(132)304 『Chelsy』38

ジョニーの反応は私の想定していたものと違った
「・・・チェルシー、やっぱり君は疲れすぎているんじゃないかな?
 話が飛躍しすぎているようにも思えるよ。早合点じゃないかな」
確かに私の考えが想像の域にすぎないことは私自身も感じている
だけど、そうだけど、あの標さんを見てしまったら、普通ではない、異常だったとわかる
ジョニーだって班長だって、この機関に属しているものなら、

彼女が普通ではない何かに操られていると考えてもおかしくはない

ただ、それをいくら伝えたとしても班長ならまだしも、ジョニーは意見を変えないだろう
だって、彼は技術者であり、論理性を重視するからだ。だからこそ、彼は優秀なのだとわかっている
「うん、そう思っちゃうよね、当然よね。私だって、そんな話聞かされたら信じないよ」
だからこそ、一歩引いて、肯定してもらえなくても自分の信じた説を少しでも検証できる方法を検討させてもらう
「僕はなるべくチェルシーの味方でいたいんだ。でも間違ったことは違うんじゃないかと言わなくてはいけない」

・・・でも譲れないんだ。直感だ。そう、根拠は女の勘にすぎないが
千佳が飲まされた薬がウルである可能性は!
だからそのために・・・
「それなら、明日でもいいから、密売人の事務所を捜索させてほしいの」
「チェルシー・・・」
ジョニーも私の性格を知っている
「今日じゃなくていい、十分に今日は休むから。その代わりに明日、明日に」
私が時折梃子でも動かぬ強情さを発揮してくることを

「スーツは今、メンテナンス中だから、使えないよ」
「それでもいい。危険なことはしないから」
「・・・」
「お願い、信じてよ」
「・・・all right、チェルシーが頑固なのはわかっているからね」
「ありがとう」
「でも、君一人では危険だ。僕も同行する。班長に連絡してくる」  (Chelsy 


投稿日時:2016/10/13(木) 01:10:44.24





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