(123)104 『Chelsy 』3
班長の部屋から出てくるのを待っていたのだろう、ジョニーが声をかけてきた
「研究室に来てくれっていったのはジョニーじゃなかった?」
「アハハ、チェルシー、待っていられなくてね、来てしまったよ」
白衣姿の彼からオレンジジュースを渡され、私達は横に並んで歩きだした
「それで何の話だったの?」
「・・・いつもどおりに報告書をもう少し付け加えてほしいってこと」
「大変だね~うちのエースポジション様は」
その表現を私は嫌いなのだが、ジョニーは好んで使う
というのも技術部として私を担当しているのがジョニーだからだ
私はエージェントとして戦場に赴き、彼は本部で装備の調整に勤しむ
ジョニーは機関の中では「腕のいい技術屋」として評価されており、それは私が保証する
彼の装備・技術で危機を脱したのが一回や二回ではない
私の業績はすなわち、彼自身の協力あってのもの、なのだ
だからこそ、ジョニーは私の実績は、彼自身の業績として誇りにしているようだ
それはまったくの見当違いではなく、真実であり、だからこそ、私は何も不満はない
私も正当に評価されており、機関からの信頼も厚く、次々と仕事が廻され、彼も仕事は尽きない
それも・・・前の仕事が終わっていないにもかかわらずだ
・・・だから
「そんなところ悪いんだけど、チェルシー、またね、ここに赴いてくれないか?」
こうやって勝手に予定を組んでくる
「・・・・また、新しい任務引き受けてきたの?」
「大丈夫さっ、ちぇるならできるよ。そのためにまた装備を改良したんだから」
「・・・忙しいんだけど」
「断らないだろ?」
悔しいが私のことを彼は知り尽くしているようだ。文句を言いながらも結局は受け入れることを
「・・・やるけど。でも、お願いもある」
「スーツならサイズを合わせておいたよ。少し女性として魅力的な君にあわせておいたから」
「・・・」
いつかこいつを殴ってやる。 (Chelsy
更新日時:2016/06/11(土) 20:56:53.36