(134)110  次回予告・リゾナンター’16 『わがまま 気のまま 愛のジョーク』

駅前のバーガーショップで事件発生
キッズコーナーの遊具で遊んでいた子供たちが次々と怪我をして泣きはじめるのだった
たまたま現場近くを通り合わせた譜久村聖は子供たちの怪我が全て同じ場所だったことから【傷の共有】による攻撃だと判断
無垢な子供たちを傷つけた憎むべき犯人を捕えるべく一人のメンバーを呼び出した

「くどぅーの【白狼】の眼で傷を追った怪しい人を見つけて欲しいんだけど」
「それはまあ譜久村さんの命令ならやらせていただきますけどね」

放課後ライフを切り上げさせられた工藤遥はややテンション低め
いつにない激しい怒りを示す聖を生温かな視線で見つめている

聖は【接触感応】で現場付近からリーディングした邪まな思念の持ち主を遥に伝え、そのイメージを元に【白狼】の超視覚で見つけた怪しげな人物の足跡を辿る
その男は駅前から通りを四つぐらい隔てた6階建ての雑居ビルに入っていった
外観から察するに印刷会社の持ちビルで、テナントにも空き部屋をレンタルしているようだが、人の出入りは皆無に近い

譜久村さんにエレベーター前で張ってもらいながら、私が階段を上って追い詰めていくか
あっでも最低あと一人二人応援が欲しいな

卑劣な犯人を掴まえる算段を遥がしていると、聖が嬌声を上げた

「見てみてどぅー、あのエレベーターなんかよくない?」

通常のエレバーターから少し離れた場所に設置されている貨物専用のリフトを指差している
手動の安全扉で階数ボタンは外側にしかない超レトロな代物
そんな年代物にうわー素敵と目を輝かせながら、無骨な作りのボタンをスマホで撮影
挙句の果てには貨物用のカーゴに遥が乗ってるところを撮影したいと言い出す始末
一瞬声を荒げかけた遥だったが、犯人に気づかれるかもしれないと思い聖のクールダウンをはかる
「あのですね、譜久村さん。私学校帰りに急に呼び出されてずっとトイレにも行ってないんですよね」

自分がコンビニに行っている間、聖は人の出入りを見張り、手の空いているメンバーを招集してはどうか
至極もっともな遥の提案はあっさり却下された

「どぅはそこでシパパとしちゃいなよ。見張っててあげるから」

聖は貨物エレベーター脇の薄暗がりを指差した
確かに換算としたビル内、人目は無いが実質的には露出プレイありがとうございます

「譜久村さんの馬鹿~」

怒りのあまりか走り去っていく遥の背中を見送ると、打って変わった真剣な表情でビル内の階段を上っていく

ごめんねくどぅ聖のわがままにつき合わせて本当にごめんね
人の命を奪うとか、建物を破壊するような犯人なら新垣さん経由で能力者犯罪専用の収監施設に送ることができる
でも子供たちに軽い怪我を負わせたぐらいじゃそんなわけにもいかない
でも聖、この犯人のことが許せないんだ
聖、赤ちゃんだった頃にお母さんと別れてね、お母さんとの思い出が全然無いんだ
だからお母さんと子供が素敵な思い出を作る時間を壊すこの犯人のことが許せない
二度とこんな真似が出来ないように、犯人の心を今日ここで折る
それをしようとするとくどぅにとっても迷惑がかかるから、あんなジョークで追っ払ってほんとゴメン

次回、リゾナンター’16『わがまま 気のまま 愛のジョーク 』

「さあコソコソ隠れるのはやめて出てきたらどうです」

卑劣な犯人との対決に臨む聖を支えるのは母との絆、仲間への思い


投稿日時:2016/11/01(火) 17:01:10.72






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