(131)107 『Chelsy』31

「なに?そのキザなセリフは?」
まったくもってその通りだ。なんて歯痒い言葉をこの子はいうのだろう?
女の子だよね?ショートカットで八重歯がチャームな可愛い顔立ちをしているから。
それにこっちの妙に色気のある落ち着いた大人の女性は、保護者なのかな?
「いいじゃないですか!緊張しているだろうから、安心させようと思って冗談で言ったんですから」
「その割には言い慣れているように聞こえたわ」

「・・・どうですか?千佳さんはおられましたか?わあ、かわいらしいドレス」
ドアの後ろからまた一人姿を現した。おでこをしっかりと出した小さな子。この子もまた可愛い
「・・・お怪我はしていませんか?」
優しいのね
「小田ちゃん、優樹ちゃんは大丈夫なの?」
「まさなら、元気だよ!あ~こんにちは~まーちゃんですぅ」
よ、よろしくね。ハハハ、テンションが高い子だ。ついていけるかな?

「千佳ちゃん。怪我はしていませんか?」
私は怪我をしていないことを伝えると、安心したように笑みを浮かべた
「・・・譜久村さん、荷物は部屋の奥にあります。私が代わりに持ちますね」
「大丈夫です。出口までどこにも見張りもいません」
一体この人たちは何者なの?警察ではなさそうだけど
「私達のことを説明するのは後にしましょう。まずは警察に連絡しましょう」
「え~まさたちで犯人さん、探すんじゃないの?」
「まずは御両親に千佳さんがお元気であることを確認してもらうことが大事じゃないかな?
 犯人を捜すのはすぐに出来ないでしょうから、私達にできることをしましょう」
譜久村、と呼ばれた女性が微笑みかけてくれると私はほっとした気持ちになり、自然と涙があふれた
そこで私は気付いた。私、怖かったんだって
「・・・もしもし、警察ですか?行方不明のシルベチカさんを見つけました」  (Chelsy 


投稿日時:2016/09/27(火) 00:12:33.91





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