リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第3話(ミラー)
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リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第2話
http://ex24.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1208587442/
まとめサイト
http://resonant.s336.xrea.com/cgi-bin/up/index.cgi
テンプレ>>2-11ぐらいまで
黒服を来てダンス踊ってるのはモーニング戦隊リゾナンターなんだよ
悪と戦う正義のヒーロー女集団なのさ
でも彼女達は普段は普通の社会で人間として暮らしてる
隊長の高橋は普段はジムで筋トレするOL、小春はアイドル、光井は女子高生、田中は孤独な不良
などみんなそれぞれ人間界で普通の生活を送ってんだよ
だけど悪の化身ダークネス邪鬼が街で暴れた時に
みんな集合して黒服を着て踊ってリゾナンター変身するわけよ
それを表現したのがあのPV
210 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/04/13(日) 20:08:59.27 0
ガキさん実は敵のスパイっていうのはどうだ?
でも悩んでるんだリゾナンダーたちの優しさに触れて
そして最終回で彼女は決断を迫られることになる・・・
259 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/04/13(日) 21:05:08.45 0
リゾナントイエロー(高橋)
リゾナントライトグリーン(新垣)
リゾナントオレンジ(亀井)
リゾナントピンク(道重)
リゾナントブルー(田中)
リゾナントレッド(久住)
リゾナントパープル(光井)
リゾナントインディゴ(ジュンジュン)
リゾナントグリーン(リンリン)
…
9人揃ってモーニング戦隊リゾナンダー
リーダー兼スカウトマン
新垣:
実は敵のスパイ
しかしリゾナンダーたちと共に過ごすうちその優しさに触れて悩み始めている
光井:
成績優秀の普通の女子高生だがいじめられっこ
エリートの両親は夜遅くまで帰ってこず家でも孤独
久住:
超人気売れっ子モデル
プライドが高く世の中は全てお金が解決すると言い放つ彼女はワガママな面もあり周囲を騒がせることもしばしば
田中:
幼い頃に事故で両親を亡くして孤児院で育つ
学校にも行かず不良仲間と遊ぶ荒れた毎日を送っていた
亀井:
道重とはとても仲の良い大親友
2人で将来一緒にケーキ屋を経営するという夢がある
しかし生まれつき重度の心臓病を患っていた為病室に閉じこもる日が多かった
道重:
亀井とはとても仲の良い大親友
2人で将来一緒にケーキ屋を経営するという夢がある
大学生
ジュンジュン・リンリン:
ビザが切れたけど日本に滞在したい謎の中国人
リゾナントイエロー
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リゾナントライトグリーン
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リゾナントオレンジ
リゾナントピンク
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リゾナントブルー
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リゾナントレッド
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リゾナントパープル
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リゾナントインディゴ
リゾナントグリーン
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9人揃ってモーニング戦隊リゾナンダー!!
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ロゴ
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ttp://ng2.or.tp/ReinaT/souce/ReinaT_4387.jpg
リゾナントロボ…
発……
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↑このPVから妄想するスレ
強く・・・なりたいんだろ?
大切な人を守るために・・・
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あいぼん・・・れいなはもう昔とは違うと
守るべきものが見つかったけん
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・・・定期連絡です
特に変わった動きはありません
はい 何か動きがあればすぐ知らせます・・・
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ビザが無いのか
一つだけ日本で仕事を続ける方法がある
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そのハナシ・・・
ノッタアル!
さゆも・・・
絵里も・・・
一緒に戦う・・・!
2人の夢を守るため
同じような夢を持った人たちを守るため・・・
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こんな私でも誰かを救えますか?
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はあ?
何で小春が見ず知らずの人助けなきゃいけないわけ?
そんなの誰かに任せておけばいいじゃん
必殺!
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高橋:精神感応(テレパシー)
瞬間移動(テレポート)
新垣:洗脳(マインドコントロール)
亀井:傷の共有
道重:治癒能力(ヒーリング)
田中:共鳴増幅能力?(リゾナント・アンプリファイア)
久住:念写能力(ソートグラフィー)
光井:心の浄化
予知能力(プリコグニション)
リンリン:念動力(サイコキネシス)
ジュンジュン:念動力(サイコキネシス)
獣化
ジュンジュン獣化参考画像
http://yagutimari.mine.nu/desi/RODA/files/desi0232.jpg
ttp://www4.uploader.jp/dl/reinachan/reinachan_uljp00256.zip.html
お話書いたけど結構長いから3スレ目に完全突入したらうpするね
+ +
∋oノハヽ +
从*・ 。.・) ワクワクテカテカ
(0゚∪ ∪ +
と__)__) +
∋oノハヽ +
从 ´ ヮ`) ワクワクテカテカ
(0゚∪ ∪ +
と__)__) +
1000なら亀井とSEX
おいw
そうに違いない
2度とすんじゃねーぞ?
それ以外の日常の光景の方が思い浮かぶし
書きやすい感じだ……
なんら問題ないじゃないすか
みんな喜ぶと思うよ
なってしまうからさ
もう少し考えてみるよ
・リンク集を編集:現行スレ修正&過去ログ追加&RPGリンク
・各ストーリー追加:修正依頼あったところは直したはずです
今回は分類を番外にすべきかメンバー別にすべきか迷ったものが多いw
数年前に高橋・新垣に起こった事件は、二人にとって…
というお話、高橋視点です。
それではいきまっす
でも、あれから数年経った今も記憶から薄れようとしないのは、
あたしの心に、強さも悲しみも植え付けた、そんな日でもあったからかもしれない。
あの日、あたし達に起きた出来事は。
たぶん、お互いに共有し会える日は、あるとすれば遠い遠い未来のこと。
覚えていてほしいとも思う。
でも、思い出してほしくないとも思う。
夢であればと、そう願ったこともあるけれど。
あの日があるから、今のあたしとガキさんがあることも、間違いない事実。
悲鳴を聞いて駆けつけた先には、血だらけになって倒れているガキさんの姿があった。
「なっ、誰にっ! どうしてっ!」
ここは、喫茶「リゾナント」。
普段は笑顔の絶えない、コーヒーが売りの喫茶店。
ここに集うメンバーは確かに能力者が多いけれど、
戦いとは離れ疲れた心と体を癒す、憩いの場所だった。
だからこそ。
予想もしなかった襲撃に、あたしは怒りと、焦りと、それから恐怖を覚えていた。
何よりも、すでにみんな帰っていたはずなのだ。1時間以上も前に。
「じゃあね」とお互いに手を振って、それぞれの帰り道をあたしは見送っていたのに。
どうして?
どうして、まだガキさんがここにいるの?
どうしてガキさんがこんなことに…?
まとめの人修正ありがとうございます!!
どこか聞き覚えのある声に制されて、足が止まった。
「……」
亜麻色に染まった長い髪。
鍛えられた身体。
その場にいるだけで、他を圧倒するオーラ。
「…久しぶり、ですね」
昔の、仲間。今は、敵。
共に戦っていたときは尊敬していた。追いかけていた。
この人のようになりたいと、心から思っていた。
それなのに、突然いなくなってしまった。
ためらいもなくリゾナンターに向けられた刃。
大きなダメージをあたし達に与えて、余裕の表情で引き上げたあの姿…
「……1年前とは、あーしも違いますから」
何も出来なかった1年前。
圧倒的な力に屈することしかできなかったあたしも、経験を積んで強くなっているはず。
あたしは、やはり余裕の表情のままでいる彼女を睨み付けた。
「フッ―――」
「! …何がおかしい!」
だが、そんなあたしに構う様子もなく、彼女は簡単に視線を切った。
「なっ…」
「あたしは、コイツの様子を見に来ただけだ。
案の定刃向かって、このザマ、だが」
「このッ……!!!!」
距離、約10メートル。
それを瞬間移動で一気に詰める。
「スキだらけやざ!!!!!!」
こちらの動きなどまるで見ていない相手に、一発食らわせてやるはずだった―――
「…っあっ!」
それなのに、あたしは見えない壁に跳ね返されたように吹き飛ばされた。
ガタン! と大きな音を立ててテーブルやイスに叩き付けられる。
「甘いよ」
彼女は、冷たく言い放った。
「どいつもこいつも……まだ甘いんだよ」
それでも、もう一度飛びかかってやろうなんて考えは浮かんでこなかった。
たった一撃でこれだけのダメージを負わされ、あたしは、あっさりと負けていたのだ。
1年で詰められる距離では、まだなかったのだ。
…忘れていた。
この人は、昔からどちらかと言えば何を考えているのかわからない人だった。
むしろ、考えるよりも先に動き、一切のムダのない人だった。
「天才」「救世主」。
あらゆる言葉でたたえられる彼女はその言葉通り、思考のスキがなく―――
―――あたしの力では、心を読むことは出来なかった。
「新垣だって…たいした実力もないのに歯向かってきてな」
あたしは必死に、すぐ隣で倒れているガキさんの手を握る。
それなのにガキさんはぴくりとも動かない。
身体が軋み、悲鳴を上げる。
身につけた紫のマントを翻して去ろうとするその背中に、あたしは問いかけていた。
「なんで………なんでガキさんが…!」
わからないことは、たくさんある。
なぜここに、ガキさんがいるのか。
なぜあなたの標的が、ガキさんだけなのか。
こんなに血だらけになるまで痛めつけておいて―――とどめを刺していないのか。
「……新垣がこの時間にここにいることは、わかっていたことだ」
「…えっ?」
「あたしたちに反抗するヤツは、こういう目に遭う。ただ、それだけだ」
淡々と事実を述べるその口調に、あたしは戸惑いを隠せない。
歩みを止めることなくこの建物から去っていこうとする彼女を、ただ呆然として見送っていた。
あたしはガキさんの身体を抱え、傷からあふれる血を拭った。
さゆを呼んである。きっともうすぐ到着する。彼女の能力でこの傷も癒えるはずだ。
いったい、なんだったんだろう。
何が目的で、ガキさんがこんな目に……
「…もっと早く助けてあげられんくて…ごめんな…?」
苦しそうにゆがむ顔をそっと撫でる。
ガキさんが、何か知ってるんだろうか?
…いや、それよりも。
「…ガキさん、もうちょっとの辛抱やよ……」
早く、この痛みを取り除いてあげたい。
さゆ、早く、ガキさんを助けに来て…!
まだ動けないままでいるガキさんのだらりと垂れ下がった手に手を重ね、指を絡ませる。
―――その時。
『―――裏切りたく、ない―――』
頭の中に、ガキさんの『心』が言葉となって流れ込んできた。
「ど、どういうこと…!?」
あたしは、今は力を使った覚えはない。
まして必要な時以外は、人の心なんて読まないように制限をかけていた。
「なっ……!!!」
触れ合った指先から強制的に送り込まれてくるメッセージ。
猛烈な勢いで頭に鳴り響くメッセージの強さに、あたしは思わず手をふりほどきそうになった。
「……う、裏切…るって……なんや……!?」
自分の能力の暴走を立て直すような余裕もなく、あまりにも衝撃的すぎたその言葉を反芻していた。
出会ってからずっとずっと一緒にいるガキさんの心から聞こえる…、「裏切る」という言葉。
「どういうことや……ガキさん……?」
このままガキさんに触れていたら、あたしは確実に発狂してしまう。
あらゆる言葉が身体中を駆け抜け、肉体を、精神を切り裂いていく。
手が、離れる……!
けれど、意識が飛ばされそうになる寸前、ガキさんの別の声が聞こえてきた。
『―――ねぇ、助けて―――』
その言葉に、意識をなんとか保つ。
ガキさんの潜在意識からかすかに感じ取ることの出来る、助けを呼ぶ声。
つなぐ手に、いっそうの力を込めて。
このまま手を離せば、ガキさんが離れて行ってしまう。なぜか、そう思ったから。
「あーしが……助けてみせるや…よ……」
傷ついた身体を、強く抱き寄せた。
「う、あ、あああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」
離さん。離すもんか。
助ける。傷だらけのガキさんを、絶対に助けてみせる……
全身を駆け巡った衝撃に、今度こそあたしの身体は限界だった―――
目を開けると、さゆがあたしの顔を覗き込んでいた。
見慣れた天井。身体になじんでいるベッド。
間違いなく、ここはリゾナントの休憩室だった。
「…愛ちゃん、5日くらい眠ったままだったから」
「5日も!? …てっ」
「あー、まだ寝てないとダメですよぅ」
突然起き上がって大きな声を出したせいか、頭の奥がズキリと痛んだ。
「傷は、あっという間に治ったんですけど」
たぶん、精神の方がかなり消耗してたみたいで。
さゆは、申し訳なさそうにあたしに告げた。
ガキさんは、どうしてる?」
「ガキさんもケガはひどかったんですけど…でも、次の次の日くらいには元気になって」
「そっか」
良かった。
枕にもう一度頭を戻し、一つ大きく息を吐く。
「…愛ちゃん、ガキさんの手、なかなか離してくれないから」
「え?」
「意識はないのに、ずーっと固く手を握ってて……」
さゆは、いたずらっぽく笑いかける。
あたしは顔から火が出そうに真っ赤になっていたに違いない。
固く手を握り、傷だらけの身体を抱きしめて。
さゆが駆けつけたとき、あたしも意識は失っていた。
さゆとエリとれいなとで、2人をここまで運んでくれたそうだ。
でも、手だけはなかなか離さずに、苦労したと言っていた。
たぶん…本能のままに、離したくないと思ったからなんだろう。
ガキさんのその手を、ガキさんの、その存在を。
手放してしまったらどこか遠いところへ行ってしまうんじゃないかって、なぜかそう思ったから。
あの事についてガキさんと話をしたことはない。
ただタイミングもないままに日が過ぎてしまったという、ただそれだけのことだけど。
数日経った頃、ガキさんからメールが届いた。
愛ちゃんのカラダ、あったかかったよ。
助けてくれて、ありがとう
「…なんや、そっけないの」
それでもあたしの頬は自然とゆるんでしまう。
言葉を交わさなくても、触れ合うことで通じ合えたのかなって、ちょっと嬉しかった。
数年が経って、リゾナントのメンバーも9人になった。
あたしとガキさんが、最古参のメンバー。
あたしもいつの間にか、リーダーという立場になっていた。
新しい仲間との出会い。今までの仲間との別れ。
敵との戦い。仲間との協調。
いろいろなことを経験し、あたしたちは少しずつ強くなっていった。
あのときの「彼女」に、今戦って勝てるかどうかはわからない。
だけど、今なら何かできる気がする。
今はもう、己の力を過信などしないけれど。
この仲間とだったらどんな相手にだって立ち向かえると、胸を張って言い切ることができる。
ソファーに腰掛けてくつろぐ空間は、他の誰にも邪魔されない静かな場所。
ここにいると、こうして昔のことを思い出したりもする。
ガキさんとは昔のことを語り合うことなんて滅多にしないし、
まして、あの日の出来事は今までに口にしたことなんてなかった。
だから、ガキさんが発したメッセージが何を意味するのか、聞いてみようとも思わなかった。
「…なぁ、ガキさん」
ガキさんから届いた声、忘れないやよ?
あーし、何があったってガキさん守るって、助けるって、あん時誓ったんやもん。
だからこうして、ずっと一緒にいて、穏やかに笑い合えたらいいよなぁ?
過去なんて、どうでもええ。
「仲間」として一緒にいる今がある、それが、一番大切なことやもん。
あたしの膝の上でのんびりと昼寝をしているガキさんの寝顔に、そっと語りかけていた。
意外と狼の連投規制がつらかったでっす。
お目汚し失礼いたしました~
膝枕ハァ━━━━━━ ;´Д` ━━━━━━ン!!!!
実際の娘。とリンクしてる部分があって
愛ガキ好きとして感慨深かった
>>49
そこかよw
途中で切って書き込み待つのもありだよ
敵役のごっちんが目に浮かんできたよw
これくらいなら皆レスしないで待つと思うよ
いい話だね
好きだな
上手いなぁ
光井(新垣教育係)編を書いたので置いときます
お詫びですが光井さんが標準語です、各自脳内補完して下さい・・・スイマセン
------
高橋愛に生きる力を分け与えられた愛佳がリゾナンダーのメンバーを紹介されたのは
あの日、愛が店長だと教えられた喫茶店だった。
入り口にはクローズの札がかかっているが中に誰かの気配はある。
アンティークな模様がかたどられたノブを恐る恐るゆっくり押すとそれはあっさりと道を開いた。
レトロな鐘がカランカランと控えめな音で来訪者を店内に知らせると
奥からばたばたと笑顔の愛が走ってくるのが見える。
「あ、みっつぃーいらっしゃい!さ、こっち来て座って座って」
「は、はい」
「お腹空いてるでしょ?すぐ何か用意するてのー」
「くぉら愛ちゃん!その前にすることがあるでしょう!」
「ほぇ?」
「あぁもう・・・いいからコーヒーでも持ってきて!」
里沙が愛を厨房へ押しやる。
なんやのー という声はあっさりと無視された。
空白のレスはなに?
「高橋さん、リーダーさんなんですか?」
「そうよ、聞いてなかった?そして私、新垣里沙はサブリーダーね。
全く、初対面なんだからまず紹介してくれるものだと思ってたのに」
何が「お腹すいた?」よっ。
毒づく里沙の前にコーヒーカップが置かれる。
「おまたせー みっつぃーもコーヒーで良かった?」
「あ、はい」
「こんな人だけど、コーヒー淹れる腕はいいの。保証するわ」
「ガキさん今日手厳しいがし」
「誰のせいだと思ってんの!」
ミルクと砂糖を入れて一口。
なるほど、確かに美味しい気がする。
愛佳にとっては愛が自分のために淹れたコーヒーだというのが大きな要素だったりもするが
里沙の隣に座ると愛の顔がすっと真剣な表情になる。
愛の言葉を受け、里沙がひとつ咳払いをした後、口を開く。
「愛ちゃんからあなたのことは聞いているわ」
あのチカラのことだ。
愛佳にとって不要なものでしかなかったチカラ。
「愛佳ちゃんのそのチカラ、能力。未来予知という個性のこと」
まっすぐに愛佳の瞳を見つめながらゆっくりと。
更に里沙が続ける。
「制御が出来ていないせいで傷ついてきたんでしょう。
・・・でもね、私ならその能力を正しく使う方法を指導することができる」
「・・・本当ですか?」
「えぇ。実際は愛佳ちゃん自体が頑張らなくちゃならないんだけれど、そのサポートを出来る能力が私にはあるの」
精神干渉。誰かの意思を乗っ取り、操る里沙の能力。
これを使い、愛佳を二度と誤った方向へ進ませないための策を立てる。
だから愛はまず、里沙と愛佳を引き合わせたのだ。
「・・・やってみます」
愛佳は瞳を閉じて精神を集中させる。
今までこの能力が発動するのは本当にランダムで、自分の視たいことだけ視る、というのはできなかった。
だからこそ実の両親にですら恐れられてきたのだ。
「・・・無理です、視えない・・・何か薄い壁みたいなのがあるような・・・」
「初めてだもの、しょうがないわ。そこで私の出番よ」
里沙が愛佳の手を取った。
「リラックスして・・・目を閉じて・・・」
「は、はい」
言われるがまま、身を任せる。
「・・・わかる?今、あなたの中に私が居ること。
正確にはあなたの体と精神を30%くらい私が動かしているの」
「不思議な感じ、です」
「能力を自分の使いたいように使うには、その壁を突き破るコツを掴めばいいの。
さぁ、私が手伝ってあげる。もう一度視てみましょう」
里沙が導いた道筋はゴール地点までまっすぐ続いていて
愛佳の深層意識は導かれるまま辿っていく。
途中、阻むように壁は確かにそこにあったが、先ほどが嘘のようにするりとすり抜けて。
終着点に辿りついた時、愛佳の閉じた瞳にはダイレクトに映像が流れ込んできた。
同い年くらいの少女が愛、里沙、愛佳の他に3人。
彼女たちは思い思いに食事を楽しんでいる。
そしてもう一人・・・喫茶店の扉を開く。
その一人を認めたとき、愛佳は驚きのあまり目をばちっと開いた。
「どうだった?」
「あ、あの・・・」
「ん?」
「視えたんですけど、でも・・・居るはずのない人が視えたというか」
「来るわよ、彼女も仲間。あなたと同じく、能力を持っているから」
何が、とは口に出さなかった。
愛はテレパシーで、里沙は精神干渉でそのことを読み取っていたのだから。
「私達はそう呼ぶの。理由は・・・そのうち解るわ。
それより今の感覚、わかった?
慣れてくれば1時間後、1日後だとか時間を決めた予知も出来るようになるし、
知らなくていいことまで知ってしまう、今までみたいに心を痛めることも減るはずよ。
もちろん何度でも教えてあげる。今みたいに。
覚えておいて。愛佳ちゃんはもう一人で悩まなくていいの」
ぎゅっと里沙の手を握る力が強くなる。
まるで体温を分け与えるかのように。
その暖かさで凍りついた心を溶かしてゆく。
発された言葉は真っ直ぐに愛佳の心に染みこんでいく。
まるでからからに乾いたスポンジが水をぐんぐん吸い込むように。
この能力のせいで心がずたずたに折れ、自殺まで考えた。
だが、愛に救われ、里沙に救われた。
こんな私でも、誰かを救えますか?
かつて愛はその問いにイエスと答えた。迷うことなく。
この人たちの力になりたい。
この感謝を伝えたい。
ただ流されるだけの人生を送ってきた愛佳が自分自身で選択した。
少女の瞳に強さが戻った日だった。
愛佳の予知したとおり、続々と訪れる少女達。
さゆみと絵里、そしてれいな。
この全員がなにかしらの能力者なのだと自己紹介によって知った。
愛佳にとっては誰とも喋ることのない生活が常だったが、
初めて会った気がしない少女達により、だんだんと打ち解けていく。
愛佳の本質は愛嬌があり、周囲を和ませることのできる少女だったのだ。
ただ、笑い方を忘れてしまっただけで。
笑い合える相手が居なかっただけで。
雑踏の中でも見失ったりしない絶対的な存在感。
見るもの全てを魅了する、その立ち昇るオーラのようなものに愛佳は圧倒された。
里沙が、小春の傍に寄っていく。
「小春、この子は新しく入った光井愛佳ちゃん。小春と同じ年だよ」
「あ、あの・・・」
何と声を掛けていいのか。
しょうがない。相手は正しく雲の上の人だったから。
小春は愛佳を上から下まで視線を巡らせ、開口一番こう言ってのけた。
「あなた・・・クラスにいたら苛められるタイプでしょ」
「っ!!」
「あれ、図星?苛められるのは自業自得なのよ」
「小春!やめなさい!」
愛佳は正直、戸惑うしかなかった。
そこには自らが予知したとはいえ、本当に月島きらりが居たからだ。
雑誌で、テレビで満面の笑みを讃えて歌い踊る彼女。
羨ましかった。その強さ。明るさ。
人気者で、いつも笑っていて。
自分と全てが正反対の彼女に言われたことは、正しかった。
無気力にも見える生気を失った瞳。
直感だが、本心からの言葉ではないように感じた。
根拠などないが、ただの悪口ではない気がしたのだ。
まるで何かの闇を抱えているかのような、希望を見失ってしまったような瞳。
他人の顔色を伺って生きてきた愛佳だから気付いた事だったのかもしれない。
「あたし、今日は帰る。いいよね?リーダー」
静まり返った店内。
全員が小春の行動に注目している。
「そやね。帰り」
「・・・おやすみなさい」
外に出て数歩、後ろから愛佳を呼び止める声が一つ。
振り向くと、神妙な表情の里沙が立っていた。
「新垣さん、今日は有難うございました」
「愛佳ちゃん・・・」
「誰かとお喋りするのって楽しいんだ、って初めて解った気がします」
「小春はね、不器用な子なの。あんな事言ったのもきっと本心じゃないはず・・・
嫌わないであげて、というのは勝手なお願いだって解ってる」
「気にしてませんから、大丈夫です。
それに・・・きらりちゃん・・・いえ久住さん、なんだか悲しい目をしてた」
あの瞬間を思い出すように、愛佳が俯く。
確かに酷いことを言われたが、恨む気になれない、その理由を。
「・・・」
「それに、苛められっこは本当ですし」
えへへ、と苦笑が漏れた。
「私のチカラ・・・新垣さんのお陰で好きになれそうなんです。
では、今日は失礼しますね」
くるりと背を向けて駅へ向かう。
その背中に里沙は声を掛けることはできなかった。
帰宅した里沙はドアを施鍵すると部屋の明かりも付けず、携帯を取り出し慣れた手つきで一件の番号を呼び出す。
「定期連絡です。光井愛佳という少女がリゾナンターに加入しました。
詳細はまた後日・・・。
えぇ・・・まだ能力の応用もできない、生まれたての赤子のようなもの。
警戒度は最低レベルでもいいでしょう」
淀みなく業務をこなしていく。
「・・・相手は人の温もりを知らない子供です。
手を握り、優しい言葉をかけてやれば信用させるのなんて簡単でしたよ・・・。
一度強烈に助けておいて刷り込ませた信頼を二度疑うことは人間、あまりありませんから・・・。
はい、それでは・・・」
月の光も届かない暗闇の中に、携帯のディスプレイだけが唯一の光源となる。
頼りなくゆらぐ青白い光に照らされた里沙の表情を知り得る者は居ない。
>>24-48さんのを読んで冒頭にコーヒーのくだりを入れてみたり。
いろいろな設定ぱくりすぎてスイマセン・・・
1スレ目からいる者にとっては見覚えのあるネタがちらほら出てくるし
ついさっきのネタまで入れるのかよ…乙
良い子がリゾナンターを見るときは
部屋を明るくして 離れてみなさい!
漆黒の闇の中 1つの光るシルエットが次々と悪を蹴散らす
『この強さ・・・まさか! リゾナンターの生き残り!?
・・あのダークネス様をかつて追い詰めたと言う・・グッ』
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「その通りよ!」
「かなしみが続く限り リゾナンターは不滅!!」
今 世界は変わろうとしていた・・
良い方 悪い方 それはまだだれにも分からない
だが まだ1つだけの光は世界に変化をもたらすべく
強く輝くのだった・・・
リゾナンターよ 愛の翼を広げ! ブチ破れ!! かなしみの壁を!!!
新番組かなしみ戦隊リゾナンター「ここにいるぜぇ!」
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「どこへもいってなんかいない・・ リゾナンターはここにいるぜぇ!」
新垣光井編いいねー
おれはやっぱ衝突しながらも仲良くなってく話が好きだと再認識した
ガキさんも冷酷にやりながらもどこかで罪悪感感じてるわけだ
イイヨイイヨー
ここの作品はみんな見せ場があってすばらしい
その日 ジュンジュンは機嫌が悪かった
喫茶リゾナントの冷蔵庫にしまっておいた 大好物のバナナが無くなっていたのだ!!
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「バナナないダ」「やっぱりないダヨ!」
泣きながらバタバタ何度も開け閉めして確かめるジュンジュン
そこに通り過ぎる愛佳に尋ねるが
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「愛佳しりますぇwwwwwwん」
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「絶対アイツダヨ!私バナナ食べタ人 匂いでスグ分かるアル!」
リンリンは見た! ジュンジュンと愛佳の間で熱い光線が飛び交い
火花を散しているのを!! 「アイヤ~~(泣)」
仕方なくバナナを買いに行く事に しかし 言葉の壁が立ちふさがる!
そこへ愛佳がやってきて通訳してくれるのだが ジュンジュンはツンツンしてばかり
・・この先どうなるのやら
夜 ジュン・リンの部屋へ突然入ってくる愛佳
手にはバナナのシフォンケーキ
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「ジュンジュン お誕生日 おめでとう!!」
次回かなしみ戦隊リゾナンター「真夏の光線」
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「ごめんね!バナナどこも売り切れで 仕方なかったの」
それは日本へやって来て 初めて貰う素敵なプレゼント・・・
今日はよく泣くジュンジュンの涙を リンリンは優しく拭うのだった
「愛佳しりますぇwwwwwwん」
ムカつくけど可愛いwww
>>78それ いいっすね!
自分はごっちんだと思うけどハッキリ断定してないしな
夜中の2作品読んだ 読み応えありまくり 作者さん乙!
乙です
喫茶リゾナントと超能力のコントロール方法が
何かリアリティあって面白かった!
感想くださった方ありがとうございまっす
実はアンリアルモノは初だったのでどうなることやらと思ってました
>>51
なるほど場合によっては「続く」みたいにすりゃ良かったかもですね
>>57
空白は場面転換というか時間軸の転換というか
まぁ無駄に行を取りすぎたと反省してますorz
>>83
敵役想定はずばり>>52とか>>85の通りです
が、ぴったり合う人が皆さんの脳内に別にいるのであればそちらでもいいかなぁと断定してません
遅ればせながら読ませていただきました
3話目ものっけからえらい高レベルですね
みんなほんと上手に書くなあ・・・
次回予告シリーズも毎回感心します
俺もだw
切ない話が多いからかな…幸せになって欲しいってすごく思う
リゾナントしまくってますね
俺もGWの休みの日にはリゾナントしようと思ってる
なんでリゾナンター支援団体であるスレ住人の人は設定だけでも思いついたらどんどん投下してほしいw
期待に沿えられるかはわかんないけどorz
あら嬉しいwありがと
じゃ考えてみる
もっとキャラが際立つように作ってほしいな~
楽しみにしてます
感想ありがとうございました!
次はこのまま小春を一方的な悪者にしとくつもりは無いので、
仲直り的な話を書くつもりですが予定は未定ということで…
つーか自分の文章の華のなさに泣きたくなるね…
地の文をつらつら書くのが好きなんだけど会話文がヘタすぎる
台詞だけで話を進めることのできる作者さんって凄いな
会話文書くの苦手な仲間ですw
・・・と言いたいところですがあれだけ書けてる人が何を言ってるのかと
地の文の表現も上手いですね
仲直り編を楽しみにしています
刺激を受けてガキみつ編を書いてみようと思い現在四苦八苦しています
他の皆さんのレベルに合わせるのはあきらめていますけれども
何か文章書いてたりするのかな??
すげー面白くてびっくりした
ジュンリン編も書いてくれる人待ってますw
だってその方がおもしろかったんだもんwww
作者様、元に戻せってことであればいつでも言ってください
☆ノハヽ +
ノノ*^ー^) ワクワクテカテカ
(0゚∪ ∪ +
と__)__) +
それに加えて今日なんか不安定じゃない?
なんかあったん?
KYなレスすいませんでした
じゃあネタ考えて出直してくるノシ
作者ですが了解です!
まとめの人ナイスwww
風呂場でれいなが愛の背中を流している 背中には直りかけの火傷が・・
初めて戦闘に参加した日をれいなは思い出していた
敵の攻撃にれいなをかばいながら戦い 徐々に追い詰められていく愛がいた
愛が負傷し 流れる血を見た自分はチカラに目覚める!
だが 怒りに身を任せ辺りを火の海と化してしまう!!
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「チカラを制御できていない・・・暴走!?」
愛は背中に炎が燃え移りながらも近寄り れいなを抱き止める
我に返り火が消えていく様子を見た愛は
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「よかった・・もう 大丈夫だから」とつぶやいた
愛の背中を流すれいな この火傷が無くなったら愛との思い出も
一緒に消えてしまうかもしれないとゴシゴシ洗う・・・
早く直ってほしい でも痕は消えないでほしいれいな・・
次回かなしみ戦隊リゾナンター「Ambitious!野心的でいいじゃん」
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「イタッ!れいなワザとやってるでしょ」
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ちょっと野心的な悪戯子猫は『ペロッ』と舌を見せた
でもそんな些細なことより愛れなの背中流しっこハァ━━━━━━ ;´Д` ━━━━━━ン!!!!
イイネー
というわけで>>121さんはお蔵入りしたものをもう一度空気に触れさせましょうw
んなの関係ないから途中でもおいといてよ
散々言われてることだけど
文章力ないんで細かい描写とかは書けないけど。長いよ
80 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/04/19(土) 23:58:17.72 0
http://nukoup.nukos.net/img/13863.jpg
チョッパー・・・ダークネスの手下。超弱い雑魚
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ミティ・・・ダークネスの手下。冷酷で残忍な性格。かなりの実力の持ち主
ブリザード系の魔法を扱うのが得意。
元リゾナンダーの一員だったが裏切り、永遠の若さを求めダークネスに忠誠を誓う
気にせず書いてしまえ
意識朦朧の田中が見たのは元リゾナンダーの藤本だった
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青白い冷気と共に暗闇の奥からゆっくりと近づいてくるミティ
「フッフッフ、久しぶりだね田中」
それは1年前の出来事だった
当時リゾナンダーの隊長吉澤の元で副隊長をしてた藤本は美しく聡明で知的で
ずば抜けた実力の持ち主でメンバー達からも尊敬されていた。
特に藤本に憧れていた新人田中は毎日激しい特訓で戦い方を教えてもらう師弟関係の仲だった
そんなある日、隊長吉澤と田中は偶然ダークネスのアジトを発見し中を探ろうとするが
手下達に見つかり捕らえられてしまう
拷問を受ける2人だが口は堅く、とどめを刺そうとするダークネス
その時、手下どものうめき声が聞こえ、振り向くとそこには助けに駆けつけた藤本が立っていた
藤本はリゾナンダーの中でも特殊なメンバーで魔法が使える
得意のブリザード魔法で手下どもをバタバタと倒していく
そして隙を見て2人の縄を解いて逃がそうとする藤本
礼を言う吉澤が立ち上がろうとしたその時・・・氷柱が吉澤の胸を貫く
真っ赤な血を噴出しながら倒れていく吉澤
驚く田中が振り向くと微笑しながら背後から吉澤を氷柱で突き刺す藤本の姿があった
唖然としながらダークネスの一撃を喰らい意識を失う田中・・
____________________________
今その藤本が目の前に立っている
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「何で・・・何であんなことをしたと・・」
「吉澤のことか?あれは仕方がない。私がダークネス様に認めてもらうにはああするしかなかった」
「ダークネス様!?もしかして藤本さんっ!」
「その通りよ。私はダークネス様に忠誠を誓ったわ。そして世界を制覇する」
「どうして!れいな訳が分からんと・・」
「フッ、相変わらず綺麗な顔をしているね田中」
ゆっくり近づき氷のような冷たい指で田中の顔を撫で回す藤本
「生命には寿命がある。どんな美しい美貌を持っていてもやがて肉体は老化し醜い姿になっていく。
私にはそれが耐えられなかった。永遠の肉体が欲しい。その為にダークネス様と手を組んで暗黒世界に入ったのよ」
「そんなの間違ってる!藤本さんはそんな人じゃない!!」
「ええい、黙りなさい!私はもう藤本ではないわ。私はミティよ!」
田中の服を切り裂くミティ
「・・・」
「お前が羨ましかったのさ。若くて、美しくて、そして強くて。」
「・・・」
「だから生かしておいたのさ。成長したお前の姿が見たくてね。そして永遠の肉体を手に入れた私の手で殺したくてね」
「今日光井のフリしてここに呼び出したのも藤本さんだったわけね」
「さあ、お喋りの時間もここまでよ。そろそろお前を殺したくてウズウズしてきたわ」
「1つだけ聞いていいと?リゾナンダーとして勇敢に戦ってきたあなたの姿は偽善だったの?」
「・・・さあね」
戦闘力は圧倒的に力の差がある藤本と田中
昔よりは成長してるとはいえ田中1人では魔法使いの藤本には到底かなわない
こういう時の最も効果的な戦法は“逃げる”ことだ
しかし吉澤を殺され裏切った藤本の前に怒りと恐怖で我を忘れた田中は逃げようとはしない
死ぬ覚悟で戦うことを決めた
殺意に満ちた藤本が立ち向かってくる
・・・・
・・・
・・
台所の方でヤカンが蒸気を噴いている
「気がついたかニャ?」
http://image.blog.livedoor.jp/blv42/imgs/3/d/3db92568.jpg
「ボ、ボス!!」
「しばらくここで休んでいけニャ」
「藤本さ・・いやミティは?」
「ふぅ、歳はとりたくないのぅ。間一髪じゃったニャ」
そう言ってボスはお茶を入れに行った。シッポが血で赤く染まってた。
私の中の藤本さんはもういない
私はもっと強くなってみせる
そして必ずミティを倒す
絶対に許さない
リゾナントブルーが流れる
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「アジト見っけ♪」
あとヲタの人ごめん先に謝っておきます
ある雨の日の午後、喫茶リゾナントに集合していた面々に、
高橋は帰宅命令を出した。台風が近く雨足も強くなっている
ため、という理由であった。
各々が帰り支度をする中で、まず最初に店を出たのは、
リンリンだった。
「神様が泣いてマス!」
リンリンがはしゃいだように前へ踊りた時、落雷が起きた。
場所はわからないが地響きのような衝撃が起き、その場に居た
全員が床に伏せた。
道重が恐る恐る顔を上げると、衝撃のせいか店のドアは閉まって
おり、リンリンの姿が見当たらない。
「リンリン!」
床に膝をついたまま道重は慌ててドアを開けた。
持っていたはずの傘が見当たらない……が、奇妙なものが
目に入った。
「え、何あれ……?」
リンリンは、燃え盛る傘を手にしていた。
大雨に晒されていたため徐々に火の勢いは弱まっていったが、
鎮火するまで彼女はそこを動かなかった。
道重や、異変を察して彼女の傍まで駆けつけた他のメンバーは、
呆然とその光景を見詰めている。
やがて枯れ枝の様になった傘の骨組みを持ったまま、リンリンが
振り返った。
緊迫する面々。表情のないリンリン。
最初に勇気を出したのは新垣だった。
「ワカリマセン……雷の時傘をギュッてしましたら、
イキナリ、ボウッ! 燃えた」
リンリンが普通に喋ったことで、室内に居た何人かが我に返った。
高橋はバスタオルを取りに奥へ。道重はまだ気が動転したまま
なのか、その高橋について行ってしまった。
光井とジュンジュンは、ひさしの下へリンリンを引っ張った。
されるがままになっていたが、リンリンは傘の残骸を手放さない。
ジュンジュンが声をかけても反応しない。
苛立ったジュンジュンは、無理矢理彼女の手から鉄くずを
奪い取った。
「熱!」
まだ余熱があったのか、驚いてそれを放り投げる。
「何やってんアホか!」
大人しかった光井が叱責したのを、奥に引っ込んだ高橋と道重
以外が初めて見た。
「……リンリンの体は熱くなかったんだ」
それまで一言も発さなかった久住がぽつりとそんなことを言った。
リンリンは再び店の中へ。
ドアを閉めた田中が思い立ってもう一度ドアを開け、外側に
『CLOSE』のプレートをかけて閉じた。
「怪我とか火傷とか、ない?」
「アー……大丈夫です。アリマセンです」
「お湯張ってるからあとでお風呂入って。風邪引かないように」
「……ゴメンナサイ」
濡れた体を拭いてやっている高橋がリンリンとやり取りを
している中、道重は高橋の無防備さにハラハラしていた。
他の皆もその様で、二人の周りには一定の距離が出来ている。
「……リンリン、さっきの能力やないと?」
もっとも遠巻きに様子を窺っていた田中が恐る恐る問うと、
リンリンは困惑顔で首を振った。
「ただの偶然だったのかもね」
「あ、あー、あるあるっ!」
新垣が言う。
亀井が声高に同意すると、何人かが乾いた笑いを漏らしながら
頷く。
ジュンジュンが一歩前に出た。
「テンチョさん、アレ貸すしてください」
「あ、何て?」
「フォーク! スプン! どれか! ドコ?」
突然迫ってきたジュンジュンに気圧された高橋が、カウンターの
向こうを指差すと、ジュンジュンは肩をいからせてずかずかと
カウンターに入り込み、どこからかティースプーンを探し出して
戻ってきた。
ずぶ濡れのリンリンの目の前に差し出す。
「ちょっとちょっと、何なの」
高橋が間に入ろうとしたが、何も言わずジュンジュンが押し
退けた。よろけた高橋を道重が引き寄せて支える。
空いていた方の手で恐る恐るティースプーンに触れた。
普通に持つことが出来ている。
それを確認した後、ジュンジュンの目を見た。
少し見詰め合って、そして、スプーンを持つ手に力を込めた。
バチンッ!
「アイヤ!」
静電気のような衝撃を受けて、リンリンはスプーンを放り投げた。
宙に浮いたそれは瞬時に発火したがすぐに消え、焦げた状態で
床に落ちた……
リンリンの能力。
炎を生み出す力。
やって来た。
以前と同じように実験してみると、やはりリンリンは
たやすく炎を発現させた。
ただし、無から作り出すことはできない。
掌で握り締めることが出来る物質であること、が発現条件だ。
「バッチリデース!」
色々と試すうちにコツを掴んだリンリンが、また何かから
炎を作り出すのを見て、高橋は危惧した。
「リンリン」
「ハイ?」
「一つ約束して欲しい。その力は、絶対に人に向けちゃ駄目だよ」
「オー、わかっていマス。リンリンはこれ、マジックにして
皆に見せてお金貰いマス」
意外な答えだった。
あまりにも無邪気に火遊びしているようでいて、しっかりと
考えることは考えていたようだ。
「……そっか、ならいいや」
河川敷の橋の下で、ホームレスが住んでいたダンボールハウスが
何者かによって焼き払われた、という事件が起きた。
幸いそこに住んでいたホームレスは不在で、
燃やされたのはダンボールのみであるという。
朝刊に目を通した高橋の背筋に冷たいものが走った。
件の記事には『中高生の不良グループによる犯行か』とあった。
昨今、ホームレスを襲う中高生が増えているというから、
その可能性の方が高いはずなのだが、不安が拭えない。
リンリンはなかなか『読めない』相手だ。
これは、性格が掴みにくいという意味で、だ。
愛想が良く表情もコロコロ変わるのだが、日本語の受け答えも
まだまだ拙い部分が多い。
何にしても、この件に関しては聞かなくてはいけない。
どうか間違いでありますように、そう願った高橋はこの数時間後、
昨日マジックを披露して中学生たちからチップを貰ったのだ、
と嬉々として報告に来たリンリンを前に、絶句した。
まとめサイトのリンリン項が0だったから書きました
続きが気になる~
乙です
ただ・・・番外編に入っちゃうかもよこれw
っていうか番外編じゃないかな完全に
おもしろかったけどおもしろかっただけに
この辺マンガとかだと視覚的にわかりやすいんだけどな
別に変わってなくね
面白かった~
前半だけアップして後半は後ほどとかでもアリかな?
後ほどが明日になるかもしれんけど
反応によっては空気読んで後編書かないけど
話の整理におすすめ
最初は純粋にリンリンの書こうと思ったんだけど
これちょっと厳しいよねw
お任せします
>>152
きっかけは金属
コツを掴んだ後は握れる物なら何でもおk
のつもりだった
番外編は
・リゾナンターでない
・主役メンバーがいすぎて収拾がつかない
・こりゃどの分類に入れちゃうのも難しいなw
て感じの非常に緩い基準で成り立っております
この分類にしてねとかこの分類作ってねってどんどん言ってくださいね独断と偏見でやってるし
・・さゆみは夢を見ていた・・
翼が生え白くて大きい人型の物が 盾と矛を持ち黒い塊と戦いを
繰り広げている 黒い塊が飛び掛ってくる所で夢から覚める・・・
おかしな夢を見た事をリーダーに伝えるさゆみ
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「あなたは予知のチカラがあるから もしかしたら予知夢かもしれない
黒い塊はダークネス 大きい人型は我々の新しい兵器かもしれないわ!」とリーダー
それを聞いたメンバー達はさゆみの夢に大きな期待をよせる
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「予知夢だなんてロマンチック~♪ 憧れちゃいますぅ~☆」
メンバーにロマンと言われて誇らしげに照れるさゆみだった
ふと さゆみが窓の外を見る そこには・・・・
パンダ化したジュンジュンがタイヤと竹を武器に 黒猫とバナナを
奪い合うのを アヒル化したリンリンが止めに入っている所だった
次回かなしみ戦隊リゾナンター「浪漫~MY DEAR BOY~」
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「バウ!」ジュンジュンがボードに書かれた文字を見せる
『どしたアルか道重?そんなにガッカリした顔シテ??』
「バウ!」じゃねーよジュンジュンwww
予告もイイネー
これはまとめに入れなくても全然大丈夫ですから
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
愛ちゃん、決めたよ私。
もう決めたの。もう迷わないよ。
あのね…
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ガキさん?何やっとんの?」
「ちょ、ちょっとまだ見ないで!」
「え…あぁ。じゃ向こう行ってるわ」
そう言うと愛はカウンターの方に戻っていった。
里沙は一人部屋に篭って何か作業をしている。朝からずっとこんなかんじだ。
愛が話しかけても、切羽詰っているのか会話にならない。
「あれ、新垣さんどうしたんですか?」
「んー…あたしにもよく分からん」
学校が終わった光井が喫茶店に来て、新垣を見て言った。
分からない、と愛が言うと、光井は目を閉じて深呼吸を何度かした後にゆっくりと目を開けた。
光井はこれから起こるであろう「未来」を視たのだ。
「あぁ…なるほど」
「何?何が視えたん?」
「ちょっとこれは…言わん方が…」
「えー?何よ?気になるやんかぁ!」
「いや、言えないです、愛佳にはムリ!!」
結局何を視たのか言わなかった光井は、そのまま帰って行ってしまった。
愛は、自分に言えない未来などあるのかと、納得出来ないまま仕事をしていた。
里沙は相変わらず部屋から出てこない。
「ヒマやな…」
光井は先ほど帰ったし、他のメンバー達はそれぞれ学校やバイトをしている。
今喫茶店には愛と里沙しかいない。
しかし里沙に部屋を追い出されたので、愛は一人で店番をしている。
あと2時間もすればれいながバイトに来るのだが、それにしても暇だ。
「里沙ちゃん何コソコソしとんのやろ」
何をやっていても里沙の事を考えてしまう。光井の言葉も引っかかってしょうがない。
一体何が視えて、何が自分に起こるのだろうか。
だがいくら考えてもそれは未来の事だから、愛には分からない。
「愛ちゃん」
「…ぁ、里沙ちゃん…」
ようやく部屋から出てきた里沙は、カウンターの方へ向かい愛に声をかけた。
しかし愛はどこか疲れきったような顔をして里沙を見た。
「何?なんか元気ないじゃん」
「…里沙ちゃんが相手にしてくれんで、いじけとった」
「うえぇ?いじけないでよぉ」
里沙は手に持っていた何かを愛の手のひらに乗せると、にっこりと笑った。
「はい。愛ちゃんにあげる」
「え…」
「さっきまでそれ作ってたの。大変だったんだよ?」
「これ…」
「お守り。いつも愛ちゃんに守られてばっかりだったしね」
あたしのもあるんだよ、ほら。
そう言うと里沙は自分のを取り出した。真ん中には「R」と書いてある。
愛は自分が貰ったお守りを見ると、「A」と書いてあった。
「これ、イニシャルかぁ」
「そうだよ。大事にしてよねぇ」
「でも…どうしてお守り?」
「え?それ聞いちゃう?」
「聞いたらダメやの?」
「ダメじゃないけど…」
何か特別な理由でもあるのだろうか。里沙はなかなか言おうとしない。
愛は黙ったまま里沙の顔を見つめた。ただ単純に理由が知りたくて。
何度か里沙と目が合うと、里沙は観念したように口を開いた。
「愛ちゃんが、あたしを守ってくれる分、あたしも愛ちゃんの事守りたいから」
なんてゆーの?お守り作って力を貸して貰おうかなぁ、なんてね。
照れながら言う里沙の顔は真っ赤だったが、それを聞いた後の愛も同じように真っ赤だった。
「今までたくさん助けて貰ったしね」
「そんな…あたしだってそうだよ」
「だから、これからも宜しく。愛ちゃん」
「こちらこそ宜しく。里沙ちゃん」
お互い恥ずかしくて、なかなか目を合わせることが出来なかったが、それでも嬉しかった。
里沙に、そんな風に想われていたことが。
心のどこかで、里沙との距離を感じていたから。
「なるほど。これは恥ずかしいな…」
確かに光井には言えないはずだ。そういえばあの時の光井は少し顔が赤かったかもしれない。
「どーしたの?」
里沙が顔を覗きこんでくる。
さて、どうしたものか。言ってもいいのだろうか。
一瞬、怒られるイメージが頭に浮かんだが、言ってみなければ始まらない。
「あのさ、交換しない?そのお守り」
「え?」
「いや、あの…あたしは里沙ちゃんを守るから「R」のがいいな」
「じゃあ…あたしは「A」を持つってこと?」
「うん。守ってくれるんやろ?」
「ま、守るよ?」
「あたしも、里沙ちゃんのこと守るね」
あのね愛ちゃん。
あたし守りたいモノが見つかったんだよ。
あ、モノじゃないね、人だったね。
あたし、愛ちゃんを守りたいなぁ。守れるかな?
どこまで出来るか分かんないけど頑張るね。
もっともっと強くなったら、みんなの事も守れるかなぁ?
初めてだったの。こんなに素敵な仲間に出会えたのは。
無くしたくないって思ったのは、初めてだったから。
今すぐには全てを話す勇気は無いけど…でも、ちゃんと言うから。
だから…もう少しだけ、待っててね。
お目汚し申し訳ないです
十分関係あるんじゃない?このスレに
http://kissho.xii.jp/1/src/1jyou33906.jpg
おお!うまいな
でもなにこの壊れた集団w
それにしても漫画描ける人までいるのかこのスレ・・・すごいなあ
すげええええ
ウマイなーもっと書いてほしい
プロの漫画家じゃね?w
一応全編書けましたがだいぶ長い(14スレ分)のと文章チェックをしたいので
前半部分だけ上げさせてください
光井愛佳は、たった今まで見ていた悪夢を思い出しながら額の汗を拭った。
いや、“悪夢”で片付けられるならばどうということはない。
このまま忘れてしまえばいいだけだから。
だが、愛佳にとってこれはただの“悪夢”として片付けられるものではなかった。
何故ならば、それはこれから起こるべき“未来”の出来事だったから。
愛佳に幼いときから備わっているそのチカラは、長らく愛佳本人を苦しめてきた。
苦しみのあまり死ぬことすら考えるほどに。
だから愛佳にとってこの能力は、憎むべきものでしかなかった。
だが、今は違う。
「明日を知ってるのはあなただけ。自分で変えるんだよ」
リーダー・高橋愛のその言葉が愛佳を救ってくれたから。
“視え”た未来から目を背けるのではなく、向き合うことで明日も・・・それに自分も変えてゆくことができるのだと知ることができたから。
そして・・・
「愛佳ちゃんのそのチカラ、能力。未来予知という個性」
忌むべき存在でしかなかった能力を“個性”と表現し、能力に振り回されないように優しく指導してくれたサブリーダー・新垣里沙のおかげで。
「こんな私でも誰かを救えますか?」
その問いに対し、愛はもちろんだと即答した。
だが、里沙のおかげで随分制御できるようになった今も、正直自分には自信がない。
本当にこんな私に誰かを救うことなんてできるのだろうか。
ふと自問する瞬間が訪れることもあった。
昔に比べれば、随分前向きな懊悩ではあったけれど。
それは自らの死のビジョンだった。
「自分が死ぬとこなんて見るもんちゃうなあ・・・」
小さくつぶやきながら、愛佳はゆっくりと体を起こした。
頭の芯がまだ少し重い。
崩れ落ちるビルの瓦礫に埋まり、血を流して倒れている自分の姿が脳裏によみがえる。
視界がブラックアウトしていくときの恐怖の感情と共に。
死がこれほどに怖ろしいものだと知っていれば、きっとかつての自分も死を考えることなどなかったに違いない。
しかし、全身に冷や汗をかいてはいたが、愛佳はこの“予知夢”を必要以上に怖れてはいなかった。
これは不可避の未来ではないのだから―と。
自分の行動によって“未来”が変わる経験を、愛佳は何度かしていた。
今回だって、あのビル―廃墟となった町外れの幽霊ビルだったように思う―に行きさえしなければ、そして“未来”の中でとった行動をとらなければ自分が死ぬことはない。
そこまで考えて、愛佳はふと思った。
自分が変えた“未来”は一体どこへ行くのだろうと。
既に変えてしまったかつての“未来”はどこに消えたのだろうと。
自分には“未来”を取捨選択することができるのだ・・・と改めて気付き、愛佳は自らがまがい物の神のように思えて少し気分が悪くなった。
「ほんま最悪の朝やわ・・・」
深くため息をつくと、愛佳は汗で濡れた体をシャワーで洗い流すべくゆっくりと立ち上がった。
今日は喫茶リゾナントへも少し足は向けづらい。
愛は勝手に心を読んだりはしないだろうが、きっと自分の様子の違いに気がつくだろう。
おそらく里沙ならばもっと確実に。
2人や他の仲間に要らぬ心配をかけたくはなかった。
郊外にある自宅に向かう電車の中、愛佳は今朝感じた疑問についてまた考えていた。
自らが選ばなかった“未来”はどこに行くのか。
いや、そもそも“未来”はいくつもあるものなのだろうか。
本当に自分なんかが勝手に“未来”を選んでもいいのだろうか。
窓の外を流れる景色のように、次々と頭の中を流れていく疑問。
その答えは出るはずもないまま、やがて電車は愛佳の降りる駅のホームにすべり込んだ。
手にしたカバンを持ち直し、ホームに片足を下ろした瞬間“それ”は来た。
すっかり慣れたその感覚の中、愛佳はいつものように“未来”を視た。
そして、今朝の恐怖とはまた違った種類の恐怖に凍りつく。
「新垣さん・・・!?」
慌てて携帯電話を取り出すが、充電が切れていたことを思い出して唇を噛む。
話し相手がいなかった以前の愛佳にとって、一応持ってはいたが携帯電話などはずっと無用の品だった。
そのときの癖が抜けず、充電を忘れてしまうことは今でもしばしばだった。
だが、このときほどそれを後悔したことはない。
プルルルルル・・・
そのとき、発車を知らせるベルがホームに鳴り響き、愛佳は反射的にたった今降りたばかりの電車に飛び乗った。
2つ先の駅・・・あの幽霊ビルの最寄り駅へと向かうために。
駅の改札をくぐり、記憶の中にある幽霊ビルへと向かって走りながら愛佳はつぶやいた。
さっき“視え”たビジョン。
それは里沙が幽霊ビルに入っていく映像だった。
愛佳が瓦礫の下敷きとなって死ぬ“悪夢”の中のあの幽霊ビルに。
あんなところにどんな用事があるのかは分からない。
だが、そのままにしておけば里沙が死んでしまうかもしれない。
あの幽霊ビルが崩れ落ちるのは間違いない“未来”なのだから。
自分が勝手に“未来”を変えてもいいのかは分からない。
だけど、この“未来”だけは絶対に変えなければならない。
やがて“見え”てきたビルは、愛佳の目には死神が手招きしているように映った。
当然だ。
自分があそこで死ぬ様子をはっきりと“視た”のだから。
「大丈夫や。最後の行動さえ間違えへんかったら・・・」
自分にそう言い聞かせながら、愛佳は死神の下へと飛び込んだ。
恐怖はもちろんあったが、不思議と迷いはなかった。
薄暗さに一瞬目が慣れず、愛佳は立ち止まって瞬きをした。
徐々に慣れ始めた目に映る死神の棲み処。
だが、その視界に里沙の姿はない。
それほど広くない1階部分をざっと見て回るが、まったく気配はない。
(もしかしたらまだ来てはらへんのかも・・・)
一瞬そう思った愛佳は、それをすぐに打ち消した。
(ちゃう。私の“視た”ビジョンでは、新垣さんがこのビルに入ったとき、まだこんなに日は傾いてへんかった)
急速に落ちてゆく太陽を確かめながら愛佳は確信した。
新垣さんはもうこのビルの中にいる。
愛佳の視線が中央にあるコンクリート製の階段に移る。
次の瞬間、愛佳は迷わず階段を駆け上がっていた。
階下の物音を耳にした里沙は小さくつぶやいた。
新たな指令を伝えるからと突然呼び出されたこの廃墟のビル。
組織の誰が伝令役を務めるのかは聞かされていなかったが、誰が来ても気が重いことに変わりはない。
「・・・・・・?」
組織の人間が来たと緊張した里沙だったが、すぐに様子がおかしいことに気付いた。
ビルに入ってきた気配は1階を探し回っている。
組織の人間であれば、自分が最上階の5階にいるのはすでに承知のはず。
ではあれは何者・・・?
先ほどとは違う意味の緊張に体をこわばらせたとき、謎の気配が階段を駆け上がってくる音が聞こえた。
「新垣さん!おられたら返事をしてください!」
「・・・この声・・・愛佳!?どうして?」
それと同時に自分を呼ぶ聞き覚えのある声が廃墟に響き渡り、里沙は驚くとともに少しうろたえた。
どうして愛佳がここに?まさか予知?わたしが組織と会うことを?
いやそれはありえない。組織に関することは予知できないように暗示をかけてあるはず。
だけどだったらどうして?
思いがけない事態に一瞬混乱したが、里沙はすぐに我に返った。
どちらにしろこのままでは愛佳に見つかるのは時間の問題だ。
そのときに黙って待ち構えているのはあまりに不自然だ。
こちらからも声をかけなくては。
そう判断した里沙は、小さく息を吸い込んだ。
もったいぶって引っ張るほどの作品じゃないのですが・・・
そして寝ます
おやすみなさい
続き待ってるよー
…待ってます
おいらもゲーム化したいけど
それまでスレ残ってるか不安
才能集まりすぎだろ
まとめサイトの重さには自分でも困っているところです
自サイトを間借りしちゃえばサクサク行くのはわかってるんですが…
ありがとう
ご期待に添えるか分かりませんが今から上げさせていただきます
まとめサイトの中の人 なだ前半だけなのに入れていただいてありがとうございます
>>188-194の続きです
中野から帰ってくるまでにあげてくれるとうれしい
やはり新垣さんはこのビルの中にいた。
まだ姿は確認できなかったが、とりあえず間に合ったことに安堵する。
だが、本当に安堵できるのはこのビルの外に出たときだ。
“未来”の中の日の傾き具合と、「現在」のそれから判断して、おそらく残された時間はそれほど長くない。
「新垣さん!早くビルの外に!このビルはもうすぐ崩れます!」
愛佳は階上の里沙に向かって必死に叫んだ。
「このビルが!?」
どういうこと?
里沙の頭は再び混乱する。
だが、体は瞬間的に動いていた。
必死で叫ぶ愛佳の声にはそうさせる説得力と信頼感があった。
「新垣さん!急いでください!」
階段を下りてくる里沙の足音がスローモーションのようにもどかしい。
やがて、ようやく里沙の姿を確認した愛佳は、一瞬目を合わせて頷き合うとすぐに自らも1階に向かって走り出した。
何しろ“未来”の中で血を流していたのは自分なのだから・・・
一足先に愛佳が1階の床に降り立ち、後ろを振り返った瞬間それは起こった。
コンクリートが砕けて降り注ぐ様子―
里沙の短い悲鳴―
ほとんどそれらを同時に認識しながら、愛佳は行動していた。
“未来”の中で自分がしたバッドエンドへの行動そのものを。
“未来”の中で、愛佳は崩れかかる階段へと向かって引き返し、そして瓦礫の下敷きとなった。
それさえしなければ大丈夫だと愛佳は自分に言い聞かせていた。
だがその“未来”は、たった今「現在」になろうとしている。
(なんで自分が“未来”の中でこんな行動をとったんか、もうちょっと考えてみるべきやった。アホやなあ私)
今にも降り注がんとしていた瓦礫を、寸前で突き飛ばした里沙の代わりに自らの体に浴びながら、愛佳はそう思った。
全身が痛み、意識が遠のいていく。
だが、“未来”の中で感じた恐怖は不思議となかった。
あったのは、里沙の命を救えたことに対する安堵の思いだけだった。
「愛佳・・・どうして・・・」
おそらく愛佳には“視え”ていたのだ。
こうなることが。
それでも自らの危険を顧みずに、助けに来てくれた。
こんなわたしを・・・
自分が愛佳に刷り込んだ偽りの“信頼”
それはこの子にここまでさせるほどのものだったのか。
自分の能力の・・・そして自分の存在そのものの忌まわしさに、里沙は吐き気にも似た不快感を覚えた。
いいの?わたしはこのままで本当に・・・
答えは出ないまま、とにかく瓦礫を浴びて倒れている愛佳の傍にしゃがみ、傷の具合や呼吸の様子を調べる。
そこかしこから痛々しく血は流れているが、大きなケガはないようで、特に脈も呼吸も乱れてはいない。
(よかった。ひとまず命に別状はなさそう。でも・・・それにしてももし・・・)
安堵のため息をついた里沙は、ほんの少し離れたところ―ついさっきまで愛佳が立っていたところから2,3歩行ったところで山を作る巨大な瓦礫を見て改めて慄然とする。
もしも愛佳があそこで階段に戻らずに出口へそのまま向かっていたならば・・・
わたしは今頃どんな心境でここに立っていただろう。
敵が1人減ったことを喜んでいただろうか。
それとも・・・
だが、そこまで考えたとき、里沙の思索はその声によって遮られた。
聞き覚えのあるその声。
誰が来ても気が重い・・・そう思ってはいたけれど、その中でも最も会いたくない一人。
「あなたが・・・これを?」
声の方を振り返り、その長身を見上げるようにして里沙は訊ねた。
訊ねるまでもなかったが。
「そ。里沙ちゃんを利用させてもらって、そこの予知能力者さんに消えてもらおうと思ったんだけど」
あまり変わらない表情と妙な抑揚のしゃべり方は相変わらずだ。
元々里沙はそれらがどうしても好きになれなかった。
だが、今はそれよりも話の内容に言い知れない不快感を覚えた。
「・・・上からそんな命令が出たんですか?まだそこまでの警戒レベルには達していないと報告しておいたはずですが」
不快感をそのままに、里沙は挑むように長身の女を睨みつける。
「ふ~ん。言うようになったものね。・・・立場をわきまえた方がいいんじゃないの?里沙」
神経質に片方の眉をピクピクとさせながらそう言う女を見て、里沙は確信した。
これは組織としてではなく、個人的な行動なのだと。
「自分の他に予知能力者がいるのが気に入らないんですか?」
それも自分よりも優れた予知能力者がね・・・と、里沙は心の中で付け加えた。
ほとんど変わらない表情の中、片眉と口元だけが痙攣するように動くのは不気味だ。
やはりどうしたってこの人のことは好きになれそうにない。
そう思いながら里沙は言った。
「勘違いしないでください。わたしは組織に忠実に動いています。今、組織に逆らっているのはむしろあなたでしょう?このことも報告しますか?」
その言葉に、女の眉と口元の痙攣がピタリと止まる。
「あたしの予知は完璧。その子がそうやって死なずに済むのだってちゃんと予知してた」
突然矢継ぎ早に話し始めた女を、里沙は黙って見つめる。
「あたしはその子が死なないのを知ってた。運よくアンタを助けるため階段に引き返したことによってね。だからあたしは今朝その子に夢を見させた。
階段に引き返したら死ぬという嘘の予知夢を。テレパシーを使える部下を使ってね。簡単に騙されてたわねその子。低レベルな予知能力者ね、あたしとは違って。
自分の予知と他人の念波の区別もつかないんだから。挙句、そこまで手間をかけたのに結局引き返すんだからやってられないわ。思考レベルまで低すぎてついていけない。
あたしならあんな馬鹿げた行動は絶対にしない。でも結局その馬鹿な行動のおかげで助かったんだから馬鹿な自分にに感謝しないとね。で、結局あたしの予知通り。
あまりに完璧すぎるのよあたしの予知は。あたしは神よ。組織の他の誰よりも優れている。後から入ってきてえらそうにしているあんなやつらよりも」
最早、女の目は里沙を見ていない。
その瞬間、里沙は初めてこの女のことを少し気の毒に思った。
結局はこの人も孤独なのだろう。
自分と一緒で。
「神なんかとちゃう・・・」
自分の腕の中で、小さくそれでいて力強い声がして里沙は目を見開いた。
思わずそう声をかけた後、里沙は愕然とした。
愛佳はいつから目を覚ましていたのだろう。
自分の正体を知ってしまったのだろうか。
もしそうなら・・・自分のとるべき道は・・・?
「大丈夫・・・みたいです。絶対死んだと思ったのに・・・。それよりあの人は・・・あの人が新垣さんや高橋さんたちが戦ってる敵の?」
痛むのか、顔をしかめながら愛佳は里沙に訊ねる。
その言葉に芝居の色はなく、本当に今しがた目を覚ましたようであった。
安堵と罪悪感の入り混じった複雑な感情の中、里沙は黙って頷いた。
「何て言った?神じゃない?はっ。あんた程度のレベルじゃ分からないでしょうけどね。未来をも自由に選べるこの能力は神そのものじゃない。神だからこそ許されたチカラなのよ」
異世界と交信しているかのようだった女の視線が愛佳に移動する。
だが、愛佳はゆっくりと首を振った。
「ほんまの意味で未来なんて選べへん。きっと自分の意志で選んだと思った“未来”も、元々選ぶようにできてたってだけの話なんやと思う」
「は?何ワケの分かんないこと言ってんの?いくら低レベルのアンタだって未来を変えたことくらいあるでしょ?」
「うん。ある。“未来”は自分で変えられる。でも未来は一つ・・・ってことや」
「・・・話すだけ時間の無駄だったわ。レベルが低すぎてとてもじゃないけどついていけそうにない」
そう鼻で嗤うと、女は振り返りもせず立ち去った。
そう言いながら、慌てて携帯電話を取り出す里沙に向かい、愛佳は微笑んだ。
「新垣さん・・・ありがとうございます。新垣さんのおかげで私は自分の能力が・・・自分のことが好きになれそう」
「愛佳・・・」
そう言って再び意識を失った愛佳の重さを腕に感じながら、里沙は言葉をなくして固まっていた。
かつて感じたことのないほどの罪悪感に押しつぶされそうになって。
自らの能力と存在に、再び言い知れない不快感と嫌悪感が湧きあがるのを抑えきれずに。
“未来”は自分で変えられる。
でも未来は一つ。
さっきの愛佳の言葉が耳によみがえる。
私の向かう未来には一体何があるのだろう
私が進むべき道は本当にこれでいいのだろうか・・・
呼び出し音の鳴る携帯電話を耳に当てながら、里沙の心の一部は葛藤の淵へと沈んでいった。
お待たせするほどのものではなかったのですが・・・待っていただいていた方ありがとうございます
ちょっと中途半端な仕上がりになってしまった感もあります
愛佳の言葉の意味に関しては各自脳内補完をお願いします(無理言うなよ)
見ての通りそこら中から設定をいただいて書いたわけですが
特に>>56-67さんの作品に影響を受けました
勝手に台詞を引用したりしましたがご容赦のほどを・・・
キタノ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜从n・ 。.・)η从n` ロ´)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*キタッチャ
俺だったら単純に予知夢だったで終わらせちゃってたな
すごいよ
おもしろかったー!
しかしガキさん 。・゚・(ノД`)・゚・。
_ _ノ
\
│ ^^
^^
oノハヽo プカプカ
从*・ 。.・) <作者さんはまだなの
( "`U""U")
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
今さらでごめんけど
http://www.23ch.info/test/read.cgi/morningcoffee/1208587442
これの方が読みやすくないかな
すぐに貼ってあげたかったんだけどそんときアク禁でね・・・
多分自PCの2chブラウザにdatを取っておきたいんじゃないかな
かくいう自分も前スレ最後取り損ねたんでどなたかうp願えたらありがたい
DLKey blue
みっつぃの言葉の意味はそれぞれが考えればいいと思ふ
227解凍できんな
>>56ー67書いたものですがガキさんの行動には実は全て理由があって
新人の愛佳をできる限り守り、狙われるのを防ぐために、たいしたことない、すぐ潰す必要もない、とわざと報告して…(という裏設定)小話を用意してたんですがw
それすらもう必要ないくらい深い情景描写で…感動しました
リゾナントしてもらうのってむちゃくちゃ嬉しいもんだなぁ
http://img169.auctions.yahoo.co.jp/users/6/3/1/6/houenhaimu2000-img414x600-1209443546img971.jpg
http://img179.auctions.yahoo.co.jp/users/6/3/1/6/houenhaimu2000-img414x600-1209443556img972.jpg
http://img219.auctions.yahoo.co.jp/users/6/3/1/6/houenhaimu2000-img415x600-1209443566img974.jpg
http://img191.auctions.yahoo.co.jp/users/6/3/1/6/houenhaimu2000-img412x600-1209443576img975.jpg
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http://img249.auctions.yahoo.co.jp/users/6/3/1/6/houenhaimu2000-img412x600-1209443617img980.jpg
良かったですー
せめて着崩さないと
小春みたいに束ねないと
光井が俺より男前
皆さん読んでいただいてありがとう
今自分でもう一回読んだけど最後の方があまりにも分かりにくいですね・・・
ちょっと色々やろうとしすぎました
機会があれば補完するような話を書ければとも思います
・・・上手な人に書いてもらえれば言うことないのですが
>>230
あちゃーです
そんな裏設定があったとも気づかずに申し訳ない
このことが悩んでいたガキさんにとって一つの大きな転機に・・・みたいな思いで書いたのですが・・・
ともかくありがとうございました&ごめんなさい
http://mitsui321aika.maxs.jp/321/img/aika741.jpg
・・・・・・・・ヘンシン・・・・シマショウカ?
http://toromoni.mine.nu/up/files/data/18/toro18259.jpg
ホンマ、すんませんでした。
http://toromoni.mine.nu/up/files/data/17/toro17114.jpg
その笹って合成?w
それとも相手がみっつぃだからかw
絶対に負けないから!
絶対に負けないから!
めちゃくちゃ完成が楽しみなのですが
ストーリーをどういう風に当てはめていくのかな
ゲームをアップした者ですが続けてますよー
素材集めとか素材作りやってます。
ドット絵が描けないので四苦八苦してますがw
ある程度作ったらまたアップします。
おお!ありがとうございます!
やっぱり戦闘シーンなんかが多く描かれた方が作りやすいのでしょうか?
ともあれ応援しています
すごいスレですねここはほんと
http://ng2.or.tp/ReinaT/souce/ReinaT_4487.jpg
前作のヤツが開かなかった
http://ng2.or.tp/ReinaT/souce/ReinaT_4488.jpg
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
やっぱ漫画だと分かりやすくていいねw
面白い!
なんか年季入ってる感じの絵柄だよなこれ…w
プロの人だったりすんのか
http://toromoni.mine.nu/up/files/data/18/toro18673.gif
寝てろ・・・!
チョイスがいいなー
ダークネスが送り込んだ生物兵器により高速道路で大規模な事故が発生!!
メンバーがすぐに収集されるが 愛と里沙がいない しかたなく出動するメンバー
なんと2人は事故に巻き込まれ 車両内に閉じ込められ身動きが取れない!
愛の腕は敵の攻撃から里沙をかばい大量に出血 気を失っている
救出を試みるが敵の攻撃が激しい為 うまく近づく事が出来ない・・・
ttp://toromoni.mine.nu/up/files/data/17/toro17101.jpg
「味方ごと巻き込むなんて・・私も捨て駒・・・愛・・かばってくれたと言うの?」
「危ない!!」
突如爆風で飛んできた車の破片が愛を襲う!
里沙が起こした行動は・・・
病院の一室 横になって言葉を交わす女が2人 同じ腕に包帯を巻いている
ttp://toromoni.mine.nu/up/files/data/17/toro17097.jpg
「聞いたよ 代わりにガキさんがみんなの指揮を執ってくれたって」
ttp://toromoni.mine.nu/up/files/data/17/toro17101.jpg
「ねぇ 愛ちゃん聞いてほしいの・・・1匹のモグラがいてねそのモグラはある理由が
あって地上へは出られない・・でも地上からはたくさんの『愛』が降りそそいでいて
その『愛』が暖かすぎて下まで伝わってくるの! だからいつも土の中では
行ったり来たり いつか暗い土の中から這い出る事が出来るのかなぁ・・」
ttp://toromoni.mine.nu/up/files/data/17/toro17097.jpg
「今はいいんじゃないかな 地上でも地下でもさ」
「『愛』がちゃんと伝わっているなら・・・ガキさん」
次回かなしみ戦隊リゾナンター「愛あらばIT'S ALL RIGHT」
ttp://toromoni.mine.nu/up/files/data/17/toro17101.jpg
「うんっ」
そして病室は消灯の時間を迎えた
全米が泣いた
うまいなー
感動した乙です
・・・さゆじゃそんなに興味持たなさそうか
誰だったらこういうの好きだろうな
っていうかメンバーはどんな気持ちになるんだろうなこういうの読んだとしたらw
初めて載せるけど
待ってます
この話は教えたいが狼だけは見せたくないw
何もないとGwが退屈でしょうがない
じゃあまとめサイトだな
じゃあ早速w
「じゃあ、もういいよっ!!」
―バタンッ―
普段は絶対と言えるほどふにゃふにゃ笑っている絵里が、眉間にグッと皺を寄せて目つきも鋭くさせて、大きな声を出して喫茶店を飛び出して行った。
絵里が睨んでいた相手はさゆみだったのだ。どうやら2人は喧嘩をしてしまったらしい。
カウンターの中にいた愛も少々ビックリしたようだ。
「なん?・・・あんたら何したんよ?」
愛は2人の会話を全て聞いていたわけじゃないので話が分からないのだ。
「いえ、なんでもないです」
ちょっと不貞腐れた顔をしてさゆみが言う。
でもなんでもないわけないのでしつこく責めると、さゆみは1つため息をして話し始めた。
「愛ちゃんは心が読めるのに、ずるい。・・・でもそこが愛ちゃんらしいかも。あの、さっき絵里と話してたことなんですけどね」
「・・・うん」
「絵里の能力はさゆみがいないとただの危険じゃないですか」
「そう、やね・・・」
2人の間に変な空気が生まれる。愛は心を読んだつもりはないのに、これから先が見えそうな気がしたのだ。
「だから絵里にさゆみがいないときは戦っちゃダメって言ったんです。そしたら絵里は『みんなは1人でも立ち向かってるってのに絵里だけ1人じゃ何もできないみたい』って言ったんです」
黙って聞いている愛の眉間にも、さっき飛び出していった絵里と同じ皺ができているとさゆみは気付いた。
そこから視線を外し、目の前のオレンジジュースを見つめて話した。
「・・・そう言ったら絵里は『絵里はさゆがいないとダメだけど、さゆは誰と一緒に戦っても力になれるじゃん』って言った。そこらへんから絵里の様子が変だなーとは思っていたんですけど・・・」
黙ってさゆみの話を聞いていた愛は、アイスコーヒーを一気に飲み干してさゆみと目を合わせる。
「やから絵里は『1人でも戦えるーっ!』ってでかい声出したんやな」
「えっ!?・・・あぁ、心の声」
「そう、いきなりでビックリしたわ」
「説得できなくてすいませんでした」
謝るさゆみの顔はとっても悲しげで、目にはうっすら涙が光る。
愛は絵里がどこにいるのか全く見当も付かない。だって自分にはそんな能力がないのだから。
だったらその能力を持っている人間に聞けばいいじゃないか。
どうせ絵里には誰が電話してもきっと出ないだろうから。
「もしもし。あのさ、絵里の未来、見て欲しい」
「いいですよー」
一時間後、絵里以外のリゾナンダー達が街中を走り回っている。
愛佳が見えたものは真っ暗な倉庫で1人、血を流して倒れている絵里の姿が見えたのだった。
その倉庫らしき場所をみんなで探しているのだが、どうしても絵里が見つからない。
心臓病を患っている彼女のことだ、戦闘になるだけで身体に負担がかかる。その上絵里の能力を使うには自分の身体に傷を付けることだってしてしまうのだ。
1人で戦うことの危険性は戦闘向きでない愛やさゆみ、小春や愛佳と同じくらいなのだ。
きっとそのことが絵里を苦しめてしまったのだろう。さゆみと喧嘩をするずっと前から絵里は気付いていたのだろう。
でも立派な能力で、誰も絵里をお荷物だなんて思っちゃいない。
早く絵里を探し出さないと――
その先を考えて止めたさゆみは心の中で強く絵里と叫んだ。
「え、なん?あれ・・・」
れいなが指差す方向にオレンジ色の光が天に届きそうなほど高く昇り詰めている。
周りにいる一般人の様子から、リゾナンダーにしか見えていないようだ。
じゃあ、絵里はきっとそこにいる。
「みんなリゾナンカーに乗って!」
「「「「「了解っ!!」」」」」
愛がオレンジ色の光に向かって運転していると、助手席の里沙がふと呟いた。
「ねぇ、光が小さくなってない?」
「あ・・・本当だ。ヤ、ヤバい絵里!もうちょっとだから!」
着いた先の倉庫は愛佳が予知した倉庫そのもので間違いはなさそうだった。
扉を開けるとそこには、やはりぐったりとうつ伏せで倒れている絵里の姿が。
「絵里っ!!」
さゆみは誰よりも早く絵里の傍に駆け寄り、力を使ったのだった。
何者かに切られたような大きな切り傷もあっという間になくなり、呼吸も安定しているが目を覚まさない絵里。
「多分、出血が酷いようだからこのまま病院に連れていきましょう」
「そうだね。絵里には病気もあるし」
「敵はもういないみたいっちゃけん。早よ行こう」
病院のベッドではすやすや眠っている絵里。それを8人で見守っていると、さゆみが口を開いた。
「さっき、絵里って強く叫んだんです、心の中で。そしたらいきなり・・・あれって一体?」
「あれこそが共鳴そのものだよ、さゆ」
愛の言葉に優しさが篭っている。愛にはもしかしたら全部聞こえていたのかもしれない。
絵里を探しているときの不安や助けたいと思う気持ちが。愛が心を読もうとしてではなく、さゆみの気持ちが大きくなりすぎて愛に聞こえていたのかもしれない。
9人全員で共鳴できたら、きっとそれは虹色よりも綺麗な光が現れるのだろう。
愛佳にはまだ、その未来が見えていないのだけれど。
以上。下手っぴでゴメンよ
乙! 最後が特にいいな
9人が真に共鳴できる日は来るのか…
明日起きてからじっくり身まーす
▼通常版
http://jp.youtube.com/watch?v=JMPLNmJLFOY
▼H.264版
http://jp.youtube.com/watch?v=JMPLNmJLFOY&fmt=18
こんなに違うとは思わなんだ
早くサーバ増強してスタンダードにならんかな
メンバー達はお菓子を広げて、他愛も無い話に夢中になる。
みんな「オールしよう!」「眠りたくない!」と意気込んだが、一人、二人と眠りに落ちる。
うつ伏せ、仰向け、皆それぞれの姿勢で眠る。
道重さゆみと亀井絵里は、寄り添い手を取り合って。
久住小春は、真ん中を陣取って大の字に。
ジュンジュンはお腹を出して。
普段の大きな態度とは裏腹に、端の方で丸まって寝ている田中れいな。
新垣はその様子を、ひとり、愛おしげに眺めていた。
新垣は今夜、リゾナントを去る。
上から命令が来たのだ。「潜入調査を終了し組織に戻れ」と。
「組織に戻る前に、彼女達の記憶から新垣里沙という人物の記憶を消去せよ」とも。
正確には新垣里沙という人物の記憶を誰か別の人物に置き換えていく作業だ。
一人一人、丹念に自分に関する記憶を塗りつぶす。
すると突然、久住がムックリと上半身を起こし、新垣を見つめる。
「まずい、気付かれたか?」常人離れした久住の直感に……
久住は「アッ!……今日の笑点の演芸コーナー、また松旭斎スミエかよっ!がっかりだわ。奇術て……」と言ってバタリと倒れる。
(寝言か。小春だけは……)
記憶を消す作業はついに高橋を残すのみとなる。
新垣は、そっと心の中に忍び込む。
高橋は夢を見ていた。
夢の中で高橋は4歳の子供になって、一人で泣いていた。
感情の乱れは意識の覚醒に繋がる。
新垣は高橋が目を覚まさぬよう、夢に登場する。
「愛ちゃん、泣かないで」
「どこにいってたの、ガキさん?さがしてたんだよ」
「今日はね、愛ちゃんにお別れを言いに来たんだ」
「ガキさん、どこかに、いくの?」
「うん、まあね」
「つまんないなぁ……あっし、さびしいよ」
「大丈夫だよ、愛ちゃん。私の記憶はぜんぶ消して行くから、寂しいなんて感じないんだよ」
「じゃあさぁ、こんどガキさんに会っても、あっし、ガキさんの事、忘れちゃってるの?」
「うん。そうだよ」
「だったら、いま、言っておくね。あたしはタカハシアイです。おともだちに、なろうよ」高橋が小さな手を差し出す。
「……うん、お友達になろう」新垣は涙で声が詰まる。
心配そうに新垣を見上げている4歳の高橋愛が、何かを手にしっかりと握り締めている。
「愛ちゃん、何を持っているの?」涙を拭いて新垣が尋ねる。
「お守り。これを見たらガキさんのこと、思いだすように魔法をかけたの」
新垣は涙が溢れそうになるのを堪えて、4歳の高橋を抱きかかえる。
「さあ、もうお休みなさい」そう言って高橋の祖母に姿を変え、夢から去った。
さよなら、リゾナント。
夜が明ければ、リゾナントで過ごした新垣里沙は、もう存在しない。
さよなら、できそこないの天使達。
次に会う時は、互いの命を奪い合う敵となる。
さよなら、高橋愛……
新垣は高橋の携帯に付けられたお守りを外し、ポケットに入れると、皆が眠る部屋を出た。
すると、扉の外に久住が立っていた。
「ぅわぁあ」新垣は思わず声を上げる。
「ムニャ、ムニャ……何だって!歌丸が本当はマリオネットだったって?そういや、ピアノ線みたいの見えてたもんな」
(た、立ったまま寝てる。小春……こいつだけは……)
一階の店から高橋の呼ぶ声がする。「朝ごはん、でけたよ~」
カウンターに座るメンバー達。
トーストにスープ、オムレツとサラダが人数分用意してある。
一番端っこに座った、れいながトーストを頬張りながら、空席に用意された朝食を指して高橋に聞いた。
「これ、誰の分?」
「あら?あっし何やってんだろ?九人分、作っちゃった」高橋は不思議そうに、まだ湯気の立つオムレツを眺めた。
― リ ゾ ナ ン ダー 残 り 8 人 ―
川´・_o・)ソッカー
失礼いたしました
前に出てきた愛ちゃんが帰郷して祖母の墓参りするお話と
>>168->>174さんのお話にリゾナントして書かせていただきました
>>300
>>301えええええええ~、ですよね
スルーしていただければ幸いです
このままでガキさんが帰って来る話を誰かが書くと言うのもありだな
敵として戦うのもありだが
立ち去り方としてはかなり良いね
乙
ヲイヲイ急展開だよチョット
この後の展開をどうするかは次の作者さんに掛かってますな・・・
で、続きとか展開とかいってるやつは何なんだ
一本じゃないのがこのスレだろーが
夢の内容がなんかおっさんくさかったけどw
ガキこはの関係性もよくでてるし
ここから小春が半分起きてた件とかにつなげてもいいだろうね
朝から泣いた…あくびしてる振りして涙拭ったっつーの!
ガキさんが悲しくもカッコ良かったです!
小春は小春師匠の方かとオモタw
>>304>>306
別にリレー小説という訳ではないので
パラレルワールドのひとつとしての位置付けでもいいんだけど
外伝だね
スピンオフやね
おもろいやないの
すでにCD買ってる連中ばかりやろw
>>292
前スレより
562 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/04/23(水) 17:05:36.00 0
シングルV買ったわー
実はVの方は買うの初めて
でも今回の映像は全部手元にそろえたいよねどうしても
563 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/04/23(水) 17:13:38.32 O
俺なんかこのスレのせいで初めて娘。のシングル買ったw
Vも今日買いに行こうと思ってる
565 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/04/23(水) 17:22:02.58 0
俺も日曜になるが買う予定だ
ちなみに初めてVは買う
それこそ「導かれし娘。」くらいの規模の・・・
つながりそうな(リゾナントした)話を拾い上げてエピソード追加すればいいんじゃない
追加エピソードを書くのは君だw
待ってるよ
そうか前スレにいたか
個人サイトじゃないと無理だろね
短編を上手く繋げながらまとめる編集長みたいな人がいれば良いんじゃない?
そしたら短編も長編もパラレルもスピンオフも楽しめるやんw
その分幅は広がるけど
あまり他の人の設定に縛られると煮詰まって発狂しかねないw
ある戦いで目覚めた風を操る能力。
絵里は人目につかないところでこの能力をさらに発展させるために努力していた。
愛佳が言う光学迷彩とかいうのは理論すらまだ理解できないが。
それから、空気も操れるようになればさらに能力の幅が広がるだろうと彼女の弁。
例えば、敵の周りと上空の空気をぎゅっと固めて、補強して、
体感重力を変えてやれば動きを抑制、うまくいけば拘束にだって使える。
・・・愛佳の発する言葉は絵里にとって宇宙語に等しかった。
とにかく、まずは風を味方につけることだ。
(だってこれも特訓だもんね)
風が止むとばたばたとはためいていたパジャマと髪がすとんとその身体に馴染む。
髪を手櫛でとかすといつも通りサラサラと指の隙間から零れ落ちていく。
鏡に映る天使の輪は今日も光り輝いており、思わず満足げな笑みを浮かべた。
「うへへへ、おやすみなさーい」
他の話を書いていて煮詰まったから亀井の小話を。
正味30分で考えて書いたからいろいろ許してください
補足すると濡れた髪を乾かすのに能力を使う亀井絵里ということで・・・
おもろい
すごいカメっぽい
なぜか狩狩のたとえば君が亀井編を思い出した
ドライヤー代わりかww
自由だなあ
まぁいっかってw
・喫茶店(1F)兼住居(2F)
・リーダーと犬のふたり暮らし
ガキさんとジュンリンが不明
あとは自宅 てイメージ
2F住居スペースの、大きなリビングルームの隅には
天井近い高さのロフトに向かって真っ白な梯子が架かっている
その梯子の先が、田中れいなの愛しの我が家
お気に入りの紫色のファブリックに包まれながら
丸まって眠る姿はまるで子猫のお昼寝
「れいなー、ご飯できたよー」
「れいなーーー!ごはんやよーーーーー!」
「・・・あー、もうええわ」
飼い主の声にも、無反応でお昼寝
もうちょっとだけ、この時間を楽しみたい田中れいなでした
微笑ましい
難しいもんだね
短い話をいいでしょうか
8人は「海上の監獄」と呼ばれるその島に立っていた。
招かれざる客として手荒い歓迎を受けながら。
「――7秒後、右32°より高密度のエネルギー波。左65°より同じくエネルギー波飛来!」
目を閉じた愛佳が早口に言う。
「ワタシ右ネ」
「じゃ左は任せテください」
即座にジュンジュンとリンリンが愛佳の指す方向に向かって立ち、手をかざす。
予知どおり飛来したエネルギー波は、2人がそれぞれ発した力によって簡単に相殺された。
「――!5秒後、現地点にて大規模な爆発!」
「集まって!」
自分の周りに皆が集まったことを確認し、愛は能力を発動した。
次の瞬間、8人は離れた場所に立っていた。
直後に爆風がやってくる。
「――っ!!ジュンリン防御!!」
愛佳が叫んだその瞬間、強烈な真空波が8人を襲った。
瞬時に反応したジュンジュンとリンリンの防御壁によりダメージは軽減されたが、全員の全身から鮮血が吹き出る。
「さゆ!」
「了解!」
絵里の下にさゆみが駆け寄るのと同時に、絵里は能力を放ち全員の傷を全て自分に集める。
その傷が痛みを脳に伝えるよりも短いまさに刹那の瞬間に、さゆみの治癒の力はそれをすべてきれいに治していた。
第三者から見れば瞬時に全員の傷が消えたようにしか見えなかっただろう。
「約30m先に1人、その少し先に1人、反対側に2人・・・ともう1人」
そう言いながら、小春は自らの脳内のスクリーンに映るビジョンを現実の風景にそのまま貼り付けた。
幻覚の霧で覆われていた視界が嘘のようにクリアになる。
「行くよれいな」
「おうよ!」
愛とれいなの姿が消える。
視界に映った全ての敵が昏倒するのに要した時間は数秒だった。
「ぐ・・・バカな・・・こんな・・・」
れいなに胸ぐらをつかまれながら驚愕の表情を浮かべる“指揮官”に対し、愛は静かに言った。
「仲間を返してもらいにきたわ。私たちの大切な仲間―ガキさんを」
ガキさんに帰ってきてほしくてついやりました
つうかこう見ると強いなリゾナンター
…よかった
彼女らがどうやってガキさんのことを思い出したのか
何故ガキさんが「海上の監獄」にいるのか・・・
それは誰かが書いてくれるの待ちですw
って感じで誰か書いてw
リゾナンターから消えた里沙に関する記憶。
一つ余った朝食を片付けながら言いようのない喪失感に襲われていた愛は、店の入り口にあるものが落ちていることに気づく。
拾い上げた瞬間、愛の心に流れ込んでくるたくさんの声
―愛ちゃん、ごめんね―
―愛ちゃん、ありがとう―
―さよなら愛ちゃん、大好きだよ―
―いつか、またどこかでめぐり逢うことが出来たら…その時は…お友達になって下さい。愛ちゃん―
愛が拾ったもの―それは里沙が愛からこっそり奪っていったはずのお守りだった。
止めどなく流れ込んでくる優しい声。しかし愛にはそれが誰の声なのかわからない。けれども心はなぜか震え、愛の瞳からは次から次へと涙があふれ出ていた。
気づくとお守りを握り締め外へと飛び出していた愛は精神を研ぎ澄まし、沢山の人々の心の声の中で自分を呼ぶあの温かい声を探す。
―愛ちゃん―
ようやく探していた声を見つけ、走り出す愛。暗い路地で見つめ合う二人。
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「愛ちゃん…」
驚きと戸惑いの表情でつぶやく里沙のその一言に、愛の中のかけがえのない記憶たちが次々とよみがえっていく。
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「里沙ちゃん!」
全てを思い出し、駆け寄って里沙をぎゅっと抱きしめる愛。
もう離さないとばかりに力強く抱きしめる愛に戸惑いながらも、その温かさに涙がこみ上げてくる里沙。迷いがちに愛の背中へと伸びた里沙の手には、いつしか愛に負けないほどの力が入り、二人は強く抱きしめあった。
「帰ろう里沙ちゃん、みんなのとこに」
その選択はいつかみんなを傷つけることになる。そして自分も苦しみ続けることになる。そう思うと頷けない里沙。
そんな里沙に愛は優しく微笑みながら語りかけるのだった。
ttp://toromoni.mine.nu/up/files/data/17/toro17097.jpg
「またお泊まり会するで、今度は9人で一緒に飲もう」
「あっしが淹れたモーニングコーヒーを」
果たして里沙が下した決断は?
次回かなしみ戦隊リゾナンター「モーニングコーヒー」
ttp://toromoni.mine.nu/up/files/data/17/toro17101.jpg
(頷いても…いいのかな)
ついに里沙は決心した。
愛についていこうと―
お守りを生かしたのか
お見事
>>302に続き的な感じにしたかったんだけど
申し訳ない
失礼しました
すごいなあ
もうすぐで全曲網羅してしまうのが惜しい
あ そうかアルバム曲もあったw
喫茶リゾナント間取り図
http://hello.uh-oh.jp/cgi-bin/aaa/img/hell54377.gif
あれにはベッドもあったはずだけど
それにしても今回の次回予告は泣けた
何となく思い描いていたハッピーな展開のさらに上を行ってくれた
ごめん忘れてたw
水さんルームが休憩室ってことにしてくれw
川*´ー`)<あっしの唯一のリラックススペース…
凄いですねこのスレ
二階に住んでるんだね
高橋と田中が
そうとう広いな
リビング30畳くらいありそう
地下室キープしといてくれ(`ロ´;)
まってるね
>>352 >>353さんがモーニングコーヒーを使われましたが
自分のストーリー上最後に使いたいのでかぶってもいいですか?
・・・って思ったの俺だけ?
とりあえず もう最後まで予告は考えてあります
そうだったんですか
勝手に書いてしまい申し訳ないです
こっちのことは気にせず書いて下さい
本当に失礼しました
しかも長いしorz
できれば次は○○戦隊と変えてもらえると助かります すみません
里沙の話すごくいいですね 伝わってきます
大丈夫だよそういうスレだから
でもかぶってしまう切なさは分かるw
俺もそれがいやでついいつも自分の書いてるやつ予告してしまう
思い出せ
このスレのスタンスは何でも来いだ
いいからうpしちゃえよ
俺は書いた事無いけどw
でもガキさんの話多いから頃合いを見計らってるってゆう
待ってるよ!
上げちゃおうよ
風邪引いて会社早退したんですが寝過ぎて眠れずいろいろうpしました
で、お恥ずかしながら自サイト内にまとめサイトを置き換えました
かなりサックサクになってると思います
ttp://resonant.pockydiary.net/index.cgi
あと[MM。](モーニング娘。)分類を追加。いくつかはここに入るかなー
今までにあった作品でもここに入れるべきなものはあったはずですがちょっとそこまで追い切れませんでした
datも上げましたので簡易倉庫みたいな感じに出来ればと思います
乙です!!
…ていうかあなたがまとめの人だったんですかw
かつて自分は重い心臓病を患っていた まだ完全には完治していないのだけど
実は メンバーのチカラによって良くなってきているのではないんだ
絵里・・断ったんだ どうしても自分の生きる力を信じたかったからね
この病気と闘いたかったから!
努力・未来・前進・平和 病室でいつも一人だった前の私には
全部無理だと思っていた言葉
お医者様はなぜ病気が良くなってきているのか分からず 頭を傾げている・・でもね
うまく言えないけど今の私には分かるんだ なぜこの病気が良くなってきてるかって
私の答えを聞いたらお医者様はきっと笑うんだろうなぁ・・
ttp://toromoni.mine.nu/up/files/data/18/toro18252.jpg
「でも 言うね!」
次回かなしみ戦隊リゾナンター「そうだ!We're ALIVE」
ttp://toromoni.mine.nu/up/files/data/18/toro18253.jpg
「『そうだ! 私たちは いっしょに 生きている』だよ!!」
乙です
って言うか、お大事に
お。軽くなってるね
GJ!
「なんやの、スッキリせんなぁ…」
愛は喫茶店で一人呟いた。
最近、何かがおかしいのだ。何がおかしいのか分からないが、気持ちがスッキリしない。
何も変わっていないはずなのに、ポッカリと穴が開いている気分だ。
「んー。あかん、全然分からん」
あの日から自分に対して違和感を感じ、その理由をずっと考えているが、分からない。
いつもの自分ならこういう時どうしていただろうか。
「あ。相談すればいいんや。…え、でも誰に…?」
記憶上、田中や道重あたりに相談した事はない。
亀井や下の子達にも、勿論悩み等を打ち明けた事はないはずだ。
じゃ自分は今まで誰に相談事をしていたのだろうか。
自分は誰にも相談をした事が無い。否、それは違う。
間違いなく自分は過去に何度も「誰か」に相談をしている。
そしてその「誰か」に何度も助けられているはずだ。
それは一体誰なのか…
「なんで思い出せんのや。なんで…」
どうしても思い出せない。なぜここまで考えても分からないのか。
その程度の付き合いの人間だったのだろうか。
いや違う、それは絶対に違う。根拠はないが、それは違うと言い切れる。
なぜならそれは絶対に忘れちゃいけない人なんだと、本能が叫んでいる気がするから。
「あの夢を見てからやな…なんであんなに泣いてたんやろ」
あの日、目が覚めたら泣いていた。
夢の内容は覚えてないが、とても悲しい夢だった気がする。
そう言えば自分は、あの日から少し口数が減ったかもしれない。
小春も前よりイタズラをしなくなった。
前なら、怒られるためにわざとイタズラをしていたような子だったのに。
じゃあ、その小春を叱っていたのは誰だったんだろうか。
自分…ではない。道重か田中あたりだったろうか。
「…違う。…他にもう一人いるはずや…」
眉間に皺を寄せ、一人で考え込んでいると、光井が来た。
光井も何か考え事をしているのか、いつもの笑顔ではない。
「どうしたの光井、そんな顔して」
愛が聞くと、光井は愛の顔を見て少し考える素振りをしてから口を開いた。
「あの…愛佳の能力って、最初全然上手に使えなかったじゃないですか」
「あー、そうだったね。でも今は違うじゃん?」
「今みたいに使えるようになったのって……あぁ、あかん、分からへん」
「練習したんやなくて?」
「違うんです!練習はしたんですけど…なんか「誰か」にずっと教えて貰ってたような…」
「…もしかして、その「誰か」が思い出せんてこと?」
「そう、なんです…なんで忘れてしまったんやろ…」
光井の話を聞いた愛は、自分と光井が忘れている人は同一人物ではないかと思った。
はっきり言って、リゾナンター達の交流関係はさほど広くない。
みんな元々、孤独に苦しんでいた人達ばかりなのだから。
「あれ?高橋さん、お守りどうしたんですか?」
「お守り?」
光井がカウンターの端に置いてある愛の携帯を見て言った。
「お守りですよお守り。嬉しそうに付けてたじゃないですか」
「付けてた…?」
「付けてましたよ。…あれ、でも誰に貰ったんやったかな」
「ちょ、ちょっと待って!それ…それって…」
確かに自分はお守りを貰って、それをずっと携帯に付けてた。
その時とても嬉しかったのを覚えている。
確かそれは「誰か」も持っていて、お互いを守ると約束までしたはずだ。
そこまで覚えていてどうしてその「誰か」が思い出せないのか。
おかしい、おかしすぎる。
そこまで考えて愛はハッと気がついた。
―忘れているんじゃない、忘れさせられたんだ―
…でも一体誰が。何のために。
「うー…」
「ど、どうしたんですか高橋さん」
愛は思い出せないまま頭を抱えて唸りだした。
「誰か」の名前を言いたくてしょうがない。
いつも呼んでいたはずだし、自分も呼ばれていたはずだ。
――『はい。愛ちゃんにこれあげる』――
――『お守り。いつも愛ちゃんに守られてばっかりだったしね』――
――『愛ちゃんが、あたしを守ってくれる分、あたしも愛ちゃんの事守りたいから』――
「愛ちゃん!!」
「うわ!いきなり叫ばんといてくださいよ、びっくりしたー」
「ほや、いつも名前で呼ばれてたやんか…」
どんな辛い事があっても、その声を聞くだけで癒されてた。
自分には真似出来ない、とても優しい声。
2人きりの時には、自分も「誰か」の名前を呼んでいた気がする。
その名前は確か…
「お守りには「R」って書いてましたよね?」
「R…?」
「愛佳の予知では「A」やったんですけど…交換でもしたんですか?」
「交換…お守りを交換…」
そうだ、自分は確かに「誰か」とお守りを交換した。
イニシャルだから、お互いのを持とうと。お互いを守るために。
自分はあの時、一生を賭けて守ると心に決めたのだ。
何を犠牲にしても、絶対に守りぬくと。
――『あたしは、愛ちゃんを守るから、絶対に』――
――『そんなんあたしかって…ちゃんを守る』――
――『ほんとにぃ?それ、信じちゃうからね?』――
――『信じてええよ。あたしは…ちゃん信じてるから』――
「里沙ちゃん!里沙ちゃんや!!」
「へ?…あぁ!!そうや、それや!新垣さん!!」
「光井!急いで全員に集合かけて!里沙ちゃんが危ない!!」
「はいっ」
ごめんね里沙ちゃん。今助けに行くから。
何があっても守るって約束したのに…頼りないなぁ自分。
こんなんでほんとに里沙ちゃん守れるんやろうか。
いや、守る。絶対に守るんだ。
約束したし、里沙ちゃんと。
あぁ、そうか。記憶無くしてからの自分は、寂しかったんだな。
いくら記憶が無くなっても、その時の感情までは消せない。
忘れられる訳がないんだ、自分より大事なあの人を。
忘れるなんて、辛すぎる。
だからお願い、無事でいて。
もう一度あの場所でみんなと一緒に笑って過ごそう。
>>352-353があまりにも素晴らしかったので乗せるの迷ってた><
ちなみに自分は愛ガキを2つ書いてた者です…
どうぞこの話はスルーの方向でww
お目汚し申し訳ない
面白い!!
一気に読めちゃった
これもまた泣いた
よかった帰宅途中に携帯で読んでなくて
素晴らしい。・゚・(ノД`)・゚・。
これ>>344に続いても違和感ないよね
間に何か入れられそうだけど
_∠ _`__⌒Y ヽ _`ヽ- 、
/ _, -‐ '´ _ 、 `Y´ ̄`ヽ⌒ ヽ
イ , -┴<´ / / , ┴-、) _ `Y -、`ー、
/ | |/ / ヽ Y´ `ヽ ヽ ヽ
/ ヽ\, -‐-、l ( 、__ __ ヽ ート、 下、
/ ヽ\ ( ⌒X^ヽ ´ ̄` Y´ `く ト、 ハ Yハ
,′ ヽ i ⌒`ト、_ノ { (_ { Y } // ',
i | | ゝ ーイ ̄ ̄`ヽ、}ィ´ ̄`ヾ ノ :| | l
| | |_人 } } ┤ ⊥ | | |
| | | ` 「 / ー〈 _人 ノ_ l ゝ| | |
/ ⌒ヽ | | ( ヽ 」 ヽ 、| 厂´ 人__ | | l
′ ⌒ヽヽ ヽヽ } 厂`ゝ- i} ′ ´ ` // /
| { ,ヘL._ | |メ⌒ー~^ゝ_人 __ノ^ヽ_八--┴< | 丨
l ゝヽ不:::::::;下┤::::;ィ ⌒ヽ::ヽ:::::ヾ:::::i}:::/::::::/:;ィ ⌒ヽ:::ノ|| /
\ 、⊥ト、::゙ヽ:::\{ (●) }:{:::`ヽ::l::;勹{:::::/:::{ (●) }:::://
`ヽ、フヽ\::::\::ゝ___ノ::㍉::::::∨二ヽ/ヽ::ゝ___ノノl |
ヽ ヽ\:::\::\::::::`ヽY_/し⌒Jレ::/:::/::/,イ!
ヽ ヽ\_::::ト、`ー-ミ/( ○,:○)ヾ:::イ::// /
\ `ヽ. i:::::}::l>:ト,-'ニニヽ彳::/::l / /
\ | lー≦彡:::>ヾ二ン"ム::メ::::| |i /
>上ヒ二:::::ノラ「ミT爪戈>┴'′
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_/ `ー-、.∧::::ト、:::::/:::|:::':/:::ム,.-'" \ー-、
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,,..-‐'''"" ヾ ,.-''"| /――――、/
早く殺すのだ新垣よ
ためらうでない
http://ng2.or.tp/ReinaT/souce/ReinaT_4497.jpg
リゾナンター出撃!!! ttp://ng2.or.tp/ReinaT/souce/ReinaT_4387.jpg
次々と発進するメンバー達・・・ そして激闘の末 敵に勝利する
しかし 増援で対リゾナンター大型兵器出現!
敵大型兵器のアーマーは能力者のチカラを反射してしまう!
唯一の弱点は 攻撃時に開閉する真上のコアのみであった!
あまりにも狭いゴールネット ピンチに陥るリゾナンター
窮地を救ったのはリンリンだった!
リンリンがリーダーに作戦を伝える
①予知能力・念動力をフルに展開 敵の攻撃をできる限りメンバーが相殺
②リンリンの翼でジュンジュンを連れ 敵のコア真上へ 被弾した翼は回復で対処
③100%獣化したジュンジュンが コアへ渾身の1投を放つ!
今 リンリンの作戦にメンバーがシンクロする!!
次回かなしみ戦隊リゾナンター「Go Girl ~恋のヴィクトリー~」
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「リンリン 私のナイフ・・ ゴール届いたカ?」
ttp://toromoni.mine.nu/up/files/data/18/toro18262.jpg
「バッチリ! バッチリデーース!!」
光井の衣装って女に幸あれ?w
今度ジュンジュンも入れてください~
頭の中で予告光景がイメージできるわ
http://ex24.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1209561769/
ガキコハ編アップします。
時系列的にはちょっと前になります。
土曜日から書いていたら、まさかガキさんがいなくなるとは思わなかったので(^ー^;)
というわけでわたしは小春を喫茶リゾナントの地下にあるダンススタジオに呼び出した。
このスタジオは愛ちゃんが以前バレエのエクササイズ用に作ったものらしいけど、いまではわたしたちのトレーニングルームになっている。
「なにかご用ですか? 小春忙しいんですけど・・・」
小春は明らかに不機嫌な顔をしながらもわたしの呼び出しには応じてくれたらしい。
「あー、うん、ごめんね。説教とかじゃないんだ。
小春の能力、何って言ったっけ? えーっと・・・チャーム? うん、それそれ、
あれでちょっとわたしと・・・対決してもらえないかな?と。
ほら、どんな技なのか知っておけばいざ戦闘になったとき援護できるんじゃないかなって・・・」
なんか自分で聞いてても苦しい言い訳だ。
わたしこんなんで本当にスパイやっていけるのかなってときどき思う。
「本当にいいんですか?」
わたしの不安をよそに小春はわたしの適当な言い訳をあまり気にしていないようだ。
せっかくやる気になってくれてるのに、ここでまた気が変わっても困る。
「いいよいいよー。本気でやっちゃってね。わたしだって結構強いんですからね」
なんておちゃらけていると、小春がジャケットのポケットから何かを取り出そうとしているので、わたしはとっさに身構えた。
ん、小春の横顔、笑ってる? なんか鼻で笑われた感じがしてヤだな。
すっと伸ばされる右腕。わたしは一歩下がってさらにガードを固める。
だが開いた手の中から落ちてきたのは鈴。
短い紐にぶら下がった鈴が音を立てる。
り───ん♪
ちょっと視線をずらすと鈴の向こう側にわたしをじっと見つめる小春の顔があった。
吸い込まれそうなほど大きくて真っ黒な瞳がわたしを射貫く。
このあといったいどんな攻撃が襲ってくるのかドキドキしながら待っていたが一向に動く気配がない。
「はい、おしまいです」
わたしの期待を裏切るような言葉とともに小春は鈴をポケットにしまい帰り支度を始めた。
「ええっ!? ちょっと待ってよ、小春!」
状況が理解できないわたしは肩すかしを食らった憤りを露わにして出口へ向かう小春に詰め寄る。
だがわたしが小春の肩に手を掛けた瞬間、状況が一変した。
突然強風に襲われわたしは顔を伏せる。
地下室に突風? そんなバカな。
わたしが恐る恐る目を開くと信じられない光景がそこにあった。
「崖? そんなはず・・・ない」
荒れ狂う海にせり出した細長い崖。
数十メートルはあろうかと思われる断崖絶壁の先端にわたしと小春が立っていた。
「さようなら」
小春がそうつぶやくとわたしの肩を軽く押し出す。
無意識にバランスを取ろうとしてわたしの足が一歩後ろに下がったけれど、そこに地面は無かった。
残った足もカクンと膝が折れ、そのまま背中から海に放り出される
宙に浮く感覚に、全身に鳥肌が立つ
─ 違う! これは幻覚だ! ─
わたしは必死に幻覚を振り払おうとした。
ズボッ!
わたしが落ちたところは数十メートル下にある荒れ狂った海の中ではなかった。
感覚では数メートルも落ちていない。
しかも衝撃を吸収するかのように柔らかく何かに包み込まれる。
わたしはゆっくり立ち上がって周りを見渡した。
少なくとも溺れる心配はない。
だってここは見渡す限りの大雪原だったから。
─ これが幻覚? ─
わたしは自分が見ている世界が信じられなかった。
いやこれは幻覚のはずなんだから信じてはいけないのだけど、どう見ても本物にしか見えない。
果てしなく続く雪景色、そしてこの冷たい雪。
寒い。吹雪が全身を打ち付ける。
わたしは両腕で自分の身体を抱きしめた。
─ どうしたらここから抜け出せる? ─
サクッ
背後から聞こえる足音にわたしは振り向く。
そこには寒さなど全く感じていない小春が立っていた。
わたしは迷う前に能力を解放する。
小春の精神を乗っ取り術を解除しなければ凍死してしまいそうだ。
だがわたしの能力は小春の心を捕らえることは出来なかった。
しかも小春の背後、さっきまでなにもなかった場所に巨大な山がそびえ立っている。
そこから地響きが聞こえ雪煙が猛スピードで迫ってきた。
雪崩だ!
次の瞬間、わたしは雪の波に飲み込まれた。
目を覚ますと闇に包まれていた。
身体に痛みは感じないものの手足がやけに重い。
自分の身体が埋まっていることに気付いた。
力を込めてもがくと少しずつ手足が自由になっていくのがわかる。
そんなに深くはなかったらしい。
最後の力を振り絞って身体を起こすとわたしは呆れ果ててしまった。
─ 砂 ─
先ほどから感じていた違和感。
わたしは雪に埋まってたわけではない。
その証拠に今は全然寒くない。むしろ暑い、いや熱い。
今度は砂漠の真っ只中だった。
「はぁ? もうどうにでもしてよ」
半ば負けを認めるような独り言を吐いてみたものの、状況は全く変わらなかった。
焼け付くような日射しと、まるで鉄板焼きの上にいるかのように熱い砂。
わたしはせめて日陰を求めて歩くことにした。
何時間歩いただろうか?
景色は全く変わらず草の一本も見あたらず、太陽がジリジリと肌を焼く。
のどは渇き意識が朦朧としてきた。
そして小さな砂の丘を越えた先にそれはあった。
青々と茂った木々と豊かな水を蓄えたオアシス。
わたしが走り出そうと地面を蹴った瞬間、足下を砂にすくわれ激しく転倒する。
柔らかい砂地はわたしの手足を飲み込み再び立ち上がることが出来ない。
身体はどんどん飲み込まれ、最後は全身が砂に埋まってしまった。
落ちる。
真っ暗な闇の中を果てしなく落ちていく。
いや、もしかしたら昇っているのかもしれない。
既に上下感覚がなくなっていた。
しかも全身の激痛と疲労で動くこともままならない。
─ わたしこのまま死んじゃうのかな? ─
薄れゆく意識の中に過去の思い出が走馬燈のように蘇る。
生まれた家、優しくしてくれたばばちゃん、パパ、ママ、生意気な妹
憧れていた安倍さん、組織、リゾナンター
そして親友の愛ちゃん
そのとき愛ちゃんの声が頭の中に共鳴した。
『なんや、こんなことで挫けるなんてガキさんらしくないやよー』
─ そうだ、こんなところで死んでたまるか! ─
わたしは意識を取り戻すと、ここから出る方法を考えてみた。
やっぱり目を覚ますには痛い思いをさせるのがベストよね。
すでに身体中が痛いけどそれを超える痛みを与えてやればもしかして・・・
なにか道具は?
髪をまとめているヘアピンを外すと、お団子だった髪が解けて風になびく。
わたしはピンを握りしめ太ももに力一杯刺した。
痛 ── っ!
全身に更なる激痛が走った!
それと同時にわたしの意識が外に吸い出される感覚を感じた。
光が戻り全身に重力がのし掛かる。
太ももの痛みに耐えきれずわたしは床に手をついた。
床? これはスタジオの床、わたしは顔を上げスタジオに戻ってきたことを確認する。
─ 帰ってきた! ─
傷は太ももの1カ所だけ。
髪は解けているけど他に傷も汚れも無い。
わたしは小春の幻術を破ることができた。ここからはわたしの攻撃の時間。
今度はわたしの洗脳の能力で小春をこてんぱんにしてやるんだから!
小春を見つけるとすぐさま精神を乗っ取った。
つもりだった。
しかしまるで雲を掴もうとしているかのように、わたしの能力は小春の心を空振りする。
─ なんで? ─
何度も試みるがまったく成功しなかった。
能力が使えない状況がわたしを不安にさせる。
二人が睨み合う形となった。
今度はあの鈴に注意しなければいけない。
だが緊張する二人の間に割ってはいるようにリゾナンターの仲間たちが現れた。
「あ、みんな」
応援に来てくれたものだと思ったが、そんなはずはない。
そもそもここに小春と二人でいることすら誰にも話していないのだ。
だがみんなの反応はわたしの想像をはるかに超えるものとなる。
「ガキさんがスパイやったとはね」
「絵里ガキさんのこと見損ないました」
「さゆみの方がカワイイって報告してください」
「新垣さんがそんなことしてたなんて・・・」
「ソッカー」
「ザンネンデース」
みんながわたしのことを罵り続ける。
─ 嘘っ! わたしの正体がバレてる! なんで!? ─
スタジオの端っこにいる小春を見ると不敵な笑みを浮かべて立っていた。
状況が把握できない。
術にかかってる間に心を読まれたのだろうか?
それとも無意識に自白させられてしまったのか・・・
なんとか取り繕わなければいけないと思いつつも頭がグルグル回って考えがまとまらない。
とりあえず立ち上がると愛ちゃんがわたしの前に立ちはだかった。
「愛ちゃ・・・」
愛ちゃんの顔は涙でくしゃくしゃになっている。
わたしは次に発する言葉が見つからない。
「ガキさんが裏切り者だったなんて。ずっと信じてたあたしがバカだったわ。
本当ならここで始末しなければいけないところだけど、元親友のよしみってやつ?
今日のところは見逃してあげるからさっさと組織のところに帰って!
もう、ガキさんとは絶交やよ!!」
言葉の刃がわたしの心に突き刺さった。
決して起こってはいけないことが起きてしまった。
絶対に聞きたくない言葉を耳にしてしまった。
心は砕け、わたしはふたたび床にぺたんとしゃがみ込んでしまう。
身体にぽっかり穴が空いて虚しさだけが広がっていく。
頭の上でみんなが汚い言葉を使って罵ってるみたいだけど、
耳鳴りが激しくてなにを言ってるのかさっぱりわからない。
「止めて、もう聞きたくない!」
わたしは頭を抱えてうずくまる。
もうこのまま消えてなくなりたい。
そのとき耳元で、ぱん! と手を叩く音が聞こえた。
・・・
・・・・・・
長い夢から醒めたように目が開く。
そこには愛ちゃんも他のメンバーの姿は見あたらなかった。
太ももの傷もなく、頭のお団子もそのままだ。
「・・・え?」
次の瞬間、全身から汗が噴き出し、膝が震え、床に崩れ落ちる。
そう、わたしはうずくまっていたはずなのに、いつの間にかまた立っていたことになる。
「さすが新垣さんですね。あそこまで抵抗できた人はいませんよ。
だいたいその前に発狂するか、ショック死しちゃうんです」
小春の冷たい声がわたしの頭を現実に引き戻す。
解る、ここは紛れもない現実だ。
「あ、あんた、いったい何をしたの?」
わたしは震える声で小春を問い詰めた。
「小春がやったのはちょこっとだけ、最初に恐怖心を植え付けて煽ってあげるんです。
あとは術をかけられた人が自分の深層意識にある恐怖を勝手に引き出してくれるの。
抵抗すればするほど深みにはまっちゃうんで、抜けられる人はまずいません。
もっとも、新垣さんを殺しちゃったら高橋さんに怒られちゃいますからね。
途中で術を解きましたけど・・・」
一呼吸の間を置いて小春が訊いてきた。
「何が見えたんですか?」
思い出したくない。
覚えていても言えるわけない、あんなこと。
わたしは何も答えることが出来ず小春から目をそらす。
もっとも小春も答えを期待してた訳ではなさそうだ。
「お先に」
小春はバッグを肩に提げると振り返りもせずスタジオを後にした。
スタジオの扉から顔だけ覗かせると、それだけを言って再びいなくなる。
一人きりのスタジオにわたしは大の字になった。
ものすごい疲労感。
わたしは静かに呼吸を整える。
その静寂を破るような甲高い声がスタジオに響いた。
「あれー? ガキさんけぇ。鍵閉めようと思ったら明かりが漏れてるから誰が使ってるのかなーと思ってぇ。
そんなに汗びっしょりになるまでトレーニングするなんてさすがやなー」
愛ちゃんの声。
それにつられてわたしの脳裏に先ほどの記憶が鮮明に蘇る。
悲しくなって目から涙が溢れてくる。
それは溢れても溢れても止めどもなく出てきた。
「なにも泣くほど特訓せんかてガキさんは強いってば。ほら上で一緒にお風呂入ろ」
頭の上に立つ愛ちゃんが呆れた顔をしてわたしの腕を引っ張った。
わたしは肯きながら考えた。
いつか本当にあんな日が来るのかも知れない。
そのときわたしはどうしたらいいんだろう、と。
以上です
あまり救われる話しではありません
ガキさん完敗でした
この能力は最強レベルだ
初めてリアルタイムで読んだけどすげーどきどきしちゃった
上手いね
再戦を希望したいのう
むしろマインドコントローラーの能力っぽいねこれ
無限地獄ですねー
って言うか書き方上手いわ
乙でした
いやはや…なんか読んでてガキさんに感情移入してしまった
小春怖いな もしかしてガキさんに何らかの疑いを持ってたりするのかな?
あれってこんな怖い能力だったの?w
ノノハヽo∈
从*` ロ´)<ないない
ヾ=シ )
し--J
なんだろう感情の増幅なのかな
それ口にしたら多分殺されてたなw
読みながら理解するってことに慣れてないから大変
チャームというのとは違うかもね
このスレにいれば「3行にまとめろ」とか言わなくて済むようになるよきっと
よかったね
というわけで地下室にダンススタジオを追加してください
みなさま、感想ありがとうございます。
次回作への励みとなります(≧▽≦)
>>448
一番近いのは催眠術ですかね。
催眠だと違和感があるんだよねえ
これは催眠シリーズとか千里眼シリーズ読んでる身としては何だけどね
作者さんには激しくGJと言いたい
作者さん達みんなにリゾナントしてしまった
愛ガキ編なんで読み飽きたかも知れないけど
懐の深い読者さんが多そうだから気にせずうpしてみるわ
でもこれはこれですげー面白いからGJ
てか、娘。はみんなオツム弱いかw
愛が経営している喫茶店「リゾナント」から自宅マンションへの電車内
ケータイメールの宛て先は組織
自宅マンションに帰ってからパソコンで打った方がいいのかも知れない
しかし組織のスパイである里沙にとってはリゾナンターの情報を
より早く正確に報告するにはケータイメールが手っ取り早かった
報告書は毎日書いている
彼女たちの日常から能力者としての成長をウォッチすることが任務だからだ
おかげで里沙はケータイメールの早打ちが特技となっていた
「これも能力のうちに入るのかもね」
流れていく景色を眺めながら里沙は自嘲気味に笑った
もちろん報告にはすべて隠語が用いられている
書きかけの文章を偶然メンバーに読まれても
実家の家族へのメールにしか読めないようにできている
それでも安全のために送信した報告メールは即刻メモリから削除する
いつもこのタイミングで組織からの返事が返ってくる
本文は毎日同じ3文字だ
「ご苦労」
最近は開封すらせずに受信メールを削除する
里沙はフッと短いため息を吐いた
もっとも他の乗客がため息に気付いたわけではない
そして里沙自身も自分がため息を吐いたとは気付いていない
酔い客も多い深夜に差し掛かったこの時間の車内には
そんなため息は珍しくもなかった
里沙はこの疲れた車内に完全に同化していた
運転手にマンションまでの道を教えるともう一通のメールの返事を待った
里沙は電車内で組織への報告書の他に
「リゾナント」店長で彼女たちのリーダーでもある愛にメールを送っていた
里沙のもう一つの顔であるリゾナンターのサブリーダーとして
愛佳とジュンジュン・リンリンの指導方針について愛に相談した内容だ
この愛へのメールも日課と化していた
リゾナンターを信用させるためのいわば「演技」だったのだが
いつの間にか愛が想像以上に信頼していた
「私は毎日来ているんだからそのとき聞けばいいでしょうがぁ?」
いつだったか里沙が冗談交じりに愛に尋ねたこともあった
その時の愛の反応が彼女の個性を如実に表していた
「ガキさんは優しいからみんながいる前ではあっしに注意できないでしょ?
だからメールでいいから注意して!
あっしはアットホームなグループを目指しているけど
ガキさんにはガキさんなりのグループ像があるわけだし
だからちゃんと注意すべきところは指摘してよ
頼りにしているんだからねサブリーダー!」
その後に
「でもあっしにも譲れないところはあるからね!」
と言って屈託なく笑った愛の顔は今でも目に焼きついていた
『頼りにしている』
愛はテレパス能力を持っている割りに無神経な言動が目立つと里沙は思っていた
だが不意にみんなの心に響く言葉を放つことが多いことも事実だった
数日後
「あれえ、ガキさん凄く眠そうですよぉ。やっぱり春ですもんねえ」
亀が嬉しそうに近づいてくる。
わたしが欠伸してるところを最悪なやつに見られてしまった。
「うるさい、わたしは亀みたいにポケポケして眠い訳じゃないの! ちょっと眠れないだけよ」
わたしはシッシッと手で亀を追っ払っているのに、亀は構わずわたしの横に座った。
「眠れないんですかぁ? ちゃんと眠らないとダメですよぉ。
絵里なんか病院のベッドで一日中寝てても寝足りないんですからぁ。
そうだ、ちゃんと眠れるように絵里が・・・」
亀の言葉が子守歌のように聞こえてくる。
決して眠れないわけではないのだ。ただ・・・
「うおっ!」
びっくりして思わず立ち上がってしまう。
椅子とテーブルが激しく音を立て、テーブルの上にあった紅茶が零れた。
ただ夢を見るのだ。
少しでも居眠りをするとあのときの幻覚がいつまで経っても悪夢になって現れる。
現実感を伴った悪夢はわたしの睡眠を酷く妨害するので慢性的な睡眠不足に陥っていた。
ふと横を見ると、ものすごい形相で驚いている亀ちゃんがいた。
余談です
ごめん、割り込んじゃった
その日から里沙は自問自答しては答えの出ない日々をすごしていた
毎日の報告書に注文がついていないことを考えると
組織が報告書に不満を持っているとは考えにくい
しかし頼りにされているかどうかは話が別だ
「ご苦労」の3文字からそれを推し量ることはできない
里沙はいつの頃からか愛からの返事を心待ちにしている自分に気付き
その心に自ら鍵をかけた
「私は組織の人間」
「裏切り者には粛清あるべし」
タクシーの中で呪文のように心の中で繰り返す
愛からの返事を待つ自分を律するように
そのとき不意にケータイが震えた
愛からのメールだった
2つの言葉をもう一度つぶやきながら開封した
その内容は…
「おう」
たった2文字だった
里沙は思わず声に出して笑ってしまった
運転手に不審に思われても構うものか
否 むしろ一緒に私のバカさ加減を笑って欲しい
待ちわびていた返事が 開封せずに削除したもの以下だったとは!
そう これは本当に怒っているんじゃない 演技なんだ
メンバーとして友達としては怒らなくてはいけないんだ
これは演技 これは仕事 これは演技 これは仕事
なぜか目に涙がたまってきてボタンが押しづらい
私の演技も真に入っているわね ここまで役にはまり込むなんて
里沙は1分で愛へのメールを打った
「私の話をちゃんと聞いているの?」「『おう』って一体なんなのよ!」
くらいまでは冷静に打ったが 途中から愛に向けての罵詈雑言の嵐になった
それでも里沙は自分の本当の心には気付かなかった… 気付けなかった
すぐに愛から返事がきた さすがの愛も狼狽したらしい
里沙はすでに2つの言葉を唱えることも忘れ すぐに開封した
そこには 人が走っている絵文字たった1つが存在していた…
「あ すいませ~んここで降ります」
マンションから少し離れたところで里沙が運転手に告げた
「え? まだ少しありますよ? 夜道だし…」
「いえ ここでいいんです ありがとうございます」
落ち着くためにはまだ少し寒い外気に触れた方がいいと判断したのだ
あの絵文字は「里沙ちゃんに怒られた 逃げろ!」という意味なのだろう
里沙の機種では絵文字にアニメーション効果がついていて
愛が笑いながら逃げているさまが簡単に想像できた
こっちが真剣に怒っているのに なぜ軽口がたたけるんだろう?
『真剣に』?
この日何度目かのため息をフッと吐いた
組織からは読むまでもない「ご苦労」の3文字
愛からは「おう」と絵文字の合計3文字
里沙は自分の仕事はどちらもメール3文字分かと思うと笑えてきた
「小春のような性格だったらね~」とつぶやいた自分に里沙は驚いた
「あれ? なんで『小春』って…
ここは『リゾナント』じゃないんだから『久住』か『レッド』でしょうが
っていうか独り言にまで登場しないでよね」
一人突っ込み一人ボケの切れも悪くなっているようだ
そのとき里沙は急に前方に人の気配を感じた
考え事をしていたとはいえスパイに気配を直前まで気取られないとは…
里沙は表情を隠し立ち止まって街灯が逆光になっている人影に尋ねた
http://toromoni.mine.nu/up/files/data/17/toro17101.jpg
「誰?」
かえってきた声は数十分前まで一緒に「リゾナント」にいたその人だった
「え って愛ちゃん?」
近寄ると確かに愛だった 額には玉のような汗をかいている
体力の消耗が激しいためにめったなことでは出さない愛の能力…
テレポーテーションを使ったようだった
「能力を使ったのね? ここまで何キロあると思っているの…」
東京と横浜の距離を考え 里沙は絶句した
ここまでの能力は愛にはないはずだった
考えられるとすれば愛の能力が自分に共鳴したということだが…
『共鳴』?
不意に前に倒れそうになった愛を里沙が受け止めた
「え な 何してんのアンタ!」
「何って 里沙ちゃんに謝りにきたんやよ」
「『里沙ちゃんに謝りにきたんやよ』じゃないでしょアンタ!」
「里沙ちゃん あっしそんなに訛ってないがし」
「十分訛ってるじゃない」
「もうそれはええがし メールで『今から行くよ』って書いたでしょ?」
里沙は愛が何を言っているのか瞬時にはわからなかったが
ハッとしてケータイをポケットから取り出し 例の絵文字のメールを愛に見せた
「もしかしてこれのこと?」
「うん そうやよ」愛は屈託なく微笑む
「あ…」
「こんなの普通 伝わんないから! 伝わんないからぁぁぁぁぁぁ!」
「あれ? この絵文字おかしいかな?
あっ 里沙ちゃ~ん そんな涙流して笑うことないやろ~
もう 里沙ちゃ~ん!」
里沙はようやく気付いた
リゾナンターにシンパシーを感じている自分を
リゾナンターに信頼されている自分を
やっぱりテレパス能力を使わない愛は常人よりも人の心が読めないことを
そして…
嬉しくて流す涙はいつまでも止まらないことを
「じゃあ私の部屋で一晩中 リゾナンターのあるべき姿について語ってあげよう!」
「お願いします塾長! 頼りにしてるよ
でも能力使って疲れちゃったから途中で寝ちゃうかも」
「ダメ! 寝かせませ~ん!」
「じゃあ明日はあっしの趣味の部屋で一晩中水さんの魅力を…」
「ってコラーッ! 話すり替えない」
「…愛ちゃん」
「ん?」
「私も信頼しているからね 愛ちゃんもみんなも」
「そんなことわかってるがし 心を読むまでもないことやろ」
「そうだね そうだよね」
今日のこのことは組織には報告しないでおこう
そう里沙は決心した
「ご苦労」のたった3文字で終わらせられるような そんな軽いものではない
里沙は自分がリゾナンターであることを今日ほど誇りに思ったことはない
以上です お目汚し失礼
なんかガキさんが組織を裏切る明確な切っ掛けが欲しかったもんで…
ハーーーーーーーーーーーーーーーン!
いいよいいよ!
このスレは才能の塊だな
>>458
知識は無いがオツムは弱くはないぞ!
とマジヲタらしく反応しとく
いいよいいよ~おもしろすぎるよ
ありがとー
リアルのエピソードを盛り込んでこれだけの話が書けるのがすごいな
つーか泣いた
リゾナントオレンジ&リゾナントブルー参上!
処女作で褒められるとまた書きたくなるからほどほどにw
>>473
リアルとわかってくれるだけで嬉しいです
あのメールの内容にガキさんも安倍さんも呆れていたけど
実は奥が深いんだということを愛ちゃんに代わって表現してみましたwww
こんな風なだけにガキさんの苦悩は深いものがあるなぁ
もう非処女なわけで、あとは気持ち良くなるだけ。
どんどん書くべし。
もっと泣かせてくれ。頼む。
>>470
コハヲタさんすまぬ。
発育途上、純粋といった言葉が適切だったかな。
すげーよ
ん?「てか、娘。はみんなオツム弱いかw」に反応してるんだよ
コハヲタではなく上位の推しはさゆれなガキさんの娘。DDだ!
読むのは問題ないだろうから書くほうかな
展開についていく必要はないよ
書きたいものを好きに書くがいいさ
いや読むほうなんだ…
02:00に帰宅して08:00には起きるような生活してると未読の多さにクラクラする
できれば書くなり描くなりしてみたいんだけどね
① ダークネスに死体を拾われて復活、中ボスになり襲いかかる。
② 猫ボスに拾われ、さゆえりに癒される。ガキさんの苦悩を察知し、
組織から離れるように促す。後にミティやチャーミーと対決する。
③ 死んで守護霊的な存在になり、おもに愛ちゃんを導く。
こんなのを読みたいです。手前、このように文才がありませんので、
職人の先生方よろしくお願いします。
http://img246.imageshack.us/img246/5392/50007325tl2.jpg
─ これが幻覚? ─
http://ng2.or.tp/ReinaT/souce/ReinaT_4500.jpg
ちょっと氷の剣持ってるっぽいね
小春の能力の凄さに畏怖し
愛ガキのもう友情を越えた“何か”に感動した・・・
俺やっぱ娘。好きだわ
出動します
面白そうw
長文さんにどれか書いてほしいな
お勤めご苦労様です
自分も同じ様な生活サイクルなんでまとめサイトさんの存在はありがたい…
次の休みにまとめ読みするのが楽しみでしかたない
ただタイムラグがあるから感想を書き込めないのが職人さん達には申し訳ないと思ったり…
と長々独り言保全
今ではもう慣れたものだ。組織に入り、訓練所で厳しい訓練をされて、
ダークネスに忠誠を誓わされたあの日から私は私でなくなった。
セルフマインドコントロール。
認めるのが怖いからずっと心に蓋をしていた。
けど、吉澤さんは教えてくれた。
ダークネスの目的、リゾナンダーの存在意義、私たちの絆。
安倍さんの想い。みんなの想い。
私は、私だ。
これからは私も共に闘う。
そして、みんなに自由を。
あの場所で、またみんなで笑うために。
http://toromoni.mine.nu/up/files/data/17/toro17101.jpg
誰にも言ってない秘密。
教えてはならない、と思う秘密。
幽霊ビルのあの時、私は意識が半濁していた。
だから思うように喋れなかった。
でも、知っている。
新垣さんが戻ってきた。
それが全ての答えだと思いたい。
大事な仲間をなくすのは一度でいい。
一度だけでいい。
たとえ、新垣さんがスパイでも私にたくさんのことを優しく教えてくれた、
その事実は変わらない。
たとえ、新垣さんがスパイでも久住さんや高橋さん、、、
みんなのことを本気で心配したり、面倒見たり、その事実も変わらない。
亀井さんが大変だった時、新垣さんは迷わず病院に直行した。
全部事実。
私にはそれで充分。
私は新垣さんを
信じます。
http://toromoni.mine.nu/up/files/data/17/toro17114.jpg
初めて書いてみました。お目汚し失礼しました。
出て行ってから戻ってくるまでの間に>>487の②みたいなことがあったという感じで。
ミティのくだりがよくわからないんですが(汗)
何スレ目かにあがっていますか?
リゾナントしていただいてありがとうございます
自分の中ではみっつぃーは本当に気付いていなかった・・・という設定でしたが
なるほど本当は薄々気付いていたという方が深いですね
ほんとありがとうございました
まとめサイトの中の方いつもご苦労様です
そして本当にありがとうございます
ご本人さんも小説書きなれた方だったんですね
ところで一つ勝手な提案があるのですが
まとめサイトに簡易掲示板を設けてはいただけませんでしょうか
あくまで感想板という意味合いで
>>497さんのような方もおられるので後から感想が書けたりするのもいいんじゃないかと
このスレだとやっぱり遡った作品の感想は書きにくいですしね
作者さんへの励みにもなるかもしれませんし
・・・本当に勝手なことを言いまして申し訳ありません
掲示板を設けることの是非について皆さんもご意見があれば・・・
ミティ編はこのスレの100過ぎくらいにあったよ
掲示板は作るのは簡単なので置くことも考えたことはあるんですが、
万が一そっちが盛り上がっちゃうとこのスレがどうなるんだろうと思って特に設けていません
あらゆる感想・議論はスレでいいのかな?と思っているので…
ですがみんなで作るリゾナンターなので、皆さんの意見を尊重したいと思います
今読みましたみたいに
それ見てどんなんだったっけ?と読み返したりとかもありそうだし
あくまでもこのスレは本スレだし
ここの本スレで書くほどのことでもない些細なことなどはまとめサイトの掲示板で書けばいいと思うし
過去の作品の感想も嬉しいですよ
そこから話膨らむこともあるしいいんじゃないですか?
平日昼間は流れ遅いけどねw
まあ休日夜とかは確かに流れ早いかも
ばれてるしぃ( ̄▽ ̄;)
避難所的なもの考えていいのかな
愛は焦っていた。
対峙するのは氷の魔女。ミティ。
普段であれば彼女の能力から決して引けをとるものではない
が、今回は少しばかり勝手が違っていた。
直前に雑魚を倒した際、不意を付かれて脇腹を負傷していたのだった。
雑魚相手とはいえ連戦の上に負傷、さらに現れたのがこの魔女では
さすがの高橋もあっという間に追いつめられていた。
「ここまでだ。苦しまずに死なせてやるよ。覚悟しな。」
- ダメだ、やられる -
まさにとどめの一撃を食らわせようとしたその時。
全く予期していなかった方向から飛んできた火球-正確には何らかのエネルギーの塊
-がミティに襲いかかり、彼女は高橋にとどめを刺すために振り上げた手を
防御に使わざるを得なかった。
「これは!タイガーショット!そんな、まさか、、!」
「ひさしぶりだね、美貴ちゃん。いやミティ」
太陽を背に現れた長身短髪のシルエットはここにいる筈のない人間であった。
「吉澤さん!?」
「バカな!あの時確かにアタシがこの手で、、!」
「ん~まぁ世の中そういう事もあるのよ。で、どうする?2対1だけど。」
「クッ、、」
手負いとは言え高橋と、先代リーダーの吉澤相手では到底勝ち目はない。
ここは一旦撤退するが吉とミティは判断し、瞬時に姿を消した。
なんとなく頭にあったのがそれっぽかったんで書いてみました
この後ガキさんに道を示したり再度ミティと対決したりがあるってことで
生まれて初めて小説っぽいもの書いた
続き待ってます
♪( ̄▽ ̄)ノ″
喫茶「リゾナント」店内。
ミティの攻撃を退けて数時間後である。
愛の淹れたコーヒーを飲みながら、吉澤が語る。
「死ぬかと思ったんだけどね。ボスに助けられたんだわ。」
「ボスに!?」
自分達のボスとはいえ、実際の姿はただの猫である。
助けるったってさすがに無理があるだろうと愛は思った。
どうにも腑に落ちないところを問い質そうとした時、入口のドアが開いた。
「あー吉澤さんだー。」「お帰りなさーい。もう身体はいいんですか?」
飛び込んできたのは絵里とさゆみである。
吉澤との再会を喜ぶ姿に、愛は一つ違和感に気付いた。
「だって、死んだ筈の吉澤さんがここにいるのに、、」
「えー、それはですねぇ、ぅへへ」「あのー」
何かを言いにくそうにしている2人に代わって吉澤が口を開いた。
「あーこの2人は知ってた、つうかこいつらに助けられたんだわ。」「!!」
「倒れてるところをボスが見つけてこの2人を呼んでくれてね、治癒してもらった。」
「・・・あんたたち!」「いや口止めしたのはボスだからこいつら責めないでやってよ。」
意外だった。
確かに心が読める愛に口止めは無意味かもしれない。
が、よほどの事態でない限り言いたくないことを無理に読もうとはしないようにしていた。
言ってみればそれを逆手に取られたようなものである。
つい恨みがましい口調になるのは自然と言えば自然である。
「とにかく、説明してください。」
とりあえずリハビリも兼ねてあちこち回ってた。情報収集ってやつ?
ダークネスの支部は世界中にあるから。
で、それなら死んだと思わせとく方が得策ってことで、敵を欺くにはまず味方からっつうか。」
「それはまぁ、、ほやけど、、」
「ま、そんな訳でちょうどその辺が一段落して日本に戻って来たところって訳。」
一応現リーダーの自分にくらいは知らせてくれてもいいのにとボスと吉澤を恨みつつ、
とりあえず死んだはずの吉澤がここにいる理由は納得した。
とは言えまだあと一つ聞いておきたい事があった。
「それで、これからはまた一緒に戦ってくれるんですよね?」
「あー、ごめん。無理。」
思わぬ拒否につい顔を曇らす愛に、吉澤は続けた。
あんまり古い人間がいつまでもいてもね。」
「そんな!」
「それにまぁ、ぶっちゃけ死ぬような目にあったからね。最前線で戦うのはまだちょっとね。」
「そうなんですか、、。」
「まぁ後方支援ってやつ?アンタ達が安心して戦えるようにその辺はしっかりやっとくからさ。
そういう意味じゃ一緒に戦うよ。アタシも。」
「吉澤さん、、。」
正直なところ失意は隠せなかったが、それでも後ろで見守ってくれるというので
幾らか気分は軽くなった。
「なんかみんなあっちに寝返っちゃったからさ。一人くらい頼りになる先輩がいてもいいだろ?
あー、泣くな泣くな。相変わらず泣き虫だなこのリーダーは。」
「だっで、、ぅえぇ、、」
そんな2人の様子を里沙はドアの外から複雑な想いで見つめていた。
掲示板の設置をお願いした者です
確かに議論やらが2箇所に分かれてしまうと・・・という危惧はありました
ただまあ新しい作品が投下されていくのはここなので盛り上がりがなくなることはないかなと思いまして・・・
言ったように過去の作品の感想も特に前スレのものなんかだと書きにくいですし
別に書いてもいいとは思ってもやっぱりスレの流れというものもありますしね
でも一度設置しようとされてやめられたのならやめたがいいということなのかもしれませんね
すみません勝手を言いました
必死に食い止めながら読んでるこのスレ…
どもです いろいろ考えていただいててありがとうございます
とりあえず感想専用としてしたらばでも置いてみようかなぁと考えてたんですがそれでどうでしょ
今後のテンプレとかもそこに置いておけば今後楽かもしれないし
増やしたいモノがあれば適宜追加
でもそれでこのスレが落ちるの頻発するようなら一部廃止
そんな感じで考えたりとかしてみましたがー
ところでここって絵OK?
まとめサイトにもイラストの分類はあるし
そもそも何でもいいのがこのスレ
タイミング外しちゃった><
OKみたいなんででき次第うpる
どんどんうp頼む
とりあえず作りました 大して何もいじってません
まとめサイトからはそのうちリンク張っておきます
乙あり!
OPVと言うかドラマのOPとかEDと言うか
前にハロモニの動画つないで亀が三輪車で去って行くれいなの背中を見つめてるみたいなのあったけど
あんな感じで
個人的には絵の方が分かりやすくて好きw
ログを読んでまた泣いてしまいました。
リゾナントしてくれてありがとうございます。
僕の気持ちはまさに
>.>519
「なんかみんなあっちに寝返っちゃったからさ。一人くらい頼りになる先輩がいてもいいだろ?
あー、泣くな泣くな。相変わらず泣き虫だなこのリーダーは。」
だったんです。
がきれいな推しのDDですが吉澤は味方でいてほしいなって。
長文失礼しました。
これからも、みんなで盛り上がっていきまっしょい!!
このスレ的には長文でもなんでもないよ( ̄▽ ̄)
イラモで大丈夫だと思うよ
516さんが上手くフォローしてくれて生き返って良かったよ
確かに吉澤を殺してしまうよりも生きてた方がストーリーの幅も広がるしね
以後気をつけます^^;
光井がたかはすと遭遇するシーン つttp://noid.s43.xrea.com/apuroda/img/up15074.jpg
シャーペンですまぬorzペン行方不明なり
そしてリーダーが絶望的に似ない件w
やっぱり絵になるとその場面を想像し易い
PVの写真だけじゃ見れない場面が表現されてイイ感じ
光井がめっちゃ雰囲気出てていいな
四コマ漫画書く人がいて、絵書く人がいて、まとめサイト作る人がいて
なんかこのスレって狼じゃないみたいwww
他のスレと空気が違うし
その中で複数掛け持ちしてる奴もいるしな
正直そういう人の存在がすごくありがたいと書き手からしたら思うよマジで
お絵かきスレならそれでも許されるかもしれないけど
自分語りはいらない
注釈を入れたくなる気持はよく分かるけどね
懐の深さがいい
質問系のレスがついたら答えるようにしてるけど
本来なら「文中で理解できるように書け」ってこと
なんだよなあ…
なるほど
なんかいろいろ絡めたような気がする話を書いてる
∋oノハヽ +
从*・ 。.・) ワクワクテカテカ
(0゚∪ ∪ +
と__)__) +
+ +
∋oノハヽ +
从 ´ ヮ`) ワクワクテカテカ
(0゚∪ ∪ +
と__)__) +
+ +
☆ノハヽ +
ノノ*^ー^) ワクワクテカテカ
(0゚∪ ∪ +
と__)__) +
良いシーンだね
わかるw
FFみたいでカコイイな
>>512-519書いたもんですがそう言って貰えるとなんか嬉しい
自分もなんか吉澤には味方でいて欲しいというか、誰か一人くらいと思ったら残ってるのが吉澤で。
なんつうか、つい去年までリーダーだったのもあるけどそれよりあれだ
ゴロッキーズに何故か準レギュラー的に出てた時の感じ
あの時はまだもっさんも仲間だったけど
旧メンは味付け程度ってのがいいわ
ポケットを探してもカバンを探しても、もう一つはどこにもなかった。
今さら、元来た道を戻ることなんてできやしない。
だから、私は願った。
どうか、誰の目にも触れぬところへ、あってほしいと。
だけど、私は願った。
どうか、あなたの目に留まるところに、あってほしいと。
慌てて、手の中のものをとっさに隠す。
まったくやましいものでもなんでもないはずだけど、
頭の中がそのことばっかりで、そのことがどうにも恥ずかしくて、バレたくなくて。
「吉澤さん…」
「ヒマなのはわかるけどさぁ。
もうちょっとシャキッとしてみなさい、シャキッと」
リゾナントの先代リーダー、今はダークネスに拾われた人。
お互いにリゾナントに在籍していた時は、あたしの正体なんて知る由もなかったはずなのに。
ダークネスに戻ってきたあたしとばったり出会うなり、口にしたひとことは、
『あぁ、なるほどね』
もっと驚かれると思ったのに。
もっと失望されるかと思ったのに。
そのどちらでもない反応に、あたしは戸惑いを覚えた。
正直言うと俺もだなあ
モデルになってるだけで名前が出てこない分には気にならないけどここまで本人だとちょっと・・・
いやそれは個人的好みって話であって決して否定するわけではないので
ヘタに行動するな、ということだろうか。
長年、スパイとしてとはいえリゾナントの一員として生活してきていた。
身体に染み込んでしまった習慣や、特に「情」を、リセットさせるための措置なのだろう。
でも、そんな措置でまっさらになるほど簡単な想いじゃない。
自分がスパイであることを、どれだけ恨んだことだろうか。
メンバーと作り上げてきた絆を、どうしても素直に喜べない自分が悲しかった。
帰還命令に背くことが出来れば、どれだけあたしは楽になれたのだろう。
けれど、所詮あたしは組織から行動を制限されたスパイ。
命令への造反は、一瞬で命を失うことにも繋がる。
事実あたしは一度、殺されかけているのだから。
二つあるはずのものが一つしかない。
「A」と書かれたそれが、余計にあたしの心を騒がしくさせる。
あの時、交換なんてしていなければ。
そのまま「R」を持っていれば。
「A」の文字を見てあなたを想い苦しむことも、なかったはずなのに。
あたしがケータイから外したはずのお守りは、どこにもなかった。
いつどこでなくしたのか、見当もつかない。
忘れ去るためには、ムダというよりもむしろ逆効果なのもわかっていたけれど。
こうしてお守りを握りしめることが、いつしかあたしのクセになっていた。
あたしの正体を。
あたしがリゾナントにいた理由を。
あたしを仲間だと思ってくれていた人全てを、裏切っていたことを。
吉澤さんはあたしの隣に腰掛けて、目の前の窓を開けた。
入り込んでくる風が、金色の短髪を揺らす。
「知るわけねーじゃん、そんなこと」
じゃあ、どうして。
あたしの疑問は口から出る前に、続いた言葉に制された。
「だけどここに来た時に、わかったよ。
ガキさんがどういう立場に立たされているのかは」
同じ組織の一員として。
相手方にスパイ送り込んで一緒に何年も生活させるって、あたしだったら気が狂うわ」
吉澤さんは、腰に下げていた短刀を抜いて、太陽の光にかざした。
刀身に反射した光が、あたしの顔を照らす。
「ご丁寧に、スパイにまでいろんな暗示やら魔法やら術やらがんじがらめにかけてな。
反抗したら即刻裁きを下しにやってくるクセに、
そのくせ意外とプライベートは覗かないとか、ホントアホな組織だと思うわ」
プライベート?
その意味を一瞬考えて、すぐに吉澤さんの言わんとすることに気づく。
「おめーらの絆は、絶対に本物だった。
嘘じゃない、近くからも遠くからも見ていたあたしが保証する。
お互いを助け合って支え合って呼び合って響き合って、完成されてた」
あたしは、お守りを握りしめた。
「…新垣、元・お前の先輩として、命令する」
こちらを向いた吉澤さんの目は、どこまでも真剣だった。
「お前がいるべき場所は、こんなところじゃない。
ここから、逃げろ。
そして、お前を待つ場所に、今すぐ戻れ」
なるほど、ダークネスに戻ったことで、
あたしにかけられていたあらゆる「制限魔法」は解かれていた。
自由の身ではあるけれど、この組織から飛び出すことが、危険すぎた。
「待機」を命じられたあたしに、組織外への外出は認められていなかったからだ。
組織の入口には監視役がいる。もちろん能力者が。
それを、吉澤さんが食い止めるというのだ。その隙に、抜け出せと。
『なーに、死にそうになったらまた助けてくれるでしょ、あいつらが』
なぜ、そんな危険なことを笑って言えるんだろう。
あなたをも裏切っていたことになる、このあたしをここから逃すために。
どうしたって忘れられないんだろう?
お前の心を、一番あったかくしてくれるヤツのことを。
だったら、そこがお前のいるべき場所であって、こんな場所はお前がいるべき場所じゃない』
吉澤さんの咆哮がこだまする。
あれだけの数の能力者を一人で受け止め、それでも圧倒するその実力。
一度は戦いに敗れ、命を奪われた吉澤さん。
リゾナントのリーダーであったその才能を惜しまれ、ダークネスによって蘇らせられた人。
でも、肉体に残った強靱な精神が、リゾナントをずっと愛していてくれた。
『なんとしても、探し出せ。見つけ出せ。
お前が本当にいるべき場所を!』
自分の危険も顧みないであたしの背中を押してくれた吉澤さんのためにも。
あたしは、「A」と書かれたあのお守りを右手に握りしめ、夜の街を駆け出した。
でも、あたしは彼女たちの記憶を消して、あの場を離れた。
それなのに今さら戻ったところで、いったい何が出来るというのだろう。
そう。
会いに行っても、あたしが愛したみんなは、あたしのことを覚えていないのだ。
他ならぬ自分の手によって、あたしに関する記憶は消されているのだから。
あたしは途方に暮れた。
あの場で、全てなかったことにして、一からやり直すことが、
あたしの求めている場所なのだろうか?
街灯もまばらな夜の道を、宛もなく一人で歩いていた時だった。
そんな、まさか。
向こうから走ってきた女性の姿に、めまいすら覚えるほど動揺した。
こんな場所で出会うはずがないその人が。
何もかもを覚えていないはずのその人が。
確かにあたしの前で足を止め、息を切らせながらあたしを見つめている。
どうして。
どうして、どうしてなの。
「…愛ちゃん…」
思わず口からこぼれた、愛しいその名前。
どうしてあなたは、あたしを見て足を止めたの?
駆け出す愛ちゃんの顔は、涙でぐっちゃぐちゃだった。
なぜ、名前まで覚えているのだろう。
あたしは、夢を見ているんだろうか?
想いだけが強すぎて、現実と理想とが混在してしまったのだろうか?
だけど、抱きしめられた手の強さと、あたたかさと、伝わる鼓動が、
これが夢ではないということをどこまでも証明していた。
―――現実だって、信じてもいいんだよね?
あたしはおそるおそる、愛ちゃんの背中に手を回す。
震える指先がその熱をとらえて、吸い寄せられるようにその身体をきつく抱きしめた。
「愛ちゃん…!!!」
音にするだけで、こんなにも愛おしい彼女の名前。
愛ちゃんの身体が、ぴくりと震えた。
あたしは戸惑う。
ねぇ、あたしを許せるの?
全てを裏切り、全てをなかったことにして消えたあたしを、もう一度受け入れてくれるの?
いつまでも次の言葉が出ないあたしの顔を、愛ちゃんの手がそっと撫でた。
見ればその手には、あたしが探していたはずの「R」のお守りがあった。
いつか、あたしは願ったけれど。
こうして本当にあなたの手の中にあったのだとしたら、やっぱりそれが運命なのだと。
あなたはいつもあたしを守ってくれていた。
あたしは、あなたを守ってあげられる?
「またお泊まり会するで、今度は9人で一緒に飲もう」
もう、二度と会えないと思っていたメンバーの顔が次々と浮かぶ。
もはや視界がぼやけて見えないその先に、一番大事なその人の顔がある。
「あっしが淹れたモーニングコーヒーを」
―――あふれて止まらぬ涙をその肩に押しつけながら、あたしは何度も頷いた。
あたしは、リゾナントのために生きようと。
そしてあたしはもう、あなたから離れない。
あなたを、愛ちゃんを、必ず守ってみせるんだと、固く心に誓った。
以上でっす
なんかいろんな話を混ぜたつもりでいますが、頭ボーッとしてるので意図をつかんでいるかあやしいw
ごめん!割り込んじゃった
しかも卒メン出すのに否定的なレスで・・・
だけどこの話は感動したよ
前後見ずに書き込んでしまった・・・orz
でも>>588-603に感動した! ありがとう!
自分では書けないけど 書き手の欲求と読み手の欲求は一致しないんだなぁ…
話があっちこっちいく上に超長文になりそうw
こういうところに文才が出るんだろうな orz
俺も苦手だw
ドラマにしてぇ
仲間8人の記憶を消し、ダークネスに戻った新垣。
新垣がいない生活に違和感を感じながらも、リゾナンダー達はダークネスとの戦いに明け暮れる毎日を送っていた。
そんなある日、いつものように"パトロール"と称して夜の街を歩くれいな。
(仲間ができても、この癖は直らないっちゃね)
などと思いながら、馴染みの地下道を歩いていると、自分の靴音に混じって、誰かが裸足で歩いているような音がする。
…ひた………ひた……………ひた……
ぎょっとして足をとめ、息を潜め様子を伺うれいな。
前方をよく見ると、ふらふらとした黒い人影があった。
「ううっ……ぐすん、…ぃがきさぁ~ん……」
それは泣きながら、うわごとをつぶやきながら何かを探している様子の久住小春だった。
しかしパジャマといい裸足といい、夢遊病患者そのものである。
薄暗い地下道にたたずんで泣いている小春は、この世のものではないような美しさをたたえていた。
「ちょ…こここ、小春…だ、だいじょうぶ?何探してるん?ていうか起きるっちゃ危ないけん…」
浮世離れした小春の様子に腰がひけるれいなだったが、とりあえず保護しようと小春の肩をゆする。
「……うぅう、いかないでくださいよぅ……zzz……」
れいなにもたれて眠ってしまう小春。その顔は親とはぐれてしまった迷子の泣きつかれた顔のようだった…
次回かなしみ戦隊リゾナンダー
「夢はみなけりゃ始まらない」
お楽しみに!
泣けました。
吉澤ががきさんを諭す姿が目に浮かんでもう。。
まるで吉澤の卒コンのようです。
サイドストーリーやキャラが多すぎるのも確かに考え物ですが、
振り幅は大きくてもいいのでは?と思いました。
アイデアというかそういうのがあったら、
また投下させていただきます。
絵里に動物園へと誘われるさゆみ・・があまり気が進まない
さゆみは過去に 虐待された動物の心を読み その『人間に対する恐怖』
がトラウマになり 実は動物を触る事さえ無理な状態であった
動物園ではしゃぐ絵里の心を読む・・ただただ楽しんでいる・・
しかし その姿は今日のさゆみにとっては不愉快でしかなく
大ゲンカへと発展してしまう・・ そして現れる敵
おびえる動物の感情が一気に流れ込み 体がすくんで戦えないさゆみ!
絵里のチカラで動物を落ちつかせるのだが・・・数が多すぎる!
ならばと絵里は動物の避難をさゆみに託すが 触ることすら出来ない!!
普段ポケポケしている絵里が叫ぶ!
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「今 さゆが助けに行かなきゃ誰がたすけるの!?」
「絵里はさゆの事信じてる 私には予知のチカラが無いけど わかるから!」
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『ハッ!』とするさゆみ・・・・・そして
次回かなしみ戦隊リゾナンター「Do it! Now」
ttp://toromoni.mine.nu/up/files/data/18/toro18251.jpg
さゆみは目の前のウサギをゆっくりと撫でる・・・
流れ込んでくる感情は恐怖などではなく 信頼であった
思います・・すいません
かなりハッとしたなw
川´・_o・)<私のほうがもっとパンダだ
ストーリーが思い浮かばない
キャプは得意なのにw
レスTHX しかし需要は皆無のようなのでロムに戻るよ
いやいつか必要な時が出てくると思う
ダークネスを倒す時の最後の必殺技とか覚醒して第二変身形態とかでw
上半身正面からのショットって意味と思うんだけど
ソロとなるとNight Scene Ver.のキャプになるんで歌詞が入っちゃうよ
一応したけど
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http://toromoni.mine.nu/up/files/data/18/toro18936.jpg
http://toromoni.mine.nu/up/files/data/18/toro18937.jpg
http://toromoni.mine.nu/up/files/data/18/toro18938.jpg
それが見たかったんですthx
僕は待ってるんで
もし出来ましたら
またupして下さい
ありがとう
今度あげるときは作家さんたちのストーリーの邪魔にならないようにします
横レス失礼
すげーカッコ良かったから待受にさせていただきました!
あとあの画像でスレ立ってますよ!
次作もお待ちしております!
>635
ホントだスレ立ってる…ちょっと驚き
教え&誉めてくれてthxです
さすがにこれ以上私的にレス消費するのは申し訳ないので以後しばらく自重
キテタ━━川*’ー’)・e・)*^ー^)*・ 。.・)*´ ヮ`)リo´ゥ`)=´┴`)´・_o・)*^A^)━━!!!
きょはりゅううううううううううううう
夢遊病ネタを使ったんですね!よかったです!
俺は脳内じゃなくてシャッフルで聞いてたウォークマンから
本当にリゾナントブルーが流れてきて感動したよ
ヘタしたら最終回迎えそうな勢いでw
気に入らなかったら悪いね
私は、人でごった返すサマーセール中のとあるデパートにいた。
目的は、幼い頃に失踪したi914を捜すこと。
i914は極めて強い能力を持っている。
我々の味方になれば心強いし、敵になれば厄介だ。
一刻も早くi914を見つけ、仲間になる気がないのであれば抹殺する。
それが私に与えられた任務だった。
リゾナンター同士は共鳴する。
互いの顔を知らなくても、近くに来ればわかるはずだ。
そんなわけで、私は人の集まる場所を選んで行動していた。
「・・・にしても、もっと効率のいいやり方あるでしょーが」
抑えきれぬ不満を抱え、私は上りエスカレーターに乗った。
特に何か考えがあったわけではない。
ただなんとなくの行動だ。
その時だった。
――――っ!!
震える手足。
噴き出す汗。
強張る顔。
体中の全神経に緊張が走る。
これまでに味わったことのないプレッシャーを感じ、私は思わず後方を振り返った
目と口をこれでもかというほど開けている。
互いに時と言葉を忘れて見つめ合っていると、ふいに彼女が血相をかえて叫んだ。
「待ってて!」
人目をはばからぬ大声。
自分以外のリゾナンターに遭遇するのは初めてなのかもしれない。
動揺して周りが見えていないようだった。
「bへrЩghやざhcfjhfてぇr%gЯs!」
「あの、すいません。何言ってるかぜんっぜんわかんないんですけど」
彼女は私の顔を見るなり、興奮して早口でまくし立てた。
彼女の発する言語は、標準的な日本人の私にはとてもじゃないが聞き取れない。
中国とかフランスとか、そっちらへんで育ったのだろう。
「あんたもあーしと同じなんか!?今、共鳴したやろ?」
これでまともな会話ができる。
「そう。つまり、私たちは同類というわけ。どう?あなたにその気が」
「アヒャー!!!」
聞けよオイ。
ツッコむ間もなく、いきなり抱きつかれた。
興奮するのも程々にして欲しい。こっちの身にもなってくれ。
「名前は?」
「は?」
「名前。あーしは高橋愛。あなたは?」
「・・・新垣里沙」
勝手に盛り上がって、勝手に落ち着いて、勝手に笑いかける。
こんなに疲れる相手は初めてだ。
なのに、なぜ。
なぜ、それを心地よく感じているのだろう。
彼女は元々組織を良く思っていなかったし、彼女のペースに押されて
話を切り出せなかったというのもある。
高橋愛抹殺の替わりに、私は別の任務を授かった。
他のリゾナンターを捜すという高橋愛、およびその仲間の監視。
要するにスパイだ。
私は、裏切り者として生きることになった。
あれから7年が経とうとしている。
高橋愛はずいぶんと変わった。
上手な日本語で話せるようになったし、リーダーとしての責任感も充分なものがある。
一方で、私は何も変わらない。
平気な顔をして、みんなをだまし続けている。
一つ変わったことがあるとすれば、それは―――
いや、やめておこう。
自覚したところで、何が変わるというわけでもない。
“終わり”はいつか必ず訪れる。
それまでは、気づいていないふりをしよう。
全てが変わる、その日まで。
モーヲタ必死だな
こっちの身にもなってくれワロタw
よしリゾナンダーを呼べ!と思った自分はやはり本体ヲタ
>>649-653
話としても上手いけど現実の愛ガキとのリンク具合がいいなーGJ!
乙です
オモロ!
物語が走り出す予感
本体て?
「ダメよこんなとこで♪」
「いいじゃないかハニー♪」
http://image.blog.livedoor.jp/blv42/imgs/3/d/3db92568.jpg
「ジーッ・・・」
http://meijo.s28.xrea.com/x/img/up192.jpg
「ダメったら、人に見られちゃうよ♪」
「大丈夫だってハニー♪」
http://image.blog.livedoor.jp/blv42/imgs/3/d/3db92568.jpg
「ジーッ・・・」
http://meijo.s28.xrea.com/x/img/up192.jpg
「もうダメったら・・アンッ♪」
「好きだよハニー♪」
http://image.blog.livedoor.jp/blv42/imgs/3/d/3db92568.jpg
「ジーッ・・・」
http://toromoni.mine.nu/up/files/data/17/toro17097.jpg
「・・・。」
http://toromoni.mine.nu/up/files/data/17/toro17108.jpg
「ボス発情アルカ?」
「ドスケベアルネ」
今から取りかかります 何かやるべきことあったら教えてください(なんか追加しろとか
乙です
いいねえ
乙
http://image.blog.livedoor.jp/blv42/imgs/3/d/3db92568.jpg
ちゃんと縮小表示して、クリックすれば元サイズになります
そのイラストなんだが359と412がだぶってるよ
立て続けに間取り出てワラタ
orz
ありがとう直しました
絶対他にもありそうw
なんか付け足したのかと思ったわ!w
娘。のこと
ストーリーも60件になったんだなぁ
けっこうボリュームあるね
何かネタを考えよう
規模の大小に関わらず、犯罪は増加する一方だった。
悪の組織ダークネスの存在が犯罪を助長させているのだ。
一説ではダークネスが犯罪者に能力を与え、その行動を影から操っているという話もあった。
突如、甲高い女性の悲鳴が聞こえる。
高橋は精神を集中する。空間移動。
(ダークネスめ。あんた達の悪事も、ここまでやよ。)
高橋は声の聞こえた場所へ移動した。
そこで高橋が見たものは意外な光景だった。
そこには、3人の人間がいた。
血を流し倒れたまま動かない男。
犯人と同じ部位から血を流す、帽子を被った少女。
その近くに、長い黒髪に白い肌が印象的なもう一人の少女。
そしてその少女が使う、治癒の力。
(これは・・・)
高橋はその場にいる3人の精神を読み取り、瞬時に何が起こったかを頭の中で組み立てた。
夜の道を寄り添うようにして歩く二人の少女。
後ろから近づく、男。手にはナイフが握られている。
狙いは、黒髪の少女か。男は駆け出した。
二人が異変に気付き、男の方へ振り向く。
帽子の少女がかばうように男と少女の間に割って入った。
黒髪の少女が悲鳴をあげる。私が聞いた声だ。
その場に倒れる帽子の少女。だが。
同時に倒れる、男。
その男は、少女と全く同じ場所に、同じ傷が出来ていた。
「う、うん・・・あの、あなたいつからそこに?」
「私も、あなた達と同じように、不思議なチカラがあるの」
少女達二人は目を見合わせた。
「この男の狙いは道重さゆみさん、あなたのほうかしら」
黒髪の少女は、自分の名前を知らない女に呼ばれたことに少し驚く。
「そうそう、絵里、わたしをかばってくれたんだよね。ありがとう絵里」
「うへへ、さゆが治してくれると思ったよ」
そうだ、と道重さゆみは言った。
「この人も治してあげないと」
「えっ、ちょっとさゆ!?その男、さゆを殺そうとしたんだよ!私だってお腹刺されて、超痛かったんだから」
「うん、わかってる。絵里を傷つけたのはむかつくし絶対に許せない。だけど、このまま放っておいたら死んじゃうよ」
「もうさゆ!信じらんない!」
ごめんね絵里。道重さゆみはそう言いながら手のひらをかざすと、男の傷はすぐに塞がった。
高橋はその様子を、ただじっと見つめていた。
高橋は帽子を目深にかぶり、優雅に足を組みながら、食後のコーヒーを楽しんでいた。
先ほど駅の売店で購入してきた新聞に目を通す。
殺人未遂事件、現行犯逮捕。十数余の余罪判明。
あの夜の後、男は駆けつけた警察官にすぐに身柄を拘束された。
あの2人の少女。能力者。
昨日の事件にダークネスは関与していたのだろうか。
だとすればダークネスはまたあの子達を狙うだろうか。
いっそのこと、れいなのようにリゾナンターにスカウトするべきだったかもしれない。
道重さゆみという少女は、自分の命を狙った男の傷をためらうことなく治した。
そんな彼女なら、ダークネスと戦う私たちに力を貸してくれるかもしれない。
しかし高橋が彼女をスカウト出来なかった理由は、帽子を被った女の子のほうにあった。
彼女は心臓の病気を患っている。
それに。高橋は考えた。
絵里と呼ばれた少女には、道重さゆみの存在が必要だ。
どちらが欠けても、あの2人は生きていけないだろう。
そんな2人がリゾナンターとして、ダークネスと戦うにはリスクが大きすぎる。
永遠にどちらかを欠くことになるのかもしれないのだから。
しばらくはこのまま、ダークネスの動向を見るしかない。
後手に回ることしか出来ない自分の力の無さが、少し悔しかった。
「愛ちゃん、ウチら、いつまでここにいると?」
派手な服装に、ごてごてとしたアクセサリー。
一見悪趣味に思われそうなセンスだが、その少女にはそれがよく似合っていた。
斜めに被った帽子から、猫のような目が覗く。
「んー、そうやねぇ」
昨日の夜のことは、れいなに言うべきだろうか。れいなの力を信じていないわけではないが、
できるだけれいなを危険に巻き込みたく無い。
「愛ちゃん。れいな今日ちょっと行くとこあるけん、ダークネス出てきたら電話して」
「ん、わかった。気をつけてな」
れいなは店を出て行った。足取りがいつもより軽い。どこへ行くのだろう。
高橋は、必要時意外はチカラは使わない。
やはり、一人でなんとかしよう。
高橋はコーヒーを飲んでから、小さくつぶやく。
「こういう喫茶店がいいやな」
数年前、れいなはその病院に入院していたことがあった。
そこでれいなは、2人の少女達と出会った。
一人は、心臓の病気で入院中の少女。そんな彼女を毎日見舞いにくる、少女。
当時のれいなは、そんな2人と会話をするのが楽しみだった。
別れ際に2人に言われたことを思い出す。
れいなの強さは、人を傷つけるためのものじゃない、人を守るためのものだよ、と。
彼女達とは、連絡先を教えずに別れてしまった。だから向こうから連絡がくることはない。
れいながここに立ち寄らない限り。来ようと思えば、いつでも来ることは出来た。
でも自分のせいで、2人に迷惑をかけてしまったし、合わせる顔が無かった。
しかし今はリゾナンターとして、人を守るために戦っている。
そのことを2人に伝えたくて、れいなは再び病院を訪ねた。
「あれ、れいな!?」
院内に入り、絵里の病室はどこか確認していると、突然後ろから声を掛けられた。
「超久しぶりじゃない!?元気だった?」
「当たり前っちゃ!連絡先、聞かずに別れてしまったけん、少し寂しかったとよ」
「さゆみも、れいなに会えなくてすごい寂しかったよー」
「さゆ、棒読みやけん!ひどいなぁ。そういえば、絵里は?元気にしてると?」
「うん、それがね・・・」
先ほどまで明るかったさゆの表情が、急に暗くなった。
「なん、喧嘩でもしたとかいな?」
「絵里、死のうとしたの」
「!?死のうとって・・・絵里が?嘘やろ?」
「いいえ、本当なの。理由は、話してくれなかったけど・・・」
「それで、絵里は大丈夫とかいな」
「うん・・・傷は私が治したの。そうそう、私、簡単なケガなら治せるの。れいなには言ってなかったけど。
でもそのときの傷が、絵里の妹にも移っちゃって。ああ、移るっていうか、絵里にも不思議なチカラがあって」
さゆみは自分と絵里の能力のことを簡単に説明した。
「傷の共有。自分の妹に、か。それでさらに沈んでるとかいな」
「そうなの。でも、わたしが治してあげられるのは体の傷だけ。絵里の妹は、自分がお姉ちゃんにひどいことを言っちゃったせいだって。
でも、あの絵里が自殺だなんて。絵里とずっと一緒にいたのに、何1つ気付いてあげられなかった」
両親は、彼女を憐れみ、彼女の前で何度も涙を流した。
私達のせいで。絵里、ごめんなさい。と。
そんな両親を見て、絵里は一層悲しくなった。
大丈夫。絵里は大丈夫だから。
幼いながら、両親にそう声をかけた。
そんな絵里の姿を見て、両親は、また涙を流すのだった。
私のせいで、両親を苦しませている。私が、生まれたせいで。私が、生きているせいで。
そんな気持ちが、いつも絵里の心を蝕んでいた。
そんな絵里に、やがて妹ができた。両親が喜ぶ姿を見て、絵里はとても嬉しかった。
しかし同時に、両親の心が自分から離れていくのを感じていた。両親の期待は、妹に注がれていったのだ。
今日、妹が一人で病室に来た。
妹のことは羨ましかったが、決して嫌いにはなれなかった。むしろこの可愛い妹をもつ姉として、少し誇らしかった。
でも、今日はなぜか些細なことで喧嘩をしてしまった。どちらともなく、互いに対して攻撃的になっていた。
お姉ちゃんなんか、いなくなってしまえばいいのに。妹は、確かにそう言った。
入院を続け、家計は厳しくなっていた。
妹は希望していた私立の学校への進学を諦めたと聞いていた。
両親は妹に、ずっと我慢をさせていたのだろう。妹の気持ちもわかる。
入院を続ける私が居るせいで好きな服も、お菓子も玩具も、買ってもらえなかったのだから。
絵里が死んでしまえば、家族三人で幸せに暮らしていける。
絵里は、近くにあった果物ナイフで手首を切った。
本当に死ぬつもりだったのか、よく分からない。
目を覚ますと、両親から妹も入院したことを聞かされた。
絵里と同じ、手首の傷によって。
高橋はそう考えていた。だが・・・
屋上のドアが開く音がした。扉から出てきたのは、昨晩出会った少女、絵里だった。
高橋はそちらを見ることもなく、理解する。
その少女は誰もいるはずの無い屋上に人がいたことに驚いていた。カギは今開けたのだから、と。
だが絵里は高橋の姿を見て、合点がいったようだった。
「あなたも不思議なチカラがあるって、そう言っていましたね。昨日と同じように、そのチカラでここへ?」」
そう話しかけられ、高橋は後ろを振り返る。
「そう。でもそれだけじゃない。私は、人の心が読める。もちろん、あなたの心も」
心を読める。私の心を。じゃあもう、分かっているんですね。絵里はそう言った。
「わたしはもう、生きる価値がないんです。いいえ、初めからそうでした。親にも、妹にも、
みんなに迷惑を掛けて。さゆだって、本当は私なんかいなければ、もっと好きなことができるんだから」
「だから死ぬというの?妹にまた怪我を負わせることになっても?」
「妹のことは大丈夫、さゆに近くにいてもらっています。あなたも、離れたほうがいいですよ。私のチカラ、どこまで及ぶか
分からないですから」
「私は死なないわ。ダークネスを討つまでは。あなたも死なない。あなたのお友達が、助けに来てくれる」
友達。彼女の心に、道重さゆみの姿が浮かぶ。
「あなたの大好きな、道重さゆみ。あなたが死んだら、彼女は・・・」
高橋の言葉を遮るように、絵里は言った。
「わかりません。わたしは、心を読んだりできませんから」
高橋の心に、絵里の深い悲しみが流れ込む。同時に、絵里が手首を切るイメージも。
手荒い真似はしたくなかったが、仕方ない。
高橋はすぐに絵里の背後をとり、後ろから腕を掴む。
だが突然口内に痛みが広がる。
舌をかんだのか。絵里にとっても咄嗟の行動だったのだろう。
高橋は彼女がそうすることを読み切れず、予想外の痛みに手を離してしまった。
絵里は距離をとった。再び手首にカミソリをあてがい、目を瞑る。
高橋は痛みを堪えながら、思考する。
この少女は気付いていない。
親の、妹の、道重さゆみの、そして自分の、本当の気持ちに。
不安なのだ、孤独になることが。孤独から逃れるために、死を選ぼうとしている。
教えてあげたい。あなたは、孤独ではないよ。
でもそれを今の彼女に教えられるのは、私ではない。
この世界でただ一人。道重さゆみだけだ。
高橋は再び、絵里に向かって飛びついた。
自分で、切り刻んだのだ。手首だけではない。自分の腕を、顔を、体を。
目の前にいる女の体も、同じだった。
その女は地面に倒れたまま、動かなくなっていた。
絵里は、悲鳴をあげた。
目の前にいる女の人、自分はこの人に恨みがあるわけでもない。決して殺したいわけじゃない。
自分が死にたいだけだ。自分を殺したいのだ。
妹の時だってそうだ。妹を恨んでたわけじゃない。
こんな自分にも、あんなに可愛い妹がいる。妹を殺したいなんて思うものか。
恨んでいたわけじゃない。妹を。この世界を。
それを証明するために、ここへ来た。
誰も傷つけることなく、死ぬ。
それがこの世界を恨んでいないことの証明になる。
だが自分の気持ちとは関係なく、目の前の女にも傷が移っていく。
違う。私は誰も恨んでなんかいない。
絵里は首筋にカミソリをあてた。
絵里から受け取ったメールを思い出す。
『さゆ、今までありがとう。妹をよろしくね』
屋上への扉をあけると、すぐ目に入ったのは、以前私達に会いにきた女の人。
高橋愛という能力者。れいながそう言っていた。
絵里を止めるつもりだったのか。だが絵里のチカラに巻き込まれたのだろう。
そこから少し離れた位置に、絵里の姿があった。
「絵里!」
さゆみはすぐに絵里の下へ駆け寄った。体中に痛々しいほどの傷ができていた。
口には血が溜まり、端からそれを流している。首には大きな傷があった。
さゆみは自分の心臓をえぐられたような感覚を覚えた。
「絵里!しっかりして!」
だが当然、返事が返ってくることはない。
さゆみは絵里の傷口に手をかざす。治癒能力。だが、何も起こらない。
「そんな・・・どうして!何で治せないの!絵里を助けたいのに!」
何度試しても同じことだった。
能力が足りていないわけではない。
能力自体が湧き上がってこないのだ。何かに、抑え付けられているように。
さゆみが気付かない間に、屋上に一人、女がきていた。白衣に身を包み、眼鏡をかけている。その姿は一瞬医者のようだが。
騒ぎを聞きつけたのか、それにしては、何か見下しているような、勝ち誇ったような表情を浮かべている。
勘のいいさゆみには、わかった。この女がれいなの言っていたダークネスの仲間なのだと。
「この病院周囲一帯での能力の使用を制限しました。道重さゆみさん、
あなたの能力の解析はすでに終わっています。能力の仕組みがわかれば、簡単なことです。
昨晩殺せていれば、それすら必要なかったんですけどね。
しかしいいデータがとれました。あとはその女を回収するだけです」
ゆっくりと歩きながら、女は話し始めた。
「それにしても亀井絵里。他者と傷を共有する能力。厄介です。だって、殺したら自分も死んでしまうんですから。
でもすばらしい能力です。実験適合成体、i914を道連れにするなんて。
ああ失礼しました、今は高橋愛という名前でしたね」
高橋は、薄れていく意識の中で、女の話を聞いていた。
姿を現した女。彼女もまた、かつての仲間だ。
高橋と同時期にアサ=ヤンに入った。彼女は戦闘に関しての能力は持っていなく、のんびり屋で、
おおよそどこにでもいるような普通の少女だった。少なくとも高橋は始めそんな印象を持っていた。
だが、彼女は努力家で、人一倍頭がいい。能力に対する理解と知識は、後にも先にも並ぶ者がいない。
しかし彼女は裏切り、ダークネスの研究機関に所属したと聞いた。そんな彼女がここに現れるとは。
裏切り。裏切りか。
ふと、もう一人、同期の新垣のことを思い出した。
彼女はアサ=ヤンの存在を誰よりも愛していた。彼女がアサ=ヤンを裏切ることは絶対にないだろう。
彼女は今なにをしているのだろう。あの戦いに生き残れたのだろうか。
自分がリゾナンターとして、再びダークネスと戦うと聞いたら、力を貸してくれるだろうか。
ああ、そうだ。れいなに電話しないと。ダークネス、出てきたし。でももう手が動かんわ。ごめん、れいな。
よく病院に来るさゆみには、知っている顔もあった。だが目に意識が宿っていない。この女に操られているのか。
「この病院の患者さん達です。この人たちはもう、助からない。死ぬことが決まっている人たち。
そんな人たちに最後くらいいい思いをさせてあげても、罰は当たらないでしょう」
人を殺す、快感をね。そう言い放ち、はじめてその女が下卑た表情を浮かべた。これが、この女の本性か。
道重さゆみは、女の話を黙って聞いていた。
悔しさと怒りが体中から湧き上がっていたが、その心に支配されることのない、冷静な自分がいた。
冷静に、状況を判断する。絵里も高橋愛という女の人も、もう助からない。
血を流しすぎている。流れた血までは治せない。
さゆみは、近づいてくる男達に目を向けた。10人ほどか。手にはそれぞれ武器を持っている。
自分ももう、助からない。
それに絵里のいない世界なんて耐えられない。ここで、死のう。
さゆみが死を受け入れようとした瞬間、ふとれいなの顔が浮かんだ。
彼女なら、こんな風に諦めない。こんなとき、最後まであがくだろう。
絵里はまだ死んでない。なんとかして絵里を助けなきゃ。
自分の命を懸けてでも。
さゆみは、立ち上がる。さゆみが、絵里を守る。
さゆみは、男達の群れに突進した。
だが非力なさゆみの力では、どうすることもできず、すぐに抑え付けられた。
ああ、体育の授業を真面目にやっておけばよかった。
そんなことを思いながら、血だらけになった絵里を見る。
ごめんね、絵里、助けてあげられなかった。
ずっと近くにいたのに、絵里の感じていた孤独に気付いてあげられなかった。
絵里、最後まで、一緒だよ。
彼らの視線が、鉄柵の上に立つ少女に注がれていることに気付く。
「れいな!」
「さゆを離せ!」
そこには、れいながいた。
れいなは素早く、さゆみのいるほうへ走り寄り、男達のみぞおちへ的確に打撃を
入れた。男達はすべて、その場で意識を失った。
れいなは、血まみれになった高橋と絵里の姿を見る。
「よくも、れいなの大切な仲間を!」
「くっ、この女!」
白衣を着た女は明らかに動揺した。
なぜ田中れいながここに?高橋愛と手を組んだのか?
いずれにせよ、この女の能力の解析はまだ、終わっていない。ヘケートが、しくじったせいだ。
私の作戦は完璧だったのに。このままでは、まずい。
「あんたがダークネスの科学者っちゃね!もう絶対許さんと!」
「ち、違います!私はダークネスのドクターマルシェなんかじゃありませんよ!」
そう言って女は、地面に煙幕を投げつけた。
さゆみは、高橋と絵里に、治癒を続けた。傷はすでに塞がっている。
だが、二人とも意識が戻らない。
「絵里!お願い、目を覚まして!」
一緒にケーキ屋さん、やろうねって言ってたじゃない。さゆみはそう呟いた。
れいなは、そんなさゆを見つめた。
自分の力じゃ、誰も助けられないのか。
愛ちゃんが、自分を戦わせようとしていないことは分かっていた。
自分の力が足りないせいだ。
「さゆ、頑張れ!」
れいなは、さゆみの手にそっと触れた。愛ちゃんは、れいなにも力があると言っていた。
そのせいで、ダークネスに狙われているのだと。
自分では全く分からないが、そんな力があるのなら。愛ちゃんと、絵里を助けたい。
その力を、さゆに託した。
さゆみとれいなの、二人を助けたいと云う想いが、共鳴する。
やがて治癒の光は、病院全体を包んでいった。
体中に出来たはずの傷は、全て消えていた。私は死んだのではないのか。
かすかに、昨夜のことを思い出す。
そっか。さゆが、助けてくれたんだ。
病室のドアが開いた。
「絵里!気がついた!?」
「あっ、さゆ・・・」
さゆみは絵里に抱きついた。少し涙目になっていた。その腕は温かい。
「ごめん、さゆ。・・・さゆが、また助けてくれたんだね」
「もう、絵里!心配ばかりかけて!絵里が死んじゃったら、私は・・・」
そういってさゆみは泣き出した。そんな姿を見て、絵里はもう一度、ごめん、と言った。
死ななくて良かった。さゆにまた会えて本当にうれしい。
「おーい!絵里ー!」
またドアが開いた。今度は勢いよく。
「あれ、まさかれいな!?いつから来てたの!?」
「もう。れいなのことは覚えとらんのかいな。さゆはすぐ敵に捕まってしまったけん、れいなが助けたとよ」
「そうなの。れいなすごいかっこよかった。さゆみも、いくつか試したい技があったんだけど」
「それって、アニメのやろ?実際通用しないって、そんなの。まあ傷を治したのはさゆやけどね。気合入れすぎて
入院してた人全員治してしまったとよ」
「すごいなぁ、さゆは」
「絵里の心臓は治らんかったけどねぇ」
れいなと一緒に、悪の組織ダークネスと戦っていることを聞いた。
「あ!高橋さん!あの・・・昨日は本当にごめんなさい!」
絵里は深々と頭を下げた。
高橋はそんな絵里の様子を見て、微笑んだ。
「もう絶対あんなことしたら駄目だよ。絵里には、さゆとれいながいるんだから」
あなたは孤独じゃない。そう言いかけて、高橋は口をつぐんだ。もう言われなくても、分かっているだろう。
絵里はすっかり元気を取り戻していた。
「あの。高橋さん。れいなから話は聞きました。悪の組織ダークネスと、高橋さん達リゾナンターのこと。
高橋さんには迷惑をかけちゃったし。れいなも戦っていると聞いて。私も一緒に戦わせてください」
「ちょっと、絵里!?絵里の体じゃ・・・」
「大丈夫だって。あぶなくなったら、さゆがまた助けてくれればいいじゃん」
絵里がそう言ってくれたことは嬉しかった。高橋は今までずっと一人で戦ってきたのだから。
しかし、2人が最前線で戦うにはやはりリスクが大きすぎる。だがダークネスが絵里とれいなの力を狙っていることは明らかだ。
「わかった。2人とも今日からリゾナンターよ。それじゃ早速任務を与えるわね。れいなも、聞いて」
高橋は、考えていたことを言うことにした。
この2人を戦闘に参加させたくはない。もちろん、れいなも。しかしまたダークネスは命を狙ってくるだろう。
みんなが、戦うことを目的とせずに、集まれるような場所。それが結果的にみんなを守ることになる。
「2人の夢って、2人でケーキ屋さんを開くことでしょ。まあケーキ屋さんじゃないんだけど、似たようなものっていうか。
まあそのこととは、あんまり関係ないんだけど。私、カフェをこの近くにオープンしたの。
誰でも気軽に入れて、辛いことや悲しいことがあったときにも、そのときだけは忘れてくつろげるような、そんな空間にしたいの。
でも人手が足りなくて。3人とも、たまにでいいから、来て手伝ってほしいんだけど」
まるで客の心を読んでいるかのような細かい気配り。
加えて美人店長、店員と、絵里の作るチーズケーキが受け、上々の滑り出しだった。
だが。そんな喫茶リゾナントに忍び寄る、1つの影。
「はい、これから目標に接触、潜入します。・・・分かっています。我が主、ダークネス様に栄光を」
上手だなあ
結成時のエピソード読みたいと思ってたので嬉しいです
過去が埋まってくのもゾクゾクしますね
面白かった!うん!
話がそれちゃうけど、高橋、さゆえりとれいなが
喫茶店の店員ってことで、”おじぎ”みたいストーリーも読んでみたい。
その時考えてみるって言っていた方かな?
だとしたら話が見事につながっていたしそれぞれの味が出てて最高でした
ともかく本当にありがとうございました!
大作乙
仲間が増えるにつれ確実に戦闘力は上昇してゆく
だが その中心であるリーダー高橋の心は 仲間のチカラによる影響や
仲間をまとめる責任による 強いストレスで追い詰められていた・・
最近の高橋は無表情で口数も減ってまるで死人の様
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仲間にも「最近のリーダー変だよね」「まるで機械っちゃ」と言われる始末
れいなはかつての無表情だった自分を思い出していた・・・
蘇る記憶 あの時自分を救ってくれたのは愛!
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「その通りよれいな みんな集まって!」皆を集め高橋のもとへ
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「愛ちゃん1人で苦しまないで 仲間がいるわ」
愛を救ったのは かつて愛が救った仲間達だった!
愛はメンバーの前でいつまでも子供の様に泣きじゃくるのだった
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「うれしい・・あたしには勿体ないくらいの言葉だよ・・みんな」
愛は照れくさそうに笑顔を見せた
次回かなしみ戦隊リゾナンター「LOVEマシーン」
愛の瞳から流れる涙・・・それは 機械の黒いオイルなどではない
血の通った人間の澄んだ涙だった
気に障る方がいらっしゃいましたら申し訳ございません
「UFA本部から入電です。麻布に怪獣が出現! 幼稚園の送迎バスを襲っているとのことです」
コンソールに座っていた管制担当の光井隊員(通称:リゾナントパープル)が叫ぶ
「リゾナンターただちに発進!」
「「はっ!」」
司令室にいたリゾナンターのメンバーたちが一斉に部屋を飛び出す
いま命令を出したのはリゾナントイエローこと隊長の高橋愛
ここはUFA直属の戦闘集団モーニング戦隊リゾナンターの司令基地であった
ちなみにUFAとは『不従順な逃亡者を攻撃する部隊(Unbiddable Fugitvie Attacker)』の略称であり
本来の居場所からはみ出した悲しき生命体の殲滅を行うために設立された組織である
ワンダバダバダバ♪ ワンダバダバダバ♪
効果音と共に司令基地の庭が大きく口を開き戦闘機と爆撃機が、ガレージから戦車が、
そしてプールからは巨大ロボが飛び出て行った
「ブルーファイター、天洋、ガキカメタンク、レインボーピンク全機発進しました」
パープルの声が戦況を伝える
「まもなく現場の様子が映ります。出ました! あれは・・・ 怪獣アイボーンです!
たしか2年前に地球から出て行ったはずなのに、なぜ今になって姿を現したんでしょう?」
モニタをじっと見つめるイエローが鋭く分析した
「見てみい、成獣になっとる。これは手強い。全機突入用意!」
「小春いっきまーす!」
小春隊員(リゾナントレッド)が操る全身ピンク色の巨大2足歩行ロボットがアイボーンに飛びかかる。
火気管制担当の道重隊員(リゾナントピンク)が悲鳴を上げる
「無理無理無理無理、やなのやなの、あばばばばば」
「ちょっとぉ~道重さん。ちゃんと攻撃してくださいよぉ~」
「そ、そんなこと言ったって、小春ちゃんの操縦がぁぁぁ」
司令室に映るモニタの中でピンクの首がぐりんぐりん回っていた
「なにをやっているんだ、こいつらは」
イエロー隊長が頭を抱えている
「あっ! アイボーンが放射能もとい紫煙を吐いています。
どうやらレインボーピンクが副流煙被害で苦しんでいる模様」
「援護の方はどうなっている? 後方支援のガキカメタンクは?」
「それが・・・その・・・」
「はぁ? 後ろ向きに攻撃してるやと? それで攻撃は?」
「当然当たっていません」
なぜかパープルが申し訳なさそうに報告する
「天洋はどうした?」
「リンリンいえグリーンが祖国から秘密兵器を取り寄せたと言っていましたが・・・
いました。アイボーンの真上です」
爆撃機天洋の操縦席に座るのは二人の中国人
ジュンジュン(リゾナントインディゴ)とリンリン(リゾナントグリーン)だ
「バッチリデース。覚悟スルアルネ。スイッチオン!」
グリーンがボタンを押すと爆撃機の腹から霧状の液体が散布された
その状況をモニタリングしているパープルが叫ぶ
「メタミドホスです! 天洋はメタミドホスを散布している模様!」
「害虫ニハコレガ一番アルネ」「ソッカー」
スピーカーから流れる音声を聞きながらイエロー隊長がつぶやいた
「害虫じゃない、怪獣だ。パープル、あとで教えておいてくれ」
「とりあえず攻撃は効いているようですが・・・ 住人への健康被害が心配されます」
「結局あてになるのはれいな、いやリゾナントブルーのブルーファイターだけか」
「ですが戦闘機一機だけでは火力不足は否めません」
田中隊員(リゾナントグリーン)の乗る戦闘機がヒットアンドアウェイを繰り返して攻撃を続けているが
大して効いているようには見えなかった
「いったいどうしたらいいんだ。ん、なんだアレは!?」
新たなキャラクターの登場に全員が驚く
「あれはM22星雲のノノール星人です!」
「どういうことだ!? あいつは1年前に太陽に飛び込んで自滅したはず! なんで生きている?」
「それがノノール星人が飛び込んで以降、むしろ太陽の活動が活発になっているようです。
地球上のネットワークに影響を出しているのもそれが原因かと」
「なんてやつだ、太陽に滅ぼされるどころか、太陽に勢いをつけるとは。
でなぜ地球に戻ってくる!?」
「アイボーンの活動に触発されたのではないかと、でも詳しくは解りません」
巨大怪獣が2体。東京の街を破壊の限りを尽くす。
「これ以上打つ手はないのか・・・」
イエロー隊長があきらめかけた時だった
パープルからの報告が入る
「新たな機影を発見!ものすごい速さで近づいてきます。これは・・・」
空を見上げる全員に希望が満ちる
「ウルトラマン・ノア!!」
「なにを書いてるの?」
わたしが鉛筆をくわえて途方に暮れていると背後から高橋さんが覗き込んできた。
「えっ!? いえ、なんでもないんです!」
わたしはとっさにノートを隠そうとしたけど間に合わなかった。
ノートを奪い取られてしまう。
「ちょっと、やめてくださいよー」
わたしはノートを取り返そうとしたけれど逃げられてしまう。
「照れんでもいいじゃん。みっつぃ上手に書けてるよ。で? 続きは?」
それはわたしが一番聞きたかった。
だっていくら予知してもこの先を見ることは出来ないのだから・・・
(完)
なんかこれはこれですごく好きだwww
>「どういうことだ!? あいつは1年前に太陽に飛び込んで自滅したはず! なんで生きている?」
ワロタw
みんな器用に書くね
感心する
メタミドホスはダメだろwww
ほんと懐深いなあこのスレ
よしことガキさんのとこは涙出てきた
これからライブ見に行くのが何か不思議な感じ
作者さんホント乙
ここは喫茶リゾナント 多くの出会いが待ち受ける不思議なお店
今日も店長の愛は仕事とメンバーのおもり(?)で大忙し!!
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「フフ 来る度に人が増えて にぎやかになっていくわね」と常連客の保田
それに愛はしみじみ答える
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「思えば最初は1人で始めた喫茶店 ずいぶん変わったなあ・・」
・・・とそこへ
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「愛ちゃん何考えてんの~?サブリーダーのあたしに隠し事なんて~・・」
「新垣さんはほっときましょうよー♪そんで!小春におしえてくださ~い☆」
「ムッカー!ピキピキー 何よーあんたには教えない約束になってんのww」
「あっちょっと2人けんかしないで・・」
「何しとーとみんなー!」
「エッ!さゆみが一番かわいいって言うはなしですか!?」
「ふーんだ!絵里の方がかわいいもん!!」
「リンリンもバッチリかわいいデーース!」
「バナナください・・・」
「じゃあ!愛佳が通訳しますね・・えーーーと」
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「あーーもーーうッ! うるさいわね!! 静かにしなさーい!!!(怒)×9」
次回かなしみ戦隊リゾナンター「女子かしまし物語」
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「はwwwwwwwい」
これで時間を越えるとドラえもんのオシシ仮面の話になるねw
6期の人、普段から小説とか文章書きなれてる人のような気がする
上手い言葉が思いつかないんだけど、凄く感動した・・・
正統派戦隊ものもいいねー
このロボットはピンチになると合体するなw
朝から爆笑しました
次回予告の人も乙
毎度ながらうまいなー と尊敬します
と釘を刺してしまえw
それを写して原稿をあげるのを繰り返す話
まだプロローグのみですが よろしければ
パス: rb
http://www4.uploader.jp/dl/reinachan/reinachan_uljp00262.exe.html
otu
誤爆したorz
「RGSS200J.dllが見つかりません」が出たらここからランタイムインストールね
ttp://www.famitsu.com/freegame/rtp/vx_rtp.html
シャーペんの人か
いいよいいよー
デスクトップにダウンロードして実行押したけど何もならないんですけど
vistaだからかな?
「RGSS200j.dllが見つかりませんでした」ってなる・・
>>731
さすがにちょっと前のレスを読もうよ
ちょっとそのまま待ってみる
あーすんません
保田どうしても笑ってしまうww
「もう、いやや!!離して、里沙ちゃん!!」
はい、わかりました、と、応じる訳にはいかない。
今離せば、もうこの身体を支える資格がなくなると、わかった。
ねぇ、愛ちゃん。
貴方は誰のどんな過去も包んだじゃない。
私の、この裏切りも。過去にしてくれたじゃない。
腕の中で暴れる愛ちゃんを抑えながら、私は先ほどまでこの場で起こったことを
再び思い返した。
皆を返したところだったから、私と愛ちゃん、二人で出撃した。
田中っちも行くってうるさかったけど、敵の反応は少数で、少し負傷していたから、愛ちゃんがそれを許さなかった。
その程度の簡単な、任務。廃工場で5体程と対峙した。
「あああああっ!!!!!!!」
しかし愛ちゃんは、5体目の敵に、軽い術を食らった。
本当に、すぐに解けるような、あるいは、かからないような催眠術。
それなのに私がそれを倒して振り返ると、愛ちゃんは大粒の汗を流しながらもがき苦しんでいる。
「やっと、上手くいったよ。」
不意に、冷たい声色。―氷の魔女、ミティ―
愛ちゃんを裏切った、元・リゾナンター。罠だった、と気付いた時にはすでに遅かった。
「久しぶりじゃないの、ガキんちょ。
今度はそっちにつくんだってね?いろいろふらふらと忙しいよね、あんたも」
「あんたが、あんたが愛ちゃんを!?」
彼女の声など構っていられない。こんなに苦しむ愛ちゃんは初めて見た。
自分が闘いに向いた能力者とは到底いえない。でも、彼女との闘いは避けられない…
やらなきゃ…
「よくもまあ、愛ちゃんはガキんちょのこと許せたもんだよね。」
美貴、そんけーするなー裏切り者を許すなんて あ、美貴も裏切り者なんだけどねー
「愛ちゃんに何をしたの?」
ケラケラと笑う魔女に私は走り出した。袖口から飛び出すピアノ線。
非力な私でも操れる、暗殺用の武器。
心の操作と同様、この程度の物質なら、私は操作できた。体でなく、脳で。
背後では、愛ちゃんの呻き声が聞こえる。でも焦っては、いけない。
「うんうん、ガキんちょ、強くなってるねー。感心感心。
真面目だったもんねーあんたって、むかしっから。」
私の渾身の攻撃網を彼女は事も無げに掻い潜る。
その様はまるで、ピアノ線の方が、彼女を避けるように、無駄がない。
あんたのお姫様、動かなくなってるよ?
天井を破壊して魔女の視界を一時的に遮り、愛ちゃんの元へ。
ミティ相手では、愛ちゃんを気にしながら闘えなかったことを私は悔やんだ。
愛ちゃんは、ピクリとも動かない。うそ、うそうそ…
慌てて頬に手を添えたが、思わず、手を離してしまった。
冷たい。尋常じゃなく、冷たい。
もう一度触れようとしたその手を、ミティに掴まれた。
「タイムアップだよ、ガキさん。今度は美貴が愛ちゃんと仲良くする番。」
地中から氷柱が伸び、私の体を天空に攫った。
ぐはっ…口から、赤いものが零れた。天井と柱に挟まれ、身動きが取れない。
ぐりぐりと押し付けられ、身体が軋む。
霞む視界の中、愛ちゃんの身体から、湯気が出ているのが見える。
「ガキさんはさー、愛ちゃんに許して貰ったわけじゃない?
じゃあ、さ、愛ちゃんに何があっても、許せるわけ?」
反論も出来ないほど、強く押される体。きりきりと柱を捻りながら、魔女は問い続ける。
「最後まで、仲間ごっこ続けれる?うん、時間だわ、ガキさん。楽しいショーのね。」
急に柱が砕かれ、私は床に叩きつけられた。
声に出せない痛み。それよりも、愛ちゃんは…どうなったのか。
どういう、こと?術が…解けたの?
「愛ちゃんにね、魔法をかけたの。子どもの心を取り戻す魔法」
思い当たる節は、下級催眠術、幼時返り…
あの時のあれは、やはり催眠術だったのだ…
「なんで、あーし、ここにおるの?」
普段時折使うロリ声が、常時使われることに違和感を覚えた。
愛ちゃんは催眠術にかかりやすい体質だと、小春が笑いながら言っていたのを思い出す。
催眠術を解こうにも、体が動かない。私の力なら簡単に解けるはずなのに。痛みがそれを邪魔する
ミティはそんな私を一瞥すると、愛ちゃんの横に立った。
「お名前は?」
ミティの問いかけに答えた愛ちゃんの言葉に、私は頭の中が真っ白になった。
「あい。…あい、きゅーいちよん。おねーちゃんが新しい、けんきゅーいんさん?」
7年前、何度も読み返した資料を思い出す。
資料と言っても、ほんの数行。
i914。22年前、研究班が作り出した、複合能力者。
4歳で謎の失踪を遂げた時、彼女の研究データのほとんどは消失したが、
唯一残った日誌にこう書かれていた。
『すべてが なくなった』
この7年間、綿密に調査したが、その言葉の意味はわからなかった。
闇雲に使うことを望まない、精神感応。
使用時に謎の付加を伴う、瞬間移動。
力は、これだけ。
孤独の意味を知る者で、誰にでも優しく、そして強かった。
i914。彼女からその名前は聞いたことがなかった。
名前自体を知ってはいた、ようだが。
7年間。私にとって、高橋愛は、高橋愛だった。
「きょーは、なんにん?」
「何人出来る?」
「ん?なんにんでもいいよー」
いっぱいがいいかも。すぐおわっちゃうのつまんないしー
二人の会話で、自分が回想の世界から帰ってきた私。
愛ちゃん一体、何を言ってるの?
パチンとミティが指を鳴らすと、ぞろぞろと雑魚兵が踊り出てきた。その数ざっと、数百体。
「これだけで、いいの?」
「いいよ?今日は何が、食べたい?」
「うんとねー。いっちごー!!」
ぱーん!!!
愛ちゃんが手を振り上げた瞬間、彼ら全ての体に、無数の穴が開いた。
瞬きの暇すら与えず、手を振り下ろすと、兵士たちは消失していった。
愛ちゃんが、すべて、消した。
「よくできたね、i914。いちご、そこにあるから、食べておいで」
「おどろいた?あれが、大量破壊兵器、i914だよ。」
兵器…その言葉に、震える。
「さすがに、ガキんちょも、怖くなったでしょ?
表情も変えず、一瞬でだよ?美貴にも出来ないなぁ」
やめて
「あれを、2歳くらいから毎日してたらしいよ。」
もうやめて
「もう、壊れちゃってるよね。兵器としては、最高なんだろうけど…」
「やめろ」
体中の骨が軋んだ。でも、心が体を動かした。
なんとか立ち上がり、叫ぶ。
「愛ちゃんは、あんな子じゃない!!!兵器なんかじゃない!!」
愛ちゃんは、人間だ。誰よりも優しくて、傷つきやすい心を持った人間なんだ。
「何にもわかってないと、笑えるよね。ホントに。」
「あれは、高橋愛の、本当の姿。光を操り、すべてを光に返す、至高の能力。」
その言葉に、下級兵達の死に方が重なる。
愛ちゃんが、全部、消したの?
愛ちゃんは、たとえ敵でも無闇に傷つけたりしない…
その、愛ちゃんが一瞬で…無数の命を、消した…
「愛ちゃんは、あんな子じゃ…」
「その言葉自体が間違ってるってわからないの?」
「あれは、高橋愛よ。人間に害を与える使用法を忘れていただけ」
ほら、空間移動。あれも対象を光の粒にして、光速で移動して、元に戻す力。同じ原理。
「データによると彼女の祖母は何かの能力者みたいね。
能力の制御は、その祖母の力によるところが大きいみたいだけど。」
一度覗いた、愛ちゃんの深層心理。
おばあちゃんの温かい手は、彼女がこんな風に力を暴走させないための封印術でもあったのか。
「わたしは、それを少しこじ開けただけ。あれは愛ちゃんなのよ。
あれを否定することは、彼女を否定することだわ…
ただ正義感だけ振りかざして…それが何を意味するか、わかってないんじゃない?」
私は、頭を殴られた気分になった。
私はなんて恐ろしい言葉を何度も口にしてしまったのか…
愛ちゃんは、私のありのままを受け入れてくれたのに…私は…私は…
「i914!こいつも、片付けてくれる?」
「ん~?」
体はいつも通りなのに、中身だけ幼児になってしまった愛ちゃんが、
いちごを口に咥えながら、とてとてと私の元に来た。
「このひともうしにそうだよ?やらなきゃ、だめー?」
「うん。その前に、このおねーちゃんに見覚えある?」
こうなってから、初めて眼を合わせる。いつもと変わらない、無邪気な笑み。
そうか、無邪気すぎるんだ。
ダークネスは罪の区別もつかない愛ちゃんを利用して、実験して。
「…しらない。」
その言葉と共に、愛ちゃんの手が、私の前に翳された。
恐怖に体が震えた。愛ちゃんにこんなことをさせることに。
私の命なんて、どうなったって構わない。
今、彼女が私の命を奪うことは、何時の日か、彼女が自分を責める条件となる。
そのことが、恐怖だった。
「じゃー、さよならするね。」
―いややーいやや!!―
心の声が、流れ込んでくる。これは、テレパシー?
―あかん!!やめろ!―
今度は、もっとはっきりと聞こえ始めた。愛ちゃんが中でもがいているのだろうか。
「愛ちゃん…」
「あい…ちゃん?あーしはきゅーいちよん、までがおなまえやよー」
―里沙ちゃん!逃げて!―あーしを、その線で貫いて!早く!―
どうして、この人がこんなに苦しまなくちゃ、いけない?この人が、何をしたの?
「勘違いしちゃダメだよ、ガキんちょ。
その為に…こうやって人を殺す為に、i914は創られたんじゃん。さ、やって?」
「うん!」
…どしゅん
愛ちゃんは、力を発動した。自分に向けて。
光の矢で、自身を貫いたのだ、左脇腹を強く深く。よろける身体を抱きとめる。
「下級催眠術じゃ、所詮この程度みたいだね。」
背後で、ミティの声がする。
「それとも、あんたたちお得意の共鳴?ガキんちょの生きたいって心が共鳴したの?」
高らかに笑って、彼女は告げた。
「今回は、あくまで、i914の力がどこまで利用できるかって実験。
まぁ、満足のいく数値だよ。次来る時は、もうちょっとこの状態が長く続くようにしないとね」
じゃ、また。そう言って消えるミティ。
その言葉に心底胸騒ぎがした。
でも、今、姿が見えなくなることは大きい。
ゆっくりと彼女を横たえると、さゆみんに連絡を取る為に愛ちゃんの懐を探った。
私の携帯は、粉々になってしまっていたから。
「…さちゃん、ごめん…ごめん…」
「愛ちゃん、気がつい…」
愛ちゃんは、大粒の涙を零しながら、何度も呟いた。
もう、殺してや…こんなん、いやや…
「そんなわけにいかないでしょ!それに、皆に死ぬなって言ってきたのは、愛ちゃんじゃない!」
半ば、絶叫だった。理由を問われたら、何も答えられない。
愛ちゃんがそう思いたくなるのも、頷けるほどの、惨状。
自分の知らない、得体の知れない謎の力。謎の人格。謎の記憶。暴走。
そして、私の言葉。
二人でいるのに、今、愛ちゃんは独り。
皆を助けてきた、愛ちゃんはそこにいなかった。孤独に打ち震える、独りの少女だった。
皆の孤独は感応できても、自分の孤独は感応できない。
皆の孤独に共鳴できても、自分の孤独に共鳴できない。
傷口を刺激しないように、私は愛ちゃんを抱きしめた。
「離して!」「あーし、里沙ちゃんを消してまう!」「お前、離せって!!」
「大事なんやって、皆が…里沙ちゃんが…これが暴走したら…
あーし…また…みんなを…傷つける」
そうやって…愛ちゃんは、いつも、いつも…
「愛ちゃんは、わかってない!」
愛ちゃんの抵抗が止む。反対に私は、腕の力を強めて、心で強く想った。
『愛ちゃんの力、怖くないわけじゃない。でも、愛ちゃんは愛ちゃんでしょ?
簡単に、死ぬなんて、言わないで。
方法は、きっとあるよ。皆も、私も、愛ちゃんの為ならなんでも出来る。
孤独に、負けないで。独りじゃないから みんなが、いるから』
「「ガキさん!!愛ちゃん!」」
その声に顔をあげると、田中っち、それにみんなが飛び込んできたのが見えた。
必死に想い続けたみたいで、愛ちゃんが気を失ったことに気付かなかった。
伝わった、だろうか…今、そのことを確かめる術が無い。
光井に、愛ちゃんの明日を視てもらわないと。
苦しむのは、仕方ない。
ただ、独りで苦しまないで欲しい。
愛ちゃん、どこにも行かないで。
「ただいま、帰りました。」
任務を終え、謁見の間で、主に、報告をする。
いくら、氷の魔女なんて呼ばれる私でも、この方を前にすれば、自然と頭を垂れた。
「i914、力は以前と全く変わりません。むしろ、今の身体の分、威力が増している模様でした。」
頭を下げているため表情は見えないが、主は喜んでいるように感じた。
闇を操り、人の心を読み、その心に孤独を作り出す、ダークネス。
我が主ながら、なんとも恐ろしい存在だと思う。だが、そこに惹かれる。この世の中は、力が全てだ。
『i914、必ず手にいれろ。
あれは最高傑作だ、私の遺伝子を引き継いだものの中で、な。』
今一度命を受け、退室した。
高橋愛はダークネスの血を受け継いでいる。
このことを知ったら、あいつらはどんな顔をするだろう。
おそらくこのカードで、高橋愛を引き入れることはできないまでも、
リゾナンターから身を引かせることが出来るだろう。彼女の自身の意思で。
その後、どうなろうが、知ったこっちゃない。
酷く、愉快な気分になりながら、私は闇に紛れた。
あくまでパラレルってことでよろしくです
だけどGWで今から旅行に行くんで4日後帰ってきてから見ますw
すごいお話キテター
リーダーが抱える闇の部分と言うのは色々使えそう
しかしダークネスって誰なんだろう?
すげー!
中野から乙
これは夜公演後も期待しとくぞ
感動巨編乙です
そしたらあの話はどこだっけと検索しやすいのに
でもタイトルって難しいんだよなあ
だがそこがいい
…あっしはもう長くない…
1年か…もって3年
それまでは全力であの子達を導いてやるんや
大阪公演行きたいなあ・・・
いい感じだね
すごく好きな感じ
楽しみにしてます
書く側からするとタイトルって場合によっては
かなり考えてつけたりするから時間かかるんだよね
このスレではとりあえず思いついたらサクッと書いて
サクッと投下するって気軽な所がいいとこだと思うんだ
乙でした!
また愛ちゃんの暗い過去の一端が見えた気がするわ
------
やっと見つけた、自分が自分自身で居られる場所。
小春が大切だと、必要だと言ってくれた人達が居る場所。
これまで最年少ということもあり、メンバーに多少厳しい事は指摘されながらも
大抵は甘やかされてきた小春。
だが、その日、見てしまったのだ。
仕事が終わり、喫茶リゾナントへ。
今日のおやつは何かな~☆ なんて気楽なことを想像していたのは数分前のこと。
その場所は小春のものだったのに。
小春のいつもの位置に知らない女の子が座り、彼女が中心になって談笑しているのを見てしまった。
取って代わられた存在。
既にそこに自分が入り込める余地は無いような気がした。
やだ、やだよ。
またひとりぼっちになるの?
後頭部をがぁんと殴られたような衝撃。
足元の地面が崩れ落ちてしまうような感覚が小春を襲う。
ふらりと店内に足を踏み入れると制服姿の彼女が何か言いたげに小春の方を見て。
隣で里沙が何か言っているようだが、理解する前に脳裏から消え去っていく。
少女の口唇から決定的な言葉が紡がれる前に。
「私が居るからあなたはもう要らない」と告げられる前に。
言ってしまわなければならなかった。
「あなた、クラスで苛められるタイプでしょ」
本当はそんな事を言うつもりはなかったのに。
彼女は息をのみ、私を見つめている。
傷ついた瞳で。当然だ。
人を見かけだけで判断されるのは、誰だって嫌なのに。
でも、目の前の少女 愛佳はただ耐える。
言い返しもせず、そのまま言葉の刃を受け止める。
謝らなきゃ。
ちょっとイライラしていただけだと。
おどけて笑うのは不本意だが得意なのだから。
でも何故だろう。プライドが、簡単に謝ることをさせない。
だって、悪いのはこの子なんだから。
小春の居場所を奪った・・・
「小春、今日は帰る。いいよね?リーダー」
全員がこちらをきつい目つきで睨んでいるのを受け流す。
れいなあたりは今にも飛びかかって殴りかかりそうで。
「そやね、帰り」
「・・・おやすみなさい」
あぁ、やってしまった。
鉛を飲み込んだように重く圧し掛かる重圧。
大切な居場所は、自分自身の手で壊してしまったのだ。
今夜は、眠れそうになかった。
「小春!ちょうこっち来っ!」
「田中さん、いいですから!」
「なん言うと!小春は愛佳に謝ってすらない!」
再び喫茶リゾナンドを訪れた小春の元へれいなが立ちはだかる。
その後ろには腕をつかまれた愛佳が困った表情で立ちすくんでいた。
「小春、この際だからはっきり言うけん、よう聞き。
愛佳に謝らんと、この先あんた、孤立すっと」
「・・・それ、田中さんに関係あるんですか?」
「あるに決まっとる!どうしたん小春、何苛ついとぅ?」
まさに一触即発。二人の間に火花が散る。
流石に危険を察した愛が3人にこの場に割って入った。
同時にダークネスが放った合成獣が現れたとの連絡が通達されていたのもあるが。
「その話は後でしましょう。
れいな!小春!行くよ・・・愛佳もおいで!」
「は、はい」
「・・・はーい」
ちらちらと愛佳が小春に視線を向けているが、それには気付かない振りをして。
「・・・いた!」
それは誰の口から出た言葉だったであろうか。
野生の狼を彷彿とさせるその外見。
低くうなり声を上げ、破壊活動を繰り返している。
アスファルトはえぐれ、街路樹は折れ、標識などはただの鉄くずに。
目に付くもの全てを無に返すかのように破壊していた。
「れいなとリンリン、そっち一匹に専念やよ!」
「またアレなん・・・リンリン行くっちゃ!」
「ハイ!」
今日のメンバーは愛、れいな、小春、リンリン、愛佳。
対する敵は2体。
まず一匹を潰す判断を愛が下した。
同時にれいなが狼に向かって加速。
出来る限り眉間を狙うっちゃ!こいつの弱点!」
「リョウカイ!」
「小春、もう一匹の周りにいつもの出して!動き押さえるよ!」
「はいっ!」
二匹目の狼の視界を覆うように闇が貼り付けられる。
破壊するものの動きが止まったところに愛の拳が叩きつけられた。
愛の指示はいつだって的を得ている。
特に戦闘の際、生死のぎりぎりを刷り合わせている時は。
それが場数を踏んだリゾナンダーなのだ。
それがメンバーから信頼を一身に受けるリーダーなのだ。
「凄い・・・」
そんな中、身を硬くして愛佳が立ち尽くしていた。
「愛佳!あんたはそっちで待っとーと!初めてやけん、まずは見て空気に慣れんと!」
蹴りを繰り出しながられいなが叫ぶ。
まだ満足に能力を使えない愛佳はただ防御する、それだけが戦いの全て。
もちろん、視えたことは口に出す。
それが愛との約束。
最期を迎えたその身体は砂のようにさらさらと崩れ落ち、やがて風と同化して消える。
「どうだった?れいなかっこいいっしょ?」
「さ、愛佳、帰ろう、リゾナントに」
「リンリンもガンバリましたー」
「皆さん・・・凄いんですね・・・」
また愛佳、愛佳。
小春だって頑張ったのに。
少しくらい気にしてくれたって―――
心の中で毒づく。
能力を使った後の小春は一時的に視力が失われる。まぁ、たった数十秒から数分のことだが。
誰にも話していない秘密。
誤魔化す為に仲間の輪から離れる。
それに―――この会話に入ることはできなかったから。
くるりと背を向けて歩き出す。
はっとした表情で叫ぶ愛佳。
それは小春には見ることはできなかったが。
「何で?もう何もないか見てくるだけだよ」
そう、数歩離れた瞬間、それは現れた。
物陰に隠れて気配を殺す、3匹目が居たのだ。
射程距離に小春が足を踏み入れた途端、その首筋に食らいつく。
獣がにやり、意思のあるかのように、笑んだ気がした。
「ひ・・・いやぁぁぁ!!く、くすみさ・・・!誰か!道重さん!」
激しい痛みに涙が滲んでいるのに、愛佳が取り乱して泣き叫んでいるのが視える。
ようやく戻った視力。
こんな時もこの眼は正しいものを映すのだ。
泣きじゃくる愛佳の声を聞きながら、小春の意識はそこで途切れる。
喫茶リゾナンドの二階のようだ。
「あ・・・!目が覚めたんですね!!」
「光井・・・さん・・・」
「もう、大丈夫です。あのヘンな狼は高橋さんと田中さんがやっつけましたから!」
「まさか・・・ずっとここに・・・?」
「・・・いけなかった、ですか?」
暫しの沈黙。
「・・・愛佳のせいで・・・久住さんが・・・」
もっと、この能力が上手く使えていたら、もっと早く気付けていたら。
怪我を負わせることもなかったのに。
そう懺悔しながら俯き肩を震わせる少女。
戦いを思い出す。
愛佳は止めた。その先に行くなと。
だけど、それを無視したのは自分自身の虚栄と慢心。
仮に何かあっても、自分ひとりで対処できる、そう思い込んでいた。
ゆっくりだが理解していく。
愛佳はこんな自分の為に、泣いてくれた。今も。
偽りのものは見えない小春の視界に、彼女の涙は光り輝いていた。
自分はこんな優しい子を傷つけてしまった。
悔やんでも悔やみきれない。
こんなプライドなんて、いらない。
できるなら今すぐに時間を戻してあの場所からやりなおしたくてたまらない。
「愛佳」
小春は今、初めて少女を下の名前で呼んだ。
手招きして自分の隣に座らせ、そのの細い肩をそっと抱く。
「・・・この前は、ごめんね・・・」
その明るさ、強気な心、注目せざるを得ないエネルギー。行動力。
だが、その逆もあったのだ。
小春が愛佳に抱く劣等感。
誰かに素直になれる純粋な心。
和を乱さず、周囲にできる気配り。
わがままだとは分かっているのだ。
自分が中心でないと嫌だった幼い自分がなんだかちっぽけな存在に思えてならない。
「愛佳・・・あの時酷いこと言ったよね、だから小春のこと想いっきり殴っていいよ」
「はぁ?なんでやねん!」
「小春、わかってたの本当は。でも、認めたくなくって、愛佳に・・・」
やつあたりしたんだ。
子供な自分に勝てなかったんだ。
愛佳は同じ年なのにどうしてこんなに強いんだろうと。
心から、そう思う。
「・・・へ?」
「いや、だって、怒る理由がありません」
自分は今、大層間抜けな表情をしているのだろう。
小春のぽかんと空いた口を気にせず、続ける。
「視えたんです。久住さんが、一人で、泣いているのが」
あの時、戦闘前に。
愛佳がれいなに腕をつかまれた時。
れいなの持つ、他社の能力を増幅する能力、リゾナンドが愛佳に発動した。
もちろん、愛佳が視ようと思って視たのではない。
でも、視えてしまった。
暗闇の中で、小春がうずくまって大粒の涙を零している。
肩は小刻みに震え、必死に唇を食い縛り、声を殺して。
全身で、寂しい、寂しい―――と。
そう言っている様な気がして。
小春も自分と同じように、孤独と戦う夜があるのだと知った。
勝手に強いのだと、そう思い込んでいた人物は、実は背中合わせの弱さを抱いていたのだと知った。
だったら・・・取る行動はたった一つ。そう、判断した。
ぺこりと頭を下げて屈託なく笑う愛佳。
こんな子だから、皆に気に入られたんだろう。
そして、小春もまた。
「先輩、か――――――」
いつまでも子供のままでは居られない。
自然に頬が緩む。
あぁ、こんな風に笑えたのは、どれくらいぶりなんだろう。
ほんの少し、彼女のお陰で成長できそうな気がした。
そうだ、何処か痛いところはないですか?
お水、飲みますか?
あぁ、皆さん下階に居ますから呼んで来ましょうか?
思い出したのか、そう一気に聞いてくる愛佳。
今度は感情に素直になろう。
「それより、愛佳のことを知りたいな。
初めて会ったときに出来なかった、いろんな話をしよう。
だって、私達―――仲間でしょ?」
タイトルは正直思いつかないのでどなたか考えてくれると助かります。
待ってました!ありがとうありがとう!
泣けるなぁ・・・二人の心理描写にグッときた
小春と愛佳はやっぱナイスコンビやね
ところで・・・続けて短編投下してもおK?
thx!
6期ものの続き書いてたんだけど煮詰まってたら先越されちゃってたorz
>>679-696があまりにも素敵過ぎですので投下断念
代わりにGWっぽいネタ短編を書いてみました
感動巨編の後に空気読まず恐縮です・・・じゃ行きます
多くの人手でにぎわうゴールデンウィーク
愛は珍しく喫茶リゾナントを閉めて、里沙と久しぶりの休日を楽しんでいた
「里沙ちゃん、あーしお腹空いたがし」
「そうだね、愛ちゃん何食べたい?」
「・・・・・・」
いつもならここで自分の食べたいものを勢い良く列挙していく愛だったが返事はない
愛は何故か黙り込んで、大通りを挟んで向こう側にある建物の上層階を見上げていた
「愛ちゃん、どうしたの?あそこのデパートに行きたいの?」
「違うがし・・・あのデパートの屋上から・・・里沙ちゃんは感じんか?」
「・・・・・・・・・」
里沙も愛と同じように見上げてスッと精神を統一させる
確かに、かすかにではあるが感じる
ダークネスの手の者が現われる直前に感じる重く黒いものではない
しかし、いつもいっしょにいる仲間達から感じる柔らかいものでもない
里沙は胸騒ぎを感じた
それは愛も同じだったようで、ふたりは目で頷き合った後一目散に駆け出した
エレベーターを待っている程の余裕も時間もない
ふたりは込み合うエスカレータを一気に駆け上がった
重たいガラスの扉に全身をぶつけるようにしてふたりは屋上に飛び出した
しかし、そこには休日の平和な風景が広がるのみ
楽しそうに駆け回ったり、小さな遊具で遊ぶ子供達
できたてのソフトクリームを嬉しそうに頬張る親子
「あれ?」
「愛ちゃん・・・油断しちゃだめ・・・さっきよりも強くなってる」
確かに強まっている
ふたりが目標に近づいたからではない
明らかに目標から発せられるものが強く濃くなっている
「しかも・・・複数いるみたいね」
そしてそれは数種類感じられた
「こんな所で誰が・・・何をするつもりなんやろか・・・」
得体の知れない目標と計り知れないその目的に愛は戸惑いの色を隠せない
最悪の場合、ここに居る幼い子供たちまで巻き添えに遭うのだから
「愛ちゃん・・・ちょっと、あそこ・・・すごい人だかりなんだけど・・・」
里沙が指を差す方向には確かに大人数の人だかり
親子連れだけでなく、カップル、制服姿の学生、ちょっとヲタク風な男性
さまざまな年齢層の男女が屋上の片隅に設けられた簡易ステージに向いて集まっていた
「なんやろ?なんかショーでも始まんの?」
「なんだろ・・・でも何があるとかは書いていないっぽいけど・・・」
ふたりは警戒しながらもその人だかりに近づいていく
ステージのバックに掲げられた看板には“ゴールデンウィーク!ちびっこひろば”としか書かれていない
集まっている者達は皆、これから始まるであろう何かに期待の色でいっぱいの笑顔だった
ドワァァァァアアアン!!!
「おわっ!」
「何?何の音?!」
愛と里沙がその人だかりの最後列にたどり着いた時、ステージ横に設置されたスピーカーから大きな音が放たれた
「ドラの音?」
続いて流れてきたのは軽快な中華風の音楽
そして割れんばかりの拍手と歓声
『ハーーーーーイ!皆サーン、バッチリですカーーーーー!!』
「「「 バッチリでーす!! 」」」
「里沙ちゃん・・・この声・・・」
「・・・・・・うん」
人だかりの隙間から見えた、声の主は・・・紛れもなくリンリンだった
ステージに上がっているリンリンはミニのチャイナドレスにおだんごヘアー
見事なまでの中華娘ないでたちに、愛と里沙はあんぐりと口を開けて見つめるしかなかった
「あーし、リンリンのあーいう格好、初めて見たがし・・・」
「うん、あたしも・・・」
いつもテンション高めのリンリンだが、この時はさらにテンション↑↑でステージを進行している
集まったギャラリーもヒートアップしているようで、子供達ははしゃいで立ち上がっている
男性達はリンリンの名を連呼すしている
リンリンはステージ上から手を振りながら笑顔で応えている
『皆サン、元気イイですネー!じゃ、サッソク始めマスだー!』
さらに歓声は大きくなる
『本物のパンダとイッショに仲ヨク、写真サツエイ会ぃぃぃーーーーっ!!』
「パンダ・・・パンダ言うたで、あの子・・・」
「うん・・・言ったね・・・パンダって言ったね・・・」
『カワイイパンダのジュンジュン、カモォォォーーーンッ!!』
『バウ!』
ttp://yagutimari.mine.nu/desi/RODA/files/desi0232.jpg
ステージ袖から現われたのは・・・紛れもなくパンダ(中の人はジュンジュン)だった
「ママー!ママー!パンダだよっ!!」
大きな歓声に迎えられたパンダ(中の人はジュンジュン)はいつものようにボードを掲げる
【 今日は来てくれて謝謝 】
「ジュンジュン萌ええええええーーーーっ!!」
「ちょっ・・・愛ちゃん!これ・・・」
「里沙ちゃん・・・あーし、頭痛くなってきたがし・・・」
「はーい、じゃあジュンジュンと一緒に写真を撮りたいお友達はこっちに並んでねーーー」
「ちょっ、愛ちゃん!この声!?」
「・・・・・・れいなやん・・・」
ステージ脇にはいつの間に現われたのか、れいながニヤニヤしながら手を上げていた
そしてその横には休日にも関わらず、制服姿の愛佳
http://toromoni.mine.nu/up/files/data/19/toro19061.jpg
「一回の撮影につき1000円いただきまーす」
「現場仕切りのオネエさんエロォォォォォォーーーー!!」
http://toromoni.mine.nu/up/files/data/18/toro18242.jpg
「一回につき2人まで一緒に撮影できますよー」
「お会計係のJKキャワァァァァァァーーーーっ!!」
自分達に向けられた歓声を気にする様子もなく、手際よく長蛇の列を捌いていくれいな
そして、こちらも手際よくお金のやり取りをしている愛佳
「うん・・・なんや、こ慣れとるな・・・」
「あ、ちょっとぉ・・・愛ちゃん?」
愛は里沙の呼びかけにも応えず、人だかりを掻き分けてずんずんと進んでいく
そして、れいなの背後へ・・・
「はーい、じゃぁ次のお友だ・・・」
振り返ったれいなは思いもよらないお友達の出現に絶句した
隣にいた愛佳も同じく、お客からもらった1000円札を握り締めたまま固まっていた
「ぁ・・・愛ちゃん・・・」
愛は無言でれいなの首根っこを鷲づかんだ
こっち来るやざ
ノハヽヽ8∈
('Д '#从ノノハヽo∈
( っ从;` ロ´)<・・・・・
(_, ヽJ `ヾu_0_0 ....
ズリズリ
「あのー・・・」
「ハッ!あっ!すんませ~ん、はい、次どうぞ!」
その場に取り残された愛佳は動揺を隠し切れない引きつった笑顔のまま健気に撮影会を続けた
その日の晩、れいな、愛佳、ジュンジュン、リンリンは愛からこっぴどく叱られたのは言うまでもない
中野盛り上がりましたかー?
行きたかったなぁ・・・
乙でした!
ジュンジュンは着ぐるみ・・・だよね?w
何か段々みっつぃのキャラが壊れていってる気がする様なw
しかし作品ラッシュで嬉しい悲鳴だ
こっちも乙でした!
小春と愛佳はいい意味で陽と陰
二人で助け合っていければいいなって思う
今、読み終わりました
小春のヤキモチに何故だか萌えた
面白かった
タイトル案 居場所☆
リゾナンター…人間(超能力保持者)の組織と戦うストーリー
リゾナンダー…人間ではない組織と戦うストーリー
・・・って脳内で分けて読んでみてる
カラーで呼び合ったりリゾナンカーが出てくる感じのもすべて後者
盛り上がり的には昼より夜だったねやっぱり
昼夜2階席だったけど2階席は4/29の夜のほうが熱かったような
でも1階席は盛り上がってる雰囲気だったよ
他には八王子も1回2階席あったけど2階席の印象はあまり声が出てないって感じで悲しい
小春の話もGWの話も素晴しい
ちょっと気になったのは>>789の11行目
まとめの人にあげてもらうとき「的を得て」→「的を射て」に直してもらったほうがよいかと
無粋ですまん
「的を得て」も一概に間違いとは言えないんだよ
俺も間違いだと思ってたんだけど
ちょっとググって調べてみ
論がある程度で根拠はみつからなかったです
間違いでないかもよりは正しいほうを選ぶのが妥当な判断だと思うけど
それこそ無粋なので作者にまかせます
ATOK先生は「的を得て」って入力しようとするとご丁寧に【当を得る/的を射るの誤用】と教えてくれますなー
とりあえずそのまま上げておくと思います。気になるようでしたら適宜ってことで。
>>775
タイトルについては関空発ボーイングのお話以外は全て「名無し募集中。。。」で(イラストの人のホスト名も修正してます)
確かにパッと見ではそれがどんな話かわかりづらいのは事実なんですよねぇ
ただ、自分も2作ばかし上げてますが、今からあれのタイトル考えるとなるとかなり悩みそうw
意外とタイトルってバッチリ決まらなかったりするんですよ
導入の何行かとか表示できればとも思いましたが、それはそれで煩雑になりそうで…
ちなみに今中野から帰還。まとめ更新は明日になると思います。
381 名無し募集中。。。 New! 2008/05/03(土) 17:54:01.63 O
昼終了
最長メドレー前のMCで一人足らないと思ったらさゆが片足靴下で登場
ガキさんの足を指さして間違えてるって言って二人で袖に掃けていった
「的を射て」が正しいですね・・・皆様ご指摘有難うございました
まとめの方、いつもお世話になっていて申し訳ないのですが修正してくださると助かりますorzorz
確かに欲しい気はしますね
ただ自分も結構書きましたがタイトルつけるのは難しいですねえ
・自分でつけたい人は自分でつける
・つけたいけど良いのが思いつかない場合は読者に決めてもらう
・つけたくない人はつけない
って感じでいいんじゃないかな?
かく言う俺も自分が書いたものにタイトルは欲しいけど良いのが思いつかないorz
見る側にとってはタイトルがあった方が助かるだろうけど書く人は大変
たった1行のタイトルを考えるのに1日中考えちゃったりするし
次回予告を書いてる自分としてはまさに逆
タイトル決まってるけどそれにあった予告を考えるのが長い
1レスだけだから楽だけど
例えば主役が新垣なら新垣編って書くだけでもいいんじゃないかな
ごめん そんなんかなーて
タイトル想像しただけ
バイトを終え、帰宅の途につく女子高生
闇の中から現れた漆黒のドレスを纏った女性
すれ違おうとする二人
「ねぇねぇ?固めてもいい?」
女が甘えたような声で言う
「えっ、何ですか?」
訝しげに女子高生が尋ねる
「固めてもい~い?」
もっと甘えた声が女が言う
「な、何を固めるんですか?」
「お前をだよ、お嬢ちゃん」
光井×矢口編とか
デパート屋上イベ編とか
『女子高生 路上で凍死』
「ねぇねぇ、小春ちゃんこのニュースどう思う?」
メーク室に置いてあるTVから聞こえてきた報道
このヘアメークさんはよく喋る人だ
黙って仕事に集中すればいいのに
「どうって、薄着で道路で寝てたんじゃないの?」
めんどくさいからテキトーに答えた
大体、小春には関係ないことだもん
「いや、それがね、被害者の人・・・立ったまま氷漬けだったらしいよ」
「へぇ~、そうなんだぁ~」
「へぇ~って小春ちゃん・・・この事件普通じゃないよね。ほら、もう4月だしさ」
「別に普通だよ」
そう、別に普通のことだよ。世の中には人の心を読んだり、念動力を使ったり、予知能力を使う人だって居るんだから。
何が起こっても不思議じゃないんだよ。って言ってもこの人にはわかんないよね。
「はははは、やっぱり小春ちゃんは大物だなぁ」
それはちがうだろ、おいおい
「久住さん、本番で~す!」
「はぁ~い!」
はいはい、元気よく営業スマイルっと、あ~ぁ、今日の撮影長いんだよね~
ブーン、ブーン
ん?メール着信?タイミング悪いなぁ・・・愛佳か、じゃあ後でいいよね
それじゃ、お仕事がんばっていきまっしょい!っと
最近ウチな、よく雪の夢を見るんよ。なんでやろうなぁ、もう春なのに
街中が真っ白な雪景色で、凍えそうに寒いんや
その夢にはな、必ず女の人が出てくるんや
凍えそうに寒いのに背中が出てる黒いウェディングドレス?着ててな
「ア~ッハッハッハッハッ!」ってバカ笑いしてるんや
なんや、よく意味のわからん夢やけど、こういうのもリーダーに報告するべきなんかなぁ?
どう思う?、小春ちゃん
あ~ぁ、さゆみも帰っちゃったし退屈だなぁ
なんか最近微妙に寒いんだよね・・・心臓キリキリしちゃうよ
退屈だから中庭の桜でも見ようかな・・・って雪!?
もう4月だよ!4月!
でも桜と雪のコラボはある意味・・・ア~ト!
みんなにメールしよっと
4月某日 都内某駅
ちょっとちょっとぉ、何で雪とか降ってるわけ?しかも電車止まってるし
ん、えりからメールだ・・・雪、ってそんなの知ってるてば!
もう、しょうがないなぁ・・・リゾナントまで歩くか
(何コイツ・・・道端でこんな格好してバカじゃないの?そこそこ可愛いけど)
口には出さないが、さゆみは軽蔑の目で女を一瞥した
「固めてもい~い?」
甘えた声で女が言う
「へ?何ですか?」
(何こいつ、意味わかんない)
「ねぇねぇ、固めてもい~い?」
もっと甘えた声で女が言う
(可哀想に・・・やっぱり頭が・・・)
さすがにさゆみは女を哀れに思った。さゆみの力でも精神の疾患までは癒せない。
担当外だ。
「あの、そんな格好で寒くないんですか?早くお家に帰ったほうがいいですよ」
女の「固めてもいい?」という謎の問いを無視し、さゆみは憐れみの目で女に語りかける
まさかこれが魔界への入り口とは知らずに・・・
先ほどの笑顔と甘えた声とは一変し、怒りの形相、下品な口調で女は声を荒げる
「へっ!?何でさゆみの名前知ってるの!?貴方は・・・まさか!」
黒衣の女の周囲がキラキラと輝き始める
「この雪は貴方の仕業なの!?」
「そうかい、アタシの情報は愛ちゃんから聞いてないんだ。相変わらずダメダメだねぇ」
女の周囲の輝きはやがて収束し始め、つららのような無数の氷の矢を形成する
「固めるだけにしとこうかと思ったけどさ、アンタなんかムカつくから苦しんで死んでもらうね」
(ヤバい・・・こいつヤバいよ・・・)
携帯を取り出し、メンバーに連絡を取ろうとするさゆみ
しかし・・・
いつの間にか携帯は氷漬けで、ボタンすら押せない
「アーッハッハッハッハッ、まぁ連絡取れてもこの雪で誰も来れないんだけどね。あ、愛ちゃんは来れるか」
踵を返して逃げようとするさゆみ
すぐさま、女がさゆみに向かって指をかざす
「うぐぅっ!!!」
氷の矢の一本が飛び、背後からさゆみの太ももを貫く
もんどりうって雪の積もった道路に倒れるさゆみ
雪を真っ赤に染める鮮血
高笑いする黒衣の女
必死に刺さった氷の矢を抜こうとするさゆみ
「痛っ!!!」
しかし氷の矢を握った手にも火傷のような痛みが走る
手を見ると掌の皮膚が凍りつき剥がれている
「ああぁ・・・」
「癒しの力・・・だっけ?でも刺さったまんまじゃ直んないよねぇ。まして凍ってたらさ」
矢の刺さった周囲の皮膚も凍り始めている。
「まぁすぐには固めないからさ、じわじわと苦しみながら逝ってね」
女がウィンクすると更に氷の矢がさゆみに襲い掛かる
「あぐうぅっ!!!」
さゆみの右腕、左腕、貫かれていないほうの左足を次々と貫く氷の矢
「あぁぁ・・・うぅぅ・・・」
痛みに苦悶し、涙を流すさゆみ
しかしその涙すら凍りつきそうな冷気が近付いてくる
氷の矢に両腕両足を貫かれ、地面に磔になったさゆみの顔を女のヒールが踏みつける
「ねぇねぇ?痛い?痛いよねぇ?ん?ん?」
なんとか、『癒しの力』を発動させてダメージを軽減しようとするさゆみだったが、やはり凍り付いた傷口には大した効果を見せない
更に、寒さと失血のせいか何だか意識が遠くなってきた。
「なんか全然抵抗しないしあんまり面白くないなぁ。所詮は非戦闘員か。もう固めちゃおっか!」
女の手からこれまで以上の冷気が噴出し、さゆみに襲い掛かる
(えり・・・ゴメンね・・・ケーキ屋さん、無理だわ)
さゆみの意識は、真っ黒な深遠の中に堕ちていった
「えっ!?何?」
冷気を当て、さゆみの身体を完全に凍りつかせようとする黒衣の女が異変に気付いたのは
それから十数秒後のことだった
パキーン、パキーン!
さゆみの手足を貫いていた氷の矢に亀裂が入り、次々と砕けていく
加えて、黒衣の女の周囲で『待機』していた氷の矢も次々に砕け散る
「何!?何だ!!!」
足元を見ると道重さゆみが目を覚ましている
「お前・・・」
「って言ってもどけてくれませんよね。じゃあこうします」
さゆみの目が金色に輝く
「・・・ぎゃあああああああ!!!」
黒衣の女の絶叫が雪景色の中、響いた
「足が・・・アタシの足がぁあああああああ!!!」
一瞬にして黒衣の女の足は崩壊し、青い血が噴出す
倒れこんでのたうつ黒衣の女の周囲の雪が青く染まっていく
さゆみがゆっくりと起き上がる
「お前・・・お前ぇえええええええ!!!」
再び黒衣の女が氷の矢を形成する
一斉にさゆみに襲い掛かる十数本の矢
しかし、矢はさゆみに到達する直前でやはり全て砕け散っていく
「なんだ、なんだこの力は・・・ただのヒーラーのはず・・・」
激しく動揺し、身体を引き摺り後ずさる黒衣の女
「さて、さゆみをいじめてくれたお礼をたっぷりさせてもらいましょうか」
「なっ・・・お前一体・・・」
「あ、ご挨拶が遅れました。私、さゆみの姉のさえみです」
「ひっ、ひぎゃあああああっ!!!」
今度は、黒衣の女の右腕が崩壊していく
「次は左足です」
ゆっくりと黒衣の女に近づく『さえみ』
「ヒッ、ヒイイッ!来るなぁ!」
左腕に氷の剣を形成し、振り回す黒衣の女
「あら、左腕が先ですか?」
先端から砕け散っていく氷の剣、そして黒衣の女の左腕も崩壊していく
「ひっ、ひやぁあああああ」
「しかし寒いですねぇ、いい加減この雪止めて頂けませんか?」
崩壊していく女の左足
「嫌、死にたくない・・・嫌ぁあああああああああ!!!」
「人は皆、いつかは死ぬものです。そしてまた生まれる。破壊と創造は常に表裏の関係なのです」
「嫌ぁああああああああ!!!助けてぇええええええ!!!」
永遠の命を得る為にダークネスに仕えた氷の魔女。その魔女が最も恐怖するのが『死』なのだ。
『さえみ』が黒衣の女に止めを刺す為、力を発動させる
しかし、そこには女の姿はなく、女が寝ていた場所の雪が崩壊し道路が露になる
「邪魔者・・・ですか。まぁいいでしょう」
遠くのほうに全身レザーの服を着た女が黒衣の女を抱えて高速で走り去るのが見える
「さて、少し疲れました。眠るとしますか」
「どうしたの?さゆみ?」
「みんながさゆみのこといじめるの」
「よし、そんな悪い人達はお姉ちゃんがやっつけてあげる!」
幼い頃の記憶・・・お姉ちゃん・・・そうか、さゆみ、お姉ちゃんが・・・
「さゆ!さゆが目を覚ましたよ!」
意識が戻ると、さゆみは病院のベッドに居た。
病室には絵里たちリゾナンダーのメンバーが全員集っている
「メール入れてもずっと返事が無いから心配して・・・みんなで探したんだよ!」
さゆみに抱き付いてわあっと泣く絵里
そうか、氷の魔女に襲われて・・・それで・・・
「何があったと?さゆ?」
「覚えてない・・・」
「えっ!?」
「ダークネスに襲われて殺されそうになったんだけど・・・その後・・・」
「やはりダークネス!」
「でもあっし達がさゆを見つけたときにはダークネスなんて居なかったがし」
「お姉ちゃんが助けてくれたのかな・・・」
「えっ!?道重さんお姉ちゃん居たんだ?」
「ううん・・・居ないよ」
「はぁ?」
「多分さゆみはまだショックで混乱してるんやよ。ゆっくりと休むといいがし」
孤独を埋める為に創り出した想像の『お姉ちゃん』なのだ。
学校から家に帰っては一人、想像の『お姉ちゃん』と会話するのがさゆみの日課だった
絵里と出会ってからお姉ちゃんのことはすっかり忘れていたのだが・・・
やっぱり・・・
「お姉ちゃん・・・ありがとう・・・」
すっかり雪も止み、晴れた空を見上げながらみんなに聞こえないような小さい声でさゆみは呟いた。
駄文スマソ
>>834にて横槍入れてしまってごめんなさい
・・・さては姉重スレ見てましたねw
導入がいいね
引き込まれました
姉重登場かと思った
兄重編も期待してます
乙
ごめんね、いまから寝なきゃいけないから明日読む(´・ω・`)
写真わろた
ヤンキーの血が騒ぐれいなと舎弟みっつい~だな
小春編もパンダ編も姉重編もすごく面白かった
嬉しくて調子乗っちゃいましたのでやっぱり書きかけてた
前スレ6期出会い編の続き投下します
恐ろしく長いので前後編に分けさせていただきます
>>97>>101お待たせしましたw
>>100さゆえりがキャラ立ちできてるか不安なところですが・・・
>>856屋上編はあのみっつぃ~のキャプが使いたくて書いたんで
そう言ってもらえるとうれしいw
あれに合うようにれいなの写真もわざわざ自分でキャプったw
「あのー・・・すいませーん・・・」
街角にある何の変哲もない小さな交番
さゆみは先程からその交番の入り口で何度も大きな声を張り上げている
しかし、奥の方でかすかに物音はすれど、誰かが現われる気配は一向に感じられない
「もぅ・・・これもみんな絵里のせいなんだから・・・」
つい先日、絵里の入院先で偶然の出会いと衝撃的な別れをした田中れいな
さゆみは病院から出られない絵里に代わって、数日前から彼女の行方を探していた
れいなのその不良っぽい風貌から、思い切って学校の不良達に聞き込みもした
街の噂事にも精通している新聞部の部員にも聞いてみた
しかし、返ってくる答えは皆、共通して使えないものだった
──田中れいなは知っているけど、何者かは知らない
「ほんっと、意味わかんない・・・」
有名人ではあるらしいが、その実像は謎に包まれているようだ
「どこ行っちゃったんだよ・・・」
「どこにも行っとらんけど?」
「ふゎぁぁっ!」
「“ふゎぁぁっ!”ちゃうわ。あんたが呼んどったんやろーが?」
これまでの経緯を思い返して腹を立てていたさゆみは、奥から婦警さんが出てきたことに気づかなかったため
つい、大声を上げて驚いてしまった
「ぁぁ・・・すいません・・・」
「こっちがびっくりするっちゅーねん」
そこには明らかに不機嫌そうな、金髪関西弁の婦警さん
制服を着用していなければ、できれば関わりたくない方の人種に見える
さゆみの頭の中では危険を知らせる警報がけたたましく鳴り響いた
「で?なんやの?」
「は?」
「“は?”やなくて・・・用があったから呼んどったんやろ?」
「あぁ・・・あのっ・・・私、人を探してまして・・・」
「人?人探しなら警察やなくて、もっと他に聞くトコあるやろ?」
婦警さんの不機嫌な表情に怪訝に思う色が加わった
“国民一かわいいさゆみが困ってるのにその表情かよ・・・”と心の中で突っ込みを入れつつも
さゆみは得意のキュートな作り笑顔でさらに喰らいつく
「いろいろ考えたんですけどぉ・・・警察の方に聞くのが一番かなって・・・
この近くで起こった事件の被害者・・・いや、加害者かなぁ・・・
うーん・・・まぁそのー田中れいなって女の子を探してまして」
「あぁ、れいなね」
「え?ご存知なんですかぁ?!」
予想外のすばやいレスポンス
あっけに取られながらもさゆみは続ける
「あの、私、道重さゆみって言います!あのれいなの居場所とか連絡先、ご存知ですか?!」
「あぁ、それは知らん」
「ええええぇぇぇぇええぇぇぇぇええええ~~~~・・・」
「っ・・・うるさいっ!」
「何それ~もぉ~・・・ぬか喜びさせないでくださいよぉ~」
「あんたが勝手にテンション上げてただけやろ」
「期待させといてそれはないですよ~」
がっくりと肩を落とすさゆみ
この時ばかりはあまりの落胆に、得意の作り笑顔も作り出せなかった
そんな様子のさゆみを見かねてか、婦警さんは少し優しめのトーンで話し出した
「いや、連絡先を知らんと言うか、れいな携帯とか持ってないんやわ」
「ええええぇぇぇぇ──
「そのリアクション、もぉええから。うっとーしい」
「・・・・・・・・」
「れいなは携帯を持たない住所不定無職の野良猫やからな」
「野良猫・・・確かに猫っぽいですね」
「やろ?」
「で、さゆみはどうしたらいいんですか?」
「知るか」
「ええええぇぇぇぇ──
「あーーうるさいっちゅーねん!わかったから、お姉さんがなんとかしたるから!」
「お姉さん・・・」
「なんや?文句あんのか?」
「ない・・・と思います」
「煮えきらんやっちゃなぁ・・・」
そんなこんなで金髪婦警さんから得た情報は・・・
れいなは住所不定無職
携帯電話不所持
所持金が底を尽きると婦警さんのお家に転がり込んできて数日から数週間居候する
その間は婦警さんの自宅近くの繁華街にある、婦警さんの知り合いのお店でバイトをしている
ごくたまに、れいなが育った孤児院に現われて子供と遊んだりしている
と、言うわけで・・・こちらから連絡を取るのは不可能に近い
さゆみは今度れいなが現われたら連絡して欲しいと婦警さんに自分の携帯番号を伝えて交番を後にした
次にさゆみが向かったのはれいなが暮らしていたという孤児院
婦警さんに描いてもらったわっかりにく~い地図を片手に、
やっと目的地にたどり着いたのはもうすぐ日が暮れようかという時間帯
少し古ぼけた、さほど大きくもない建物の中からおいしそうなにおいが漂ってくる
さゆみは無意識にお腹を押さえながら、入り口の呼び鈴に手を伸ばした
「はいはーーーーい」
先程の婦警さんとは正反対の溌剌とした返事とともに開かれた扉の向こうから
──さゆみよりも小さいけど、さゆみと同じぐらいかわいいの・・・
いや、良く見るとやっぱりさゆみの方が断然かわいいの
といった女性がニコニコと笑顔を振りまきながら現われた
「どちら様ですか?」
「あ、私、道重さゆみと申します」
「さゆみちゃんね、こんばんわ」
──この笑顔・・・なかなかのハイクオリティなの・・・
「あの、私、田中れいなさんの友達でして・・・れいなさん、こちらに来てないかなーと思いまして・・・」
「わぉぅっ!田中ちゃんの友達だべかーーーー!!!」
──え?ちょっ・・・今、急に訛りませんでした?
「なんだなんだぁーーそーゆー大切な事はもっと早くに言わなきゃダメっしょ!」
「はぁ・・・」
田中れいなの名前を出したとたん急にフレンドリーに、そして急に田舎臭くなった女性は
さゆみの肩を嬉しそうにバシバシと何度も激しく叩いて笑った
「でも、今日はここには来てないんだべさ」
「そうですか・・・」
さゆみはお礼を告げ、先程と同じように自分の連絡先を伝えてその場を後にした
時を同じくして、絵里の入院先では・・・
「ねぇねぇ、せんせぇ~、次の休みの日こそは~おいらと一緒にディズニーランドに行こうよぉ~」
「は・・・はは・・・そ、そうですね・・・そのーそのうちに・・・」
「そのうちそのうちってどのうちに行ってくれるんだよぉ~・・・」
「は・・・はははは・・・」
絵里が見舞いに訪れた両親を見送った後、ナースステーションの前を通りかかると
病院内で人気のイケメン医師の白衣を掴んで駄々をこねる小さい大人を発見した
「せんせぇ~、そう言い続けてもう2ヶ月ぐらい経ってんじゃんか~」
「そ・・・そうでしたっけね?ははは・・・」
──なんだろ?あのちっさい女の人・・・警察の制服着てるけど・・・
絵里は不思議に思いながらその滑稽な光景を遠巻きに眺めていた
すると、長身の看護婦が音もなく小さい婦警さんの背後から近づいて・・・
ゴンッ!
ちっさい大人の頭頂部にゲンコツを振り落とした
「イテッ!ちょっ!何すんだよ!?」
「アンタねぇ、ここがどこだかわかってんの?仕事で来てるんなら真面目に仕事しなさいよ!」
「ったく・・・あ!せんせぇ!せんせぇ~!!」
殴られて婦警さんがひるんだ隙に、イケメン医師はそそくさと走り去ってしまった
なおも追いかけようとする婦警さんの首根っこを看護婦さんはグイッと掴んで、
さらにきつい言葉を婦警さんの頭上から浴びせかける
「いーかげんにしなさーーーいっ!」
看護婦さんの怒りの叫びがフロア全体に響き渡る
さすがにシュンとなった婦警さんはブツブツ言いながらも観念したように大人しくなった
「だいたいねぇ、この間のれいなの件があったからパトロールに来てるくせに、アンタが問題起こしてどうするの?!」
「すーいーまーせーんー」
──れいな?今、れいなって言ったよね?
絵里は言い争う二人の方へ駆け出した
「あ、あの!」
「あら?亀井さん、どうしたの?」
「れいなの!田中れいなの事で聞きたいことがあるんですけど!」
「ふぇ?何?この子、れいなの知り合い?」
絵里の必死の問いかけに、最初の返事をしたのは意外にも婦警さんの方だった
「亀井さんはこの前れいなが入院してた時、同室だったの」
「あぁ、それで!」
看護婦さんの説明に納得した様子で、ポンと手を叩いた婦警さん
「で、何?れいなの事で聞きたい事って」
「あ、あの・・・私、れいなと今度、一緒に出掛ける約束をしたんですけど・・・その・・・連絡先を聞くのを忘れちゃって・・・」
「まじで?!」
「亀井さん、あの子とそんな約束したんだ?!」
ちっさい体を大きく仰け反らせて驚く婦警さんと、普段から大きな瞳をさらに見開いて驚く看護婦さん
「え?ぁ・・・はい・・・」
そんなに驚かれるとは思ってもいなかった絵里はとまどってしまい、つい返事が小さくなる
「へーへーへー・・・あのれいながねぇ・・・意外じゃね?」
「うん、まぁ意外と言えば意外だね」
「そうですか?」
「だって、れいなって同じぐらいの年の子とつるんだりしないし」
「確かに。基本的に一人でフラフラしてるもんね」
「あの、お二人ともれいなのお知り合いなんですか?」
「知り合いと言うか、腐れ縁と言うか・・・ほら、れいなって喧嘩っ早くてよく問題起こすからさ
おいら達の間でも相当な有名人なわけよ」
「そして、れいなの犠牲者達がよくここに担ぎこまれるってわけなのよ・・・ホント迷惑なんですけど!」
看護婦さんは日ごろの鬱憤を思い出したのか、急にご立腹のご様子
「で、ここ1年ぐらいはそんなれいなを見かねて、おいらの先輩がたまーに面倒みてやってんのよ」
「と、言うことは!婦警さん、れいなの連絡先知ってるんですか?」
「いや、知らないけど?」
「ええええぇぇぇぇええぇぇぇぇええええ~~~~・・・」
「っ・・・うるさいなぁ!」
「・・・だってぇ・・・えり・・・期待したのに・・・グスッ・・・」
「あ゙ーーっ、泣くなって!」
「せっかく・・・れいなと・・・連絡がつくと・・・思ったのに・・・グスッ・・・」
「だーーーっ、わかった!わかったって!おいらがなんとかするからさぁ~・・・」
「ホントですかぁ!」
「泣きまねかよ・・・」
「泣きまねじゃないですぅ。泣きそうだったんですぅ」
「・・・・・・あっ、そ」
「てへっ」
そして数日後──
絵里は自宅の部屋でさゆみとふたりっきり
たまにの外泊許可が出ためでたい日だというのにふたりの顔は浮かないものだった
「で、その金髪婦警さんから連絡はないの?」
「音沙汰ナシなの・・・絵里の方こそ、そのちっこい婦警さんからの連絡は?」
「・・・・・・ない」
絵里は口を尖らせて俯く
さゆみはため息をついて部屋の中央に置かれたテーブルに突っ伏した
「てゆーかさぁ、れいなって何者?」
アヒル口はそのままに、自分の服の裾を手の中で弄びながら絵里が呟く
「さぁ?金髪婦警さんは野良猫って言ってたけど・・・」
「野良猫かぁ・・・れいなにはぴったりだね」
「うん・・・」
そして沈黙
待つしかないこの状況に普段はおしゃべりが止まらない二人も押し黙るしかなかった
しばしの沈黙に絵里の携帯電話の着信音が突然割り込んできた
絵里がすばやく携帯電話を掴みあげるとディスプレイには登録されていない番号が表示されていた
絵里とさゆみは顔を見合わせる
「絵里!ちょっと早く出て!」
「わ・・・わかってるよぅ!もしもし!」
『あー亀井ちゃん?どもども、おいらの事覚えてる?』
「覚えてるに決まってるじゃないですかっ!」
絵里はさゆみの方を見て頷く
さゆみは絵里の隣に這って行って、自分も携帯電話に耳を寄せる
『あーそりゃ良かった。で、れいななんだけどさーいるんだけど、ここに』
「ここってどこですかっ!」
『おいら先輩の家。れいな、先輩に酒飲まされて爆睡中だけど来る?』
「行く!行きます!すぐ行きますっ!!」
『わ・・・わかったから・・・亀井ちゃん声でかいよ』
「どこに行けばいいんですかっ?!」
『えっと・・・亀井ちゃんの家、FAXある?』
と、言うわけで絵里とさゆみはちっさい方の婦警さんから送ってもらった
わっかりにく~い地図を片手に、街の繁華街を歩いていた
「また同じ所に出てきたの」
「うそ?ホント?違うってぇ」
「うそじゃないの。ホントなの。だってさっきもあの角のタバコ屋さん見たし・・・」
「うそー・・・絵里、見てない」
「だいたいこの地図がわかりにくいの・・・なにこのアバウトな感じ」
確かに縦横に細い線が無造作に引かれており、目印になる建物の位置も極めてあいまいなものだった
「この地図で迷わないほうがおかしいの」
「むぅ~・・・じゃぁ婦警さんにちょっと電話してみようか?」
絵里が上着のポケットから携帯電話を取り出した
と同時に何者かによってその携帯電話は絵里の手から奪い取られた
「何かお困りですか?」
絵里とさゆみは驚いてその声のする方へ顔を向けた
続きも調子こいて投下させていただけるようでしたら
明日あたりにでも・・・
>>851
姉重キタッ!そういうネタの使い方スゲー好き・・・
二重人格的なキャラとか個人的にスゲーツボですw
バトルシーンもカッコイイ
明日も楽しみにしてます
でも引きってそうあるべきだよね
続き楽しみw
wktk
そんな~
何で切るの?!!
続き下され!!早うっ!
自分だけかな?w
>>851
さゆは多重人格なのか!?
しかしさゆのお姉ちゃんの性格で破壊的な能力使われるとなると怖すぎるw
>>870
ハロモニ劇場風味面白い
あとさゆの心の中の突っ込みが普段からやってそうでいいね
という脳内設定です
陽が昇りいつもと変わらぬ仕事や学園生活をこなしてゆく
陽が沈みいつもと変わらぬ時間・場所に集まってゆく
愛の瞳にうつるのはいつもと変わらぬミーティング風景・メンバー
愛はいつもと変わった質問をメンバーに問いかけた・・・
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「みんなはいつも何を願って闇と戦っているの?」
『人類の為・正義の為・生きる為・自分自身に勝つ為』
皆それぞれの答えを出してゆくメンバー達
最後にジュンジュンが答える番になり
すかさず誰かが答える
『どうせいつもの バナナ腹イッパイ食べたい為でしょ!』
少しムッ!としながらジュンジュンは答える
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「イイエ 違いマース!私の願い それは・・」
「ミンナが安心しテ バナナが食べられる 平和な世界デーース」
皆いい顔をしていた 今日は良いミーティングになったと愛は思った
何気ない『いつも』はちょっとしたのきっかけで
少しずつだが変化を見せていくのだ
次回かなしみ戦隊リゾナンター「I WISH」
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私の願いは・・・未来の希望である
あなた達の願いで世界を変えていくこと
ジュンジュンw
仕事自体は何てことのない、雑誌のインタビューだったのだが…
自分を作って質問に答えていくという「作業」に、若干疲れを覚えたのは仕方のないことかもしれない。
前までの小春なら、難なくその作業を片付けることが出来たが…
今の小春には、二つの顔がある。
芸能人、そして、ダークネスと闘う超能力者集団リゾナンターの一員。
最近では、15歳という年齢の割に大人っぽいという評価をされるようになってきたが、
小春はそのことに対して何も思うことはなかった。
ただでさえ、芸能人として普通の女子高生とは異なる日常を送っているというのに、
超能力を使って悪の手先と闘う日々…これで、大人びない方が無理な話かもしれない。
「…?」
ふと、何か聞こえた気がして小春は歩みを止めた。
音の正体を探るように、小春は耳を澄ます。
その音は、路地裏の方から聞こえてくるようだった。
日も暮れてきている、けして治安のよいとは言えない街の路地裏に足を向けるのはあまり気が向かないことだったが、
小春は意を決して音の聞こえてくる方へと歩みを進める。
音の正体が、一歩一歩近づく度にはっきりしてきた。
小さく呟いて、小春は足下で鳴き声をあげている子猫に感情の見えない瞳を向ける。
目こそ開いているが、小春の手のひらくらいの大きさしかない子猫。
種類が何かまでは分からないが、少なくともここに放置していたらそう遠くないうちに死んでしまうことは、
動物を飼ったことのない小春にも分かった。
目の前の子猫は鳴き声こそあげるものの、殆ど動こうとはしなかったから。
小春は、ため息を一つついて子猫を箱からひょいと拾い上げる。
捨てた人間は、多分考えも動物に対する愛情も浅い人間なのだろう、と小春は冷笑を浮かべた。
子猫の入っていた箱は、ぼろ布こそ敷き詰めてあるものの、深さがあり…
とてもじゃないが、子猫が自力ではい上がるには厳しく。
また、雑音の激しい街の路地裏という、余程耳のよい人間でもない限りは鳴き声に気づかないところに子猫を放置したということ。
捨てた人間に不快感を覚えつつ、小春は路地裏を後にした。
「めっちゃ可愛い、小春、どこで拾ってきたとー?てか、この子弱ってる…愛ちゃん、ミルクないー?」
「ちょっと待ってて、今出すから」
「この子、種類何なのかなー?絵里、分かる?」
「分かるわけないじゃん、そんなの」
リゾナントに着いた途端、これである。
小春は小さく苦笑しつつ、手の中の子猫を見つめた。
耳がたれていて、茶色い縞々模様の体。
今は衰弱してるが、元気になった時には愛くるしい姿でリゾナンターの面々を癒してくれるだろう。
想像しただけで…やかましそうだ。
「そうなの?あたし動物とか飼ったことないから、全然種類とか分かんないや。みっつぃーは何でも詳しいね」
みっつぃーと呼ばれた少女…光井愛佳は、小春の言葉に少し照れたように笑った。
普段、小春は愛佳に対しては憎まれ口しか叩かないせいだろう。
珍しく、小春が普通に言葉を返してくれたことに愛佳は嬉しさを感じずにはいられない。
住んでいる環境などの違いは多々あれど、小春と愛佳は同学年で、同じリゾナンターの一員。
愛佳としては友達、とまではいかなくても…仲良くなりたいという
気持ちはある。その気持ちを知ってか知らずか、小春は愛佳に冷たいわけなのだが。
「小春、この子どうすると?家で飼うと?」
先輩である、田中れいなの言葉に小春は少し考え込む。
普通の女子高生として生活を送っていれば、迷うことなく飼うのだが、小春は芸能界に身を置いている。
1人暮らしなので、親の許可がいるとかそういうことはないが、逆に同居人がいないということがネックだ。
写真集の撮影などで、数日家を空けることも少なくない現状を考えると、飼うことは厳しい。
だからといって、またこの子をあの路地裏に捨ててくることも出来るわけもなかった。
子猫の姿に、両親に捨てられた自分を投影してしまったから。
小春が答えに困っていると、リーダーの高橋愛が助け船を出した。
「あー、何か忘れそうになるけど、小春って芸能人なんだもんね。確かに、小春の環境じゃ動物飼うのはきついね」
サブリーダーの新垣里沙の言い方に、小春は少々ムッときたものの特に言い返すことはしなかった。
リゾナンターとして闘うために小春は仕事量を調整してもらってるため、
リゾナンターの面々と出会う前よりもテレビなどの媒体に出る機会が減ったのは事実。
加えて、芸能人モードをオフにしている時の小春は美少女でこそあるものの、愛想や「華」がまるでない。
リゾナンターの面々が、小春が芸能人であることを忘れそうになるのも無理はない話だった。
小春は、お願いしますと頭を下げ、手の中の子猫を愛に手渡した。
手渡したその時、少し寂しそうな感情を表に出してしまったことに小春は気付かない。
「名前とかどうすると?小春が拾ってきたんだから、小春が名前を付けるっちゃろ?」
「…名前、ですか…どうしようかな」
とりあえず、リゾナントに連れてくればいいだろうくらいの感覚で拾ってきた子猫である。
ましてや、自分で責任持って世話をするわけでもないのに名前を付けるというのは、何だか変な感じがしなくもないなと小春は思う。
だが、拾ってきた自分に名付けの権利がある以上、何か名前を考えなければならない。
小春は、悩んだ挙げ句にこう答えた。
「ミー、にします。 覚えやすい名前の方が、みんなも呼びやすいでしょうし」
「おぉ、この子はミーという名前になったんですカ。呼びやすい名前ですネ」
「ミー、バナナ食べるカ?」
「ジュンジュンー、どう考えてもその子、バナナ食べないから。自分で食べてなさい」
「ミルク、どうやって飲ませたらええんやろ?なぁ、誰か知ってるー?」
ミーは、孤独ではなくなった。一人は寂しい、きっと猫であったとしても。
ここに居れば、誰かしら構ってくれるだろう。
寒さに震えることも、怖い野良犬に噛み殺される
こともない。小さく微笑みを浮かべてミーを見つめる小春に、愛佳は穏やかな眼差しを注いだ。
普段、あまり笑ったりしない小春の笑顔は、愛佳のみならずリゾナンターの面々にとっても貴重なもの。
皆、小春の微笑みに気付きながらもあえて触れようとはしなかった。
そのことに触れたら、きっと小春は無表情になってしまうから。
「高橋さん、子猫にミルク飲ますんやったら、パンにミルクをひたすとええですよ。おっぱいの代わりになるし」
「みっつぃー、詳しいじゃん。昔、飼ってたの?」
「いえ、家で飼ったことがあるわけじゃないんですけどね。
前に、野良の子が歩けるようになるまでの間、そうやって世話しとったんで」
会話をBGM代わりにしながら、小春はカバンから手帳を取り出して予定を確認する。
仕事の予定は数日ないが、義務教育期間中の身である小春は、中学校に顔を出さなければならない。
学校に顔を出したところで、今更授業の内容についていけるわけもないのだが。
仕事のない日は必ず学校に行くということが事務所との契約内容に入っている以上、
授業についていけなかろうとも行かねばならない。
小春は、手帳を仕舞いながら愛に話しかける。
「あいよ、まかしといてやー」
皆のまたねーと言う声に会釈を返して、小春は店の外に出る。
青白い月が、青みがかった黒い空に浮かんでいた。
遅くなったからといって、怒る親が家に居るわけでもないのだが、何となくあの場にいるのがこそばゆくなったから。
歩き出した小春に、後ろから声がかかる。
振り返ると、愛佳が小春を見つめていた。
「どうかした?用事ないなら、あたし帰るけど」
「あの…明日も、リゾナント来てくれはりますよね?」
「多分ね。んじゃ、おやすみ、みっつぃー」
「おやすみなさい、久住さん」
みっつぃーは変わった子だなと、小春は再び歩き出しながら思った。
普段からあれだけ素っ気なく対応しているというのに、愛佳はいつも小春に笑顔で話しかけてくる。
迷いのないキラキラした目で見られると複雑な気持ちになってしまうのは、多分、羨ましいから。
小春がいつしか失ってしまった、純粋な眼差しを愛佳は持っている。
その純粋さに惹かれているのに、素直に愛佳の手を取ることが出来ない自分自身に小春は自己嫌悪を感じずにはいられなかった。
素直に接することが出来れば、きっともっと楽になれるのに。
何となく、小春は振り返ってみる。愛佳はまだ、店の出入り口から小春を見ていた。
目が合うと、愛佳は手をぶんぶんと振ってくれる。
「調子狂うな…本当」
でも、小春にとってけして嫌な気分ではなく。
口元に浮かぶ笑みを自覚しながら、小春は愛佳に手を振り返した。
穏やかな日々は続かない。---数日後、悲しみがこだまする。
区切り位置がおかしいところがあるかと思いますが、後編ではもう少し読みやすくなるよう心がけます
すごく文章がうまいなあ
後編が楽しみです
>>888-893のこはみつ編を書いた者です 申し訳ないのですが、まとめサイトに掲載する際に>>888のただでさえ~の一文にある、
「女子高生」という単語を「女子中学生」という単語に書き換えていただけないでしょうかorz
よろしくお願いいたします
作者さん乙です
楽しみに待たせてもらいます
自分の中では女子高生だったんですけど
890の普通の~から始まる一文も、「女子高生」→「女子中学生」に書き換えをお願いいたしますorz
何度も申し訳ございません
明日の大阪、娘。達頑張れ保守
続き気になる
了解でっす
ということでそれぞれうpしておきました。
>>679-695 高橋+6期3人編を「高橋+6期(新分類)」へ
>>704 次回予告「LOVEマシーン」
>>708-712 特撮モノを「番外編」へ(異論あればよろ)
>>720 次回予告「女子かしまし物語」
>>727 ゲームその2をリンク集へ
>>750-765 愛ガキミティバトルモノを「愛ガキ」へ
>>783-796 こはみつ出逢い編?を「こはみつ(新分類)」へ
>>802-807 屋上広場編を「番外編」へ
>>833-850 姉重登場編を「道重さゆみ」へ
>>859-869 6期出逢い編続き を「6期」へ 前スレからの続きと言うことでリンク張りました
>>884 次回予告「I WISH」
>>888-893 こはみつ編を「こはみつ」へ
したらばの更新履歴にも同じことを書いてあります
まとめサイトがあればこそ作者さんの意欲も高まるのだと思います
多謝!
まとめのURLの変更と愛ちゃんとさゆとリンリンの能力追加は行うけど
パラレルな面もあるし
まとめ人さん
>>905
それで問題ないと思います
書いてあるとで制約になるなら>>1に追記するとかかな
「設定や能力は作者の自由です」とか
109 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/04/20(日) 01:06:39.61 0
作家さんは特に設定に従う必要ないだろ
各々自由な発想で思うように書いてもらえばいいと思うの
110 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/04/20(日) 01:07:32.73 0
>>109
それはそうなんだけどね
あまりに設定に逆らったものは書きづらいよやっぱり
111 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/04/20(日) 01:08:43.84 0
適当でいいんだよ適当で
これが正解ってのはないんだし
色んな人が書き込んでるわけだからケースバイケースでシナリオが大まかに動いていけばいい
112 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/04/20(日) 01:09:20.34 0
設定というより写真を元にした素材ぐらいの考えでいいんでないかと
114 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/04/20(日) 01:15:10.32 0
長文でシナリオを書く人もいれば、写真で一言でシナリオを作ってく人もいれば
AAで語る人もいれば、ギャグでお笑いを入れてくる人もいる
色んなパターンでありだと思うよ
371 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/04/21(月) 23:17:53.00 0
何でも有りがこのスレの強みかもね
様々なアイデアが飛びかってるのが面白いと思う・・・
そのアイデアに職人さんが共鳴して発展させていくのを見るのが醍醐味のような
同じ分類の間でのみ適用です。
(例)
高橋編(2)34 から 高橋編(1)477 と 高橋編(2)482 へのリンクが張られる
高橋編(1)477 からは 高橋編(2)34 へのリンクしかない MM。分類へは行けない
最初から読み返したりするにはいいかもしれません
記事に新着マークとか付けたかったんですがよくわからなかったので後回し
乙まめだね
今気付いたけど「Dickies」って「刑事」らしいな……
なんかネタになるかな
という肩書きだけ貰ってるとか
でもこの前「キミ犯人じゃないよね?」で超能力を使った犯罪は罪に問われないって言ってた
加護のダイイングメッセージを受け取ったリゾナンターは決戦に備える
故郷の両親へ顔を見せに行く者や訓練に励む者 メンバーそれぞれ
取る行動は違えど 全員の眼は力で満ち溢れていた!!
約束の場所へ再び集まるメンバー達
愛は皆を見渡し やがて1人つぶやいた
ttp://toromoni.mine.nu/up/files/data/18/toro18248.jpg
「たくさんの仲間ができた・・・そしていろいろな悲しい出来事
嬉しい出来事があり・・本当にすばらしいチカラが集まった・・」
頭の中でその1つ1つ違うチカラをまるで指揮者の如く美しく操り
1つに束ねる自分をイメージする・・・そしてゆっくりと目を開ける愛
迷い無きその眼差しはまっすぐに大きな満月を見上げている
ttp://toromoni.mine.nu/up/files/data/17/toro17097.jpg
「・・いける!」
「今夜この月に誓うよ必ず終わらせる そして全員で戻る」
月明かりが9人の姿を 祝福するかの様に照らし出した
次回かなしみ戦隊リゾナンター「Mr.Moonlight~愛のビッグバンド~」
ttp://toromoni.mine.nu/up/files/data/15/toro15441.jpg
『かなしみ戦隊リゾナンター 出撃!!』
基地へ侵入 数々の強敵を倒しつつ リゾナンターは
中心部までたどり着こうとしていた・・・そのとき!
ttp://toromoni.mine.nu/up/files/data/17/toro17096.jpg
前方に9つの影が歩み寄る!
ダークネスが最後に送り出した相手は リゾナンター自分自身
9人のクローン!なんと以前に里沙を使いデータだけではなく
メンバーのDNAを入手 クローン化に成功していたのだ!
自分と同じ姿 同じ攻撃 同じ行動・・強い!!
しかしそれは 昔のかなしみを背負った自分 1人ぼっちだった自分
今は1人じゃない 仲間(みんな)がいる事を思い出せリゾナンター!!!
・・・はたしてリゾナンター達は過去の自分に
打ち勝つことが出来るのだろうか!!
次回かなしみ戦隊リゾナンター「歩いてる」
ttp://toromoni.mine.nu/up/files/data/15/toro15441.jpg
「昔の私達は立ち止まっていた 今は違う
歩き続けているのよ!! どこまでも!!」
特別防衛庁に属する者 とかそういう感じ?
次回予告が素敵過ぎて泣ける・・・皆成長したなぁ
今までの次回予告シリーズの中で一番好きかもw
>>916 次回予告「歩いてる」
ちょうどリロードしてたら更新キターのでうpしました
>次回予告の方へ
これってもしかしてシングル発売順よりも作品発表順の方がよかったりしますか?
人によっていろいろ組み合わせでストーリーが変わって
面白そうですし!女に幸あれは他の方がすばらしい作品を
作ってくれていますので 残り2つです がんばります!
モーコーは最後にしたいのでまとめにある良作(他の方の作品)
と曲名かぶります
超能力をつかった犯罪を裁く法律というか犯罪を証明する証拠がないからね。
だからこそ「警視庁超常犯罪取締課」で特命刑事として活動を
個人的には孤独を背負った単体組織の方がイメージに合うけどなあ
まあ人それぞれなのがこのスレだもんね
共鳴を心に感じ
共鳴の力を手にする超能力―「リゾナント」
リゾナントに相対する2つの"勢力"あり
1つ!正義の超能力「悲しみのリゾナントブルー」!
1つ!邪悪な超能力「暗黒のザ・ダークネス」!
戦う宿命の超能力者達は日々、
高みを目指して、
学び、
変わる!
♪Cry Cry Don't Cry! 私を好きなの
♪Tonight Tonight Kiss しない! 遊びじゃキスしない!
「悲しみ戦隊! リゾナンター!!」
♪軽い子によく見られる―――――
超能力というか呪いとかを含めて不能犯って罪に問われないでしょ
ナレーションの声は誰を想定するのがお奨めなんだろうw
リゾナント それは 聖なる力!
リゾナント それは 未知への冒険!
リゾナント そしてそれは 勇気の証!
♪Cry Cry Don't Cry! 私を好きなの
♪Tonight Tonight Kiss しない! 遊びじゃキスしない!
「悲しみ戦隊! リゾナンター!!」
♪軽い子によく見られる―――――
西暦2000年の孤独な超能力者たちと
ひとりの女が出会った
新しい時を刻むために・・・
♪Cry Cry Don't Cry! 私を好きなの
♪Tonight Tonight Kiss しない! 遊びじゃキスしない!
「悲しみ戦隊! リゾナンター!!」
♪軽い子によく見られる―――――
――――――Help Me! Help Me! Help Me!
この番組は
楽しい時を作る企業―バンダイ―と
ご覧のスポンサーの提供でお送りします
友よ、キミはなぜ 悪魔に魂を売ったのか?
♪Cry Cry Don't Cry! 私を好きなの
♪Tonight Tonight Kiss しない! 遊びじゃキスしない!
「悲しみ戦隊! リゾナンター!!」
♪軽い子によく見られる―――――
wwwwwwwwwwwwww君とは友達になれそうだwwww
http://jp.youtube.com/watch?v=GJTCXN7eWVM
これかw
出演者見てちょっと驚いたw
青春!炸裂!ファイヤー!!!wwwwwwwwww
最近か?w
あんまり戦隊ヒーローっぽく無い話なんですが・・・
>>859-869 6期出逢い編と
>>888-893 こはみつ編が来るまでのつなぎとしてアップさせて下さい
代わりに留守を任されたのは、田中れいなと光井愛佳だった。
「お客さん、来んね」ため息混じりに田中が言う。
「ですね……ゴールデンウィークはダメですね……」
「去年のゴールデンウィークは、皆で鬼怒川温泉行ったと。そこに写真が貼ってあるっちゃろ」
「ほんまや!気付けへんかった……アァ~みんな楽しそう。うちも行きたかった」
「また、そのうち行くっちゃろ」
「写真にちゃんと、リゾナントって文字が入ってる。誰かがパソコンか何かで入れたんですか?」
そう言ってキーボードを打つ真似をする光井。
「そうじゃなか。それ、エクトプラズムとよ。よく、見てみ。小春の口から出とるっちゃろ?」
「ええええぇぇぇ!」
「あいつ、意外に器用なとこあるけん」
「器用て!……白目むいてるやないのっ!」
「小春、無理して英語で出したから。最後のスペル吐き出すところで力尽きちゃって……しかも綴りも間違ごうとるやろ」
「……本当だ!これじゃあ、レズノートだ!」
喫茶リゾナントの前に3台のワゴン車が停まり、スーツ姿の男達が数人、入って来た。
光井は呑気に「いらっしゃいませ」と声をかけたが、田中は男達がコーヒーを飲みに来た訳では無いと見抜いていた。
幼い頃から身寄りも無く、都会をサバイバルして来た田中の直感が、男達の悪意や邪心を鋭く感じ取った。
田中が乱暴に言う。「何ね?」
警戒心をあらわにする田中。それを、なだめる様に一人の男が満面の笑みを作りながら言った。
「光井愛佳さんは、いらっしゃいますか?」
田中が言う「私ですけど」
男が作り笑いを止めて、店中に響き渡る様な声で怒鳴った。
「舐めた事ぬかすと、怪我するぞ。お前!」
光井がその声に驚いて、ビクンッと身を硬くする。
田中は顔色を一つ変えずに「おっさん、ウルサイ。表で話そう」と言って男達の間をすり抜ける。
男は田中を無視して、光井の所まで行き、声をかける。
「光井愛佳さんですね。一緒に来て頂けますか?もちろん、暗くなる前に、車で送りますので」
怯えた様子で、口ごもる光井。
田中が走ってきて、男と光井の間に割って入る。
「もう、閉店やけん、帰ってくれん?」
その刹那、棚にある食器が全て、凄まじい音と共に割れた。
光井は驚いて、その場にしゃがみ込む。
田中は散乱した食器の破片をチラリと見て「あんた、念動を使うん?」と言った。
「そこを、どけ。次はお前の頭を吹き飛ばすぞ」と男が凄む。
「やってみな。脳しょうで、そんスーツば、汚しちゃるけん」
男は後ろに居る仲間達に確認する。
「面白いね、このガキ。確か、アンプリファイア( 増幅能力者)だろ?攻撃系の能力は無いんだよな?」
男は田中に向き直り、手の平を見せ「ハンドパワーです」と言っておどけたかと思うと突然、田中の頬を思い切り叩いた。
あまりの衝撃に田中は一瞬、気が遠のく。
「念動を使うと思ったろ?」男が笑う。
田中が睨みつけると「何だ!その目は!」と怒鳴り、男は手を振り上げる。
田中が頬を庇って身を硬くすると、今度は念動を使って田中の二の腕を切り裂いた。
血が噴出し、骨が見えた。田中は、激痛に顔をゆがめる。
男は鼻で笑い、スーツが血で汚れないようにして、田中を光井の前から押しのけようとした。
田中が叫ぶ「触るな!」
男は一瞬、イラッとした表情を見せると、念動を使って田中の頭部を切り裂く。髪の毛が弾け飛び、顔が血で染まる。
田中の背中で、光井が堪らず泣き出す。田中が後ろ手に光井の手を握る。田中の手は震えていた。
光井は恐怖に押しつぶされそうになる。
(田中さんが怯えてる!)(殺される?)(震えてる?)(田中さんが震えてるのなら!)(抵抗しても無駄だ!)
男は無理やり光井を引っ張り、田中から引き剥がす。
田中が追いすがると、男はレジの横に置いてあった花瓶で田中の頭を殴った。
花瓶は砕け、血が飛び散る。ガーベラが田中の髪の毛に絡みつき、顔の前に垂れ下がった。
その無様な格好を指して、男達が笑う。「花飾りが、よく似合うな!」「髪が横分けになっちゃった!」
田中が唸る様につぶやく。「そん子に、触るな・・・」
おそらく、男の胸ぐらを掴もうとしたのであろう。
田中は、朦朧とした意識のまま、わななく手をゆっくりと前に突き出し、空(くう)を握り締めた。
男が笑いながら言う「何だ?この手?腹痛てぇ!ちょ、お前ら、コレ!見て」男達が笑う。
田中は気を失いそうになるのを堪えながら、男の腰にしがみついた。
男のスーツが田中の血でべっとりと濡れた。
男は逆上し、田中を引きずりながら表へ出て、田中を持ち上げたかと思うと、アスファルトに思い切り叩き付けた。
田中はようやく、気を失い。男達は光井を連れリゾナントを後にした。
道重に今しがた治癒を受けた田中れいながベットに寝ていた。
まだ意識が戻らないと道重が言った。
高橋は田中の横に座ると、眠る田中の意識をリーディングした。
高橋は今日、リゾナントで起きた事の全てを把握すると、怒りで身体が震えた。
道重は、高橋を見て息を呑む。あそこまで、目に怒気を宿した高橋をはじめて見た。
高橋は亀井と道重に光井愛佳がさらわれた事を告げ、「今から連れ戻してくる」と言った。
高橋は二人の返事を聞く前に、消えた。
この街の何処かにいる光井愛佳の思念を探しているのだ。
本来なら、どんなに優秀な精神感応力者でも
一千万人の意識が渦巻くこの街から、一人の思念を見つけるのは不可能である。
高橋は思考形態の特徴を手掛かりにしてはいなかった。
高橋は先程、昏倒する田中れいなの意識をまさぐった時に、味わった心の震えを手掛かりとしていた。
(光井愛佳が私の思う人間ならば、その胸の内に鳴り響く音は抑えられないはず)
高橋は、この街の何処かで共鳴する心の音に、じっと耳をすましていた。
先程、田中れいなを傷つけて、自分をここに連れてきた人物はもう居なくなっていた。
しばらくすると初老の男性が部屋に来て、「私達の組織の予言者になって欲しい」と光井に告げた。
何人かの人が来て様々な事を言ったが、そのほとんどは光井の耳に入って無かった。
光井の頭の中は、田中れいなの事で一杯だった。
田中の命に別状が無い事は、薄っすらと予知できたが、傷つけられた腕や頭部の後遺症までは分らなかった。
光井が目を閉じると、先程のリゾナントでの情景が目に浮かぶ。
傷だらけになり、震えたいた田中れいな。
田中も自分も、ガタガタと震えていた。
自分はあの時、震える田中れいなに見切りをつけて、あの男達に連れられて、あの場から逃げ出したのだ。
勇者とは恐怖を克服した者の事だとばかり思っていた。
でも、そうじゃなかった。
田中れいなは、恐怖に震える裸の命を、あの男と自分の間に差し出してくれた。
勇気とはきっと、その命の震えの事を言うのだろう。
自分は本当の勇者を置き去りにして、恐怖から逃げ出した。
田中は、血だらけになりながらも、後ろ手に光井を庇ってくれた。恐くて仕方ないくせに、最後まで立っていくれた。
その姿が光井の脳裏に、幾度と無く浮かぶ。
その度に、光井の胸の辺りに、何かが込み上げてきた。
その何かは、光井の胸の真ん中で、微かな音を立てた。
それは、次第に大きく鳴り響き、止む事が無かった。
田中のくれた、勇気が共鳴していた。
目を閉じたままの高橋が、微かに微笑んで目を見開いて言った。「見つけた」
光井の心の共鳴が高橋に聞こえた。
それは、巨大な新興宗教の施設の地下からだった。
目視が出来ない場所には、基本的に瞬間移動は出来ない。
一度でも行った事があって、その場所がイメージ出来れば別だが、
初めて訪れる場所ではせいぜい壁を一枚隔てた空間への瞬間移動が関の山だ。
高橋は歩いて施設の中を探し【一般信者様の立ち入りを禁ず】と書いてある地下への通用口まで辿り着く。
高橋は意を決して、その中に瞬間移動する。
そこでは30名ほどの子供たちを相手に、一人の青年が授業を行っていた。
体育座りをし、講師の青年を中心に車座になり、子供たちは読心術に関する説明を聞いていた。
すると、わずかに部屋の空気が震えて、講師の青年の真後ろに、高橋愛が現われた。
子供たちはザワつき声を上げる。「瞬間移動だ!」「はじめて見た!」「カッケェ!」
講師が驚いて言う「誰だ!あんた?」
すると館内放送が響く。
『緊急警報。研究施設全域に告ぐ。施設内にレベル5の能力者が侵入した。侵入者は瞬間移動と読心を使う。
施設内に居る能力者は総動員し、侵入者の確保にあたれ。止む終えない場合は殺傷も許可する。
なお、能力者以外の者と訓練生は一般信者エリアへの避難を命ずる。繰り返す……』
誰かが「レベル5!先生より上だぁ」と言うと、みんな笑った。
講師が慌てて言う「お前ら、笑ってる場合か!」
「先生、この人、悪い人じゃないよ。さっきから僕たちに、授業の邪魔してゴメンネって謝ってくれてる」
「そうだよ!先生だって、この人の事をカワイイって思ってるじゃないか!」
講師が顔を赤くして言う「コラッ!お前ら!……無闇に人の心を読んではいけないって、あれほど!」
子供たちは(さらわれて来た女の子の事は知らないけど)と前置きをして
その代りに、幹部候補達しか入れないエリアの入り口をイメージしてくれた。
高橋はお礼を言って消えようとすると、子供たちが肉声で尋ねてきた。
「上の世界ってどんな所なの?」「能力者は上の世界で暮らせないって聞いたけど、どうしてあなたは大丈夫なの?」
「わたし達も、上で暮らせるようになるの?」
高橋も肉声で答える
「精神感応力に鍵を掛ける方法をマスターすれば、上も良い所よ。今度、先生も一緒に私の喫茶店に遊びに来るといいわ」
高橋は喫茶リゾナントをイメージして見せる。
「素敵なお店」「わぁ~ケーキが沢山ある!」「先生!連れて行ってよ!」
講師の青年が言う「この子達をここから連れ出すつもりか?」
高橋が答える「私が連れ出す訳じゃ無い、もし、そうなるとしても子供達の意思で出るのよ」
青年は言う「子供達をそそのかさないで貰いたい」
高橋が笑って答える「子供達はいつも、同じ方向を目指して旅立ってしまうものよ」
「同じ方向?一体、何処に行くって言うんだ」
「胸の高鳴る方へ」言い終わらないうちに高橋の姿は消えた。
↓プッシュ&リターン↓
http://jp.youtube.com/watch?v=Z-2n7RogFRs
中には能力者たちが、50人~60人はいた。
高橋は、ポケットのダート〈麻酔薬の入ったカプセルに、針が付いた物。麻酔銃の弾丸〉を確認し、その中に飛んだ。
100畳はあろうかと思われる、集会場には武装した能力者達がひしめいていた。
壇上のような所で、一人の男が資料を片手に大声で説明をしていた。
「……以上の点に留意する事。なお、確保が困難な場合は殺傷を許可する。銃火器の使用は同士討ちを避けるため……」
男の言葉が突然、途切れた。
首筋に、ダートが突き刺さっている。
男はストンと、その場に崩れ落ち、その背後に高橋愛が現われた。
集会場に、どよめきが起こる。
幹部らしき男が声を上げる。
「その女がi914だ!仕留めれば、幹部への昇進を約束する!」
男達は色めき立ち、何人かは高橋に飛び掛った。
しかし、踏み込んだ先に、もう高橋は居らず、男同士で抱き合う格好になる。
高橋は、別の場所に現われて大きな声で言った。
「運動苦手な人~!」
もちろん手を挙げる者など居ない。しかし、心が勝手に反応する。高橋はそれを読み取る。
(早い動きにはついて行けない)(俺の苦手なタイプだ)(こっち来るなよ)(何処に居る?)(見失った)
弱気な思考をした者の背後に高橋は瞬間移動し、ダートを首筋に刺す。
10秒と掛からずに8人が崩れ落ちた。
幹部らしき人物が大声を上げる「皆、背後を取られるな!壁を背にしろ!」
刹那、高橋は幹部らしき男の頭上に現われ、首筋にダートを衝き立てる。
「みんな!……上にも注意だ」誰かが叫ぶと、その場に居た男達からドッと笑い声が沸いた。
「面白い!」「かかって来い!」「やるじゃないか!」「俺と遊ぼうぜ!」男達がいきり立ち、沸き上がる。
高橋はまた、別の場所から現われ声を発する。
「今日、うちの店で暴れた奴、この中に居る?」
(喫茶店)(砕け散った食器)(血だらけの女)(俺のスーツを汚しやがった)
一人の男の思考を嗅ぎ分け、高橋はその男の背後に飛んだ。
高橋は、男を後ろから抱きかかえると、男もろとも消えた。
男が高橋に連れられて瞬間移動した先は、地上30メートル、ビルとビルの隙間だった。
男の身体はピッタリとその隙間にはまり身動きが取れずに居た。しかも、逆さまの状態で。
「た、助けて…下さい!」男が叫ぶ。
「光井愛佳は何処に居る?」高橋が聞く。男の脳内に光井の監禁されている部屋のイメージが浮かぶ。
次の瞬間、高橋は光井の監禁されている部屋に居た。
光井は黙って首を振り「田中さんは?」と聞いた。
「まだ意識は戻らんけど、心配要らん。さゆが見ていてくれてる」
泣き出す光井。
高橋は光井の肩を抱いて言った。「帰ろう。……ちょっと寄り道しても良い?」
逆さまの状態でビルとビルの間に挟まれた男は、何とかして体勢を変えようともがいていた。
ジリジリと身体を回転させ、逆さまから真横にまで体勢を持って来た。
「あ~死ぬかと思った。あぁ~頭に集まった血が引いて行く。この体勢、楽だわぁ~」
すると突然、高橋愛が横になった男の身体の上に現われた。
「あぁ、戻ってきてくださったんですね。何でもします。幾らでも払いますからどうか助けて下さい」
高橋が「ほい、忘れ物」と言って男の耳にガーベラの花を挿した。
「バイバイ」
「ネ、ちょ、待って!待っててばぁ」
終わり
個人的にはこういう感じが非常に好きです
それにしても「胸の高鳴る方へ」はシビれた
長いよね
我ながら反省してます
やべぇリアルタイムですげえの見たw
しかもBGMが終わった瞬間に話も終わったwww
神業だΣ( ̄ロ ̄lll)
愛ちゃんがかっこよすぎる
愛ちゃんの力がフルに発揮されててスピード感があって面白かったです
やっぱ調整してたのかなw
俺も丁度BGMが終わったとこで読み終わった
でもれいなの勇気もかっこいい
適度な重さと軽快さとが心地よかった
なによりメンバーみんなカッコいい!
これはあいれなみつとかの分類作った方がいいのかな?
貴方素晴らしすぎです!
高田光がみんなカッコイイよ!
BGM対応とか演出がニクいわっ!
ごちそうさまでした!
毎回悩み乙ですw
あなたは本当にマメな人だ
個人的には新分類作るがいいかなと思います
でも作者さん次第ですよね
リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第4話
http://ex24.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1209915281/
ありがとうございます
>>969
まとめの方いつもご苦労様です
感謝しています
お任せいたしますのでどのようにでも・・・
>>972
乙です
まったくだよ
俺もコーヒー吹くとこから始まったのにw
今回は(自分の中で)1番よかったと思える作品を決めるのが本気で難しい
作者さん乙!
それにしても小春w売れっ子モデルが写真で白眼剥いてていいのかよwww
ジャンパー
http://www.youtube.com/watch?v=gMMu7bSFbTE
もう一度読み返してみたい
セクボが流れる映画か
れいなが見に行ったとか
BGM聞きながらって新鮮だなwwww
正直脳内では微かにやってたけど作者さんの指定ってのは新しいよなw
それはさて置き作者氏GJ!!
戦闘のスピード感とセクボの曲がマッチしててマジスゲー
リアルタイムだったらピッタリだったんだよw
_, ,_
川*’ー’)<<胸の高鳴る方へ
こっちのがいいw
あの台詞はマジで鳥肌立ったよな
タカ様w
このセリフ第5話では是非ともテンプレに入れて欲しい!
マジで鳥肌立ったもん
すっかり軌道に乗った感じ
作者さんもだいぶ増えたみたいだし
このスレでも書いたけど
>>982
>>344にはアンビシャスも合いそう
テンプレに追加するのセリフだけ?
川*’ー’)<<胸の高鳴る方へ
リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第4話
http://ex24.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1209915281/
リゾナントするんだよ
川*’ー’)<<胸の高鳴る方へ
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。
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