(134)392 次回予告・リゾナンター'16 『ブギートレイン'11』
「イリュージョナリービーストとかいうのはほんとヤバかったぜ」
「勝手して離れてゴメン」
「はぁ、ずいぶん殊勝な態度だな。でも結果的にはタケはいなくて正解だった」
「どういうことだよ」
「もしも赤く輝く恐竜がこっちに襲い掛かってきたら、お前真っ先に向かっていくだろう。バカだから」
「バカバカ言うな。でも皆の盾になって戦うのが私の役目だからな」
「イリュージョナリービーストっていうのは、Dシステムで人工的に作られたサイコキネシスの類だと思ってたけどそんなもんじゃなかった」
「だったら何だっていうんだよ」
「あれは空間の歪みだ」
「はぁ?」
「空間の歪みそのものだ。いいか次元の歪みが恐竜の姿をして襲い掛かってくると思え」
「何言ってんのか全然わかんない」
「バカだからなそれはしかたないな。私はかなともの出したイリュージョナリービーストの一撃をもう少しで食らうところだった」
「食らえば良かったじゃん」
「殴るぞ。どうやらかなとも本人から30メートル前後の距離でしか動かせないようだったけど、そいつにあと数十センチってところまで迫られた」
「【交通規制】でかなともの方を足止めしたんだな」
「里奈に消してもらっている間に仕掛けた罠に嵌ってくれた。それでも顔の間近をティラノザウルスの尻尾が通過してったんだがその時感じた」
「空間の歪みを、か?」
「ああ。お前の【爆裂装甲】は物理的な攻撃にはほぼ無敵だ。力のベクトルや衝撃波に対してもかなり有効だ」
「ああ、だからなんだよ」
「でもかなともの操るティラノザウルスの前では無力だ。ティラノ自体にはおそらく実体は無い。 ただあいつの体の近くで極めて強い力場が発生している」
「ブラックホールみたいな?」
「まあ吸い込まれるかどうかはわかんないけどな。あいつの一撃を食らったらお前でも体を持っていかれる。下手すりゃ削られるぞ。お前の場合少し削られた方がいいな」
「殴るぞ。とにかくかなともが要注意だということはわかった。だったらあいつが出てきたら尻尾を巻いて逃げるのか」
「いいや。もしも今度あいつらとやる時はかなともを最優先してやる。私とお前で行くか、里奈とお前で行くか、三人で行くか。とにかくかなともは絶対仕留める」
「わかった」
「わかったって本当にわかったのか。お前に死ねって言ってるようなもんだぞ」
「だからわかったって言ってるじゃん」
「何でそんなにあっさり言えるかね。ははぁん、わかった。いとしの聖姫と再会して積もる話をしてきて思い残すことも無くなったか」
「話なんて・・してないよ」
「はぁ~お前バカ? さては電話もまだ来ない、メールもまだ来ないっていじいじしてる花も恥じらう女子高生気取りですか!」
「バカバカ言うなよ。聖ちゃんにはちゃんとした居場所があって、仲間が居る。それがわかったからいい。それに・・」
「それになんだこのバカ王子」
「聖ちゃんとはもうお別れして来てるし」
「それはまろさんの【革命】のチカラで刷り込んだ女学校の先輩後輩という設定でだろうが。エッグの仲間として言葉を交わしたわけじゃないだろうが」
「エッグの記憶なんて聖ちゃんに思い出して欲しくない。あんな辛い記憶なんてさ」
「それはお前もか」
「・・・・・」
次回、モーニング戦隊リゾナンター’16『ブギートレイン'11』
「私はそうでもないぜ」
「えっ?」
「あんな目に逢わせてくれた連中は死ぬより辛い目に逢わせてやりたいと思ってる。でもお前らと出会った思い出だけは大切にしたい」
かななんはエッグじゃないというご指摘は勘弁
投稿日時:2016/11/08(火) 05:10:50.58