刻についてはあまり混んでない時の方がじっくり読んでもらえるかもね

でも投下作品が多すぎるなんて・・・ なんと贅沢な悩みw

349 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 08:34:16.80 0
作品を重ねることについては・・・難しいところですね
昨日なんて例えば重ねなかったとしてもきっとあまり書き込みはなかったと思うんですよね
えらく閑散とした感じでしたから
そこまで非常識に重ねているとは思わないですしね今回については
でも書き手としてはやっぱり自分の話の後はその感想を聞かせて欲しいのが人情ですので・・・
難しいところです
「ここは狼」ってのは確かにそうですけどせっかくここまできたスレですし

あ 自分は別に今回投下した作者さんではないですけど

350 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 09:32:54.82 0
感想スレはしたらばの感想スレもあるしアンカー付け書くのでいいのではないかと
今回それぞれ前の作品投下から1時間たってるし十分だと思うけどね

351 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 10:59:51.28 0
>>350
感想スレに実際に感想書いた人が一体何人いる?w
いやいやその意見自体には完全に同意ですけどね

352 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 11:26:15.45 0
感想スレ利用以外にアンカーレスもありだろと別意見も書いてあるじゃん
そもそも作品と感想がセットである必要ってあるのか
というかアンカー使えばセットだと思うんだけどね

353 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 11:30:09.13 O
書き手が感想クレクレ言ってるように見えるな

354 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 11:39:26.94 0
同意だって言ってるのに・・・

355 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 11:56:17.92 0
誰も使ってないじゃんって意見は茶化してる以外の意図があるとは思えんw

356 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 11:57:05.71 0
別に前の人の投下中に割り込みしたわけじゃなしいいんじゃないの
初期なんてそれこそ数本同時に進行してもそんなもんだと思って読んでたし

357 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 12:06:25.26 0
今回指摘されてる方は1時間程度では足りないってことですよね
具体的にはどれぐらいが妥当と思われてるんでしょうか
ちなみに自分は十分な時間だと思います

358 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 12:15:02.61 O
やめようよ今さらくだらない論議は
個人に任せればいいと思うよ
それこそ目に余る行為でもあれば別だけどさ…

359 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 12:19:07.32 0
作品の感想を書いてあげたら?

360 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 13:34:43.74 O
リゾスレオワタ

361 名前:サボリン∞ヽ( ゚∀。)ノ:2008/11/13(木) 13:38:30.83 O
\||/|///
ヽ( ゚∀。)ノ<なんかまた風邪ひいたっぽいんだけどドーユーコト

362 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 14:19:35.08 O
ええと・・・ 髪の毛?から熱放射してさむいんじゃね?w

あと、議論の時はしたらば使わせてもらうのも手だべ
俺も後で感想はゆっくり書かせてもらいますよ

363 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 16:33:23.74 0
昨夜ベッドの中でケータイに小説打ってたら間違って全部消しちゃったよ(´д `;)

364 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 17:09:15.49 O
イキロ

365 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 17:12:28.37 0
携帯でよく書けるなあ
読むのも苦手だわ
年寄りくさいかもしれんけどw

366 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 17:25:39.97 0
投下します。ダークネス作品。苦手な人はとばしてください。

367 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 17:27:16.60 0
彼女は廊下の窓からつきを見上げる。
女性と言うにはまだあどけなく、少女と言うには美しすぎる彼女。
ある者は親しみを込めて、ある者は畏敬の念を込めて、
またある者はただ畏怖して、彼女をこう呼ぶ。

『天使』と。

「なっち、またぼーっとしとるんか?」
組織の幹部が彼女に語りかける。
「裕ちゃん・・」
天使は困ったように微笑んだ。
「どうした?なんか怖い夢でも見たんか?それとも腹減ったんか?」
幹部は天使の顔を見て驚いた。

「どうして戦うの?みんな大事な後輩なのに」
天使は悲しそうに言った。
何を今更と幹部は思った。
それは天使にも伝わった。また、困ったように笑うと窓の外に目をやった。
「なっちね、こんなにいい暮らしさせてもらって感謝してる。
なにもしてないのに。
みんな思ってる。なっちが役立たずだって」
「そんなこと、、」
「ううん。わかってる。でもいいの。だけど、やっぱり辛いよ。
ここには裕ちゃんもいるし、矢口もいる。
吉澤だって石川だって。みんな・・なんか変わっちゃったけど、
でもみんなが仲間であることには変わりないし」
幹部の言葉を止めて天使は続けた。
「裕ちゃんの言う未来も正しいと思うよ。それが一番現実的なのも。
でも、後輩を傷つけるのは辛いよ」


368 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 17:27:51.82 0
幹部は天使を忌々しく思う。
自分がここに来たのは最終的に天使がここを選んだからだ。
天使がリゾナントに残ることを選んだのなら自分も残っていた。
それを、、。

「ごめんね、裕ちゃん。今更だよね」
天使ははかなく微笑んだ。
幹部はずっと彼女の本当の笑顔を見ていない。
戦いを重ねるたび、自分がここに帰るたび彼女は傷ついたように微笑む。

古の物語。
天使は堕天して悪魔の王になった。
本当に悪魔の王の心は憎しみとかなどという負の感情でいっぱいだったのだろうか?
本当に天を、神を憎んでいたのだろうか?
本当に天を、神を超えようとしていたのだろうか?

幹部は天使を見るたび、胸が痛む。
天使を堕天させたのは他ならぬ自分ではないかと。
誰よりも他人を慈しみ、大事にするから。
だから自分の心を拒否できなかったのではないかと。

ふと、天使の手が幹部の手と繋がる。
幹部が自分の過ちを許せなくなるたびに天使は寄り添ってくれる。
自分で自分をなくしてしまいたいとき、なにも言わずそばにいてくれる。


369 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 17:28:25.43 0
「ありがとな」
「裕ちゃんもね、笑ってないんだよ」
突然の言葉に声が出ない。
「裕ちゃんも、前のようには笑ってないよ」

『共鳴』

対リゾナンターで一番頭を痛い所。
これも同期の絆か。
幹部は笑えてきた。

「蒼い正義、でしょ」
天使は微笑んだ。
その笑顔は慈愛に満ちていた。
幹部もまた微笑んだ。

蒼い正義。

蒼すぎるかもしれない。
それでも彼女達は進む。
進み続けられることを祈りながらも、止めてくれることを祈りながら。

370 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 17:30:06.40 0
>>367-369
『囚われの天使』
久しぶりに書いたのでなんか変な感じ(汗)
あと2スレで20ですね。長いわぁ~。

蒼い→くすんだ青らしいです。最近知ったww

371 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 17:45:08.21 0
蒼いが澄み切った青だと歌のイメージがw

ダークネスにはダークネスの正義があるんでしょうね
手段が異なるだけで目的は一緒なのかもしれませんね

372 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 17:48:40.40 0
>>370
以前この2人の話を書かれた方でしょうか?
純粋悪ではないダークネスの魅力が伝わります
堕天・・・なんだか切ないですね

ちなみに「蒼」は元々中国では空や山の青を表していたんですよ

373 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 18:22:12.23 0
蒼天て奴ですな

374 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 18:44:23.17 0
黄天已死
蒼天當立

黄天はダークネスか
それともM。なのか

375 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 19:02:42.56 0
蒼巾の乱か
ならばよし

376 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 19:29:29.40 0
糞スレ晒し上げ

377 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 19:30:38.75 0
>>370
魅力的な敵ですね
この後
お互いの正義を守るため一歩も引けない戦いに突入したんだね

378 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 20:17:14.13 0
22時に[Ai-Gaki](15)662の続きを投下させていだきます
お目汚しかと思いますがお付き合いいただければ幸いです

>>370
安倍さんいいなあ切なくなる

379 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 20:26:36.60 0
>>370
『囚われの天使』 の世界観にはまりました
リゾナントしてみたい!

>>378
楽しみに待ってます!

380 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 20:26:48.42 0
>>370
堕天使というか真夜中の太陽というか
魅力的な設定です

>>378
ずっと待ってたよ

381 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 21:07:29.18 0
>>370
>『共鳴』

>対リゾナンターで一番頭を痛い所。

そうか・・・ダークネスにとっては共鳴が一番やっかいな力なんですね
面白いですね

>>378
おお!待ってましたよ!

382 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 22:01:16.42 0

戦士が二人。
高橋愛と粛清人Aの間を風が吹き抜けていく。
町外れの工場跡。その空間がピンと張りつめている。
決闘には都合のいい場所だ。
自分達の存在を公にしたくないのは共鳴者達も組織も同じだから、
人目につかない場所をたたかいの舞台に選ぶというのは暗黙の了解のようなものになっていた。
粛清人Aは黒の戦闘服に身を包み、値踏みするような視線を愛に送っている。
胸元で風になびくスカーフの赤が血を思い起こさせた。

―流石に、隙がないな。

愛は目の前の敵の戦力を測りきれずにいる。
どういう能力を使うのかは里沙も知らないと言っていた。
粛清人の最大の武器は超人的な身体能力と圧倒的な戦闘センスであり、基本的に能力に頼った戦法は取らない。
完全無欠な能力など存在しないと言われているし、使えば使うほど消耗する。
そして、粛清人の能力を見た者は粛清された者だけだ。もうこの世にはいない。
ゆっくりと、Aが口を開いた。

「今は、高橋愛っていうんだっけ?よく一人で来たね」
「仲間を連れて来れば、誰かが殺される。でも一対一なら…勝つか負けるか、どっちかだ」
「いいね。気に入った」

粛清人はニコリともせず、懐から出した銀色の球体を空中で上下させ始める。
―何だ?何かの武器か?

「ヨーヨー」

愛の心の声が届いたかのように、Aが答えた。

383 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 22:02:00.14 0

「ふうん、まだオモチャで遊びたい年頃なんだ」

愛が挑発的に微笑を頬に貼り付けてみせた時、空気を切り裂く音がした。
頬をかすめて銀色の球体が素っ飛んで行き、背後の壁にぶつかる。
がきぃ、と鈍い音の後に、ごとり、と音がした。
背後に視線を送ってみると、コンクリートの壁が抉れている。

「じゃ、遊んでもらおうか」

粛清人の双眸が、高橋愛を見つめている。
端正な顔立ちをしているが、眼だけが異質だ。
獣のような眼をしている。
恐い眼だ。
余計なものが混じっていない。
ただ、目の前の敵を倒す。
粛清人の眼だ。
粛清人Rが豹ならばAは狼。
獲物を追い詰めて仕留める狩人の眼だ。

―心が読めない。
元々期待はしていなかった、粛清人ともあろう者がそう易々と心の声を聞かせてはくれないだろう。

「ならば」

愛が動いた。駆け出して距離を詰める。
右足での回し蹴りが粛清人の鼻先をかすめ、そのまま、左の後ろ回し蹴りに繋げる。
水のように滑らかな動きだ。天性のバネとバランス感覚の賜物だろう。
しかし左足も空を切る。
さらに一回転して裏拳。これもかわされた。
次は、フェイント。ハイと見せかけてローキックを放つ。
当たらない。見切られている。

384 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 22:03:04.52 0

「チィ!」

一瞬、愛は焦れた。
その隙を見逃す粛清人ではない。掌底がわき腹を穿つ。
体がくの字になって2メートル程吹っ飛ばされた。

「くっ!」

追撃のヨーヨーが頭上から襲い掛かってくる。
愛は身をよじってコンクリートの床を二転、三転し、なんとかそれを避けた。
ギャリィ!という音をたて銀色の球体がコンクリートを削る。
まるでヨーヨーが自らの憎悪を地面にぶつけているかのようだ。
ふいにヨーヨーの動きが止み、すうっと粛清人の手に吸い込まれていく。

「あんたって―共鳴者―リゾ・・・なんだっけ」
「リゾナンター」
「そう、それ」

お前らの名前なんて知ったこっちゃない――とでも言いたげな口調だった。

「そん中で一番強いんだろう?だったら」
「だったら?」
「そろそろ本気出しても良いんじゃない?」

Aはスッと眼を細めた。視線に、侮蔑のニュアンスが香る。
突風のように高橋愛が粛清人に突進し、眼前で跳躍した。

385 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 22:04:02.71 0

「ふん」

―あっけない、こうも簡単に挑発に乗るかね。

空中では身をかわすことが出来ない。
粛清人の手から放たれたヨーヨーが愛のみぞおちを捕らえ――

瞬間消えた。

高橋愛がリゾナンター最強と言われる所以はこの瞬間移動能力に拠るところが大きい。
自由に相手の死角に回り込むことが出来るし、間合いも自在だ。
たたかいに於いてはこの上ないアドバンテージとなる。

粛清人の手から放たれた鋼鉄のヨーヨーが愛のみぞおちを抉るかと思われた瞬間、
愛は粛清人の背後の空間に跳んでいた。
後ろから稲妻のような蹴りを後頭部へ振り下ろす。

もらった!!

衝撃――

!!??

蹴りを振り下ろそうとした瞬間、愛のわき腹にヨーヨーがめり込んでいた。
みしり、と骨の軋む音がやけに鮮明に響く。

「ぶふっ」

呻き声と共に意識までもが体外に抜け出していきそうになる。

386 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 22:05:26.26 0

こらえろ
―裏をかいたつもりだったのに
追撃がくる
―何で
もう一度、跳べ
―こいつ後ろに目がついてるのか

正確には事態が掴めないが、今自分が窮地に陥っている事は確かだ。
粛清人が振り返った。
眼が合う。
闇を駆ける狩人の唇が左右に吊り上げられる。

「やっぱり、そこにいたか」

しゃっと鋭い音を立てて粛清人の右足が愛の頭部を薙ぎ払った。
間一髪、愛はもう一度空間を跳躍してそれを避け、10メートル程距離をとる。
粛清人の左右の手に握られたヨーヨーが沈みかけの太陽を反射して鈍く銀色に輝いていた。

ヨーヨーは二つあったのだ。
一つはかわしたが、もう一本の牙が愛を捉えた。
しかし、――愛の脳裏に疑念がよぎる。

―私はあいつの死角に跳んだ。なのに、喰らった。
―まさか当てずっぽうというわけではあるまい、どうやって察知した?
―何かの能力か?

呼吸する度わき腹に鈍痛が走る。

387 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 22:06:42.52 0

「あいつの報告通りの所へ跳んだね」
「?」
「優秀だな、――新垣は。あそこまでのスパイはそうはいない。
流石は、安倍なつみのお気に入りという事か」
「――」
「おかげで対策が立てやすかったよ」

とろけるような笑みが、粛清人の唇に浮かんだ。

「彼を知り、己を知れば百戦危うからず。
 彼を知らず、己を知れば一勝一負す。
 彼を知らず、己を知らざれば、戦う毎に必ず危うし」
「――孫子か」
「お前はどこまで知っている?リゾナンター」

風が吹いた。
風は、黒衣の狩人のスカーフを、愛の睫毛を撫で、
彼女の腰に付けたお守りをゆっくりと煽った。
縫い付けられた緑色のRの文字が風にそよいでいる。


「あんた、新垣里沙が今頃Rと戦ってるって、まさか本気で思ってるの?」




――私の心がぎゅって硬くなる。

388 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 22:11:53.95 0
>>382-387
以上「AとA(1)」お目汚し失礼いたしました
なるべくスレを跨がない内に完結させたいと思っていますが…

389 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 22:17:41.18 0
>>388
肉弾戦のバトルを描くのが本当に上手ですねえ
臨場感に溢れていて手に汗握ります
兇器としてのヨーヨーの描写が特に素晴らしい
続きを楽しみに待っています

390 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 22:22:41.18 0
>>388
唯我独尊なAがカッコいい
バトルと並行して描かれる内面の描写がまた何とも
続きが待ち遠しい



391 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 22:29:12.86 0
精神的に追い詰めて思考の幅を狭めさせてより有利な状況を展開する
たまりませんね
続きカモーン!

392 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 22:53:37.57 0
>>388
この超絶バトル面白い!これはホントに続きが待ち遠しい!

続きは3スレ先とか言わないでね・・・待ち遠し過ぎるから!

393 名前:名無し募集中。。。:2008/11/13(木) 23:54:49.52 0
したらばでテンプレの話もされてるんですね
この機会に意見を持ち寄りましょうかね
すみません自分はまた明日・・・

394 名前:名無し募集中。。。:2008/11/14(金) 00:25:46.51 0
皆さん文才凄いなぁ 僕なんか全然書けてないや 頑張ろっと

395 名前:名無し募集中。。。:2008/11/14(金) 01:41:13.26 0
悲しみのリゾナントー

396 名前:名無し募集中。。。:2008/11/14(金) 03:10:21.08 0
( `.∀´)y-~~危ないじゃないの

397 名前:名無し募集中。。。:2008/11/14(金) 04:39:15.00 0
かなしみ戦隊リゾナンター

398 名前:名無し募集中。。。:2008/11/14(金) 07:15:53.03 O
カナシミは心まで鳴り響く!

399 名前:名無し募集中。。。:2008/11/14(金) 08:26:42.30 0
>>306

不安な夢の中で、私は独り歩いていたわ。

丸石の敷き詰められた狭い道。
街灯の丸い光の下で、私は不意に寒気を覚えてコートの襟を立てた。

そのとき。

私の目は夜を引き裂くネオンの閃光に刺し貫かれたの。

そして・・・

私は静寂の音に触れたのよ―――

400 名前:名無し募集中。。。:2008/11/14(金) 09:22:37.22 0
かっこいい・・・・・

401 名前:名無し募集中。。。:2008/11/14(金) 10:02:16.32 O
モーカスヲタ惨め

402 名前:マスクdeサボティヽ( ゚∀。)ノ:2008/11/14(金) 10:24:23.29 O
\||/|///
ヽ( ゚∀。)ノ□<まさかの復活

確か一ヶ月前に登場したばかりだよね…
みなさんも風邪には気をつけて!
隣の人にうつされたりするよ!!

403 名前:名無し募集中。。。:2008/11/14(金) 11:25:04.92 O
自分も咳が止まりません
でもマスクとかしないんだ
撒き散らしてやるんだ
世界を闇に染めてやるんだ

404 名前:名無し募集中。。。:2008/11/14(金) 12:25:12.80 O
あなたも・・・ 闇に染まってしまったのね・・・

405 名前:名無し募集中。。。:2008/11/14(金) 12:28:20.01 O
>>402
ズラが普通に似合ってきたねw


406 名前:名無し募集中。。。:2008/11/14(金) 12:42:42.44 O
>>403
ダークネちゅ様乙!

407 名前:名無し募集中。。。:2008/11/14(金) 13:56:04.05 0
うわ、このスレにも俺と同じ症状の人達が・・・
俺も10日以上も咳が止まらなくて困ってます
熱もないし体は元気なんだけど咳がずっと出て辛いです
助けてリゾナンダー

408 名前:名無し募集中。。。:2008/11/14(金) 14:01:15.69 0
咳が長く続いて風邪薬やせき止の薬が効かない時は咳ぜんそくを疑った方がいいよ

409 名前:名無し募集中。。。:2008/11/14(金) 14:34:21.87 0
俺も咳だけやたら続くから病院行ったら肺炎寸前だったことあるよ

410 名前:名無し募集中。。。:2008/11/14(金) 15:06:16.02 O
かれは、さゆ大忙しだな!

411 名前:名無し募集中。。。:2008/11/14(金) 15:07:39.72 O
あ 字まちがった 自分も病気かもしれんね

412 名前:名無し募集中。。。:2008/11/14(金) 15:15:07.52 0
俺ものど痛くてしょうがない
このスレは全員風邪か?

413 名前:マスクdeサボティヽ( ゚∀。)ノ□:2008/11/14(金) 15:26:50.52 O
\||/|///
ヽ( ゚∀。)ノ□<喉は別に痛くないんだよね…

マスクしてるのは蔓延防止ってことで
鼻がずるずるしてる
みんなの症状とは違うみたい

414 名前:名無し募集中。。。:2008/11/14(金) 17:18:26.93 O
サボティお大事に

415 名前:名無し募集中。。。:2008/11/14(金) 18:56:03.41 0
从*・ 。.・)<みんなお大事なの

416 名前:名無し募集中。。。:2008/11/14(金) 20:14:53.27 0
正悪問わず
今までに
透視能力者やサイコメトラーは登場してないんですね

417 名前:名無し募集中。。。:2008/11/14(金) 20:15:43.32 O
待ってマジですか?
咳だけやたら出る人他にもこんなにいるんですか?
ネット感染を本気で疑います

418 名前:名無し募集中。。。:2008/11/14(金) 20:46:17.35 0
壁|o・-・)

419 名前:名無し募集中。。。:2008/11/14(金) 21:21:55.15 O
『囚われの天使』
書いた者です。
タイミングがよかったのかみなさんにほめてもらって嬉しいような…恐縮です。
戦いが上手く書けないので↑の方をただ、尊敬します。
以前も二人の話を書きましたが、安倍さんの能力ってなんなんでしょうねwww

420 名前:名無し募集中。。。:2008/11/14(金) 22:07:30.66 0
>>419
あえて悪の立場を取る大人なダークネス・・・カッコヨカッタっす!


421 名前:名無し募集中。。。:2008/11/14(金) 23:22:20.60 0
小春がジュン子って呼ぶと潜入する話思い出す俺

422 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 00:11:22.46 0
川o・∀・)<(貴方達の身体にはすでにナノマシンが入り込んでいるのです。
         ゆっくりと貴方達は闇に染まっていくのです)

423 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 00:32:32.96 0
「AとA」を書いた者です
今週末は時間があるので週明けくらいには続きが書けると思います

>>419
安倍さんの能力ってあんまりはっきりしてないですよね
自分の中では『ホワイトスノー』が一番しっくりきてますけど

ところで作者のみなさんは小説を書こうと思ったきっかけってどういうものでした?
自分はよっしいがガキさんにダークネスから逃げろって言った話で
恥ずかしながら泣いてしまいまして…
それで少しでもこのスレに貢献したくなって書いたんですけど

似たような経験をされた方がいらっしゃったら嬉しい

424 名前:マスクdeサボティヽ( ゚∀。)ノ□:2008/11/15(土) 00:49:28.92 0
>>423
二つとも拙作を上げていただいて大変恐縮っす
[Niigaki](09)678 『真夏の光線』 と [Niigaki](03)588 『Find Your Place - R & A -』 ですね
ありがとーございます
安倍さんについてはもうあれ以上の安倍さんは出せないってくらい自分のイメージ出し切れた作品です

娘。小説自体はそれまでも書いてたのでこのスレで書き始めたいきさつといえば
なんだろなー最初は「おもしろそうなスレあるからのぞいちゃえ → 書いてみちゃえ」かな
そこから リゾナンターの結束=娘。の結束 につながって、どんどん彼女らに想い入れまくって

で、なんかサボティになっちゃった、と(違

今は「想いを入れたメンバーが見せてくれたストーリー」を脳内から引っ張り出してカタチにしてるって感じですかねw

425 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 00:49:53.26 0
>>423
すっごい楽しみに待ってますね

安倍さんの能力は自分の作品は割とはっきりと書いてるけど何か単発でもやれたらなといいつつ
1時半に一本保全作投下します、注意事項は下記の通り

・こんなの愛ガキじゃないやい
・蒼の共鳴番外編
・まとめサイトにある『蒼の共鳴特別編第1夜-盲目の正義-』を読んでから読むとより楽しめます

以上ですでは後ほど

426 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 00:50:31.88 0
明日(今日)あたりスレが閑散としてそうな頃にでも話上げたいと思います
ナノマシンに蝕まれつつ書きました
とっとと寝りゃいいのにね

>>423
このリゾナントなスレを見事に体現しておられる作者さんですねえ
嬉しい限りです
そんな作者さんを生み出したあの作品を書かれた作者さんもきっと喜ばれていることでしょう

427 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 01:30:11.19 0
喫茶リゾナントから徒歩10分程度のところにあるビルの屋上。
トン、という音を立ててそこに一人の女性が“降り立った”。
肩に付かない程度の茶色の髪に、ライトグレーのジャージを着た女性は目を伏せる。

ゆらゆらと、女性の体から立ち上る淡い黄色の“オーラ”。
オーラの放出が収まるのと同時に、ビルを中心とした半径五百メートル圏内は外界から隔離された空間となった。


「…邪魔もんがこんうちに、とっとと“調律”すまさんとね」


女性はそう呟いて、再び体からオーラを解き放った―――その瞬間だった。
外界から隔離されたこの空間に侵入しようと、女性の張った“結界”に何者かが手を触れる。
その気配が、よく知った人間のものであると感じた女性は、触れられた箇所の結界をわざと綻ばせた。


「愛ちゃん、相変わらず結界大きく張りすぎだよね」


よく通る声が女性の鼓膜を震わせたのと同時に、女性―――“高橋愛”の目の前に現れた長い茶髪の女性。
膝のあたりまで丈のあるモスグリーンの裾をひらひらさせながら、女性はゆっくりと愛の方へ近づいてきた。


「そんなこと言われても、小さく出来んのはしょうがないやよ、里沙ちゃん」


愛は女性―――“新垣里沙”の言葉に苦笑いしながら返事をした。
里沙の言う通り、もう少し小さく結界を展開することが出来るなら苦労はないのだが。

結界の範囲は、能力者の能力レベルで展開される最低限の大きさが決まっている。
能力が強ければ強いほどその最低限の範囲が大きなものになる以上、今よりも小さく結界を張ることは不可能と言えた。
そのことを過去に愛に教えた張本人である里沙が、それを忘れているはずがない。

428 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 01:30:48.08 0
里沙が自分と二人だけの時は、どこか突っかかるような口調になるのは昔から変わらなかった。
他の人間と一緒に居る時は優しい母親のような感じの里沙が、自分と二人だけの時は年相応に見える。
けして里沙本人に告げたことはないが、愛はそのことを密かに嬉しく思っていた。

里沙が他の仲間達に心を開いていないわけではない。
ただ、他の仲間達と一緒に居る時よりも素を見せてくれている、そう感じるのが嬉しいのだ。
里沙は“ばぁば”以外に初めて出来た友達で、大切な仲間だから。


「調律?」

「うん、出来る時にしとかんと…いざっていう時に精度が鈍ってると命取りになることもあるしの」


そう言って、愛は里沙が来る前と同様に自身の体からオーラを解き放つ。
里沙が傍にいるから、万が一“敵-ダークネス-”から襲われるようなことがあっても、何とかなるだろう。
先程とは違い、愛の唇には自然と笑みが浮かんだ。


「…あれから四年経つんやね」

「そうだね、もうそんなになるんだね」


微笑みながら自身の能力の一つ“精神感応-リーディング-”を解き放つ愛、そしてその姿を見つめる里沙、二人の脳裏に同時に蘇る過去。
四年前のあの日、愛は今日と同じように結界を展開し“調律”をしていた。
その時、ダークネスの人間から攻撃を受け、絶体絶命のピンチに陥った愛を救ったのが里沙だった。

あの時、里沙が敵の動きを止めてくれなかったら今の自分はなかったに違いない。
こうして今、ここで人の心が奏でる終わらない旋律に耳を傾けることもなかった。
里沙は次々と聞こえてくる音に耳を傾けている愛の傍に歩み寄ると、そっと手を愛の髪へと伸ばす。

429 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 01:31:19.25 0
「…もう、伸ばさないの?」

「伸ばさないつもりはないけど…今はまだ伸ばせんよ、これはケジメやから」


苦笑いしながら返事をする愛に、里沙はそっかと呟いたきり黙り込む。
初めて愛と出会った時、愛の髪は背中程まであるストレートの茶髪だった。

ある“出来事”をきっかけに、愛はその髪の毛をばっさりと切り…それから、愛はずっとこの長さを維持している。
そして、髪を切ったその日から、愛は仲間達をまとめるリーダーとして“覚醒”した。
それまでは、何処か頼りなかった愛。
髪を切ったのは、きっとそれまでの自分を変えるという意思表示だったんだろう。

無邪気に笑っていた少女の面影はもう、何処にもない。
二人だけだった“リゾナンター”に仲間が増え、皆で絆を築き上げてきたこの四年間という歳月は、
愛をしっかりとした大人の女性へと変えた。
そのことを嬉しいと思う反面、少し寂しいと思ってしまう自分に苦笑いしながら、里沙は髪へと伸ばしていた手をそのまま
愛の手へとスライドして包み込む。

自分とさほど変わらない大きさの手。
その手は“あの人”とよく似た温もりを持っていた。

愛の体からオーラが消える。
もうそろそろ、調律も終わりなのだろう。
目を開けてふわっと微笑む愛の姿は、似ているところなんて何一つないのに“あの人”を思い出させた。

430 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 01:32:46.90 0
「…里沙ちゃん、これからもよろしくやよ」

「何よ、急に改まって」

「んー、何となく。
もう四年経つんだなって思ったら、何か言いたくなった」

「変なの」


そう言ってそっぽを向いた里沙の手を引き寄せ、愛は自分よりもほんの少しだけ背の高い里沙を軽く抱き締める。
そのまま、二人は何も言わずにしばらくの間その場に佇んだ。

感謝の気持ちや、これからも共に在り続けたいという想いを口に出すのはそれなりの期間共に過ごしてきたからこそ口に出すのは照れくさい。
この抱擁は、言葉の代わりなのだ。
それが分かっているからか、里沙は愛を振り解くことなく、返事の代わりにそっと愛の背中に手を回す。
華奢な背中だな、と思ったことが伝わったのだろう、そんなことないよという愛の小さな呟きが里沙の鼓膜を震わせた。

静寂を破るように、携帯の着信音が鳴り響く。
着信音が聞こえた瞬間、里沙の心が一瞬だけ大きく震えたことに気がつかない振りをして、愛は里沙を腕の中から解放した。

431 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 01:33:24.47 0
「出ないの?
あーしに遠慮してるんなら、あーしもう帰るから気にせんで出ればええよ」

「え、ああ。
ごめんね気を遣わせちゃって」

「別にええよ、じゃ、また明日、リゾナントでね」


そう言って愛は一瞬だけ、里沙を再び軽く抱き締めた後―――その場から“消えた”。
結界を張った本人が消えると同時に、外界から隔離されていた空間は元の状態へと戻る。

何もこんな時にかけてこなくても、と舌打ちしたくなる衝動を堪えながら里沙は携帯のディスプレイに浮かぶ着信者の名前を見て溜息をついた。
出ようかどうか迷っているうちに着信音は途切れ、里沙は何だかホッとしたような、泣きたいような気持ちになる。

これからもよろしくと言ってくれた愛の笑顔、想いが里沙の心に焼き付いていた。

だからこそ、愛を、そして仲間を“裏切っている”ことがいつもよりも余計に里沙の胸を締め付ける。
後どれくらい、彼女達の傍にいれるだろうか。
それが分からないからこそ、こうしたささいな時間を大切にしたかったのに。

心が大きく乱れた声を上げそうになる前に、里沙はぐっと唇を噛みしめる。
仲間達、そして自分と“共鳴”の相性のいい愛にこの気持ちの乱れを知られてはいけない。
“裏切り者”であると知れてもいいのは、彼女達の元から去るその時だけなのだから。

乱れる心を無理矢理押し殺して、里沙は携帯を操作して“大切な時間”を邪魔した人間へと電話をかけ直す。

何の感情も浮かべていない里沙の横顔を、銀色の月が見ていた。

432 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 01:34:49.16 0
>>427-431
愛ガキで番外編を書いていなかったことが気がかりだったので書いた
特別編第6夜は来週中にでも投下できたらと思いつつ駄文失礼しました

433 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 02:07:55.70 0
>>432
>里沙が自分と二人だけの時は、どこか突っかかるような口調になるのは昔から変わらなかった。
>他の人間と一緒に居る時は優しい母親のような感じの里沙が、自分と二人だけの時は年相応に見える。
>けして里沙本人に告げたことはないが、愛はそのことを密かに嬉しく思っていた。

自分にもこういう関係性の友人がいます
それが文章になっててびっくりしました!
なんか感動です・・・

特別編第6夜を心待ちにしてます

434 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 03:38:34.35 O
モーカスヲタ死ね

435 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 06:55:31.76 0
从*・ 。.・)<ナノマシンなんてくそくらえなの でもさゆは病気は治せないので皆さん自分で頑張ってなの

436 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 06:55:47.56 O
今日はリゾナンター達が広島にやってくるぞー

437 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 07:43:32.99 0
>>435
ションア!

438 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 09:40:51.06 0
>>382-387
AとAきてたのかー!
待ってました!

439 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 09:48:06.87 0
>>432
>何の感情も浮かべていない里沙の横顔を、銀色の月が見ていた。
深い哀しみがこだまします
その全てを知るのは月のみ
とんでもなく孤独だなガキさんは

440 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 09:56:29.54 0
>>432
リーダーとサブリーダー、年齢は別にしてリゾナンターの中でも大人の立ち位置の二人話は、
やはり深みがありますね
重ねてきた時間の重みというか
勿論皆を裏切っているというガキさんの哀しみも、読んでいる人間にこだまします

>愛ガキで番外編を書いていなかったことが気がかりだったので書いた

そんな動機でこんな話が書けるなんて、ほんとにあなたはもうw

441 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 12:16:24.96 O
今日はいい天気

442 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 12:59:42.28 0
この世で一番弱いのは、恐れを抱いたときの自分。


私は何も恐れない。
誰より強くなるために。

私の意志は挫けない。
挫けるものなら挫いてみせろ。
ただし。
鉄槌の雷を受ける覚悟があるのなら。


私の前に敵はいない。
敵は己の内にあり。




久住小春『大胆不敵』

443 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 13:24:31.30 O
もしも小春の先祖にも能力者がいて、当時の人が戦いを目撃したら
雷神の姿を想像したかも 絵里ならば風神 リンリンなら火車かな

444 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 14:00:15.65 0
ないやいでっす感想ありがとうございます
多々作品を書いてきていますが、実は愛ガキという組み合わせは本編で二作しか
書いていなかったので何か書けないかなと思ってたのを昨夜無理矢理形にしてみました

文中に出てくる“ある出来事”は特別編でいずれ明かします
誤字や脱字がありますが…見なかった振りをしてくださいorz

愛ガキという組み合わせが実は一番好きなので書けて楽しかったです
キャラに好き勝手に動いて貰った結果ハッピーなオチになるはずがこうなってしまいましたけど

リゾスレ内では風邪が流行っているようですね、皆さんお大事にしてくださいねー

445 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 14:05:32.02 0
>>442
カックイイ!!
全員分書いて欲しい!!

446 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 14:33:49.42 0
随分久々に来たけど小春は電撃使いになったのか

447 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 14:41:22.29 0
自由な設定は昔から変わらないよ
電撃使えなくてもいいし別の能力でもいい

448 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 15:10:48.38 0
むしろ電撃使いの話の方が少ないだろうね
カメの場合は風の方が多いかもしれないけど

449 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 16:39:08.83 0
この後どなたも予定がないようでしたらダークテイスト保全をさせていただきます


※注意

・単発の読み切りです(全8レス分)
・能力等の設定は踏襲していますが異質な世界での話です
・やや残酷な描写を含みます
・不快に思われる方はスルーをお願い致します

450 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 16:50:20.66 0
>>449
待ってたよ!

451 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 16:50:30.83 0

「道重・・・さゆみさんね?」

背後から名前を呼ばれ、道重さゆみはゆっくりと振り返った。
夕刻の傾いた陽に赤く照らされて、一人の若い女が立っている。

「そうですけど・・・何か?」

小さく首をかしげ、さゆみは物憂げにそう訊ねる。
何の用か分からないが、今はあまり知らない人と話したい気分ではなかった。

「“治癒能力(ヒーリング)”――」

透き通るような笑顔で女がそう言ったとき、その感情は思わず顔に出た。

「それがあなたの能力ね?さゆみさん。・・・あ、勘違いしないで?私はあなたの味方よ?」

その表情をどういう意味に取ったのか、女はおもねるような笑みを浮かべてそう言う。

「失礼ですけどどちら様ですか?初めてお会いするように思うんですけど」

殊更丁寧に対応することで不愉快さを表明しながら、さゆみは再び訊ねた。

「ごめんなさい、今は名乗れないの。あなたが私たちの仲間に加わると約束してくれるまでは」
「・・・私たちの仲間?」
「ええ。《faith(フェイス)》――信頼、信念、信義・・・って意味よ。そして同時にそれが私の属する組織の名前」
「《faith》?」
「そう。さゆみさん、あなたの力を是非私たちに貸してほしい。助けを求めている多くの人々のために」
「・・・・・・仰っていることがよく分からないんですけど」
「もちろん、今から詳しく説明させていただくわ。私たちのこと、そして助けが必要な人のことを」

柔和な笑みを絶やさず、女は自らの属する組織について話し始めた。

452 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 16:52:03.40 0

―――自らの持つ異能力を受け入れ、発展させ、そしてそれをこの地球の為に役立ててゆく・・・

女の語るところによれば、それが《faith》という団体の持つ、文字通り“faith(信条)”であるらしかった。

「さゆみさん、あなたの能力は素晴らしいわ。あなたのその力があれば、多くの人が救われる」

慈愛に満ちた表情で、女は優しく語りかける。
だが、それに対する返事は素っ気なかった。

「すみませんけどそういうの興味ありませんので」

その冷淡な回答に、女は僅かに眉を動かしながらも態度を変えなかった。

「興味がない?あなたは未来の女神になれるのよ。きっと世界中があなたに感謝の言葉を捧げるわ」
「別にそんなこと望んでませんから」
「あなたが望まなくても、この世界はあなたを必要としてるの。あなたにもそれが分かる日が来るわ」
「必要としている?さゆみを?・・・違いますね。自分の幸福だけです、人が望むのは」
「・・・ううん、そんなことないわ。私たちと来て?さゆみさん。そうすれば私の言っている意味がきっと分かる」
「興味ありません。さゆみは自分の“世界”があればそれでいい。その外のことなんてどうでもいいんです」
「どうして?多くの人があなたの救けを待っているのよ?今も悲痛な叫びを上げているのよ?」
「その叫びに応える“faith(義務)”とやらがさゆみにありますか?」
「・・・あるわ。あなたは特別な能力を持って生まれた。それは何かに役立てるべきだわ」
「その“何か”があの自分勝手で利己的な人たちを救うことだと?・・・お断りです。もうたくさんですから」
「さゆみさん・・・あなた・・・」
「誰かの傷を“癒”しただけ、さゆみの中には傷が漂う。・・・うんざりなんです、もう」
「・・・そう。あなたもやっぱり能力者ゆえの理不尽な苦しみを負いながら生きてきたのね」

それまでの物柔らかな笑顔は収められ、代わりに思わせぶりな笑みが浮かぶ。
そしてガラリと変わった調子の声で女は言った。

「あなたがそんな考えを持ってるなら・・・話は早いわ」

453 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 16:53:39.87 0

“future all in this hands ――未来の全てはこの手の中に――”


「その頭文字をとったのが《faith》・・・・・・それが私たちの組織の名前が持つ本当の意味」

―騙しててごめんなさいね?―

女は微かにそんな芝居がかったジェスチャーを見せ、すぐに真顔になって言った。

「能力者にとっての理想の社会を創る・・・それが《faith》の真の“faith(教義)”」


女は静かに語り出す。

「私たち能力者は優れた存在のはず。でもその絶対数が少ないというだけで社会から阻害され、ときには迫害される。
そう。さゆみさん、あなたのように。あなたのその素晴らしい力を、愚かな者たちは認めようとせずただ畏れるだけ。
あなたがどれだけ優しい気持ちでその優しい力を行使したとしても・・・返ってくるのは化け物を見るような視線だけ。
・・・そうだったんでしょう?だからあなたは思うようになった。自分は世界に必要とされていない存在なんだ・・・って」

そこで女は言葉を切り、親しげに微笑む。

「でも・・・さゆみさん。私たちはあなたを必要としてる。・・・来て?私たちと一緒に理想の“未来”を創りましょう」

長い口上を終え、女はさゆみに手を差し伸べた。
あなたの居場所はこの手の中にあるのよ・・・と言わんばかりに。

だが、それに対する返事はまたもあまりに素っ気なかった。

「興味ないです。何度言えばいいですか?」

先ほどと全く変わらないさゆみの態度に、女はさすがに表情を変えた。

454 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 16:55:23.91 0

「さゆみさん。これは決してあなたにとって悪い話ではないのよ?」

やや頬を引き攣らせ、差し伸べた手を下ろしながら、それでも女は友好的な態度をかろうじて保っていた。
だが、声や態度に含まれる微かな苛立ちは隠しようがない。

「さゆみにはすごく大切な人がいるんです」
「・・・え?」

唐突なその言葉に、女は一瞬当惑の表情を浮かべた。
だが、すぐに馴れ馴れしげな笑顔を浮かべ、訊ねる。

「大切な人?もしかして・・・恋人とか?」
「・・・どうかな。恋人という言い方が適当かどうかは分かりませんけど」
「それは素晴らしいことだわ。恋は心を豊かにするもの。・・・でも、それがどうかしたの?」
「その人は心臓を患っています。生まれたときからずっと」
「まあ・・・そうなの・・・」
「でもさゆみのチカラは病気を治せない。一番大切な人の役に立たない。はっきり言って無意味なんですこんなチカラ」
「気持ちは分かるわ、さゆみさん。でもそんなことで自分を責めることはないのよ」
「・・・・・・そんなこと?」
「ええ。人にはそれぞれ役割があるわ。あなたが全てを背負う必要はないの。私たちと一緒に来れば――」
「役割?誰が決めたんですか?そんなもの」

元々冷ややかだったさゆみの声が完全に温度を失ったことに、女は気付いていなかった。
ただ、自分の話を遮られた苛立ちだけがあった。

「それは分からないわ。でもね、さゆみさん。私たち能力者は――」
「さゆみそろそろ行っていいですか?そこまでヒマじゃないんで」

再び話を最後まで聞かずにそう言ったさゆみに対し、遂に女は抑え切れない腹立ちとともに吐き捨てるように言った。

「そう・・・あなたがそういうつもりなら仕方ないわね。とても残念だけど・・・・・・死んでもらうわ」

455 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 16:56:57.31 0

見せかけの笑顔や友好的な態度を今や完全に捨て去り、女は憎々しげに、そして蔑むようにさゆみに相対していた。

「私たちと共に歩まないのならば・・・道重さゆみ、あなたを排除せざるを得ない。理想の未来への道を遮る障害物として」
「・・・ほんともういい加減相手するの面倒なんですけど。日も暮れますんで失礼しますね」

そう言いながら、黒髪をひるがえして女に背を向けたさゆみの頬が突然裂けた。
静かに鮮血が流れ出し、その白い肌を朱く染める。

「人が下手に出ていたら・・・付け上がるのもいい加減にしなさい!次はこんなものじゃ済まないわよ?」

怒気と微かな優越感を声に滲ませながら、さゆみの後ろ姿に向かって吐き捨てるように女は言った。

ゆっくりとさゆみが振り返る。
透き通るような肌の白に鮮やかな緋色が映えたその様相は、女に場違いな感銘を与えるほどに妖艶な美しさを呈していた。

さゆみの手が上がる。
瞬時、撫子色の光のようなものがそこから発せられたような気がしたときには、さゆみの頬の傷は完全に塞がっていた。

「すごい・・・私の“真空刃(インビジブル・ブレイド)”のダメージを一瞬で・・・。やっぱり死なせるには惜しい能力者ね・・・」

さゆみの纏う雰囲気とその能力に圧倒され、女は毒気を抜かれたように呟いた。

「さゆみさん、やっぱり考え直さない?あなたのその“治癒能力(ヒーリング)”が私たちと共にあれば――」
「これは“傷の治癒(ヒーリング)”じゃありません」
「・・・・・・え?・・・それはどういうことかしら?」

さゆみの発した言葉の意味を量りかねる思いが三度言葉を遮られた不愉快さに勝り、女は首を傾げて問い返した。

「さゆみの能力は“傷の治癒(ヒーリング)”じゃない・・・と言ったんです。」
「だからそれはどういう意味――」
「こういう意味です」

456 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 16:58:28.74 0

瞬間――女は自らの頬に鋭い痛みを感じた。
同時に、生暖かい液体が頬を流れ、滴り降りる感触も。

「な・・・これ・・・どうして・・・」

何が起こったのか分からないまま、何か根源的な部分で恐怖を感じ、女は掠れた声を出した。
それに対し、さゆみは淡々と言葉を返す。

「“傷の融解(メルティング)”――それがさゆみの能力」
「傷の・・・融解?それは一体・・・」
「さゆみの能力は、傷を“治す”んじゃなくて“溶かす”んですよ」
「傷を溶かす・・・ですって?」
「そうです。傷そのものを溶出させる空間を創って・・・・・・その中に」
「空間・・・?そうか・・・だから一瞬での治癒が可能なのね。よく分かったわ」
「・・・いえ、残念ながらあなたは何も分かっていません」

どういうことだと問い返そうとした女は、口を開きかけたまま慄然として固まった。

その視線の先には淡紅色の微かな光を背景にして微笑むさゆみの姿があった。
ずっと無愛想な表情だったさゆみの顔に浮かぶその微笑みは、何故か身震いしそうなほどの凄みを感じさせた。

「『誰かの傷を“癒”しただけ、さゆみの中には傷が漂う』・・・最初にそう言いましたよね?」

言葉を無くした女に、さゆみは静かに語りかける。

「今、さゆみとあなたはその傷が漂う空間の中にいます。さゆみが創った空間――“傷の墓場”に」

慌てて周囲を見回す女に、さゆみは続けて静かに告げた。

「そして傷たちは・・・還る場所を探しています」―――と。

457 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 17:00:04.80 0

その言葉の意味を女が理解するよりも早く、それは訪れた。


 ボギッ――


鈍い音が響き、女の右脚が力を失う。
バランスを崩して倒れながら、女は自分の右脚を突然襲った激痛に絶叫した。

「さゆみがまだ小さかった頃・・・お父さんが階段から落ちて脚の骨を折りました。さゆみは必死でそれを治しました。でも・・・」

絶叫が響く中、さゆみはゆっくりと過去を語る。

「その日からさゆみは孤独になりました。絵里に出逢うまでずっと」

その言葉の途中で女の額が裂け、新たな絶叫が響く。

「友達が木から落ちて、その下にあったブロックで額を切りました。骨が見えるほど深い傷でした。さゆみはそれを――」
「さゆみの目の前で男の人が車にはねられました。腰の骨が砕ける重傷でした。さゆみは―――」
「病院におばあちゃんのお見舞いに行ったとき、小さな男の子が―――」


さゆみの昔語りは、絶叫にかき消されながらも続けられた。

女の体に新しい傷が刻まれ、新しい絶叫が響くごとに―――

458 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 17:01:54.96 0

さゆみの話し声がようやく聞こえるようになった頃、女は静かに横たわっていた。
“致命傷ではない傷”を全身に負わされるという致命傷を負って。

「その傷の全てが辛い想い出。でも・・・その過去があるから今のさゆみがある。今のかけがえない“世界”が」

呟くようにさゆみがそう言った瞬間、女の全身の傷が嘘のように消散(メルト)する。

「だから・・・返してもらうね、さゆみの“傷(かこ)”」

そう言い残し、さゆみは女に背を向けた。
後には訪れた夕闇と、命の抜け殻だけが残される。


消散(メルト)した命は、さゆみにも元に戻すことはできない。

 “墓場”で溶解(メルト)した命はどこへ行くのだろう

ふとそう考えるときがある。

 もしかすると、傷たちと同じように還る場所を探して彷徨い続けるのかもしれない
 この世界という“墓場”で―――


「明日・・・お見舞いに行ったときに絵里に聞いてみようかな。絵里は何て言うだろう」

今日からしばらく検査入院をする絵里に付き添った先刻のことを思い出し、さゆみは静かに微笑む。



その幸せそうな微笑みは、やがて完全に訪れた夜の闇へと沈んでいった―――

459 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 17:03:14.81 0
>>451-458
以上です

タイトルは『禍刻Ⅵ―Healed memory's cemetery―』とさせていただきます

460 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 17:05:46.83 0
>>459
かっこえええええええ!!さゆみ!

>「だから・・・返してもらうね、さゆみの“傷(かこ)”」

傷と書いて過去か!カッコイイ!!



461 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 17:07:59.06 0
ちょっと読みづらいけど乙

462 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 17:10:05.62 0
さゆこわー
ぞくぞくした

463 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 17:10:35.21 0
>>459
乙です
いつも楽しみに読ませてもらってます
傷の墓場とは度肝を抜かれました

一体、さゆみは幾つの傷をコレクションしているんだろう?

464 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 17:30:42.94 0
この能力だとさえみより怖いかもw

465 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 17:38:17.12 0

皆さんはリゾナンターの中で超能力抜きのガチンコで一番強いのは誰だか分りますか。
亀井さん、道重さんが問題外なのは誰でも分ります。
当然、愛佳でもありません。新垣さん・・・違います。久住さんは口だけは達者ですが
大したことあらへんでしょう。

やはりリーダーである高橋さん、あるいは暴走族を壊滅させたという田中さんを
思い浮かべるでしょう。体格からしてジュンジュンだと言う人もおるかもしれません。
残念ながら皆さん不正解です。

正解は・・・


466 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 17:39:16.67 0

喫茶リゾナントの近くに小さな公園がある。
ブランコと砂場ぐらいしかない小さな公園。
午後11時、街頭の光も十分当たらない暗闇の中、そこに田中れいなの姿があった。

真夜中の公園は彼女のトレーニング場。彼女はほぼ毎日ここで汗を流し
今日もいつも通りのメニューを消化した。

普段ならここで帰って眠りにつくのだけだが、今日は特別な日。
彼女の目にはまだ闘志の光があった。

数分後、息もすっかり整った田中の背後から
真夜中の公園にはあまりにも不釣合いな高い声が響いた。


467 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 17:40:18.22 0

「田中さんお待たせシマシタ」

そこにはお決まりの黒の戦闘服を纏ってニコニコ笑うリンリンが立っていた。

「別に待っていないと、タイミングバッチリっちゃ」

「アヤー、それはヨカったデス」

「れいなは大丈夫やけん、リンリン準備運動は」

「デハ、少しダケ」

そう言うとリンリンは軽く屈伸をして、深呼吸を一つするとニコッと笑い

「さぁ始めまショウ」 と言った。

先手必勝、田中はリンリンが喋り終わるか終らないかの一瞬をついて飛び出した。
一気に距離を詰め、勢いよく右の拳をリンリンの顔面へ一直線に放つ。
慌てる様子もなくそれを少しだけ体を傾け紙一重で避けるリンリン。
まるで避けられるのは初めから分っていたかのよう、田中は
ひるむことなく続けざまに左右の拳を次々に突き出していく。

468 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 17:41:34.83 0

先程から繰り出されている田中のそれは、一発でも当たれば
必殺のダメージを与える事が出来るものばかりだが、リンリンは
さほど苦でもなく涼しい顔で右へ左へ避けている。

「こんな目の前にいるのにどうして当たらんと」

田中は心の中で叫んだ。いままで多くの敵を倒してきたこの自慢の拳。
それがかすりもしない。
その動揺は体の動きにもしだいに影響を与え、繰り出される攻撃は雑になり
とうとう速度も落ちてきた。
何とか盛り返そうと渾身の蹴りを仕掛けた瞬間、







リンリンの反撃が始まった―。





469 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 17:42:59.05 0

リンリンはその蹴りをスルリとかわすと田中の体の真ん中に陣取った。
彼女にいつもの笑顔はない真剣そのものだ。
やばい、そう思った瞬間、田中は体の至る所からほぼ同時に激痛を感じた。
リンリンが高速で突きを数発打ちこんだのだ。
田中は「うっ」と声をもらし、堪らず前方に倒れそうになった。

が、リンリンはそれを許さない。前かがみの体に合わせて体当たりを当てると
田中の小さな体ははるか後方に勢いよく吹き飛んだ。

砂場に背中をしこたま打ちつけた田中は呼吸もうまく出来ず、「うぅ、」と声をもらした。
さらに、先ほどうけた突きのダメージも重なり身動きも取れない状態。
決着はついた。


リンリンの圧勝だった―。


470 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 17:43:58.81 0

「田中さん大丈夫デスカ?ワタシ、ちょっとやり過ぎマシタ」

あわてて駆けよって来たリンリンが不安そうに顔を覗き込む。

「気にせんでいいけん、本気でやってってお願いしたのはれいなのほうやし
 れいなも本気でやったから・・・にしてもリンリン・・強いっちゃね・・・」

大の字で倒れている状態で必死で声をしぼりだしそう言った。
それを聞き再び元のニコニコ笑顔に戻ったリンリンは田中を褒め称えた。

「田中さんもスゴク強いデスタ。まるで動物と戦ってるみたいデスヨ、ワタシ
手加減出来ませんデスタ」

やはり傷が痛むのか田中は少し苦い顔をした。


471 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 17:45:38.68 0

『リゾナンター』
瞬間移動、念動力、予知、治癒・・・様々な超能力を持った彼女達の中において、
リンリンの存在は異端だった。
彼女は超能力を持っていない。ただし、普通の人間とも明らかに違っていた。

中国の彼女の生まれ故郷に伝わる武術を3才のころから祖父と父によって習い
修練を積んでいた。リンリンの身につけた技術は齢17にして達人のそれに達し
ていた。

ある日、そのことを知った田中はリンリンに手合わせを申し込み過去一度、
今回で二度目の試合を挑みいづれも負けている。

「私にはジュンジュンや皆さんの様な力はアリマセン。ただこの身につけた
技があるだけデス」
最初の手合わせの時に言ったリンリンの言葉が印象に残っている。


472 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 17:46:49.64 0

「田中さんまだ痛みマスカ」

「ううん、もう大丈夫」

多少、体にけだるさは残るものの先ほどうけた打撃のダメージはもうほとんど
なくなっていた。あぁは言っていたが手加減をしてくれていたらしい。

「念のため明日道重さんにもみてもらいまショウ」

「うん、ありがとう」

「では田中さん、早く帰りまショウもう少しで私の大好きな深夜アニメが始まりマス」

リンリンは田中に肩を貸しながらおどけてそう言った。

「リンリン、直ぐに追いつくけんね」

そしていつか追い抜いてみせる・・・。心の中でそう誓うと同時にリンリンを見た。
彼女は変わらずにこやかな笑みをしている。

田中れいなの闘志の光はまだ消えない。

二人はゆっくりと喫茶リゾナントに向って歩き出した。

 ―完―

473 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 17:48:38.56 0
おそまつ様でした久々に来たので設定が古いかもしれないけど
もったいないので上げさせてもらったです

474 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 17:50:26.90 0
古畑任三郎っぽい始まりかたに笑った

475 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 18:15:14.27 0
18話はバトル物が盛りだくさんだね

476 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 19:17:21.40 0
ひとつの作品ごとにレスしたいのに中々できない

477 名前:サボリン∞ヽ( ゚∀。)ノ:2008/11/15(土) 20:21:37.64 0
\||/|///
ヽ( ゚∀。)ノ<今スレ初のまとめだよ!

>>51 『威風堂々 featuring 亀井絵里』を「亀井絵里」
  …収録の都合上『』の位置変えましたが不都合な場合言ってください
>>54 紅と蒼の話を「MM。」 ミニレスでもいいんだけどね
>>74-77 >>227-233 ダークネス刺客視点の話を「ダークネス」
>>106-113 >>188-192 『海上の孤島 -終わりの始まり-』を「MM。」 …同タイトル&長さも長さなのでまとめさせてもらいました
>>117-123 MM。対「R」の話を「MM。」
>>130 『野良猫、動かず。』を「愛れな」
>>157 予告編/予知能力者Ver.を「動画館」
>>171 ないやいさんの予告を「保全」
>>195 羽付きごとーさんイラストを「イラスト館」
>>202-208 pepper続きを『-2』に もう完全に収録の長さを見誤ったとしか言えない
>>244-247 『私のヒーロー』を「田中れいな」 れいな視点じゃないけどね
>>254はリゾスレ作者作品ではなさそうなので入れてません
>>264-268 れいな誕生日話(グローブ)を「愛れな」
>>277 『独立独歩』を「田中れいな」
>>282-286 誕生日話 with 6期を「6期」
>>306 迷ったけど「保全」で
>>307-317 『永遠殺しの傍観者-The anti-eternal onlooker-』を「ダークネス」
>>322-326 れいな母の記憶を「愛れな」
>>331-338 ◇◇さんの『海上の孤島』話を「MM。」
>>367-369 『囚われの天使』を「ダークネス」
>>382-387 『AとA(1)』を「高橋愛」
>>399 「保全」
>>427-431 『蒼の共鳴番外編』
>>442 『大胆不敵』を「久住小春」
>>451-458 『禍刻VI』を「道重さゆみ」
>>465-472 れいなリンリンバトル?を「れなリン(新分類)」

478 名前:サボリン∞ヽ( ゚∀。)ノ:2008/11/15(土) 20:22:36.43 0
【思ったこと&今さらコンセプト】
・ものすごく長い話でない限りは前半・後半くっつけます
 (今回の『海上の孤島 -終わりの始まり-』など)

・4~6レス程度で続き物を書く場合は、「1投下1収録」ではらちが明かないので、
 >>234のようにどれとどれをまとめるとか指定してくれるとありがたいです

・数レス続き物数回 だったら、目安は2~3回で1収録くらいにしたいのが本音

・ですが、上記はもちろん作者様のご要望優先します
 いくらでも直します

・リゾナンター×ダークネスの話の場合は組み合わせ分類(例:よしガキ、みたいな)は
 作らないし作るつもりもないので、登場リゾナンター優先の分類にします

・「そんな分類にすんじゃねぇよwww」というご意見にはすぐ応じますのでご遠慮なくドゾー


【ご協力願い】
・ウッカリサボティが消し忘れている「名無し募集中。。。」があったらご連絡ください

・続き物・関連系のリンク作業をすっかりしていないのでご連絡ください

→これらをサボティが見つけやすくするため&皆さんが要望しやすくするために
 したらばにスレを立てておきました
 
【催促上等】サボティに作業させるスレ【要望上等】
 ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/22534/1226745811/

479 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 21:04:25.88 0
サボリンお疲れです。いつもいつもいつもいつもありがたいです。
風邪早く治してください。

480 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 21:09:25.91 0
お疲れ様です
申し訳ありません>>306>>399は削除してください
これは訳自体こそ自分の言葉でしてありますが元々ある歌の歌詞ですので
前もって言っておくべきでした 本当に申し訳ないです

481 名前:サボリン∞ヽ( ゚∀。)ノ:2008/11/15(土) 21:14:31.10 0
>>479
風邪は珍しく良化傾向

>>480
あぁ~そうなのか全然しらなんだ
んじゃ消しておきます

482 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 22:13:32.08 0
>>480
名曲だわな
自分は一目見てわかったが、わからん人もいるかw
ジェネレーションギャップだわ


483 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 23:12:49.06 0
>>473
武術バトル乙です!

一人だけ能力者じゃないって設定も良いですね!
話が広がりそう・・・

本物のリンリンにも中国拳法をマスターして欲しい
そんでヨロセンで披露して欲すい!

>>477
乙です!
うわぁ~すごく大変だったでしょう!
いつもご苦労様です!

484 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 23:36:08.03 0

剥き出しの光の中、私は見たわ。

幾千もの・・・いえ、多分もっとずっとたくさんの人々を。

人々は話そうとはせずにしゃべっている。
人々は聴こうとはせずに聞いている。
人々は決して共有されることのない歌を書いている。

だけど。

静寂の音を妨げようとする者はいないの。

誰一人として―――


「バカね」私は言ったわ。
「あなたたちは何も知らないのよ」って。

静寂はまるで癌のように育っているわ。
私があなたたちに教える言葉を聞きなさい。
私があなたたちに差し伸べる腕を掴みなさい。

そしてそう言った。

だけど・・・・・・

私の言葉は静かな雨粒のように空しく滴り落ちたわ。

そして・・・

静寂の井戸の中で密やかに木霊したの―――

485 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 23:39:20.49 0

人々はひれ伏し、祈っていたわ。
自分たちで創ったネオンの神様にね。

そのとき、ネオンの標識に警告が瞬いたの。
自身の光によって形作られた言葉で。

ネオンの標識はこう言ったのよ。

「予言者の言葉は地下鉄の壁にも・・・そして家の玄関にも書かれているのだ」って。


そして・・・

静寂の音の中で、こう囁いたの。

・・・・・・・・・って―――



>>306>>399>>484
もののついでに全部訳してみました
SIDE Darknessっぽくなるようやや意訳してありますけれど

>>480
人を年寄りみたいに言わないでくださいw
いやでもほんとこれは普通に分かると思っていました
ジェネレーション・・・ギャップなんでしょうね・・・

486 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 23:45:59.26 0
Hello DARKNESS. my old friend...


言われて気がついたわ
名曲ですな

487 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 23:46:16.55 0
>>485
凄い歌詞ですね
何と言う歌なのでしょうか?
よろしければタイトルをお教え下さい

488 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 23:50:16.92 0
>>486見るまで全然分からなかったw

489 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 23:51:25.82 0
>>487ですが何の歌か分かりました!
曲自体はもちろん知っていましたが
こういう歌詞だったんですね
今、ようつべで聴きながら歌詞を読み返してます
つくづくいい歌詞だなーと思いました


490 名前:名無し募集中。。。:2008/11/15(土) 23:52:26.23 0
>>487
サイモン&ガーファンクルの「Sound of Silence(サウンド・オブ・サイレンス)」です
詩的で深いですよね

491 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 00:27:44.00 0
生まれてない世代からしたら?なんだが…
改めてここ狼なんだっけって思ったわこの流れw

492 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 00:36:28.21 0
>>491
訳した者ですが・・・生まれてませんよさすがにw
親が好きなので子どもの頃からよく聴いていただけのことで

まあそれ以上にきっと名曲は旧くならない・・・ってことですよ
半年以上このスレが続いているのが何よりの証拠です

493 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 00:37:57.22 0
さすがに不惑はいないだろ

494 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 00:41:21.31 0
俺も生まれて無いなぁ
でも家にLPレコードあったしアコギ弄ってた時にやったしで良く知ってる
生まれる数年前の曲ではあるがw

495 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 01:41:55.97 0
( `.∀´)y-~~ハロー暗闇さん、私の旧い友達。

496 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 01:46:33.41 0
www

497 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 01:50:23.20 0
寝る前に最後に見たのがこれかwww
全く同じ言葉でも表現方法によって印象がまるで違うことを思い知らされたよ

498 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 01:52:20.77 0
王様とか女王様の歌に通じるものがあるかも
俺もこういうセンスが欲しいw

499 名前:名無しじゃないやい:2008/11/16(日) 02:34:48.68 0
保全の精神で予告予告ー第二段


「あんまり戦いたくないんだけど…ねぇ、どうしてもなっちとやるのかい?」

宵闇の中、静かに響く声。
銀色の光を翼のようにたなびかせながら、女性はゆっくりと口を開く。


「キミは絶対に、なっちに傷一つつけることすら出来ない」


言葉が空間を、世界を支配する。


「…もう、終わりにするべさ。
キミは、体をバラバラに切り刻まれて―――死ぬ」


言葉と共に鮮血が女性の服を紅く染める。
禍々しく輝く紅い月を背に、女性は冷たく吐き捨てた。

「喧嘩を売る相手を間違えたね…あたしは、言霊使い。
口にした言葉通りの事象、現象をそのまま具現化出来る能力者。
最初の“宣言”の時点で、キミに勝ち目なんてこれっぽっちもなかったんだよ」


『銀翼の言霊使い-The spiritual-messageing master-』

そのうち投下予定(内容やタイトルなどは大幅に変更される気がします)

500 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 02:55:17.98 0
上手いねぇ期待が高まるわ

『銀翼の言霊使い』ってカッコイイ・・・
言葉で闘うっていうのが良いねぇ

501 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 03:57:16.49 0
>>499
早く読みたい!!

502 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 06:26:01.32 0
( `.∀´)y-~~さよなら闇さん、私の友達




503 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 06:27:10.64 0
>>499
天使が舞い降りるのは今夜?

504 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 09:43:52.80 O
喫茶店開店準備中

505 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 10:18:47.64 0
日曜日のリゾナントはまったりとした空間なんだろうな

506 名前:サボリン∞ヽ( ゚∀。)ノ:2008/11/16(日) 11:15:05.07 0
あああああああああああああああしまった
こんな素敵なモノを送っていただいていたのに忙殺の最中できちんとお礼もできていなかった
超いまさらですが、まとめサイトに掲載させていただきました
作者の方GJ! どうもありがとうございました

れいなリゾスレ専用聖誕看板
ttp://resonant.pockydiary.net/index.cgi?no=621

507 名前:名無しじゃないやい:2008/11/16(日) 11:50:06.03 0
>>501>>503
まだ書いていませんよ、予告ですからw
なので今晩投下予定がある人は何も気にせずに投下してくださいなと
特別編第6夜のプロット出来たら書くような感じですので、早ければ今夜かもしれないけど

後書きスレに保田さん話の後書き書いたのでお暇な方は暇つぶし代わりにドゾー

508 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 12:21:52.84 0
「…うん、ワタシ気を失っていたノカ」

「あ、ジュンジュンまだ起きたらあかん。 目が覚めたんやったら道重さん呼んで来るわ」

「イヤ、イイ。 それより聞かせてクレ。 今日は何であんな無茶をシタノカ」

「……夢を視たんや…」

「ユメ、どんな夢を見たンダ」

「ちょっと遠い未来の夢。 十五年後の夢や。そこで私はリゾナンターのリーダーをしてた」

「光井がリーダーか。 久住よりは向いているダロウな」

「私は一人で敵の、ダークネスの集会に乗り込んで宣戦布告するんや」

「ダークネス、シブトイナ。 だが宣戦布告って、今既に奴らとは戦ってイルじゃないカ」

「その会合であいつらはこう言っていた。 リゾナンターは2008年に壊滅した。 リーダーの、リーダーの高橋愛は死んでしまったって」

「だからあんな事をしたノカ。 戦場に潜んでいて高橋サンを襲おうとした敵の前に立ちハダかって」

「私には敵を攻撃できる力が無いから、ああするしか手が無かったんや。」

「確かにあの時、あの敵に気付いていたのはお前だけダッタ。 だからと言って、ゴホッ、ゴホッ」


509 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 12:22:22.11 0
「やっぱり道重さん呼んで来るわ」

「イヤマテ。 もう少し話をシヨウ。
それでその十五年後の未来には私はいなかったノカ
リンリンも、新垣サンも」

「う、うん。 私の傍にはおらんかった」

「亀井サンもか、道重、田中もカ」

「……」

「ソウカ」

「久住さんはおったんちゃうかなあ。
念写能力で私をサポートしてくれてた」

「十五年後カ。
私はこの戦いが終わったら、歌を歌っていたいと思ってイタ。
別に歌手になって金を儲けようとかじゃナイ。
私の歌を中国の、いや日本も含めた世界中の人に聞いて欲シイ。
ただそれだけダ」

「それは私も知ってた。  
ジュンジュン、歌が上手いし。
きっとなれるよ、出来るよ」

510 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 12:22:53.67 0
「でも十五年後も戦いは続いてるんダナ」

「いや私の視た夢が絶対現実のことになるかはわからへん。
ひょっとしたらただの悪い夢やったかもしれへんし」

「デモお前は自分の命を賭けてでも、高橋サンを救おうとシタ。
自分では思ってるんダロ。 
それは未来に起こる出来事ダロウと。
リゾナンターの崩壊。
高橋サンの…」

「いやや、そんなん。
そんな未来やったら、私が変えてみせる」

「ダカラなのか。
だから十五年後リゾナンターのリーダーになっている自分が、今日死ねば未来は変ワル
そう思ったノカ」

「……」

「ソッカ。
光井は学校の成績はイイかも知れナイけど、バカだなあ」

「ごめんなジュンジュン。
私を庇おうとして、怪我までして」

「私のことはイイ。
とっさに獣化シタし、道重も治してクレタみたいだし」

511 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 12:23:16.99 0
>>506
かわいいねぇ!
PVの衣装がかわいい

>>507
楽しみ!

512 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 12:23:46.79 0
「光井、私は前に高橋サンと話したことがアル。
ジュンジュン誰かの心の中を読ンダリ、未来を予知スルことは出来ナイ。
でもその時は何故か判ッタんだ。
高橋サンはこの戦いが終わった時、何処かに行ってシマウって。
イヤ、この戦いに勝つ為に、自分の身を投ゲダスつもりダって。」

「そんなことがあったんや」

「ジュンジュン言ったヨ。
例えダークネスをやっつけて世界が平和にナッタとシテモ、高橋サンがイナイなら…
そんな平和イラナイって。
光井、それはお前も一緒ダ。
お前のイナイ未来なら、そんな未来はジュンジュンはイヤだ」

「えっ」

「光井、今ここでモウ一度その十五年後ヲ予知してミロ」

「ちょっ、そんなん急に言われても。
視たい未来が必ず視れるってわけやないし」

「イイからヤッテみろ。
お前ならデキル」

「わかった」

513 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 12:24:36.60 0
私は目を閉じた。
これから視ようとするのは十五年先の未来。
目で視ようとしても視えるものではない。
傍にいるジュンジュンの息遣いと体温を感じながら、精神を集中する。
目を閉じた私の心の中を何色もの光彩が交錯する。
その中の一本を捉えた。
その光を通じて、私は意識を飛ばす。
いつかの夢で視たあの会場へ。
ダークネスの全国会議が行われている会場の風景を脳裏に思い起こす。
そこには何千人ものダークネスの能力者達がいた。

私はその会場の近くのビルの屋上に、久住さんと二人でいた。
二人とも大人の女になっていた。
私と久住さんは共鳴して会場内の一人の能力者の精神を掌握する事に成功した。
その能力者の意識を通じて、会場に私の姿を貼り付けた。
私は宣言した。
意識を研ぎ澄ませと
正義の響きは共鳴を呼び、絶えることは無いと
全ての者に告ぐ。   蒼き正義に共鳴せよと

会場周辺の警備体制は久住さんが念写していた。
人員の動員計画は私が予知していた。
全ては完璧な筈だった。
誰の血も流さずに、新しい一歩を踏み出せる。
そうなる筈だった。
混乱が沸き起こる眼下の風景を無感動に眺めながら、私たち二人は離脱しようとしていた。
でも、その時それは起こった。

514 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 12:25:14.46 0
会場を警備している警官隊。
一見普通の警官のようだが、その装備といい物腰といいどこか雰囲気が違う。
彼らは突然腰の警棒を抜くと、会場周辺にいた一般の民衆に襲い掛かった。
その威力は普通の警棒とは思えなかった。

私たち二人は困惑した。
私たちにはホゼナンターという支援者組織が存在する。
だが彼らの殆どは普通の人々。
能力なんて持ってない普通の人々。
だから今回の計画にも直接参加してもらっていない。
だから警官隊が襲っている人々の多くは、何の罪も無い、ただそこに居ただけの人々。
これはおそらく罠。
でも例え罠だと判っていても、そのままそこから逃げ出すことなど思いも寄らなかった。
二人はお互いの瞳を見つめると、一瞬で考えを共有した。
助けに行こう。

地上に降り立った二人。
久住さんは念写能力で敵を撹乱した。
私は敵の攻撃を回避しながら、襲われていた人々を安全な方角へ誘導した。
二人が共鳴して発電能力で攻撃を加えれば、そこにいた敵は一蹴できるだろう。
でもそれでは少なからぬ一般の人々も巻き添えにしてしまう。
だからそういうやり方で助けることにした。
でも敵の卑劣さは私たちの想像を遥かに超えていた。
私たちの姿を捉えた敵は特殊なガス弾を使用した。
一般の人はおろか、自分達の味方すら犠牲にして恥じない卑劣な攻撃。
そのガスを吸った人間は一瞬で悶絶し,地面をのたうち回っている。
久住さんが言った。

「みっつぃ、逃げて」

515 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 12:26:00.12 0
「え、そんなん。 私も戦います」

「こいつらの汚さはハンパじゃない。 誰かが残って敵を足止めしなくちゃ二人とも助からない。
それにこの人たちも」

「でも、でも」

「いいから行ってみっつぃー、例えあんた一人になっても、あんたはもう一人じゃない。 わかるよね。」

私は久住さんの考えを拒もうとした。
でもそうすることは出来なかった。
この戦いは私一人の戦いではないから。
久住さんと二人だけの戦いでもない。
この戦いは仲間の思いを引き継いだ戦いだから。
姿を消してしまった仲間。
思いは同じなのに、心ならずも袂を別ってしまった仲間。
世界を覆う闇を引き裂かんとする思いを抱いた全ての人々の思いを引き継いだ戦いだから。
私は久住さんを止めることはできない。
たとえ他人に仲間を見捨てた卑怯者だと罵られようとも。

久住さんはハンカチを手にして私の顔から出ていた血を拭ってくれた。
そして笑ってこう言ってくれた。

「みっつぃ、今日までありがとうね」

516 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 12:26:45.81 0
そんなこと、お礼を言わなあかんのはこっちの方です。

私が声をかける暇さえ与えず久住さんは敵の方へ歩いていった。
体中から殺気が溢れ出ている。
襲い掛かってくる敵の攻撃を避けようともしない。
その戦い方を見て私は思った。
敵を誰一人、自分より後ろに越えさせないようにしているんだなと。
私を逃がす為の犠牲になろうとしていると。
自分一人が助かるための戦い方なら、久住さんはもっと華麗に戦える。
でも、でも久住さんは…。
私は感情と思考を切り離した。
敵の攻撃を受けて地面に倒れ伏す人々に言った。

「動ける人はついて来て。 動けへん人は置いていく。
力の残ってる人は、弱ってる人に手を貸してもええ。
でももし倒れたらそこに置いていく。
もうすぐここは大きな雷が落ちるで、物凄く大きな」

非情に振舞えば、大切な人を戦場に置いていく悲しさから逃れられるかと思ったが、無理だった。
涙が出てきて止まらない。
人々の先頭に立ちながら、私は戦いの場から逃げようとした。
でも視線は久住さんから離すことが出来ない。
倒しても倒しても湧いて出てくる敵に囲まれてその姿を捉える事ができなくなった。

あかん、やっぱり私も戻って戦おう。
共に戦って共に死のう、そう思った時、誰かの声が私の中で響いた。

「光井は学校の成績は良カッタかもしれないけど、バカだなあ」

「えっ、この声は」

517 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 12:27:38.19 0
久住さんを囲む敵の群れ。
その真っ只中に何かが降って来た。
それは近くのビルの窓ガラスを突き破って降って来た。
それと言ってしまったのは、その姿が人間ではないから。

その者は四足歩行の獣の姿をしていた。
その者が鋭い爪を振るうたびに、闇が切り裂かれていった。
その者が牙を閃かせるたびに、闇が悲鳴を上げた。
その者が咆哮を上げる度に、私の心の泉から勇気が沸き出てきた。
その者の瞳は怒りに満ちていた。
その怒りは邪な怒りではない。
虐げられた者の怒りを代弁する正義の怒り。
その者の身体を覆うのは、黒と白、二つの色。
その者の名は、その人の名は、

私は目を開き、意識を喫茶リゾナントの田中さんの部屋に戻した。
そのベッドの上には、十五年後の未来、敵の罠にはまって追いつめられた私と久住さんを助けに
来てくれた人がいた。
その人はパジャマ代わりのジャージを着て、端正な顔に微かな笑みを浮かべていた。



518 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 12:27:43.79 0
>>506
この画像初めて見たんだけどこのスレいつ出てきたの?
すっかり見逃してた

519 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 12:28:34.69 0
「ジュンジュン…」

「ま、そういうコトダ。 十五年後もヨロシクダナ」

「ちょっと、これはどういう」

「ジュンジュンは未来も視えナイし、心も読めナイから光井がどんな未来を視タカ判らナイ。
ただたった今、心に決メタことがアル。  それがどういうことか、光井には判ルナ。
お前のイナイ未来なら、ジュンジュンは要らナイ。
いやお前だけじゃナイ、高橋サンも新垣サンも、亀井サンも、田中も、道重も、リンリンも
バカの久住も同じダ。
皆のいない未来なら要らナイ、意味がナイ。
ダカラ、私も一緒に連れてユケ、お前の未来二」

「…わ、わかったから。 それはちょっと感動したけど、かなり感動したけど、一つだけええか。
なんでジュンジュンは左手だけジャージから抜いて、もろ肌見せてるんや」

「これはリンリンから聞イタ。 敵に回るか、味方につくか。
それをはっきりと表明スル時、こうスルと。 左袒とか言ってタナ。
ジュンジュンは何がアッテモ光井の味方。 だからコウシタがイケナカッタのか」

「そういうのを聞いたことはあるけど、そのジャージは高橋さんのやから伸びたらあかんのちゃうかなあ。
それにそれやったら、指切りでもええんちゃうかなあ」

「指ヲ切ルノカ。 何て恐ろシイ。 ジュンジュンには出来ナイ」

「おおきに。 ありがとうな、ジュンジュン」

「喋リ過ぎタラ眠くナッタ、ちょっと寝かセロ。
それと起きてからバナナがたくさん食べタイ。 光井ヨロシクナ。 
あ、それと光井、やっぱり指切りシヨウ。 」

520 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 12:32:44.18 0
作品投下は以上です
いやあ誰もいない頃を見計らって投下したつもりでしたが、カオスです。
これも狼の醍醐味でしょう。
[MM。](09)542 『~To the prologue again~』の話と、[Ai-Jun](06)621 の話にリゾナントさせて
頂きました。
最初は3レスぐらいで小奇麗にまとめるつもりが、ダラダラと伸びて締めが甘くなってしまった感
があるのは、私のクオリティです。

>>506
テンプレのまとめサイトやwikiが詳しいかと
もう半年以上になりますよ

521 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 12:38:27.77 0
>>520
ごめんなさい!割り込んでしまいました・・・
ちゃんと更新してから書き込めばよかった・・・本当にすいません



522 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 12:41:04.91 0
>>520
乙です!
獣化したジュンジュンが助けに来たところでは
胸が熱くなりました!

523 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 12:46:21.06 0
>>521
いや、こちらこそ。
レス数が微妙だったので、予告無しに一気に行こうとしたらこうなりましたが、
お気になさらずに

一応作品のアンカーは>>508-510>>512-517>>519でいいのかな

524 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 12:47:29.23 0
>>520
愛佳と小春しかいなかった未来にJJが!
感動で震えました!未来は変えられるんだね!

指きりの意味・・・知ってたんだね!なんて素敵なラスト!

525 名前:サボリン∞ヽ( ゚∀。)ノ:2008/11/16(日) 12:55:26.48 0
言葉足らずでした
あの看板イラストは直接サボティ宛てにメールで送られてきました
で、どうにかして載せようとした結果[Illusts](18)000 という架空の番号で対処しました
日付時間も2208/11/11 11:11:11.11 でしょ

あと、作品投下中に割り込みがあった場合、細かくアンカ指定しなくてもおkです
収録告知時には結局全部まとめて書いちゃうので、>>508-519 で結構です

526 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 13:01:31.44 0
ごめん俺も割り込んじゃった
スレ開きっぱなしで眺めててそのまま書き込むと駄目だねこれ

527 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 14:18:18.11 0
>>520
乙です
後半は怒涛の展開に引き込まれました
もしかして、ホゼナントおじさんの話を書かれた方でしょうか
とにかく熱い話だった

528 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 15:46:58.01 0
リゾナンダーを追って米子まで来ました
戦闘開始まであと45分

529 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 15:49:34.92 O
お仲間がいたw
リゾナントよろしく

530 名前:名無し携帯中。。。:2008/11/16(日) 15:49:52.96 O
色々な話にリゾナントして良かったです!
自分の作品ともリゾナントして下さってありがとうございます!

531 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 15:53:00.15 0
>>528
>>529
楽しんできてね!
一曲目でたぶん気絶すると思う
かっこよすぎて!

532 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 15:56:04.71 O
恥ずかしながら最初のスレ立てた者も参加しにきてます
おもしろそうな作品を読みたい気持ちを抑えて応援に力を尽くします

533 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 16:11:29.47 0
>>532
おー
まだ御存命でしたかw

534 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 16:14:02.74 0
コンサ楽しいんだけど
本編最後の曲で涙を堪えるのが大変で困る

535 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 17:15:24.82 0
>>534
リゾスレ病ですねw
涙が出てくることはなくなったけど、イントロがなった瞬間にゾクッとくるのは今も変わらないリゾスレ病患者です

536 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 17:26:02.10 0
>>507ことないやいでっす
すいすい筆が進むので、今晩九時に予告した話を投下しようと思います
ではでは、また

537 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 17:27:17.56 0
すばらしいw
お待ちしております

538 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 19:03:01.27 O
楽しみだなぁ

539 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 19:33:12.96 0
>>536
( `.∀´)つt[] 作品で私を酔わせてごらんなさい

540 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 19:38:48.19 0
>>536
ブランデーを舐めながら
圭ちゃんと共に待ってます

寝たら・・・ごめん

541 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 20:33:56.45 0
自分は傍観者って-pretender -で覚えてたけど、違ってたんだね
ないやいさんの話で-onlooker-だと知った。
リゾスレは英語の勉強にもなる

さてともう少しですかね

542 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 21:00:14.17 0





なっちはただ、この時間さえ邪魔されなければ何もしないのに。
好きな歌を好きなように歌う、大切なこの一時。
それを邪魔するなら―――気は向かないけど、戦うよ。






543 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 21:00:54.62 0





『銀翼の言霊使い-The spiritual-message master-』






544 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 21:01:35.16 0
色とりどりのネオン、家の窓から零れる柔らかい淡黄色の光。
あたしはいつものように、その光達を空の上から見下ろしていた。
星なんて殆ど見えない都会の夜空、だけどこうして空から下を見下ろせば―――ほら、星空のような街が見える。

白銀色の三日月がとても綺麗な夜だった。
昼の暖かな日差しの下を散歩するのも好きだけど、夜の空をこうして飛び回るのも大好き。
自然と、あたしの口からは歌がこぼれ落ちる。

伴奏も何もない、あたしの声だけが静かに夜空に溶けていく。
ここは地上から数百メートル上空、幾ら大声を上げて歌っても誰にも咎められることはない。

いい気分。
観客はいないけれど、誰のことも気にせずに思うがままに自分の好きな曲を歌えるのは心地よい。

歌いながら、あたしは夜空を飛び回る。
素敵な時間、“能力”が使える人間にだけ許される特別な過ごし方。
一曲歌い終わって、さぁ次は何を歌おうかと考えていたその時だった。


「お前か、最近うちの組織の仲間を次々に倒している能力者は?」


低い声と共に、あたしの目の前に現れた金髪の女性。
夜空に溶け込むような深い漆黒の服に身を包んだ女性は、あたしの方を冷たい目で見つめている。
あたしは即座に“結界”を展開し、女性の様子を窺う。

綺麗な人だった。
あたしは背も低いし童顔だから、目の前の女性が素直に羨ましいと思う。
女性を見つめながら、あたしは溜息混じりに返答した。

545 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 21:02:20.68 0
「好きで倒してるわけじゃないべさ。
喧嘩を売ってくるから、仕方なく買ってるだけ。
そっちが喧嘩売ってこなければ、あたしの方からは何もしないよ」


あたしの返答に、女性はすぐに返事を返さない。
どうやら、女性はあたしの強さを測っているようだった。
数十秒ほどの間、あたしも女性も無言のまま。

どうしようか結論が出たのだろう、女性はゆっくりと口を開いた。


「どうやら、お前はかなりの手練れのようだな。
うちの組織に入るなら、今までのことは全て水に流そう。
うちは実力主義の組織だから、お前なら最初からそれなりの地位に就けるぞ」


そう言って女性はニヤリと微笑む。
普通の能力者なら、喜んで飛びつくに違いない条件であることはあたしでも想像がついた。
今までの“罪”を許し、女性のいる組織がどの程度の規模かはともかくとして、それなりの地位を保証される。

能力者は、この世界においては闇の中でひっそり生きるしかない存在だった。
能力を持っていることを知れただけで、迫害され傷つけられる。
あたしのようにどこの組織にも属さずに一人ひっそりと生きる能力者の方が大半だけど、
能力者の中には女性達のように組織を作り上げ活動する者も少数ながらいることは知っていた。

そうした組織は、“表の世界”で解決するわけにはいかないような事態を秘密裏に処理している。
そうした事態を解決することで潤沢な資金を得て、一般人では想像しがたい程の贅を尽くした生活をしているのだ。

能力者からしたら魅力的なことなのだ、組織に誘われるということは。
能力者は今までなら能力さえ使わなければ普通に生活できていた能力者達は、“能力者判定装置-ジャッジメント・デバイス-”が開発されたおかげで、
今までのようにひっそりと生きていくことすら許されなくなってきている。

546 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 21:03:36.18 0
異端の存在には―――死を。

そうした世界の中で、組織という場所は能力者にとっては安住の地とも言える。
組織に属すれば、そうしたものに怯えることなく生きていくことが出来るのだから。

鮮やかな微笑みを向ける女性に、あたしは溜息を一つ付いてから口を開く。


「魅力的な提案だけど、ごめんね。
あたしはそういうところに属さなくても大丈夫だから」


断られると思っていなかったのだろう。
女性は一瞬、呆気に取られたような表情を浮かべた後、あたしを鋭く睨み付けてきた。
向こうからすれば、折角の話を断られたのだ、怒るのも無理はない。


「そうか、じゃあ、当初の予定通り―――お前を殺すしかないな」


女性はそう言って、その華奢な体から深い闇色のオーラを解き放った。
今まで対峙してきた能力者の中では、間違いなく一番強い。

だけど、あたしにとっては―――取るに足らない程度の能力者でしかなかった。

あたしは息を大きく吸い込んで、力を解放する。
銀色の光を解き放ち、あたしは女性に向かって“宣言”した。

547 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 21:04:32.59 0
『―――キミはどうやってもあたしに傷一つつけることは出来ない』

「そう言う余裕がいつまで続くか、見物だな」


女性はそう言って、あたし目がけて闇色のエネルギー弾を撃ち出してくる。
普通の能力者であれば、この攻撃をまともに食らったら行動不能になりかねない、それだけのエネルギーが
凝縮された攻撃が次々にあたしへと襲いかかる。

だけど、そのエネルギー弾があたしにダメージを与えることはなかった。
エネルギー弾は、あたしへ着弾するよりも先に、“虚空”へと消えていく。

一歩、一歩。
あたしはその攻撃を避けることなく、女性の方へと歩み寄っていく。

まだ女性は気付いていない。
女性の攻撃を相殺しているのではなく、女性の攻撃を完全に“ない”ものとしているということに。

女性が“異変”に気付いた時には、あたしは既に女性との距離を大分縮めていた。
得体の知れない能力者を相手にしているという事実に、女性の顔が恐怖に歪む。

狂ったようにエネルギー弾を撃ち出してくる女性は、何処までも滑稽だった。
幾らやっても無駄、最初にあたしが“宣言”した時点で、何をやってもあたしに傷をつけることは誰であっても出来ないのだから。


「金輪際、あたしに関わらないなら助けてあげてもいいよ」


あたしの言葉はもう、女性には届いていないようだった。
返事することなく、ただひたすらエネルギー弾を撃ち続けるだけの“機械”と化してしまった女性にあたしは止めを刺すことにする。

銀色の光を放ちながら、あたしは彼女を見据えて最後の“言霊”を紡いだ。

548 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 21:05:58.98 0
『返事出来ないみたいだし、そろそろ終わりにするね。
キミは、体をバラバラに切り刻まれて―――死ぬ』


一瞬だけ銀色の光が強く瞬いた後―――女性の体は四肢と首を切断された。
切り離された箇所から飛び散った鮮血が、あたしの服に赤い沁みを作っていく。

あたしは切り刻まれて絶命した女性を見つめながら、再び“言霊”を紡いで服を元通りの状態へと戻すと同時に、
地面へと落下していく女性のヌケガラを虚空へとかき消した。


「…喧嘩を売った相手が悪かったね。
あたしは言霊使い―――口に出した言葉そのものの事象、現象を具現化することの出来る能力者。
最初の“宣言”の時点で、キミには勝ち目なんてこれっぽっちもなかったんだよ」


あたしの呟きは夜空へと溶けていく。
結界を解いて、あたしは女性が現れる前と同じように歌を歌い、夜空を飛び回った。

口にした言葉通りの事象、現象を具現化できるあたしにとって、組織は何の魅力もない存在だった。
その気になれば、この世界のあり方を根本的に変えてしまうことすら可能としてしまう能力―――“言霊-スピリチュアル・メッセージ-”。

自分の意に沿わないようなことでもこの能力があれば自分の思うがまま。
普通の能力者のように、組織という存在に守られる必要など何処にもないのだ。

いずれ、また女性のような存在がこの素敵な時間を邪魔しに現れるのだろう。
あたしはただ、この素敵な時間を楽しみたいだけなのに。
たったそれだけのことをいちいち邪魔しにくるのなら、気は向かないけれど―――この力で撃墜するだけのこと。

銀色の光を翼のように纏いながら、あたしは何事もなかったかのように再び歌を歌い始めた。

549 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 21:07:06.30 0
>>542-548
『銀翼の言霊使い-The spiritual-message master-』 了


550 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 21:17:26.74 0
乙です
怖い力ですね
言葉を紡がせる前に倒すしかないのか

551 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 21:46:53.37 0
>>549
この力は反則ですね
ある意味安倍さんこそこの世界の支配者というか
この話の設定は『蒼の共鳴』本編とは完全にリンクしないのかもしれませんが
超絶な力を持つ安倍さんが膝を屈する話というのも読んでみたいし、書いてもみたい
そう思いました


552 名前:名無し募集中。。。:2008/11/16(日) 22:10:58.22 0

>>549
面白かったです!
なっちがかっこいい!
能力者が少人数の組織を作ってこの社会をサバイバルしてるって設定凄く面白いですね!
その設定にリゾナントして書いてみたい!



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