リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第44話 【2周年】

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1 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/12(月) 23:57:03.09 0


||c| ・e・)<4月13日、何か意味あるの?
川*’ー’)<ん、あるよー。“良いお店になりますように”、で、よん、いち、さん


「リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第25話 943 『開店記念日はよんいちさん』」より


前回のお話はこっちだよ↓“しあわせを みんなへ”。それで、よん、さん。これも、もう一つの意味――――かも。
             リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第43話
          http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1268056326/
 

まとめサイト
 PC:http://resonant.pockydiary.net/index.html
携帯:http://resonant.pockydiary.net/index.cgi

まとめサイト Ver.2
http://resonanter.blog47.fc2.com/

リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ@wiki
http://www39.atwiki.jp/resonant/

掲示板 (感想スレ、作品題名申請スレ、あとがきスレ他)
http://jbbs.livedoor.jp/music/22534/

リゾスレ小説作品INDEX Ver.2(暫定版2) ※閲覧にはExcelが必要です
http://www1.axfc.net/uploader/Sc/so/102785&key=resonant

テンプレ>>2-10ぐらいまで 
3 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2010/04/12(月) 23:58:26.86 0

喰らってくたばれ!
必殺!
ttp://resonant.pockydiary.net/file/helpme.gif

リゾナンカー
ttp://resonant.pockydiary.net/file/template/car.jpg

リゾナントロボ…
発……
ttp://resonant.pockydiary.net/file/robo.gif
4 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2010/04/12(月) 23:59:08.83 0
<よくわかる!? リゾナントスレの世界観図説>


リゾナンター派(多数派)─┬─ダークネスと闘う超能力少女たちだよ派(鉄板路線派)
               │  ├ダークネスは悪の組織の名前だよ派(暗闇=敵だよ派)
               │  │ └ラスボスの名前でもあるよ派(ダクネチュ様派)
               │  ├実は前身となる正義の組織があったんだよ派(OGメンはかつての味方だよ派)
               │  │ ├方針転換して悪の組織になったので新組織を立ち上げたよ派(見解の相違派)
               │  │ └組織はつぶされ現メン(の一部)が生き残ったんだよ派(正義の組織再興派)
               │  └前身はなく愛ちゃんが一から始めたんだよ派(OGメンは最初から敵だよ派)
               │    ├最初に見つけた仲間はれいなだよ派(同居人優先派)
               │    ├最初に見つけた仲間はガキさんだよ派(娘。加入順優先派)
               │    ├最初に見つけた仲間はガキれな以外の子だよ派(基本にとらわれないよ派)
               │    └愛ちゃんは美少女コレクターだよ派(百合愛好派)
               │
               ├─モーニング娘。をやりつつ敵と闘うよ派(鉄板路線派「かなしみ戦隊」系)
               │
               ├─政府直属の能力者集団だよ派(独自路線派「共鳴者」系)
               │
               └─その他(各種独自路線派)

 リゾナンダー派(少数派)─┬─戦隊モノのヒーローなんだよ派(特撮愛好派)
            │   ├各自のイメージカラーが個人の戦隊カラーになってるよ派(LLはどうなったの派)
            │   └リゾナンカーとセットで使いたいよ派(とことん特撮派)
            │
            ├─スレが始まった時はこっちだったんだよ派(原理主義)
            │
            └─その他(各種独自路線派)

“ター”でも“ダー”でもどっちでも派(穏健派) ─┬─面白ければなんでもいいよ派(内容重視派)
                      │
                      └─シリアスとギャグで使い分けるよ派(こだわり作者派)
5 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2010/04/12(月) 23:59:50.47 0

【今まで出てきた能力まとめ】

高橋愛:精神感応(リーディング) /瞬間移動(テレポーテーション)/光使い(フォトン・マニピュレート)
新垣里沙:精神干渉(マインドコントロール)
亀井絵里:傷の共有(インジュリー・シンクロナイズ) /風使い(ウィンド・マニピュレート)
道重さゆみ:治癒能力(ヒーリング)
        さえみ(姉人格):物質崩壊(イクサシブ・ヒーリング)
田中れいな:共鳴増幅能力(リゾナント・アンプリファイア)
久住小春:念写能力(ソートグラフィー) /幻術(ハルシネーション)/発電(エレクトロキネシス)
光井愛佳:予知能力(プリコグニション)/心の浄化(ハート・プリフィケイション) /水守
リンリン:念動力(サイコキネシス)/発火能力(パイロキネシス)
ジュンジュン:念動力(サイコキネシス)/獣化(メタモルフォシス(トゥ・ビーストorパンダ))

詳しくはこちら
http://www39.atwiki.jp/resonant/pages/35.html

ジュンジュン獣化参考画像
http://resonant.pockydiary.net/file/panda.jpg
6 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2010/04/13(火) 00:00:32.15 0

【喫茶店リゾナントイメージ】
間取り
ttp://resonant.pockydiary.net/data/upfile/142-1.gif
ttp://resonant.pockydiary.net/data/upfile/784-1.jpg
ttp://resonant.pockydiary.net/data/upfile/785-1.jpg
本日のランチ
ttp://resonant.pockydiary.net/data/upfile/155-1.jpg
ttp://resonant.pockydiary.net/data/upfile/156-1.jpg
タウン誌紹介文
ttp://resonant.pockydiary.net/data/upfile/383-1.jpg


【TV・映画イメージ】
リゾナンターEDイメージ(字あり提供入)
http://jp.youtube.com/watch?v=ijT95qkTqfA&NR=1
リゾナンター予告イメージ
http://jp.youtube.com/watch?v=wSVKqpCYrQs
リゾナンター予告編・i914Ver.  ※血液等の映像が含まれますので苦手な方は見ないほうがいいです
http://jp.youtube.com/watch?v=TEsl4BjQ8sA
リゾナンターの予告編パート2/映画風
http://jp.youtube.com/watch?v=9Rvh02cQQoI&fmt=6
リゾナンター/共鳴セヨ
http://jp.youtube.com/watch?v=3m65hxrvduY
リゾナンター予告編/ダークネスVer.
http://jp.youtube.com/watch?v=OkFqDKBJUBg&fmt=6
イントロダクション 
http://www.youtube.com/watch?v=srvVoDEse2g
リゾスレ一周年記念動画
http://www.youtube.com/watch?v=VBgPc_o1u0E&fmt=18
The loneliness of the girls

http://www.youtube.com/watch?v=4IAclB1_-zs

7 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2010/04/13(火) 00:01:13.61 0

【旧まとめサイトで投稿日順に読む裏技】
まとめサイトの[検索]で「(1)」とか指定すると、第1話(1スレ目)の作品が投稿日順に並びます(降順)
(投稿日=まとめサイト掲載日時であり、スレ投下日時ではありません)

ただし、次回予告についてはシングルの順序と合わせるために
順番に並ぶように投稿日をいじってあるのでこの限りではありません

このスレに初めて来たから様子がわかんないよ、って人にはイイかも

※時々検索結果に違うスレの作品が混じりますが、本文中に張ったリンク(例:(1)123)を拾ってしまうためです


【新まとめサイトで投稿日順に読むには】

タグでスレごと(第○話)の作品群を見ることができます。
登録日の順になっているのでそこからたどっていけばおk


【代理投稿を依頼するときのお願い】
したらば掲示板のアク禁スレに作品を上げるときは対処方法の指示も書いてください
例えば
・規制食らったので転載してほしい
・レス数多いから掲載を手伝ってほしい
など

転載する人は必ず投下する旨をアク禁スレに宣言していってください
(投下かぶり防止のため。宣言が同タイミングなこともあるのでリロード&しばらく待つのも大事)
8 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2010/04/13(火) 00:01:57.67 0

<<サボリン∞ヽ( ゚∀。)ノからのお願い事>>

・作品投下と同時に作品タイトルも決めてあるよ!
  →作品の中・前後に『 』でくくってくれたらわかりやすいよ! できれば分類も書いてね!
・前に投下した作品の題名考えたよ!
  →必ずしたらばの「題名スレ」に書いてね
・題名変えたいんだけど…
  →それも「題名スレ」でおkだよ

・自分の作品に誤字脱字編集したいとこ見つけた
  →したらばの「催促スレ」に書き込んでね
・編集したいとこがいっぱいありすぎて書けない
  →テキストをメールで送ってね まとめサイトにメールフォームあるよ
・自分のあの作品とこの作品リンクさせてほしい
  →「催促スレ」に書いてね
・その分類じゃなくて違う分類がいいんだけど…
  →それも「催促スレ」でおk
・こらサボティ!直せって言ったとこ直ってない!
  →「催促スレ」で教えてねゴメンネ

☆「催促スレ」「題名スレ」でお願い事した場合はageてね!

・何か企画とか考えたいんだけど
  →したらばに自由にスレ立てて進めてくださいな
・とりあえず雑談したいんだけど
  →「更新履歴とか雑談スレ」はみんなで使っていいスレだよ
・テンプレにあれこれ追加削除したい
  →したらば「テンプレスレ」で話し合おうぜ
9 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2010/04/13(火) 00:03:19.97 0

川*’ー’) < テンプレの設定やまとめサイトを参考にして自由に想像するがし
ノ|c| ・e・) < 登場人物の能力やストーリーの背景・設定は作者さんの自由なのだ
ノノ*^ー^) < シリアル路線でもコメディ路線でもお好きなものどうぞ
从*・ 。.・) < AAを使ったものや1レス完結ものでもOKなの
从*´ ヮ`) < 他の作者さんの設定を流用するのもありっちゃ
ノリo´ゥ`リ < 気に入った話の続きや繋ぎの話を書いてみるのもありカナ☆
川=´┴`) < プロットを書いて他の作者さんにストーリーを書いてっておねだりしてもええで
川*^A^) < アーでも書いてくれるかは作者さん次第ヨ
川´・_o・) < ソッカー
10 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2010/04/13(火) 00:04:03.03 0

作品投稿の際、10レスを越える場合は連続投稿規制(バイバイさるさん)がかかるので注意。
それから1レス当たり最大32行までしか入らないのでそれも注意。



ttp://resonant.pockydiary.net/file/template/r_coming.jpg

君の作品を待ってる
11 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 00:05:12.53 0
ノリo´ゥ`リ<=☆

2周年おめでとイェイイェイ!
12 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 00:06:12.49 0
            *   *   *
         *  .※  ※  ※.  *
       *  ※ ☆ ☆ ☆ ☆ ※  *
      *  ※ ☆   ※ ※   ☆ ※  *
     *  ※ ☆  ※   ※   ※  ☆ ※  *
    * ※ ☆ ※   ※ ☆ ※  ※ ☆ ※ *
   * ※ ☆ ※  ※ ☆  .☆ ※  ※ ☆ ※ *
  * ※ ☆ ※ ※☆     ☆※ ※ ☆ ※ *
  * ※2周年オメ━━(゚∀゚)━━━━━ !!!※ *
  * ※ ☆ ※ ※☆     ☆※ ※ ☆ ※ *
   * ※ ☆ ※  ※☆  .☆※  ※ ☆ ※ *
    * ※ ☆ ※   ※ ☆ ※  ※ ☆ ※ *
     *  ※ ☆  ※   ※   ※  ☆ ※  *
      *  ※ ☆   ※ ※   ☆ ※  *
       *  ※ ☆ ☆ ☆ ☆ ※  *
         *  .※  ※  ※.  *
            *   *   *
13 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 00:07:37.45 0

☆       ∵∴∴☆※☆∴∵∴       ./
  \  ※∵☆☆★☆★☆★☆☆∵※
     *∵☆★☆☆*☆*☆☆★☆∴*
   ※∴★☆☆*°°|°°*☆☆★∴※     ドーーーン!!!
  *.∴☆☆☆°°°°|°°°°☆☆☆∴ *
 *∴☆★☆°\°☆☆★☆☆°/°☆★☆∴
.. ※☆☆*°°★°°|°°★°°*☆☆※  *
∴☆★☆°°☆    ネ兄   ☆°°☆★☆∴
∴☆☆*°°☆  リゾナント  ☆°°*☆☆∴    ドーーーン!!!
※☆★☆――★    ネ兄    ★――☆★☆※
∵☆☆*°°☆   ブルー   ☆°°*☆☆∵ *
∵☆★☆°°☆    ネ兄  ☆°°☆★☆∵
※☆☆☆*°°★3年目突入°★°°*☆☆☆※ *
*∵☆★☆°/°☆☆★☆☆°\°☆★☆∵
   ∵☆☆☆°°°°|°°°°☆☆☆∵    ドーーーン!!!
   ※∵★☆☆*°°|°°*☆☆★∵※
   *...☆∵☆★☆☆*☆*☆☆★☆∵☆    .ζ
      ※∴∵☆★☆★☆★☆∵∴※      ☆??
         ∴∵∴☆※☆∴∴∵

ヨヨイノ ヨイ!    ___
     П∧_∧.ミ __ ヽ:::..ヽ
     ∩(#▼ ▼) // i::::::: |Σ
ドドンガ ヾ冫ダ ⌒lつ  l:::::::::|
  ドン! (_ .八 _._ノ._ノ   ドン! ドン!今年はワシの時代~♪
       )_)_) 凵凵 凵
14 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 00:08:20.95 0

/\ |  /|/|/|  ドドドドドドドドドドドド!!
  |      /  / |// / /|
  |   /  / |_|/|/|/|/|     (´⌒(´⌒`)(`.∀´)2周年だ!
  |  /  /  |文|/ // / (・e・)(´ダクネス祭だ!!`)⌒`)
  |/  /.  _.| ̄|/|/|/    (´⌒(´∧ ∧⌒`)`)`)⌒`)
/|\/  / /  |/ /     (´⌒(´ (´Д ` )つ 从#~∀~从
/|    / /  /ヽ  (´⌒(´⌒  (´⌒( つ |〕 /⌒`)⌒`)
  |   | ̄|  | |ヽ/|  ダクネス様万歳!! ( |  (⌒)`)川o・-・)
  |   |  |/| |__|/.   ノノヽヽヽ .ドし'⌒^ミ `)⌒`)ォ
  |   |/|  |/  (´⌒(´从0^~^)つ  ド  ⌒`)
  |   |  |/    (´⌒(´( つ/] /    ォ 川'v'从世界制覇だ――!!
  |   |/        ( |  (⌒)`)  ォ ヽ[|⊂[] )`)
  |  /         (´ ´し'⌒^ミ `)`)ォ (⌒)  |
15 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 00:09:08.55 0

☆          ∵∴∴☆※☆∴∵∴       ./ ┃┃┃ 
     \  ※∵☆☆★☆★☆★☆☆∵※       ┣━ 
        *∵☆★☆☆*☆*☆☆★☆∴*      ┃   
      ※∴★☆☆*°°|°°*☆☆★∴※           
     *.∴☆☆☆°°°°|°°°°☆☆☆∴ *    ヽ  ┃    
    *∴☆★☆°\°☆☆★☆☆°/°☆★☆∴   .   ┃ 
   .. ※☆☆*°°★°°.※   .★ °°*☆☆※  *  ━┛  
   ∴☆★☆°°☆   .※☆※  .☆ °°☆★☆∴       
   ∴☆☆*°°☆ .※☆  .☆※..☆°°*☆☆∴       
   ※☆★☆――★ .※☆   .☆※ . ★――☆★☆※   ⌒★〟 
   ∵☆☆*°°   .※☆  .☆※   .°°*☆☆∵ *
   ∵☆★☆°°☆   .※☆※  .☆°°☆★☆∵
   ※☆☆☆*°°★   .※   .★ °°*☆☆☆※ *
   *∵☆★☆°/°☆☆★☆☆°\°☆★☆∵

              _.,,..,          ,, ,...
         _,.,.,、-‐"゙゙   `""`' ‐-、; _,,-^    `:、_    __ .,,- ‐、
""`' ‐-^ ;-‐' "            ,,-^          `''^       `""`' ‐-
                          ∧ <2周年だニャ
                         (゚、。`∧
                         ノ  (゚、。`フ <あなた好きだニャ
                         (uu ,,(uu ,,)o 
16 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 00:11:22.67 0
オメ

なんかやたらダークネス軍が混じってるなw
17 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 00:13:55.88 O
乙!!

2周年にふさわしいテンプレですね!
18 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 00:15:31.39 0
2周年おめでとう
19 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 00:19:07.73 0
2周年おめー!
しかし2周年ってすげぇなぁ…
20 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 00:44:07.59 0
2周年おめでとう!!
21 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 01:01:54.67 0
おお!2年続いたんだスゲー
おめっ!&作者さんたち乙!
22 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 01:44:17.27 0
あれだけ作者さんいるんだからすごいよねほんと
23 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 01:59:12.17 0
Happy Birthday to you!
Happy Birthday to you!
Happy Birthday DEAR リゾスレ!
HAPPY BIRTHDAY TO YOOOOU!

みんなおつかれーな!
24 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 05:09:48.03 O
スゲースレだぜここは!2周年おめでたい。
25 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 06:34:04.36 0
           【リゾナンターのDNAデータには金塊以上の価値がある byDr.マルシェ】
かんぶぅ )<位置に着いたかリサ・・・いや 怪盗ニーニャよ!!ヨシ!今回の任務を言うのだ!!!

ノlc| ・e・)<ハッ!今回のターゲットはリゾナンターの大切な物である下着であります!
       ・・しかしなんでこんな物を・・ダークネス様は・・フゥ・・

かんぶぅ )<なんかDr.にクローンを作らせるらしいからDNAデータがいるらしいぞ
       ・・あとロマンがどうたらこうたら とにかく急ぐのだリサよ ダークネス様はwktkして御待ちだ!

          -その時である 扉が少し開いた風呂の中から 愛の背中をゴシゴシ流がす
             れいなの愛ある姿がニーニャのまなこに飛び込んだのだった!-

   _, ,_
ノlc| ・e・)<私は逆に大切な物を盗まれた様です・・・

かんぶぅ )<何だそれは・・・

ノlc| ・e・)<それは私の中のモーニング娘。です!

かんぶぅ;)<ちょっと何言ってるか分かんない  早くパンツ盗って来いwww

ttp://resonant.web.fc2.com/data/toro17101.jpg
        ( ・e・ )≪私はこんな2人の大切な物を盗む事は出来ない・・・・・ならば!!≫( ・e・ )
      - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
   _, ,_  ∩
*ダクネチ)彡<おお!これが黄金のパン・・・・いやリゾナンターのDNAデータ(ロマン)が詰まった布か!ムッフフ
    ⊂彡           ・・・・・・・しかし なんで 毛糸のパンツなのだ・・???

( ・e・;)<(ギクッ!!)さっさあ?・・・・ハックション!!・・冷えるのだ
              【リゾナンターのパンツはロマンスの塊である byダークネス】
                 【そしてこの大切なスレ 2周年おめでとうだゾ!!】
26 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 06:40:25.49 O
あのアンビシャスな話の裏にはこんな野心的な事があったと言う事で・・・w
27 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 07:05:23.54 0
うわあ… ダクネチュ様までもがそんな男の欲ぼぅ…(ゲフッゲフッ いや男のロマンを求めていたとは!

だがその毛糸のパンツにこそ価値を見出すものどもがこのスレには多いはずッ!!

…いやもつろんリゾナン史上の歴史的価値ですぞ!
28 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 07:12:37.71 O
2つのトリビュート作が組み合わされた野心的でロマン溢れるダクネチュ様ですねw
3年目も新たな活躍を期待してます!
トリビュート作品も集まるといいな
29 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 08:30:36.51 0
ダクネチュ様はエロナンターでもあるんやね
送ればせながら2周年おめであります
30 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 10:31:40.20 0
20スレ目がめでたいのでなんかやりたいスレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/22534/1229144100/

ここで質問企画の話もされているのでご協力ヨロです
31 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 11:17:13.14 0
Q.あなたは正義のヒーローです。見事に悪の軍団を退治しました。さぁ、最高の決めゼリフをお願いします!


高橋 愛 ヤッタ↑↑

新垣里沙 ふっっ☆☆やったった・・・(´-`)ノ“

亀井絵里 感無量!!

道重さゆみ セーーーフッッ!!!!

田中れいな 「フッ。(笑)(☆▽☆)」か・・・「ざまーみろ。笑」どっちか!!!
鼻で笑う感じ???

光井愛佳 うふふ(^▽^)

ジュンジュン Yeah~~ママにご褒びもらう~(v_v)

リンリン リンリンマンにかわっておしおきよ!


ちょ…w
リゾナンターのセンスヒドスwww
32 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 11:22:19.49 0
リゾナントのメニューもねw

さえみお姉様の決め台詞見たーい
33 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 12:43:24.83 0
>>31
これ何?マジで言ったの?w
34 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 12:44:56.92 0
ポケモー アーティストQ&A あなたは正義のヒーローです。見事に悪の軍団を退治しました。さぁ、最高の決めゼリフをお願いします!
http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1271124545/
35 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 13:36:46.84 0
このスレ知ってるかのような質問だねw
36 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 13:40:52.34 0
しかも二周年の今日でw
37 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 14:32:23.23 O
このスレの誰かがリスエストしたのかw
38 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 14:43:34.75 O
もし喫茶店をするならどんなメニューを出しますか?
…って質問なら書いてみたことあるw
ものすっごく昔だけど
39 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 14:45:46.59 0
亀井絵里 感無量!!

道重さゆみ セーーーフッッ!!!!

なにこのギリギリセーフ感ww
40 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 15:26:05.94 0
れいなの鼻で笑うというのも感じ出てる
41 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 15:44:01.94 0
みっつぃ地味に怖いなw
42 : 名無し募集中。。。 [] 投稿日:2010/04/13(火) 17:03:34.38 O
>>25
どうりで最近ガキさんパンツはいてないと思ったらそういう事だったんですね
2周年おめであります
43 : 名無しじゃないやい[] 投稿日:2010/04/13(火) 17:05:15.51 0
「さぁとっとと済ませるぞ、あいつらがくる前にな」

黒衣を纏った女性の声が辺りに響く。
その声に呼応するのは、同じく黒衣に身を纏った集団だった。

大田区某所。
閑静な住宅街に突如現れた集団達の目的、それは。

――辺り一帯の制圧及び支配。

「おらおら、早くしろぁ!
ぐずぐずしてる奴は、あたしの氷剣で切り刻んで生ゴミの日に出してやんぞごらあ!」

黒衣の女性の怒声に集団は慌てて駆けだしていく。
猛犬注意の札が貼られた家にも果敢に飛び込み、逆襲の牙をその身に突き立てられながら。
セールス勧誘お断りの札が貼られた家に突撃し、見事に家人の罵声と拳に晒されながら。

『たかが一丁目すら支配下に置けないなんてこと、まさかあるわけないよなぁ?
出来んようやったら、減給じゃ済まんから覚悟しときや…』

女性の脳裏に蘇る、低い関西弁。
背筋を伝う冷や汗に女性は思わず舌打ちする。

――見ていろ、いつかその首取って多摩川に放り投げてくれるわ。

心の中で呟く女性は、ふと視線を地面に向ける。
月明かりに照らされた地面に浮かぶ、自分以外のシルエットに女性は勢いよく振り向いた。

「…これだから大田区からは嫌だったんだよ…。
普通、本拠地から手をつけないだろ馬鹿総統…」

苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる女性、その視線の先にいるのは八人の少女達。
44 : 名無しじゃないやい[] 投稿日:2010/04/13(火) 17:06:16.91 0
「喫茶リゾナントがあるこの街で暴れようなんて、そんなことあーし達がいるうちは絶対に許さん!
行くよ皆!」

リーダーと思われる女性の言葉に、一斉に他の仲間達が応える。
色とりどりの“オーラ”を体から放つその姿は、ただの一般人ではないことを視覚的に告げていた。

「ちぃ、お前らぐずぐずすんな!」

女性の声に、占拠活動を展開していた集団はボロボロの体を引きずりながら女性の元へと駆け寄ってくる、が。
満身創痍となった体では、とてもじゃないが少女達の相手は務まらなかった。
一瞬のうちに地面に積み上げられていく集団。
このままでは自分も二の舞になると踏んだ女性は、慌てて逃げ出そうとする、が、しかし。

「逃がすわけないやろ!」

リーダーと思われる女性の言葉が、女性の聞いた最後の言葉だった。
体に押し寄せる痛みの波に、言葉を発することすら叶わず吹き飛ばされた女性。
女性と集団をあっという間に一網打尽にした少女達は快哉の声を上げる。
45 : 名無しじゃないやい[] 投稿日:2010/04/13(火) 17:07:17.04 0
「ヤッタ↑↑ 」

「ふっっ☆☆やったった・・・(´-`)ノ“ 」

「感無量!! 」

「セーーーフッッ!!!! 」

「フッ。(笑)(☆▽☆)・・・ざまーみろ。笑」

「うふふ(^▽^)」

「Yeah~~ママにご褒びもらう~(v_v) 」

「リンリンマンにかわっておしおきよ! 」

思い思いの勝利の台詞を吐いた少女達はその場を後にする。
少女達が去ったその後。
倒れていた女性はゆっくりと体を起こした。

まだ、息絶えるわけにはいかない。
ツッコミどころには全力でツッコミを入れる、それが自分のジャスティスだからだ。
46 : 名無しじゃないやい[] 投稿日:2010/04/13(火) 17:08:17.76 0
「…まだ、やったとかはいいと思うんだ、あたし。
でも、やったったって…正義の味方っぽくなくね?
つーか、感無量って、ラスボス倒したって言わねぇだろ常識的に考えて。
で、セーフとか…何に対するセーフなのか全然分かんねぇし。
ざまーみろとか、もろ悪役の台詞だし、うふふとか腹黒キャラ全開じゃねぇか…。
ママにご褒美もらうとか、どこの小学生だっつー話だし。
挙げ句の果てにリンリンマンに変わっておしおきて、じゃあ、お前はどこの誰なんだっつーの…」

言いたいことを言い切った女性は、再び地面に倒れ込む。
記念すべき2周年という節目でも自分はやられ役だったことに悲しみの嗚咽を上げながら。

「ちくしょおおおおおおおおお、憶えてろよリゾナンターああああああああああああああああああ!!!!」

女性の絶叫が辺りに木霊した夜。


――リゾナンターと呼ばれた少女達は喫茶リゾナントへと戻り、夜が明けるまで馬鹿騒ぎしたとさ。
47 名無しじゃないやい[] 投稿日:2010/04/13(火) 17:10:01.05 0
会社休んでまったりしていたからついつい書いた
まとめサイトへの収録は固辞させてもらいます
もう二年もの月日が流れたのかと思いつつ
続き物の続きを書く作業に戻ります
48 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 17:16:51.04 O
>>47
ないやいさんのギャグもの久しぶりにキター
さすが腕は落ちてませんねw
そして相変わらずレスポンスタイム速いですねえ

3年目もよろしくです!
49 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 18:58:43.91 0
リゾリゾ
50 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 19:08:20.51 0
>>47
面白い!
こういう笑えるやつも良いな
本拠地が大田区ってゆーのも良いなwなんかリアリティあるw
51 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 20:04:58.86 0
川*’∀’)<殺った↑↑
52 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 20:21:54.25 0
>>47
悲しみが木霊してるw
53 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 20:30:15.52 O
>>47
ワラタ  続き物楽しみだわい
54 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 20:53:32.16 0
>>47
>>挙げ句の果てにリンリンマンに変わっておしおきて、じゃあ、お前はどこの誰なんだっつーの…」

確かにw
リンリンのシュールさに萌え
55 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 21:05:24.25 0
見上げた天井は今日もおんなじように呆れるように真っ白
出されるご飯はいつも美味しくて、栄養のバランスも完璧で文句のつけようがない
部屋はゴミが毎日回収され、見事なくらいに清潔
そして、昼寝はし放題で、テレビを見ることもでき、ごろごろしていても誰にも文句を言われない

(生活する上で完璧な環境だよね…ここが病院でなければ)
今日も同じ天井を見上げる亀井は右腕につながれた点滴チューブをみて動けないこの時間の潰し方を考え始める

一週間ほど前のこと
「亀井さん、あなたの病気についてなんですが…お話しなくてはならないときが来たと思います」
亀井は家族と共に入院している病院のカンファレンスルームに呼び出された
家族と担当の先生の他には誰もいない状況
先生の話す言葉を聞きもらすまいと両親が緊張しているのが亀井にも伝わる

「亀井さんのお体ですが、心臓の機能が低下がみられます
 ただ、これはあくまでも検査の結果ですし、亀井さんはまだまだ若いですから何とも言えませんが…
 無理な運動はもちろん、精神的なショックについても注意がより必要なことになると推測されます」
母親は娘の前では泣くまいと必死に唇を噛み、父親は亀井の肩をぽんぽんと優しく叩いてくれる
「絵里、安心しなさい。お父さんとお母さんがいつもそばにいてあげるからね」

絶対安静というほどでもないが、可能な限り入院することが治療の中心で、リハビリに努める毎日
これまで亀井の人生のほとんどは病気との闘いであった
学校には行けても、運動はできず、楽しみにしていた修学旅行も参加できず、急に倒れてしまうこともあった
常に薬を使って、発作が起こらないようにしているが、原因不明の難病なので常に恐怖に苛まれている

先天性の心疾患で血管がもろくて、ちょっとしたショックで心臓に負担がかかり、胸が苦しくなる
心電図や超音波検査で心臓の状態を簡単に把握できるようになり、対症療法はできるようになった
でも亀井のからだを蝕む根本的な原因は現代の医療では治せない・・・らしい
56 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 21:06:26.82 0
お気に入りのファッション雑誌を買いに出かけても、そこにのっている服を買いに行くことはできない
それが年頃の女の子にとっては非常に悲しいことで、小さいけど一つの夢
増えて行くのは病室で着るパジャマだけ、水色、オレンジ、ピンク…

「絵里ちゃん、このケーキも食べる?」
母親が持ってきてくれたケーキを手にとって優しく訊いてくる
亀井は笑顔で「食べたいな」というと、母親も同じくらいの笑みを返してかごの中に入れる
たくさんの美味しいケーキの味を食べたけど、テレビで見るようなカフェには行ったことが一度もない
綺麗な空気の下で紅茶と一緒にケーキを食べること、それもまた、小さくて大きな夢になっていた

「それじゃあ、お母さんは仕事に戻るから、何かあったら電話してね」
亀井と病室に戻り、リンゴの皮をむき終えた頃母親が帰る準備を始めた
「大丈夫だよ、えり、最近、調子いいし、無理しない子だってお母さん知ってるでしょ?」
「…そうねえ、エリはいい子だからね。いい子になってくれて本当にお母さん嬉しいわ」
笑い顔が娘そっくりな母親は春風のような優しい頬笑みをむけた

「ほら、お姉ちゃんにバイバイしなさい」
母親は一緒に連れてきた妹にお姉ちゃんにさよならを言うように促した。
「・・・お姉ちゃん、バイバイ、また来るね」
手を振ってくれている妹だが、その目はなんだか…亀井を攻めているように感じた

(そりゃ、そうだよね…絵里がこんなに体が弱いせいで、お母さんを一人占めにしているんだから
 入院費もかかるから、自分のほんとにしたいことも言えないでいるんだよね…ごめんね…)

亀井は自分が買ってきた雑誌を妹が食い入るように読んでいるのを何度も見ているのを思い返していた
(あのチュニック…本当に似合いそうだけど、絵里のせいで買えないんだろうなぁ。
 ごめんね、絵里がこんな体に生まれたせいでみんなに迷惑がかかっちゃって…)
57 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 21:07:19.32 0
病室の開けた窓から病院の中庭で遊んでいるのだろう、小さな女の子とその母親の笑い声が入ってきた
「こら、えりちゃん、走って転んだりしたら危ないでしょ」
「大丈夫だもん、えり、強い子だもん!泣かないもん!」
窓の外をみると元気に赤いワンピースを着た女の子が走りまわり、その母親と思われる大人がその後を追っていた
「あの子、絵里と同じ名前なんだ…あっ、転んだ!大丈夫かな?」

女の子のそばに母親がかけより、膝についた土を手で払いのける
「転んじゃった~ほら、お母さんの言うことを聞かないからよ」
「だって、だって…うぅ…」
擦りむいた膝を母親になでられながら、女の子は今にも泣きそうだ
「だって飛んできたシャボン玉を捕まえたかったんだもん、グスッ」

ふと横を見ると亀井の病室の近くにまで、どこから来たのであろう、シャボン玉が飛んでいる
同じ部屋に入院している男の子が何となく歌い出す
「♪しゃ~ぼん玉 飛んだ~ 屋根まで飛んだ~」
亀井はその唄声を聞きながら、いまは泣き始めた女の子へと再び視線を移した

目をぎゅっとつぶり、痛みが消えることを心から願う
チクっとし痛みが走り、しばらくすると外から聞こえていた女の子の泣き声がピタッと止む
「ママ!足の痛み消えた!!痛いの飛んでった!!」

母親が娘の膝を見ると、先ほどまで確実についていたはずの傷跡が完全になくなっていた
「あら!おかしいわね?さっきまで、血が出ていたのに…かさぶたもないわね…あ、こら待ちなさい」
「♪しゃぼん玉 飛んだ~」
痛みがなくなった女の子はまたシャボン玉を追いかけ始め、母親はその女の子を追いかけた
不思議に思いながらも母親は大した傷ではなかったのだろうと、大人の常識のうちに自分をおいた

少女が再びシャボン玉を追いかけ始めたのをみながら亀井は自身のひざをさすっていた
さすり始めた膝には先ほどまでなかった傷が、そう、あの女の子の膝と全く同じ部位に、同じ程度の傷が
58 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 21:08:47.97 0
生まれつき、亀井は体が弱かった…でも、人には隠した力を持っていた
それが、この力―傷の共有
他人の傷を自分に移したり、自分の傷を―他人に移すことのできる能力
もっとも他人に傷つけられることがない、現在は後者の力を使うことはなくなっているが…
(絵里のこんな力がなかったら、あの子みたいにお母さんと一緒に走れたのかな?)

昔から亀井が怪我をすると、なぜか周りにいた人が怪我をした―母親とて例外ではない
亀井が転べば、一番先に近づいてきた母親も同じ場所に怪我をした
そのことを幼い亀井は、なんとなくその『ルール』を理解した―絵里は怪我しちゃいけないんだ、と
それから亀井は極端に消極的になった。怪我をしないように、傷つけないようにと

そして…この『ルール』は何も知らない母親も苦しめさせた
ある時のこと、母親が包丁で指先を切った。
それは大人にとってはなんてことのない傷、バンソコエイドでも貼ればすぐに止まる程度のもの
でも、何も知らない幼い絵里は自分の指から血が流れ出るのを見てパニックを起こした
叫び声を上げた娘のもとに急いで駆け寄った母親が視たのは、自分と同じ部分から血を出した愛娘だった
幸いすぐに血は止まったが…側にいた妹の治療した母親は『怪我する』ことを極端に恐れるようになってしまった

(あのころから私達が自由に走り回れるようになったことがなくなった…助けてよ、誰か)

                ★   ★   ★   ★   ★   ★

消灯の時刻となり亀井は自身の固い枕の待っている病室のベッドに入った
シャボン玉を追いかけ走りまわっていた女の子も、歌っていた男の子も静かに眠りに入った
幸せな夢を見ているのだろう、静かな寝息が自然と聴こえてくる
ただ・・・いつもなら誰よりも早く夢の世界に入るはずの亀井はなぜだか眼が冴えて眠れなかった
「…なんだろ、変だな…考えすぎたのかな?」
眠気に自身が打ち勝つなんてことは亀井は初めてのことであった
59 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 21:09:36.91 0
ベッドに潜りこんで頭から布団をかぶっても、何度も寝がえりをしても眠れず時間が過ぎて行くばかり
「気分を変えるために…ジュース買いに行こうかな」
亀井は薄手のガウンをはおり、自動販売機のあるエレベーターホール前まで向かった
もちろん、同室の子供達を起こさないように足音をたてないように注意して

最近、工事をしていたのであろう、廊下は足もとにライトがついていてほんのりと明るい、だが、多少の光があるとはいえ、ぺたんぺたんとスリッパの間の抜けた音が響き、夜の病院とはやけに不気味である
「なんか出てきたら、いやだな」
昨日見たテレビの心霊特集で廃墟の病院が出ていたのが思い出され亀井は急に怖くなった

「亀井さん、何をしているんですか?もう消灯時間は過ぎてますよ」「ひっ」
暗がりから名前を呼ばれ亀井は驚き、奇妙な声をあげた
懐中電灯を持って亀井の前に現れたのは同室に入院している子供の担当の若い先生だった
「病院なんですから規則は守ってください」
「ごめんなさい…ちょっと眠れなくて、それで、喉乾いたからかなって思ったのから」
「規則は規則です」
あっさりと言い返され、取りつくしまも与えずに口調で言いはねのける
「病室まで送って行きます。亀井さん、行きますよ」
「でも、喉が渇いて」
「冷蔵庫があるでしょ」

先生に連れられて病室へと帰って行く途中に亀井は奇妙なことに気がついた
「先生?こっち絵里の部屋じゃないですよ」
「…寝れないっていってたので、すぐに寝れるようにしてあげようと思いましてね」

普段は閉じられている屋上につながる階段、それは病院で最も暗い場所へ進んでいく二人
「ふ~ん、お薬ですか?」
「いや、お薬じゃないから。もっと簡単に寝れるものだから」
「でも、こっちに何もありませんよ、先生、絵里、ちょっと怖いんですけど」
「大丈夫だよ」
そう言って振り返った先生を亀井はなんとなく奇妙に感じた…どこかおかしいと
60 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 21:10:36.06 0
「絵里ちゃん、ここに座って。今、眠るための用意をするから」
そういって指示した場所には一脚の椅子がただ無造作に置かれていた
「先生?なんでこんなところに椅子があるの?先生、変だよ、なんでこんなところに連れてきたの?」
「・・・」
先生は何も言わずに亀井の肩を押して無理やり椅子にすわらせた
「う、痛い!先生、何してるの?なにすr」
そこまで言いかけて亀井の口は止まった。月の光に照らされて先生が持っているナイフがきらりと光った

「亀井さん…眠いんですよね、寝たいんですよね。今すぐ眠らせてあげますからね」
あまりに常軌を逸したと思える展開に亀井は何も言えず、足の力も抜けたように動けなくなった
「大丈夫ですよ、ほんの一瞬ですから…全然、痛くないですから、安心してくださいね」
ほんのりと口元に笑みを浮かべて亀井の肩に置かれた手は力強く、亀井はもう逃げれそうにない
左手に握りしめられたナイフの刃が月に照らされて不気味な光を放ち、亀井の首に向かって振り下ろされる

(絵里、こんな形で死んじゃうの?…いやだよ、誰か、助けて!!)

何かが首元に当たる感覚がして亀井は恐怖のあまり気を失った
先生の言うとおり、まったく痛みは感じなかった
61 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 21:12:06.81 0
一旦切ります。あと6レス分あるので、一時間後くらいにチャレンジします
62 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 21:27:36.18 0
63 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 21:58:30.11 0
乳 ペタ ペタ
64 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 22:08:58.19 0
                ★   ★   ★   ★   ★   ★

4月のまだ冷たい空気とパチパチと頬を叩かれる感触で亀井は目を覚ました
「亀井ちゃん、大丈夫か?」
まだぼんやりとする目でみつめた先には知らないショートカットの綺麗な女の人が亀井を抱えていた
「うう・・・」
「お、ようやく、気がついたみたいやね」
視界がはっきりしても、目の前にいる女性には見覚えはなかった

「あなた、誰ですか?天使ですか?絵里は…」
ゆっくりと立ち上がりながら亀井は尋ねる。
「私の名前は高橋愛。あなたにお話しがあって今日は会いに来たの」
「絵里に?でも、絵里…死んじゃったんでしょ」

「まさか。確かにちょっと危なかったけど。ああ、あの先生は大丈夫よ。ちょっと気絶させただけだから」
そう言って高橋はコートのポケットからあのナイフを取り出して亀井に渡した
「あなたを襲ってきたあの先生ね…普通じゃなかったでしょ」
ナイフをみたで瞬時にその場面が鮮明に蘇り、亀井は身震いを感じた
「…なんで先生、エリのことを襲ったの?」
「それは後々説明するわ…まずは私の要件を聞いてくれない?


            …私の仲間になってほしいの。私と一緒に戦ってくれない?」


突然すぎるその告白に何も言えず呆然とするしかない亀井
「え、どういうことでしょうか?仲間って、戦うって」
目の前にいる女性はまともなのか、本気で疑う価値があるように亀井は思った
65 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 22:09:58.65 0
「無理もないわね。あなた、わたしが妄想に取りつかれていると思っているんでしょう?」
「え、いえいえ」
心を見透かされたように言われた亀井は慌てて否定したが、そんな亀井を見て女はふっと笑った
「大丈夫よ。私は普通だから。あなたと一緒で」

最後の一言にドキッとした亀井は一歩、その女から離れた
「どういうことですか?」
「私もあなたと同じように力を持っているの」
そういい女は亀井の前から姿を消し、次の瞬間には亀井の後ろに立っていた
「こうやって瞬間移動できるのが私の力の一つよ」
再び亀井の正面に現れて女はごく当たり前だとでもいうように言う
「あなたも私と同じように特殊な力を持っているんでしょ」

もちろん亀井は『力』を持っていることを教えたことは誰にもなかった…そう、親にさえも
それなのに…目の前にいるこの女はそのことを知っている
「どうやって、絵里のことを知ったんですか?教えてくれるまで何も話しません」

「どうやってって、それはあんたが心で叫んでいたからやろ、昔から、『助けて』って、何度も
 あーしはただその声を何度も聴いて、ここに来ただけや
 深い意味なんてない。助けに来たし、あーしも助けてほしいだけやよ」
急に顔が崩れるほどの笑顔になった女は亀井に手を差し出して握手を求めてきた

「・・・助けるってだれをですか?」
「きまっとるやろ。この世界をや」

益々目の前にいる女のことがわからなくなり、元々良くない亀井の頭はこんがらがってきた
「亀井ちゃん、聞いて…世界は今、変わってきている、それも悪い方向に
 あなたを殺そうとしたあの先生もそのために操られた犠牲者の一人にすぎない」
「操られた?誰にですか?」
「・・・詳しくは分からん。ただ、その元凶はわかっている。『ダークネス』と名乗る謎の集団」
「『ダークネス』・・・」
66 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 22:11:20.43 0
「もちろん、普通の生活を送っている人なら信じられないことやのはあーしも分かっている
 でも、たった今、あんな出来事を体験した亀井ちゃんなら…分かってくれるやろ?」
真剣な眼差しで亀井を高橋はじっとみながら、亀井の手をぎゅっと握った
「…先生が変だったのは見たんですけど、まだよく分からないです」
「…そうやよね。あーしも今すぐ、ついてきてほしいといってるわけやないし…」

「それに」と亀井はつけて言葉を選びながら話し始めた。
「誘ってもらったところ悪いんですが、エリは邪魔だと…むしろ…高橋さんの邪魔になると思いますから…」
高橋はなんで?とでもいうように頭を少し傾けて亀井をじっと見ている
「だって、そうでしょ!絵里は体が弱いんですよ
 エリのね心臓の血管はとても弱くてね、シャボン玉みたいにパンッて弾けたら・・」

急に高橋は亀井の肩を強くつかみ、ヒッと亀井は小さく叫んだ
「亀井ちゃん、それでええの?体が弱いってことを盾にして、自分ができないって限界を決めて!
 あーしにも夢があるように、亀井ちゃんにも夢があるんやろ?
 
 …夢はね、叶えるためにあるんよ。ただ見ているだけじゃかなわないものなの
 いいなってただ羨ましく思うのは夢やない、叶えるために近づこうとするんが夢

 ダークネスはね、そんな夢を奪おうとしている…夢だけじゃなく、希望も未来も全て
 そんな世界は絶対にきてはいけない!明日も何もない世界なんて…」

「で、でも、絵里なんかにできることなんて」
「また、そうやって自分で限界を決めちゃって…確かに私にも亀井ちゃんにも限界はある
 でもね、それを自分で決めつけるのはどうなのかしら?『私にできない』、それは誰にも分からないことじゃない?
 
 私達には希望を持つことができるという大きな武器があるわ、そして、今のこの世界ではそれができる
 ねえ、亀井ちゃん、私の手につかまっててくれる?」

「こうですか?」
亀井が高橋に触れた瞬間二人は光に包まれ、気がつくと亀井の住む町を一望できる丘の上に立っていた
67 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 22:12:33.13 0
「ここはどこですか?」
こんな時間に外に出たことのない亀井が深夜の冷たい空気を感じながら高橋に尋ねる
「ここは、亀井ちゃんの病室からいつも見えていた丘の上や。来てみたかったんやろ、一度
 ほら、見てみい、この街を」
二人の眼下に広がる街の光をみて亀井は素直な気持ちで呟いた

「綺麗な街…」

亀井の足元に広がった街は光の絨毯が引かれたように輝いていた
言うまでもなくそれはただの民家だったり、会社だったり、飲食店だったりする
この時期にしか咲かないピンク色の花も公園の光で照らされて輝いている
それら、たくさんの異なる色の光がなんとも言えない微妙な色彩を奏でていた
いつもだったらただ苦しいだけの冷たい風を受けていてもなんだかこの場所では気分がいい

「いい場所やろ。あーしのお気に入りの場所なんよ」
気付かないうちに少しでも街の光を見ようとして前に出ていた亀井の横に並ぶように高橋が前にでた。

「小さい一つ一つの光がここに来ると大きく魅力的な大きな光になって自然と目に飛び込んでくる
 自分達がこんなに美しいものを知らず知らずに作っとるんよ。人間って偉大やと思わない?」
そんな高橋の問いを何も言わずにコクンと頷いて答える亀井

「ねえ、亀井ちゃん、聞いてくれる?もう少しだけあーしの話しを
 
 亀井ちゃんが苦しんでいることはもちろん知っているつもりよ
 でもね、こんな綺麗に見える街でも暴力なり、孤独なり、憎しみ…負の感情は絶えず生まれていく
 それらは大きな悲しみ、怒りとなってこの世界をただよい続ける
 辛いのは、大変なのは亀井ちゃん、あなただけじゃないのを知っていてほしいの」
68 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 22:14:03.23 0
「この世界を生きるのは本当につらくて、理想なんて持っていても理解されない悲しい世界かもしれない。
 でもね、そんな世界にも希望の芽がある限り救い出す価値があると思えない?
 いま、世界はほんとうに不安定でシャボン玉のように簡単に壊れてしまうかもしれないの

 でも、この世界がシャボン玉みたいになっちゃったら…この世界は弾けちゃいけないの!
 あなたの力が必要なのよ!!・・・そしてあなたの体を治せる人物がいるわ・・」

伝えたいことを言い終えた高橋を捉えたのは亀井の曇りの全くない純粋な瞳だった
「…こんな絵里でもこの世界を救うことができますか?」
「もちろん、それが出来ると思ったからあなたの前に私は現れたの」
「私が助けたい人は・・・助けたいものは・・・」
亀井は自分の掌をみつめた後、もう一度目の前に広がる鮮やかな光の帯を見つめた

高橋はコートのポケットから何かを取り出し亀井に渡した
「答えはすぐに出さなくていいから。亀井ちゃんが変わりたいと思うなら、私を心のなかで呼びなさい
 いつでも私はあなたを受け入れる覚悟があるんだから…亀井ちゃん、帰りましょう、あなたのお部屋に」

                ★   ★   ★   ★   ★   ★
69 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 22:16:43.93 0
愛ちゃん、どういうつもりなの?あの子を仲間に誘うなんて!!」
リゾナンターの本部、喫茶リゾナントに新垣の問い詰めるような声が響いた
その高橋はカウンタ―におかれた椅子に座り、何もせず、何も言わずただ目を閉じている。

「わかっているんでしょ?本当はあの子の命が長くないってことを
 私には愛ちゃんの考えていることは申し訳ないけどわからない。
 確かに異質な力を持っているけど、そこまで重要視するべき力ではないと思う
 きっとあの子の体は私達の争いに耐えられない。死ぬのよ、わかっているの?」

高橋はゆっくりと瞼をあげて小さくつぶやく
「だからや・・・あの子はね、死ぬことがどういうことかわかっているから必要なの。
 ただ、奪うだけが正義じゃない。それをあの子は分かっている」
新垣は何も言えずに黙ってしまったが、その目は明らかにその意見に賛同を示していない。

「それにその方が…あの子自身のためになるんよ。
 きっといつか体を治してくれる人に出会うだろうし、もっと世界を知って行くべきだと思う。
 生きる価値がない人間?そんなのいるわけないんだ。みんなもっともっと飛んでいけるはずなんだから」
「…愛ちゃんは現実を知らなすぎるんだよ」
新垣はついて行けないとでも言うようにため息をつき、店を出て行った

                ★   ★   ★   ★   ★   ★

ベッドに戻った亀井は夜空を見上げて、高橋から受け取ったシャボン玉を吹きながら小さな声で歌った
「♪『しゃ~ぼん玉 飛んだ 屋根まで飛んだ 屋根まで飛んで 壊れて消えた』
 絵里のからだはシャボン玉、きっといつかは消える運命なんだろうね・・・
 でも、それがいつなのか、わからないけど…エリにもできることがあるかもしれない!
 
 世界はこんなにうつくしい。失いたくない!!」

すうすうと静かに寝息を立てている子供達の声を聞きながら、シャボン玉の筒をふぅと吹いた
病室に舞ったシャボン玉は壊れることなく、開けた窓から外へと飛び出てずぅぅっと空高くまで飛んでいった
70 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 22:20:12.53 0
>>55-60&64-69
『シャボン玉:motor編』です。
かなしみ戦隊ファーストシーズンの [19.シャボン玉](01)571 にリゾナントリビュートさせていただきました
まさかの10レス超えるというまとまりの無さ(泣)
しかも、今気づいた、改行多すぎるため起きた『読みにくさ』(泣)・・・申し訳ないです

えー、尊敬すべき諸先輩に先んじての投下、申し訳ありませんでした
ただ、これからも先輩作者様方の作品を純粋な一読者として楽しみにしてますね♪

☆祝☆リゾスレ2周年☆おめでとう☆
71 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 22:44:09.25 O
>>70
かなしみトリビュート、なんだか凄く温かいお話です
『みんなもっともっと飛んで行けるんだから』と言う言葉が心を打ちました
久しぶりにシャボン玉を夜空へ飛ばしてみようかな・・・
72 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 22:55:41.85 0
>>70
愛ちゃんのセリフがなんかギクッてさせられた
なんかいろいろがんばろうと思った
73 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 23:27:04.81 0
>>70
いいですね
かなしみさんの予告編で伝えたかったであろうことを十二分に描いたって感じがする
でもアンカーが微妙にw
74 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/13(火) 23:33:41.99 0
>>70
お見事です!
ちょっと「かなしみ戦隊」とは設定なんかも違っていますがそれもまたアリですよね
あのシーンを原典の意を汲みながら かつ自分のカラーを存分に出してここまで膨らませたのは本当に凄い

温かくもありながら重いテーマが話の底に横たわっていて色々考えさせられました
リーダー高橋愛の姿がすごく深い「人間」を感じさせますね
綺麗ごとだけじゃなく様々なものを抱えて戦うその姿にはほんとどこかギクリとさせられました
新垣里沙との言い争いのシーンも同じく


>小さい一つ一つの光がここに来ると大きく魅力的な大きな光になって自然と目に飛び込んでくる
>自分達がこんなに美しいものを知らず知らずに作っとるんよ。人間って偉大やと思わない?

この言葉がすごく印象的だったのですが これもそういった高橋愛の姿があればこそ効果がありますね
75 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/14(水) 01:18:16.39 0
おやリゾ
76 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/14(水) 05:43:45.45 0
トリビュートいいねえ
77 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/14(水) 07:20:57.44 O
トリビュートに虜ビュートやねっ(・∀・)b
今ビューっと冷たい風が吹いたよね(;^_^A)
78 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/14(水) 09:13:00.23 0
さゆかよw
79 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/14(水) 11:31:09.36 0
みんな慣れたのかどんどん文章うまくなってるよねw
80 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/14(水) 12:53:34.14 0
一向に文章が上達する気配のない自分には耳が痛い言葉だ
81 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/14(水) 13:20:34.95 O
自分もまだ最初の頃の方が読みやすく書けていたような…w
単に比較対象となる他作者さんが増えた上にクオリティ上がったからかな
82 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/14(水) 15:26:19.21 0
まあ上手い下手じゃなくどれだけこのスレが好きかってことが重要なわけで
と自分を慰めてみる
83 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/14(水) 16:56:12.99 0
自分なんて作者wikiにも載ってないから…ってことじゃ…ないですよね?
84 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/14(水) 18:04:29.60 0
俺も載ってないw
85 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/14(水) 19:39:19.24 0
信じる~ことにするわ~赤いスイートピー
86 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/14(水) 20:11:55.17 O
ノノ*^ー^)<なんか…違うような?違わないような
87 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/14(水) 21:16:41.00 0
2周年記念質問スレ立ててくれたんだね
乙ありです!
88 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/14(水) 21:18:01.62 0
『リゾスレ2周年記念!住人に色々聞いちゃうスレ』

ノリo´ゥ`リ∩"<建てたよー!イェイイェイ!! 奮ってご参加くださいー!!

http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/22534/1271246993/l50
89 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/14(水) 22:17:45.60 0
90 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/14(水) 22:50:10.31 0
>>70
上手い!
話しを膨らませるのが上手いなぁ・・・
91 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/14(水) 23:12:06.18 O
ジュンジュンのポケモー日記が泣ける件
『久住さんもふくめて9人の・・・』
やはりリゾナンターは9人(ノд<。)゜。
92 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/14(水) 23:39:37.98 0
>>88
結構これ悩むね質問w
ちょっとじっくり考えてしまう
93 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/14(水) 23:54:36.09 O
ジュンジュンほんといい娘だなあ…
エピソード聞いたりする度に何度も思うよ
94 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/15(木) 02:11:03.64 0
寝るぞ!
95 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/15(木) 02:13:12.71 O
祭りなんかに負けるなリゾナンター!
96 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/15(木) 03:39:37.56 0
書いたよん
97 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/15(木) 06:05:04.58 O
おふぁょぅzzz
98 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/15(木) 08:25:44.63 O
次はどんなのがくるかな
楽しみ楽しみ
99 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/15(木) 10:19:12.00 O
99ャョ
100 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/15(木) 12:17:46.02 0
今週中には1本書き上げたいんだけどなあ
101 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/15(木) 12:54:52.96 O
書くヤヨ
102 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/15(木) 14:53:41.92 O
書きたいねえ
103 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/15(木) 17:32:22.14 O
書きたいのう
104 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/15(木) 18:54:00.70 0
書かぬなら書くまで待とうリゾナンダー
105 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/15(木) 19:09:57.95 O
殺してしまえって言われなくてよかったねw
106 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/15(木) 21:04:21.16 O
書かせてみせようホトトギス!
107 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/15(木) 21:56:21.61 0
ホットケーキ?
108 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/15(木) 23:14:04.23 O
いつの間にか2周年か
109 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/15(木) 23:47:09.40 0
書きたいんだけど最近さゆブログとれいなブログが楽しくて仕方ないw
書こうと思ってもすぐブログ見ちゃう
110 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/15(木) 23:56:26.25 O
ガキさんに
ブログ書かせろ
春の夜
111 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/16(金) 00:55:07.62 0
112 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/16(金) 00:56:50.23 O
>>109
分かるw

スパイガキさんブログ話もそういや続くのかなー
113 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/16(金) 02:17:07.22 0
リーダーはホストをやりたいそうです
114 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/16(金) 03:56:24.81 O
詐欺にでも引っ掛かってお金が必要になったのか?w
115 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/16(金) 06:16:01.70 O
タカ様ぁ~
116 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/16(金) 06:55:23.72 0
117 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/16(金) 06:56:08.74 O
和平交渉か
118 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/16(金) 07:13:10.74 O
ミティ様黒くね?
119 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/16(金) 08:09:57.44 0
腹が?
120 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/16(金) 08:21:36.50 O
最近寒いよな
121 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/16(金) 10:15:44.44 O
共鳴したら暖まる
122 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/16(金) 11:55:52.03 0
川´・_o・)<共鳴って、スゴイネー
123 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/16(金) 13:12:50.08 0
昼りぞ
124 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/16(金) 15:08:25.28 0
>>119
    / _ヽ
   〃ノノハヾo
   从 'v')<身も心も凍らせてやろうか?
  と~,,,  ... ~つ
  .|.|_ .ミ,,,/~),..|.|
  | .|  .し'J ̄|.
125 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/16(金) 15:09:24.83 0
じゃあ俺が凍らされます ノ
126 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/16(金) 15:16:08.18 O
>>1
3周年じゃないのか
127 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/16(金) 15:44:51.81 0
えっそう言えばw
128 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/16(金) 16:00:18.05 0
今スレを立て終えた2010年4月13日が「2周年」の記念日
そして現在は第1話スレが立ってから「3年目」の最中

…じゃないの?
そういう認識だったのだけど
129 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/16(金) 16:11:27.62 O
~周年って満~年とか丸~年って意味じゃなかったかな
スレタイであってると思った
130 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/16(金) 17:07:04.64 0
「はい、あなた♪あ~ん」
http://st53.storage.gree.jp/album/23/42/27952342/ce7b8962_640.jpg
          ○
(●´Д`●)。o○

ホゼナンダーB
131 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/16(金) 17:07:47.52 0

(x_x) ☆\( ・e・*)バシッ 寝ぼけてんじゃない!
132 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/16(金) 17:20:26.69 0
こらこらこらせめて「新作メニュー味見してくれん?」とかリゾスレらしくだなあ


………でも許すGJ
133 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/16(金) 17:31:19.65 0
プハッ!リーダーのこの表情もぉたまらんね!
……おっといけねえ保全保全
134 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/16(金) 17:37:12.52 0
>>130
もしかして手前にある食べ物はうええおええ丼?
135 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/16(金) 17:55:57.02 0
独創的などんぶりですな
136 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/16(金) 19:12:40.71 0
4月半ばで東京に雪? 気象庁予報、観測史上1位の遅さも

 気象庁は16日、同日夕から17日朝にかけ、関東・甲信地方を中心に雪が降るとする予報を発表した。

 東京都内ではこれまで、昭和42、44年の4月17日が、降雪を観測した最も遅い記録。16日に降れば
観測史上3位、17日なら同1位に並ぶ記録となる。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/disaster/100416/dst1004161240004-n1.htm


ミティ様頑張りすぎです><
137 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/16(金) 20:36:59.24 0
>>130
あんな量を食べるの?
138 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/16(金) 21:23:45.31 O
>>137
手に持ってるのを一人で食べて…
なおかつ手前のを3人で分けたやよ
能力者はお腹が空くんやよ
139 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/16(金) 21:41:49.86 0
>>138
なるほど
食事はエネルギー充填作業なのか……

最後の戦いに赴く前夜。
大量の料理をテーブルに並べ、九人は食事を始める。
誰一人、言葉を発する者はいない。
喫茶リゾナントに響くのは、食器の触れ合う音と、食べ物を咀嚼する微かな音のみ。
九人の少女達は二時間あまり、無言のままただ食べ続けた。

と言うシーンを想像した
140 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/16(金) 21:49:00.88 0
なんかシュールwww
141 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/16(金) 23:15:53.32 0
最後の晩餐か
「この中に裏切り者がいる」とか誰かが言いだすんだろうか
142 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/17(土) 00:30:07.57 0
このスレって小説だけじゃなく短文でのやりとりも好きw
143 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/17(土) 01:56:28.58 O
裏切者ってハムひと切れ多く食べたとかそういうことかな
144 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/17(土) 02:43:25.38 0
この中に一人、裏切り者がおる。・・・・お前やろ!
145 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/17(土) 06:34:37.26 O
名古屋で共鳴してくるぜおぅ!
146 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/17(土) 09:20:58.91 O
共鳴しちゃいや!
147 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/17(土) 11:48:56.80 0
今日は名古屋で戦いか
148 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/17(土) 12:46:12.60 0

なんで、昨日、あいつは現れなかったんだ?ここには、毎日現れるはずなのに・・・
クッ、計画を変えなくては・・・間に合うのか??

(5日目)  ●月◎日(土) AM 10:00

「宅配便です、ハンコください」「は~い」
リゾナントに宅配便が届いた。高橋がハンコを押し、店舗奥のテーブルの上に置いた。
モーニングセットをテーブルに配膳しおえたれいなが興味津津で荷物を開けている高橋の側によってきた

「愛ちゃん、なにが来とうと?食べ物、食べ物?」
高橋は差出人を見ながら返答した。
「うん・・・れいなの大好物よ。私はひとつでええから、あと全部はあげるから」
「やったあ!!何かいな?お肉がいいなぁ…愛ちゃん!!ちょっと!!」
れいなが笑顔でビリビリと包装紙を破った先に出てきた物は大量の本と1つの手紙だった

『高橋さん、田中さん、これは先日発売された小春の新しい写真集です☆
 今日、発売記念サイン会をするんですけど、みなさんには小春からのプレゼントとして贈ります!!
 サインもしておきましたからプレミアですよ!!8人分あるので、みなさんに渡してくださいね!!』

「愛ちゃん、これ食えんっちゃろ!!っていうか、小春、贈るなら食べ物送ってほしいと!!」
そんなブーブー言いながらも田中は写真集の中身を確認しはじめ、小さく『勝った』と呟いた


●月◎日(土) PM 1:00

「注文入りマシタ、海老炒飯、天津飯、油淋鶏定食、烏龍茶を1つズツ」
「ハイよ、ジュンちゃん、今おいでになられたお客様にお冷を」
昼食時にジュンジュンの働いている中華料理はさすがに休日ということもあり非常に忙しい。
テーブルは埋まり、美味しいと評判のお店は行列ができ、現在も5家族が待たされている状況である
お盆の上にお冷を置き、席に座ったお客様に届け、すぐさま空いたテーブルの食器片付けにとりかかる
ジュンジュンの額にはうっすら汗がにじんでいたが、笑顔はずっとキープされている
149 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/17(土) 12:47:05.32 0
「すいませ~ん。会計お願いします~」
カウンター席で一人で食べていたお客がレジへと向かった。
「ありがとうゴザイマス、ワンタン麺一つ、800円です」
お客はカバンから財布を取り出し、「800円、800円」と呟き、結局ちょうどなかったらしく千円札を出した。

「1000円からイタダキマス。お釣り、200円デス」
そのお客が手を出してきたので、ジュンジュンは直接その手にお金をわたした。

「おいしいね、このお店。また来ます」「ありがとうございマス」
去り際にコートを羽織り、茶髪をなびかせながら女性客はジュンジュンに声をかけて店を出て行った。


●月◎日(土) PM 2:00

マルシェの実験室に連れて行かれた矢口はいくつかの心理テストを受けさせられた。
もちろん本人には「矢口さん用の新装備品の調整」と嘘をついておこなったが・・・
その結果をマルシェは一人、薄暗いライトの下でじっくりと照らし合わせていた。

「やっぱり、私と別れた直後から数時間だけ矢口さんは記憶が抜けているみたいですね…
 なんとかして記憶を戻そうと催眠かけてみましたけど、戻りませんでしたね」
椅子の背もたれを倒し、楽な体勢にして腕を組んで考え始めた。

「でも消えているのはその“ほんの数時間”のことだけで、その前後は覚えているんですよね
 最も考えられ可能性は、あの『夏焼雅』っていう子に接触したときに何かがおきたということ…
 そして、事前の情報通り、あの子は「能力者」だったと考えるのが妥当ですね
 …矢口さんの阻害を超えて、記憶を消すことが出来たのならば非常に興味があります」
マルシェは椅子の位置を元に戻し、幹部用の連絡装置を取りだした。

「あ、マルシェです。ちょっと、2,3日ほどですね、外に出る許可をいただきたいのです
 あ、いえ、私個人の問題ですので、ボスに連絡する必要はないですよ。はい、OKですね」
150 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/17(土) 12:48:38.29 0
●月◎日(土) PM 7:00

新垣の勤めるブティック「ピンチャンポー」は都内の一等地とまでは言わないがかなり良い立地条件に恵まれている。
しかしながら店はそれほど大きいわけではなく、少数精鋭の店員で接客をしている
そして、この時勢に珍しく非常に情に熱い店主が経営していて、店員を家族同然のように扱ってくれている。
それゆえに、店主は店員のほんの些細な体調の変化にも敏感に気付くことができるようになっていた。

「新垣さん大丈夫かしら?なんか顔色がちょっと悪いようだけど…」
ちょっと体がだるいのを自覚していた新垣は笑顔で店主に言葉を返した
「いえ、菅井店長、ちょっと疲れているだけですから、お気になさらないでください」
新垣の前髪をあげて店長はおでこに触れた。
「本当かしら…あら、いやだ、あなた、熱があるじゃないの!どうして黙っていたの!!」

新垣も朝から少しばかり熱っぽくだるさを感じていたが社会人として仕事は休むわけにはいかなかった。
解熱剤を飲み、昼食には風邪薬を飲んでここまで気付かれずに接客することができたのだが、敏感な店長には感づかれた。

「いえ、つい3日前にですね、少し早く帰らせていただいたので、1週間に2回も休むのはしのびなかったので…」
「あのね、あなたね、接客業なんだから、もしインフルエンザだったらお客様に移す可能性もあるのよ。
 プロならば体調管理も大事だけど、崩してからもどうすればいいのかを考えなさいっていつも言っているでしょ」
独特の口調でまくし立てるように店長に叱られ新垣はただ謝るしかない。

「まあ、いいわ。今日は早く帰って寝なさい。明日も熱があるようだったら休んでいいから。
 その分給料は減らしておくわよ。新垣も大事なスタッフの一人なんだから、早く回復しなさいね」
「店長、申し訳ありません。なるべく早く帰って寝て、明日には来れるようにします」
新垣は胸の「新垣」の名札をはずしながら、奥の私物置き場へと入って行った

(こういう時にさゆみんが風邪も治せるんだったら本当に便利なんだけどなあ)
新垣は治癒能力を持つ仲間のことを思い浮かべつつ、従業員専用口から外に出た。
151 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/17(土) 12:49:58.45 0
駅まで歩いている途中にメールが届いた。
つい昨日携帯アドレスを変えたばかりの田中からのものだった。

FROM 田中っち
  ガキさん、れーなからちょっとお願いがありますd(ゝ∀・*)
  明日、友達と会うことになっとって、リゾナントをお休みするとヽ(´∀`)ノ .:。+゜。
  それでサユに昨日、手伝いを頼んだんやけど、未だに返信が来ないっちゃ(。´Д⊂)
  ガキさんからもメールしてほしいと(*>▽<*)ゞ

「これ、わざわざ私に送ってくるかなあ?全く、頼られているんだか、違うんだか…
しかし、さゆみんがすぐにメール返さないって珍しいね…」
ぶつぶつ言いながらも道重へ連絡メールを送った

TO さゆみん
  田中っちから昨日メール届いたと思うんだけど、明日愛ちゃんの手伝いをしてあげてくれない?
  本当はこういうことを私が言うのも変だけど、れいなも色々あるから大目に見てあげてね。
  さゆみん、今度一緒にご飯行こうね~

「送信っと、これでよし」
まだ少しボーっとする頭でメールを打ち終えた新垣は夕食を買うためにリンリン御用達のオリジンに立ち寄った。
リンリンのお勧めしていた弁当を注文し、会計をしているとすぐにメールが帰ってきた

FROM さゆみん
  はい、ガキさんのおごりで一緒にご飯行きましょうね!!なんちゃって♪
  ところで、れいなって誰ですか?さゆみにはそんな知り合いなんていないんですけど
  でも、明日、愛ちゃんのお手伝いは引き受けましたよ!さゆみの可愛さでお客様をメロメロにしちゃいまーす

「お客様、お弁当お忘れですよ!」
メールを読みおえた新垣は真っ青になり、支払いを終えた弁当も持たずに外に飛び出した。
店員の声にも振り向かず大急ぎでタクシーの多く止まっている駅まで走りだした。
152 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/17(土) 12:51:49.78 0
(愛ちゃんに伝えないと、一刻も早く…さゆみんがおかしいって…)

新垣は焦っていた…メールや電話で済むと言うことを忘れるほどに…
自分がかつてリゾナンターのスパイであったあの頃、何度も記憶を失わせようと試みた。
しかしその全てはリゾナンターの絆によって打ち破られ、その度に強固たるモノとなっていった。
自分自身が出来なかったことを、しかも田中と道重という相性がかなり良い二人の間で生じた記憶の喪失
加えて、道重はリゾナンターという存在、高橋愛・新垣里沙という両名をしっかり覚えているという不可思議な点

記憶を消去することの難しさ新垣自身が一番、誰よりもわかっているとの自覚があった。

記憶を読み取ることは簡単なことだ。ただ、心の中に入れば直接みることができるからだ
それに対して記憶を消すためには目的の記憶に巻きついた記憶の糸をほどき、探しださなくてはならない
それは木の根っこのように複雑に絡み合って、そう簡単にはいかないようになっている
一つの記憶を構成する幾つものピースを探し出し、関連する全てのピースを消去することで初めて記憶は消える
そして、そんなことをできるのはダークネスでも限られた一部の幹部級にしかできない

(もしかして、ダークネスが私達の知らないうちに動き出したのかもしれない
 あの頃は私があっち側にいたから動きがわかっていたけど、今では…クッ、裏切ったために…)

しかしこういう時に限って運悪くタクシーにはなかなか出会わないものである。
新垣が急いで交通量の多い道へ向かっているものの全く空車のタクシーに出会えなかった。

(仕方ない、駅前に急いでいき、そこでつかまえるか)
そんなことを思っている時に新垣は後ろから監視されているような視線を感じた。
獲物をとらえた豹が首元に爪を立ているような冷たさを、鋭く凍りつくような視線を

新垣は立ち止り、後ろを振り返って大声を上げた
「誰なの?私に何か用なんでしょ。そこにいるのはわかっているんだから出てきなさい!!」
153 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/17(土) 12:53:09.63 0
姿を現したのは新垣が会ったことのない女だった。
年齢はほとんど同じくらいのようで、黒いコートの下に黄色いラインが入った青いインナーを合わせている
暗さを増してきたこの時間では腰に巻いたオレンジ色のベルトが目立ち、何やら手に茶色の封筒を持っている
黄色が目立つニーハイとミニスカートをはいたその女は尾行していたのがばれたというのに笑みを浮かべている

「さすが『ガキさん』、私に気付くなんて。まあ、このくらいのことは想定内のことだし」
「あなた、何者なの?私のことを知っているって…」
新垣が腕にいつも仕込んであるピアノ線で相手を拘束する機会を狙っていると、女は場所の移動を提案してきた
「ここは場所が悪いですね、ガキさん。ここではあなたの能力は目立ってしまいますよ
メンドクサイですよね?この周辺の住民すべての記憶を修正するのは」
新垣は周囲を見渡した。確かに住宅が多く、交通量はそこそこあり目立つ可能性が高かった
「ついてきてください。話なり戦いはそこでしましょう」
青色の光を放つ街灯で照らされた女は新垣以上に冷静で、新垣は背筋に冷たさを感じた

女に先導されて着いた先はつい先日まで使われていたビルであった。どうやら電気はつながっているようだ
「ここならあなたも私も思いっきり動けるでしょ?
さて、どうします?戦いますか?それとも先にお話ししましょうか?」
女は髪の毛をくるくると手で巻きながら新垣を見ている
「・・・あなた、意外と融通がきくのね。まずはお話しさせてもらってもよろしいかしら?」
「どうぞ」

「まずあなたの名前を教えて貰ってもいいかしら?」
新垣がゆっくりと女性に近づきながら問いかける
「名前?そうねえ、私の名前は…あ、それ以上近づかないでくれる?」
女に近づいてきた新垣はその場で立ち止まる
「ちょっと私、耳が悪くて近づかないと聴こえないものでね。いけなかったかしら?」
「・・・それ以上近づかないなら構わないけど。私の名前は『みやび』」

やはり新垣には聞いたことがない名前であった。
ダークネス時代にも、新垣の能力者としての友人関係の中にも聞いたことのない名前であった。
もちろん、それが偽名である可能性は否めなかったが、いずれにせよ、こんなに華やかな顔なら忘れるはずがない
154 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/17(土) 12:54:49.82 0
「私と依然、会ったことがあるかしら?」
新垣は自分と相手の距離を目視しながら問いかける。心臓の鼓動が少しずつ早くなっている
「いいえ、ガキさん、あなたとは会ったことはないですね」
手に持った封筒を地面に置き、「みやび」と名乗った女はポケットに手を突っ込んだ

「そんなに構えなくても大丈夫ですよ。こういう時に大切なのは力を抜くことなんですから」
ポケットから出てきた物は普通のリップクリームで、それをみた新垣はゆっくりと改めて呼吸を整えた
リップクリームを唇に塗りながら女は言う
「不意打ちなんてしませんよ、そんな卑怯なこと
 他に質問はないんですか?無いならこちらからさせていただきますよ」
「いや、もうひとつ答えて貰いたいことがある。みやび、おまえは『ダークネス』なのか?」

初めてみやびに笑み以外の表情が現れた
「また、それですか。リゾナンター、本当に、正義のヒーロー気取りですか?ククク・・・」
口元に手をおさえ嘲笑するかのような態度に新垣は多少の嫌悪感を感じた
「存在は知ってはいますけど、ダークネスなんて、ふざけた名前の組織に入ってなんていませんよ。
 でも、あなたがたリゾナンターの敵といっても過言ではないかもしれませんね」

―この女はダークネスではない、しかし、私達の敵であると宣言した
―そのような事態は新垣にとって初めてのものであった
―リゾナンターを支持する組織はなくともダークネスに抵抗するという共通の目的があればそれは味方であると同義
―しかし、この女は、私達、リゾナンターの敵。ダークネス以外で初めて現れた存在

「目的は何なの?なぜれいなに関する記憶を消しているの」
新垣が女を睨みつけ、核心に触れる質問を口調を強めて問いかける
「それは言えませんね。というか知る必要がないことです、ガキさんにとっては」

「・・・さっきからガキさん、ガキさんと言っているけど私の名前を知らないのかしら?」
「知りませんよ。私にとってあなたの名前なんてどうでもいいことですから
 それではたくさん答えてさしあげたので、今度は私から質問させていただきますね
 あなたはこの数日間、リゾナントを訪れましたか?Yes or No」
155 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/17(土) 12:57:04.84 0
みやびの質問は新垣にとって、もちろんすぐに答えられるような簡単なものであった
しかし、なぜこの場でこんな質問をしたのか、それが気にかかった

「No・・・行っていない。お前がさっきから正直に言っているから私も正直に答えた」
「ありがとうございます。
 世の中フェアでなくてはいけませんからね。そう『あの人』に教えられた」
みやびはそのことを誇っているようにも、嘆いているようにも思える口調で呟く

「なぜ、そんなことが気になる?」
新垣は左右の袖に隠してある武器の安全ロックを気付かれないように解除しながら問いかける
「・・・そこに目的があるからです。それ以上でもそれ以下でもなく、それだけです」
そういいながらみやびは床に先ほど置いた何かを拾い、新垣の方に投げてよこした。
「さて、これはあなたがたへのプレゼントです。爆弾ではないですから安心してください」

茶色の包装紙で包まれた何か、それは書物を買った時にかぶせられる紙製のカバーであった。
カバーをはずすとそこに現れたのは、何度も何度も見たことのある仲間の姿だった

「お前、これは・・・」
「今日の昼に会った、ソイツに。しかし、便利なものだな。
 たった数時間粘るだけで接触することが出来るなんて、握手会とは素晴らしい!」
袋から出てきた物は小春の写真集であった。
みやびは大げさに芝居風に手を広げ、祈りをささげるような姿勢で天を仰ぎながらはっきりと言った。
「これで残りは2人です」

「ふ、二人?もう、さゆみん以外の人間ともすでに接触したのか?」
みやびはプルプルと微妙に手を震わせながらその本を持つ新垣を一瞥した
「ええ、すでにほとんどの方から田中さんの記憶は消させていただきました」
みやびは簡単なこととでもいうように相変わらず髪の毛をさわりながらめんどくさげに言った

新垣は信じられなかった。わずか数日の間に田中れいなのことを完全に忘れさせることができたことを
新垣ですら高橋愛、たった一人の記憶を消すだけでも準備に数カ月を要したものをわずか数日で…
156 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/17(土) 12:59:10.34 0
「あなた、いったい何者なの?」
新垣が小春の写真集を大事そうに抱えながら目線を上げる。その先には相変わらず澄ました表情のみやび
「…それを知ることができるのがガキさん、あなたの力だと聞いてますよ
 さて、そろそろ、話しあいは終わらせてもらってもいいかしら?」
みやびは最後にさっと髪をかいて、指を何回か曲げる動作を繰り返した…表情が変わった

「ガキさん、行きますよ」
まるで遊ぼうとでもいうかのように笑い、地面をけった。
ビルの床につもっていた埃がふわりと舞い、一閃の風がそのフロアを駆け抜けた

(思った以上に速い!)
床の上を滑ってでもいるかのように向かってくる女の影を目で捉えながら新垣は冷静に考えていた
(記憶を消すのがこの女の能力だとしたら、私の心に触れる必要があるはず
 こうやって近づいてくるということは接触することが鍵なのか?何にせよ近づけてはいけない)

一直線に向かってくる女に向けて新垣は強く意識を集中させた
両手の裾から仕込んでおいた金属製のチェーンが意思を持ったかのように女に向かって伸びて行く。
「な、なに?」
女はこの新垣の新技を知らなかったようだ。明らかに目に動揺の色が浮かんでいた。

ピアノ線と違いチェーンならば相手を殺すことなく拘束できる。ピアノ線以外にも数種類の武器を新垣は仕込ませていた
その伸びて行ったチェーンが足に絡まり、女はバランスを崩し、顔から倒れ込む。
ついで腕に、上半身に、首に絡まって行き、あっけなく女は身動きできない状態になった。
「こ、これは鎖?聞いてないぞ、こんなのがあるって…」
女は床でもぞもぞとしながら悪態をついている

新垣は倒れ込んだ女に対して更に激しくチェーンを張り詰め、完全に身体の自由を奪う
「まだ殺しはしない。あなたの目的がわからないから…
 さて、そこでしばらくそうやって転がっていてもらうわ」

新垣は精神を集中し女のこころに『ダイブ』した・・・そこには予想外の展開が待っていると知らずに
157 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/17(土) 13:04:53.08 0
>>148-156「Vanish!(5) 『未完成のキズナ』」(分類 MM。)です
楽しみにしている方もいないと思いますけど、シリーズものなんで完結するまでお付き合いください。
さて、通常作品もいいんですよね?これまで、二週間に一作のペースで落としているので。

(7)まで書き終えているんですけど・・・(8)は前後篇になること確定しました。
(9)までにしたくない理由があるから、もしかしたら中編も起こる恐れすら・・・
158 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/17(土) 13:48:07.78 0
相変わらず引き込まれるた展開だねえ
(9)までにしたくないこだわりとか全ての謎が明らかになるのが待ち遠しい
159 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/17(土) 15:19:23.50 0
家に戻ったら読ませてもらいますホゼ
160 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/17(土) 17:21:46.86 O
同じく保全
おなほ
161 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/17(土) 18:34:51.12 0
>>157
待っとったっちゅーねん
続き楽しみにしております
162 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/17(土) 19:22:09.22 O
このコンスタントな執筆に何より敬意を表したいです
また続きが気になるいいとこで切りますねえ
ガキさんは何を見るんだろう
163 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/17(土) 20:35:51.79 0
あの・・・ねえサボリン?・・・そろそろ・・・ねえ?サーボちゃん・・・おーい
164 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/17(土) 20:45:06.98 0
>>157
ガキさんかっこいい!でも気をつけて!彼女へのサイコダイブは一筋縄では行きそうも無いわよ!
続きが気になり過ぎる!
ワクテカで待ってます!!
165 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/17(土) 20:48:49.39 O
菅井店長のレスキタwww

サボちゃんまとめはしてくれてるよ
でも…そろそろ作品も読みたいよね
166 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/17(土) 20:50:39.66 0
店長が菅井センセとはまさかの設定w
167 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/17(土) 20:51:53.46 0
>>163
彼女は風だよ
俺達の頬を優しく撫ぜる気まぐれな風
気長に待つさ
168 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/17(土) 22:28:13.48 O
せっかくだから2周年質問答えようぜ
169 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/17(土) 22:30:29.16 O
だって何書いたかとか忘れちゃったんだもん
170 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/17(土) 22:49:50.16 O
そんな寂しい事言わずに思い出そうぜ
記憶の迷路をたどって行こうぜ
171 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/17(土) 23:36:02.81 0
サタデーナイトのホゼナント
172 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/18(日) 00:45:16.71 O
>>157
ガキさんいい感じですね続きが気になって仕方ない
173 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/18(日) 00:53:03.06 O
俺は昨日コンサでれいなの新必殺技を見た!!
体内で共鳴増幅した力をブレスレット状の形にして拳からオタに飛ばしていた!
二、三人のオタがはぜてた・・・(実際はブレスレットが抜けて飛んでいっただけだけどね)
174 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/18(日) 01:31:26.54 O
そういう最期なら迎える覚悟はできてるぜ
175 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/18(日) 05:31:24.15 0
俺もだ
176 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/18(日) 06:44:09.49 O
流石だな共鳴保全戦士達よ!!!
177 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/18(日) 08:54:51.66 O
おい
保全戦士よ
保全前戦死はダメだよ
178 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/18(日) 11:01:52.22 O
ジュンジュンに冷たいバナナで頬を張り飛ばされたい
179 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/18(日) 12:34:24.86 Q
保全戦士Qは欲望には負けない
180 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/18(日) 13:37:13.38 Q
でもガキさんのチェーンで締め付けられてはみたい
181 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/18(日) 13:39:16.09 0
保全戦士Q
保全戦士I
保全戦士P
保全戦士O
保全戦士0

五人合わせてホゼナンダー!!!!
182 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/18(日) 13:46:45.13 0
>>181
リーダーのQ
ニヒルなP
頭脳派のI
お調子者の0
ちょっぴりスケベな0
183 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/18(日) 13:53:55.27 0
>>178
でも、ジュンジュンが、
『ミチシゲサンの手、冷たくてきもちー』
って言いながら、
ずっとあっためてくれたから、おかげで温まりました♪

これと同じシチュエーションがリゾナント小説の中にあったような・・・
184 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/18(日) 15:17:32.49 O
ホゼナントブルー
185 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/18(日) 17:41:55.71 O
>>183
教えて生き字引さん!
186 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/18(日) 19:04:26.31 0
ちょっぴりスケベなホゼナンダー参上!
187 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/18(日) 20:39:31.92 O
もっとスケベなホゼナンター参上
188 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/18(日) 21:10:01.46 O
俄然エロめなホゼナンター
189 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/18(日) 22:04:56.25 P
ニヒルなP来たよベイベー
190 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/18(日) 22:05:19.10 Q
リーダーとか言われてしまって下手に身動きのとれなくなったホゼナンター
191 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/18(日) 23:37:30.51 0
作品書きに苦戦中なおりがホゼ
192 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/19(月) 01:02:16.47 0
193 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/19(月) 01:57:29.31 0
おやさえみん
194 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/19(月) 06:15:41.43 O
おはほぜなんたー
195 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/19(月) 06:50:53.27 O
亀井絵里談


さっきお風呂にインして、クレヨンしんちゃんの映画を思い出しました。

映画の最後のほうのシーンで、「愛は世界を救う」って言ってて、
私は「おぉ…」と思いました。
196 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/19(月) 09:33:58.45 0
>>183

483 名前:短歌ンター[] 投稿日:2009/10/19(月) 20:18:05.81 O
神なんか いないよ、だって 君の手が こんなに冷たい なんておかしい

神様は いるよ、私に 君の手が 暖かいこと 教えてくれた


2周年記念質問スレで挙げられていたこれかな
小説じゃないけど・・・
197 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/19(月) 11:29:02.33 0
http://sayu.no-ip.com/fairy/img/rabbit3063.171.jpg

そこのお前 m9从*・ 。.・)
保全サボってんじゃねーぜ?
198 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/19(月) 12:42:57.78 0
暗い、冷たい、視界が真っ暗だ。
動く人の気配も無い。
耳に入ってくるのは爆発によって生じた炎の燃える音、何かが崩れ落ちる音。
今私が居るこの場所で生きているのは私一人、そして間もなく私も…
身体中を激痛が走っている。 胸に空いた孔からは血液と同時に貴重な命の息吹が流れ出していく。
もう長くはないだろう。
私はひとりぼっちで死んでいく。
だが怖くはない、寂しくもない、自分の行動に後悔もない。
むしろ幸せだ。 ここには、この闇の中にはあの人がいない。
あの人は光の中を歩んでいけばいい。
あの人にはこれからの人生を幸せに生きていく権利がある。
そのためなら私はこの闇の中で朽ち果てていこう。
神様、頼んでもいないのに私にこんな力を与えてくれたあんたのことを恨んだこともあった、呪ったこともあった。
でも今は違う。
この力のおかげであの人に会えた。
この力のおかげであの人を守れた。
だから感謝している。
どうかお願いだからあの人のこれからの人生を見守って上げて。
私にはもう無理みたいだから。
だから虫のいい話だとは思うけど、どうかあの人のことを守ってあげて、どうかお願いだから。
199 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/19(月) 12:43:51.52 0
燃えさかる炎の中に里沙ちゃんは居た。
状況から考えてこの基地に仕掛けられていた自爆装置を起動させたんだろう。
里沙ちゃんの身体中から血が流れていて、まるで人形のように白い肌を炎が赤く染めていた。
里沙ちゃんが時折見せていた寂しそうな顔。
訴えかけてくるような瞳。
きっと私に打ち明けたいことがあったんだろう。
心の中はどんな思いが駆けめぐってたんだろう。
判っていながら気づいてない振りをした私の所為だ。
他人の心に踏み入らない。
綺麗事ばかり言って、本当は自分が傷つくのが怖かっただけだ。

ここに駆けつけてくるまで、何度も神様に祈った。
私の命を差し出して、里沙ちゃんが助かるなら喜んでそうすると、でも、その結果がこうだ。

倒れている里沙ちゃんの元に歩み寄る。
破壊された計器から出ているスパークが私の身体に当たり、炎の熱気が私の髪を焦がすけど、もうそんなことはどうでもよかった。

里沙ちゃん…名前を呼ぼうとしたが、返事が返ってこないのが怖くて呼べなかった。
傷だらけの身体を抱きしめて、その冷たさに泣き出しそうになる。

「何で、里沙ちゃんの身体がこんなに軽くて冷たいんや。 神なんていない」
「…いるよ」
「里沙ちゃん…」
「…だって愛ちゃんの掌はこんなに温かいじゃない」
200 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/19(月) 12:45:08.33 0
>>198-199
以上です。
私はまだ質問スレには書き込んでませんが、短歌ンターさんのその短歌は非常に好きで、いま再読してこんな妄想が浮かんできましたとさ
201 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/19(月) 14:11:44.10 0
あの短歌の切なさと胸を打つ感じが見事に表現されていますね
…って人によってあの短歌の感じ方はきっと様々でしょうけれど自分はまさにこんなイメージでした

ラスト 敢えてこの台詞で切ってあるのがいいですね
202 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/19(月) 15:06:18.18 O
作者さん乙!深いなぁ
203 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/19(月) 15:18:02.47 0
昼間っから泣きそうになったじゃまいか
204 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/19(月) 18:20:14.26 O
夕暮れが 不意に淋しい ときもある
205 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/19(月) 20:50:17.66 0
泣いた
里沙の孤独の深さに泣いた……
206 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/19(月) 21:43:16.49 0
恐怖は内包的な感情であり、『死』と同等に結び付かれる感覚だ。
生存という名の本能。逃避という名の反応。

そして恐怖はトラウマとして特定の対象に対して反応を覚える事がある。
ある心理学者の研究により、動物や高さが植物や自然のものよりも拒否反応を示すことを発見した。
人間は恐怖により怯えた状態になり、他者の望みに一方的に従うことがある。
その一方で同様に暴力的にもなり、命を懸けて戦うこともある。

 思い出すのも辛い"過去の恐怖"。
 其れを、否応構わず受け入れてしまうチカラを持って生まれてしまったのは不運だろうか? 


道重さゆみは悩んでいた。
昨日、亀井絵里との買い物帰りに、絵里が唐突にこんな事を言い始めたのだ。

 「ねぇさゆ、動物園に行かない?」

彼女からの約束は滅多に無いのだが、話を聞くと病院で仲良くなった看護士の
知り合いがその動物園で働いているらしく、招待してくれるというもの。
その看護士は仕事で行けないという事で、二枚入場券があるからとさゆみを誘ったそうだ。

 「この前遊園地に遊びに行ったじゃない?だから今度は動物園に行きたいなーって」

絵里は病院暮らしが長く、学校にもあまり通えず、修学旅行などの行事にも参加した事が一度も無い。
外の世界を知り、好奇心旺盛な絵里をさゆみは支えてあげることを決意していた。
だが。

 「ごめん、絵里。私はいいや」
 「え?なんで?さゆ動物とか嫌いだった?」
 「そんなんじゃないんだけど…」
 「大丈夫だよーきっと楽しいよ?ね?行こう?」
207 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/19(月) 21:44:46.12 0
その後、絵里の強い説得に仕方なくさゆは頷くしか無かった。
待ち合わせ場所と時間を話したあと、絵里は別の話題へと話を変える。
そんな中でも、さゆみは複雑な気持ちを抱いていた。

絵里と別れ、さゆみは家路へと歩み始める。
夕陽が落ちる姿を見つめながら、さゆみは小さく溜息を吐いた。
―――その時、嫌な予感と脳裏に過ぎる、断片。

 『―――ッ!』

さゆみはその場で耳を押さえ、流れ込む"声"に必死に抵抗する。
"声"を辿ると、一匹の犬がさゆみに向かって咆哮していた。
飼い主が植えてある樹木に首輪と紐を繋げて何処かで買い物に行ってしまったのだろうか。
吠える声は尚も続くが、滑り落ちた買い物袋を掴み上げ、さゆみは逃げるようにその場から離れた。
聞きたくない。
人間の"声"にも反応するこのチカラは、当然動物にも反応する。
特にさゆみの場合は、過去に"トラウマ"を抱えていた。

 「…どうしよう」

家に着き、ソファに座って携帯の画面を開き、さゆみは呟く。
だが彼女の残念そうな笑顔を浮かべ、諦めたように画面を閉じ、明日の準備を始めた。
他のメンバーにも相談した方が良かったのかもと思い至るが、悩んで終わってしまうのは目に見えている。
自分を無理矢理安心させ、早めにベットの中へと入った。


翌日。
30分遅めに言っておいた時間通りに絵里の姿が現われる。
「ごめんごめん」と何処か悪びれた様子も無いテンポで謝罪し、さゆみの手を取った。
さゆみはあまり寝付けなかった所為で少し寝不足だったのだが、力なく笑う。
208 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/19(月) 21:46:38.00 0
 「さゆ、なんか顔色悪くない?」
 「え?う、うん、ちょっと寝不足で」
 「あ、なんだ。そんなに楽しみにしててくれてたんだーじゃあ早く行かないとねっ」

入場し、絵里は颯爽と動物の居る檻へと引っ張り出し始めた。
絵里にもさゆみと同じチカラを持っているが、【精神感応】ではない。
だから彼女はさゆみの気持ちに気付かないまま、楽しい一日を送る事に期待している。

さゆみは、徐々にではあるがそんな身勝手さに苛立ちを思えていた。
人の心は常人には決して見える事は無い。
だが絵里は、さゆみのこれまでを知る人間であり、傍に居る人間の一人だ。
それなのに、と思ってしまう。
楽しそうに、嬉しそうにしている絵里の心を覗き、さゆみは次第に不愉快になっていった。

受け答えに違和感を覚えたのだろうか。
絵里はさゆみを近くのベンチに連れて行き休憩させると、ある言葉を投げ掛ける。

 「さゆ、全然楽しそうじゃないね」
 「別にそんな事ないよ」
 「嘘、そりゃ絵里がムリヤリ連れてきたんだけど、さゆがそんなんだと全然楽しくない。
 イヤならイヤってちゃんと言ってくれたら絵里だって」
 「だから違うってばっ」

声を荒げるさゆみの姿と声に歩行中のお客の視線が集まった。
絵里も驚いたように見開いた目で見つめる。

 「絵里は全然分かっちょらん。さゆみだって、絵里と遊びに行けて凄く嬉しいもん、でも…」
 「じゃあ何が不満なの?ハッキリ言いたいことがあるなら言って?」
 「…絵里に言ったって、意味無いもん」
209 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/19(月) 21:48:05.22 0
ムッと、絵里はその言葉に表情を歪ませる。
さゆみは内心で「しまった」と思ったが、本音に近い言葉ではあった。
いくら彼女に打ち明けたとしても、それを治す意志がなければ意味が無い。
今の自分では克服できるものではないと、何処かで思っている証拠だった。

 「あ、そう。じゃあもう良いよ。さゆなんか知らない、勝手にすればいいじゃん」

絵里は立ち上がると、どこかへ走って行ってしまった。
追いかける気は起こらず、まだ怒りは納まらなかったが、先程の喧嘩は明らかにさゆみの所為だった。
一人になった途端、言い知れない不安に駆られながらこれからどうするかを模索する。
その時だった。

 「道重さゆみだな?」

さゆみが座っていたベンチの前に現われる黒装束の男。嫌な予感がし、さゆみは男から逃げようと身構える。

 「フフ、悪いが、我々はお前の"過去"を調べさせてもらった」
 「え…?」
 「亀井という少女を使えばお前も来るだろうと思っていたが、まさかこんなに上手く行くとは。
 どうだ?"恐怖"に囲まれた気分は?」
 「!?なんで…っ」
 「闇を生み出すという事は、こういう事なのだよ」

男は懐から小型の機械を取り出し、スイッチを押した。
すると周りの檻に居た動物が一斉に悲鳴のような雄叫びを上げ始めたのだ。
客達は突然暴れだした動物からの恐怖に駆られ、逃げ出し始める。

 『――――――ッ!』
210 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/19(月) 21:50:19.42 0
昨日の比ではない大量の"声"が、さゆみの脳裏へと波の様に押し寄せる。
頭を抱え、その場に座り込んでしまった。
全身が震え、悲鳴を上げそうになったその時。

 「さゆ!」

背後から聞こえた、絵里の声。

 「さゆ!大丈夫!?さゆ!!」

だが、直接流れ込む"声"への抵抗によって言葉を返すことが出来ない。
絵里はさゆみの震える肩を掴んで揺すってみるが、さゆみはただ首を振るだけ。

 「さゆになにをしたのっ!?」
 「お前も愚かだな。この少女の"恐怖心"も知らずにこんな場所へ来るとは」
 「え?何の、事?」
 「幼少時代、この少女は虐待された動物を見てしまった。
 その時に感じ取ってしまったのだろうな、『人間に対する恐怖』とやらを。
 チカラによって周りから苛まれていた少女にとって、その感情は同調されやすかったのだろう」

檻を壊そうとする動物を必死に落ち着かせようとする飼育員。
だが脱走を試みる動物達に追いかけられる客達は、我先にと出入り口へせめぎ合う。
子供の泣く声。客達の悲鳴と怒号。そして動物の咆哮。

 「そんな…っ」
 「我々が手を出すほどでもないな。自身の中にある『闇』で潰れてしまえ」
 「―――ッ! させない、絵里が何とかしてみせる!」

黒装束の男が消えた後、絵里はチカラを発動する。
とにかく動物達を落ち着かせなければ。
211 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/19(月) 21:52:10.76 0
【風使い】としての自身のチカラで、暴走する動物達を死角の方へと追い込んでいく。
だがチカラの威力の限度を考えると、あまりにも数が多すぎる。
特に小さな動物はとてもではないが手が回らない。その時、絵里はさゆみのチカラを思い出す。

 「さゆ、さゆからあの子達に呼びかけて!」

【精神感応】は携帯で言う所の"受信"と"送信"だ。
言葉を交わさずに通信できるのであれば、さゆみの言葉も動物に届く。
だが、さゆみは怯えきってしまい、絵里の言葉に左右に首を振ってしまう。

 「今、さゆが助けに行かなきゃ誰がたすけるの!?」

触れる事すら出来ない事実を知ってもなお、絵里はさゆみに叫んだ。

 「絵里はさゆの事信じてる!私には予知のチカラが無いけど、わかるから!」

チカラで感じる事だけが全てではない。
その事実を知ったからこそ、絵里は信じていた。さゆみの中に元々宿っている力を。

 「さゆ!あれ!」

絵里の視界には、脱走した象が錯乱して小動物の群れに突進しようとしていた。
あの足に踏まれてはひとたまりも無いのは明らか。
だが自身の両手の中を手放すことは出来ない。叫ぶ絵里に、耳を押さえ続けるさゆみの背中。

 ―――ほんの数秒前から発動した【予知能力】。
 思い出すのは、あの日の事。
212 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/19(月) 21:54:30.56 0
 愛されず、毎日の日々が恐怖で覆われていた"アノ子"を救えなかった自分の姿。
 思い出したくないはずの記憶がフラッシュバックのように蘇り、予知する光景と重なる。
 聞きたくないと耳を押さえて差し伸ばすことが出来なかった少女。
 だが、もうあの頃の自分にだけは―――戻りたくない。







 ―――離した手。
  其れは確かに、恐怖の中で唯一つの"未来"を掴み取っていた―――


世界はオレンジ色の夕焼けに覆われている。
動物園はあの騒動からは考えられないほどの静寂に包まれていた。

 「一時はどうなることかと思ったけど、まぁなんとかなって良かったね」
 「ごめんね、絵里、その、いろいろと」
 「いいよもう、絵里こそ悪かったから、これでおあいこ。あーでも、ちょっと騒いだらお腹すいちゃったなー」
 「じゃあ皆のところに行こっか。連絡しなきゃね」

さゆみは自身の腕の中で眠るウサギに別れを告げ、毛並みを撫で上げる。
触れた時に初めて分かる暖かさと、感情。
生存という名の本能でもなく。
逃避という名の反応でもない。

 傍に居ると言う、"信頼"の証だった。
213 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/19(月) 21:59:07.37 0
>>206-212
以上です。「かなしみ戦隊」内にある[15.Do it! Now](03)620
へとトリビュートさせて頂きました。
ありがとうございました。
214 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/19(月) 23:10:55.26 0
>>213
他の作者さんと違うメンバーの能力設定なのに凄くうまくそれを使って
物語の隠されたエピソードを描き出しているなぁと思った(風・予知のとこ)
さゆみの未来を変えようとする意思がガンガンと伝わって来ました!
感動したので最後に叫びます!さゆぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅーーー!!
215 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/20(火) 00:34:58.06 0
ナイストリビュート!いいね!
216 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/20(火) 02:13:49.55 O
また規制があるみたいだね
217 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/20(火) 02:16:10.36 0
さゆと絵里がケンカって珍しいね
218 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/20(火) 05:44:57.34 0
>>213
乙でした
かなしみさんの予告編で端的に表現されていたさゆみのトラウマや絵里との感情のせめぎ合いが流麗な文章で見事に展開されていると感じました
原典がしっかりしてるだけにどのトリビュート作品も素晴らしい出来だな本当に
219 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/20(火) 06:41:04.12 O
>>213
丁寧に原典の起承転結を踏まえながらも細部を自在に自己流に膨らませてありますね
繋がれた犬のくだりなんかはすごく上手いなあと思いました

可能な限り多くの作者さんに参加してもらいたいなと読む度に思います
220 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/20(火) 08:59:23.91 0
どっちもスゲーやほんと
221 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/20(火) 11:28:58.54 0
( ・e・;)
222 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/20(火) 12:17:51.16 O
どうしたガキさん
223 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/20(火) 14:22:12.54 0
221(ニーニイ)ってことですかガキさん
224 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/20(火) 16:41:25.53 0
な、なんか久しぶりにスレ覗いたらすごい事になってた…!


>>198-199さん
すごく嬉しいです本当にありがとうございます!
自分の短歌からこんな風に世界が広がるとは思ってもみませんでした
これがリゾナントされるってやつですか、ヤバいどうしよう鳥肌立った!


質問スレの書込みも見させて頂きました、なんかすごくドキドキした!!
このスレにいてよかったなぁとしみじみ感じました、本当にありがとうございます!



…短歌ンターさんの代理ンターでした
225 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/20(火) 18:39:03.53 0
代理ンターって初めて聞いたw
226 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/20(火) 20:11:22.77 O
リゾナンターは野球観戦らしいね
227 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/20(火) 20:31:28.21 O
敵応援団は闇色だな
228 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/20(火) 22:08:46.50 0

保全を兼ねて前スレ77-88『“未来”への反逆者たち ―チカラとココロ(1)―』の続きを上げさせてください。


【※すっかり忘れてしまった方のための よく分かる前回までのあらすじ】

 愛佳の“視”た“未来”を変えるため、愛・里沙・れいなはたった3人で今は廃墟となった元研究施設に乗り込んだよ。 川*’ー’)<「……行こうか」
 のっけから氷を使う能力者・藤本美貴に襲われて、いきなり全滅しかけたよ。                    川'v')<「……永遠を得るためだ」
 すんでのところでリンリンに助けられたけど、そのリンリンは藤本と一緒に跡形なく燃え尽きてしまったよ。      川*^A^)<「皆サン、愛シテイマス」
 その痛手が抜け切らないうちに、今度は里沙が辻希美の騙し討ちにあって瀕死の重傷を負ったよ。          ( ´ⅴ`)<「死ね、裏切り者――」
 でもそこに紺野あさ美が現れて、分かるような分からないようなこと言った後、なんだかんだで里沙の治癒を始めたよ。 川o・-・)<「“Marche(マルシェ)”にはね、…」
 だから愛とれいなは、里沙をあさ美に任せて先に進むことに決めたよ。                       从*` ロ´)<「来てくれてほんと感謝しとう」

 川o・-・)<完璧です!


※注意:視点があちこちに飛びます。「* * *」がその合図です。
229 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/20(火) 22:11:12.26 0

最後に一度だけ振り返り―――愛とれいなは“未来”へと向かった。

それを見届けたあさ美は、視線を自分の腕の中へと戻す。
様々な感情が浮かび、揺らめき、そして溢れ出している里沙の瞳が――そこには在った。

「あさ美ちゃん………どうして?」

その里沙の口からただ一言発せられた問いは、あさ美の脳裏にいくつもの場面を呼び起こした。
どうして自分は今こうしてここにいるのだろう。
“組織”に対して、いつか自分が明確に反旗を翻すことになると、深層で確信したのはいつだったのだろう。

愛とれいなに初めて出逢ったあの日だったのだろうか。
“潜入”の任務を負った里沙に「トロッコ」の喩え話をしたときだっただろうか。
それとも、愛とれいなに初めて“敵”として対峙したあのときだったのだろうか。

里沙の離反を知った日。
―――表面上冷静にその事実を受け止めたあのとき?

れいなを呼び出し、過去と自分の思いを告げた日。
―――淋しげながらも強い口調で「そんなのは間違っている」と言われたとき?

れいなからの電話を受けた日。
―――その必死の懇願に冷たい答えを返したとき?

…どの瞬間も、自分の中に何かを生んだのは確かだ。
だけど、これまで演じてきた“Dr.マルシェ”を完全に捨て去る決意には至らなかった。
自分の弱さを認めるまでには。

おそらくは、本当につい先ほど―――
命の灯が消えかかっている里沙を目の当たりにしたとき、自分はようやく本来自分が歩むべきだった道に戻ったのだ。
喩えそのような場面が訪れたとしても、絶対に心動かすことはしないと―――そう誓っていたのに。
230 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/20(火) 22:13:03.24 0
「さあ、なんでかな?自分でも分からないよ」

だが、あさ美は苦笑を浮かべながらそれだけを返し、微かに肩をすくめた。
それはそれで、紛れもない本音でもあった。

「…そっちの治癒能力者さんとさ、わたし偶然2人きりになったことがあるんだよ」

僅かに訪れた沈黙の後、あさ美は静かに口を開いた。
自分が何を話そうとしているのか、自分でもよく分かっていないままに。

 道重さゆみとの初めての邂逅は、長らく続いた雨がようやく降りやんだ朝の大学構内だった。
 隣りあって座りながら名前も知らずにいた相手が何者かを知ったのは、その講義の後の出来事がきっかけ。
 食堂に向かう途中の、ひと気のない作業現場で見つけた重傷者。
 そして――わたしという会ったばかりの他人が目の前にいたにも関わらず、さゆみはそのチカラをさらけ出した。
 そうしなくては手遅れになることを理解しながら、何もしなかったわたしを尻目に。

「無防備でバカな子だなって思ったよ。だけど……多分本当は心底羨ましかったんだと思う」

自分とまったく同じ能力。でも……自分とはまったく違う“チカラ”。
あのとき抱いた複雑な思いもまた、言葉で説明するのは難しい。

 その後、食堂で向かい合ったさゆみは、何も聞かないわたしに戸惑いの視線を向けてきた。
 そんなさゆみに、わたしは分別顔でその場しのぎの説教を垂れた。
 特別な力を持っているからといって自分が“普通”じゃないなんて思うことはないと。
 個人個人が得意分野を生かした職につき、世の中の役に立っているのと変わらないと。
 それと同じように、その力をうまく使えばみんなが喜んでくれるのではないか……と。

「本音ではそんなこと欠片ほども思ってない適当なわたしの言葉を、あの子は真剣な顔で聞いてた。ほんと…バカだなって思った」

例えば光と闇のように―――決して溶け合わないものがある。
“普通”ではない自分たちの存在は、この世界に混ざり合うことは永劫できない。
おそらくは自分と似通った道を歩んできていながら、まだそのことに気付かずにいるらしい目の前の少女が腹立たしかった。
231 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/20(火) 22:14:11.27 0

「でも……結局はそういうことなんだよね。いつになるのか…ううん、実現するのかすら分からないけど」

さゆみに語って聞かせた、中身のない薄っぺらな理想論。
だが、それこそが唯一の真実だったのかもしれない。

生まれた場所、肌の色、信ずる神―――
色々な要素を基に、人は自分の中に“普通”と“そうでないもの”を分ける境界線を引き、その線の向こう側に在るものを排除しようとしてきた。
真に排除すべきは、その境界線そのものであるということに気付かないままに。
そして、罪のない多くの涙や血を流し、累々たる悲しみの上に立っていながらも……それは今なお続いている。

自分も同じだったのだと今さらのようにあさ美は思う。
「悲しみの連鎖を断ち切りたい」などというもっともらしい正当性を振りかざしながら、その実は、自分が境界線の“こちら側”に来たかっただけだったのだ。
利己的な臆病者、傲慢な偽善者、見せかけだけの空ろな科学者―――それが自分であったのだ。
きっと。

「あさ美ちゃん。あのときさ……わたしが愛ちゃんたちの“監視”の任務に就くのを見送ってくれたとき、言ってたよね?」

自嘲の淵に沈んでいたあさ美は、その声に我に返った。
焦点を結んだ視線の先には、里沙の真っ直ぐな瞳があった。

「完全に治癒するまではそのままでいて、里沙ちゃん」

起こそうとした体をそっと押し戻すあさ美の手とその言葉に素直に従いながらも、里沙は目を逸らすことなく言葉を継ぐ。

「『迷ったらダメだ』って…あさ美ちゃん、そう言ってたよね?『そこにたまたまわたしが立っていたことをラッキーだと思わなきゃいけない』…って」
「……うん、言ったね」

そう、あのとき自分は里沙に言った。
多くの作業員を轢き殺そうとしているトロッコを、脱線させて止めるための“手ごろな物体”―――それが、すぐ隣に“在る”ことを幸運に思わなくてはいけない…と。
言外に、「逆に里沙自身も、わたしから見ればトロッコを脱線させるための“手ごろな物体”なんだよ?」という意味合いを含ませて。
間抜けにも自分自身が実践できなかったが、その考え自体が間違っていたとは今でも思わない。
232 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/20(火) 22:14:53.10 0

「わたしさ、あのときに言うべきだった。『本当にラッキーだね』って」
「え……?」

だが、そう続けられた里沙の言葉に、あさ美は意表を突かれて首を傾げる。
そんなあさ美に、泣き出しそうな表情を一瞬見せた後、里沙は言葉を重ねた。

「『だってあさ美ちゃんがいてくれたら、誰一人傷つかないで済む方法がきっと見つかるから』って……言うべきだった。あのときそう言うべきだったんだよ……わたし……」
「里沙ちゃん……」
「あさ美ちゃん、頭いいしさ。絶対その方法が見つかるはずなんだよ。…見つかるはずだった。もっと早く……それに気付いてたら……ごめん…ごめんね……」
「………」

言葉を失くして里沙の潤んだ両目を見つめながら、あさ美は今さらのように気付かされていた。
里沙もまた、トロッコから降り、自分の足で歩き始める時期が遅すぎたと悔いていることに。
同時に、自分だけがトロッコから降りたことに、いまだに深い罪悪感を抱え続けていたのだということに―――

「ま、過ぎたことを言っても始まんないよ。…大体そんな一言で変われるほどわたしがバカ正直じゃないってことは、里沙ちゃんもよく知ってるでしょ?」

内心を押し隠した声で言葉を返しながら、あさ美は再び苦笑の表情を形作った。
次いで、その笑みを消し、一つ大きな息を吐く。
そして続けた。

「だから……考えようよ。今からでもさ。その方法を。歩くべき道を。2人で。わたしと里沙ちゃんで。一緒に」

もう遅すぎる……でもまだ間に合うこともある。
あまりにも陳腐に聞こえる……それでもそれが答えの一つ。

自分にも言い聞かせるように、一言一言区切りながら口にしたあさ美のその言葉に、里沙は僅かに目を見開き…そして微笑みを浮かべて口を開いた。


      *      *      *
233 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/20(火) 22:15:37.74 0

    ピシャッ―――

――――!?

だが、そこから出かかっていた里沙の言葉は、顔にかかった温かい何かと、あさ美の驚いたような表情によって遮られた。

「――ッ!!あさ美ちゃん!!」
「か……は……」

あさ美の膝から跳ね起きた里沙の五感に、雪崩れのように情報が飛び込んでくる。

あさ美の胸の真ん中に広がりつつある朱色。
そこから散った飛沫の生々しい鉄の味。
半開きになった口から漏れる声にならない声。
咄嗟に抱きとめた腕から伝わってくる脱力感。
その体から立ち上る冷え冷えとした不吉な香り。

そして―――
視界の隅に映る一人の女性の立ち姿―――

「いつから敵の“お医者さん”になっちゃったわけ?Dr.マルシェさん」
「石川さん………」

それらの情報を絶望で彩るかのごとき石川梨華の――粛清人“R”の端整な無表情に、里沙は茫然とした瞳を向けた。

「紺野、あんたとなら…もしかして分かり合えるかもしれない、ってちょっとだけ思ってたんだけどな」

小馬鹿にしたような口調でそう言いながら、石川は里沙の腕の中のあさ美を見下ろす。
その表情に浮かんだ、いつもの嘲るような笑みを見た瞬間――里沙は何故か理解した。

今の石川の言葉が、紛れもない本音であったことを―――
234 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/20(火) 22:16:24.42 0

「さて。あたしがここに立ってることの意味は分かるよね?里沙」

数瞬、視線を固定したまま沈黙していた石川は、その目を里沙に向け、いつかも聞いた台詞を口にした。

 ――この台詞を2度聞いたのはきっとわたしが初めてだろうな

激しく暗い炎が燃える石川の瞳を真っ直ぐに見つめ返しながら、里沙はふとそんなことを思った。

  『Remove the Betrayer ――裏切者は消去せよ――』

“組織”の不文律。
そしてそれが具現化された存在――粛清人“R”。
彼女がこの台詞とともに前に立つことは、その者に逃れえぬ死が迫っていることを指すのだから。

「…分かります」

だが、あのときと同じように静かに肯定の言葉を返す里沙は、確かにその言葉の“意味”を理解していた。
台詞はまったく同じでも、そこに込められている“理由”が、前回とは完全に違っていることを―――

「里……沙ちゃん……」

そのとき、自分の膝元から発せられた囁くようなその声の方に、里沙は慌てて視線を向けた。

「里沙……ちゃん、あの人、を……石川、さんを……解放、して……あげて……」
「あさ美ちゃん……」
「可哀、想な、人……孤独、な人……わたしと…同じ……里沙ちゃんと……同じ……」

その言葉で、里沙は知った。

石川の心の声は、あさ美にも届いていたのだということを。
そして、それにも関わらず互いにこのような形でしかそれを表現できずに終わったことに、深い後悔を抱いていることを―――
235 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/20(火) 22:17:08.09 0

「ごめん、ね、里沙、ちゃん……2人で、見つけ、ようって……言って、た、けど……無理…みたい…」
「謝らないで…あさ美ちゃん、いいから…!もう…いいからっ……!」
「見つ、けて…里沙、ちゃん……が……。でき、る…よ…里沙……ちゃんた…ち…な………ら………」
「あさ美ちゃん……!」

最後に微かに笑みを浮かべ……あさ美は静かに目を閉じた。

「…分かったよ、あさ美ちゃん。わたしなんかに何ができるか分からないけど……でも……もう迷わない。だから…見守っててね」

ただ眠っているかのような、穏やかな表情のあさ美にそう呟きながら微笑みかけると、里沙はその体をそっと床に横たえる。
そして両手を胸の前で組ませ、黙祷を捧げるとゆっくりと立ち上がり、その視線をようやく石川に戻した。

「仲良しのお友達とのお別れは済んだ?里沙ちゃん」
「はい。待ってていただいてありがとうございました」

冷笑の響きを含ませた石川の言葉に対し、里沙は本心からの言葉を返した。
一瞬、目を泳がせるようなそぶりを見せ、石川はそれを取り繕うように口を開いた。

「どういたしまして。何しろ紺野はあたしの命の恩人様だからね」

大げさな身振りで肩を竦め、沈黙を嫌うかのように石川は喋り続ける。

「油断してたらピストルでこの辺撃たれてさ、でも紺野が貸してくれてたプロテクターのおかげで命拾いしたんだよね」

胸の辺りをトントンと中指で叩きながら軽い口調でそう言う石川の視線が、一瞬あさ美の上を通り過ぎる。

「で、そんときの経験にヒントを得たのが、この念動弾―サイコ・ブレッド―。あんたが記念すべき第1号の“体験者”だったんだよ、紺野。光栄でしょ?」

甲高く、乾いた笑い声を上げる石川を静かに見つめる里沙のココロの中には、憎しみや恐れ、悲しみの感情はもうなかった。
ただただ、やるせない思いとそして―――
あさ美がつい先ほど遺した言葉が“覚悟”とともに在った―――
236 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/20(火) 22:18:04.54 0
>>229-235

『“未来”への反逆者たち ―チカラとココロ(2)―』([MM。]分類)←前回まですっかり忘れててゴメンなさい;


ダラダラ長くなってしまってすみません
次でこの章は終われる…と思います
そして進むにつれてどんどん死なせてほんとすみません

尚 今作中に出てくる話は↓あたりのエピソードが関連しています
これらを未読の方には完全に意味不明だったに違いなくて申し訳ない限りです
謝ってばっかり

(05)116 『孤独の死闘』
(08)836 『Remove the Betrayer ――裏切者は消去せよ――』
(27)027 『THE BIRTHDAY OF ...』
(30)629 『幕間 ―THE DIRENMA OF...』
(40)594 『幕間 ―THE REASON FOR...』

また 2レス目の治癒能力者同士の邂逅のエピソードは 個人的にとても印象に残っているこちら↓の作品にリゾナントさせていただいています

[Michishige](10)065 『邂逅~長雨の合間に~』
(※ただし元の話では「治癒能力者同士」としては描かれていません あくまでパラレルです)

文章の一部も意図的に使わせていただいています
作者様 ありがとうございました
237 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/20(火) 23:15:27.95 0
こんこんぉおおおおおおおおおおん!

粛清人Rvs里沙の闘い!早く読みたい!
238 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/21(水) 00:56:07.18 Q
粛清人Qは粛清人Rよりランクが上なのさ
239 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/21(水) 00:58:46.53 O
やべえめっちゃドキドキしてきた!
粛清人との戦い超楽しみ!
240 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/21(水) 01:18:07.18 0
>>238
ないないw
241 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/21(水) 03:29:40.98 0
おやリゾ
242 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/21(水) 06:06:02.67 O
朝の光を吸いましょう
243 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/21(水) 10:50:54.67 Q
だ 誰か匿ってください…!
ひいぃ……すみませんでしたぁぁ…
244 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/21(水) 12:29:36.22 O
粛清されたか
245 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/21(水) 13:24:12.71 0
「Qっていう生意気なやつはアンタね。」

今俺の目の前には粛清人Rが立ちはだかっている。
艶然とした美貌、豊穣極まりない肉体、醸し出す恐怖のオーラ。
まさしく粛清人の名に相応しい。

「あんたが粛清人を名乗ってるっていう噂はホントなの?」

粛清人とはダークネスが認めた死の執行人にのみ許された称号。
それを俺は勝手に名乗った。
自殺行為と言って差し支えない危険極まりない行為だが、それには目的があった。

「どうしたの? さっきから黙りこくっちゃって。 私がこうしてあんたの前に立っている意味は…判るよね?」

粛清人の名を詐称する愚か者を、自らの手で処刑する為にやって来たのだろう。
惨く、惨めな死に様を晒す為に。

「見たところ、何のとりえも無いつまんないオッサンみたいだけど、何か勝算はあるのかしら?」

「黙れ、この色黒女め」

Rが見事な眉を逆立てた。

「アンタ、私にそんなことを言ってただで済むとでも思ってるの」

「うっせえよ。 その言葉そのままお前に返してやるよ。 てめえケバいんだよ」

もうちょっとじらしてやるつもりだったが、いいだろう。
俺は秘策を披露してやることにした。
246 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/21(水) 13:25:20.23 0

「R。 お前の弱点は判ってるんだよ」

俺はマジックの要領で特製のスーツに隠し持っていた鶏をリリースした。
突如出現した天敵に慌てふためくR。
泣き叫ぶその姿には粛清人の面影すら窺われない。

「きゃあ、やめてー。 その鶏を何処かにやってー」

「ハッハッハッ。 Rはバカだなあ。
この状況で止めてって言われて止める愚か者は世界中を捜したっていないぜ」

俺は鶏をRの顔に向かって投げつけた。

「ひぃーっ」

硬直するR。
チャンスだ。
俺はRの足にタックルした。
もしもRが本来の状態ならば、俺の身体はRの蹴りで二つに折られてしまってるだろう。
だが、今のRはRじゃない。
普通の、いや、普通以下の弱い女だ。
易々とRの身体を倒すことに成功した俺は、Rの身体に馬乗りになった。

「俺が粛清人Qを名乗って、お前を誘き寄せたのはお前のπが目的だったんだよ」
247 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/21(水) 13:28:20.60 0
そう、俺は元はダークネスの名も無き戦闘員だった。
粛清人としてその美しい肢体を躍動させているRを見たとき、この感情は生まれた。

Rのπに触りたい。
神をも恐れぬ無謀な願いだとは判っていた。
だがその願望に取り付かれた俺は組織を抜けRの過去を探り、その弱点を手に入れた。 そして、今、俺は勝った。

「さあRのπはどんな感触なのかな俺が世界で初めてそれを知る男になる」

俺は勝ち誇り、手をRのπに伸ばした。
Rに敗北を実感させる為に、敢えてゆっくりと。
40センチ、30センチ、20センチ・・・
禁断の山脈へと近づいていく、だが…。
あと5センチのところで俺の腕は止まってしまった。

「どうした、一体何が起こったんだ」

状況が判らなかった俺はRの弱点である鶏を確認した。
もしや、鶏が死んでしまったのではと思ったのだが、鶏は生きてRの顔の周りを駆け回っている。
そして、俺は見てしまった。
Rがその壮絶なまでに美しい顔に、冷酷な笑みを浮かべているのを。

「一体、何故」

「私も組織の幹部の一員だからね。 アンタの目的を探る為にアンタの誘いに乗ってみたけど、ツマンナイ男」

「お前、生きた鶏が苦手なはずだろう」

「バカね。 女は変わるものよ」
248 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/21(水) 13:29:20.97 0

俺は死を覚悟した。
だがこのままで終わってなるものか。
最後にRのπを手にしてやる。
渾身の力をこめてRのπへ辿り着こうとした。
だが、今や俺の腕はRの両腕で掴まれていた。
そしていつのまにかRの強靭な両足が俺の首周りに絡みついている。
柔道で言う三角締めの体勢に俺は嵌っていた。
頚動脈を締め付けられ、俺の意識が遠のいていく。
が、一瞬鉄の枷が緩み、呼吸が楽になった。

「どう、アンタが知ってる情報。 最近目障りなホゼナンターQとかIとかPとかOとか0とか
こいつらについての情報を教えてくれたら、生かしておいてあたしの練習台として飼ってあげてもいいわよ」

「…だ」

「え、何、聞こえない」

「俺は幸せだ。 目的だったRのπこそ手にすることは叶わなかった
だけど、RのRのすぐ傍で死ねる」

Rの顔が一瞬紅潮し、次の瞬間沸騰した。

「このエロ親父」

Rが俺の首を挟んでいた両足を急激に捻った。
俺の頚骨は無残にも砕け、その乾いた音が俺が生きている間に聞いた最後の音になった。
249 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/21(水) 13:30:56.61 0
ええとまとめサイトに収録する際は「RとQ」で(オイ
風邪が長引いて脳細胞が大分死滅したのでリハビリです悪ふざけです反省しております
ええ、今度はもっとちゃんとした話を書きますから許してください
250 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/21(水) 15:06:13.32 Q
>>249

 ⊂⊃
 (*Q*)<THANK YOU!!
i⌒/つつ
川  ノ
 ∪∪

我が人生に悔い無し…!
251 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/21(水) 16:38:30.21 0
>>249
相変わらずなんという素早い悪ふざけw
Qのあらゆる意味での潔さにシビれましたw
憧れはしないですが
252 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/21(水) 17:17:40.01 0
Qが出てきてるw
253 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/21(水) 18:45:39.73 0
漢だなQ
しかしRのRって最低なオチだなw
254 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/21(水) 19:11:07.25 0
>>249
Rの太ももで圧死か・・・
さすがだな・・・
あんたやっぱりQ極のMだったよ
255 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/21(水) 20:48:32.55 O
まさに青春コレクション
256 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/21(水) 22:23:38.75 0
新曲のタイトルそれなんだ
なんかまたリゾブルとリンクしそうにない名前だなぁ
257 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/21(水) 23:02:07.68 O
ひょっこりひょうたん島までリンクさせた作者さんもいるスレだぜここはw
258 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/21(水) 23:26:25.51 0
某所にさえみさん光臨中
259 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/21(水) 23:50:09.08 O
えりりんが今日のPV撮影現場でさゆに能力発動しちゃったみたいだね
260 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/22(木) 00:51:25.66 0
就寝前のホゼナンター
261 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/22(木) 05:35:24.55 0
雨降りよのう
262 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/22(木) 06:56:03.80 O
雨降りよぅ
寒いっちゃん~>_<~
263 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/22(木) 10:35:58.72 0
小春・・・・・・どこに行くの小春・・・・・・
264 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/22(木) 11:35:22.76 0
梅干し星
265 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/22(木) 12:22:54.60 0
梅干し大使とかに就任すんのかなw
266 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/22(木) 12:28:49.37 0
ウメ星デンカ
267 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/22(木) 14:39:24.81 0
あれかドラゴンボールみたいに地球の戦いじゃ限界が来て宇宙に飛び出す感じか
リゾナンター宇宙編か
268 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/22(木) 15:42:43.80 O
機動戦士ガキさん
269 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/22(木) 17:18:41.35 O
ガしか合ってないところがすごいな
270 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/22(木) 19:03:45.08 O
れいなブログと小春ブログでワンツーフィニッシュっちゃん!
ブーストオン!
271 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/22(木) 19:12:46.21 0
ガキさんにもブログをやらせてもらえんだろうか
272 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/22(木) 19:38:47.49 0
ガキさんらしきブログ見つけた


ブログ
2010/04/22(木) 19:19:46

危うく今日はメンバーに正体がバレそうになった
気をつけなければ・・・
そういえばダークネス様が私に話があると言ってたが何だろう
273 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/22(木) 20:07:57.63 O
貼るな貼るな
マズイって!
274 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/22(木) 20:19:56.26 0
275 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/22(木) 21:44:00.33 0
笑顔の裏が怖いよ~
276 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/22(木) 23:12:08.33 0
リゾナンター!!!!!!!!!!!!!
277 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/23(金) 00:31:40.25 0
川*’ー’)<ん?
278 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/23(金) 01:35:25.87 0
マスター



おやすみなさい!!!!!!!!!!!!!!!!!
279 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/23(金) 01:57:12.60 0
川*´ー`)<いい夢見るんやよ
280 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/23(金) 05:04:00.33 0
まあ起きたわけだが
281 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/23(金) 06:36:05.92 O
夢の中の死は精神の死よ
282 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/23(金) 09:02:55.83 0
リゾ
283 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/23(金) 10:18:10.74 0
>>281
朝から怖いこと言わないでよアウアウ
284 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/23(金) 12:02:53.59 0
質問スレおもしろいね!
自分も書きたいところだけど・・・
285 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/23(金) 13:25:06.77 O
質問の回答考えようとして途中で挫折しちゃう
286 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/23(金) 14:52:16.36 0
全部答えなくても良いのでは?
自分は歯抜けで途中までしか答えられなかったです
287 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/23(金) 15:16:02.76 0
自分の答えたいとこだけでいいと思いますよ
「モーニング娘。に入って辛かったことは」の欄を空白にしたガキさんのようにw
288 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/23(金) 15:26:05.83 0
質問に答えるのは今書きかけの話が完成してからだなあ
289 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/23(金) 17:03:52.82 0
はやく回答せーにゃ

…ナンチャッテ
290 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/23(金) 17:54:51.74 0
勝手に20話以降の作品にしぼってもいいのかな
291 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/23(金) 18:27:15.16 O
既に絞って書きました
回答者それぞれの思うように答えればいいと思いますよ
292 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/23(金) 20:52:13.74 O
あぶね
293 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/23(金) 22:11:39.78 0
>>281
どういう意味なの?
詳しく教えてください
294 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/23(金) 22:17:04.03 0
>>293

http://resonant.pockydiary.net/archives/788.html

おそらくこれのことですね
295 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/23(金) 22:22:07.19 0
何というレスの早さでしょ
296 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/23(金) 22:25:41.63 0
ちゃんと意味あったのねw
297 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/23(金) 22:55:08.52 0
ヤッターマンに夢中になってホゼ忘れてた
298 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/24(土) 00:06:07.93 0
コーヒー飲みたいよマスター
299 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/24(土) 00:10:31.12 O
言わせねーよ!
300 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/24(土) 00:35:21.31 0
我が家がいるな
301 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/24(土) 00:52:52.48 O
川*’ー’)<喫茶リゾナントは皆さんにとっての我が家やよ
302 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/24(土) 02:20:46.96 0
親リゾー
303 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/24(土) 06:11:15.58 0
子リゾじゃねえや
おはよん
304 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/24(土) 08:05:16.18 O
孫の代までリゾナント
305 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/24(土) 08:08:57.52 0
-喫茶リゾナントには誰でも記入することが出来るノートがある-

そこには店を訪れたお客様からの意見・メンバー達の伝言などがぎっしりと書き記されている
どの日付にも色んな筆跡でたくさんの文字が躍っている
うぇぇおぇぇ丼の味付けが良かった、ウェイトレスが怖かった、バナナの皮で転びかけちゃった
さゆみは今日もかわいいぞ、戦闘で迷惑をかけてしまってすみません、バナナ酒を置けetc

そんなノートの最終ページ
何も書かれていない真っ白なページには特別な意味がある

そこに書き込むにはペンも筆も要らない
特別なチカラで意志することでのみ書き込める秘密のページ

そんなページに書き込まれたリゾナンターのサブリーダー新垣里沙からリーダー高橋愛への伝言の数々
日々の出来事、仲間への思い、闇を打ち払う決意

この物語はその秘密のページに綴られた特別な七週間の記録である
306 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/24(土) 08:10:30.35 0
2009/11/09(月)   「TOP!」

本当に小春には困ったもんだよ
一度愛ちゃんの口からもガツンと言ってやってよ
今日の戦闘だって勝手に突出しちゃってさ
敵が弱かったから良かったけどダークネスみたいな強い敵だと危なかったよ

愛ちゃんは覚えてるかな
前に小春が大人しくなった時のこと
確かにあの時のリゾナントは寂しかった
あたしは小春が病気にでもなったのかと心配したよ

小春は自由でいてこそ小春 元気でいてこそ小春
あたしもそう思ってる
だけどここ最近の小春はちょっと目に余るもんがあるんだよね

あたしは心配なんだよ
小春は本当のかなしみを知らない
リゾナンターの他のメンバーと比べたら挫折を経験したことが無い

アイドルとして本当に一気にトップに駆け上がった小春
リゾナンターにだって自分から押しかけるようにして入った子だ

そんな子がもしもつまずいちゃったら 壁にぶち当たったら心が折れちゃわないか
あたしは心配で心配で

確かに小春には8人の仲間がいて
小春に何かあったら全員で支えてあげればいい
それはあたしも判ってるけど この頃の小春の様子を見ると心配で心配で

あ~あ、あたし結婚はおろか彼氏だっていないのに母親になった気分だよ
あたしの青春はどっちにあるんだYo
307 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/24(土) 08:11:23.89 0
2009/11/10(火) 「HEY!未来」

今日の戦闘は久々に苦戦したね
サイボーグ戦隊メロンを主力とする【OYD】
あんな連中初めて見たよ
でも戦いの年季っていうものが私たちと彼女たちとでは違ったから退けることが出来た
でもあの連中は今後も要注意だね

久しぶりの組織的な攻撃に私はあの人と戦ったときのことを思い出したよ
ダークネスの女将軍アヤ
あの時は愛ちゃんにも迷惑をかけたよね
でもあたしはアヤのことを心底憎めないんだ

アヤは確かにあたしのことを利用したし皆のことも苦しめた
でもそれはアヤにとって大切な場所だったダークネスをあたしたちが潰しちゃったから
もしもリゾナントを誰かが潰したら、あたしだってアヤのように復讐の炎を燃やすかもしれない

それにアヤはあたしの本当のお父さんの記憶を蘇らせてくれた
闇の王ダークネス
世界を恐怖に陥れたヤツだけど そんなヤツでもあたしのことを守ろうとしてくれた
あたしの中であたしのことを守ってくれていた
それだけは否定できない事実

最後の戦いでアヤは自分の燃やす復讐の炎に身を投げたけど助かってどこかで生きていて欲しい
生きていればあたしのことを憎んでいるだろうけど構わない
あたしはアヤのことを救いたいんだ
308 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/24(土) 08:12:18.27 0
2009/11/11(水) 「春の歌」

まったくれいなには困ったもんだよね
アレ? あたしこの前もそんなこと言わなかったっけ

いい年こいてきらりちゃん、きらりちゃんってね
今日も無理やりきらりちゃんショーに連れて行かれてさ
そのおかげでOYDの悪巧みは防げたんだからよかったんだけどさ

でもその後がまた大変だったよね
きらりちゃんが戦っていた時に小春がいなかったことを話を合わせるのがさ
小春も小春だよね
判っていてれいなをからかったりするんだから

もういいかげんに月島きらりの正体をれいなに知らせようかと思ったけどいざ知らせようと思ったら出来ないんだよね

れいなにとってはきらりちゃんは夢なんだよね
親の愛に飢えて夜の街をさまよっていた時にテレビで歌い踊ってる月島きらりを見て救われたんだろうねきっと
それを思うと夢を壊すことはできない☆カナ

まあいつかみたいに客席からダイブして大怪我したりしないように気をつけて欲しいとは思うよ
だって今はれいなもファンに夢を与える存在なんだからね
リゾナンターとして モーニング娘。として
309 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/24(土) 08:13:23.35 0
2009/11/12(木)  「青空がいつまでも続くような未来であれ!」

今日は散々な目に遭ったよ
カメに山歩きに連れ回されちゃってさ
足が棒になるぐらいに歩き回ったら何もない湖が目的地だってね
カメは何も言わなかったけどきっと道に迷ったんだよ まったく
あんな目にあうんだったら無理やりにでもあたしがプランを練るんだったよ

でもカメは元気になったよね
初めて愛ちゃんがカメをリゾナントに連れてきたときあたしはまだダークネスのスパイだったけど、報告書にカメのことを警戒の必要なしって書いて送っちゃった
リゾナンターとして仲間と戦う日々がカメを元気にしたんだよね

そしてカメはきれいになったよね
病院で長く暮らしてたせいかお化粧の仕方も知らなかったカメに最初の頃は色々レッスンしてやったもんだよ
でもカメときたら折角お化粧してあげたのに汚れた手で顔をぬぐっちゃってさ
カメにとってはリゾナンターの仲間といることが幸せだったんだろうね
そんなカメもお化粧の仕方を覚えてどんどんきれいになっていってあたしは心配で心配で

カメは強くなった
戦闘で苦しんでいる時にカメが呼ぶ風は戦局を大きく動かす
心が折れそうになった時にカメが吹かす風は私たちの心を癒してくれる

何もない湖で遊んでいるカメを見ながらあたしは思ったんだ
あたしたちが戦っているのは世界平和とか人類の為だとか立派な目的のためなんかじゃない
青空の下で無邪気に遊べるようなそんな未来の為に私たちは戦ってるんだって

でもカメは変わらないよねえ
もうお年頃なんだからもう少しは人の目を気にして あんまり無防備な姿をさらすのはやめて欲しい
310 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/24(土) 08:14:13.14 0
2009/11/13(金) 「声」

昨日の夜はゴメンね
話をしてるうちに眠っちゃって本当にゴメンね
最近OYDという新しい敵が出現してきてその分析に手間取ったり
小春のこととかも心配でねってこれ本当はリーダーの仕事なんじゃないの

嘘々
愛ちゃんは黙って背中でみんなを引っ張ってくれればいい
あたしはそのサポートに回るから
今のままの愛ちゃんでいて

それにしてもあたし何か寝言言わなかった
言ったでしょ
何か恥ずかしいな
寝顔を人に見られるのもなんか恥ずかしいし

どんな夢を見たかは覚えてないけど何かとても優しい雨に打たれていた気がする
そしてとても優しい声に励まされたような気がする
こんな風に眠れる日が来るなんてあの頃は思いもしなかったよ

改まってみんなの前で言うのは恥ずかしいから愛ちゃんだけに言うね

ありがとう
みんなのことをスパイしていたあたしのことを許してくれて
ありがとう
ダークネスの娘だったあたしのことを受け容れてくれて
ありがとう
言葉では言い尽くせないけどこの言葉しか思い浮かばないんだ
ありがとう
311 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/24(土) 08:15:07.37 0
2009/11/16(月) 「レモン色とミルクティ」

今日は大変だったみたいだね
でも怪我が大したことなくて本当に良かったよ
ジュンジュンはいい子なんだけどね
ことバナナが絡んでくるといい子じゃなくなるね

前に愛佳がジュンジュンの為にバナナケーキを作ってあげたことがあるの知ってた?
その時も大変だったんだよ
材料のバナナが無かったので ジュンジュンのバナナを内緒で使った愛佳のことを物凄く怒って
ひどい冷戦状態になっちゃって間に入ってるリンリンが気の毒だった
まあ結局はそれがきっかけになって愛佳とジュンジュンは仲が良くなったんだけど

ジュンジュンと二人で話したんだってね
どんなことを話したのかな
別に言葉なんか無くたって思いは伝わっただろうけどね

誰よりも感激屋さんのジュンジュンのことだからきっと泣いたんじゃないのかな
最初は馴染めるのかなと思ったけど今ではリンリンと二人
リゾナンターにはなくてはならぬメンバーになったね
来年の誕生日には盛大にお祝いをしてあげなくっちゃね

それにしても愛ちゃんがバナナの皮に転んですってんころりんの場面を見たかったよ
リゾナントにカメラでも仕掛けておこうかな

ジュンジュンは店の中にバナナの皮を捨てないって約束したんだったら店の外にカメラを仕掛けておこうかな
何たってジュンジュンはバナナが絡んでくると本能ムキ出しでいい子じゃなくなるから
油断は禁物だよ
312 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/24(土) 08:15:57.64 0
2009/11/17(火)  「強気で行こうぜ!」

メロン戦隊の連中はまた手強くなったね
奴らの投入した小型蟹型マシンにはちょっとばかり手こずったよ
カメなんか強化服のお尻の辺りを切り裂かれて涙目になってたし
その点ジュンジュンは穴が開いたって構わないって感じで強気で攻めてたけど

ああいう敵には遠距離攻撃に限るよね
念動、発炎、風使い、電撃、ナイフ使い
幸いなことにリゾナンターは遠距離攻撃の出来るメンバーに事欠かない
愛ちゃんの指示も的確だったし 今日は完勝と言っていいんじゃないかな

なのに小春ったら
愛ちゃんの指示を無視して敵に近づいて攻撃したせいで反撃を喰らっちゃって
もうどれだけ人を心配させれば気が済むんだろう

ちょっと熱が出たぐらいで収まったみたいだけど医療センターで精密検査を受けるように言っておかないとね
私は決めた
今度こそ小春にピシッと言わないと
小春の勝手な行動がみんなを危険な目に合わせるかもしれない
それに小春だって危ない

強く言ってそれで小春に嫌われたってしょうがないと思ってる
それが小春のためだと思うんだ
だからもしも小春が傷ついたらその時は愛ちゃんにフォローを頼むね
313 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/24(土) 08:18:44.77 0
>>305-312
「友達(♀)が気に入っている男からの伝言(1)」
以上です
純然たるトリビュート作品とは言い難い面もありますが、自分なりのかなしみさんリスペクトです
伝言の日付は該当するかなしみ戦隊ミラクルズがリゾスレに投下された日付です
ですから厳密に見ていくとツッコミどころが満載ですがその辺は笑って見逃すのが大人っていうもんですぜ旦那さんたち
314 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/24(土) 10:03:44.12 O
>>313
なるほどガキさんの視点でしかも日記風に繋いでいってるんですね
おもしろいアイディアですね!
同じ1レスずつながらまたまったく違った印象で

皆さんほんと多才だなあ
315 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/24(土) 10:26:34.07 0
>>313
なんかすんごぉいい!最初に思った感想はガキさんブログついにキターーーですww

「親の愛に飢えて夜の街をさまよっていた時にテレビで歌い踊ってる月島きらりを見て救われたんだろうねきっと」
あぁなるほどだかられいなはきらりちゃんが大好きで小春は正体をばらさずの姿勢を保っているのかぁ、、あと
「カメなんか強化服のお尻の辺りを切り裂かれて涙目になってたし
その点ジュンジュンは穴が開いたって構わないって感じで強気で攻めてたけど」の所って
きまプリの穴あき衣装の事なんですよね!読んでてニヤリとしてしまったよ
こう言うトリビュートもすごくいいですね!いっぱい楽しめました乙です
316 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/24(土) 11:29:50.29 0
面白いねw
317 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/24(土) 12:23:47.84 0
ミラクルズの感動がまた違った形で蘇ってくるね
318 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/24(土) 14:31:49.93 0
319 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/24(土) 14:33:58.22 0
そういやリゾナンダーって変身するの?
戦う時はモビルスーツとかに着替えるのかな
320 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/24(土) 14:36:11.14 0
http://st53.storage.gree.jp/album/23/42/27952342/cff4b514_640.jpg

かなしみ戦隊…
りぞなんたぁ♪

――CM前はこれで
321 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/24(土) 16:11:14.76 O
まさにアイキャッチなの
322 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/24(土) 18:08:48.70 O
キス魔さゆみんの話もあったなあ
323 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/24(土) 18:20:21.38 0
>>313
やられたぁ!
凄いアイデアですね!
もっともっと読みたくなるねこれ!
>>320
こんなアイキャッチ脳に焼き付いてドラマに集中できないw
アイキャッチだけ集めてDVD特典にして欲しい
324 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/24(土) 20:01:56.56 O
愛ちゃんをこの胸でキャッチしたい
325 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/24(土) 20:04:48.65 0
>>320
さゆが確信犯的に愛ちゃんに抱きついてるな
さゆの不純な気持ちに全く気づいてない愛ちゃんに萌
326 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/24(土) 21:26:35.06 0
愛ちゃん!逃げて!
327 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/24(土) 22:51:29.45 O
今はまだ…
さゆの気持ちに応えるわけにはいかんやよ
328 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/24(土) 23:42:13.68 O
愛さゆ話は思えば意外に少ないかも
329 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/25(日) 00:02:52.21 0
たしか檻の中のさゆを愛ちゃんが助けてあげる話だけだよね
330 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/25(日) 00:26:48.12 O
いや他にもあるでしょw
331 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/25(日) 00:35:13.53 0
檻の中でいっしょに禁じられた遊びしてたねそういえば
332 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/25(日) 01:56:27.79 0
新曲はこのスレとかけ離れてるね
333 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/25(日) 02:06:01.91 0
全然違うねw
これはさすがにリゾブルの世界観にリンク出来ないでしょーw
334 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/25(日) 02:09:11.64 O
それはどうかな?むふふふふ
335 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/25(日) 02:50:39.80 0
でもEDか挿入歌としてならいけそうな気も
336 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/25(日) 02:52:04.68 0
337 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/25(日) 02:53:40.07 0
あ、間違えた
こっちだったw
http://www.youtube.com/watch?v=hj9CNRFnngQ
338 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/25(日) 05:59:04.47 0
おやすみー
339 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/25(日) 07:38:03.42 O
リゾナンターの世界はやっぱりシリアスな重い世界が基本というのが大体の共通認識なのかな
もちろんギャグもあったりするんだけど
340 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/25(日) 08:03:47.91 0
まあそうでしょうな
シリアス路線が基調にあるからこそギャグで遊べるという感じ
341 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/25(日) 10:08:44.84 0
うむ
342 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/25(日) 11:38:30.91 O
最初にリゾナンターって言い出した人はシリアスイメージだったのかな?w
343 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/25(日) 11:52:34.51 0
意外と何も考えてなかったのかもしれませんね
344 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/25(日) 13:49:59.28 O
何にしろ2年以上経ってもまだやってるとは思わなかったでしょうねw
345 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/25(日) 14:12:15.15 0
最初の頃の人らはみんなここまで続くなんて思ってたなかっただろうねw
346 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/25(日) 16:06:54.82 O
一生涯守れるほど覚悟もないのに立てましたね
347 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/25(日) 17:34:59.53 0
いやそんな覚悟をもって立てるようなもんでもないでしょw
348 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/25(日) 18:50:41.59 0
リゾナントブルー出てから次で8曲目だからなあ…
誰がここまで続いていると想像しえただろう
そして逆にここまでくると終わるのってどういうときなんだろうって話だね
349 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/25(日) 19:48:53.94 0
娘。解散かリゾナンター9人のうち半分くらい卒業したら・・・
かなしいから考えたくないね
350 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/25(日) 21:49:21.17 O
まだ先の…でもいつかは訪れるかもしれない未来
まだ誰も知らない未来
351 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/25(日) 22:56:06.15 0
まいつかはその日が来るんだろうけどね
352 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/25(日) 23:46:45.20 0
やばい
あまりにもメンバーのブログが楽しすぎるんだけどw
これはダークネスが新作を書かせないように企んだ陰謀か?
353 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/25(日) 23:54:17.53 O
だとしたらダークネスめ……!
マジありがとう!
354 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/26(月) 00:04:48.13 0
小春のブログも始まるのか
355 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/26(月) 01:56:49.33 0
おっと
356 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/26(月) 04:20:27.97 0
おやりぞ
357 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/26(月) 06:30:29.54 O
こっはー!
イェイイェイ!!
358 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/26(月) 07:49:30.38 O
从 ´ ヮ`)<小春おらんようになったけんれいながレッドするっちゃん!
川*’ー’)<ええよ

Σノリo´ゥ`リ
359 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/26(月) 09:51:24.50 Q
草葉の陰から保全するよ
360 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/26(月) 11:38:28.57 0
おおQさんや
361 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/26(月) 12:18:41.61 0

「カーメイ氏の研究の盲点ですって?」

今、私は日当たりのいい喫茶店の窓際の席に座っている。
目の前には亀井絵里研究家を自称するエリリンコ・カメノフ氏が、2メートル近い巨躯を木製の瀟洒な椅子に押し込んでいる。
カメノフ氏のグローブと見紛わんばかりの大きな手には、亀井絵里研究家にとって必携の史料、『かなしみ文書』のコピーが携えられている。

「盲点と表現するのは適切ではなかったかもしれませんね。」 

カメノフ氏はトマトジュースで喉を潤すと言葉を続けた。

「カーメイ氏の業績は非の打ちどころがありません。 世界中の亀井絵里研究家は彼のことを尊敬しています、勿論私も」

コマンドサンボの黒帯だという目の前の巨漢の言葉を、私は素直に受け取ることが出来なかった。
亀井絵里の、そしてリゾナン史研究の巨人であるカーメイ氏への対抗心、あるいは気負いが感じられるのだが。

私はリゾナン史関連の書籍を発行する出版社で編集に携わっている。
この仕事に就いていると、リゾナン史上の新発見を書籍として出版したいという売り込みに遭うことも珍しくない。
今私の目の前にいるカメノフ氏もそんな一人だ。

「以前、カーメイ氏があなたの社から出版された本を読ませていただいた限りでは、カーメイ氏は意識的に隠されていたようです。」

エリノフ氏がそう言って大きな茶封筒から取り出したのは、カーメイ氏が私の社から出版した『かなしみをゆく』だった。

「この本の後半で、カーメイ氏はこう語っておられますね。 
かなしみ文書は当時の単位で1レス分以内で物語を収束させているために、本筋に関係ない状況が綺麗に削ぎ落とされている、と」

「ええ、最大で32行以内に収められているその簡潔さが後世の研究家泣かせだと嘆いておられてますよね」
362 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/26(月) 12:19:32.23 0

「こう考えることは出来ないでしょうか。 32行以内に収められているから、詳細な記述に欠ける部分があるのではない。 
詳細な記述を行いたくなかったから、敢えて32行以内に収めたのだ、と」

「何ですって」

私は無意識のうちに大声を出していた。

「それは一体どういう意味なんですか」 

「私はこう考えています。 かなしみ文書には、意識的に隠されている要素が存在する。 それは“血”です。」

カメノフ氏はそう言うと真っ赤なトマトジュースを飲み干した。

「しかし、唐突にそんなことを仰られても、すぐには信用しかねます。 何かあなたの推論を実証する材料が存在しなければ」

「勿論こうしてあなたにお時間を割いて頂いた以上用意してきています」

カメノフ氏はA4サイズの用紙のファイルを取り出した。
紙面には細かい文字が踊っている。
先頭には何やら警告文が記載されている。
363 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/26(月) 12:20:21.69 0
  ☆     ☆     ☆

【警告】

この先の文章には、読み手を不快にさせる要素が含まれています。
ホラー映画なんて規制されて当然だという倫理観の持ち主は、閲覧を回避されることを推奨します。


『immortality』


横浜の中華街、一軒の中華料理屋に息を切らせて駆け込む一人の少女がいた。
彼女の手には中国語の新聞が握りしめられている。
駆け込んできた少女は厨房に駆け込むと、そこで具材の下拵えをしていた年上の女性の名を叫ぶ。

「李姐、李姐」

李姐と呼びかけられた女性、李純は駆け込んできた少女をたしなめる。

「銭琳、外から帰ってきて厨房に入ってくるときは、ちゃんと手を洗ってからにしろと…」

ただならない様子の銭琳を見て、李純の言葉が途切れる。
銭琳は李純に握りしめてきた新聞を差し出した。
そこには「無人の町を跋扈する死者の大群?」という文字が踊っている。

「遂に来たか」と呟く李純。 震え出す銭琳。
李純はそんな銭琳を抱きしめる。

「恐れるな銭琳。 来るべき時がやって来ただけだ。 そうこれが私たちの運命だ」
364 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/26(月) 12:22:06.88 0
頭痛がしてきた私は文字の羅列から目を離すと、原因を持ち込んだ元凶であるカメノフ氏に疑問を投げかけた。

「私はかなしみ文書についての検証を記録したものを期待していました。
ですが、あなたの持参されたこの文章は小説のように思えるのですが」

「それはかなしみ文書の原本が著述されたと推定される年代とほぼ同時期に、web上で発表された記録です」

「ほうっ」

誠意のこもっていない相槌を打ちながら、私は失望しきっていた。
web上に流布されていた記録だと。
どうやら目の前の大男は、駆け出しのリゾナン史研究者がはまってしまう落とし穴にまんまと落ち込んでしまったようだ。
どうやってカメノフとの無駄な時間を切り上げようかと頭を捻っていると、続きを読むように促された。
しょうがない、もう20分ぐらいはお義理で付き合うとしようか。

記録と称する小説まがいの雑文は、二人の少女李純と銭琳が怪事件の一報を知った時点から、10年前に遡っていた。
舞台は中国の辺境部の小さな町らしい。
人家から離れた山の洞窟に、1人の少女が食物と衣類の入った籠を手に訪れる場面から始まっている。
365 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/26(月) 12:22:59.66 0
   ☆     ☆     ☆

洞窟を奥に進むと人間の手で掘られたのだろうか。
幾つかの横穴があった。
横穴の入り口には太い鉄格子が填められている。

少女はその横穴の一つで暮らしているらしい人間に食物と衣服の替えを持ってきたらしい。
その人間とは老人だった。
老人は小柄で温厚そうに見えた。
いかにも好好爺という感じだ。

老人の手と足は長い鎖で岩肌に拘束されている。
鎖の長さは横穴の中で老人が動ける程度に確保されている。
鎖は頑丈な金具で岩肌に固定されているが、強い力が加えられたのか岩肌にひびが入り、金具も歪みかけている。
老人はそのことを少女に告げ、新しい穴に移る準備を進めるよう家人に伝えるように告げる。

少女は鉄格子越しに食物を置き、洗濯の為に持って帰る衣服を籠に詰め込むが、その表情は暗い。
老人はその様子を訝しく思うが、口にはしない。
やがて少女は口を開く。

「お祖父様。 私は覚醒したいのです。お祖父さまのように神獣として」

老人は驚いた様子で少女の顔を見つめる。
366 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/26(月) 12:23:47.68 0

『神獣』という言葉とその使われ方に違和感を覚えた私はカメノフ氏に尋ねた。

「神獣というのは一体?」

「この先を読み進めて頂ければ、おわかりになると思いますが、その記録の中では人でありながら、獣の姿に変化する者のことを神獣と称しています」

「いわゆる獣化能力者のことですね。 ということは老人の孫である少女が李純ということになるんでしょうか」

小説と呼ぶには拙すぎるその記録を読み進める気の無い私は、カメノフ氏の口から情報を聞き出そうとしたが、当のカメノフ氏は笑って先を読むように勧めるばかり。
いい気なものである。 抗議の意を込めて、わざとらしく大きなため息をつくと、用紙に目を落とした。


   ☆     ☆     ☆


洞窟の外は日が傾きだしていた。 
鉄格子の中で老人と李純が並んで座っている。
老人は優しい声で李純を諭す。

「いいかい、純。お前に“覚醒”は起こりえない。
何故なら私は200年前ばかり前に東欧を訪れたことがある。
そこで出会った魔女へケートと契約を交わし、我が血族の“覚醒”を封印したからだ。
残念ながら既に覚醒してしまった私は、人に災厄を及ぼすことを防ぐために、こうして人里はなれた洞窟に住んでいる。
だがな、純。 "獣”として目覚めていないお前は違う。
普通の子として育ち、普通の娘として男と結ばれ、普通の母として子を生し、普通の人としてその生を全うする。
それが私がお前に望むこと。 それは神獣として不死の運命を背負った私には叶わぬこと」
367 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/26(月) 12:24:46.48 0

「ちょっと待って下さい」

今度こそは目の前の大男との不毛な時間を終わらせるつもりで、語気を荒げて言った。

「カメノフさん。 あなたが持参してこられた文書ですが、リゾナン史の新発見とは到底認めがたい内容です」

「それはどのような点を差してのご指摘なのでしょうか」

「この文書の中で神獣として覚醒した老人は、山中の洞窟に軟禁状態になっています。 まるで怪物のように。
神の獣と呼ばれながらこのような扱いを受けているのは明らかに矛盾しています。 したがってこの記録は捏造されたものだと私は考えます」

「果たしてそう言い切れるでしょうか」

カメノフ氏は穏やかな表情を崩すことがなかった。

「想像してみて下さい。 あなたは科学の発達していない時代の人間です。
そしてあなたには老いた父母と愛すべき妻、守らなくてはならないお子さんがいます。
もしもそんなあなたの身の回りに獣化能力者が存在したとすれば。」 

一気に話した所為で喉が乾いたのか、空のグラスをかざしてトマトジュースのお代わりを催促する。
ウェイトレスが跳ねるようにやって来て空のグラスをトレイに載せていった。

「因習と迷信が支配的な世界で、あなたは自分の隣人として、獣化能力者を受け入れられますか?」

唐突な質問だった。
勿論受け入れられると答えようとしたが、カメノフ氏の真摯な視線は私にそんなお座なりな解答をすることをためらわせた。
口ごもる私を見て、カメノフ氏は言った。
368 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/26(月) 12:25:38.07 0

「残念ながら市井に暮らす人々の大多数は、獣化能力者を恐れるでしょう。
そして彼らを排斥しようとさえするでしょう。
しかし獣化能力者の力の前に適わないならば、彼らを神と崇め自分たちに災いが及ばないようにするでしょう」

「それはあなたの思い込みにすぎないでしょう」

カメノフ氏の言葉に承伏しかねた私は、やんわりと反論した。

「確かにこの記録が書かれた年代は、現在と比べれば科学は発達していなかったかもしれません。
しかしその代わりに神と人との距離も現在より近かった筈です。 神獣は人々に畏敬の念を持たれていたのではないのでしょうか」

「その記録の中で神獣である老人は、人々に災いを及ぼさぬよう、半ば自分の意志で拘束されていますが」

「カメノフさん、どうやらお互いの論旨がすれ違っているようですね。
あなたはどこからか発掘してきたその記録が真実だという前提の基に、前時代の獣化能力者たちが偏見に晒されてきたと仰られる。
一方の私はその記録自体が、当時の人間の想像の産物だという認識を持っている。」

今度こそは迷宮に入り込んだ感のあるカメノフとの会話から抜け出せると思ったが。

「おう、そうでしたね。 私も自分の見解に固執し過ぎた感はありましたね。 まずはその記録の信憑性の検証、これが先決ですよね」

やれやれだ。 とりあえずこの雑文が真実の記録と呼びがたい箇所を発見すれば、解放されるってことか。
それとも一通り目を通した上で、個人では判断しかねるので、社に持ち帰って検証するとでも言って誤魔化すか。
そうしよう。
369 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/26(月) 12:27:00.88 0
>>361-368
以上『独占欲(1)』です
したらばで宣言した[M-A6-06](36)735 「独占欲」へのトリビュート作…になってます?(聞くなよ綻してます自覚してます
宣言してしまった責任感のみで完成させようと奮戦してます
今は安易に挙手してしまったことを全身全霊で悔やんどります
話はこの後長きに渡る光と闇の戦いを描くこともなく意外とあっさりと終わります
多分あと2回ぐらいで完結です
370 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/26(月) 14:40:54.98 0
いいね
字幕映画で見たい感じ
371 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/26(月) 14:42:50.19 0
>>369
カーメイ氏にライバル現るw
現在と過去の視点を入ったり来たりする描き方が独特で興味深いです
かなしみさんの「独占欲」とは別物のように見えてあの話の底流に流れてた獣化能力者のかなしみが感じられるのが不思議だ
372 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/26(月) 15:55:30.15 0
>>369
なんていうかこの企画だからこそできるリゾナントですね
カーメイ氏にまで乗っかるとはなんという…!
その発想力と構成力が羨ましいったらないです

…って褒め言葉は無事完結できたときにお贈りするべきか?w
とにかくどちらの時系列の結末もすごく楽しみです!
373 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/26(月) 17:40:37.85 0
良い意味でごちゃごちゃして面白そうだw
374 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/26(月) 19:16:18.27 0
>>369
カメノフ氏!
生き血のようにトマジューを飲み干すカメノフ氏・・・
この男底知れぬ魅力がありますな
神獣物語とカメノフの今後が早く読みたい!
375 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/26(月) 21:01:15.37 O
とまじゅー
りこぴんほーふ
376 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/26(月) 21:02:02.27 0
>>369
このあと編集者の心境がどう変わるのかwktk
377 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/26(月) 22:04:33.22 O
そんな中タイムリーにもジュンジュン主演のドラマがあるとかないとか
378 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/26(月) 23:43:49.77 O
保全を兼ねて5分後に一つイカせてください
379 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/26(月) 23:49:43.00 0

「ほらさゆぅ、飲め飲めぇ。さゆもとっくにハタチなんだからさぁ~」
「は~い、さゆみいっちゃいま~す」
「コラ、カメ!さゆ!そういう無茶な飲み方はしないの!お店の人にもメイワクでしょうが!」

なかなか休みが合わず、一週間遅れで行なわれているれいなの20歳の誕生日パーティー。
貸切にしてもらった店内は喧騒に包まれている。

「ちょっと愛ちゃんからもなんとか言ってよ!」
「んー……」
「何もう寝そうになってんの!」

里沙に肩を叩かれ、力ない笑みを早くも赤く染まり始めた頬に浮かべる愛。
グラスを差し出すさゆみに、鮮やかなピンクのロゼワインを危なっかしい手つきで注ぐ絵里。
食べ物を取り合ってケンカをしている小春とジュンジュン。
オレンジジュースを手に、オトナたちの騒ぎを苦笑で見守る愛佳とリンリン。
自分が主役のはずなのに、どこか影が薄く淋しげなれいな。

多少賑やかさが割増しされてはいるものの、いつもと変わりない平和な光景がそこにはあった。


そして、誰もが思っていた。

この平和はずっと続くのだと―――
380 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/26(月) 23:50:24.92 0

「何!?ちょっとや……んっ!んーーーーー!!!」

突然店内に響いた声にならない絶叫に、リゾナンターたちは一斉に先ほどまでの緩んだ表情を瞬時に捨て去り、戦士の顔となって声の方へと鋭い視線を向けた。

「なっ……!」
「そんなっ!!」
「うそ…やろ……?」

瞬時に臨戦体勢に入っていたリゾナンターたちの表情が、驚愕に支配される。
その視線の先にあったのは、力なくぐったりと倒れ臥した絵里の姿と、そして―――

「さゆ……?どうして……!」

テーブルの上に仁王立ちとなり、これまで見たこともないような恍惚の表情を浮かべたさゆみの姿だった。

「予想どおり絵里の唇はなじむ。なじむ、実に!なじむぞ!ヒィーーハーー!!!最高に『ハイ!』ってやつなのオオオオオオ???」

「み、道重サン!?どうしたデスか!」
「絵里っ!絵里しっかりせんね!大丈夫っちゃん!?」
「こらー!テーブルは立つところじゃないの!」
「ヒーハーって……」
「…………」

さゆみの豹変に驚愕する者。
絵里を心配する者。
小姑のように小言を垂れるもの。
ドン引きする者。
絶句する者。

反応は様々であったが、事の重大さをまだまったく理解していないという点では同じであったと言えるだろう。
いち早く被害者となった一人を除いては……
381 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/26(月) 23:51:16.49 0

   ◇   ◇   ◇

「阿久…博士……助け……この…ままじゃ…みん…な……早……」
「絵里君…!絵里君!?……ダメか!」

絵里からの通話が途切れたことを知り、阿久博士は急いで緊急回線を繋いだ。

「アイ!聞こえるか?アイ!」
「はい、どうしたんですか?博士」
「ガイノイド・ペッパー警部、全員で緊急出動だ!速やかに対象を捕捉し、リゾナンター達を護るんだ!」
「リゾナンターを!?それで博士、対象とは――?」
「え?あ、アンノウン(やべーそういや未確認)だ!とにかく頼んだぞ!今から現場に転送する」
「了解しました!リゾナンターの皆さんは私達が必ず護り抜きます!」
「よし、健闘を祈る。転送!」

   ◇   ◇   ◇

「これは…すでに被害が……!」

現場に転送されると同時に、倒れ臥す絵里を視界に収め、ガイノイド・ペッパー達は即座に臨戦態勢に入った。
続いてアイの瞳が対象の姿を捉える。

「アンノウン捕捉。これはさゆ…?いや…もうあなたではないのね」

対象がリゾナンターの一員、さゆみであることに少なからぬ衝撃を覚えたアイであったが、すぐさま感情を切り捨てる。
ガイノイド故の冷静な対処というよりも、ぶっちゃけそんな躊躇いを覚えていられないほどに、目の前のさゆみはアブナイ目つきをしていた。
382 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/26(月) 23:52:09.13 0

「さゆ!目ぇ覚まさんね!」
「―――!れいなさん!いけない!」

だが、ガイノイド達ほど感情の切り替えが即座にできない……というよりおそらく事態をまだ把握できていないれいなが、静止よりも早くさゆみの方へと足を踏み出した。
刹那―――

「なっ!?さゅ………んっ…んんぅっ……んふぅ……あっ…そんな…やめ……あっ…あ……あ…いや……(以下規制)」

「…迅い!これが人間の速度なの!?」
「ちょちょちょ!い、いいの!?このスレであんなことまでしていいわけぇ!?」

あっという間に捕まったれいなが全身キス責めで悶絶するのを目の当たりにしたペッパー達は、それぞれの驚愕に包まれた。
ようやくキスから解放されたれいなは、全身隅々までキス跡が残る体を痙攣させて横たわっている。

「ごちそう様でした。れいなも慣れてない感じがなかなか悪くなかったの?」

そう言いながらも、さゆみの視線が次なる獲物を狙っているのをいち早く察知したアイが叫ぶ。

「止まりなさい!!」

同時に、数人が捕獲用の麻酔弾を発射した。
だが、さゆみはそれを嘲笑うかのように軽々とすべて回避する。

「うぅ、私達の攻撃をすべて避けていくなんて!1歩先を読んで行動している!?」
「さすが予知能力者ね」

愕然とするペッパー達を尻目に、さゆみはふわりと愛佳の前に降り立ち、恐怖に引き攣るその両頬をしっかりと挟んだ。

「ひっ……は……んんふぅぅぅぅ………う………」

とても描写など及ばない音を立て、唇よりもおそらくもっと奥まで吸われた愛佳は、虚ろな表情となってガクリと腰を落とした。
383 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/26(月) 23:52:51.02 0

「これは酷い」
「なんてことなの……」

魂ごと吸い出されたかのような虚ろな瞳で宙を見上げる愛佳の姿に、アイの表情は怒りの色を帯びた。

「容赦なくこんな少女にまで…。おのれピンクの悪魔め許さん!しかしこれ以上の被害はマズイぞ」

言葉遣いさえ見失ったアイに対し、里沙もまたおそらくは怒りのために顔を火照らせ瞳を潤ませながら提言する。

「アイちゃん、いったんリゾナンターの皆さんを喫茶リゾナントに避難させよう!このままじゃ鼻血…その……被害!そう、被害が拡大する一方だよ!」
「そ、そやの!それがさいろう…最良やの!」
「訛った上噛んでる場合じゃないって!早く!ここは私達が食い止めるからアイちゃんはリゾナンターの皆さんを!」
「分かったリサちゃん。皆さん!急いでください!」

ことここに至っては、さすがに事態の深刻さと身の危険を認めざるをえなくなっていたリゾナンターたちは、アイの誘導に従って必死に店を飛び出した。

「しゅ、酒乱にもほどがあんでしょーがっ…」
「小春、もう道重さんには絶対逆らわないよ……絶対……」
「カメイサン……タナカ……ミツイ……見捨てテ…すまナイ……でも……あれは無理ダ……」

これまで感じたことのないほどのレベルの恐怖に追われるように、残った5人はアイを最後尾に喫茶リゾナントへと全力で走った。
やがて辿り着いた店のドアをもどかしく開き、店内になだれ込んで息をつく。

「ひとまず危機は去りました。でもさゆみさんを…対象を捕獲しない限りは終わりません」

重々しくそう言うアイに、5人は青ざめた顔で頷きを返す。

そのとき―――

ガチャリと入り口が開いた音に、全員が床から50センチばかり飛び上がった。
384 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/26(月) 23:53:39.47 0

「アイちゃん!リゾナンターの皆さんは無事?」
「リ、リサちゃん……。うん、無事だよ。そっちは?」

入ってきたのはピンクの悪魔ではなく、リサ達ガイノイド・ペッパーだった。

「うん、こっちも無事は無事なんだけどさ、対象を見失っちゃって…」

申し訳なさそうにリサがそういった瞬間、突然照明が落ち、店内は闇に閉ざされた。
停電―――!?そう思った刹那、アイの思考回路を人間でいうところのゾワッとした何かが突き抜ける。

「バカな!!すでにリゾナント内へ侵入しているだと!?」

その意味するところを弾き出したアイが再び言葉遣いを見失うのと同時に、すぐ隣で悲鳴にならない悲鳴が響いた。
慌ててコハルに照明を灯させると、視界に飛び込んできたのは泡を吹き倒れている愛の姿。
何らかで呼吸器官を塞がれていたことは明らかだった。

「対象はどこに……!?」

焦って周囲を見回すペッパー達の目は、ようやくその姿を捉えた。
だがそのときにはすでにジュンジュンとリンリンが床に崩れ落ち、微かに痙攣していた。

「怖いよにーがきさん!小春怖いよ!助けてよ!」
「わ、わたしだって…!ひ…!」
「あ、にーがきさん!待って!置いてかないでくださいよ!」
「早く!小春早くっ!私から離れないで!」

目の前の惨劇にガタガタと震えていた里沙と小春は、悪魔の視線が自分達の方を向いたのを見て取り、手を取り合うようにして出口へと走る。
里沙の手が扉の取っ手へと伸び……そしてビクリと一瞬震えて静止した。

「にーがきさん?はやく……ひっ…!」
385 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/26(月) 23:54:25.05 0

返事がないことを不審に思い、隣を振り向いた小春が見たのは……里沙の唇に吸い付く悪魔の姿。

「あ、あ、あ………」

かつてない恐怖の中、小春は無意識に里沙のお団子を握り締めていた。
それだけが、もはや小春にとっての支えだった。
だが、残念なことにそれは悪魔を追い払うことのできるほどの力を備えては……いなかった。

「ひぁっ…」

里沙のお団子を掴んでいた小春の手を、温かく、柔らかく、しっとりとした感触が這い上がってくる。
ピンク色の……悪魔の唇が……その手を…腕を這い上がり……

「………………ァァッッ!!!」

小春の精神は、それ以上の恐怖を受け止めることはできずに闇へと滑り落ちた。

「リゾナンター…全滅……?」
「嘘……」
「そんな……こんなことが……」

意識を手放した小春の唇をも容赦なく蹂躙する悪魔の姿が映し出されたのを最後に、店内は再び闇に沈んだ。

「みんなを護れなかった…ヤツを止められなかった…」

自分たちの目の前で行われた惨劇に対して、何もできなかったペッパー達は無力感と悲愴感に包まれていた。

だが……彼女らもまた、この時点でも尚、事態の重大さへの認識があまりにも不十分であったと言わざるをえない。

「!? 目標まだ移動しています!!」
「何……!?」
386 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/26(月) 23:55:13.57 0

だが、その次の瞬間、ようやく自分たちの置かれた状況がペッパー達の思考回路に染み渡る。

「…ま・さ・か…私達もターゲットなんじゃあ…」


そして―――


ガイノイド・ペッパー達は確かに聴いた。


血液が流れていないはずの自分たちの中で、サーッと音を立てて血の気が引いていく音を。


暗闇の中、ピンクの悪魔が舌なめずりをする音を。


終わらない恐怖の物語のページがまた一枚めくられる音を――――
387 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/26(月) 23:57:01.79 0
>>379-386

以上です

かなしみ戦隊リゾナンターミラクルズ
[M-A6-12](36)609 「女子かしまし物語2」へのトリビュートでした

他の作者さん方と違って原作あまりにもそのまんましか書けなくて申し訳ないですが…
敢えて冒頭あたりはトリビュートだとすぐには分からない感じで書いてみました(つもりです)
勘のいい方はすぐに多分気付かれたでしょうけれどw
388 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/27(火) 00:52:16.25 0
>>387
オモロかったですw

団子wwwwwwwwwwwwwwwwwww
389 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/27(火) 01:13:17.48 0
>>387
それぞれの驚愕てwアイが秘かに何かを期待しているなww鼻血ww
読んでる最中…背後が気になってしょうがなかったわ…
なんか…さゆがいる気配がしてさ……ガクブル
390 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/27(火) 02:26:57.42 0
まさかの団子wwwww
391 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/27(火) 05:32:42.25 O
392 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/27(火) 06:20:19.90 0
怒濤の展開だった
ピンクの悪魔の話がここまで忠実に再現されるとはw
実に面白かったです
393 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/27(火) 08:20:01.62 0
>>387
おもしろいw
トリビュートいいね
394 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/27(火) 10:21:49.05 0
皆さんどうもです
見返すと校正漏れが多すぎましたね……
読みにくい箇所も多かったかと思いますごめんなさい
395 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/27(火) 12:13:04.58 0
>>394
いえいえ
団子が出ただけでおなかいっぱいですw
396 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/27(火) 14:21:56.42 Q
スレをピンクの悪魔から護り抜くよ
397 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/27(火) 15:29:50.33 0
ピンクの悪魔が相手ならスレを売り渡してもいいよ
398 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/27(火) 16:31:30.70 0
むしろ積極的にピンクの悪魔に明け渡すよ
399 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/27(火) 18:45:46.07 O
「かしまし物語3」の登場人物たちがいるな
400 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/27(火) 19:41:03.38 0
ガイノイドサユミはどういうことになったんだろう
401 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/27(火) 21:22:09.47 O
402 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/27(火) 21:22:25.77 0
自分大好きだから喜んでおちていったんだよ
403 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2010/04/27(火) 21:30:23.52 0
スペースバンパイアを思い出した。
404 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/27(火) 21:36:10.06 0
れいなもガキさんと戦闘訓練を
405 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/27(火) 23:39:57.78 0
ペッパーがそういやかなしみトリビュートのはしりだったんだなあ
406 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/27(火) 23:56:16.04 0
そのシリーズ好きだなぁ
めっちゃ泣けた記憶がある
407 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 00:32:41.07 0
いやああぁあー!絵里を連れていかないでえー!
http://st73.storage.gree.jp/album/23/42/27952342/17e07c6c_640.jpg
408 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 00:49:58.15 0
瀕死の絵里があの世の世界に連れていかれそうになるのを必死に止めようとするさゆ
409 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 00:53:33.63 0
ごめん
完全にエロい目でしか見られなかったこんな俺でごめん
410 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 01:47:14.02 0
さすがちょっとHなホゼナンター
411 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 02:59:30.67 0
皆さん、こんばんは。私、ペッタン・コーパルと申します。

リゾナン史家を目指す、堀北真希似と言われる女子大生です。専門は久住小春の研究ですイェイイェイ!!   …すみません、ちょっと嘘つきました。

さて、リゾナン史上に大きなエポックとなった「かなしみ戦隊トリビュートアルバム」に、今、リゾナン史界は沸き立っています。
もちろん、このエリソン・P・カーメイ氏が世界に紹介した資料は素晴らしい物であり、今後も続々と発見されてリゾナン史に新しい輝きを加えてくれる事でしょう。

しかし、私はここで一つ思い出して欲しいのです。

「かなしみ戦隊」にトリビュートしたと思われる資料は、今回発見された物が初めてではないという事を。

リゾナン史上に燦然と輝く『戦え!ボン キュッ!ボン キュッ!BOMB GIRL』
http://resonant.pockydiary.net/archives/745.html
もまたその一つであり、その歴史的価値に疑問を抱く人はいないでしょう。

…そして、リゾナン史上「最古」の「かなしみトリビュート」文書とは?

かなしみ戦隊Sシリーズ、 [S3](16)527 「ペッパー警部」 と [S4](16)528 「ロマンス」
にリゾナント=トリビュートした

[MM。](16)538 http://resonant.pockydiary.net/archives/503.html

これこそが、その歴史的作品でしょう。

すでにこの時点で、この文書は今回発見された「かなしみトリビュート」文書の要件を全て備えているのです。
412 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 03:02:02.22 0
…そしてもう一人…。 この「かなしみ文書」と [MM。](16)538 の魅力に魅入られ、大リゾナント文書を書き始めた「メッセンジャー」がいたのです…。

これら文書の簡潔さとは程遠い、冗長な文書ではありましたが、これらの文書に登場する、ガイノイドたちの旅路の詳細を記録した彼の文書は、
その一部しか未だ発見されず、リゾナン史上、彼はほとんど「消えたメッセンジャー」となっていました。

しかし、その彼の文書がこの度発見されたのです。歴史的価値などない、ただひたすらに冗漫なだけの文書ではありますが、
「かなしみ文書」そして [MM。](16)538 の持つ魅力の証左としての存在価値は認められましょう。

さて、その発見された文書ですが、スレの空いている時間帯を選びつつ、明日から4回に分けてご紹介させていただければと思っています。

つきましては、既にリゾナン史に埋もれてしまった感のあるこの文書の、要約としてもなお冗漫な「あらすじ」を以下に紹介させて頂きます。

もし、いささかでも興味を持っていただけた方がいらっしゃいましたら、ぜひまとめサイトの原典をお読みいただく、あるいは素晴らしいうっきー …ってだれがサルやねん!

 …ではなくウィキをお読みいただけると、多少は楽しんで頂けるのではないかと思いますイェイイェイ!!  …すみませんちょっと無理しました。

『コードネーム「pepper」-ガイノイドは父の夢を見るか?-』 うぃき
http://www39.atwiki.jp/resonant/pages/171.html
413 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 03:02:54.96 0

『コードネーム「pepper」-ガイノイドは父の夢を見るか?-』 前回までのあらすじ

「ダークネス」の基地から回収されたリゾナンターのデータを基に開発された、リゾナンターと同じ姿形をしたテロリスト用ガイノイドチーム、コード名「pepper」。
しかし、自らを「人間」と信じる彼女らは、自分たちがガイノイドである事を告げられた後、失踪を遂げた。

「誰も傷つけない」それだけを誓って。

リゾナンターのリーダー高橋愛の命を受けた新垣里沙は、警視庁の誇る戦闘ロボット軍団、AK-B40の部隊と激しい戦闘をくりひろげていた彼女らに接触する。
しかし、戦闘に巻き込まれた里沙を救う為、「pepper」のリサが犠牲となる。

「pepper」たちに「心」の存在を感じた里沙は、自らを「人間」と信じ「父親」を探す彼女らの旅に同行する。
彼女らへの攻撃を停止させる為に、警察庁科学技術局へ赴いた里沙だったが、局長代行の秋元の策謀により、同行したアイカが殺害されてしまう。

また、秋元の主導による彼女らへの過剰な攻撃が、彼女らの開発者である阿久博士への私怨によるものである事もあきらかになった。

ふたたび「pepper」と合流した里沙たちを、移動要塞とまで呼ばれる強力な大型戦闘ロボAK-B8、そしてAK-B40の軍団が襲う。
そして窮地に陥ったメンバーを救う為、レイナ、コハルが自らを犠牲にしてAKーB軍団に大打撃を与え、脱出への血路を開いた。

残されたメンバーたちは目立つ戦闘服から着替える為に立ち寄ったブティックで、喪ったメンバーを偲ぶカラーのアイテムを購入する。
そして里沙とともに、「必ず全員で生きて父に会いに行く」と誓う。
414 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 03:04:21.98 0

同じ頃、リゾナンターは事件への関与を疑われ監禁状態であった阿久博士を、同じく「pepper」の獲得を狙って接触してきたダークネスの襲撃をかわし救出していた。
そして阿久博士の証言により、「pepper」の「父親」が国立バイオテクノロジー研究所所長を務める都倉博士であると判明する。

都倉博士の娘、都倉愛は強力な精神感応と念動力の力を持つ能力者であったが、3年前、ロスでダークネスの強大な能力者である後藤真希が行なった高層ビル破壊テロに遭遇し、その母親と共に死亡していた。

自らも瀕死の重傷を負いながら念動力でビルを支え、多くの人命を救った愛の最期を目撃したロス市警のハイラム・ブロックは、都倉博士に
 Love fills all over the world. and Love will beat off the darkness of this world surely. という言葉を告げ、それが戸倉博士が「pepper」開発に携わるきっかけとなる。

「pepper」は、「都倉愛」の生体細胞から生育した脳細胞を、ガイノイドの身体に移植、統合させた「人の心を持ったガイノイド」であり、「ガイノイドの身体を持った都倉愛のクローン体」であった。

そして遂に都倉博士の待つ国立バイオテクノロジー研究所に辿りついた「pepper」を、生き残ったAK-B40部隊が再び襲う。
敵を食い止める為に地上に残ったアイは、もはや捨て身の戦法を取ってきた装甲ロボの自爆に巻き込まれる。

研究所の地下16階で都倉博士に会ったエリ、サユミ、JUNJUN、LINLINは一時的に都倉愛の遺伝子に由来する強力な精神感応の力を解放され、自分たちの誕生の経緯と、父の愛情を知った。

しかしその時、開放された「pepper」たちの精神感応の力は、はるか地上のアイの危機を感知する。それと時を同じくして、研究所の地下16階には異常を知らせるサイレンが鳴り響く…。
415 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 03:08:13.73 0
なお、他にうp御予定の方はご遠慮なくうp戴きます様、宜しくお願い致します。 

もし宣言いただければその時間帯はうpを控えさせて頂きます。
416 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 06:07:02.23 O
夜中にキテル!
後ほど読みます!
417 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 07:49:36.65 O
予告だったのかw長いw

ちょうど話題に出てたとこでタイムリーですね
待ってます!
418 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 08:05:37.21 0
pepperたちの旅もついに完結するんか
419 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 08:23:59.36 0
おーpepperの続きがくるのか
wktk
420 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 08:31:41.58 0
いつだったか「皆さんの終幕も見せて下さい!」…ってレスされてたのpepperの人ですよね?
「自分も書かなくては」というその言葉通り終幕へと突っ走るのでしょうか
それともまだまだ旅は続くのでしょうか

とにかく「最長のかなしみトリビュート」の久しぶりの再開が楽しみです!
421 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 11:33:09.01 0
422 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 12:23:33.30 0
すでに泣けるんだが・・・
423 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 13:44:58.83 O
このガキさんとれいなで泣けるとはすごい妄想力…って一瞬思ったw
424 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 15:31:12.65 0
ブログの画像から想像が生まれていくかもですね
425 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 15:48:08.92 O
ブログの写真は多幸感に溢れたものが多いからなあw
426 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 17:11:29.68 0
125 名前:職人つうこん 投稿日:2010/04/28(水) 11:38:23.66 0
愛ちゃんかわいい!
新作です。コレでまた規制だ><
http://www.youtube.com/watch?v=cmk6Hk9-ah8


126 名前:名無し募集中。。。 投稿日:2010/04/28(水) 16:20:29.29 0
危ない危ない
>>125

動画の雰囲気が某スレを思い出した
本当にそういう映画できたらいいのに
427 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 18:15:52.95 0
色んなのがあるんだね~
428 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 19:42:49.58 0
家に帰ってから見てみよう
429 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 19:51:24.47 0
毛薄… いやもとい手薄な時間帯かと思いますのでうp行きたいと思いますが大丈夫でしょうかね?

『コードネーム「pepper」-ガイノイドは父の夢を見るか?-』 
第15話 : Wrong judgment
430 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 20:00:08.39 0

ガッシャーン!!という音が響き、国立バイオテクノロジー研究所の分厚い窓ガラスを破って、吹き飛ばされたアイの身体が、凄まじい勢いで飛び込んでくる。
1~2階部分が吹き抜けになった広大なホールに、冬の太陽の日差しを受け、キラキラとガラスの破片が降り注いだ。

大理石調の冷たいタイルのフロアに叩きつけられたアイの身体は、1回、2回と回転し、さらにフロアを滑ってやっと止まった。

「…くっ…」
アイはうめき声を上げると、立膝をついた体勢まで身体を立て直す。そして両手の指を握っては開き、身体機関の異常を確かめてみる。
肩口、膝や肩の関節部分に小さな放電が走っていた。額から一筋のミッドナイトブルーの体内循環液が滴り、床へと落ちる。

ダメージは軽くは無い。 …だが、動く事はできる。
アイは足首をまだ掴んでいたロボットのアームを投げ捨てると、両手のこぶしを握りしめ、ゆっくりと立ち上がった。
再びガラスの割れる音が響き、一機の武装装甲ロボットが研究所内へ侵入してくる。

ウイィィン… と音を立て、ロボットの赤外線対応の赤い単眼が動き、右手に装備された電子砲がアイへと照準を合わせる。
電子砲が光線を放つ刹那、アイはいきなり光線の下をかいくぐる瞬速のダッシュを見せ、閃光のような左回し蹴りで装甲ロボットの電子砲を破壊した。

しかし、間髪を入れずにロボットは左手のアームを振るってアイを捉えようとする。
すばやく身をかがめて避けるアイの髪をかすめてアームが空を切る。
アイを捕獲すると同時に、再び自爆しての相打ちを狙っているものと思われた。
アイは紙一重でロボットのアームの追撃をもかわして見せる。
431 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 20:01:39.67 0

ダメージはあるものの、1対1でこの装甲ロボットを破壊する事はアイにはたやすい事と思われたが、その後の自爆を警戒してか、あるいは攻撃能力に異常をきたしたのか…?アイはひたすら執拗なアームの追撃を避け続けた。
人目を避けるために戦闘服から着替えたジーンズやブーツが、アイの動きを妨げる。

アイの汗とブルーの循環液とがフロアに飛び散り、ブーツの底がキュッ、キュッと音を立てて滑る。
ロボットの攻撃を避け続けながら、アイはじわじわと後退を繰り返していく。
その間にも、残った装甲ロボットたちがガラスを破り、次々と研究所内に侵入してきていた。

極限の危機の中、身体能力を限界まで駆使しながら、アイは眼の前のロボットの攻撃を避け続ける。
判断力、というよりも直感と反射神経を頼りに動き続けながら、アイの心はまた別な思いにとらわれていた。

「…またあーしの“判断ミス”やね…。 ここにエリやサユ…、みんながいてくれたら、どんなに楽だったか…」
「アイカの時だってそうや…。もしリサちゃんがいたら…、絶対にアイカを一人でなんて行かせなかった…。 怒る顔が眼に浮かぶわ…」

「ごめんな…アイカ…、ダメなリーダーで…。ごめんな、リサちゃん…。助けてあげられなくて…」
アイの瞳には遠くを見るような暗い光が宿っていた。

ふと、そのアイの顔にハッとしたような表情が浮かぶ。そしてそれは次に微かな微笑みへと変わった。
「…ありがと… エリ」
アイがつぶやく。
432 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 20:02:30.41 0

その時、すでに16体の残存する装甲ロボット群の、最後の1体までもが研究所内に侵入しようとしていた。

アイは突然2歩、3歩と素早くバックステップを行い、ロボットとの距離をとると、右手の中に『光』を溜めはじめる。『集中放出型電子砲』を作動させたのだ。
しかし、やはり身体機能にトラブルが発生しているのか…?微かな唸りを上げて発生した光球の大きさは、先刻のものとは違い、ソフトボール程度にしか拡大しない。

対峙していた装甲ロボットが、距離を詰めようと足音も荒くアイに突進する。
ブンッ!と音を立ててロボットのアームがアイを襲い、身を屈めてそれを避けたアイの右手から、光球があらぬ方向へ発射され、アイの背後数メートルの研究所の壁に大きな穴を穿つ。

アイには、この『集中放出型電子砲』の発射エネルギーはもはや後一回分しか残されていないはずだった。
しかし、残存する敵ロボットの数は16体…。絶望的な状況に見えたが、次の刹那… アイの眼には新たなギラリとした光が宿った。

「よしっ!!」
小さな気合と共に、防戦一方だったアイの動きが変化する。
いきなり眼前の装甲ロボットの頭部めがけてジャンプすると、右の貫手でその単眼のレンズを貫く。
間髪をいれず、2連発のローキックがロボットの左右の脚部を破壊する。

ガクリと動きの止められた装甲ロボットは、ウィーン…という音を立てて空しくその腕を振り続ける。
その姿を哀れむような眼で見ながら、アイはつぶやいた。
「あんたらも気の毒やけどね…」
433 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 20:04:13.46 0

キイイィィン…と耳を突く金属音をあげ、アイは再びその右手に『光』を溜めはじめる。
…速い。そしてその眩い光はあっという間にアイの身長を超えるほどに拡大した。
アイに装備された『集中放出型』電子砲の先刻までの2回の発動は、実はアイが意図的に稼動エネルギーをセーブしていたらしかった。

『危険回避行動プログラム』及び『周辺施設への被害回避行動プログラム』までもを解除された、ある意味“捨て身”の装甲ロボット群であったが、アイはその行動パターンに、未だ“同士討ち”を避けるための『友軍機への攻撃回避プログラム』が機能している事を察知した。

そして防戦一方に見えながら、実際には装甲ロボットの一体を自らの前面におく事で、他のロボットたちの電子砲の『盾』として利用し、この“残存する装甲ロボットの全てが同一平面上に配置される”という『チャンス』をひたすら待っていたのだ。
そしてアイは今、温存していたエネルギーの全てを注ぎ込んでの“渾身の一撃”を放とうとしていた。

「お父さん、ごめんなさい!この建物を破壊します! サユ、エリ、みんなを守って!!」
アイが小さく叫ぶと、すでに直径2メートル程にも拡大した『光球』の先端の一点から、溢れ出すかのように太い一条の光線が噴出する。

そしてアイはそのさながら巨大な『光の剣』を、ゆっくりと研究所のホールをなぎ払うかの様に振るっていった。
装甲ロボット群の胴体を瞬時に真っ二つに焼き切り、研究所のぶ厚い壁を、そして窓ガラスを打ち抜いて、『光の剣』がフロアをなぎ払う。

*** *** ***

よく晴れた国立バイオテクノロジー研究所の上空を、一羽の黒褐色の鷹が飛んでいた。
その鋭い眼が見下ろす研究所の姿は、巨大な円筒が光の剣で輪切りにされていくかのように見えた。

*** *** *** 
434 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 20:05:56.48 0

アイは巨大な『光の剣』を振るい終えると、素早く踵を返し、先刻には『誤射』に見えた2発目の電子砲の発動で、研究所の壁に周到に準備されていた『脱出口』へと全速で駆ける。
そのほぼ全エネルギーを3発目の電子砲の発動に投入していたアイであったが、細心の注意を払い、脱出に足るギリギリのエネルギーだけを身体に残していた。

背後で真っ二つに切断された装甲ロボットたちが、次々に自爆していく音が聞こえる。支えとなる壁面を破壊された、研究所の上階の崩落もはじまっていた。
突然、ダーンッ!!と音を立て、ホールの天井を構成していたパネル材がアイの眼前に落下し、脱出への進路をふさぐ。

アイはそのまま走るスピードを変えることなくジャンプし、回転しての後蹴りをパネルへ叩き込んだ。
…しかし、その叩き付けた踵は、ペタッ…という情けない音を立てて撥ね返され、アイは「キャッ」という少女のような声を上げ、その場に背中から落ちた。

「しまった…!」
脱出にギリギリのエネルギーのみを残したアイの身体には、先刻までの超人的な能力はすでに無かった。もはや常人の女性と変わらぬ体力しか持たない状態のアイは、必死に身体を起こすと、再び『脱出口』としてあけた壁の穴へと向かおうとする。

しかしアイが立ち上がりかけたその瞬間、何体目かの装甲ロボットの自爆の爆風がアイを襲った。アイの身体は軽々と吹き飛ばされ、障害となっていた天井パネルをぶち抜き、『脱出口』の横の壁面に叩きつけられる。

その刹那、アイの意識はブラックアウトした。

次の瞬間、意識を取り戻したアイが見たものは、目の前に迫る爆風の火炎だった。

*** *** ***

ドーン!!という爆音が響く。
青空を飛ぶ鷹の眼には、アイが『脱出口』として穿った研究所の壁の穴から、火炎がロケット噴射のように吹き出すのが見えた。そしてその横の壁面が、まるで風船が破裂するスローモーションを見るかのように捲れ上がる。

そして国立バイオテクノロジー研究所は上部階から轟音を立てながら崩落していった。建物の内部で何度も装甲ロボット、AKB-40群の自爆の閃光が光り、爆炎が上がる。
崩落と爆発を繰り返し、研究所から吹き上げる巨大な火炎と黒煙が、澄み切った冬の青空を焦がす。

研究所の遥か上空、黒煙の吹き上がる青空を鷹は悠然と滑るように旋回し、太陽の方向へと飛び去っていった。

*** *** ***
435 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 20:09:34.53 0
>>430-434
『コードネーム「pepper」-ガイノイドは父の夢を見るか?-』  第15話 : Wrong judgment

でした。

特にどなたもうp予定無ければ 1~2時間後に 第16話 : The first promise 行かせていただきます
436 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 21:07:45.89 0
続きキター
まとめサイト行って復習してくる
437 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 21:39:10.49 0
>>435
孤独に闘うアイちゃんの姿が切ない…
アイちゃぁぁぁぁん……

鷹の視点から戦場の全体を俯瞰する描写がいいですね
自分の視点もフワリと浮かんで上空から見下ろした気分になりました
続き待ってます!
アーイちゃぁぁぁぁんんんん………
438 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 22:05:03.89 0
復習、コメントありがとうございます 静かな夜なので続けてまいります

『コードネーム「pepper」-ガイノイドは父の夢を見るか?-』  第16話 : The first promise 
439 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 22:05:46.19 0

国立バイオテクノロジー研究所の地下16階のフロアにけたたましいサイレン音が鳴り響く。
その音は、国立感染症研究所による「病原体等安全管理規定」に設定された『LEVEL5(固体および地域生態系に対する高い危険度)』以上の遺伝子操作実験を可能とする、国立バイオテクノロジー研究所の『気密システム』に“致命的な異常”が起きたことを告げていた。

「…いかん…! まさかこんなことが…!?」
都倉博士の顔色が変わる。
「…どうしました!?」
里沙の問いに、都倉博士は衝撃的な事実を告げた。
「この警報は…、地上階の施設に致命的な問題が発生したときのもの…。 …そして… 5分以内にこの地下フロアは焼き払われる事になる…!」

「ええ!?なぜそんなことに…!?」
エリが驚きの声を上げる。

「うむ…。このフロアでは非常に危険度の高い遺伝子操作実験も行なっている…。万一その実験途上での細菌や生命体が流出した場合、世界規模で生態系に大きなダメージを与える…、いわゆる“バイオハザード”を起こす可能性が高い…!」
「だからこそ、万が一この施設の気密システムに致命的な問題が発生した場合には、この地下フロアは完全に閉鎖され、焼却されるシステムとなっている…!」

「じゃあ…!!じゃあ早く脱出しないと!」
そう促すサユミの声に答える、都倉博士の声は重かった。
「…いや…。このシステムが作動した場合、地下フロアからの脱出経路は完全に遮断される…。それは安全を確認した地上階からの操作でしか解除できないのだ…」

「…そんな…!」
生態系を守るためとはいえ、その非情とも言えるシステムに一同は凍りつく。
「…これはあくまでも有事の為のシステムだったのだが…。地上では一体なにが起こっているんだ…?」
440 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 22:06:40.89 0

「博士!!とにかくエレベーターホールへ向かいましょう!!」
里沙が声を上げた。
「あきらめないで下さい!もしかしたらということもあります!!」
「う、うむ、地上の状態はわからないが、システムの誤動作の可能性もある…。とりあえずエレベーターを確認しよう!」

一同はエレベーターホールへの通路を走り出した。
しかし数メートル毎に、減圧された研究棟の空気を遮断する、ロックされた分厚いドアが彼らを遮る。
そのたびにゆっくりと開くドアに苛立ちながら、里沙たちは通路を走った。
「私はドアをロックしながら行く!先に進んでくれ!」
都倉博士が最後尾から叫ぶ。

「ハイ!…でも急いでクダサイ!」
LINLINが走りながら答える。博士はドアを通るたびに、素早くテンキーにナンバーを入力してはドアにロックを掛けながら、皆の後を追う。
走り続ける皆の前方にエレベーターホールが現れる。先頭を走るJUNJUNがエレベーターのスイッチに飛びつくようにしてボタンを押した。

…しかし、ドアは開く事は無く、スイッチのランプも消えたままだった。
「ダメデス!!動きまセン!!」
ガチャガチャとボタンを押しながら、JUNJUNが悲鳴のような叫びを上げる。
一同のびっしょりと汗を浮かべた顔に、憔悴と絶望の色が浮かぶ。
正確な時間はわからないが、既に警報が鳴り始めてから3分は経っているだろう。

「…いや!まだだ!エレベーターはもう一つある!」
都倉博士が声を上げる。
「普段は使わない、視察用の直通エレベーターがある!おまえたちが使うかも知れんと思って、そちらも動力を入れておいた!」
「ひょっとしたら、そこならこのシステムから除外されているかも知れん…!」
441 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 22:07:33.54 0

「行きましょう!…もう時間が無い!」
里沙たちは再び別方向へと走り出した。時間は既にほとんど残されていないはずだった。
けたたましい警報の音に加えて、廊下を走る里沙たちの耳に、ドーン!ドーン!と言う不気味な低い音が、後を追いかけてくるように聞こえる。

*** *** ***

直通エレベーターのホールは、特に危険度の高い最下層のフロアへ、途中のフロアを経由せずにアクセスする為、地上では研究所とは別棟になっていた。
地下16階の、研究施設のあるフロアからはかなり離れたエリア。1機だけの直通エレベーターが設置された、ガランとしたホールに里沙たちが飛び込んでくる。

…エレベーターのランプは…、 点いていた。
「博士!ランプが点いています!!」
「…うむ!」
里沙がボタンに飛びつく。

ガチャガチャとボタンを押すまでもなく、ゆっくりとドアが開く。
「やった!!」「開いた!!」「動いてマス!!」
皆が喜びに声を上げる。
「さあ!早く乗るんだ!!」

博士が叫んだその時… ギシッ…!と何かが大きく軋む音がした。
次の瞬間、つい今しがた都倉博士がロックしてきたホールの分厚い金属の気密ドアが、グニャリ…とひしゃげたかと見えると、ドーンッ…!!と音を立てて吹き飛んでくる。
そしてその後から火炎が一気に奔流となってホールへ飛び込んできた。
442 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 22:08:24.82 0

「ハッ!!」
エリが声を上げ、両手を前方にかざすとエレベーターのドアを中心に、皆の周囲に半球状の光の防護壁=エネルギーシールドを展開する。
吹き飛んできた分厚い金属のドアは凄まじい勢いでシールドに激突すると、轟音を立てて跳ね返る。
そしてホールへ飛び込んできた爆炎は、あっというまにエネルギーシールドを包み込んだ。

「早く!エレベーターに乗って!!」
炎の方をにらんだまま、エリが叫ぶ。
5人は転げ込むようにエレベーターに飛び込んでいく。
「エリも!早く!!」
エレベーターに乗り込んだサユミが叫ぶ。

…しかし、エリは振り返ると、いつものふわりとした笑顔で言った。
「…えっとねえ…、エリは、無理。 …誰かがここを守ってないと、きっとすぐ炎が追いかけて行っちゃうから」
「…そんな…!!」
JUNJUNが悲痛な声を上げる。

エリの言うとおりだった。
全員がエレベーターに乗ったとしても、防御するシールドが無くなってしまえば、このフロアにあるエレベーターの動力部や、ワイヤーが炎で焼かれてしまう。
そうなれば、エレベーターは地上にたどり着く事はできないだろう。

「…早く… 行って下さい!」
エリの不思議なほど明るい声が妙に大きく耳に響く。
443 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 22:09:15.73 0

しかし、エリを置いて脱出する事など、誰にも出来はしなかった。
誰も言葉を発する事が出来ないエレベーターの中に、轟々と炎の燃えさかる音だけが聞こえていた。
「…ねえ…」
里沙がかすれた声で何かを言いかける。

その時、都倉博士がサユミ、JUNJUN、LINLINの肩を愛しむ様に一度そっと抱くと、エレベーターから降りようとゆっくりと歩みを進めた。
しかし、それをさえぎるようにサユミがすばやく進み出ると、エレベーターのロビー階のボタンを押す。
「サユ…!?」

ハッとする里沙にかすかに笑いかけると、サユミはエレベーターを降りた。
そしてエレベーターの中を指差すかのように右手の人差し指をかざすと、その先端、エレベーターのドアの中に、小さな傘のようなエネルギーシールドを展開させる。
「サユミさん!何をするんデスカ!?」
LINLINの問いかけに、サユミは静かに答えた。
「…アタシもここに残ります」

「サユ!?何言ってるの!?…約束したじゃない!…誰も…、誰も死なないって…!!」
里沙の叫びをよそに、エレベーターのドアが閉まり始める。
あわててJUNJUNが「開」のボタンを押そうとするが、サユミのシールドがそれをさえぎる。
「サユミさん!どけてクダサイ!」
「…ごめんなさい…新垣さん…。あれは“二つ目の誓い”なんです…」
JUNJUNの願いを聞くことなく、静かにサユミは言った。
444 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 22:10:20.20 0

…ゆっくりとドアが閉まる。

「アタシたちには、守らなきゃいけない“最初の約束”があるんです…」
ドアが閉まると同時にシールドは消え、エレベーターが上昇を始める。
「ばかー!!」
ドアを叩く里沙の声は悲鳴のようだった。

“自分たち以外の誰も傷つけない”

…それが、彼女たちが研究所を脱出した時に誓った“最初の約束”だった。

*** *** ***

エレベーターが昇ってしまうと、サユミは小さくため息をつく。

「…あ~あ、みんな行っちゃったね」
「行っちゃったね …っていうかなんでサユも残っちゃったの!?」
「えー!?嬉しくない…!?」
「…嬉しくない… 事は無いけど… サユも死んじゃうことないじゃん…」

「…そうだね… 死んじゃうんだよね…」
サユミは小さく言うと、自らも自動発動モードでエネルギーシールドを発動させ、二重に防護壁を作ると、エレベーターのドアの前にぺたんと座った。
エリもシールドの発動を自動モードに切り替えて両手を下ろすと、サユミの隣にぺたりと腰を下ろした。

「そうだよ… バカだよ、サユ」
「えー… エリがひとりじゃあ寂しいと思って来たのに…」
「そんな事で死ぬ事ないよ…!」
エリは膝を抱え、目の前の炎を見据えたまま言った。
サユミはそれには答えず、炎の燃えさかる音だけが聞こえていた。
445 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 22:11:13.32 0

しばらくの沈黙の後、エリが口を開いた。
「…ゴメン…。でもサユが来てくれなかったら、アタシ、きっと上に行った皆の事、最期には恨んじゃってたかも…」
「だけど今…、サユが一緒にいてくれるから…、皆には幸せになって欲しいって思える…」
突然、サユミが言う。
「ううん、アタシJUNJUNとLINLINは許さないの!」

「サユ…?」
突然のサユミの言葉に、エリが不安げにサユミの顔を覗き込む。
「…2人はあたしたちの分も、普通よりもずっとずっと“お父さん”と幸せになってくれなきゃ許さないの…!!…そうじゃなきゃ化けて出てやるんだから!!」
エリも安心したように、笑顔を取り戻して答えた。
「…ふふ、そうだね。そんときは一緒に化けて出ようね」

「…でもね…エリ、気がついた…?…あの時、先にお父さんもエレベーターを降りようとしてたの…」
「アタシがこうしなければ、きっとお父さんがエリと下に残ろうとしてた…。サユミ、もしかしたら…、お父さんをエリに独占されたくなかったのかもしれないね」

「…うん…。気がついた。…どうしてお父さんはそういうことが出来るんだろう…?って思った」
「…そりゃ…、エリが“娘”だからじゃない?“親子”だからだよ!」
「じゃあサユが残ってくれたのは…?」
「…“姉妹”だから…かなあ?…たぶん」

「姉妹なんだよね、アタシたち…」
「…ね。“家族”だったんだね。 …“家族”ってすごいね」
446 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 22:12:19.07 0

「…ねえ?もうみんな上についたかな?」
サユミが聞く。
「うん…?そうだよね…。もう大丈夫じゃないかな?」
二人はエレベーターの表示を確かめようとするが、表示のランプは炎に包まれて確認はできなかった。

「最期にリーダーにも会いたかったな…」
「うん…。さっき、アイちゃんの“声”を聴いた時、アイちゃんは絶望してはいなかったけど、すごく後悔してた…。リーダーとしての自分を責めてた…」
「…だから、エリ、心で叫んだの。大丈夫だよって。みんな、アイちゃんが“ミスをしない人”だからついていくんじゃない…。“いつもベストを尽くしてくれるリーダーだから” ついていくんだよ!…って」
「…うん。あたしにも聞こえた…。…聞こえたよ、きっと…アイちゃんにも…!」

サユミの頬を汗が伝わってフロアに落ちる。
「…暑くなってきたね…。サユミ、そろそろ限界みたい…」
シールドの外で渦巻く炎は、さらに勢いを増しているようだった。
「…うん…。アタシも…」
シールドを通して伝わる熱で2人は既に汗ばむようだったが、エリは持っていたブルーのキャップをキュッと深く被りなおした。

「…ねえ… サユ…」

「…ん?なに…?」

「…好きだよ!」
「…ちょ…! なによ急に…!?」

「言っときたかったの!…それだけ!」
447 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 22:13:13.05 0

「…ねえ…エリ…」
「…知ってるよ!」

「…」
「…」

「…アタシにも言わせてよ!」

「…ゴメン…」

「…好き…だ…ょ」

サユミの最後の言葉は、シールドを突き破って飛び込んできた炎にかき消された。
炎は2人を飲み込むと、荒れ狂う龍の様にホール内を駆け巡る。そしてエレベーターのドアを高熱で捻じ曲げると、通路内の空気を求めて、凄まじい勢いで通路を駆け上っていった。

…そして、エレベーターの所在を示すドアの上のランプは、いまだ途中階を示す位置で、かすかな点滅を繰り返していた。
448 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 22:22:49.57 0
>>439-447
『コードネーム「pepper」-ガイノイドは父の夢を見るか?-6』 

第16話 : The first promise でした

まとめサイト収録の際には明日の17.18話も含めて『6』にしていただけると… 分類は『pepper』ですよね 
449 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/28(水) 22:38:38.54 0
>>448
エリぃぃぃぃぃぃっっっ……!!
サユぅぅぅぅぅぅっっっっ………!!!
好きだよ!!俺も君たちのこと大好きだよぉぉぉぉっっ………

“最初の約束”
エリのいつものふわりとした笑顔
“親子”“姉妹”“家族”
持っていたブルーのキャップ
「…好き…だ…ょ」

……あらゆる要素が胸に来ました
映像が目に浮かんでしまうんだもんなあ………
450 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/29(木) 00:43:50.62 O
切ねえ……
でも続き待ってます
451 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/29(木) 01:06:10.56 0
>>448
泣ける
みんなやさしすぎるね
要所要所でグッとくる

最後まで読めると思うとちょっと安心w
続けまってます
452 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/29(木) 01:44:57.18 0
Σ( ゚д゚)<ハッ… ひょっとして皆さん明日はお休み…?

ほなら今夜コツコツあげときますわ… お休みの朝には… 今一つかもしれませんが…
453 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/29(木) 01:46:42.93 0
第17話 : Last run

ブゥ…ンと言う音と共にエレベータ内の照明が消える。そしてガクン…ッと言う振動と共に、エレベーターは止まった。
エリとサユミを残してきてしまったという悔恨にとらわれていた里沙は、不安げに天井を見上げる。天井には赤い非常灯が弱々しい光を放っていた。

「まさか… 下の2人はもう…?」
「…いや。そうではない…。電源の供給自体が断たれたようだ…」
下方の音に耳を澄ませていた都倉博士が答える。
「くそっ…!もう少しだというのに…!!」

エレベーターは地下16階のちょうど半ば、地下8~9階の辺りで静止しているようだった。

…万策尽きたか…?…こうなるのなら、一緒に下に残り、皆で最期の時を迎えたほうが良かったかもしれない…。
里沙がそんな事を考えはじめた時、それまでじっと天井を見上げていたJUNJUNが口を開いた。
「…登りまショウ…!」

そう言うと、JUNJUNはいきなり力強くジャンプすると、エレベーターの天井にある点検口の金網を音を立てて打ち破った。
「…私たちなら、新垣さんとお父さんを連れても、ワイヤーをつたわって登ることが出来マス」
エレベーターの天井にポッカリと開いた点検口を見上げながらJUNJUNが言う。

「そうか、この子達なら… まだこの子たちは“戦闘用”にチューニングされてはいないが、基本的な身体能力ならアイたちにも劣らない…!単独なら、ワイヤーを登る事もたやすいはずだ!」
「イイエ、JUNJUNが博士を背負って、私がニイガキさんを背負います!そのくらい大丈夫デスよ!」
LINLINがにこやかに答える。
454 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/29(木) 01:47:31.34 0

「え、ええっ…、LINLINに…?」
小柄なLINLINの身体を見て躊躇する里沙だったが、あっというまにJUNJUNに子供を抱えるかのように持ち上げられ、点検口からエレベーターの上へと押し出されてしまう。
続けて、都倉博士、LINLINもエレベーターの上へと押し上げられ、最期にJUNJUNがジャンプして点検口の縁に手を掛けると、軽々と天井へと上って来る。

「絶対に手を離さないよう、手を縛ってくだサイ!」
LINLINに促され、里沙と都倉博士は両手首をハンカチやネクタイで縛り、その手をそれぞれLINLINとJUNJUNの肩にまわす形で掛ける。
「…さあ、行きマスよ…。時間がありまセン!」
そういうJUNJUNとLINLINは、いつのまにかあの店で買った真っ赤な手袋と、パープルの手袋を身に付けていた。

*** *** ***

数分後には、JUNJUNとLINLINは素晴らしい速さでワイヤーを登り続けていた。
里沙が心配したLINLINさえもが、里沙を背負ったまま軽やかにワイヤーを手繰り、上昇を続けている。
しかし、さすがに8~9階に相当する距離を昇り続けるのは、ガイノイドの身体を持った二人にもたやすい事ではなかった。2人の頬を汗が伝い、身に付けた手袋は既にすり切れようとしている。

下方はるか彼方でドーンッ!!という低い音が響き、小さな光が見える。
「…博士…!…2人が…!」
里沙の声に、博士は答えなかった。JUNJUNも、LINLINも。
2人はただ無言で上をにらみ、歯を食いしばって、必死にワイヤーを手繰り続けていた。
455 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/29(木) 01:48:23.60 0

「…下を見ないでくだサイ…」
「…うん…」
LINLINの言葉に里沙はうなづいたが、どうしても視線ははるか下の暗闇を見つめてしまう。
暗闇の中には、小さな光が見えていた。

下を見つめる里沙の頬に、微かな風が感じられる。それは徐々に力を増し、そして明らかに温度を増していく。
下から吹き上げる風がほとんど熱風になる頃、下に見えていた光もまた、一段と強さと大きさを増しながら近づいてきていた。

「LINLIN…!!」
「…大丈夫デス!!」
里沙の問いかけに、LINLINは力強く答える。里沙は下を見るのを止めた。
里沙の髪が熱風で巻き上がる。風は既にビュウビュウと音を立てていた。
ゴーッと言う音が下から近づいてくる。風はもはや火傷をしそうに熱い。

「着きましたッ!!」
LINLINが叫びを上げる。地上階のエレベーターホールの扉をこじるように開けると、眩しい光が眼を射る。
LINLINは里沙を背負ったまま、こじ開けたドアから這いつくばる様にフロアによじ登った。
そこは研究所の施設から程近い、地下実験棟直通のエレベーターの為だけに建てられた、小さな別棟のホールだった。

「…博士!!JUNJUN!!」
振り返って叫ぼうとする里沙を抱え、LINLINは振り返りもせずいきなりエレベーターホールを全力で走り出した。
次の瞬間、エレベーターの扉からゴーッ!!っと音を立てて火炎が吹き出す。
火炎は走るLINLINを追いかけるように拡がり、あっというまにホールを満たしていく。
456 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/29(木) 01:49:59.86 0

LINLINは走りながら里沙をかばうように抱えなおすと、頭から窓ガラスへと跳び込んでいった。
ゴッ…!!っという、分厚いガラスに頭蓋が激突する嫌な音が響き、ガラスが砕け散る。
ホールの外へ飛び出し、地面に倒れ付す里沙とLINLINの頭をかすめるように、ゴオッ!!と音を立てて炎が吹き出して消えた。

やっとの事で身を起こした里沙が振り返ると、エレベーター棟のホールは完全に炎に包まれ、ところどころ壊れたガラス窓から、炎と黒煙を吹き上げていた。
「…博士!?JUNJUNは…!?」
眼を凝らしてみるが、燃えさかる炎の中に2人の姿を見つけることは出来ない。
そして気がつけば、傍らに倒れ付すLINLINもまたぐったりと眼を閉じ、ピクリとも動かなくなっていた。

「LINLIN!!LINLINってば!!しっかりして!!お願いだから!!」
里沙はLINLINを抱え、必死に安全な場所に移動しようとするが、研究所の本棟も既に爆破炎上しており、周囲に見えるものは瓦礫に覆われた大地だけだった。

*** *** ***

…数分の後、現地へ駆けつけたリゾナンターと阿久博士たちが出会ったのは、愛佳の見たビジョンそのままに…、ものいわぬLINLINの身体を抱え、号泣する里沙の姿だった。
457 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/29(木) 01:51:14.32 0
第18話 : Love Child

数ヶ月の後…、里沙は、春の花が咲く見晴らしの良い丘の上に立っていた。
既に日差しは初夏のように眩しく、開花の遅い山桜の花が一面に咲き乱れている。

花びらの舞い落ちるなか、祈りを捧げる里沙。その前には控えめな小さな墓碑があり、その金色のプレートにはこの地に埋葬されたリサとアイカ、そしてこの地で命を失ったレイナとコハルの名が刻まれていた。

祈りを捧げた里沙は、ゆっくりと顔を上げる。その傍らには、長身の青年、土居研究員と手をつないだLINLINの姿があった。
都倉博士が、里沙に語りかける。

「今回は本当に新垣君とリゾナンターの皆さんにはお世話になった…。特に高橋君と道重君…。彼女らの“能力”がなければ、私も、LINLINも、JUNJUNも…、今日ここにいることは無かっただろう…」
「…いいえ…。さゆは少し回復のお手伝いをしただけです。LINLINは命に別状は無かったようですし…。博士とJUNJUNは“例の”保護フォームのおかげですよ…。」

あの日、燃えさかる研究所の炎の中に、都倉博士とJUNJUNの“思念”を感じ取った高橋愛は、その瞬間移動の“能力”で、炎の中から巨大な白いパンダ型の保護フォームの塊を救い出した。

所々の黒い焼け焦げが本物のパンダの斑模様を思わせるそれは、阿久博士が内緒でJUNJUNに装備していた、耐衝撃性、耐熱耐炎性を持った急速発砲性の保護フォームであった。
そしてその中から発見されたのは、窒息寸前で意識を失ってはいたものの、ほとんど無傷の都倉博士とJUNJUNだった。

「…“あれ”はほとんどジョークのようなものだったんだ」
阿久博士が言葉を継ぐ。
「ジュンジュン君の能力…、“獣化”はガイノイドの機能としてはどうにも取り入れようがなかったからね…。形だけでも、“パンダ”を取り入れてみようと思っただけだったんだ…」
458 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/29(木) 01:55:58.31 0

「…ワタシも知りまセンでした…」
とJUNJUNが言う。どうやら、危機に際して何らかのきっかけで自動発動するように設定されていたらしい。
「…でも、そのおかげで我々は助かった。怪我の功名とはいえ、阿久君にはあらためて礼を言うよ」

都倉博士の言葉に、阿久博士は顔をしかめて見せた。
「礼など…!私は今回の件で本当にすまないと思っているんだ…。私が彼女たちを一時的にせよ、単なる“ガイノイド”として扱ったことが、今回のような事態を
招く事になった…」
「秋元の私怨による暴走もあったとはいえ、彼もまた彼女たちの“真実”を知らなかったからこそ、という点は否めない…」

*** *** ***

今回の事件は、秋元博士の部下を含む多くの関係者の証言から、秋元博士の私情による越権行為の数々が明るみに出、公の発表としては“『AK-Bシステム』
の原因不明の暴走を、新規投入を控えていた対テロリスト用ガイノイドチーム、『pepper』が制圧した”という形で発表される事となった。

公にされることはなかったとはいえ、大量のロボット軍団を失うことになった秋元の行動は、警察庁内部では重大な背任行為としての責任追求は免れえず、もはや彼とその『AK-Bシステム』の、斯界での復権はありえないものと思われた。

逆に多くの犠牲を出したとはいえ、重装甲ロボット軍団、AK-B40部隊の2個中隊、そして防衛省自衛部隊1個大隊にも匹敵すると言われた移動要塞、
AK-B8をも、たった9人で全滅させた『pepper』たちの驚異的な能力は高く評価され、警察庁科学技術局における阿久博士の存在は、もはや神格化
されるまでに至っていた。

事件が阿久博士が反社会的組織『ダークネス』によって誘拐されていた(と思われていた)時期であったことも評判に拍車を掛け、阿久博士を『ダークネス』から奪還した(という事になった)リゾナンターたちは、期せずしていささか株を上げる事となった。
459 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/29(木) 01:56:48.49 0

…しかし、都倉博士については、一度は警告を受けたにもかかわらず、『ヒトに関するクローン技術等の規制に関する法律』に確信犯的に抵触していた事が問題
となり、再建される予定の『国立バイオテクノロジー研究所』については、所長の職を辞する事となっていた。

また、“存在自体が法律違反”とみなされるJUNJUN、LINLINの2人の行動は公安警察のマークするところとなり、自由な外出等、行動の一部は制限され、
久しぶりの外出となった今回の『pepper』たちのいわば“墓参り”についても、捜査官による監視が行なわれていた。

*** *** ***

丘のはずれに一人立ち、花吹雪の舞う山並みを見つめていた里沙に、都倉博士が歩み寄ってくる。

「…新垣君…。私は君に謝らねばならないことがあるんだ…」
「…はい…?」
「実は、私は今回『pepper』に君が帯同していると最初に聞いたとき、ある危惧を持っていた…」
「…?」

「…君は『ダークネス』と呼ばれる組織に属する人間であり、その命を受けて接触してきたのではないか、と…」
「…!」
里沙が思わず息をのむ。

「…我々は『ダークネス』の作成したデータに基づいて『pepper』たちに性格を与え、プライバシーに抵触しない範囲での『生活の記憶』をコピーして付与した…」
「しかし、君のデータだけは明らかに性質が違っていた。君のデータは他の誰よりも詳細であったにもかかわらず、『参考資料』として扱われていた…」

「つまり『ダークネス』は君についてだけは『複製』を作る意思がなかった…。これが何を意味するのか…?」
460 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/29(木) 02:00:14.78 0

里沙は言葉が無かった。実際、『組織』のデータが流出したと聞いた際には、自分の情報が当局に漏れるという危惧はあった。しかし、その後『組織』の諜報部も当局の動向を監視していたものの、“不穏な動きは無い”との報告を受けていたのだ。

都倉博士は話を続ける。
「ただ、これについては我々は慎重になった。阿久君は警察内部にも詳しいが、『2重スパイ』という任務の場合、組織内でも極めて少数の人間しかその事実を知る事はないという…。彼は君が『2重スパイ』である可能性を指摘した」

「だから、我々はこの件について具体的なアクションは取らなかった。もちろん君の記憶データの詳細を分析すれば真実はわかっただろうが、それは我々の仕事ではない…」
「しかし、だからこそ…。『peper』に君が同行している事を知った時、私はそれが『ダークネス』の策謀ではないか?…そう疑った。しかし、それは杞憂に過ぎなかったようだ…」

「…私は…」
里沙の声はかすれていた。
「いや、いいんだ。私はすでに、君が“どこに所属しているか”と言う事には興味が無い。君はどこにいたとしても“正しい道”を選べる…そんな人間だと思っている」
「…それは…買いかぶりすぎです…」

「そうかな…?…では、もう少し控えめな言い方をしよう。私は…、いや、私たちは…、今回の件で君がしてくれた行動の全てに、心から感謝している、と。…それは今ここにいない皆も一緒だと思う」
「…そうでしょうか…?…私には後悔ばかりで…」
里沙の声は涙を含んでふるえた。
461 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/29(木) 02:01:48.73 0

*** *** ***

「…これから、どうなさるんですか…?」
皆の待つ丘の方へ戻りながら、里沙が博士に問う。
「…やりなおすよ…、皆で…。私は、やり方を誤ってしまった…。だから、もう一度…」
そして博士は短いセンテンスを口にした。それは、里沙にも聞き覚えのあるものだった。

『 …Love fills all over the world. and Love will beat off the darkness of this world surely… 』

「それは…?彼女たちの“能力”を開放される時におっしゃっていた言葉ですよね…?」
「そう、これは彼女らの“能力の封印”を解くキーワードでもあったね…。でもこれはあの日…。妻と娘を同時に喪ったあの日から、私にとっての“願い”であり…、“祈り”となったんだ…」

「だが…、私は方法を間違ってしまった…。私は私の“娘”たちをただの“戦士”に仕立て上げようとした…。彼女らの意思など考えもしないでね。それは『ダークネス』のしようとしていた事と、なんの変わりも無いやり方だった」
「…こんな…、“親子”の間でさえも“愛”で満たす事ができないような人間が…、“世界を愛で満たす”なんてことが出来る訳がないだろう?」
都倉博士は自嘲気味に笑った。

「でも、私はもう一度やり直す…。始めからね。まずはアメリカに戻り、彼女たちの“人間として”の国籍を手に入れる。…卵細胞を提供してくれた女性との“私生児”という扱いにはなってしまうがね」
「そして一人の人間として…、私の娘、都倉純、都倉琳としての人生を歩ませたい…」

「そして、この家族を、愛で満たす事から始めようと思っている…。」
462 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/29(木) 02:03:33.05 0

「…でも、お父さん…、私たちは戦いマスよ?…この世界の闇と!」
長身の土居青年に寄り添うLINLINが、にこやかに微笑みながら言う。
「…それもいいだろう…。…それがおまえたちの意思ならば。だが、まず第一に土居君との家庭を大事にしなさい」

「…そうだ、新垣君には初めての報告になるね。琳は土居君と結婚する事になったんだよ」
「…まあ、戸籍上の結婚にはあまりにも制約がありすぎて、当面はままごとみたいなものだけどね…。たとえ順調に国籍が取得できたとしても、彼女らの“実年齢”はまだ3歳という事になってしまう…」

「琳はクローン体の性質上、あまり長くは生きられないだろう…。またガイノイドの身体では子供を作ることも出来ない…。だが、土居君はそれを知った上で、琳と共に生きたい、と言ってくれた…」
「…この件については私も大賛成だったよ」
横から阿久博士が口をはさむ。

「…阿久博士が、ですか?」
いぶかしげな里沙に、阿久博士は意外な事を告げた。
「うん、この土居という男は、仕事の時は他人行儀な話し方をしているが、私の実の息子なんだよ。…離婚した妻方の姓を名乗っているがね」

「…そうだったんですか!?…ああ、でもだから脱出の時も土居さんを呼んだんですか…?」
「うむ、コイツは私とは違った道を進んで…、警察官になったんだが、格闘技術に長けていたせいで、たまたま『pepper』たちの指導員として派遣されてきたんだ」
「…まあ、これで私も正式に2人の“父親”を名乗れるわけだよ。…義理ではあるけどね」
463 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/29(木) 02:04:39.82 0

「そう、これで我々は一つの“家族”になる…。そして、ここを“愛で満たす”事から始めよう…、そう思っているんだよ…」
そして都倉博士はJUNJUNを慈愛に満ちた眼で見つめて言葉を続けた。
「…純にも“良い人”が現れてくれると良いのだが…。こればかりは“縁”だからね…」

そう言われたJUNJUNは、にっこりと笑うと都倉博士の腕に抱きついて言った。
「大丈夫デス!純はお父さんのお嫁さんになりマス!」
「…おやおや、都倉君、これはうらやましいな…!」
JUNJUNの子供のような言葉に、一同は和やかな笑いに包まれた。

*** *** ***

談笑する一同を、近くの木陰から監視していた公安警察の捜査官は、ダークスーツの中で握りしめていた拳銃を取り出すと、左胸のホルスターへと収めた。
そして胸ポケットからサングラスを取り出すと、その下で眼を閉じる。

彼の目に映ったそれは、 紛れも無い幸せな父と娘の姿だったから…

*** *** ***

お送りするという博士らの申し出を断り、近くのターミナル駅で皆と別れた里沙は、駅の入り口でしばらく立ち止まっていた。

そしてふと方向を変えると、駅には入らず、高速バスの乗り場へと向かう。それは、あの日『pepper』たちと共に研究所へと向かった時に使ったものだった。

里沙はあの日と同じルートのバスに乗り、Tukuba Cityへと向かう。

*** *** ***
464 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/29(木) 02:05:45.32 0

里沙が再び既に“跡地”となった研究所の近くでバスを降りた頃には、すでに日は暮れ、宵闇が迫ってきていた。

すでにこの春からの新研究所の建設工事を控え、更地にされてはいるものの、瓦礫混じりのゴツゴツした地面に足を取られながら、里沙は歩いた。

街灯も無く、月明かりさえほとんど無い暗闇の中に、かすかな光を反射させている小さな墓碑が見えてくる。
今朝ほどすでに一度訪れ、鎮魂の祈りを捧げていたエリ、サユミ、そしてアイの墓碑であった。

今朝、明るい陽の光の中で捧げた花束が今は夜露を受け、鈍い光を纏っている。

*** *** ***

あの日、焼き尽くされた地下16階のフロアは、上階崩落の危険もあり、エリとサユミの亡骸を回収する事は叶わなかった。
そして新研究所には地下のエリアは利用されない事となり、新たに2人の眠る地平の上に建造されるはずの研究所の建物は、巨大な2人の墓碑と思えなくも無かった。

そして、アイは…、破壊されたAKB-40のカメラが捉えていた、爆炎に巻き込まれる映像を最期に、杳として行方は知れなかった。
爆発し炎上する研究所の崩壊に巻き込まれたものと思われたが、大規模な捜索活動にもかかわらず、アイについてはそのわずかな痕跡さえも発見される事は無かった。

だだ一つ発見されたのは、アイが最期に身に付けていた、ライトグリーンの薄手のマフラーだった。それは、ほんのわずかな焦げ痕を残しただけの状態で、瓦礫の平野に落ちているのを発見された。
おそらくはアイがリサを思い浮かべて選んだであろうそれは、今は里沙の襟元に巻かれていた。
465 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/29(木) 02:07:53.32 0

…もう何も見つかるはずは無かった。都倉博士も終に、アイは研究所と運命を共にしたものとして、その名をエリ、サエミの名と共に墓碑に刻んだ。
しかし里沙は…、今朝も一度は皆と共に墓碑に花を手向け、鎮魂の祈りを捧げながらも、アイを喪った事を受け入れる事が出来ないでいた。

*** *** ***

そして今、再び里沙はこの地に立ち、暗闇の向こう側を見つめていた。その先に、眼に見えぬアイの面影を探しながら。

昼間の暖かさが嘘のような山の冷気が里沙を襲い、里沙は思わず襟元を抑え、マフラーをしめなおす。
何も見えない暗闇の地平を、冷たい風だけが吹き抜けていく。

「…どうして…?」

里沙は小さく声に出してつぶやく。
「…アイちゃん、死なないってさ… 約束したじゃない…!」
「アイちゃん… 嘘つきだよ…」

「…サヨナラ」

そうつぶやいて立ち去ろうとした里沙は、ふと風の中に『声』を聞いたような気がして振り返る。

「…アイちゃん?」

闇に向かって呼びかけてみるが、そこに動くものは無く、ただ風の音だけが響いていた。

しばらく立ち尽くしていた里沙は漆黒の空を仰ぎ、もう一度闇に向かって話しかける。

「…アイちゃん…。 アタシ待ってるから…! ずっと、ずっと待ってるから…!」

「…約束…したよね…? …信じてるからね…?」
466 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/29(木) 02:09:10.17 0
暗い帰り路を辿りながら里沙は考える。

アイと再び出会えるとき…、自分はアイたちに恥かしくない生き方が出来ているだろうか…?

そして里沙は最後に振り返り、漆黒の森に囲まれた荒野を見て思った。

…今夜…、この地上のどこかで眠るアイは、やさしい父親の夢を見る事が出来るのだろうか…?

暗闇の中、吹き抜ける風の音だけが響いていた。
467 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/29(木) 02:15:52.06 0
『コードネーム「pepper」-ガイノイドは父の夢を見るか?-6』 

>>453-456
第17話 : Last run

>>457-466
第18話 : Love Child

以上で完結です。また繋がった世界の中で彼女たちに会う日は来るかもしれませんが…
468 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/29(木) 06:59:34.28 O
キテル~
とりあえず↑↑
469 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/29(木) 07:00:11.37 0
>>467
乙でした
何て言ったらいいんだろう
本当に凄いものは凄いとしかいいようのない作品だった
自分の中に生まれた光景を形にする描写力が凄まじ過ぎますね
散っていったpepperのメンバーも含めてこのシリーズの中で生きたと言えるんじゃないでしょうか
本当に凄かった
470 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/29(木) 07:55:53.24 O
>>467
完結お疲れ様でした……!
ほんとうまく言葉が出てこないです
これまでの様々なことが重なり合って見事に織り成された本当に…本当にいいラストですね
どうしようもなく切なくもあり それでいて希望にも満ちていて…
朝から何だか胸がいっぱいです
あーほんとうまく言葉になりません
こういうの…書きたいなあ…
書けないなあ…

アーイちゃぁぁぁぁぁぁぁんんんんん…………!!
471 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/29(木) 08:55:42.90 0
>>467
凄くおもしろかったです
全体通して何度も泣けました
一人一人の死が悲しいけどそのたびに心が温まりました

完結するって素晴らしいね
472 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/29(木) 12:12:01.58 0
>>467
pepperさん完結お疲れ様です!ほんと朝から父と娘の姿にうるうるさせて頂きました
ガイノイドの中に人間の心が生まれ生きていく姿には毎回すごく感動します
彼女達は紛れも無く人間だったと思います
是非ともまた彼女達に会いたいです!!
473 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/29(木) 15:15:21.71 0
切ない
474 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/29(木) 17:19:48.03 0
今更ながらだけどpepperの最終章は面白かった
甘すぎずそれでいて仄かな希望が感じられるラストが秀逸だった
ただ一つ贅沢な悩みというか注文だけど4話を一気の投下じゃなくて2夜連続とかだったらなあと
想像する楽しみを残して欲しかったかなあと
堀北真希似のペッタン・コハールの再登場も含めて新たな物語を期待しております
475 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/29(木) 18:41:03.36 O
ペッタン・コーパル氏っすよ
476 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/29(木) 20:13:10.29 0
>>467
凄い面白かった
477 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/29(木) 20:40:31.14 0
>>467
炎の海の中に出来た小さなエネルギーシールド
その中にペタンと座り込んだ二人
業火に焼き尽くされるまでのわずかな間
二人の交わしたひと言ひと言……
優しさと、寂しさと、愛に満ちた、言葉達。

読んでいて何とも言えない気持ちになりました……愛しくも淋しいと言いますか……
兎に角、胸が熱くなりました。

エレベーターの昇降路を父とガキさんを背負ってひたすら昇っていくシーンも凄く感動しました。

地獄のような状況下で、その業火に焼かれながら束の間感じる幸せ……
こんなスゲェー世界を作り出した作者さんに思いっきり拍手を送りたいです。
478 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/29(木) 22:00:36.91 0
皆さん暖かいコメントありがとうございます… いきなり既にウィキも更新されているのに感動しました

完結までこんなに時間が掛かったいいわけなぞはいずれしたらばででも… 

そしてわたしも改めて「トリビュートアルバム」に参加すべく頑張ってみます! ありがとうございました
479 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/29(木) 23:31:11.12 0
改めて乙でした
そしてトリビュート参戦楽しみです
480 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/30(金) 00:31:16.15 O
トリビュートもほんとにアルバムになりそうな感じに集まってるね
色んな作者さんが書いててほんとおもしろい
481 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/30(金) 01:54:30.54 0
トリビュートwktk

wiki更新も乙
482 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/30(金) 04:55:56.23 0
今日も仕事の俺がホゼ
483 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/30(金) 07:00:17.32 O
そして今日もリゾナンターはそんなあなたの味方です
484 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/30(金) 09:20:19.55 0
ttp://stat.ameba.jp/user_images/20100413/19/tanakareina-blog/51/3d/j/o0179032010495014939.jpg

ノノ*^ー^) /         <味方ですよ?
    \(・e・川      <味方なのだ
         L(` ロ´从 <味方っちゃん!
485 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/30(金) 12:15:00.34 0
http://stat.ameba.jp/user_images/20100415/23/tanakareina-blog/46/ca/j/o0179032010498037599.jpg

  / ̄  ̄\
川*^A^) (` ロ´从
  \_ _/
486 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/30(金) 12:23:57.75 0
wwwwwwwwwww
487 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/30(金) 14:09:07.57 0
>>485
れいなとリンリンのヒュージョンでレイリンに変身するんですね
488 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/30(金) 15:26:32.83 0
新たなる共鳴ってことで
489 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/30(金) 18:06:38.55 0
こころとはその人の精神的強さや記憶、体調といった様々な要素によって構成された空間である。
それゆえに人によりこころのカタチは異なり、思い出なり感情によって特徴的な形態を取る。
小さい頃に大好きだった熊のぬいぐるみがあったり、高橋のこころに平和な「リゾナント」があったように

新垣の目の前に広がっていた世界は現実世界に非常に似ているものであった
ごくありふれた街の光景、信号機があり、車が行きかい、大勢の人が歩いている
そして、空の色も建物のカタチも現実の世界と比べても変なところはなにもなかった

しかし明らかな異常は簡単に見つかった
行きかう人々は会話をしているがそれが何語なのか判別できないことがまず一つ。日本語なのかすらわからない

そして、これが異様な光景と感じる原因なのであろうが、行きかう人々は2種類のタイプに分けられていた
一つは顔に眼、鼻、口がまったくないのっぺらぼう
もうひとつは顔だけでなく、胴体や服の上にまで目がついていて百目のようなだった
この2つのタイプの人間しかその世界には見てとれない
「なに、この世界・・・」
数多くの世界を視てきた新垣もさすがに驚愕の色を隠せない

とにかくこの世界のどこかに女の目的や素性のヒントとなるものがあるはずと新垣は動き出した
「大抵はこの世界の中でも中心になる部分にあるはずなんだけど・・・」
新垣が移動しながらも、どうしてもたくさんの眼から見られているようで気が落ち着かない
変に意識しようとしているわけではない、それでもただ前を向くだけでどれかの眼と視線が合ってしまう
「…気まずいなあ、なんだか」

しばらく走っていると1つの家の前で新垣は立ち止った。そこも特別変わったところの無い民家
しかし、新垣にはなんとなく『その家』に何かが隠されていると感じられた
それは長年サイコダイバーとして培ってきた経験に裏打ちされた勘であった
「お邪魔します」
もちろん誰も住んではいないのだが、新垣は昭和の女として、その言葉を言わずには侵入できなかった。
490 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/30(金) 18:07:25.44 0
入った先は見た目以上に広い純和風な住宅で、奇妙な雰囲気が漂っていた
奥に進めば進むほどその異様な感じは増していき、一歩足を進めるたびに具合が悪くなる
足元には冷たい感覚が走り、だんだんと体が重くなっている、これは確信に近づいている証拠だと新垣は感じた

ある部屋のドアを開けると、そこは女の子の一人部屋でベッドの上で体育座りをして泣いている子の姿があった
しくしくと泣いている声が奇妙に反響し、耳鳴りが聞こえてしまう
新垣はその部屋に入り、女の子に声をかけた
「どうしたの?大丈夫?」

しかしその少女からの返信はなく、頭をうずめたまま泣き続けている。
新垣が困り、部屋の中を見渡していると少女のものと思われる机のうえにアルバムが置いてあった
この場所に居続けるわけにはいかないと思い、新垣は机の上に置いてあったアルバムに手を伸ばした。
アルバムの表紙に書いてあった文字を読みあげる新垣「『たいせつな人』」

その言葉に反応したのか泣いていた少女の声がピタッとやんだ
新垣はアルバムを手に持ったまま少女の方を振り返った
少女はまだ顔をうずめているが、新垣が向いたのを何となく感じたのであろう、ゆっくりと顔を上げた
「あなた、誰?」
新垣が少女に優しく声をかけた
「・・・みやび」
少女はゆっくりだがはっきりした声で答えた

確かにその少女の顔つきは幼いが、どことなく外で拘束したあの正体不明のこころの持ち主と似ている
はっきりとした目鼻立ちが目立ち、泣いていたからであろう少し目が赤い
「・・・お姉ちゃん、誰?」
「私はね、新垣っていうの。ガキさんって呼んでいいよ」
少ししゃがみこんで少女と目線の高さを新垣は揃えた

「お姉ちゃんにあなたのことを教えて貰ってもいいかな?」
敵意がないことを示すように笑いかけながら少女に問いかける
しかし、少女は新垣の声を聞かず手に持っていたアルバムに目を向けている
491 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/30(金) 18:08:30.70 0
その視線に気がついた新垣は少女にアルバムを渡しながらいった
「あ、これはね、お姉ちゃんがみやびちゃんが泣きやむためにどうしたらいいのかなって思って手に取っちゃったんだ
 ごめんね、すぐに返すから、お話してくれる?」
少女の手は氷のように冷たく、驚いていたが・・・少女の声はもっと冷たかった

「私に近づかないで」
幼い外見には似つかわしくないくらいに低いトーンの声ではっきりと言った
「お姉ちゃんもあの人たちと同じなんでしょ!私はそんなにいい子じゃないんだから近づかないで!
 みんな来ないで!構わないで!!ほっといてよ!!!」
明らかに動揺し始めた少女は近くにあった枕を投げてきた

そんな少女を安心させるように新垣は少女を温かく包み込むように、母親のように抱きしめた
「大丈夫、お姉ちゃんはみやびちゃんの味方よ。誰もあなたを傷つけないから、落ち着いて」
新垣が目の前の少女を落ちつけさせようとしていると先ほど持ってきたアルバムが偶然開いた
そこには目の前の少女が少し成長した未来なのだろう、少し大人の女の子が写っていた
それも同じ人とばかりいっしょにいる写真ばかりが並んでおり、その人物を新垣は知っていた
もちろん、その人物も現在の姿と比べると多少若いがそれでも間違えるはずがない
「なんで、この子の『たいせつなひと』に載っているの?」

『それは私が私の心の支えだからよ』
見知った声が少女を抱きしめている新垣の背中にかけられた
『あなたが私の心の中に入ったんだから、ここにくるのは分かっていたわ。その写真は目的に繋がる』
見知った声が淡々と事実を話す
『その写真の人は私を救ってくれた大切な人なの。それをあなた達を奪っていった…
あの人と出会う前の私の姿、それがあなたの胸の中にいる女の子よ』
しかし、その声の人物がここにいるはずがない、そんなことを思いつつ新垣はゆっくりと振り返った

やはりかけられた声と目の前にいるのは…信じたくないが予想通りの人物だった
「田中っち・・・だよね?」
492 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/30(金) 18:09:40.37 0
みやびの心に「田中れいな」がいること・・・そんなことを新垣は予想だにしなかった
この女、みやびは「田中れいな」の記憶を消してまわっていた
それならば普通は「田中れいな」を徹底的に嫌っているか、あるいはもっと大きな目的があるはず、と考える
しかし、この場に「田中れいな」のかたちをしたモノがいる…

「お前は『田中れいな』なのか?あ、ごめんね、ごめんね」
急に声を上げたので新垣が抱きしめている女の子がより強く抱いてきた
『私をおびえさせないでくれるかしら?さっきもいったけど、私は私のこころの支えよ
 なんていうのか専門用語は分かんないけど、こころの『しゅごきゃら』ってところかしら?』
おびえている少女を指さしながら、『田中れいな』の外見をもつ「ガーディアン」は答えた

(これがみやびの思う「田中れいな」の姿なのかしら?)

・・・それにしても新垣には気になっていることが先ほどあった
その姿はおそらく新垣がれいなと出会う前と推測され、14,5歳と考えられる。今よりもとげとげしい印象を受けた
しかし、新垣は言っていいのか迷ったが、さんざん迷った挙句、勇気をふりしぼり口に出した

「みやび、それがあなたの思っている田中っちの姿なのね?」
『・・・ええ、そうよ。私の知っている田中さん自身、そのものの姿よ』
「あ、そう・・・理想化にもほどがあるわね」
新垣は目の前にいる『田中れいな』の異常に膨らんだ胸のふくらみを見ながらぽつりと言った

しかし、そんなことを呑気に言ってはいられない事態だと新垣は考えていた
この心を守る「ガーディアン」が田中れいなのカタチを取っていることは衝撃的で、いつ襲ってくるか分からない
そして、なによりもこのみやびという女の目的、素性が何となくつかめた
新垣は急いで、この心から脱出しようと心を決めた

しかし・・・先ほどから新垣を抱きしめ続けている少女がいるため、簡単には脱出できない
新垣は小さく唇を噛んで、ニヤニヤ笑っている『田中れいな』の姿をしたガーディアンと対峙せざるを得なくなった
正直、敵の心を守るガーディアンといえども知り合いの姿をしていては非常に戦いにくい
493 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/30(金) 18:12:09.19 0
『どうしたんですか?ガキさん?』
動けないことをわかっていながら『れいな』は話しかける
そのにやにや笑いが一層新垣をいらいらさせる。
(この少女が一瞬でも離れれば・・・)
そんなことを考えていた時、少女の新垣を抱きしめる力が弱くなり、ゆっくりと顔を上げた

(よかった、これで無事に脱出できる。そして急いで愛ちゃんと田中っちに連絡して・・・!!)

顔を上げた少女の顔をみた新垣は驚愕の色を浮かべずにいられなかった
新垣を見ているその顔は先ほどの少女の顔から、外に倒れているはずの女の大人の顔に変っていた
そして、少女の姿をしたその女は邪悪な笑みを浮かべながら、新垣の手首を強く握りしめた

れいなの姿をしたガーディアンの声が新垣に向けて発せられる
『現実世界の私はあなたによって床に倒せさせられている。無様にもね
 そして、あなたはチェーンで私の体の自由を奪っている…アルミニウム製のチェーンで』

掴まれた手を新垣は外そうと必死になって暴れた

『知ってますよね?アルミニウムってね、電気を通すんです。それも簡単に・・・
 だから、もし、ここに電気を流せたら、どうなっちゃうんだろうね~』

「!」

『じゃあ、ガキさん、私の記憶と今見たモノ全ての記憶を忘れるんだ。
 ちょっと痛かったけど、その痛みは我慢してあげるわ…全て、計画通りですよ』

新垣は体全身に衝撃が橋いたのを感じ、その場で気を失った。

雅はゆっくりと自分を拘束した鎖をほどき、気絶した新垣に一度触れ、スタンガンを残して去って行った
494 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/30(金) 18:16:59.84 0
>>489-493
『Vanish!(6)』の前半です。題名はまた後ほど
というのも後半合わせて10を超えるから分けて落とします。
後半を落とすのは、多分0時ころになるかな?

あ、そうそう>>493の後ろから3行目の「橋いた」は「走った」の誤植です
ここの欄で書きなおしてチェックミスったのでよろしくね
495 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/30(金) 19:19:59.66 0
乙です!続きを待ってます!
れいなの無意識下の願望に涙しました
496 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/30(金) 20:59:20.32 0
あらよっと!
497 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/30(金) 21:33:05.79 0
異常に膨らんだ胸w
498 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/30(金) 22:37:51.48 0
>>494
続き待ってます

>>485
地味におもしろいw
499 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/30(金) 23:20:27.47 0
500 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/30(金) 23:49:54.42 0
いいねぇ
501 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/04/30(金) 23:56:59.68 0
ガキさんのブログマジでキターーーだね
502 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/01(土) 01:48:39.33 0
ネル南斗
503 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/01(土) 03:54:06.63 0
oyarizo
504 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/01(土) 04:47:22.10 0
>>494
みやびいいね
505 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/01(土) 05:44:06.10 O
そうそういいよね
胸なんてなくても
506 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/01(土) 08:16:31.67 0
>>494
みやびちゃんのイヤな奴キャラがいいっすね
れいなと仲間の絆を蘇らせるものが何なのか
あるいはまさかのダークエンドか
続きを待ってますよ
507 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/01(土) 09:20:19.52 0
(6日目) 
FROM みや
TO   れーな
  今日の夕方、駅前の●●というお店で待ってますね!!田中さんのお仕事の話楽しみにしてますよ!!
  今日は日曜ですけど、補修なんです…勉強嫌いですぅ


●月■日(日) PM 2:00

「おかしいの~ガキさんに連絡がつかない・・・」
高橋は自身の携帯電話で昨夜送ったままで返信の帰ってこない新垣への送信メールの履歴を見ていた
あんなに時間に関しては厳しい新垣がメールを返信してこないことはあまりなく奇妙に思えていた
そんな高橋を田中は朝から続いている笑顔で観察していた
「愛ちゃん、お客様おるんやから携帯しまっといたほうがいいと」
「あ、ごめん。れいな」

「でもガキさん、確かにおかしいっちゃね。
れーなも昨日、今日の夜にガキさんからサユにメールしたけど、どっちからも返信が来ないと」
「うん…もしかして、ガキさんになにかあったんじゃ?」
「それやったら愛ちゃん、『共鳴』して声が聞こえるっちゃろ?やけん、電池切れくらいだと思うとよ」
「それだったらいいんだけどね…いらっしゃいませ~」
「ほら、サユ来たと」

いつも通りの笑顔で道重は亀井とともに来たようだった
「愛ちゃん~いつものココアちょうだい~」
へにゃへにゃとした笑顔で亀井がカウンター前の亀井の『指定席』に座る
「さゆみは気まぐれプリンが食べたいの」
道重はカバンから鏡を取り出し、風で乱れた髪の毛を整え始めた
「どうなの?今日は外の風は温かい?それとも冷たい?」
「う~ん、まだ少し寒いですよ。春はもう少し先って感じなの」
508 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/01(土) 09:21:39.28 0
だらしなくカウンターにもたれている亀井の前にカップが置かれ、亀井は一口含んだ
「いただきま~す…あつぃ!」「もう、絵里、しっかりしてよ」
そんな光景をみて高橋は今日も平和だなと幸せを噛みしめる

そんな二人の後ろではれいなが他のお客の食べ終えた食器の回収とお会計に回っていた
「はい、ランチAメロセットですね。」

「ところで愛ちゃん、質問なんですけど」
「あ、ちょっと待ってサユ。今、注文が入ったからちょっと待ってくれる?」
高橋がれいなの注文伝票を受け取り、調理に取りかかり、れいなも食器を洗うためにキッチンの奥へと入って行く
そんな二人を見ながら未だにフーフーとココアを冷まそうと苦戦している亀井と道重は何やら会話を始めた

「はい、れいな。それから、サユ来てくれたし、あのお客様の会計が終わったら、仕事終わっていいから」
「ありがとう!愛ちゃん。しっかり気分リフレッシュしてくると」
半ばスキップのような歩き方でレジへ行き会計を済ますと、そのまま二階の『れいな城』へと向かった。
そんなれいなを道重と亀井が視線で追っていると、高橋が二人の前に戻ってきた
「どうかしたんや?サユ?なんか相談事か?何か不思議そうな眼で見てたけど」
「…あのですね、あの人、今、二階に昇って行った人」
そう言って道重はれいなを指差した
「れいながどうかしたんか?」
「れいな…あのですね、愛ちゃん、あの人、一体誰ですか?いつから働いているんですか?」
「はぁ?」
「それ、絵里もず~~~~~~と気になってました。
この前、ここに絵里たちが来たときいなかったのに今日来たらいるんだもん」

「え?ちょ、ちょっと待って、何言ってるの?」
「さゆみ、前から言ってたじゃないですか?もし、愛ちゃんが大変ならさゆみが愛ちゃんの手伝いをするって
 それなのに、さゆみじゃない子を雇ったちゃんとした理由を教えてくださいよ」
「絵里にもわかるようにお願いしますね」
そう言う二人の眼はからかっているようなふざけているようには見えなかった
509 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/01(土) 09:22:34.58 0
「な、何言ってるの?サユ、エリ?れいなはずっと、ここで…あ、ジュンジュン」
「高橋サン、何か作ってくだサイ、リンリンは今日バイトナノでリンリンの分も食べマス」
「あ、うん、でもちょっとだけ待ってくれる?れいな~ちょっと降りてきて~」
高橋は二階でおそらく服を選んでいるれいなを呼んだ
「なに~愛ちゃん。今、準備中やけん、手が離せないとよ」
「いいから、早く下りてきなさい!!」

珍しく高橋が命令口調で言ったこともあり、れいなはすごすごと階段を下りてきた
「愛ちゃん、今、ちょうど今日の服選んだところだったんやけど、これどうかいな?似合う?」
れいなはこれから楽しみにしている一時を邪魔されそうな気がして、眉間にしわをよせている
「本当にサユとエリはれいなのことを覚えてないの?」
「は、愛ちゃん、何言うとるかいな?サユとエリがれーなのことを忘れたぁ?」

道重をじっとれいなは睨みつけ、道重はビクッと思わずビビった
「あ、あの初めまして。道重さゆみと申します。こっちは亀井絵里です。よろしくお願いします
 あ、あの田中さんはいつからこちらで働いておられるんですか?教えていただけますでしょうか?」
「・・・へ?昔からやけど」
「そんなのウソダ!!」
突然ジュンジュンが大声を上げた
「ジュンジュン??」
「ジュンジュン、一年以上前からココ来テル。デモ、ジュンジュン、オマエ知らない。嘘言ってるダ」

「う、嘘、ジュンジュンも?な、何が起こっているの?」
「愛ちゃん、これどういうことなんかれーなにも分かるように説明して」
ようやくれいながこの状況を理解し出したようで、同じく困惑の色を浮かべている高橋に尋ねた
「愛ちゃんは知ってるよね?れいながずっとここで働いていて、一緒にダークネスと戦ってきたことを
 なんでサユもエリもジュンもれいなのことを覚えていないの?ねえ、教えてよ」

高橋が口を開く前に入口のベルが新たな訪問者を訪れたことを告げた
「・・・ガキさん」
510 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/01(土) 09:23:23.57 0
ゴホンと咳をして新垣は首に巻いたマフラーをはずした
「ガキさん、仕事はいいの?今日は日曜日だから忙しいはずでしょ?」
「いや~それが風邪引いちゃってね~まいったまいった、オホンオホン」
マスク姿の新垣が苦しそうにまた咳き込んだ
「愛ちゃん、はちみつ入りの紅茶お願い。喉に効果あるってみのさんいってた、確か」

そういいながらカウンター席に座ろうとする
だが、新垣は周囲の空気がいつもと違っていることにようやく気がついた
「ん?どうしたの、ほら、ジュンジュンもそんなところに立っていないで、ここ座り」
自分の隣の椅子を指さしながら、新垣はジュンジュン、道重、亀井、高橋そしてれいなの顔を順番に見た
「どうしたの?みんな?私の顔に何か付いてる?」

「あ、あのガキさん…この子知ってますか?」
そう言って道重はおそるおそるれいなを指差した
「この子、ずっとここで働いているって言ってきかないんですけど、そんなわけないですよね?
 だって、さゆみたちはずっとここで何回も集まっているじゃないですか!!
 『れいな』って名前なんだそうですけど、ガキさんは知ってますか?」

そんな道重の質問をその場にいた全員はそれぞれの思いで受け止めていた
ある者は同じように不思議に思い、またある者は期待を抱き
ある者は新垣の答えがすべてであるように受け止めていた

れいなをじっくりと上から下まで調べるような目つきで見た新垣はゆっくりと口を開いた
「あ~ごめん、私も知らないわ。いつから働いているの?
 っていうか愛ちゃん、アルバイトを雇ったなら一言私に相談しなさいよ!色々な手続きがあるんだからね」

「そんな・・・ガキさんも覚えておらんと・・・」
511 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/01(土) 09:24:10.54 0
●月■日(日) PM 4:00

リゾナントに『本日 臨時休業。』の札が出され、お客はすべて帰った。

「本当にガキさん、れいなのことを覚えていないの?サユもエリもジュンジュンも、みんなどうしたの?」
「そうっちゃ、どうして知らんふりをするとよ?」
喫茶リゾナントにはいつもと違い、重苦しい空気が流れている
その中心にいるのは『忘れられた存在』となった「田中れいな」自身だった

「愛ちゃん、どういうことやと思う?愛ちゃんはれーなのこともちろん覚えておるんやろ?」
そう言って目にうっすら涙を浮かべながられいなは高橋の手をとった
「ちょ、れ、れいな?どうしたの?もちろん、私が忘れるわけないでしょうが!!
 ほら、あのエプロンだってれいなとこの前一緒に買いに出かけたでしょ?」
道重が今つけているエプロンを指さしながら高橋はれいなの目をしっかりと見つめ返した
「ほんとうによかったと…なんで、みんなが忘れているのかがわからんけど・・・」
そういってれいなは恨めしげな視線を目の前にいる仲間達へと向けた

「そんなこといったってねえ…覚えていないんだよねえ、申し訳ないんだけどさ」
「そうなの、エリならまだしもガキさんが忘れるっていうことが考えられないの」
「ちょっと~エリだって大事なことは忘れないんだから~」
「ジュンジュンだって忘れないゾ。でも、その女は知らナイ」

「…ちょっとサユ、携帯を見せてくれない?写真を見たいの」「携帯ですか?はい、どうぞ」
道重は携帯のロックを外し高橋に渡した
暫くの間再び、気まずい沈黙が続き高橋の携帯をいじる音だけが不気味に耳に入ってくる
「・・・あった。みんな、これを見て」
高橋は道重の携帯からある画像を捜しだし、全員に見えるようにカウンターテーブルの上に置いた

「これは…」「ほら、れいなおるやん」「みんな、若いの…」「愛ちゃん髪が短い」「リンリンが細い」
携帯画面には携帯の持ち主である道重以外のリゾナンター全員で取った集合写真が映し出されていた。
512 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/01(土) 09:27:01.75 0
「この写真…覚えとるよね?ねえ、ガキさん」
その画像を信じられないとでもいった表情で見ていた新垣は顔も上げずに答えた
「うん、これは…私がダークネスと共に闘う意思をみんなで決意した日の写真だよね
 私がまだ、みんなを裏切っていた頃の写真で、これを…あの人のもとに届けたから忘れられないよ」
新垣と同様に携帯の持ち主である道重も信じられないと言った表情で携帯を手にとってじっくりと見返した
「・・・さゆみがこの写真撮ったんだもん。でも、ここにれいなちゃんが写っている…
 なんで写っているの?ここにいるってことはリゾナンターなのに、覚えていないなんて」

「愛ちゃん、れいな、思うんやけどこれって間違いなくダークネスの仕業だよね?」
「…断言はできないけど、ほぼ間違いないと思う。ねえ、みんな最近、変ったこと無かった?」
そんな質問にも、4人は何も思い出せないようで黙ったままで徒に時間だけが過ぎて行く
「何か原因があるはずだけど、それがわからないと動きにくくてしょうがないわね…」
弱音ともとられてしまうため息を高橋はついてしまった

「あ!!愛ちゃん!!」
そんなため息をかき消すようにれいなが突然声を上げた
「どうした、れいな?何か思いついたんか?」
期待に満ちた10の瞳がれいなを捉える
「違うっちゃ。そろそろ約束の時間や!!愛ちゃん…悪いんだけど30分だけ出かけて来ると!!」
「ちょっとれいな?どこにいくのよ?」
「ミヤのところ!大丈夫、30分だけ話してすぐに戻ってくるっちゃ」

「れいな!メールじゃだめなの?緊急事態なんだから・・・」
「・・・いや、直接れーながミヤに会いに行かんといけないっちゃ。ごめん、これだけは無理と」
れいなはいつになく決然とした口調でそう言い勢い良くドアをドアを閉め、外へと飛び出して行った。

そんなれいなが走って行く姿をじっと見ながら高橋は不思議に思っていた
(こんな状況でも絶対に合わなくてはいけないなんて雅ちゃんとれいなにはどんな関係があったっていうの?)

走り去っていくれいなの後姿に高橋は自分の知らないれいなの姿を見たような気がした
513 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/01(土) 09:35:31.52 0
>>489-493>>507-512
「Vanish!(6)『安らぎを奪いし刻』」(分類MM。)です
昨日は結局、飲んじゃって投下できなかったんですみませ~ん
ちょっと鬱な展開が続きます。
あ~pepperさんみたいな文章力が欲しいよ~
一応「サスペンス」風を意識してますが、笑いを入れたくなる癖(異常なふくらみetc)がある~
514 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/01(土) 12:08:10.33 O
誰も自分を覚えてないというのは想像もつかないくらいの孤独だろうなあ
515 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/01(土) 12:50:01.98 0
>>513
乙です
徐々に浸食されていくヤな感じがたまりません
サイコダイバーのガキさんまでが遅れを取ったみやびちゃんを誰が止めるのか
ダークネスがどう絡んでくるか
読めない展開が楽しみです
516 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/01(土) 13:46:48.90 0
本日夜18時より1本投下したいと思います
注意事項は下記の通りです

・蒼の共鳴本編
・最終決戦前の地味過ぎる展開

かなりの長文になってしまっているため2回に分けて更新します
後半は5/4 15時10分あたりを予定しています

それではよろしくお願いします
517 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/01(土) 15:08:29.58 0
久しぶりに蒼の共鳴本編キター!!!!!!
518 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/01(土) 17:39:14.72 0
おっとっと
519 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/01(土) 17:59:59.34 0
当駅始発の電車がホームに滑り込んでくる。
既に女性の前には数人の客が立ち、ドアが開くのを待っていた。
東京方面への上り電車、しかも始発。
皆、ボーッとしているように見せかけているが、席を確保しようと神経を尖らせている。
この僅かにピリピリとした空気に対して何も思うことはない。これが女性にとっては日常茶飯事だからだ。

ドアが開き、みな素早く目当ての席を確保しようと車内に雪崩れ込む。
女性は会社の最寄り駅で開くドア側、その中央の席を確保した。

無事席を確保した女性はレザーのトートバッグから新聞を取り出すと、今度はそれを折りたたむ。
隣り合う人の邪魔にならないよう新聞は折りたたんで読めと言っていた父は、先月定年退職した。
今は母と二人仲良く旅行に出かけている。確か、オーストラリアに8日間と言っていただろうか。
羨ましい限りだと心の底から思いながら、女性は紙面を目で追っていく。

旅行など大学の卒業旅行で行ったきりだ。
この不景気で旅行などの娯楽に収入をつぎ込む余裕はない。
正社員も安泰とは言えなくなった世の中、備えあれば憂いなしだ。
周りの女性は最終的に結婚してしまえばいいとタカをくくって、ろくに貯蓄もせずに遊んでいる。
その暢気さが女性には理解できなかった。
時代は変わった。余程稼ぎのいいパートナーと結ばれない限り、結婚後も働かなければ子供だって作れやしない。

早く景気がよくなればいいが、一度落ちたところから持ち直すのは並大抵のことではないことくらい、経済に疎くても容易に想像ができる。
今はただ、必死に働いて貯蓄するしかない。
何かあった時に親に泣きつくことだけはしたくなかった、今まで親には散々迷惑をかけてきたのだから。
520 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/01(土) 18:00:58.76 0
一面を読み終えた女性は、一旦新聞を広げる。
紙面をめくり、再び先程と同じように折り畳もうとした女性の目に飛び込んできたのは、紙面全体を使った広告だった。

“想い描いた未来のために”

明朝体で書かれたキャッチコピーに、女性は眉をしかめる。
2ヶ月程前から見るようになった、“新興宗教”の広告はこれまでも度々見てきたが。
正直、何度見ても胡散臭いという印象以外浮かばない。

“Awesome God”――素晴らしき神と名乗る宗教団体。
たった2ヶ月という短期間で信者数100万人を突破、今も尚その数は爆発的に増加しているという。
それだけでも胡散臭いことこの上ないというのに、未だかつて悪評を聞いたことがない。
匿名性の高いインターネットの掲示板ですら、そうした悪評が一つも出てこないのだ。
どんなものでも、悪評の一つくらい探せば見つかる“巨大掲示板”ですら何も出てこない。
出てくるのは信者とおぼしき人間の賛辞と。
それを自分と同様に気味悪がる人間の書き込みばかりだった。

早々にその紙面をめくり、次の紙面へと目を通す。
一刻も早く広告を見た時の薄気味悪さから逃れたかった。
たった一言のキャッチコピーと団体名以外何も書かれていない紙面からは活動内容など一切分からない。
それにも関わらず信者が増え続けている現実は、ただただ薄気味悪かった。

この不景気だ。
何かに縋りたくなる気持ちというのは分からなくもない。
分からなくもない、が。
幸い、得体の知れないものに縋らなければ生きていけないほど、自分は追い詰められてはいない。
521 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/01(土) 18:01:59.36 0
ため息を吐きながら、女性は新聞を折り畳みバッグへと仕舞う。
会社の最寄り駅まではまだ数駅通過しなければならないが、少し気分が悪い。

目を伏せながら、女性はある場所を想い描く。
それは、会社の最寄り駅からそう遠くない場所にある小さな喫茶店だった。
自分より年下のマスターと、二十歳にもなっていないだろう若いウエイトレス。
そしてマスター達の友人と思われる若い女性客がいつも談笑していた温かな場所はもう、なくなってしまった。

こういう気分の時こそ、マスターの作るコーヒーを飲みたかった。
ただ美味しいだけじゃなく、心まで満たされるあの味は…おそらく二度と味わうことはないだろう。
海外に修行に行くと言っていたが、経営難での閉業である可能性の方が圧倒的に高い。

一体、この国はこれからどうなっていくのだろうか。

最寄り駅に着いたことを告げるアナウンスに、女性は立ち上がる。
立ち上がる瞬間、窓から見えた空は――分厚い灰色の雲に覆われていた。


     *    *    *


2ヶ月振りに降り立ったホームは、最後に見た時から何も変わっていなかった。
久住小春と光井愛佳は改札を目指してホームを歩く。その足取りはけして軽快なものではない。

最後の“戦い”を終えた暁に戻ってくるはずだった土地。
思わぬ形での帰還は、若い二人の心に複雑な感情を過ぎらせる。

この街が全ての始まりだった。
“共鳴”という得体の知れない感覚に引き合わされた仲間達――超能力組織リゾナンター。
2ヶ月前まで二人はそれに所属する超能力者として、悪の“超能力組織ダークネス”との戦いと、普通の人間としての生活を両立していた。
522 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/01(土) 18:03:01.44 0
仲間達と共に戦い、傷つき、涙を流し。
心を通わせ、絆を深め、力を合わせて戦った日々――それは確かに2ヶ月前までここで起きていた現実だった。
数多の記憶が二人の脳裏に蘇り、去来する。

どちらからともなく、手を繋いだ。
“共鳴因子”を持つ者同士だけが分かる、心と心が繋がれた感覚と共に言葉では言い表せない想いが伝わり重なり合う。

大丈夫、独りじゃない。
何か起きても絶対に――守ってみせる。

改札を抜け、通い慣れた道を進んでいく。
“喫茶リゾナント”、かつてリゾナンターのリーダーである愛が経営していた店の方へと。

歩きながらも、二人は警戒を怠らない。
自分達はこの街に何の目的もなく帰還したわけではなかった。

――ダークネスの予知能力者との邂逅を果たす、そのために二人は帰還したのだから。

愛佳が視た予知夢に“干渉”してきたという彼女の目的、真意は一切不明だった。
単に話をする為だけに呼び出したとは到底考えにくい。
むしろ、今後の戦いを見据え、予知能力者である愛佳を潰す為に罠をしかけている可能性の方が余程高かった。

愛佳だけを帰還させるわけにはいかないが、だからといって集団で行動するのは周りの注目を集めすぎる。
護衛として選ばれたのは小春だった。

小春と愛佳は共鳴の相性がいい者同士であり、戦闘時におけるコンビネーションもこの街を去ってからの期間しっかりと築き上げてきた。
敵との戦闘となった場合に愛佳が一番力を発揮出来る組み合わせではあるが、実はデメリットもある。
それは、小春がトップアイドル“月島きらり”でもあるからだった。

現在、小春は芸能活動を休業しているが。
休業から僅か2ヶ月という期間しか経過していない現状では、行動中に一般人に気付かれる恐れがあった。
523 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/01(土) 18:04:00.70 0
敵との邂逅を果たしにいくという、いつ何が起きてもおかしくない現状。
小春の存在に気付いた一般人に自分達が気を取られている、その隙を狙って敵が不意打ちをしかけてこないとも限らない。
変装として髪を染め、メガネをかけてはいるが…気休め程度のものだ。
幸い、平日かつ午前中という時間帯のおかげか、今のところは声をかけられることはなかったが。

二人が喫茶リゾナントの方へと伸びる大通りに足を踏み入れた瞬間だった。
一変する空気。
ぬるりとした感覚が一瞬、二人の全身を駆け抜ける。

敵が生み出した“結界”に捕らわれた二人は、互いに視線を合わせた。

「どうやら一人、みたいやな…」

「そうだね、でも気は抜けないよ」

愛佳の呟くような声に同じようなトーンで切り返した小春の双眸に、凛とした光が宿る。
まだ相手の姿が見える位置に到達していないというのに、強い力の気配が辺りに満ちていた。

“彼女”とはかつて仲間であり、今はリゾナンター達の心強い味方となった保田圭。
圭の情報によれば彼女は戦闘能力を保持していない、だが。
愛佳は無意識のうちに、左手首につけているブレスレットに手を伸ばす。

圭が“創造”したこのブレスレットのように、戦闘能力を持たぬ者でも戦えるよう、
特別な機能を持ったデバイスを保持している可能性は0とは言い切れなかった。

不安を断ち切るように、愛佳はブレスレットに力を籠める。
それに呼応するかのように、小春もブレスレットに手を伸ばした。
瞬間、鮮やかな紅と紫の光が放たれる。

黒の“戦闘服”に身を包んだ二人は力が放たれている中心地点へと歩き出した。
524 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/01(土) 18:05:01.22 0
一歩、一歩進む毎に禍々しい気配が肌に纏わり付くようだった。
寒くもないのに肌が粟立つ。
深く、昏い。
光が一切届かない深海の中に、何の準備もないまま突然放り込まれたとでも言えばいいだろうか。
今まで経験したことのない“闇”の中。
しっかりと繋ぎ合ったこの手だけが頼りだった。

後10数メートル程で中心付近に到達するという時だった。
突然、小春の足が止まる。
後ろに引っ張られるようになった愛佳は、小春の方を振り返る。

「どないしたん、急に立ち止まって」

「…ここ…ミーを拾ってきた路地の近くだ…」

“ミー”という単語に、愛佳の瞳が煙るような光を湛える。
温かさと切なさが入り交じった懐かしい記憶が二人の脳裏に同時に蘇った。

ある日、小春が喫茶リゾナント近くの裏路地から拾ってきた子猫、それがミーだった。
ミーはそれまで仲間達と良好な関係を築いているとは言い難かった小春に、確かな変化と成長をもたらしたきっかけでもある。
生後2ヶ月も経たないような小ささだったミーは、リゾナントで日々健やかに成長していく――そのはずだったのだ。

その“事件”が起こったのは仕事のない放課後のことだった、喫茶リゾナントへと向かおうとする小春の携帯電話が鳴る。

ミーが突然、リゾナントから消えた。

まだ自分の足で歩行することすらままならぬ幼い子猫が何故、いなくなってしまったのか。

街中を駆けミーを探し続ける小春の心に届いた“声”。
それは、恐怖に震えた愛佳の声だった。
525 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/01(土) 18:06:00.89 0
声がする方へ疾走した小春の視界には、黒く歪んだ結界が展開されていた。
無理矢理引き裂くように結界内に体をねじ込んだ小春が見たものは――下半身を凍りづけにされた愛佳だった。

黒いドレスに身を包んだ女が笑う。
その手で幼いミーをお手玉のように弄び、抵抗する力を持たぬ小春を嘲笑う。

刹那。

一瞬にして、ミーは氷塊へと姿を変え…砕かれた。

小春の体を駆け抜ける激しい怒りと悲しみは、戦闘系能力を保持しない小春に新たな力を与える。
“発電-エレクトロキネシス-”、その名の通り、電気を発生させそれを自在に操作・行使する能力が。

発現した力を持って敵を打ち倒した小春は、自分の無力さに悔し涙を零す。
その時に、愛佳と誓ったのだ。

もう、誰も何も傷つけないように強くなろう、と。

頭を一瞬振り、視線を上げた小春。
その瞳に宿る光の強さに、愛佳はふっと息を吐く。
禍々しい気配を退けるような眼差しの鋭さに、不安に染まっていた心へ一筋の光が差し込んだような気がした。

気を取り直し、二人は歩みを進める。
裏路地へと足を踏み入れること、数歩。
526 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/01(土) 18:07:01.07 0
予知夢で視たとおりだった。
退廃的で生の気配がしない能面のような容貌は、同じ人間とは思えない。
黒一色の装束が白い肌を際立たせていたが、中でも二人の目をひいたのは鮮血のように赤い口紅が塗られた唇だった。

ニィッと、口角がつり上がる。
光を宿さない瞳が一瞬で二人を貫いた。
背筋に走る得体の知れない寒気に、二人は繋ぎ合う手に力を籠める。
そうしなければ相手の放つ禍々しい気配に飲み込まれてしまいそうだった。

「視た通りね…久住小春、そして光井愛佳。
あなた達二人が来ることは私の予知通りよ」

飯田圭織。
ダークネスの“不戦の守護者”と謳わる予知能力者。
その予知能力の確度は、数十年先の未来をも正確に読み取ると言われている。

そもそも、未来は刻一刻と姿形を変えるものだ。
通常、視る対象の未来が現在より遠ければ遠いほどその確度は落ちる。
なぜならば、無数に広がる未来という“可能性”はこの瞬間にも形を変え続けているのだから。

10秒先の未来を“想像”することは予知能力者でなくとも容易い。

だが、1日先はどうだろうか。
10日後は?
1年先は?

普通の人間ならば漠然とした形でしか想い描けない未来を、僅かのズレもなく読み取る。
まさに“神”の如き所行を彼女はいとも容易くやってのけるのだ。
527 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/01(土) 18:08:01.23 0
闇の予知能力者と光の予知能力者の邂逅。

――静寂の中、早鐘のような鼓動の音が内耳に木霊していった。


     *    *    *


「…今のところは圭織一人だけみたいね」

保田圭の呟きに、室内の空気がほんの僅かに緩む。
山梨県の青木ヶ原樹海。
広大な樹海の地下に建造された施設の一室に設置されたモニターには、飯田圭織と久住小春、光井愛佳の姿が映し出されている。

「しかし、保田さんすごいですよね…。
あんな小さなピアスの中に音声も受信出来るカメラを内蔵しちゃうなんて」

小川麻琴の呟きに、居合わせた面々は一様に頷く。
2人が身につけている直径1センチ程の薔薇を模したピアス、小型カメラはその中に埋め込まれていた。
手にとって至近距離で見ない限り、カメラが埋め込まれているとは気づけないだろう。

圭の持つ超能力“創造-クリエイション-”。
既存の物を自分の思うがままの物へと作り替えるこの能力のおかげで、こうして二人の状況を見守ることができる。

画面から視線を外すことなく、高橋愛はブレスレットに手を触れ戦闘服を身に纏った。
それを見ていた他の面々も同じように戦闘服を身に纏っていく。

現時点では何も起きていない、が。
何か起きたその時には、すぐにでも駆けつける態勢を整えておく必要がある。
敵が一人だったということで僅かに緩んだ空気が、再びピンと張り詰めた。
528 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/01(土) 18:09:01.47 0
見つめ合う三者の様子を見守る愛達。
重苦しい静寂を切り裂いたのは、モニターから流れる会話ではなかった。

けたたましいサイレンの音。
突然の事態に何事かと慌てふためく愛達を横目に、圭は素早くキーボードを叩く。

「…森の南、ここから500メートルの位置に何者かが侵入したようね。
警報が鳴ったということは、間違いなく一般人じゃない」

圭の言葉に愛達は視線を交わした後、部屋を飛び出していく。
その後を追おうとした麻琴を引きとめ、引き続きモニターに映る三人の監視を続けるよう言いつけてから、圭は愛たちの後を追う。

胸騒ぎが止まらなかった。
自分の生み出した結界装置はダークネスの持つそれと同等の性能を有しているのだ。
自分の、そして愛達の居場所を特定出来ぬようにと特殊な仕掛けを施した結界は、一級の能力者でもまず感知できない。
実際、何年もの間圭はダークネスの人間に見つかることなく今日まで過ごして来られたのだから。

では、何故、侵入者が現れたのか。

警報が鳴った時から感じていた違和感、その正体は一体何なのか。
愛達の後を追いながら、圭は必死に考えていた。

先を行く愛達の姿が視界に入る頃、ようやく圭は違和感の正体に気がつく。

――結界を破壊された形跡がない。

結界を破壊することなく内部に侵入することなど、まず不可能なはずだった。
そもそも、何重にも張られた特殊な結界を破壊しようと思ったら相当なエネルギーが必要不可欠だ。
例え結界に攻撃を加えられずとも、付近にそれだけの巨大なエネルギー反応があったら監視システムが異常を感知する。
529 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/01(土) 18:10:03.59 0
だが、そんな異常な反応は感知されなかった。
そして、結界にも攻撃を加えられた様子はない。

前を走る愛達の背中が大きくなってくる。
考え込む圭の脳裏に閃いた、あり得ないとは言い切れない、一つの可能性。

そんな、まさか。
だけど、“彼女”ならば可能かもしれない。

前を走っていた愛達が動きを止める。
追いついた圭もまた、足を止め――己の考えが的を射ていたことを知る。

かつて、ダークネスが“M”という名を名乗っていた時期。
その当時から彼女はこう呼ばれていた――“空間を支配する者”と。

“空間支配”という、他に類を見ない超能力を有し。
その能力名の通りあらゆる空間を支配する、銀翼の言霊使いと対をなす最強の能力者。

確かに彼女の能力ならば、結界に触れることなく結界内に侵入可能だ。
――彼女はこの世界のあらゆる空間を支配する者、それはおそらくこの結界内部の空間も変わらない。

「…しばらく見ないうちに老けたね、圭ちゃん。
新垣も何だか随分大人っぽくなって…時の流れは早いねぇ、本当」

緊迫した場面に相応しくない、無邪気な微笑みはあの頃と変わらなかった。
金色のオーラを纏った彼女と圭の視線が交錯する。

――記憶の中よりも随分と大人びた“後藤真希”との再会に、圭は強く拳を握り込んだ。
530 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/01(土) 18:12:07.58 0
>>519-529
[Blue-R] 『蒼の共鳴第二部-The anthem of darkness-』
前半は以上になります
531 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/01(土) 18:22:05.57 0
電車の中で読んだんだけど引き込まれちゃった
後編が楽しみ
532 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/01(土) 18:47:32.16 0
面白かったです
早く4日になるのを待ってます
533 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/01(土) 20:02:18.28 0
最強コンビこはみつの活躍に期待!!
ダークネスの大物たちとどう渡り合うのか!?非常に楽しみです!
534 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/01(土) 22:08:32.30 O
保全ッチになればいい
535 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/01(土) 22:13:02.47 0
なんか続々ときたね
うれしいかぎりデス
536 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/01(土) 22:33:13.83 0
久々のこはみつコンビに、ゴールドのオーラを放つ“空間の支配者”…!! 盛り上がってまいりました!!

導入部も一見関係無いようでいてグッと世界に引き込んでますね
537 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/01(土) 22:34:09.66 0
蒼の共鳴きてるー
読む前に復習しなきゃw
538 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/02(日) 00:38:45.66 0
( ・e・)<本当に最後の曲です

( ・e・)<田中っち
539 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/02(日) 00:42:46.54 0
不覚にも吹いたw
540 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/02(日) 03:51:31.59 0
寝る前に一応ホゼナンター参上しとく
541 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/02(日) 05:55:05.40 0
>>530
小春がミーを助けた路地裏という”蒼の共鳴”が始まった場所で何が起こるのか、それとも何かが終わるのか4日が待ち遠しいです
そしてかつて保全で書かれた永遠殺しの師弟対決が実現するのか
これまた楽しみです
542 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/02(日) 09:35:58.73 0
>>530
最初に出てきた女性の話が気になる
どう絡んでくるんだろう?
早く読みたいね
543 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/02(日) 11:46:45.35 0
今日も出勤の俺がホゼ
544 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/02(日) 12:18:34.12 0
最初に物凄く所帯じみた普通のOLの視点で語られてるから話全体にリアリティがにじみ出てくるんだろうな
545 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/02(日) 14:51:33.16 0
何か耳に痛い意見だこと
546 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/02(日) 16:07:01.58 0
悩み多き者達よ
集えAwesome Godの旗の下に
547 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/02(日) 16:27:51.07 0
30日のリンリンのブログにリゾスレっぽいものを感じてしまったw

小さいころから忙しくて友達とかと過ごせる時間もすくなくて普通なことに憧れてたこととか
良い仲間に出会えて自分は孤独じゃないってこととか

まぁ普通の生活を送ってこなかったってところなんだが
548 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/02(日) 16:32:20.67 0
おぉど真ん中だねw
549 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/02(日) 18:28:04.90 0
リンリンってどういう子供時代を過して来たんだろう?
名家お嬢様だという噂は本当なのだろうか?
550 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/02(日) 18:58:56.49 O
実際のリンリンの話だよね?w
詳しくは知りようがないけどある程度上流のお嬢さんであるのは確実だと思うよ
芸歴が現メンバーの中で一番長いのもw
551 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/02(日) 19:34:31.86 0
中国政府の高官の娘だとか
大富豪の娘で父親から使用限度額無制限のカードを持たされてるとか
狼では様々な噂が飛び交ってるねw
そういったイメージから刃千吏の総統なんて設定が出てきたのかもね
552 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/02(日) 20:27:37.30 0

      -喫茶リゾナントには誰でも記入することが出来るノートがある-

そこには店を訪れたお客様からの意見・メンバー達の伝言などがぎっしりと書き記されている
どの日付にも色んな筆跡でたくさんの文字が躍っている

うぇぇおぇぇ丼の味付けが濃かった、ウェイトレスがキャワッ、リゾナントおやじキモ
今日は私がオゴリマス AHAHAHA、小春は最強のアイドルだね、誰がミヤコ蝶々やねんetc...

そんなノートの最終ページ
何も書かれていない真っ白なページには特別な意味がある

そこに書き込むにはペンも筆も要らない
特別なチカラで意志することでのみ書き込める秘密のページ

そんなページに書き込まれたリゾナンターのサブリーダー新垣里沙からリーダー高橋愛への伝言の数々
リゾナントを襲う様々な出来事、小春の中で起きつつある変化、闇を打ち払う決意

この物語はその秘密のページに綴られた特別な七週間の記録である
553 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/02(日) 20:28:30.10 0
2009/11/18(水) 「SHIP! TO THE FUTURE」

今日の任務は共鳴堀の怪魚ごなつよに関する被害実態の調査だった
小春なんか最初のうちは「怪魚の調査なんかするんですか?」って不服そうだった
でも実際に飼い犬を襲われた男の子の涙を見たら真剣になってたよ 感心 感心

でも顔色はあんまり良くなかったなあ ちゃんと夜眠れてるのかなあ
医療センターにはちゃんと行ったと言ってるけど
何だかお説教をするのを忘れちゃったよ

今日はいつもと一味違う任務をこなしたことで メンバーの色んな顔を見れたような気がしたよ 愛ちゃんは気づいたかな?

リンリンはいい子だよね
愛ちゃんの迷案に文句も言わず アヒル化してごなつよを誘き寄せるための囮役をつとめてくれたし

れいなはごなつよの姿にビックリして いきなりパイロキネシスで攻撃を仕掛けちゃったね
正体がはっきりしてたならどんな強敵でも れいなはひるまない
だけどああいう不気味な相手だとちょっと臆病なところがあるよね

ジュンジュンは見直したわ
ごなつよに呑み込まれている犬やリンリンのことをちゃんと頭に置いていて 冷静な判断をしたよね
ああいうところを見るとやっぱりリゾナンターの中ではお姉さんなんだなあと思うよ

もしも ほんとにもしもの話だけど もしも私たち二人がリゾナンターからいなくなったとき
誰がリーダーやサブリーダーを務めるか考えたことはない? 私は生涯リゾナンターだけどさ

カメやさゆなら立派に大役を務めてくれると思うけど ジュンジュンがその候補になったっておかしくはないよね
一度ジュンジュンとはゆっくりと話してみたいなあ

食材確保の為の釣りは残念な結果に終わったけど あんな風にのんびりと釣り糸を垂らしてると気分が癒されるよね
このまま全てがうまくいってくれるといいんだけどなあ
554 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/02(日) 20:29:18.24 0
2009/11/19(木)  「女子かしまし物語2」

今日は小春とゆっくり話すつもりで スケジュールを調整してもらったんだ
そしてリゾナントに来たと思ったらいきなり警戒警報が鳴って おまけにペッパー警部までが出動してきたので驚いたよ

ピンクの悪魔から私たちを保護するのが目的だって聞いた時は 新しい敵の出現かと一瞬悩んだよ
そしたら さゆがピンクの悪魔だって

さゆにキス魔の傾向があるのは前からわかってた
ステージの上ではよく愛ちゃんが狙われてたね
愛ちゃんを巡って私とさゆの間で火花が散ったことがあるんだけど 愛ちゃんは気づいてた?

でもアルコールが加わることによって さゆがピンクの悪魔になるだなんて想像したこともなかったよ
精神感応や予知能力が使えても 身体能力的には大したことがないさゆが 全員の唇を奪うなんてね

ゴメンね 愛ちゃんを見殺しにして
でも怖くなったんだ 外で襲われているれいなたちの悲鳴を聞いてたらたまらなく怖くなったんだ
お店の中で愛ちゃんを 続いてジュンジュンやリンリンを襲ってるさゆを見てたらもうたまらなくなったんだ

でも 結局私もピンクの悪魔に唇を奪われちゃったんだけどね
あんな熱烈なキスをああいう形で体験するとはホント思ってなかった はあ

でも誰がさゆのことを止めてくれたんだろう

ペッパー警部も全滅したらしいし リゾナントおやじの人たち? まさかね
酔いが醒めたさゆに聞いても覚えてないし
いずれにせよあの悲劇を二度と繰り返さない為にも ピンクの悪魔対策を立てとかないと
555 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/02(日) 20:30:10.88 0
2009/11/20(金) 「さよなら SEE YOU AGAIN アディオス BYE BYE チャッチャ!」

リゾナントの外で 毎年向日葵が咲くじゃない
毎年といってもここ2,3年のことだけど 

愛ちゃんも不思議に思ってたよね
愛佳は一年草の向日葵が毎年勝手に咲くなんて有り得へんって言ってた
一年草なんて難しい言葉をよく知ってるよね 
知らなかった私がおバカさんなのかYO 

れいなはお店の常連客の誰かが種を蒔いてくれたのかなって言ってたけど それなら一声かけてくれそうなもんだしね
小春は何の気なしに鳥とか虫が運んできたんじゃないんですかって言ってたよね
でも向日葵の種を咥えて飛んでる鳥なんて見たことないし 虫が運ぶのは花粉でしょ

今日その犯人が判ったよ
犯人と言っちゃかわいそうかな
きれいな花を咲かせてくれたんだからさ
リゾナントの外に向日葵の花を咲かせてくれてたのは…内緒

今日リゾナントに来た時に向日葵が咲いてた辺りの土をいじってたメンバーがいてね
もしやと思って問い詰めたら打ち明けてくれたんだ
別に隠すようなことでもないんだけど 内緒にするという約束をしちゃったからね

真相は十年後か二十年後か三十年後
リゾナントと同じようにたくさんの向日葵の花に囲まれた喫茶店が開店した時に教えてあげるよ
その時までリゾナントも頑張って経営してね マスター
556 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/02(日) 20:31:03.68 0
2009/11/23(月) 「独占欲」

今日の夜は前から言ってたように ジュンジュンと話をしたいんだ
リゾナントを使わせてもらってもいいかな
愛ちゃんにも加わってもらいたいんだけど 二対一だとジュンジュンも緊張するかもしれない
だから最初は私とジュンジュンだけで しばらくしてから愛ちゃんも参加してよ

少しアルコールが入ったほうがジュンジュンも喋りやすいかな
その辺はマスターに任せるよ
でもお酒を用意するんだったら さゆには内緒だよ
あの子もこの間の件で大分反省したみたいだけど 酒は人を変えるからね

今日はリーダーとかサブリーダーの件について話すつもりはないよ
純粋にジュンジュンやリンリンのことをもっと知りたいんだ
あの二人の絆は相当強い

私はこれまで二人が同じ国 同じ町で生まれた同じ獣化能力者だからだと考えてた
でもこの前の怪魚ごなつよの事件で思ったんだけど それだけじゃ済ませられない何かがあの二人にはある

それを知っておきたいんだ
勿論無理強いは出来ない
するつもりもない
誰だって心の奥に仕舞っておきたいことはあるからね
557 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/02(日) 20:31:51.80 0
2009/11/24(火) 「YAH!愛したい!」

昨日の晩はありがとう
愛ちゃんが用意してくれたバナナ酒のお陰で ジュンジュンとの話も弾んだよ
強烈な香りがしたけど 一体どのくらいの間漬けてたのさ
何だかんだいってもちゃんとメンバーのことを考えてるんだね 

カメとさゆが連れて来たジュンジュンたちに出会ったときのこと覚えてる?
故郷をキョンシーから守る為に協力してという二人の頼みを即OKした愛ちゃんのこと甘いって思ったよ

わざわざ外国にまで助けを求めに来たジュンジュンたちのことも虫が良すぎるって思ってた
でもあの二人の過去を聞いてしまったら あの時の自分の考え方はあさはかだったと思う

それぐらい苛酷な体験を二人はしてきた
他の獣化能力者の能力を奪いながら強くなっていく霊幻道士にお父さんを倒されたジュンジュン
ジュンジュンを思い通りに動かす為の人質として霊幻道士に捕らわれたリンリン
霊験道士を油断させるためにその手下として忠実に働き 町の人の罵声を浴びたジュンジュン
囚われの身でありながらジュンジュンを信じ続けたリンリン

あの二人は一緒にギリギリの死線を乗り越えてきた
絆が強いのも当たり前だね

でも運命って不思議だよね
もしもあの二人が能力者の助けを求める為に 日本とは違う国に向かってたら
もしもカメやさゆがあの夜 ジュンジュンたちのいる遊園地に行かなかったら
ジュンジュンとリンリンはリゾナンターに入ってなかったかもしれない
そう思うと人の運命を変える出会いは必然の出来事なのかもしれないね

ところで「ミティ」という名前がジュンジュンの口から出てきたときに愛ちゃんの顔色が少し変わったような気がしたんだけど
何か気になることがあるんなら私に話してよ 気が向いたらでいいからさ
558 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/02(日) 20:32:43.26 0
2009/11/25(水) 「友達(♀)が気に入っている男からの伝言」

【OYD】の連中は日を追うごとに手強くなってる
今日攻撃してきたプラトウーンにも手こずらされた
小春の電撃が決め手になって勝利を収めることはできたけど奴らの強さの根源はどこからくるんだろう
一度ゆっくりと分析してみないといけないね

それよりも気になったことがあるんだ
またかって思われるかもしれないけど 小春のことなんだ
チカラを発動させるときにちょっと無理をしてるんじゃないかなって気がしたんだ
肩に力が入りすぎてるというか 空回りしてるというか
前はもっと自然に雷を落としてた気がするんだけどね 愛ちゃんはどう思う?

小型蟹マシーンに受けたダメージの後遺症が残ってるのかなあ
医療センターに引きずってでも連れてないと たくぅ

すれ違いになって会えなかったけど今日はお店につんく♂さんが来てくれてたんだね

昔から私たちのことを見てくれている人がいて そんな人たちに私たちは支えられている
私たちもそんな風に誰かを支えられるんだろうか
559 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/02(日) 20:34:03.71 0
2009/11/26(木) 「パープルウインド」

今日の敵襲はトンネルの工事現場
【OYD】の攻撃目標は脈絡が無さ過ぎる
本部のコンピュータで奴らのこれまでの襲撃ポイントを解析してみたけど関連性は見られなかった
でもコンピュータはいくつかの仮説を弾き出した

私たちの消耗を狙ったという仮説に始まって、陽動、攪乱、情報収集
でも私はそのどれもが正しくて どれもが間違ってるって気がするんだ
奴らは私たちに負けることで強くなってる まるで敗北で受けた屈辱と憎悪をエネルギーに換えてるみたいに

愛ちゃんは今日の戦闘のことを気にしてるみたいだね
でれいなと小春がトンネル内に閉じこめられ 作業員の人たち共々酸欠の危機に陥ってしまった
でもあれは防ぎようが無かったと思うよ

奴らの操る重機との戦闘 負傷者の救出を同時に行わなければならない状況では完璧な判断を下すことは出来ないと思う
全てを自分一人で背負い込まないで

私たちは完璧な存在じゃない
誰かがつまづいたときは他の誰かがカバーすればいい 今日のカメみたいにね

でも小春はどうしちゃったんだろう
あんなに雷を落としまくるのが好きな子がそれを拒むなんて
あの子の中で何が起こってるんだろう
とにかく今は敵の次の襲撃が起こらないで欲しい
その間に何とか打開策を練りたいんだけど
560 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/02(日) 20:35:41.86 0
>>552-559
「友達(♀)が気に入っている男からの伝言(2)」です

ちなみに>>305-312 「友達(♀)が気に入っている男からの伝言(1)」の続きですな
開設ラッシュのメンバーブログの巡回に追われ妄想を形にする時間が不足気味ですが
ミラクルズ全話に寄生してやろうっていう邪心だけは満々です
561 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/02(日) 20:56:33.12 O
>>560
いやー…おもしろい!
一つの話を膨らませるパターンもすごく楽しめますが こうして全てを繋いでいくのもまた違った形でかなしみ戦隊の世界が膨らみますね
ガキさん視点に絞っているのがまた効果的です

それにしてもほんといい話多いですねかなしみ戦隊シリーズ
このクオリティで100を軽く越える数を書かれているかなしみさんの凄さも改めて感じさせてもらいました
562 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/02(日) 21:54:31.35 0
これもまた『かなしみトリビュート』!! ガキさんのブログと言い切り口がすごすぎるw

リゾスレのガキさんっぽさがあふれてますね
563 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/03(月) 00:15:41.25 0
最近作品多いねー
GWだからかな
564 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/03(月) 01:13:00.53 0
>>560
おもろかったです
2009/11/19(木)の最後の釣りうんぬんで去年のテレ東CM捕獲作戦おもいだしたの俺だけ?w
565 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/03(月) 02:51:12.45 0
元ネタになってるかなしみ戦隊ミラクルズで貼られてる画像がテレ東CMのやつでしたからねw
566 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/03(月) 07:00:24.05 O
多才だなあ
567 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/03(月) 08:28:22.74 0
もう一つのかなしみ戦隊って感じだねw
568 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/03(月) 10:26:21.59 O
Another Vers …だね!
569 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/03(月) 11:23:21.16 0
570 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/03(月) 11:29:55.41 0
治癒能力者は影にかくれて傷ついたみんなを癒すわけですね
571 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/03(月) 12:32:29.23 O
さらわれたさゆみを奪還するとこかも
572 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/03(月) 12:53:26.61 O
なんか最近戦隊ものブームだねw
573 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/03(月) 15:14:31.41 0
>>569
ギニュー特選隊を思い出した
574 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/03(月) 15:18:00.26 0
古いなwww
575 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/03(月) 16:43:08.84 0
想像の種は尽きまじですな
576 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/03(月) 18:53:02.65 O
特戦隊じゃなかったっけ
577 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/03(月) 20:06:19.57 0
最初の頃は戦隊ものってイメージだったわリゾナンダー
578 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/03(月) 20:23:36.91 0
>>560
遅ればせながら
面白いねコレ!
579 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/03(月) 22:06:10.36 0
緻密に組み上げてるって感じだ
580 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/03(月) 23:50:25.54 0
さてと
581 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/03(月) 23:51:06.72 0
WIKIも更新来てるね! 43話総括が少しづつ上げられてるよ!
「リゾナンター」の項に「世界観図説」も入ったし!
582 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/04(火) 00:02:53.50 0
偽乳なメンバーが数人いるからな
583 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/04(火) 00:54:20.70 0
偽乳特戦隊リゾナンター!! …つーかおい!このネタは止めろ!!またスレが危ない!!
このネタはダークネスも絡んで来る可能性が宇和なにをするあせdrftgyふじこlp
584 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/04(火) 02:56:13.79 0
また一人逝ったかホゼナンター
585 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/04(火) 06:26:24.96 O
おおぉ!ウィキ乙!

>>582
うまいな!w
586 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/04(火) 09:25:04.00 0
初期の頃にリゾナンターの歌的なのなかったっけ?
どっかのサイトで自動作成してくれるかなんかってやつ
ギニュー特戦隊の映像が使われてたような
587 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/04(火) 10:38:36.57 0
こっはーナンター
588 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/04(火) 11:39:00.88 O
ノリo´ゥ`リ<小春かしわもち作ったんでメニューに加えてくださーい!

川*’ー’)<……ごめんこれは無理

Σノリo´ゥ`リ
589 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/04(火) 11:50:40.33 0
wiki更新乙!ってまた途中かな
やっぱ総括凄い

あとサボリンありがとー
いつでも帰ってきてね
590 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/04(火) 13:09:36.10 0
>>586
それ覚えてないわ
591 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/04(火) 15:02:32.88 0
もうすぐかな
592 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/04(火) 15:09:16.38 0
サボリンサンキュー!


何もしなくて良いから、たまには顔を出してね!
お茶ぐらい出すからね!!
593 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/04(火) 15:10:15.98 0
警戒されている。
指先一つ動かしただけでも、彼女達は自分に飛びかかってくるに違いない。
一触即発とはまさにこのことだと内心で笑う。
まぁ、あんな呼び出し方をされて警戒するなという方が無理な話なのだが。

それにしても、強く鮮やかな光を宿した瞳だ。
――かつての自分も、あれだけの光を放っていたのだろうか。

飯田圭織は緊迫した空気を一切気にすることなく、微笑みながら対峙する二人を見つめていた。
見つめ返してくる彼女達の瞳が心地よかった。
まだ弱い、だが、いずれこの圧倒的な闇を貫く一筋の光になれる可能性は十分にある。

脳裏を過ぎる、“主”の顔。
彼女もおそらく、モニターごしに二人の少女を見つめていることだろう。
共鳴因子という無限の可能性をその身に宿した、自分達の“後継者”とも言える少女達を。

もう少し、彼女達を見ていてもよかったが。
あまり悠長に時間を過ごすわけにもいかない、自分に残されている時間はもう僅かなのだ。

とはいえど、用件だけを端的に伝えて帰還したら間違いなく主に小言を貰ってしまう。

彼女達は気付いていない。
この呼び出しを単なる罠だとしか思っていない彼女達は。

拳を振るい、能力を使うことだけが戦いではない。
本格的な戦いの前に、彼女達の心に不安の種を蒔いておくのもまた戦いのうちだ。

自身が内包する“闇”をより一層溢れさせる。
それは微かに瞬く星のような彼女達を押し潰さんばかりに、強く、重いものだった。
594 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/04(火) 15:11:15.42 0
やがて、その闇は圭織の手のひらの上で凝縮し――1枚のカードへと形を変える。
カードに描かれていたのは、崩壊寸前の“塔”の絵柄だった。
それを無造作に2人の方へと投げ、圭織は口を開く。

「それ、あげるわ。
圭織がついさっき視た未来、それを“形”にしてみたの。
あ、タロット占いって分かる?
そのカードの意味、今教えてあげてもいいけど…まぁ、絵で何となく分かるよね」

互いの情報を把握している以上、名乗り合いから会話が始まるとは思っていなかったが。
全く想定していない会話の始まりに、小春も愛佳も困惑の表情を隠せない。

小春が屈み、そのカードを拾い上げて愛佳にも見えるように胸の高さに掲げる。

崩れ落ちようとしている塔から人が落下している。
その絵柄はとても明るい未来を暗示しているとは思えなかった。
むしろ、なにか暗い霧のような、ざわざわと肌を泡立たせる不吉な粒子をそのカード自体が発している。そんな錯覚にすら囚われる。

カードを見つめ、圭織の行動の真意を探る2人。
圭織のとった行動は警戒を強めていた2人を油断させるには十分だった。
その隙を飯田圭織は見逃さない。

「あ、先に言っておくけど、今日は話をしに来ただけだから変なことしないようにね。
圭織にもしものことがあったら…即、ダークネス幹部が何人もくるわよ。
――そのピアスのことは大目に見てあげるから、ね」

弛緩しかかった二人の心に走る動揺。
意味不明の言動で油断させたところにすかさず投げられた牽制球は、見事なまでに効果的だった。
だが、愛佳だけはその動揺からすぐに立ち直る。
595 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/04(火) 15:12:15.22 0
圭織は予知能力者なのだ。
呼び出しに応じる自分達のために、圭がピアスに細工を施す未来をあらかじめ視ていてもおかしくも何ともない。
愛佳の声が伝わったのか、程なく小春の心も落ち着いてくる。

その様子を見つめながら圭織は笑みを深くする。

さすがにこの程度の牽制球では、すぐに立ち直ってしまうか。
やはり昔のようにはいかないようだ。
あの頃のまま弱い能力者であった彼女達ならば、間違いなく今の牽制球だけで冷静さを失っていただろう。
相手の放つ強い力に心を飲まれ、少し冷静になれば分かることで強く動揺していたに違いない。

彼女達は語るに値しない弱者ではなくなったのだ。
少なくとも、想い描いた未来をその通りにならないようにできるだけの力は持ち合わせるようになった。

だが、それだけだ。
それだけでは――この深い闇を貫くことはできない。

「…とはいっても、カードもあげたし…圭織が言いたいことは一つしかないの。
――こちら側の準備は今日で終わる、それだけよ」

言い捨て、圭織は彼女達に背を向ける。
結界内に現れた転送ゲートへと足を踏み出した圭織の背中に、どういうことだと叫ぶ声が突き刺さる。
帰りに何処かでTVを見れば分かるわと呟いた圭織は、不意に足を止める。

ああ、もう一つ言っておく必要があった。

圭織は首だけ振り返り、愛佳の瞳をしっかりと見据えて口を開く。
596 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/04(火) 15:13:22.64 0
「予知能力…未来を予知するその力は確率を視則する能力、とも言えるの。
まぁ、簡単に言っちゃうと、予知する対象に起こるであろう未来を確率として読み取るってことなんだけど。
確率として読み取ることが出来るということは、その確率を変動させたり、
変動させた確率を確定させることも可能、ってことなの。
光井愛佳――あたしは、想い描いた未来を“確定”するわ」

「…愛佳は神様でも何でもない、けど…あんたのやることを阻止出来る力があるのに、黙って見過ごすなんてことはせぇへん。
あんたが想い描いた“未来”を確定しようっていうんなら、愛佳はそれを阻止するわ」

“宣戦布告”に応える声に、圭織の口元に笑みが広がる。

できるものならやってみればいい。
まだ“雛鳥”でしかない、あくまでも可能性を持っているに過ぎない者達よ。

――これから待ち受ける悪夢のような未来を、変えられるものなら変えてみるがいい。

振り返ることなく圭織は転送ゲートへと足を踏み入れ、その場から消え去った。
程なく、辺りを覆っていた結界が緩やかに解けていく。

戦ったわけでもないのに、凄まじい疲労感が二人の体を支配する。

一人でここを訪れなくてよかったと、心底思う。
一人だったならば、彼女が常に放ち続けていたおぞましい闇の気配に飲まれていたに違いない。
ただ、彼女はその場に立っていただけだったというのに。
597 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/04(火) 15:14:23.83 0
二人の体を薙いでいく温い風。
湿度を孕んだ風は、じきにここに雨が降ることを伝えている。


――だが、二人はしばらく、その場に立ち尽くしたまま動かなかった。

     *    *    *

突き刺さるような視線。
殺気にも似たプレッシャーを放つリゾナンター達を後藤真希は笑顔を崩すことなく眺めていた。
ともすれば、今にも戦闘が起きそうな程緊迫した空気がこの場を支配している。

自分自身としては、今この場で戦うことに何の躊躇いもない、が。
主を差し置いて勝手な行動をするのはさすがに気が引ける。

内に沸き上がりかかった“衝動”を押し殺しながら、真希は口を開いた。

「そんなに怖い顔しなくてもいいじゃん。
今日は新垣に届け物を届けにきたんだ」

突然名前を呼ばれた新垣里沙の顔に動揺の色が浮かぶ。
記憶の中よりも幾分か大人びた里沙を見つめながら、真希はゆっくりと手を頭の高さから振り下ろした。
リゾナンター達にとって真希の能力は初見のものである。
張りつめた空気の只中には不釣り合いのゆったりとした動作ではあるが、振り下ろされた彼女の手に対し、彼女達は応戦すべくほぼ反射的に身構えていた。
しかし、眼前で起きた事象により、彼女達の目は驚愕の色を伴い見開かれることとなった。

何もない空間に“切れ目”が入る。
その切れ目から覗くのは、玉虫色の“亜空間”だった。
本来、能力者であってもお目にかかることはまずない光景に、圭と里沙以外の誰もが息を飲んだ。
598 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/04(火) 15:15:23.53 0
後藤真希は勿体ぶるように、切れ目へと腕を差し入れる。
その動きの緩慢さに、一挙一動を見つめる里沙の心が大きくざわつく。

ゆっくりと引き抜かれていく腕、その手が掴んでいるのは――人の腕のようだった。

里沙の体を寒気が支配する。
徐々に腕以外の部分が見え始めるにつれ、里沙の顔から血の気が引いていった。

ぐったりとした様子の横顔は、最後に顔を合わせた時よりも大分やつれていた。
自分で立ち上がるだけの力がないのだろう、引きずられるように地面に膝を突いたのは。

「はい、新垣が大好きななっちだよー。
ほらぁ、皆拍手しなよ、姉妹のように育った二人の麗しい再会なんだからさ」

里沙の姿を視界に捉えたなっちと呼ばれた女性は、思うように動かぬ四肢に力を籠めて立ち上がる。
一歩、一歩と焦れたくなるような速度で歩き出す女性の姿に、里沙は弾かれたように駆けだした。

里沙が両手を伸ばしたのと、女性の体が崩れ落ちたのはほぼ同時だった。
女性の体を抱き留めた里沙は、何度も何度もその名を叫ぶ。

安倍なつみ。

里沙にとっては命の恩人であり、リゾナンター達と同様にかけがえのない存在だった。
里沙を助ける為に自らの命を賭け麻琴とリゾナンター達を圭の元へ向かわせた、その後の所在が不明だったなつみ。

裏切り者には死を、それがダークネスの掟。

生存する可能性は限りなく低いと、半ば最悪の結果を覚悟していたのだ。
だが、こうして彼女は生きていた。
五体満足とは到底言い難い状態ではあるものの、生存しているという事実に里沙の胸は躍る。
599 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/04(火) 15:16:22.36 0
早く安静にさせなければと、なつみを抱えかけた腕がピタリと止まる。

おかしい。

何故、後藤真希はわざわざなつみを自分達の元へと連れてきたのか。
しかも、なつみはあの忌々しい拘束具を装着していない。
なつみの持つ強力な能力を封じる拘束具、それを外したままの状態で解放するということはダークネスにとって脅威以外の何でもないはずだ。
一体どういうことなのか、里沙には皆目見当も付かない。

なつみと里沙の視線が交錯する。

悲しげに揺らめく瞳から涙が伝い落ちていく。
薄く開いた口が、何かを伝えようとしきりに動いている。

何を言っているのかよく聞き取れない。
口元にまで耳を寄せた里沙に届いたのは、それまで2人を静観していた真希のものだった。

「さて、帰る前に…新垣に紺野からの伝言を伝えとくね。
“歌えないカナリア”にはもう用がないので差し上げます、だって」

歌えないカナリア?
カナリアとはなつみのことだろうか?

歌えなくなった?
あのなつみが、歌えなくなった?
一体、彼女は何を言っているのか分からない。

耳に蘇る優しい歌声、温かな話し声。
聞く者の心を優しく揺らすあの声がなくなるわけがない。

そんなことがあっていいわけがない。
なつみの歌声が、声が、この世界から消えるなんてあってはならないのだ。
600 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/04(火) 15:17:21.99 0
点と点が、里沙の意思とは裏腹に綺麗に繋がっていく。
拘束具を付けていないなつみを解放する理由があるとすれば、それは。

再び、里沙となつみの視線が交錯する。

先程からしきりに動く口元からは――何の音も紡がれてはいなかった。

「うあああああああああああああ!!!!」

咆哮と共に、里沙の体から凄まじいエネルギーが放出される。
このまま里沙を放置しては、何重にも張られた強固な結界が破られかねない。
それまで事の成り行きを静観していたリゾナンター達は里沙の元へと駆け寄ろうとして、動きを止める。

苦しい。
内側から体を突き破られようとしているような激しい痛みに、皆一様に苦悶の表情を浮かべる。

里沙の激しい怒りに共鳴因子が反応しているのだ。
圭の元で“覚醒”し、以前とは比較にもならない程の共鳴が可能となったリゾナンター達にとって、今の里沙の暴走は苦痛以外の何でもなかった。
暴走する里沙を止めなければならないというのに、心は、共鳴因子は強く激しく里沙の想いに反応する。
止めるどころか、自身の力までも暴走しないように歯を食いしばり耐えるしかなかった。

7人もの強力な能力者、しかも共鳴因子の効果でその力は何倍にも何十倍にも膨れ上がる。
ここに居る全員が暴走したら間違いなく結界は破壊されるだろう。
それどころか、この森ごと吹き飛ばしかねない。
601 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/04(火) 15:18:22.70 0
藻掻く愛達の背中に走る寒気。

敵を迎え撃つ準備が十分に出来ているとは到底言い難かった。
そもそも、この森にあるのは愛達の能力を引き出し鍛えることを主目的とした施設である。
大勢を相手に戦う為の設備があるわけではない。
加えて、ここには圭や麻琴、そしてなつみがいる。
今のこの状態では守るべき者を抱えながら戦えるだけの余裕などなかった。

「あー、心配しなくても、結界が破壊されたからってごとー達はここには来ないよ。
ていうか、ここを潰すなら最初からみんな連れてくるし。
ごとー個人としては、ここで戦ってもいいんだけどねぇ。
――んじゃあ、届け物も済んだし…帰るね」

溢れる強大な力と、藻掻くリゾナンター達。
それをしばし眺めていた真希は、不敵な微笑みを残しその場から消え去った。

怒りを向ける矛先が消えたことで、里沙の暴走はようやく止まる。

風が木々を揺らす音以外、何の音もしない空間。
苦痛から解放されたリゾナンター達はその場に膝をつく。

誰も言葉を発することが出来なかった。
ほんの数分にも満たない時間だったというのに激しく体力を消耗している。共鳴因子に逆らい続けた結果だった。

愛は必死に里沙の元へと歩み寄る。
里沙とは共鳴の相性が一番いい上に、精神感応能力の持ち主でもある愛。
誰よりも里沙の想いがダイレクトに伝わる愛の消耗は、他の仲間達の比ではなかった。
だが、愛は今にも倒れそうな体を引きずるように、一歩、また一歩と歩みを進める。
602 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/04(火) 15:19:22.56 0
座り込み項垂れている里沙を、背中からそっと抱きしめる。
いつも頼ってきた背中がひどく小さく感じられて、胸を言いようのない感情が締め付けた。
何も言えない自分が悔しくて唇をきつく噛みしめ、涙を堪える。


――静寂が訪れた森に、里沙の嗚咽する声だけが木霊していった。

     *    *    *

駅へと向かう小春と愛佳の間に会話は殆どなかった。
無言の二人の脳裏を占めるのは、鮮やかに笑う圭織と不気味な言葉のみだった。

大勢の人が行き交う駅に直結しているデパート。
小春と愛佳はそのデパートにある家電売り場へと足を向ける。

“帰りに何処かでTVを見れば分かるわ”

一体どういうことなのか。
TVコーナーへと近付く度に、二人の心は大きく揺れ動く。

店員以外僅かな客しかいないTVコーナーへと、二人が足を踏み入れた時だった。

『続いては芸能ニュースです。
あの伝説のアイドルが芸能界復帰、緊急記者会見を開きました』

流れてきた音声に小春の体が一瞬だけ震える。
明らかに様子がおかしい小春に言葉をかけようかと愛佳が迷う内に、映像がスタジオからVTRへと切り替わった。
603 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/04(火) 15:20:23.43 0
幾つものTVに映るのは――伝説として今も語られるアイドル“AYA”だった。
だが、二人にとってAYAはそれだけの存在ではない。

――AYAは、ダークネスの幹部の一人“粛正人A”でもあるのだ。

圭が得たデータによると、AYAは元々類い希な能力者だったという。
ある事件に巻き込まれたAYAは、その際にMのメンバーの一人でもあった“藤本美貴”と出会う。
その能力を買われて、芸能界を引退し…Mのメンバーとして活動していた。
もっとも、AYAがMのメンバーであった期間はごく僅かなのだが。

二人とも画面から目を離さない。否、離すことが出来なかった。
質疑応答に笑顔を交えながらも淡々と答える“A”は、小春が過去に対峙した時よりも幾分か年齢を重ねているようだった。

圭織が見ろと言っていたのはおそらくこのことなのだろうが。
一体何の目的で芸能界に復帰したというのだろうか。全く意図が掴めなかった。

再び画面が切り替わる。
次に画面に映った人物を見て、小春と愛佳の心臓は大きく脈打った。

実物には未だに会ったことはない。
だが、データでは何度も見たことのある顔が笑顔を浮かべながら記者達の質問に答えている。

中澤裕子――ダークネスの総統である彼女が何故、この場にいるのか。
そこでようやく、二人は画面の端に表示されていたテロップに目を向ける。

“AYA、復帰第一弾の仕事はあの新興宗教団体の広告塔!”

二人は顔を見合わせる。
新興宗教団体という聞き慣れない単語と、Aと、中澤裕子。
604 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/04(火) 15:21:25.40 0
この二人がいるのだ、裏でダークネスが絡んでいることは間違いないだろう。
それは分かる。
だが、言い換えればそれ以外のことは一切何も分からなかった。

立ち尽くす二人の耳に、圭織の声が蘇る。

“こちら側の準備は今日で終わる。”

得体の知れない不安、恐怖が二人の心を支配する。
どちらからともなく繋ぎ合う手と手。


――震えが止まらないことを誤魔化すように、二人は繋ぎ合う手に力を籠めた。
605 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/04(火) 15:23:10.27 0
>>519-529>>593-604
[Blue-R] 『蒼の共鳴第二部-The anthem of darkness-』 了
作品の裏話をブログの方でしていますので興味のある方はどうぞ
606 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/04(火) 16:48:13.90 0
ダークネスが恐ろしすぎる
先が気になります

あとこのタイミングでの投下には意味があったんだね
おめ!
607 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/04(火) 17:41:48.44 0
安倍さん大変な事に…!! しかしあらためてダークネスのキャラポジションは新鮮な感じはしますね…

そして大きな区切りのうp、お疲れ様でした&おめでとうございます!!
608 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/04(火) 19:13:09.71 0
飯田さんのキャラクターの作りこみが素晴らしいですね
深く魅力的なキャラになってって思わず惚れました
609 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/04(火) 20:20:32.82 0
>>605
料理で言うところの下拵えは完了っていうかんじですかね
それにしても後藤さんの憎らしいことったらまったく
AYAの動向やら色々と楽しみなことが多くてw
610 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/04(火) 21:23:17.66 0
サボリンこっそり更新してくれてたのか
マジありがとう
611 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/04(火) 22:41:51.72 Q
感謝感謝だよね本当に
気軽な立場でまたふらりと来てくれると嬉しいね
612 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/04(火) 23:54:56.78 0
今日の娘。コンPA席によっすぃー
自分的設定では確かリゾナンターの後方支援をしてる筈なんで、こういう形で絡んでくると
それが現実に反映されたかのようでなんか不思議な感覚w
613 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/05(水) 02:18:39.72 0
夜中なのに
リゾリゾ食べたいよ





マスター!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
614 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/05(水) 06:39:34.78 Q
携帯が規制されたよマスター…
615 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/05(水) 07:02:11.65 0
イーモバなんかずーっと規制やっちゅーねん
616 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/05(水) 09:59:49.65 Q
Qにだってできるんだ
スレを守るくらいは…
617 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/05(水) 11:27:56.01 0

こんにちわ。またお会いしましたね。ペッタン・コーパルですイェイイェイ!

今日はまた一つ、『かなしみ文書』についての新たな発見をご紹介したいと思います!

それはあの、多くの『かなしみ文書』研究家に強いトラウマを与えたと言う恐怖の文書…。かなしみ戦隊リゾナンターSS『いいことある記念の瞬間』ですッ!!
実は世紀の大発見!!“あの事件に参加していた人物”の「日記」が発見されたのですッ!!

リゾナンターたちが【超強力睡眠薬】で眠らされてしまった喫茶リゾナントに迫る敵…。それを撃退したのは、非能力者である常連客たちだったと記されています。
しかし皆さんは、疑問を感じなかったでしょうか?たとえ強化スーツを着込んだとはいえ、ただの一般人…。なぜ彼らは敵を撃退できたのだろうか?と。

しかし、今回発見されたこの日記には、その謎を解く鍵があったのです…。もし、その「常連客」の中に、ある「格闘技」の専門家たちがいたとしたら…?

*** *** ***
618 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/05(水) 11:29:31.87 0

SS4年2月25日

この日は素晴らしい出来事があった。
場所を終えた後に、よく行くお気に入りの喫茶店に、幕下の新弟子3人を連れて行ったんだ。

そこにはいつもキュートな笑顔の、ちょっと訛のあるマスターと、少しヤンキーっぽいけど、博多弁バリバリの喋りが可愛いウエイトレスさんがいて…。
そしてOLさん風から大学生、高校生、なぜか中国からの留学生まで、バラエティに富んだ、しかしなぜかみんな飛び切り可愛い常連さんたちが集まっている、僕のお気に入りの場所だった。

しかも実は…。ここだけの話、あの!トップアイドルの!月島きらりちゃんが!ここの常連なんだ!
最初は眼を疑ったよ。僕はきらりちゃんの大ファンなんだ!しかもよく来てるんだよね。それも僕がここに入り浸る大きな理由だった。

しかし、今日はそこで異常事態が発生した。僕は今日もお店にいたきらりちゃんを見つけて、離れた席から今日も可愛いなあ…なんて、それとなく見てたんだけど…。
かなり眠そうな様子だったきらりちゃんが、突然テーブルに突っ伏して寝てしまったんだ。

最初は周りの常連さんたちが心配して見てたんだけど、すぐにその常連さんたちもバタバタと倒れて行ってしまって…。
そしてなんだか苦しそうだったウエイトレスさんや、とうとうマスターまでもが倒れてしまったんだ。
619 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/05(水) 11:30:16.71 0

そして同時に店の外に現れた怪しい人影…。黒装束に身を包んだ、見るからに怪しいヤツラが店を取り囲んで侵入して来ようとしている…!明らかにヤバイ!!

しかし、突然「保田さん」と呼ばれている常連のオバハンがみんなに号令をかけた。
このオバハン…ある意味、外にいる連中よりも怪しげなんだけど…。

でも、いつもいる常連のオッサンたち、愛造さんや豆吉さんは事情がわかっているようで、素早く指示に従って、なんと!あの「リゾナンター」のスーツを着込み始めたんだ!
このお店のマスターやウエイトレスさん、そして常連の女の子たちは、実はあの正義の味方「リゾナンター」だったんだよ!!

僕は絶対無理だ!って言ったんだ。だけど大丈夫って言われて…、とうとう僕も「リゾナンタースーツ」を着込む事になったんだ。
確かに素晴らしい伸張性があって、僕も、新弟子たちも何とか着る事が出来たよ。結局最後には破れちゃったけどね…。

そして次々に侵入してくる「敵」と戦う事になったんだ!
僕も当然腕には覚えがあるからね。新弟子たちとどんどん「敵」を投げ飛ばしていったんだ。
でも、いかんせん投げ飛ばすだけじゃあ「敵」のダメージも少なくて…。また襲ってくるんだよね。これじゃあキリが無い。
そして僕たちはともかく、一緒に頑張っている愛造さんや豆吉さんたち、オッサンたちには疲れが見えてきたんだ。

これはヤバイな…。そう僕が思い始めていたその時…。きらりちゃんの寝言が聞えたんだ。

「…小春、“のど輪”好きィ~…」
620 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/05(水) 11:31:02.14 0

そう、きらりちゃんの本名は小春って言うんだ。もちろん僕は知っていたさ。そして彼女はTVで「相撲講座」をやるほどの相撲ファンなんだ!

そうだ!のど輪だ!これならダメージが大きいかも!!さすがきらりちゃん!!

「のど輪ッ!」「のど輪ァアッ!!」「のど輪ァァァアアア~ッ!!!」
ガンガン「敵」に勢い良くのど輪をブチかましていく。「張り手」もいいけど、人間の「急所」であるのどを突かれて吹っ飛んだ「敵」は次々とのびていく。
のびた「敵」には、愛造さんや豆吉さんたちが止めを刺して外へ放り出していった。

なんだかノッテ来たぞ!ちょっとヒーローの必殺技っぽくしてみようか!?
「超のど輪ッ!」「超のど輪ァアッ!!」「超!超!超!超!超のど輪!!」

そして最後はなぜかきらりちゃんの寝言とユニゾンになったよ。
「のどチョオ----------------------ゥ!!」

…こうして僕らは「敵」を撃退できたんだ。皆の力ときらりちゃんのおかげだね!

眼が覚めたリゾナンターの皆も、僕たちの勇姿を見て安心したのか、また眠ってしまっていたなあ。
スーツの開発者だと言う小川さんも、感激で涙目になっていたよ。

…そして、この事件がきっかけで…、なんと僕は芸能活動もしているリゾナンターの皆さんと『NHK福祉大相撲』に出演する事になって…。
そしてついには、リゾナンターを抜けたきらりちゃんの代わりに「リゾナント・レッド」として、ダークネスの魔女・ミティと戦う事にもなったんだ。

この日は、まさに僕にとって『いいことある記念の瞬間』だったんだね。

  時津風部屋 西の関脇 豊ノ島 大樹
621 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/05(水) 11:33:25.98 0
>>617-620

以上、『いいことある記念の瞬間』ペッタン・コーパル編 …でした。

…ホントすいませんしたッ!! …まあ、元の作品もトラウマになるくらいスゴかったんで、お許しいただきたい…。
622 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/05(水) 11:58:29.98 0
超のど輪ってw
623 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/05(水) 12:15:22.15 0
小春どんな夢見たかよw
624 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/05(水) 12:52:11.12 0
相撲取り裸で風邪引かんの話ともリゾナントしてるわけね
芸が細かいw
こういう話には面白れぇっていう賛辞しか思い浮かばんわ
625 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/05(水) 13:06:17.12 Q
豊ノ島あんとき店におったんかいwww
笑わせてもらった
スレを守った甲斐があったよ
626 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/05(水) 14:21:53.28 0
>>621
大長編トリビュートとの差がありすぎw

しかしこれはこれで名作ですね
かなしみ戦隊だけでなくよろセンやらNHKやら他作品やらの小ネタも取り込んでてお見事です
かなりの大惨事(?)だったにもかかわらず
>この日は、まさに僕にとって『いいことある記念の瞬間』だったんだね。
…のひたすら平和な一言で締める豊ノ島関がツボに入りましたw
超!超!超!超!超いい切り口でしたw
627 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/05(水) 14:26:32.72 0
>>621
あんた面白いわ
628 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/05(水) 15:10:04.24 0
>>621
ワロタまた貴重な資料が見つかったなw
629 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/05(水) 17:44:09.85 0
本当にうまいねぇ
630 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/05(水) 19:52:14.04 0
GWは仕事で何も書けなかった俺がホゼ
631 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/05(水) 21:14:22.13 Q
代理のQ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ふたたび登場、ペッタン・コーパルですッ!イェイイェイ!

皆さん資料の貴重性を認めていただき、ありがとうございますッ!何人かの研究者の方にご指摘をいただきましたが、
この文書は、発見者自身の「信憑性にかける」との言葉で、正式な「リゾナン史」の記録には残されていない、

リゾナン暦(42)267-270 『相撲取りゃ裸で風邪ひかん』事件の文書を裏付けるものでもあります!

また、これは私のような久住小春研究者以外には知られていない資料かもしれませんが、大相撲研究家であったと
される久住小春が、謎の必殺技「のどちょう」について語ったものがこれです!
http://www.youtube.com/watch?v=Vb9aJkgdsug#t=1m40s

ぜひ皆さんのリゾナン史の研究にお役立てくださいッ!!
632 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/05(水) 22:55:19.36 0
今日は愛佳がみなさんに伝えなくてはならないことができたのでこうやって話しかけています

これまでリゾナンターには何回も危機が訪れました。
ダークネスにより幾度となくリゾナントを破壊されそうになったか…
メロンシリーズや冬の女王、ピンク色の悪魔…敵を数え上げればきりがないですね

しかし、愛佳達リゾナンターは互いに協力しあうことで乗り越えてきました
その根底にあるのは『共鳴』という名の信頼の力なのは間違いないはずです

かつて新垣さんが私達を裏切ろうとした時も新垣さんの心の迷いを感じ、救いに向かいました
新垣さんを許せない時期もありましたけど…特に田中さんとジュンジュンはその傾向が強かったけれども
でも今は『本当の』仲間になれたんだと思っています

だからこそ、愛佳はこの状況を受け入れられないんです…だって

愛佳の目の前にはもう動かなくなった新垣さんの姿があるんですから…

                ☆   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆

今からほんの数時間前の出来事になります
「ガキさん~ちょっとどうしたの?あけてよ!」
地下のトレーニングルームのドアを高橋さんがドンドンと叩く音が本を呼んでいた愛佳の耳に入ってきました
喫茶リゾナントには珍しく全員揃っていて、田中さんと道重さん、亀井さんは2Fで新メニューの会議中
1Fでは久住さんはハーブティーを飲み、リンリンはパフェを食べ、ジュンジュンはファッション誌を見てました

「誰か~地下室の合いカギ持ってきて~」
高橋さんの声が聞こえたので愛佳はキッチン奥にかかってある合いカギを持って地下室への階段を下りていきました
「高橋さん、どうかしはったんですか?」
高橋さんに鍵を渡しながら、愛佳は訊きました
「ガキさんがね、この中に入ってから数時間たつのに出て来ないんよ。
 特訓している割には静かすぎるし…そろそろお茶にしたいんだけどね」
633 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/05(水) 22:56:11.98 0
そういう高橋さんの横にはお盆に載ったまだ湯気のたっているポットとマグカップが置いてありました
愛佳は地下室につながるドアに耳を当ててみたんですけど、確かに中で動いている音はしなかった
高橋さんが「ガキさん、入るよ~」と言いながらドアノブをまわしました
ドアを開けた時エアコンが動いていたので、愛佳にとっては少し暑かった

「何しとるんよ?ガキさん、ほらお茶にしようよ」
新垣さんは部屋の真ん中に椅子を置いて、入口に背を置いて座っていました
少しうつむいて、少し脚の長い椅子に座っているので、新垣さんの足がぶらんぶらんと揺れていた
なので入口から見ただけでは新垣さんの表情を確認できませんでした

「ガキさん?寝ちゃったのかな?ほら、お茶にしよう」
新垣さんに近づき、肩を揺さぶっているのを高橋さん越しに愛佳は見ていました
ゆさゆさと新垣さんをふっていても新垣さんは何の反応も示していませんでした
「…ガキさん?」

愛佳もおかしいな?と思っていると、新垣さんの体がゆっくりと前のめりになって床へと倒れて行きました
その光景を見ていると、世界がスローモーションに進んでいるように感じました
愛佳の口はあけっぱなしになり、おそらく高橋さんも目を丸くしていたに違いないと思います
「ガキさん?ガキさん?どうしたの?・・・!!」
急いで新垣さんを抱き起した高橋さんはさらに一層大きく目を見開き、驚愕の表情を浮かべた

高橋さんに抱きかかえられた新垣さんは高橋さん顔負けの驚愕の表情をしたままで動かなかった
思いっきり目を開き、胸を抑えた新垣さん
その胸元は新垣さんが着ていた赤いマキシワンピ以上に赤く染まっていた
その胸から流れた赤い液体は新垣さんの座っていた椅子や床にも付着し奇妙な水玉模様を描いていた

「・・・愛佳、みんなをここに入れないようにしてくれる?もう、少ししたらいくから先に行ってて」
目に涙を浮かべながら高橋さんは1Fに上がるように愛佳にしか聞こえない大きさの声でお願いするように頼んだ

                ☆   ☆   ☆   ☆   ☆   ☆
634 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/05(水) 22:58:06.26 0
そうして先ほど高橋さんがみんなに新垣さんが「殺された」ことを告げた
仲の良かった亀井さん、道重さん、情に熱いジュンジュンが普段からは考えられないほど取り乱した
リンリンはというと信じられないといった感じでぼけーっとした表情で固まっていた
久住さんと田中さんは高橋さんに現場を見に行かせてと先ほどから頼んでいるが、一向に許可しない
結局、高橋さんが折れてみんなで一緒に現場を訪れることになったんですが・・・
愛佳もしっかりと部屋の様子をしっかりと調べることが出来たのでみなさんに状況説明します

現場となったのは喫茶リゾナント地下一階。フローリングの小さい体育館ほどの大きさのトレーニングルーム
入り口となるドアは1つしかなく、地下室なので窓はありません
そのドアの鍵は内側からしっかりかけるタイプのもので、外側からは簡単には開けられないものです
ただ、そのドアの合い鍵は愛佳が取りに行ったキッチンの奥にかけられていて、誰でも取れる状況でした

被害者となった新垣さんの胸には赤い染みができていて、どうやら鋭利な刃物で刺されたようでした
しかしその刃物は部屋のなかでは見つかりませんでした
愛佳の見たてでは凶器となったのは包丁のようなもので、一度しか刺されていないようでした
それから椅子に座っていた所をどうやら前から刺されたと思われます
薬を飲まされてから刺されたのかは判りませんが…新垣さんが意識があるうちに刺されたとは考えにくい
椅子には赤い染みが数個つくられていて、それらは完全に乾いていました

傷口は怖くて見れなかったんですけど…触った感じではよくわからなくて、ちょっと濡れていました
血がついていたのは体と椅子、床、それから口の周りくらいでした

それから、この地下室へ行く道は階段しかなくて、その階段もキッチンの奥にあるのでどうしても目につきます
ただ、階段で上に行ったのか下に行ったのか判断できるのは一番奥とその手前のカウンター席で注意して見るときだけですね
二階に上がったり、地下のシャワールームに行くためにこの階段を使うことは十分にありますね…

それから大事なことなんですけど…新垣さんが来てから発見されるまで誰も来ませんでした
もちろん勝手口からの侵入者もありませんでしたし…ダークネスの気配も全く感じられませんでした…
新垣さんの『助けて』という声も…
635 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/05(水) 22:59:47.42 0
先ほどから高橋さんがみんなの新垣さんが来てから発見されるまでの行動を事情聴取しています
高橋さんも信じたくないけれど…もしかしたら、この中に犯人がいる可能性もありますし
涙目になってますよ、高橋さん…辛いのは分かってますよ
愛佳もそうですもん、本当の仲間と思っていたはずの中に裏切り者がいるかもしれないなんて

みなさんのために、高橋さんがみんなに聴きまわったものを愛佳がまとめました
大事なことなんで先に教えますね。新垣さんが訪れたのは一番最後でだいたい2時くらいでした
そして…発見されたのは5時くらいです。その間ずっと一人であの部屋にこもっていました。

(田中さん)
定休日の今日は朝からずっとリゾナントの掃除をしていた(高橋さんが証言済み)
1時ころ亀井さん、道重さんが訪れたので2Fのリビングで新メニューについて話し合っていた
もちろん数回ほど1Fに降りて飲み物を取りに行ったりしたけど(愛佳も見ています)
5分以上1Fにいたことはないと言い張っています。
ちなみに途中で亀井さんと二人きりになった時間がけっこうあったと証言しました

(亀井さん)
先ほどまでちょっと落ち着きがなかったんですが、今は落ち着いています。
午前中に道重さんと市場に行ったそうです。買った苺をガキさんに食べさせたかった…泣きながら言っています
1時ころに訪れて、すぐさま2Fに行ったそうです。
3時ころに冷蔵庫からケーキをもらいに降りてきて、包丁とケーキを持って階段の方へいくのを久住さんが見ています
1Fに降りてきたのはそれくらいとのことです

(道重さん)
亀井さんと同様に市場に行って、1時くらいに来てすぐに2Fに行ったそうです
途中で忘れ物をしたことに気がついたようで一度家に帰ったそうです。
時間としては1時45分くらいに出て、帰ってきたのは2時20分くらいとのことです
なぜ覚えているかと言うと、リンリンが徹子の部屋が終わるころに道重さんが出て行ったのを見ていたからです
おそらく時間を誤って覚えていることはないと思います。リンリンですから
636 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/05(水) 23:01:17.02 0
(久住さん)
新垣さんを除いたメンバー全員でもっとも遅くリゾナントを訪れました
『1時30分くらいです』と言いました(久住さんは自身の手帳を見ながら答えていました)
カウンターの一番手前に座ってずっと雑誌を読んだり、ハーブティーを飲んだりしていました
高橋さんと健康についての言葉を交わして、リンリンが食べているのをじっくりと観察していたそうです
ほとんど座っていたそうですけど、愛佳は10分ほど久住さんがどこかに行ったことを覚えています
久住さんは「倉庫」に行ったと言っておりますけど…アリバイはありません

(ジュンジュン)
朝からリゾナントにいて、高橋さん、田中さんと共にお掃除をしていたそうです(両者証言)
そのせいか疲れてしまって、一番奥のテーブルで寝ていたときに愛佳はリゾナントに来ました(1時くらい)
起きたのはだいたい3時30分くらいだと思います。
「顔、洗ってくる」と言って2Fの洗面台へ向かっていきました
…ただ愛佳が気になっているんですけど、顔を洗うだけなのに20分以上も帰ってこなかったんですよね
メイクはそれなりにしていたし、今日もナチュナルメイクなのであまり変わっていないのに…
同じころにドタンと二階から物音がしてきたんですけど、道重さんが「ごめん~」と謝ってました

(リンリン)
リンリンとは朝、偶然出会ったので二人で一緒にリゾナントに来ました
確か12時30分くらいだったと思います。愛佳が証言します
それから高橋さんにランチを作ってもらって、愛佳が勉強している横でリンリンも日本語の勉強をし始めました
亀井さん、道重さん、久住さん、そして新垣さんが来たのも見ていますし、ほとんど1Fにいました
途中で高橋さんに頼まれて勝手口までゴミを運ぶために20分ほど席をはずしましたが、それは高橋さんが証言しています
汗を流すために地下のシャワールームを使ったと言っています(3時くらい)
その時、トレーニングルームではドタンバタンという音がしていたそうです
637 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/05(水) 23:01:57.56 0
それから高橋さんなんですけど、高橋さんは今日は朝からずっと掃除に明け暮れていたとのことです
田中さんとジュンジュンも行ってますけど、朝はキッチンと二階を徹底的に掃除したそうです
二階は田中さんに任せて、ジュンジュンと二人でレンジ周りやフライパンをぴかぴかにしていたそうです
その分出たごみをリンリンと一緒に出しに行き、その後は自分の部屋でゆっくりと宝塚のビデオを見ていたとのことです
高橋さんが自分の部屋に入って行ったのは、リビングで会議中だった3人が確認しています
「そのDVDの音楽が部屋から漏れていて会議が進まんかったと!」と田中さんはいうてました。
5時くらいに終わったので新垣さんにお茶を出そうと地下に向かったところ、鍵がかかっていたそうです
そこで愛佳を呼んで、鍵を開けたところ・・・新垣さんを発見したとのことです

え?愛佳ですか?
・・・愛佳はリンリンと同じ時間に来て、宿題をして終わったら本を読んでました
座っていた席は入り口近くの二人掛けのテーブルです…一番日の光が入るんで。
席?いつもここですよ。たいていみんな座る場所は決まっています
え、リンリンの席ですか?リンリンは愛佳の二つ隣にある2人用のテーブルです。そこで本を読んでました
愛佳は席を外したことはないですね。もちろん…トイレには行きましたけど、一度だけですから!

そういえば、愛佳、新垣さんがトレーニングルームに向かう時に妙に荷物が多いと思ったんですよね。
いや、その荷物はほとんどがジャージとかならわかるんですけど、新垣さん私服だったので…
なんでトレーニングルームにいたのに動きにくい服装だったんやろって気になったんですよね
あと、新垣さんのカバンがトレーニングルームに置かれていたんですけど、中身が空だったんですよ…
財布とか携帯も何も入っていなくて…強盗なら簡単でええんですけど、そうじゃなさそうやし…
638 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/05(水) 23:03:29.37 0
確かに新垣さんはちょっと口うるさいところはあったかもしれません
でも、それは愛情の裏返しだと愛佳は思っています
それか生粋のつっこみタイプの性格のどちらかなのだと思わざるをえません

正直信じられないんですよ…仲間の誰かが新垣さんを…グスン…新垣さんを…
悔しいのか、悲しいのか、怒っているのか、自分の気持ちがわかりません

そんなことを思いながら愛佳はこっそりと地下のトレーニングルームを一人で訪れています
さっきと同じ状況にしておかなくてはならないのですけど、やっぱりこの部屋は暑いですわ
可哀そうな新垣さん…こんなところで…

あれ?なんだ、新垣さんの手に紙切れが見える。もしかしてダイイングメッセージかもしれない
怖いけど勇気を振り絞って取ってみますね、えい!

なんやこれ?「→」とだけ書かれた紙の切れ端が出てきました。



{問題編}
さあ、新垣を『殺した』のは誰で、その方法とは?どうやって誰にも見つからずにことをなし得たのか?
639 motor[] 投稿日:2010/05/05(水) 23:05:45.99 0
>>632-638
『GW、首都圏のホゼナンターが千秋楽だ!お台場だ!と騒ぎたてている間に生まれた事件』(other)です
推理物読みたいとおっしゃっていたので急ごしらえで書きましたよ♪
リゾナントの建物の構図は2Fは『[Works](04)748』 、1Fと地下は『[Works](31)154』を参照してください
それから「解決編」は1週間後くらいに出します(多分)
まだ書いていないから・・・もちろん、結末は考えてますけど、急いで書きます

しかし、これだけなら…いくつも解答出来るよな(汗
640 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/06(木) 00:15:07.04 0
う~ん……これは確かに解答を一つに絞れなさそうな
でも解答編がくるまでに色々考えてみるのもおもしろいかもですね
641 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/06(木) 01:26:05.56 0
相変わらず色んな手法で楽しませてくれるなあ
各メンバーの行動をチャートで書こうとしてみたけど何気に無意味だったりしてね
スレ住人の各々の推理を書きこんでいってもいいかもね
642 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/06(木) 04:08:42.80 0
おやりぞ
643 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/06(木) 07:01:45.73 O
おはようリゾナンター達
644 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/06(木) 08:16:33.45 0
>>639
相変わらず達者やなあ
容疑者が能力者ばっかりだとミステリーとして成立しな
い気もするけど解決編が楽しみです
645 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/06(木) 10:40:08.34 0
申し訳ないが謎は解けてしまったよ

多分犯人は殺すつもりはなかったんだと思う
しかし結果的にガキさんは死んでしまった……それは何故か

おそらく犯人は凶器が致命的な深さまで刺さると思っていなかったんだろう
しかしガキさんは犯人よりも皮膚表面から体内までの距離がはるかに短かった……

ガキさんの死を聞いて「信じられない」という表情で固まっていたメンバーがいたのは覚えていると思う
そう…殺すつもりはなかったんだ
彼女にとっては致命傷になりえない深さだったから……

あまりにも悲しい事件だよ……色んな意味でね……
646 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/06(木) 12:55:18.24 0
ま解決編を待とうや
647 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/06(木) 14:16:50.53 0
愛佳今回は結構本気で台本書いたな
648 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/06(木) 15:28:54.69 0
ああそういう話もあったわ
649 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/06(木) 17:11:00.40 0
下痢で腹痛リゾ
650 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/06(木) 19:14:38.94 Q
ふくつうなんてふくつの精神ではねのけてふっくつするんだ
651 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/06(木) 19:30:56.28 0
>>639
もしかしてリンリン?
まさかね・・・
解決編を首を長くして待ってますよ
652 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/06(木) 21:01:23.36 0
きっと氷を使ったんだよ
氷といったらあの人しかいないじゃないか
最近暑くなってきてムシャクシャしてるんだ
653 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/06(木) 22:51:51.65 Q
後は頼んだ……
654 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/06(木) 23:14:46.26 0
>>649
つ正露丸
655 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/07(金) 00:21:32.49 0
それうさぎのフンじゃ
656 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/07(金) 00:29:43.59 0
俺さんかよw
657 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/07(金) 00:37:23.84 0
住人がダブってるなあw
658 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/07(金) 02:43:13.10 0
こはるうううううううううううぅ
659 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/07(金) 06:59:38.83 O
おはようリゾナンター達
660 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/07(金) 08:40:01.56 0
スレ総括本当にすごいなあ
661 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/07(金) 11:15:43.96 0
>>657
数少ない現メンのネタスレだからね
662 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/07(金) 12:00:08.46 0
wikiスレで訊こうかとも思ったのですが保全も兼ねて

http://www39.atwiki.jp/resonant/pages/188.html

↑こういうの…やってもいいと思います?
というかやっちゃったんですけど…
もし反対意見があるようならもちろん消去しますので

ないやいさん無断でパイロット版に名前と作品を使ってごめんなさい;
663 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/07(金) 12:36:00.20 0
反対はせんが力の入れ所が違ってるような気がしないでもない
664 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/07(金) 12:41:06.29 0
それとは別に作者って項目があるんだし不要に思える
作者名というものを前面に出すということは投下数が少ない人を自然と後ろに追いやってしまうし
665 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/07(金) 12:57:25.00 0
好きな作品を書いた作者さんの作品を追っかけてみたいっていう人には便利かも
666 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/07(金) 13:05:04.54 0
作品を読み直したい時にも便利だな
オレは賛成だ
667 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/07(金) 13:40:02.19 0
作者の項目と統合するのがいいと思うがどうか
668 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/07(金) 13:57:17.50 0
>>662です
したらばwikiスレにグダグダと理由などを書いておきました
余裕のある方は覗いてみてくださいませ

>>667
できればそうしたかったですが容量制限があるんですよ…
669 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/07(金) 16:01:30.04 0
670 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/07(金) 17:10:14.78 0
「→」と書かれた紙を新垣さんの握っていた手から取りだしたんやけど…これは一体何なんやろうか?
裏返して見ても…リゾナントのレシートの裏やったし、新垣さんは一体何を言いたかったのか?

まあ、これを高橋さんのところに持っていってみようと思います
ここに残った残留思念があるかもしれませんし、高橋さんならなにか読みとれるかもしれないですし
一旦、ここから出てますね…クーラーかかりっぱなしで暑いですし、何か冷たいものを飲みたいな

あ、そういえばここの鍵の形状をみなさんには教えていませんでしたね
ここの部屋の鍵は、なんて説明すればいいんでしょうかね?「普通」の鍵です
いわゆる玄関とかについているような通称「ピンタンブラー錠」というものです
え?普通名前なんてわからないですか?・・・愛佳もWikiで初めて知ったんです!

それでですね、その合い鍵はいつも厨房の壁にかけられていたので誰でも開けることは出来ます
でも、その合い鍵の置いてある場所は久住さんの指定席から丸見えので、もし誰かが取ったら久住さんが気づくはずなんです
でも、久住さんは「今日はみっつぃしか取ってませんよ」なんて証言しております
コンロの横くらいの位置に懐中電灯とか勝手口のドアの鍵と一緒に置いてありますから、お客様も知ってますよ
あ、ちなみに今日はGWの振り替え休日だったんですよ…せっかくの休日が、残念です

え?一度、鍵をかけてみればいいんですか?一応、確認して見ればいいんですね?
一応、指紋が付かないようにハンカチを手に載せてっと
カチッ、カチッ・・・普通にかかりますよ。壊れてなんていませんよ
見た目に何か変化はないかですか?ん~いつもと同じですよ。変形もない・・・あ!!
ちょっとひっかき傷が鍵の周りに少しありますよ。数本縦に並んでいますね。何でしょうか?
もう、部屋が暑いからこのノブの部分までちょっと暑くなってるし、エアコン止めたい…

反対側も見ますか?こっちは特に変わった部分はないですね。というか合い鍵使ったのも久々なんで
普通、そんなに玄関の鍵なんてみないじゃないですか。
小さい変化はあるかもしれませんけど、ぱっと見ただけではよくわからないですね
671 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/07(金) 17:14:35.58 0
もう!リンリンがシャワー室使ったのはいいけど、しっかり拭いてから出てきてほしいですね
ほら、ちょっと階段の途中が濡れてますし…ドライヤーしっかり使ってとリンリンにしっかり言っておきます

あ、それからですね、さっき久住さんがどこにいったのか聞いたんですけどどうやら近くのコンビニだそうです
1軒目で梅干しのお菓子がなかったらしくて、ちょっと遠くのお店まで行っていたそうです
そのせいでちょっと時間がかかった、とのことです
…愛佳も梅干し大好きなんですけど、久住さんから今日はくれなかったんですよね
なので本当なのか、ちょっと信じていいのか分かりません。久住さんを信じていたいですけど…

田中さん、冷蔵庫開けますね~何か、飲みますか?結構ですか、わかりました
氷、氷っと…ザクッ、ザクッ…そういえば喫茶店の氷って美味しいですよね。なんでですかね?
あ、冷蔵庫に今日のケーキ入ってますね・・・チョコレートなんですね
愛佳はいらないので、高橋さん、愛佳の分、どうぞ
あれ?リンリンと久住さん、ジュンジュンはまだ食べてないんですよね?一人分足りない?

あ、高橋さん、これさっき新垣さんの手の中に入っていた紙切れです
なにか証拠にならないかなと思って持って来たんですけど、どうですか?
―高橋さんでも何も見えませんか・・・そうですか
久住さんの念写でも何も見えなそうですね…なにかメッセージかと思ったんですけどね、違うんでしょうか?

そうだ!!他に何か気になることありましたら愛佳に聞いてくださいね
可能な限り皆さんに情報を提供しますから


ということで、>>639の続きなんですけど、『解答』を一つのモノにできるように住人参加型のものに変更しました。
特段変なものでなければ、適宜答えてきます・・・俺もそこそこ暇なんですよ(涙)
672 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/07(金) 19:16:24.84 0
その前にもう一度読み直さないとな
673 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/07(金) 21:30:06.16 0
とりあえずあげ
674 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/07(金) 22:40:49.80 0
何のために汗をかくぐらいにエアコンをかけてるんだ
675 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/07(金) 22:43:23.07 0
それはミティ様除けのおまじないじゃないかな
676 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/08(土) 00:06:13.48 0
そういや最近ミティ見ないような
まあミティの季節終わったからかw
677 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/08(土) 01:35:26.53 Q
寝落ちてしまっていたかもしれない
でもそういえば
678 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/08(土) 04:18:48.00 0
オヤリゾ
679 : 名無し募集中。。。 [] 投稿日:2010/05/08(土) 07:12:30.14 0
( `.∀´)<時間よ止まれ!
680 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/08(土) 10:01:06.67 0
>>668
自分は賛成です。このスレ知ってちょうど1年位ですが最初は世界観が分からず物語によっても違うため理解するのに苦労し、入りずらい感じがしました。
こういう風に分けられているのであれば新規さんは入りやすいと思います。
以前配布された「リゾスレindex」みたいなものと考えればいいのではないでしょうか?
681 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/08(土) 11:40:19.67 0
ふむふむ
682 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/08(土) 14:30:27.20 0
683 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/08(土) 14:34:21.52 0
そういえばイベントあったんだねえ
684 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/08(土) 14:35:48.81 0
イベント?娘の?
685 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/08(土) 14:40:01.40 0
ガキさんのブログを見ると分かるよ
あ スパイじゃないガキさんのブログねw
686 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/08(土) 15:58:27.40 0
れいなのブログにリゾナントブルーのPVの話題が出てる
687 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/08(土) 17:11:18.78 0
新しい記事でも取り上げてるね
よっぽどお気に入りなんやろうね
688 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/08(土) 18:25:27.20 0
あれからもう2年以上経ったんですねえ
あれくらいのいい意味での衝撃をまた味わいたいですね

>>680
心強いご意見をありがとうございます
そういう方もやっぱりいらっしゃるんだなと改めて思いました
すぐにはできませんが徐々にやってみようかなと思います

分類して載せてもいいよという作者さんはできればしたらばwikiスレにその旨書いていただけると嬉しいです
尚 INDEXを基にしますのでそれ以上の分類は申告がない限りできないとお思いくださいませ
見本にさせていただいたないやいさんに関しましては もしお声がけがないようであればもちろん消しておきます
689 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/08(土) 18:50:25.24 0
乙です
感謝です
690 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/08(土) 21:07:04.92 Q
キュッとあげとく
691 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/08(土) 22:22:12.48 0
http://www.youtube.com/watch?v=cxNdT_Txpfc
かなしみ戦隊トリビュート企画に参加させてくださいませ
[03](01)891 「抱いてHOLD ON ME!」にリゾナントさせていただきました
お時間があれば見てやって下さい
かなしみ戦隊の作者様ありがとうございました!
692 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/08(土) 22:34:11.42 0
>>691
うおおおおおおおおお!
かっこいいな
693 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/08(土) 23:25:10.38 0
>>691
最後のガキさん超ワロタwwwwwwwwwww
素晴らしいねこれw
694 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/08(土) 23:48:20.99 0
>>691
かっけー
あとガキさんw
695 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/09(日) 01:21:53.31 0
>>691
シンプルにかなしみさんの世界を再現されてるなって思いました
想像力を喚起させられる作品ですねぇ
696 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/09(日) 01:52:28.40 0
>>674
エアコンですか?う~ん、いつもは快適な温度に保っているんですけど…
もともとトレーニングルームなので自由に調節できるようにしているんですけど…
たいていは25℃くらいのちょうどいい温度にしていますよ。筋肉の緊張をほぐすためにもいいらしいです
でも、今は暖房モードですね。5月なのに・・・
もしかしたら新垣さんが何かの目的のために高くしたのか、犯人が何かのために設定したのかもしれませんね

>>691
最後に出て来る次回予告のガキさんがワンポイントで面白いです♪
曲の雰囲気に合った映像の構成が本当に素晴らしくて、あえて言葉を使わずに本当の映像(娘。本人の表情)で物語ができていて映像の神髄を感じました!!
697 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/09(日) 04:05:02.87 0
おやりぞー
698 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/09(日) 07:31:36.64 Q
動画すごすぎる!
699 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/09(日) 10:31:41.10 Q
規制厳しいのかな
700 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/09(日) 10:33:16.96 0
メドレーで全話は…うん無理やろうね
とにかく乙でした
701 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/09(日) 11:05:29.06 0

   ☆     ☆     ☆

記録の中では李純が何故、神獣としての覚醒を求めているのか、その理由を老人に説明していた。
町を襲う悪意と対決するためだと真意を明かす李純。
不審な死の連続。
少年少女に限られた怪死事件。
死に見舞われた家は、遺骸を人目に晒さないようにして弔っているが、仲の良い友人が亡くなった李純は、最期の別れをしようと友人の家に忍び込んだ。
そこで李純が見たものは生気を吸い取られたように干からびた遺骸だった。 そして首筋には何かに噛みつかれたような傷があった。

李純の言葉に目を妖しく光らせる老人だったが、それは悪質な疫病ではないかと李純に告げる。

「私も随分と長く生きてきた。
その間には色んなことがあった。 とても不思議で人間には解明できないような怪異もあった。
しかし殆どのことは後になってみれば、人の道理の範疇で収まることばかりだったよ、純」

殊更に平静を装って李純を宥めようとする老人だったが、李純は反駁する。

「亡くなった友達は前日までとても元気に遊んでいました。
それが僅か一日の内にあんな無惨な亡くなり方をするとは私には信じられません」

子供たちは殺されたのだと断言する李純。 その犯人も見当は付いているという。
李純の住む町に赴任してきた、農業指導の役人が怪しいと言い立てる。

「亡くなった子供たちの殆どが、非番の役人と親しく話したり、一緒に歩いたりしていました」

「たったそれだけの理由でその役人を疑うというのか」

「両親もそう言いました。でもあの王偉という役人は普通じゃありません。 まるで魔物に憑かれたような目をしています。」
702 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2010/05/09(日) 11:06:11.10 0

「お前が親しい友人を失って、悲しんでいるのはわかる。
だがな、そういうときだからこそお前は冷静であるべきだ。 
仮にお前の友人の死が、誰かによってもたらされたものだとしたなら、その罪を裁くのは人の法でなければならん。
何故ならばおまえたちは人なのだから。
当地で李家といえばそれなりの格式を持った家として知られている。
その家の娘が通報すれば、捜査当局も動いてくれるのではないかな」

「お祖父様、それは無理です。王偉はこの地に赴任してきた直後から、警察に取り入ってます。
今じゃ署長とは友人づきあいをしています。
…それに、警察官の様子もこの頃おかしいのです。 どこか王偉に似てきたような」

更にここ数週間通信網が途絶している上に、地震による山崩れで塞がった道路の復旧も遅れていて、中央と連絡する手段も無い現状を老人に説明する李純。

「つまり、この地は陸の孤島というわけだな」

「はいっ。 そしてここ十日間だけでも馬家、曹家、張家、朱家で弔いが執り行われました。」

涙声で自らの町に訪れた災厄を訴える李純。

「待て。 不幸のあった家の名をもう一度繰り返すのだ。 おまえの知っている限り、全部」

李純の挙げた家の名を聞くにつれ、老人の顔が曇っていく。

「なんと、どの家も神獣の血が色濃く伝わっている家ではないか」

暫しの熟考の後、気が付いたように李純に告げる。

「もう日が落ちかかってるぞ、家にお帰り。 
もしも今度不審な死があったら必ず私に知らせなさい。 私も少し思案してみる」
703 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2010/05/09(日) 11:07:06.84 0

重い足取りで家に帰ってきた李純。
気持ちは落ち込んだままだったが、別れ際の祖父の言葉に僅かな燭光を見出そうとしている。

「李姐、お帰り。 何処へ行ってたの」

無邪気な声を聞き、李純の顔に明るさが射す。

「銭琳」

李純の家の近所に住む年下の少女、銭琳だった。
二人は少し年は離れているが、姉妹のように仲が良かった。

「クカカカカカ」

李純の貌が固まる。
銭琳の家から一人の男が出てきた。
農業指導の為にこの地に赴任してきた王偉だった。

「クカカカカ」

王偉のどこか滑稽で不気味な笑い声が夕闇迫る町に響く。
704 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2010/05/09(日) 11:07:51.68 0

「この記録は『呪われた町』のパスティーシュですね」

カメノフ氏の持ち込んだ記録から感じられた違和感の正体がようやく判ったので、口にした。

「『呪われた町』? それは何ですか」

カメノフ氏が頑健極まりない首を傾げている。

「『呪われた町』はホラー小説の古典的な名作の一つです。 作者はスティーブン・キング、英語の原題は確か“'Salem's Lot”」

「おう、そちら方面には疎いものでして。 その小説はそんなにメジャーなものですか」

「私も詳しい訳じゃありませんが、自分達の故郷を蹂躙する吸血鬼に立ち向かっていく主人公を描いた長編です。
ま、長編とは言ってもキングの作品の中じゃ、比較的読みやすいボリュームなんですがね」

おぼろげな記憶を頼りに言葉を紡ぎだす。

「パスティーシュとはどのような点なのでしょうか」

「獣化能力者の苦悩を描いた話や吸血鬼と戦うような話は他にもたくさん存在します。
ただ私がこの『immortality』と題された文章を『呪われた町』の模倣だと判断したのは、話の構成にあります」

「ほう、構成と言いますとどのような」

「『呪われた町』では冒頭で主人公の男性が、かつて吸血鬼の災厄に見舞われた自分たちの故郷で、吸血鬼の復活を知る場面から始まります。
そのことを知って脅えるもう一人の生き残りの少年。 二人は復活した吸血鬼と戦う決意をします。
そして教会に行き神の加護を得るため聖水を授かります。 そして過去の回想場面に移るという構成が酷似しています。
おそらく、『immortality』の作者はホラー小説のファンであり、リゾナン史にも興味を持っていた。
自分の好きなジャンルを融合させた創作が『immortality』という二次創作だったわけです」
705 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2010/05/09(日) 11:08:34.05 0

記録の中では事態が急速に進行していた。

  ☆     ☆     ☆
 
家に戻った李純は王偉への不信感を家族に訴えるが、取り合っては貰えない。
翌朝、また子供の犠牲者が出たことを知らされた李純は、前日王偉と一緒にいた銭琳ではないかと思ったが違っていた。
しかし次は銭琳が危ないと考えた李純は改めて祖父に相談しようと、家族の制止を振り切って洞窟に向かう。
祖父が隠棲している横穴に辿り着いた李純は、飴のように折れ曲がった鉄格子を目にする。
中に祖父の姿はなかった。
祖父を拘束していた鎖を固定していた岩肌は崩落し、僅かばかりの什器は破壊しつくされている。
祖父の安否を気遣った李純は、持参してきた灯で地面を照らす。
泥で汚れた足跡のようなものが残されていたが、どの程度の大きさのものか判別できないぐらいに踏み荒らされている。
洞窟の奥に気配を感じ、歩を進める李純。

「お祖父様、何処にいらっしゃるのです」

祖父への呼びかけは岩肌に吸い込まれていく。
何かの気配は段々と強くなっていく。
それは気配を通り過ぎて、何かの息遣い、臭気、唸り声として李純の五感に訴える。
逃げ出したくなる気持ちを必死で抑え、歩みを止めない。
洞窟の行き止まりらしきところに辿り着いた。
そこには確かに何かがいる。
恐る恐る灯を向けると、そこには捜していた人がいた。
祖父は襤褸切れのようになった衣服を申し訳程度に身につけていた。
手足を拘束していた鎖は消えていた。
露出している肌は赤黒く染まっている。
706 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2010/05/09(日) 11:09:17.95 0

「お祖父様!!」

悲鳴を挙げて駆け寄る李純。
傷の手当てをしようと老人の痩せた体を抱きしめる。
老人の息遣いは激しかったが、それでもしっかりとしていた。
肌は血で染まっていたが、流れ出ている様子は無い。
見られないように背けていた顔に、灯を当てると老人の口元が血で濡れていた。

「一体、何があったのです。 お体に怪我はないのですか」

「…違うのだ、純」 消え入りそうな声を搾り出す老人。

「違うとは、何が違うのです」

「私の体には怪我は無い。…ただ」

「ただ?」

「完全な獣化が起こってしまった。 ここ数年無かったことが起きてしまった」

小一時間後、李純は老人と瓦礫の山となった横穴の中で対峙していた。
半裸の状態だった老人には、瓦礫に埋もれていた衣服を探し出した。

「西洋に伝わる伝説の人狼のように、月が満ちる度に身体の奥底から湧き出てくる獣化への衝動。
理性の力でここ数年は抑えられてきた。 
このまま何十年か何百年後、あるいは何千年後にこの身体が朽ち果てるまで、人として生きていける、そう思っていたのだが」

「私が悪いのです。 あのようなことをお祖父様の耳に入れたりして」
707 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/09(日) 11:09:59.95 0

泣きながら詫びる李純を優しく見つめる老人。
その様子は最前とは違って、穏やかな孫を思う祖父の姿そのものだった。

「純や、お前は正しい。
お前が私の世話をするために、この棲家を訪れるようになって一年ぐらいのものだろう。
決して長い時間ではないが、それでもお前という人間を知るには十分だ。
お前には物事の本質を洞察する力が備わっている。
お前は物事の本質を熟考によって導き出すのではなく、本能的な反応によって導き出している。
私は昨晩お前が帰ってから、血の騒ぐに任せて、この洞窟を飛び出した。 山野で獣を駆り立てる為にな」

老人の口元が血塗られていたことを思い出す李純。

「さぞや浅ましいと思っているのであろうな、わしのことを」

「いえ、そのようなことは。 お祖父さまはこのようにとても優しい方です」

李純の言葉に老人は僅かに頬を緩めた。

「哀れな贄を追い求めて山野を駆けていた私は、この地を禍々しい邪気が覆い尽くそうとしていることに気づいた。」

「お祖父さま、その邪気とは」

「おそらく、お前が話していた王偉という男と関係があるのだろうな」

老人の言葉を耳にすると李純は小さく頷いた。

「王偉は一体何の目的で、この町の人たち、それも子供ばかりを狙うのでしょう」
708 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2010/05/09(日) 11:10:45.20 0

「この地に集いし神獣の末裔の者達の血を取り込むことで、神獣の力を独占できると思っているのであろうな」

「神獣の力?」

「ああ、そうだ。 神獣としてまだ目覚めていない子供でも神獣の力はその奥底に秘めているだろう。
神獣として覚醒した者を襲うよりも、安全にその力を手にすることは出来ると考えたのだろうな」

「何て卑劣な」

「そして、その思惑は正しかったようだ。 
昨夜、わしが感じた邪気の強さ、あれを発しているのが人だとしたら、もう既に魔に取り込まれているだろう。
おそらく、人の手であれを倒すことは不可能だ。 それが叶うとしたら神獣のみ」

「お祖父さま」

「純よ、わしは決めた。 王偉という男はわしが倒す。  それがわしに与えられた使命だろう」

「わたしも手伝います」

「勿論それはお前の力なしには不可能だ。 もっともお前に神獣として目覚て奴と戦えとは言わん。
わし以降の一族の覚醒は東欧で出会った魔女へケートとの契約で封印してしまい不可能なのだから。
そんな生身の人間であるお前にはかえって危険な役目かもしれないが、手伝ってくれるかな?」

「勿論です。 私の生まれ育った町を汚し、同胞の命を奪った悪しき存在を倒すためならどんなことでもします」

「ならば、策を授けよう」

老人は他に聞く者がいないのにもかかわらず、李純の耳元に口を寄せて何事かを囁いた。
709 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/09(日) 11:11:51.13 0
>>701-708
以上『独占欲(2)』です
>>361-368の続きです
うん大分焦点がずれてきたって自覚はあるよ
まあ保全の一環ということでね
この話はかなしみさんの「独占欲」から生まれたのは間違いないけど最終的には別の題名になるかもしれません
かなしみリスペクトの気持ちには揺ぎ無いですがね
710 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/09(日) 12:53:44.02 0
中国映画っぽいね
711 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/09(日) 15:05:35.67 0

かなしみ戦隊リゾナンター 

【前回のストーリー】
加護の残したメッセージを頼りに割り出した敵の本拠に乗り込んだリゾナンター!!
そんな彼女達の前に姿を現したのは、彼女達と同じ姿形をしたクローンだった。
同じ能力、同じ思考パターンを持つクローンとの戦いは熾烈を極めたが、現在の彼女たちは一人じゃなかった!!
幾多の戦いで築き上げた仲間との絆を武器にもう一人の自分に打ち勝ったリゾナンター。
だが、不気味な笑い声と共に、空間が歪み…

第36話 「リゾナント ブルー」

「来る!!」
リゾナンターを襲ったかつて無いほどの強力な衝撃波。
ジュンジュンとリンリンが念動波を放って相殺しようとしたが、脆くも吹き飛ばされてしまう。
咄嗟に発動させた風のクッションで二人を受け止める絵里。

「こぉのぉぉぉーっ!!」

パイロキネシスで反撃するれいなだったが、紅蓮の炎は闇よりも暗い闇に吸い込まれ効果が無い。
里沙が放った必殺の鋼線もあっさりと跳ね返されてしまう。

「愛佳、ジュンジュンとリンリンの治癒を。 小春は電撃で暫くの間、ヤツを防いで」

愛は的確な指示を送るが、形勢が不利なのは否めない。
712 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2010/05/09(日) 15:06:20.05 0

「アンタがダークネスか」

「脆弱な人間の分際で、よくぞわしの玉座まで辿り着いた。 褒めてやろう。
いかにも、わしこそがダークネス。 闇の王として人々に畏怖される存在。」

「何が闇の王や。 ふざけるな」

「人の心の中に存在する闇こそが私の力の根源。 お前達に私を打ち負かすことなど出来ない」

ダークネスが漆黒の手を伸ばし、小春の展開した電撃のシールドを直接攻撃する。
リゾナンターを守っていたシールドが大きく揺らぎ、その衝撃は能力を発動させていた小春自身へと。

「くっ」

噛み締めた唇から血を流しながらも、踏みとどまる小春。

「ほう。 そこの小娘は中々見所があるな。 お前、チカラが欲しくないか。
欲しいならば闇の衝動に全てを委ねろ。 そうすればお前はこの世界を自由に出来る強大なチカラを手にすることが出来るぞ」

「私に目を付けるなんてアンタ目が肥えてるよ。 でもね私は私の世界を自由になんか出来なくていい。
知ってる、私の世界じゃ上手くいかないこともある。 悲しい事だって起きる。 だからこそ嬉しいことがとても嬉しく思える。
そんな平凡で当たり前な世界を守る為に、私たちはアンタを倒しに来た。 」

「言うわ。 人間の分際で。 まずはお前から血祭りに上げてやろう」

ダークネスの闇の密度が濃くなった。

(もし、次の一撃を喰らったら、小春は) 愛は飛んだ。
713 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2010/05/09(日) 15:07:03.98 0

「こはるぅううう!」

ダークネスの攻撃から小春を守ることは出来たが、その代償として右足を負傷してしまった愛。

「リーダー」

「高橋さん、すぐに治療を」

「私の傷はいいから。 それより、ジュンジュン、リンリン。 悪いけどもう一働きして。
二人のチカラで皆を安全な所に移動させて。 二人が力を発動させるまでの間、絵里、れいな、小春の三人でダークネスの攻撃を凌いで。
さゆはダークネスの攻撃を予測して、少しでもダメージを軽く。 愛佳は治癒能力でみんなのサポートを。 そして、里沙ちゃん、こっちへ。 」

「一体、なんだい」

「聞いて、里沙ちゃん。 私に考えがあるから里沙ちゃんは皆を連れて脱出して頂戴。 私も後から必ず行くから」

その言葉を聞いた里沙の顔が一瞬歪む。

「愛ちゃん、まさか」

「大丈夫。 私が前にヤツをあと一歩のところまで追いつめたことがあるのは知ってるやろ。 大丈夫、必ず後で行くからっ・」

愛の言葉が途切れる。
里沙が愛の手を強く握り締めたからだ。

「ちょっと、里沙ちゃん」

「何が私には考えがあるだって。 嘘をつくのが下手だね」

「里沙ちゃん」
714 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2010/05/09(日) 15:07:47.86 0

「あんたの気持ちはわかる。
もしも私があんたと同じ立場だったらやっぱり同じようにしようとするよ。
でもね、あんたは間違ってる。
確かにこの戦いを始めたときのあんたは一人だった。
でも今のあんたは一人じゃない。
あんたには仲間がいる。
あんたの呼びかけに応じたやつ。 あんたに救われたやつ。
仲間になった理由はそれぞれ違っても、思いは一緒さ」

「でも、里沙ちゃん。 アイツの力見たやろ。 ウチらのチカラではアイツに歯が立たない」

「なんだい、あきらめるのかい。
私の知ってる高橋愛はもっと物わかりが悪くて、活舌も悪くて、ついでにあきらめも悪い人間だったけどね。
この戦いはもうあんた一人だけの戦いじゃないんだ。
あんたが逃げるなら私たちも逃げる。
あんたが踏みとどまって戦うっていうんなら私たちも戦う」

電撃シールドを破壊した攻撃の際に飛散していた闇が再結集して、密度を濃くしていく。
ダークネスの思念が声を通してではなく、直接リゾナンターの心に飛び込んでくる。

「グハハハッ、わしは思い出したぞ。
かつてわしをあと一歩の所まで追いつめた奴らがいたことを。 もっとも全員返り討ちにしてくれたがな。
いや一人だけ生き残ったヤツがいたな。 足の怪我を理由に仲間を置き去りにして、尻尾を巻いて逃げ出しよった。
その惨めな後ろ姿今思い出しても笑ってしまうわ。
そうかあの時の生き残りがお前だったか。 グワッハッハ、今度は仲間を見捨てて逃げないのか」

ダークネスの嘲弄にぐっと唇を噛みしめる愛、その頭は深く垂れて…。
715 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2010/05/09(日) 15:08:31.57 0

「わ、わたしが仲間を見捨てた、足の負傷を理由に」

「高橋さん」
「愛ちゃん」

そんな愛を気遣ってメンバーが口々に声を掛ける。

愛の中で失われていた記憶が蘇ろうとしていた。
それは拭い去り、消してしまいたかった自分の過去。
強敵を目の前にして覚えた恐怖、受けた傷の痛み、そしてもう一つの何かが。

過去の思考に捉われている愛をダークネスの兇刃が襲う。

「グフッ」

「ジュンジュン!!」

獣化したジュンジュンが、愛の前に盾となって立ちはだかっていた。
ダークネスの放った強力な衝撃波がその身体を貫き、身体は朱に染まっていた。

「ジュンジュン、何で」

「大丈夫ダ。 ワタシの体はミンナより少し丈夫ダ」

「グワハハハッ、戦場から逃げ出さないことは褒めてやろう。 だがあの時と一緒だ。
結局、お前は他の仲間を犠牲にして最後まで生き残る。 お前とはそういう奴だ。」
716 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/09(日) 15:09:18.10 0

「チガウッ」 怒りで眦を吊り上げたリンリンが叫ぶ。

「高橋サンは私タチの故郷を守ル為ニ、力を貸してクレタ。 何の見返りも求メズニ」

「愛ちゃんは、れーなが過って傷つけた時も何も責めんと許してくれた。 そしてれーなが忘れていた笑顔を思い出さしてくれた。 」

「愛ちゃんは、ずっと病院で過ごしてきた私に力を貸してっていってくれた。 こんな私でも誰かの力になれるっていう希望を与えてくれた」

「リーダーは、私にチャンスをくれた。 精神感応で読みとった他の誰かの思考に脅えていた私に、人を信じる勇気をくれた」

「高橋さんは生きる勇気を失っていた私に、生きろっていってくれた。 命令だから生きなさいって」

散開していたメンバーが再び、愛を中心に集まりだす。

「私はっ」 里沙が口を開く。
「私は何も無い。 本当はあるんだけどありすぎて言葉にしたら嘘になりそうだから。 でも思いはみんなと一緒さ」

そう言うと愛の手を握り締めていた手に力を込める。

「行こう、そして奴をやっつけよう」

愛の目に力が戻っている。

「…思い出した。 この足の痛みが思い出させてくれた。 
私の本当の能力は 仲間の思い、仲間のチカラをリゾナントさせて増幅させるチカラ」

「愛ちゃん」

「みんな、私を信じて。 みんなの力を私に」
717 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2010/05/09(日) 15:10:02.15 0

「みんな、リーダーの言ったことが聞こえただろう。 あんた達のありったけの力を愛ちゃんに集めるんだ」
「了解!」

「さゆぅぅぅっ」 「すべての…力・・・」
「絵里ぃぃぃっ」 「うけとって・・・・」
「ジュンジュン」 「マケルナ・・・・・」
「こはるぅぅぅっ」 「深い闇が世界を覆ったって・・・・・・」
「愛佳ぁぁぁーっ」 「蒼き心が共鳴するとき・・・・・・・」
「リンリン」 「私たちは一人じゃナイ・・・・・・・・」
「れいなぁぁぁっ」 「私たちは・・・・・・ひとつだぁぁぁぁぁっ!!!」

愛に結集していく皆の力。 だが…。

「ぐっ」

負傷した足のダメージは重く、思わず悲鳴を上げてしまう。

「ほらっ、私があんたの足になったげるたがら、今よ!!」

「喰らってくたばれ! 」

「リゾナントゥ バスタァー愛ーーーーーーーー!!!!!!!!」
「リゾナントゥ バスタァーー眉ーーーーーーー!!!!!!!!」
「リゾナントゥ バスタァーーー亀ーーーーーー!!!!!!!!」
「リゾナントゥ バスタァーーーー兎ーーーーー!!!!!!!!」
「リゾナントゥ バスタァーーーーー猫ーーーー!!!!!!!!」
「リゾナントゥ バスタァーーーーーー☆ーーー!!!!!!!!」
「リゾナントゥ バスタァーーーーーーー光ーー!!!!!!!!」
「リゾナントゥ バスタァーーーーーーーー純ー!!!!!!!!」
「リゾナントゥ バスタァーーーーーーーーー琳!!!!!!!!」
718 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2010/05/09(日) 15:10:53.94 0

愛から放たれた光は闇を貫いた。

「…無駄なことを。 人の心が闇を欲する限り私は何度でも復活する」

「ならば、その闇何度でも打ち払う」

闇は蒼き光に包まれそして…

轟音と共に9人が踏みしめている地面が揺れていく。
地面だけでなくダークネスの玉座の間全体が揺れ動き崩落しかかっている。

「これは…」
「この玉座自体がアイツが作り出した亜空間そのものなんだと思う。 だからアイツが消えたことでこの空間自体が消滅に向かってるんだと思う」

「早う脱出せんと」 れいなが叫ぶ。
「でも、どうやって」 落ち着いた声でさゆみが尋ねる。
「ジュンジュン、リンリン」 絵里が二人に視線を向ける。 二人が共鳴して発動する瞬間移動のチカラならあるいは…だが。
「無理です」 ジュンジュンの傷を治癒していた愛佳が言う。
「さっき高橋さんをかばって受けた傷のダメージ、そしてリゾナントバスターの為に預けたチカラ。 二人にそんな余力は」
「スミマセン、肝心な時にお役に立テナクテ」
「謝らなあかんのは私や。 結局みんなを巻き添えにしてしまって」
「またネガティブモードに戻っちゃって、もう。 巻き添えになったとしたらそれは自分たちの意志だから。 あんたが気にすることじゃない」
「でも…」

「ア・キ・ラ・メ・ル・ナ」

初めて耳にする未知なる思念の声が9人に響く。
719 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2010/05/09(日) 15:11:45.32 0

「何ね、今の声は」
「待って、何かが来ます」 さゆみが他の8人を誘導した。

崩壊しかかかっている玉座の壁をぶち抜き、黄色い塊が現れた、それは…。

「リゾナンカー!」
「でも、どうしてこんな所に」

喫茶リゾナントのガレージで埃を被っていたリゾナンカーがエンジン音を轟かせていた。

「うそっ、只の車がどうやってここまで来れたの」 絵里が誰もが思っている疑問を口にする。

「そんなんは後から考えよう。 みんなリゾナンカーに乗り込んで。 運転はれいながして」

「えぇぇぇっ、完全に定員オーバーなんだけど」 里沙が今さらながらのツッコミを入れるが。

「ラジャーッ。 皆安全ベルトをつけんね。 いきなりフルブーストで飛ばすけん」 ニヒヒと笑いながらハンドルを握るれいな。

亜空間が崩壊する瞬間、飛び立つ光。

「この車こんな仕掛けが付いてたんですね」 タイヤを収納し、翼を生やしたリゾナンカーの車上で愛佳が呟く。
「私もただの中古車やと思っとった」 崩壊する亜空間に飲みこまれていくダークネスの本拠を眼下に愛が答える。
「オワリ・マシタね」 リンリンが寂しげに微笑む。
「私たちもこれでお別れ…なのかな」 言葉を噛み締めるさゆみ。
「ラスボスを倒しちゃったからね」 絵里の言葉は風に乗って。
「そのことなら、れーなに考えがあるけん」
「何よ考えって」 里沙がれいなを質す。

「折角こうして若くて可愛い女の子がそろったんやけん、9人でアイドルグループを組むっちゃ。 小春のマネージャーの飯田さんに頼んで」
「いや、いきなりそんなこと言われたって無理だから」 里沙はれいなの唐突な発言を諌めるが、当のれいなの耳には入っていない。
720 : 名無し募集中。。。[sage] 投稿日:2010/05/09(日) 15:13:06.46 0

「楽しみっちゃねぇ。 芸能界に入ったらきらりちゃんとお友達になれるかもしれん。 最初はアドレス交換から始めるけんね」

「あの、田中さん。 そのことで小春は話しておきたいことがあるんです。 実は月島きらりっていうのは」
「ヤメローーッ、久住サン。 田中サンの夢を壊スナ」

リゾナンカーの車内を喧々囂々とした空気が満たし始めていた。

「愛ちゃん、れいながあんなこと言ってるけど」
「アイドルグループか、それも悪くないやん」
「愛ちゃん」
「ダークネスが去り際に言っていた。  “人の心が闇を欲する限り私は何度でも復活する”って。
人は完璧な存在じゃない。 だから間違いも犯す。 心が闇を欲する。 私はそれを何度でも打ち払いたい。 みんなと一緒に」

「リーダー」「愛ちゃん」

メンバーが愛を見つめる。 その目は光り輝いていた。

その光を見て里沙はフッと笑った。

「じゃあ、もしも、もしも私たちがアイドルグループになったとしたら一体どんな名前をつけるつもり。 やっぱりリゾナンター?」

里沙の言葉に愛は首を振った。

「リゾナンターはあくまで闇を打ち払う為に戦う存在としてあり続けたい。 アイドルとしての私たちの名、それは…」

愛が指を車外に向ける。
その先では地平線から朝日が昇ろうとしていた。

「モーニング娘。」

夜が明けていく。 --次回 最終回「モーニングコーヒー」へ続く--
721 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/09(日) 15:15:23.09 0
>>711-720
以上かなしみ戦隊トリビュート「リゾナント ブルー:???編」でした
誰もが取り上げたくてだからこそ取り上げなかった予告編を空気を読まずに取り上げさせてもらいました
722 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/09(日) 18:07:52.21 0
おわっと
トリビュートが2本も来てる
帰宅してからじっくり読ませてホゼ
723 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/09(日) 19:46:57.16 0
>>709
お祖父さまの授けてくれた策とは何なんだろう?
ワクテカで待ってます!!!
724 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/09(日) 19:57:15.14 0
>>722
俺は今、猛烈に感動している。
熱くて、泣ける、ベタ(もちろん良い意味で)なドラマ!
これこそ俺の待ってたドラマだ!

>私の知ってる高橋愛はもっと物わかりが悪くて、活舌も悪くて、ついでにあきらめも悪い人間だったけどね。
ここ、ワロタし感動した
725 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/09(日) 21:18:09.48 0
>>709
話の核心部分である過去パートに焦点が移って来た感があるね
でも何気にカメノフ氏の活躍待ってます

>>721
上の人も言ってるけど本当にベタで熱くて王道の展開
リゾナントバスター発動の時の描写と来たらもう
実に面白かった
726 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/09(日) 23:27:12.69 0
ホゼナンター!
727 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/09(日) 23:27:16.88 0
リゾナンダー達が風邪でダウンしてるよー
728 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/09(日) 23:36:55.57 0
>>721
し、喋った!リゾナンカーが喋ったお!!凄すぎるゼ何と言う機能!でもどうやってみんなのってるんだろう・・・w
そしてすげーぜ必殺技!!「リゾナントゥ バスタァー」これは思わず叫びたくなるなw
729 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/10(月) 00:46:15.38 0
>>721
何でこんなに素敵な話が書けるんだろう?
心を震わせる台詞がこれほど散りばめてあるなんて!
このジュンジュン良いなぁ~
「大丈夫ダ。 ワタシの体はミンナより少し丈夫ダ」
730 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/10(月) 01:42:46.42 0
2周年記念のスレももう四分の三を超えたホゼ
731 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/10(月) 03:51:46.04 0
おやりぞ
732 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/10(月) 06:41:09.87 0
今日も一日が始まるホゼ
733 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/10(月) 08:05:19.58 0
>>721
ラストが良いね
お得なモーニングセットが由来じゃないんだね
長い闇の後に登った朝日が由来だったんだね(涙)
734 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/10(月) 11:00:38.11 0
リゾナントバスターの画像がなんかエロかったのを思い出したw
735 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/10(月) 11:54:11.47 0
リゾナントゥ バスタァーー眉ーーーーーーー!!!!!!!!



736 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/10(月) 12:16:59.74 0
何だかんだでかなしみさんトリビュートも2ケタに届きそうですね
737 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/10(月) 12:58:03.34 0
したらばで宣言してる人を合わせればいくよね
738 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/10(月) 15:28:08.27 0
ふむふむ
トリビュートも素晴らしいけどオリジナルの作品も待ちながらホゼ
739 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/10(月) 17:05:40.27 0
トリビュートのwikiすごいね
解説まで書いてある
740 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/10(月) 18:57:39.77 0
本当のアルバムのライナーノートっぽいね
741 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/10(月) 19:05:00.94 0
トリビュートのwikiすごいッス
しっかり読み込んで書いてるんだなぁ~
この人に本当の娘。のライナーノーツも依頼したい
742 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/10(月) 20:15:05.40 0
トリビュートwiki凄いw
ってか最近のwiki凄い
743 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/10(月) 20:19:59.83 0
トリビュートwikiって何?
普通のリゾブルwikiと違うの?
744 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/10(月) 21:02:04.61 0
リゾブルwikiのかなしみ戦隊トリビュートの項目のことやね
かなしみさんの予告編とトリビュート作品、解説がワンセットで掲載されているやつ
745 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/10(月) 22:05:26.24 O
ホゼナンター参上!
746 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/10(月) 23:30:45.16 0
あーほんとだ
すごいねw
747 : 代理[] 投稿日:2010/05/11(火) 01:02:25.92 0
598 名前:名無しリゾナント[] 投稿日:2010/05/11(火) 00:13:19
あの日も、どしゃぶりの雨だった。
いつかの景色、ただひとり、背中が叫んでいた。
自身の本当の"家"の前で、ただ棒立ちのまま俯いていた野良猫。
顔は帽子で隠れている上に雨でぼやけているが、その表情は手に取るように分かった。

入ろうとしても、入る事を拒む自身を自分の腕で強く抱きしめる。
抱きしめてあげれば良かったのにと今では思う。
ひとりきりを、やがてふたりに出来るように。
そして、今でも少女は待っているのだろう。

 心が言葉を。

だが、本当に抱きしめてあげるのは、自身ではない。
背中がひとり叫んでいても。
その背中にあたたかさと優しさを篭めて上げられるのは、少女が最も強く願う人物。

 足跡に咲いた花。
 いつかの風景で、少女は待っていた。



 「愛ちゃん、オーダー!」
 「はーい、ちょっと待ってーっ」

今日も喫茶「リゾナント」は常連客で満員だった。
長蛇の列は並んでは居ないが、それでもこんなお店に出入りしてくれる
人達が居る事に、愛は言葉で言い尽くせないほどの感謝を日々感じている。
笑って談笑する者、料理を絶賛してくれる者、自身の時間を自由に過ごす者。
待ち合わせだろうか、窓の外に笑顔で手を振り、カランコロンと来客の鐘を鳴らす。
748 : 代理[] 投稿日:2010/05/11(火) 01:03:10.52 0
599 名前:名無しリゾナント[] 投稿日:2010/05/11(火) 00:14:25
 「いらっしゃいませーっ、こちらにどうぞっ。お待たせしましたっ、悲しみハンバーグ定食です」
 「注文いいですかー?」
 「はーい、今行きますねーっ」

それをれいなは笑顔で席へ招き、お客へ料理を出し、他のテーブルへ注文を聞きに行く。
ウェイトレス姿も最初の頃よりも完璧に着こなし、愛はその姿を見て微笑んだ。
思えば、今では何でもそつなくこなせてはいるものの、初めの頃は本当に大変だったのだ。

 来客の呼び鈴。ラストオーダーギリギリの時間に現れた少女。
 よろめきながら無言でカウンターに座るその姿に、愛はふと悟る。
 注文もしなかった筈なのに香ばしい匂いが漂う厨房から出てきた愛が差し出した料理。
 それを大粒の涙を流して口に運ぶ光景を、愛は黙って見守った。

 「家に、帰りたくない」

そう言ってしばらく置く事を条件に働いてもらう事になったのだが、これが本当に"笑わない"のだ。
常連客から何度も苦情が出ているものの素知らぬ振り。
あの頃は、こんなにも見違えるとは思ってなかった。

 「愛ちゃん、どうしたと?」 
 「え?あぁ、ううん、なんでも無いよ。あ、これあそこのお客さんのやよ」
 「分かったけんっ」

だからこそ、最近思うのだ。
れいなは十分苦しんだし、十分愛の元で成長してきた。
悪と戦う日々を過ごし、共に戦う仲間と日々を過ごし、既に"触れ合う"事に慣れた筈。

 だからこそ、愛は、想うのだ。
 信じているから、信じているからこそ会わせてみようと。
749 : 代理[] 投稿日:2010/05/11(火) 01:04:15.08 0
600 名前:名無しリゾナント[] 投稿日:2010/05/11(火) 00:16:16
それは、喫茶「リゾナント」の定休日のある昼下がり。
いつものメンバーがテーブルを囲む中で、愛が里沙に耳打ちをする。
れいなに悟られないように、徐々にバラバラに時間を過ごしていた8人へと伝えていく。

 「あ、いっけない。今日ちょっと用事があったんだった」
 「絵里もさゆとお買い物してくるね、夕方にまた来るからー」

それぞれが今日に限って次々と帰っていくのを見ながられいなは首を傾げたが
偶然だろうと深くは考えなかった。
リンリンの姿を最後に、店内は愛とれいなのみになってしまう。

 「あ、しもた。野菜の数がもう無いかも」
 「れいなが買ってくるっちゃよ、何が欲しいと?」
 「や、あの、ええよ。あたしが買ってくるで、れいなお留守番しといてくれる?」
 「え?でも今日定休日やけん、お客さんなんか…」
 「その、もしかしたら宅配便とか来るかもしれんやよ。やからお願い」
 「んー分かったっちゃ…」

そして愛もまた、店内を後にする。
窓から覗くと、カウンターの中で雑誌を読み始めていた。
姿を確認した後、愛はある"待ち合わせ場所"へと足を運ぶ。
植物公園の中にあるベンチに座っていた男女が、愛を見つけた。

 「今、れいなが一人でお店に居ます。他の子達が帰ってくる前に、会ってあげて下さい」

その言葉と真剣な眼差しに、男性がゆっくりと頷く。
女性が、微かにお辞儀をし、男性に促されるように公園を後にする。
愛はゆっくりと深呼吸をして、その結末が上手く行くようにと願った。
750 : 代理[] 投稿日:2010/05/11(火) 01:05:00.95 0
601 名前:名無しリゾナント[] 投稿日:2010/05/11(火) 00:17:44
 ―――誰でもひとりだけど、独りじゃない。
 手を伸ばして触れ合って、抱きしめ合って生きるんだ。
 それに何も怯える事は無い。

 だからこそ、愛は、決めたのだ。少女を悪夢から目覚めさせるために。



愛が店に帰ってくると、れいなはたどたどしく「おかえり」と言った。
目尻を拭うと「何でもないっちゃよ」と笑顔を浮かべる。
「そっか」と軽く言って、厨房へと買い出した野菜を持って行くと、れいなが背後から寄って来た。

 「どうしたん?」
 「……今日」
 「ん?」
 「…ううん、れいなも手伝うけん」

この時、れいなが何を言おうとしたのかは分からない。
だが、その声と表情は、とても穏やかなもので、愛は安心していた。
これで良かったのだと。

 ―――それから何度かれいなと偶然を装って"両親"を引き合わせ、その度に愛は見守り続けた。
  日に日により元気になっていくれいなに、愛は嬉しい気持ちになっていく。
  だがその中で、ほんの微かな気持ちが湧き上がっていた事にまだ気付いていない。

喫茶「リゾナント」の定休日。
この日もメンバー達は来ず、れいなは鼻歌交じりに外出する準備をしていた。
本人によれば、知り合いと買い物をしに行く約束をしていると言う。
751 : 代理[] 投稿日:2010/05/11(火) 01:05:51.11 0
602 名前:名無しリゾナント[] 投稿日:2010/05/11(火) 00:19:12
 「じゃあ愛ちゃん、行って来るっちゃ。夕方には帰ってくるけん」
 「別に夜になってもええよ、なんなら一緒にご飯でも食べに行ってもええから」
 「何言っとるとよ、愛ちゃんと食べに帰ってくるけん。いってきます」
 「……いってらっしゃい」

カランコロン。
鐘が静まり、愛は溜息を吐く。
とりあえず明日の準備をしてから洗濯と掃除をし、それからは自室でDVD鑑賞でもしよう。
愛にとっても、こうしてのんびりとした時間を過ごすのは久しぶりだった。
れいなもまた、久しぶりの団欒を楽しむに違いない。
嬉しい気持ちが湧き上がり、愛は洗濯物を取りに洗面所へと向かった。

 これで良かったのだ。これで…れいなが、幸せになれるなら―――



―――鈴の音。
ささやかな風に揺れる花。
向こうの空に三日月が浮かんでいる。
その下に、"少女"が立っていた。

少女は―――"田中れいな"は月明かりに手を伸ばして、其れを掴もうとしているようだった。
その表情はとても哀しく、涙を流しながら、手を伸ばしていた。
触れたいと、抱きしめて欲しいと命一杯伸ばして。

れいなが愛を見ている。
何かを言いかけて、その言葉を飲み込んだ。
それから笑って、涙を零しても、少女は何よりも笑っていた。
何故か、映画を見ているようで、背を向けて歩き出した背中に向かって、思わず叫んでいた。
752 : 代理[] 投稿日:2010/05/11(火) 01:06:43.84 0
603 名前:名無しリゾナント[] 投稿日:2010/05/11(火) 00:21:03
 ――――――ッ。

ただ、微かにしか声が出てこず、少女は、ただ背中を向けて離れていく。

 ――――――ッ。

夢の筈なのに、夢じゃない。
それは、自分が何よりも願っていた事だった筈なのに。
現実ような夢。夢のような現実。
愛は、精一杯叫び続ける。
そして。


 ――――――れいな 行かないでッ

愛は自分の声で目が覚めた。
冷たい空気が部屋の中を包んでいる。
どうやら最近の寝不足からか、机で寝てしまったらしい。
時間は夜の7時を回っている。
あぁ、やっぱりか、そう思った時、ふと体に毛布が羽織られている事に気付く。






 隣には、れいなが居た。
753 : 代理[] 投稿日:2010/05/11(火) 01:07:31.59 0
604 名前:名無しリゾナント[] 投稿日:2010/05/11(火) 00:22:29
口がもごもごと動いたかと思うと、寝言のように呟く。

 「・んん・・何処へも行かんっちゃ・・・」

愛は、自然と頬に熱いものが流れた。
袖で拭い、自分とれいなを包み込むように毛布を被せ、ポンポンとれいなの背中を優しく叩いた。
面と面を向かうように、愛はれいなの顔を見つめた後、ゆっくりと目を閉じる。

  出来れば、同じ夢で出逢えます様に。

目を閉じて、耳を澄まして、両手を広げる。
独りじゃないと、嘘をつけない声と、見えない羽根を感じて。

どしゃぶりだった雨は上がり、朧な月をれいなは見上げ、振り返る。
足跡に咲いた花。
いつかの風景で、少女は待っていた。

 おかえり
 ―――ただいま
754 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/11(火) 01:10:13.60 0
605 名前:名無しリゾナント[] 投稿日:2010/05/11(火) 00:28:46
>>598-604
[R27](06)457 「愛と太陽に包まれて」にトリビュートさせて頂きました。
あまり内容なども捻れなかったのが少し残念でしたが
かなしみさんのシリーズが書けるだけでも幸せです。
作者名を伏せている事をお許しください…。



以上アク禁スレより代理投稿完了ナント
755 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/11(火) 02:49:40.49 0
。・゚・(ノД`)・゚・。
756 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/11(火) 06:42:07.19 0
>>754
これから仕事だっていうのに泣かせやがって・・・
ポエットなフレーズが一度読んだはずの物語に新たな感動を与えていますな
素晴らしい!
どしゃぶりの雨、足跡にできた小さな水溜り、そこにひっそりと咲いた花
涙が思わず溢れました
感動しました
757 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/11(火) 08:28:30.44 0
>>754
今回のトリビュート企画がスタートした時面白いと思う反面蛇足じゃまいかとも思ってた
かなしみさんの予告編が簡潔でいて完成されているからだったけどそれは間違いだとわかった
愛ちゃんとれいなが夢を通じて心で話している場面とか美しく幻想的な情景が描かれていて感涙ものですわ
いや素晴らしい…長くてゴメンね
758 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/11(火) 09:20:55.74 0
>>754
綺麗に膨らまされた“本編”ですね!
簡潔ながら胸を打った“予告”のストーリーが美しい情景を与えられることで一層強く迫ってきました
素晴らしいですねえ

自分も話を膨らませることへの微かな不安がありましたが杞憂でしたね
皆さんすごいなあ
れいなの過去はえらく人気高いですね
759 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/11(火) 12:01:19.81 0
>>754
途絶えた親子関係をもう一度繋げてくれたリーダーに感動
過去を生きなおす事を見事な隠喩で表現していて上手いなぁって思いました
760 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/11(火) 12:59:56.66 0
>>754
お互いを気遣って口にはしないけど心は繋がってるところが何とも素敵でした
他の作者さんが上げたれいなの過去話との相乗効果もあって心に響いてきます
いいなあトリビュート
761 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/11(火) 15:25:55.43 0
まだ来るかな
762 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/11(火) 18:00:09.32 0
リゾ
763 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/11(火) 19:02:27.89 0
トリビュート作品って10作品くらい?
764 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/11(火) 19:28:00.71 0
>>754
めっちゃいい話!
愛ちゃんのれいなが離れてくのが寂しいってのは新鮮に感じた
765 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/11(火) 20:21:58.74 0
トリビュート企画大成功ですね! 企画の良さももちろんですが、それに応える作者さんたちもスゴイなあ
766 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/11(火) 21:04:20.23 0
原典の多彩さとシナリオの完成度の高さも大きいでしょうね

>>763
現時点で
完結が8作 継続中が2作 動画が1作
そして立候補済み未発表が4作
…ですね多分
767 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/11(火) 22:45:19.48 0
落ちる場合じゃねーからね!
768 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/11(火) 23:32:38.45 0
愛れなの関係性って好きだな
769 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/11(火) 23:36:43.29 0
>>766
その八作の中にかなしみさん本人がこっそり参加しいて
後であれは私が書きましたなんてサプライズ・・・
無いよねw
770 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/12(水) 01:33:08.20 0
今のところはなさそうだけど…今後或いは…?w
771 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/12(水) 03:00:34.90 O
おやつの時間よ
772 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/12(水) 06:28:01.56 0
太るよさゆ
773 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/12(水) 08:08:00.23 0
お姉ちゃん 消してほしいやつがいるの
774 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/12(水) 09:44:45.43 0
wwwww
775 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/12(水) 11:43:48.59 Q
消え失せよ 一切合切あなたにあげる
776 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/12(水) 12:55:18.47 0
消えろっちゅうんかくれるっちゅうんかどっちやねんホゼ
777 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/12(水) 15:27:13.09 0
自分もトリビュート書きたくなったけど暫くは書く時間がないんだよね
778 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/12(水) 15:45:11.75 0
せっかくスリーセブン獲ったんだからがんばっちゃえ!
779 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/12(水) 17:53:17.41 0
かなしみ戦隊スレになってしまわないようにオリジナルも頑張らなくては……w
780 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/12(水) 19:44:24.18 0
みやびちゃんの話やmotorさんの推理劇の続きも待っとります
781 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/12(水) 20:49:57.07 0
バニッシュも推理劇も続きが気になり過ぎる
782 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/12(水) 22:23:11.08 0
刃千吏の人ってもういないのかなぁ
この人の作品好きだった
783 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/12(水) 22:23:28.67 0
れなみや
784 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/12(水) 23:29:04.67 0
>>782
WIKIの作者の項をたどるとブログはありますよ また書いてくれるようお願いしてみたら?

あの人の作品、私もホント大好きです …リゾナントもさせてもらってます
785 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/13(木) 00:06:39.04 0
Wikiがまたすごい事になってきてるね
786 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/13(木) 02:03:09.90 0
お・や・り・ぞ ウフ♪
787 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/13(木) 04:57:02.62 0
起きて出勤中やっちゅうねん
788 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/13(木) 07:03:30.29 O
おはようリゾナンター達
789 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/13(木) 09:14:07.59 0
そういえば今日は2年と1ヶ月記念日かw
790 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/13(木) 09:57:37.16 0
リゾナンターたちのキャラクターって本物のモーニング娘からトレースしてデフォルメしているんでしょ?
791 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/13(木) 10:14:23.82 0
もちろんそうだろうね
本人っぽさを出すことを目標にしている作者さんもいればそこまでこだわらない作者さんもいるだろうけど
792 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/13(木) 11:06:31.52 0
リゾスレの愛ちゃんはなかなか噛まないよね
793 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/13(木) 11:17:58.93 0
あんなに噛まれちゃ話がまるで進まないからなあw
794 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/13(木) 11:37:20.50 0
『光』の力を使うのは久しぶりね…。 消えてしまいたいのは…、アナタ…?>>793
http://ufa.gotdns.com/img/ufa00896.jpg
795 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/13(木) 11:51:48.79 0
>>794
やめろ!そいつをやるくらいなら俺をやれ!
どこだ?ここ?ここに寝転べばいい?よしここがベストだな
ほらやれよ!その冷たい目で俺のこと見下ろしたままやればいい!やって!やってください!
796 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/13(木) 12:02:07.53 0
>>794

*   *  ドキドキ ワクワク テカテカ
  ∧_∧  *
 (;゚・∀・)<次お願いします!!   
 (0゚∪ ∪ *
 と__)__) *
797 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/13(木) 12:07:26.34 0
>>794
高橋がミティ化したのかと思った
798 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/13(木) 12:53:31.17 0
>>797
「アタシたち2人を敵にしようっての? …いい度胸じゃない…?」
http://image.blog.livedoor.jp/kanu_untyou3594/imgs/f/4/f4f19b74.jpg
799 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/13(木) 12:55:39.38 0
オシオキキボンヌー
800 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/13(木) 15:07:59.63 0
アレだよね ミティ様の貧乳キャラも本人とは全然違うよね
801 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/13(木) 15:20:31.86 0
嘘つくな
802 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/13(木) 17:19:38.57 0
ん?何この氷の柱
今日はすごくあったかかったのに
803 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/13(木) 18:23:18.57 0

       +  ______
.        / //    /|
        | ̄/  ̄ ̄,:|//!
        |/_,,..,,,,_ ./ .!/| >>802
        | ./ ,' 3/`ヽ::|っ.!  +
        | l /⊃ ⌒.|つ|
        |/ー---‐'''''"|/  カキーン
          ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
804 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/13(木) 19:12:22.39 0
>>803
安らかな顔が良いねw
805 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/13(木) 20:14:16.82 0
青春コレクションのPVはまだかいな?
806 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/13(木) 21:18:38.62 0
来週末くらいじゃない?
807 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/13(木) 21:53:00.83 0
●月■日(日) PM 4:40

 ごめん、愛ちゃん…れいなも本当はこんなことしている場合じゃないことくらいわかっていると
 でも・・・ミヤをしっかりと話をしないといけないけん、ごめん
 リゾナントから出るとき愛ちゃんが何か言ったような気がしたけど、ごめん訊かなかったことにすると

 なんでこんなことが起きているのかれーなには全く見当もつかんけど
 でも、しなくてはならないこともあるから、少しだけ時間をください
 …ミヤをあの時のように、また悲しませるわけにはいかんけん

 さっきも待ち合わせのお店に向かっている途中で愛佳とすれ違った
 いつもなら笑顔で「田中さ~ん」って話しかけて来るのに、気がつかなかった
 というか視線はあったけど、ちょっと嫌な顔をしてそそくさと道のわきの方へと露骨に避けた
 ・・・愛佳までもれーなのことを忘れておるかいな?
 小春とリンリンまでもしかしたられーなのことを忘れていたとしたら…怖い
 
 なんでだろう?いつのまにれいなはこんなにみんなのことを大好きになったんだろう?
 はじめはあんなに信じられなかったのに、今じゃむしろ信じない方がおかしいくらい近くに感じる
 みんながれーなを信じてくれるようにれーなもみんなを信じるようになったから?

 でも…あのときみたいなことはもう二度と起こしてはいけないけん、後悔しないようにれいなは行くと
用事はすぐに切り上げて、すぐに戻って、異常の原因をみんなと一緒に探しに行くと
 まずはミヤに本当の理由を気付かれないように帰るようにしないといけないっちゃ…
 どうしようかいな?

●月■日(日) PM 4:40

「あのさ、愛ちゃん・・・関係ないかもしれないんだけどさ・・・」
「なに?ガキさん、気になることがあるならいってみて。関係ないと思ったことが意外と繋がってるかもしれないし」
808 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/13(木) 21:55:07.16 0
「あのさ…昨日のことなんだけど、数時間の間、何をしていたのか、全く思い出せないんだよね」
「覚えていない?何も?それは何時くらい?」
同じ記憶が飛んでいるという『共通点』が出てきた
「えっと、さゆみんからメールが来たのは覚えているんだけど」
「ということは7時半くらいですね。さゆみの携帯の送信履歴に入ってます」

新垣も自身の携帯を取り出して時間の確認をした
「うん、時間はおよそ7時半。そこから約2時間の間、何も覚えていないんだよね
 風邪をひいちゃって仕事を早くあげて貰って、店から出て、駅まで向かって、までは覚えているんだよね
 ただ、気が付いたら自分のマンションの前に立っていて時計を見たら9時半ころだったんだよね」
「気が付いたら家にいたと…何か怪我をしている様子もないようだし…ガキさん、ちょっと心を読んでもいい?」
「え?うん」

高橋は新垣の心の奥、無意識の領域を読み取るべく集中した
新垣の精神干渉と比べ、純粋に読み取ることに卓越したこの力ならば何か得られるかもしれない、と考えた
無意識の部分ならばほんの僅かな霞のような記憶が残っている可能性が高い
そこに写っている光景が何かヒントになればいいのだが・・・

「あ~ダメや、何も見えんかった。特別な何かがあると思ったんやけどな~」
「しょうがないよ、愛ちゃん。私の記憶を消すくらいの能力なんだから簡単には行かないさ」
「そうですよ、エリも何か手伝えればいいんですけど、何も覚えていなくて」
「さゆみもなにも覚えていないの」「ジュンジュンも右に同じダ」
不思議がる面々を見て、高橋はますます頭を抱えた
「…いったい何が起きたんやろうか?」

♪カランコロン
…それをかき消すように入口のベルがお客様が来たことを告げる
「すみません、今日は臨時休業なんです。あ、あれ、あなた?」
入ってきた人物はニヤっと笑い、静かな店内へと足を踏み入れた
その人物を迎えるために入口まで急いで移動するとき、高橋は棚に強くぶつかった。
ぶつかったことで水色のマグカップが棚から落ち、それはカシャンと音をたて砕け散った
809 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/13(木) 21:56:46.44 0
●月■日(日) PM 5:00

時間をさかのぼること数時間前からあるビルの一室でマルシェは持参したパソコンと格闘していた
「あと少しですね…ここはこうして…(ピッ)ふぅ、やっとできた」

以前病院の屋上で使った時よりも軽量化し、今度は対象となる人物のみにかかる重力を制御できるようにした
パソコンの画面には某携帯電話ショップのメール管理システムの画面が出ている
先ほどからマルシェはこのシステムを使って、あることをしていた

「やっとれいなが移動し始めたみたいだね。そして、雅もメールを送ったし…面白くなりそうですね。
さて、そろそろ私もリゾナントへと向かいますか。愛ちゃんがどうなっているのか楽しみですね」
マルシェは重力管理装置を小脇にかかえ、開けていた窓から飛び出した

ボタンを押すと、ヒュイン…と低い音がしマルシェの周囲の「重力」が変化した
次第に落ちて行くスピードが低下していき、マルシェはゆっくりと地面に着地する
「うん、この機械は壊れていないようですね。実験大成功」
先ほどまでいた20階の窓を見上げながらマルシェはフフフと嬉しそうに笑った


●月■日(日) PM 5:20

れいなはリゾナントへと帰り始めた。でも明らかに不機嫌で、いつもなら近づいてくる猫達もまったく近寄らない
きっかけは先ほど届いたメール

FROM ミヤ
 ごめんなさい。急に行けないようじができてしまいました(+o+)
 田中さんに申し訳ないんですけど、会うのは今度になりました(T_T)
 会いたいけど・・・会えないんです・・・ゴメンナサイ(+o+)
810 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/13(木) 21:57:50.63 0
「来れないなら早くメールしてほしいと…れーなだって仕事を変わってもらっておると
 急な用事ってしょうがないけど、これじゃ愛ちゃんとさゆに申し訳がつかないっちゃ
 …渡そうと思っていたこのケーキが無駄になるっちゃ。愛ちゃん怒るかいな?」

この時間帯、学生は休日だからいないが、車の行き来がいつもよりも多い。
家族で乗った普通車、友達が一緒にのったバス、それからピザのバイク、はたまた引っ越しのトラックまで走っている。
れいなは携帯をパタンと閉じ、カバンにしまいながら歩き始めた

喫茶リゾナントの看板が見えてきてれいなはふと変な胸騒ぎを感じた
「なんかいな?変な感じがすると・・・」
その原因はすぐに判明した
「あれ?看板が営業中になっていると…愛ちゃん、何かヒントをつかんだかな?」
勢いよく扉を開けると見知った声達が「いらっしゃいませ」と告げる

「もう、愛ちゃん聴いてほしいと~
 ミヤったられーなに来てほしいっていっておきながら用事があって行けないってメール送って来たと!!
 自分から会いたいといいながら来ないなんてマジ最悪と思わん?まあ、おかげで早く帰れたけどね」
そういいながられいなはいつものように厨房に入ろうとした

「ちょっと、お客様、厨房に入らないでください」
「は?何言うとると?愛ちゃん」
れいなが冗談だと思いながら振り返ってみたのは本気で注意をするときの高橋の顔だった

「お客様、厨房はこのお店の命ですのでお客様といえども通すわけにはいきません」
「あ、愛ちゃん?」
「関係者以外は立ち入り禁止となっております」
れいなはただ高橋の言葉を聞いて、呆然としてしまった

(うそ?もしかしてこれって…う、嘘っちゃろ?)
811 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/13(木) 22:00:21.89 0
「あ~愛ちゃん、見て~その子の手に持っている箱~」
亀井がのんびりした口調で言い、れいなは自分の左手に持っている箱に視線が集まるのを感じた
「それ、リゾナントのケーキなの!ちょっと、愛ちゃん冷蔵庫見て来て」
「ちょ、さ、さゆ・・・」
気がつくとジュンジュンの冷たい視線が向けられており、れいなは恐怖を感じた

「あ、やっぱり、ケーキが少し足りない!!あんた、どういうことなのよ!!」
怒りの形相で高橋がれいなに詰め寄る
「あ、愛ちゃん、違うっちゃ、これは」
「勝手にキッチン入ろうとしただけでなく、ケーキ盗んだの?泥棒じゃない」
高橋がれいなの右手に持っていたケーキの箱を奪い取り、道重たちにも見えるようにカウンターの上に置いた
「エリがせっかく考えたケーキを盗むなんて許せない!!底辺ですよ、底辺」
「食べたいものはお金出す、これ基本ダゾ」
そんな言葉が状況を理解できていないれいなに容赦なく浴びせられる

「ちょ、みんな落ち着いてほしいと!れいなよ、みんな、どうかしたと?」
不安げな声でれいなが近づいていた高橋の腕を無意識につかみながらいった。
「れいな?誰?私はそんなこと言われたって知らないわ…あなたのことなんて、ねえ、みんな?」
新垣が急に腕を掴まれ驚いている高橋を助けるべく立ちあがりながら言った
「愛ちゃんから手を離しなさい!…ちょっと待ちなさい、あなた、その顔つき…もしやダークネス?」
れいなは違う違うと表現するように首を振ったが、たいして効果はなかったようだ

高橋はれいなをお客様扱いしているが、力づくで無理やりに掴んでいた手を離させた
道重と亀井はれいなから明らかに遠ざかるように後ろへ下がり、ジュンジュンは逆にいつでも飛びかかれる姿勢
新垣も高橋同様にれいなに対して不信感を示しつつ、ジリリと近づいてきている

「あ、愛ちゃん、れいなやって、ずっと一緒に戦ってきたれいなっちゃ!」
高橋を掴もうとした腕は掴もうとする前に高橋自身によってはねのけられた
「お客様、お客様が何物かは判らないけど近づかないでくれますでしょうか?」
812 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/13(木) 22:01:16.03 0
(愛ちゃんもれーなのことを忘れた?つい1時間前にはれーなを覚えていたのに…)
―あのリゾナンターのリーダーであり、隙を見つけることがほぼ困難な高橋愛が記憶を失った
そのことも重要なことであったが…れいなにとってより恐ろしいことがあった

(もう・・・・仲間はおらんと?
愛ちゃん、ガキさん、エリ、サユ、ジュンジュン、さっきすれ違った愛佳は忘れていかもしれん
もしかしたら、すでに小春もリンリンも…

でも、ここにはあれがあるからみんな思い出すかもしれないっちゃ!)

れいなは急に二階へと続く階段をめがけて広いとは言えない店内を走りだした
「ガキさん、その子を止めて!!」
そんな高橋の声とそれに従う新垣をすり抜けてれいなは自身の部屋のある2階へと登って行った

(二階にはれーなが住み込みをしている間にたまったたくさんの荷物がある『れいな城』があると
 それを見ればみんな何か思い出すかもしれな…)

そんな考えは自身の部屋のあった場所を前にして完全に停止した
「ちょっと、勝手に二階にまで登ってきてどういうつもりなの?」
気がつけば高橋と新垣の両名がれいなの後ろに立ち、ここから逃がさまいと構えている
そんな声もれいなには全く届いていなかった

(な、ない…れいなの荷物が、『れいな城』が跡形もなく消えている)

れいな城のあった空間には何も置かれてなく、観賞用の植物が静かに置かれていた
ここに何者かの部屋となるべき空間があったとは到底思えなかった。

ゆっくりと高橋の方をを振り返りながられいなはか細い声で呟く
「あ、あのここにあった荷物は?」
「…ここに荷物なんてないわよ。あなた、本当に何言っているのよ?」
「愛ちゃん、やっぱりこの子、変だよ。ちょっと警察呼んだ方がいいんじゃないかな?」
813 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/13(木) 22:02:31.16 0
「これが最後とさせてください。できれば私もしたくないけど、これ以上いられるとお店に取って迷惑なんです
 あなたもわかるでしょ?何か勘違いしているのかもしれないけど私達は貴方を知らないんですよ」
きっぱりとそう断言する高橋の言葉を聞いてれいなは自然と涙を流し始めていた
「あ、愛ちゃん」
「まだ言ってるよ。愛ちゃん、早く警察に電話した方がいいって。危ないよ、この子」
「が、ガキさん…」

れいなはゆっくりと立ちあがりながら最後にもう一度高橋を近づこうと手を伸ばし、涙を浮かべながら叫んだ
「愛ちゃん、どうして、どうして忘れたの?れいなだよ、れいなやって!
 愛ちゃん、言ってくれたやん『れいなを、助ける』『力を貸して』って
 どうしてそう言ってくれた愛ちゃんが、みんなが忘れてしまったの?ねえ、なんでよ、ねえ!!」
その迫力に圧倒されたのか高橋も新垣も動けずにただれいなのことを見ている

高橋の華奢な両腕を掴んだれいなは高橋を前後に大きく「ねえ、ねえ」と言いながら揺らす
「れいな最初はみんなを信じられなかったとよ。でも、みんながれーなを受け入れてくれたかられーなも受け入れたと!
 信じるなんて綺麗ごとやと思っとったけど、愛ちゃんたちなら信じられると思ったとよ
 こんなに人を信じられるなんてれーな自身も思わなかったとよ!
 それなのにどうしてれーなをまた一人にすると!ねえ、愛ちゃん、思い出してよ!ねえ!!」
れいなはそう言いながら高橋をより一層激しく揺さぶった

高橋は半分泣きかけているれいなの腕を強く握り返し、「いい加減にしなさい!」・・・そう言ってれいなを強く突き放した
茫然としている新垣を横目に高橋はゆっくりと背中から床に叩きつけら立ちあがれずにいるれいなに近づく
「確かに私の名前は愛だけど、『れいなを助ける』っていったことなんてないわ」
「嘘やって、れいなは覚えていると!あの日の愛ちゃんの服装も言葉も全て、何もかも」
ゆっくりと立ちあがろうとするれいなに高橋は手を差し出した
「手荒な事をしてごめんなさい。だけどここは、あなたの家ではないのよ。家はあるんでしょ、どこか別のところに
 今帰ってくれるんなら次はお客様として笑顔で迎えてあげられるわ。だから、お願いだから帰ってくれるかな?」
言葉はおだやかであるがその静けさがより一層れいなの心を傷つけた。
814 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/13(木) 22:04:40.85 0
れいなはゆっくりと新垣の目をみた。その目からは先ほどと違い、『可哀そう』という同情の色を感じてしまった
「ほら、れいなちゃん、一度、家に帰っておちついたらまた来てちょうだい。ね?」
新垣も高橋同様にれいなを刺激しないように言葉を選んで帰らそうとしてくる

(愛ちゃん・・・ガキさん・・・れいなの家はここなんだよ!!ずっとずっと、ここに居たとよ!)
そう言いたくてもれいなは言えなかった。もし言ったならばさらに事態は悪くなる…そう考えて…でも、感情は抑えられなかった

「うわぁぁぁ~ん」
れいなは赤ん坊のように声をあげて階段を一気に駆け下りた
階段の下から亀井、道重、ジュンジュンは二階の様子を盗み聞きしていた
そんな三人のもとにれいなが大粒の涙をこぼしてドタドタと大きな音を立てて降りて来たので驚き、急いで道を開けた
手で涙をぬぐいながられいなは道を開けた3人の顔を見る
驚き顔の亀井、恐怖でひきつった道重、未だに怒っているらしき顔のジュンジュン

(サユ、エリ、ジュン…なんでれーなのことを覚えていないと?あんなに一緒にいるのに!
 誰も信じちゃいけなかったと?れーなは信じることを許されておらんのかいな?)

れいなはもう一度リゾナントの店内を見渡した。
カウンター、テーブル、キッチン、そして戸棚…
(!!れいなの水色のマグカップもなくなっていると…そこまですると?れいなは必要ないとでも言うと?)

扉に手をかけてれいなは店内を振り返る。
二階からは高橋と新垣、一階では亀井、道重、ジュンジュンがれいなの方を見ている
「みんな・・・本当にだいっっ嫌いっちゃ!!」
れいなは勢いよくバタンと扉を閉め、泣きながら外へと飛び出して行った

「ねえ、あの子いったいなんだのかしら?嵐のように去って行ったね、愛ちゃん…」
「わからない…でも、なんだか、心が痛い…そんな気がする…」

                *   *   *   *   *   *
815 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/13(木) 22:06:28.41 0
どうやら田中さんは『無事に』リゾナントから出られたようですね
『計画』も最終段階ですね・・・

田中さん、もう少しでわたしがあなたの悲しいその記憶を消してあげますからね
泣かなくていいんですよ、もう、これからは・・・

誰にも期待されないで、自分のために生きて行く、そんなことを教えてくれたあなたのために私が出来ること…
そう、あのときおしえてくれたことをあなたに恩返しするために、今会いに行きますよ

                *   *   *   *   *   *

●月■日(日) PM 6:00

喫茶リゾナントに来て驚きましたね。
こっそりと覗いていたんですけど、まさかれいなが泣きながら出て行くとは思いもしませんでした
れいなはもっと強い娘だと思ってましたけど、案外弱いのかもしれませんね。
人は見た目によらない。意外なものが見れて面白かったです。

しかし、れいなが出て行ったということは、愛ちゃんたちはすでに記憶を消されたと考えていいでしょう
まさか愛ちゃんまで簡単に事を為すとはこちらも想像以上の力ですね

とりあえず、前もってれいなの携帯電話がどこにあるのかを把握できるようにしておいてよかったです
これでれいなの近くにあの子が現れるのを待つことが出来ます
あの子の目的がれいなならば必ずもう少ししたら、現れるはずです。そこで・・・

あ、メールが届いたようですね
『FROM ミヤ  TO れーな
 さっきはごめんなさい<(_ _)>でも!!急いで補習抜け出したので会いに行けますよ(^-^)
 ミヤは田中さんのこと大好きですし、心から信じています!呼んだらすぐに飛んでいきますよ☆彡』

…なるほど、今のれいなならすぐに飛びつく内容ですね。おっと急がないといけませんね。スイッチON!っと
816 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/13(木) 22:09:23.46 0
>>807-815
『Vanish!(7)微々たる計画の狂い(分類MM。)』
通常作品デス。やっと(2)の愛佳の予言のところまで行けた~長かった~

さて、次回でようやく完結します!
といってもまだ書いていないので、投下できるのは最低でも1カ月後になります
そしておそらく実質4話分くらいのボリュームになります。

えっと書くと宣言していた『かなしみさん』のほうは…書けたら書きます。とりあえず、こっちを優先します
817 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/13(木) 22:16:45.60 0
いやいやいや コレもうすぐにでも続きがよみたいがな!! たのむでホンマ!

しかし4話分一気投下とは楽しみすぎる!!w 待っとるで!!
818 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/14(金) 00:17:44.84 0
何か辛い内容だねえ
早い完結を願っとります
819 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/14(金) 00:37:34.92 0
>>816
せつないというかなんというか・・・
続きを楽しみにしてます
820 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/14(金) 00:43:26.20 0
「…さて、そろそろ仕上げに出掛けますか…」
http://buono.shigurui.com/kongariatsuatsu/buono000508.jpg
821 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/14(金) 01:50:50.45 0
暑いよ
822 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/14(金) 04:24:45.36 0
おやりぞでごじゃる
823 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/14(金) 07:04:05.74 O
おはようリゾナンター達
824 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/14(金) 07:19:15.95 0
>>816
乙です
旺盛な創作意欲には頭が下がります
何か鬱展開みたいなので完結してから一気に読ませてもらいますね
825 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/14(金) 09:28:33.33 0
>>816
これは言い知れない恐怖ですね本当に…
どんな完結を迎えるんだろう
826 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/14(金) 11:13:33.58 0
>>229-235『“未来”への反逆者たち ―チカラとココロ(2)―』の続きを上げさせてください

>>816さんの後 立て続けになって申し訳ないですが……


【よく分かる前回のあらすじ】

里沙の怪我を治癒中だったあさ美は 石川の新ワザ“念動弾―サイコ・ブレット―”により命を落とした
そして里沙と石川は「あの夜」以来の対峙を果たす
827 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/14(金) 11:14:50.42 0

「石川さん、わたし…一つ分かったことがあるんです」
「……は?何よいきなり」

唐突な、里沙の呟くようなその声に、石川は笑いを止めて不愉快げに眉根を寄せた。

「わたしは家族を捨てた…ううん、家族に“捨てられた”ってずっと思ってました。……石川さんと同じように」

そう言うと同時に、周囲の空気が鋭く震えるのを里沙は感じた。
石川の顔にも、これまでとは明らかに違った凶悪な表情が浮かび上がっている。

「……で?」

それでも続く言葉をじっと待つ石川に、里沙はふとある種の感慨を覚えた。

石川にとって、あの夜の里沙との対峙が拭いがたい屈辱の過去であり、また、今こうして再び向かい合う理由になっていることは推察の余地もない。
だが、もしかすると同時にどこか「分かり合えた」瞬間でもあったのかもしれないと里沙は思う。
そして、今しがたのあさ美の死が、それをさらに浮き彫りにしたのではないかと。
石川本人は気付いていないだろうし、それ以前にそれを認めることなどありえないとしても……。

「わたし、一枚だけ…捨てられずに持ってたんです。両親の写真。まだ…かろうじて家族でいられた頃の……写真」

再び唐突に飛躍した里沙の話も、石川はやはり黙って聞いている。

「でも、そんなものをいまだに引きずってる自分が急に許せなくなったときがあって……もうこんなもの燃やしてしまおうって、写真を持って外に出たんです」

…正確にはきっとそうではない。
愛や……他の皆との触れ合いの中、自分を貫けなくなりつつあるのが怖かったのだろうと今は思う。
だから、無意識に自分の中の何かを自分で壊そうとしていたのだと―――

    ◆     ◆     ◆
828 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/14(金) 11:15:44.01 0

何かから逃げ出すかのように、写真だけを持って向かった近所の公園。
燃やそうにも火を点けるものが何もないと気付いたのは、到着してからのことだった。
自分のバカさ加減に嫌気が差し、写真を片手にベンチに座って無駄に青い空をぼんやりと見ていると、不意に声をかけられた。

「ガキさん?どうしたの?こんなとこで」

慌てて写真を隠しながら振り返った先にあったのは、道重さゆみの不思議そうな……そして少し心配そうな表情。
咄嗟に気の利いた言葉を返せず、「いや、別にどうもしないんだけど…」と呟くように言うと、さゆみは「隣いい?」と微笑みながら尋ね、返事を待たずに空いたスペースに腰を下ろした。

「いい天気だね。気持ちいいなー」

伸びをしながら青空を仰いださゆみは、検査入院中の亀井絵里の見舞いに行ってきたところであること、そして2人でどんな話をしたかということを楽しそうに話した。
適当に相槌を打ちながら聞いていたその話が一段落すると、それまでとは打って変わったように遠慮がちな口調でさゆみは言った。

「あの……さっき見てたのってさ、もしかしてガキさんの…両親の写真?」

やっぱり見られていたのかという動揺を隠しながら「まあ…ね」と曖昧に口を濁すと、さゆみは控えめながらもはっきりと「見せてほしい」と求めた。
静かでいて妙に真剣な瞳と言葉に抗い難いものを感じ、やや気まずげな思いとともに手渡した写真を、さゆみはしばらくじっと眺めていた。
その横顔は、柔らかく降り注ぐ陽の光や心地よく吹き過ぎてゆくそよ風と相まってか、ただそこに在るだけで不思議と穏やかで心落ち着かせるチカラを感じさせた。

「やさしそうだね。お父さんも、お母さんも」

やがて、そんな言葉と笑顔とともにさゆみが丁寧な手つきで返してきた写真を受け取りながら、「そう?」とどうでもよさそうに返事をした。
「そんなお為ごかしのおべんちゃらはいらない。大体こんな写真一枚で何が分かるというんだ」と、心のどこかで反発しながら。

「分かるよ」
「……え?」

心を見透かされたかのようなその言葉に驚いて顔を上げると、さゆみの真摯な瞳が真正面にあった―――
829 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/14(金) 11:16:26.66 0

    ◆     ◆     ◆

「その子は言いました。本当に心からそう思っていると感じさせる声と…表情で」

 ――だってさゆみのお父さんとお母さんと同じ、とてもやさしそうな目をしてるから――

ほんの僅かな迷いも嘘もない、透き通った声と表情で…あのときさゆみははっきりとそう言い切った。


「私は思わず言いました」

 ――でもさゆの両親はさゆのことを……――

そこまで口にして、慌てて言葉を止めたのをはっきりと覚えている。

さゆみの両親が、“普通ではない”我が子を恐れて極力接するのを避けていることは知っていた。
それがさゆみをどれほどに傷つけ、苛んできたかも。
確かに、罵られたり家を追い出されたりといった目に見える虐待は一度もされていないのかもしれない。
だが、我が子として接してくれない両親のことを、何の曇りもない瞳で「やさしい」と表現できるさゆみの感覚は理解できなかった。


「……そうしたら、その子は少しだけ淋しそうに笑って……そして言いました」

 ――受け止め切れなかっただけなんだよ。ただ、それだけだよ――

やさしいけれど……ただ、弱かっただけ。“普通ではない”自分の子どもを受け止められるだけの強さがなかっただけ。
弱いことは哀しいことだけれど、悪いことじゃない。どんなことでも乗り越えていけるような、そんな強い人ばかりじゃない。
だから、それは責められないし、責めてはいけないと思う。何より自分だって、いつも自分の弱さに嫌気が差してるんだから―――

そう言って弱々しく微笑むさゆみはしかし、実際には誰よりも強いココロを持っているとそのとき心底思った。
そしてさゆみの言葉には、真実はどうあれ、そう信じたいと思わせてくれるチカラがあった―――
830 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/14(金) 11:17:09.42 0

「石川さん、だから石川さんのお父さんとお母さんも―――」

―――あなたを捨てたわけじゃない。ただ、残酷な現実を受け止められるだけの強さがなかっただけ―――

だが……その言葉は、背後の壁が激しく割れ飛ぶ音によって途中で遮られた。
今にもひび割れそうなほどに張りつめ、歪なねじれさえ感じさせる空気の向こうに、表情が消えた石川の立ち姿が揺らめいている。

「そんな話であたしが感動するとでも思った?泣き崩れてあんたと抱き合うとでも……思った?」

言葉と同時に里沙の頭のすぐ横を“何か”が突き抜け、直後に再び後ろの壁がいくつもの悲鳴を上げる。
崩れ落ちる欠片がパラパラと音を立てるのを背中で聞きながら、里沙は最後までは言えなかった言葉を瞳に湛えて静かに立ち尽くしていた。

最後まで言葉にすることはできなかったが、もう十分だった。
石川が今さらこんな言葉に心動かされ、進む方向を変えるなどとは元より思っていない。
何より里沙自身、その言葉を心底本気で口にしているわけではなかった。

弱いことは確かに悪いことではないかもしれない。
でも……だからといって、すべてが許されるわけでもない。
その弱さが、孤独に押し潰された悲しい人間を生み……そして終わらない悲しみの連鎖を生み出していることもまた確かなのだから。

「いえ、ただの……餞別のつもりです。私なりの」

小さく息を吸い込み、里沙は静かに口を開いた。

――あの人を解放してあげて

苦しい息の中でその言葉を遺したあさ美の顔が脳裏に甦る。

おそらく、石川は自分が自分であるために、里沙と決着を着けようとしている。
それを断ち切ることが、今の自分があさ美のため…そして石川のためにできるすべてだと里沙はすでに悟っていた。
もう、迷いはなかった。
831 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/14(金) 11:17:59.56 0

「…言ってくれんじゃない、里沙」

石川の表情に形容しがたい感情が浮かび上がり、里沙の周囲の空気が切り裂かれる。
続けて、無理やりに笑みを形作ったその口元から、再び聞き覚えのある言葉が押し出された。

「まさかあたしと闘って勝とうなんて……バカなこと考えてる?」

“あの夜”と同じ言葉を敢えて投げかけたのだろう石川に対し、里沙は小さく首を振った。
あのときと同じ言葉を返す気にはなれなかった。

「石川さん、あなたは私には勝てません」

一瞬、石川の顔に自然な笑みが浮かんだ気がした。
それまでのような作った笑みではない、本物の笑みが。

「……相変わらずくだらない冗談言うのね。ま、もうすぐ二度と言えなくなるけど」

だが次の瞬間には、元通り残忍な表情を浮かべ、里沙を冷たく嘲笑う粛清人の姿があった。

苦笑とも見えた、その一瞬の笑みが意味するところは里沙にも分からなかった。
…或いは石川自身にも自分の浮かべた表情が分かっていなかったのかもしれない。


「念動弾 ―サイコ・ブレット― ……“チカラ”そのものを弾丸状にして飛ばしたんですね」

そんな思いは無論表に出すことなく、里沙はただそれだけを静かに口にした。

先刻、あさ美の命をこの世から削り取った“弾丸”―――
それが“チカラ”そのものを凝縮して固め、それを超高速で飛ばしたものであるのは明らかだった。
“念動力―サイコキネシス”能力者の中でも、こんな芸当ができる者はそういないだろう。
怖ろしいほどのセンスと……そして哀しい性だと改めて思わずにはいられない。
832 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/14(金) 11:18:42.14 0

「そうよ?お利口な里沙ちゃん。“弾”は無限にあるからいっぱい遊んであげる。最初はどこがいい?手?足?それとも耳なんてどう?」

“愉しくて仕方がない”―――
そんな色を湛えさせた表情と声音、そして大げさな身振りの石川に相反するかのように、じっと立ったままそれを聞いていた里沙は、淡々とした口調で言葉を返した。

「『おかしい』……って思ってますよね?」
「…は?何がよ?」

その唐突な里沙の問い掛けに対して浮かんだ軽やかな笑みとは裏腹に、瞳には僅かな狼狽の色が漂う。

「『さっきの“弾”は顔を掠らせたはずだったのに……まだ慣れてないせいかしら?』……そう思ってるでしょう?」
「なっ……!?里沙…!あんた…!?」

今度は覆いきれない動揺を露わにした石川に、里沙は表情一つ変えずに言葉を継いだ。

「でもそうじゃない。狙いは完璧でした。ただ……私が少し“弾”のコースを変えただけです」
「“弾”のコースを…変えた?何言ってんの?そんなことできるわけ―――」
「あなたの“弾”は私には当たりません。……絶対に」
「…上等じゃない!だったら試してあげる!」

余裕の笑みをかなぐり捨てた石川が吠えるようにそう言った直後―――里沙の背後の壁がまた激しく割れ飛んだ。

「―――!!どうして―――!?」

初めて見せる明確な驚愕の表情を浮かべる石川にも、里沙はどこまでも静かに言葉を重ねる。

「私のチカラ……精神干渉はすなわち脳への干渉。そしてチカラは脳によって支配されています。だから―――」

そしてそこでいったん言葉を切り、決然とした瞳を石川に向けた。

「だから石川さん、あなたは私には――勝てない」
833 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/14(金) 11:19:26.12 0

      *      *      *

「ッッ――ざけんなっ!!」

――激昂――憎悪――混乱――恐怖――狂気――矜持――

いずれとも分からない感情に突き動かされるように、石川は里沙に向けて“弾”を乱射した。
“弾”は、床や壁にいくつもの穴をあけ、粉塵を舞い上げる。

白く煙る景色の中―――里沙は微動もせずに静かに立ち尽くしていた。
その姿に、表情に、そして里沙の体には傷一つついていないという事実を前に、石川の脳裏を激情と万感が駆け巡る。


 ――あたしの脳に干渉?  ――ありえない!  ――あたしのチカラを支配?
                          ――孤独
    ――薄汚いチカラ ――マインドコントロール       ――あの夜の屈辱
――淋しかった
――両親 ――あたしを捨てた               ――捨てたんじゃない? ――ふざけるな!!
                  ――あたしは独り 
  ――“自分” ――粛清人 ――生きる意味   ――殺す――殺す――殺す!!!!!
                                      ――今までも これからも ずっと……

「死ねッッッッッ―――――!!!」 「―――!!―――」


――瞬間、石川は聞いた。

今まで何度となく聞いてきた音――“死”の奏でる不快なノイズ――を。


これまでにないほどに大きく鳴り響く、忌まわしいその音を―――
834 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/14(金) 11:20:07.53 0

      *      *      *

「石川さん……」

冷たい床に崩れ落ちた石川の傍に歩み寄り、里沙はその体をそっと抱き起こした。

自らの“弾”に穿たれた胸からは、まだ赤く温かい血があふれ出している。
先ほどまで様々な感情に縛られ歪んでいたその顔は、すべてから解き放たれたように穏やかだった。

「ごめんなさい……」

石川を“解放”するにはこうするしかなかったと確信しながらも、里沙は深い悔恨を覚えずにはいられなかった。

自分の存在意義をあんな手段でしか確認できなかった石川の姿は、未来の里沙自身だったのかもしれない。
愛に出会わなければ、みんなに出会わなければ……きっとそうだっただろう。

受け止め切れなかったのは…弱かったのは両親だけじゃない。
石川自身も……そして里沙も同じだ。

問題なのは、普通ではない“チカラ”そのものじゃない。
それを受け止め切れなかった弱い“ココロ”だったのだ。

そのことは、きっと石川も心の奥底では分かりすぎるくらいに分かっていたのだと思う。
だからこそ、里沙は敢えてあんな話をした。
石川の心の隙間に入り込み、精神を…脳を支配するために。

―――あまりにも簡単だった。
もしかすると、石川は深層でこの結末を望んでいたのかもしれないと思うほどに。

石川の体をあさ美の隣に横たえながら、里沙はふとそんなことを考えた。
真偽の程は知り得るべくもないが、何故か――間違いないように思えた。
835 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/14(金) 11:21:24.85 0

「つっ……」

2度目の黙祷を捧げ終えて立ち上がった里沙は、胸を押さえて顔をしかめた。
体から離した掌に、真新しい血が付着している。
全神経を使った今しがたの“戦い”で、塞がりかけていた傷が再び開いたらしい。

無理もない、と里沙は苦笑した。
致命傷と呼ぶに相応しい傷を先ほど自分は負わされたのだ。
あさ美の治癒能力のおかげでこうして動き回れるほどに回復したが、あれだけの時間で完治は望むべくもない。

だけど……
同時に、以前のあさ美であればきっと完治していただろうとも思う。

あさ美の顔をそっと見遣り、里沙は再びやるせない思いに捉われた。
あれほどに優しい“チカラ”を持ちながら、阻害され、孤独に苛まれなければならなかったあさ美。
人並み外れた優秀な頭脳とその“チカラ”が一緒になれば、何かを変えられるほどの大きな力が生まれたかもしれない。
しかし、結果としてその2つは打ち消し合い、何も残らなかった。
自分という、一人のくだらない人間の命を少しばかり長らえただけで……

――「見つけて、里沙ちゃんが。できるよ、里沙ちゃんたちなら」――

だが、最後にあさ美はそう言い遺した。

自分なんかに何ができるか、それとも何もできないのか…それは分からない。
それでも、あさ美に託された思いを無駄にすることはできない。

あさ美は「里沙ちゃんたち」と言った。
だからまずは……愛とれいなに追いつくことだ。

そう自分に言い聞かせ、里沙はあさ美から視線を引き剥がすようにして、愛とれいなが向かった出口に体を向ける。
刹那―――里沙の目に思いがけない人影が飛び込んできた。
836 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/14(金) 11:22:07.82 0

「“組織が許してもあたしが許さない”……前にそう言ったよ、里沙」

闇色の細身のスーツに身を包んだその人影――保田圭は、静かにそう告げた。
その手の中のナイフからは、ぽたぽたと赤いしずくが滴っている。

再び体に刻まれた“致命傷”を押さえながら、里沙は床に崩れ落ちた。
今度は掌に付くだけでは済まない量の血が、指の間から脈打ちながら流れ出していく。

「保…田…さん……どう…して……」
「あたしには責任があんの。里沙、あんたへの責任も……石川への責任も」

その一瞬、温度のない表情と声の中に、ほんの僅かに感情が混じるのを里沙は感じた。

「それに……安倍なつみの遺志への責任も」

安倍なつみ―――

保田が、そして里沙がかつて敬慕した人。
そして同時に、“組織”に身を置くことになった“理由”。
今はもう亡き……しかし確かに存在し続ける偶像。

「安……倍さん、の、思い…描い、て…いた“未来”…は……―――」

現在のような“組織”の姿ではきっとなかったはず―――

そう言おうとして、里沙は激しく咳き込んだ。
口の中が血の味で満たされ、口元に当てた手が赤く染まる。

もう、言葉は出てこなかった。
だが、それに答えるようにぽつりと呟かれた保田の声は、はっきりと耳に届いた。
837 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/14(金) 11:22:49.60 0

「――戻れないのよ、もう」


それは、里沙の知る保田からは想像もつかないような、弱々しい響きだった。

保田もまた“弱い”人間であったのだと、里沙は知った。
そして自分と同じ、あさ美と同じ、石川と同じ……その弱さを認めることができなかった、悲しい一人の人間であったのだと―――


「ごほっ―――」


再び咳き込んだ口から飛び出した鮮やかな液体の色は、もう里沙の目には半ば灰色に映っていた。
痛みすら最早ほとんど感じず、視界がゆっくりと狭まってゆく。


―――愛ちゃん………ごめん……後から絶対に行くって…言ったのにね……


最後の最後まで愛に嘘を吐くことになってしまった自分に、笑いと……涙がこみ上げる。

嘘で飾った愛との出逢い、そしてリゾナントで皆と過ごした偽りの日々が脳裏にフラッシュバックする。
いつしか――その映像は、愛の笑顔で埋め尽くされていた。

そう、だけどきっと愛はそんな自分にすら、こんな風に心からの笑顔を向け……許すだろう。


―――愛ちゃん………ごめんね……ありが…とう……愛…ちゃ……ん…………愛……………


静かに目を閉じ動かなくなった里沙の顔には、一筋の涙と……思い出の中の愛と同じ、やわらかい笑顔が浮かんでいた―――――
838 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/14(金) 11:24:13.83 0
>>827-837

『“未来”への反逆者たち ―チカラとココロ(3)―』


これにてダラダラ続いた「第二章」に当たる部分についてはようやく終了です
とっくに読むのをやめている賢明な方もいらっしゃるかもしれませんが…w なんとか最後まで書いてみたいとは思っています

そして…その……ごめんなさい
圭ちゃんは生きてますのでそれでどうか一つ……


今作中のエピソードは自作では以下のものが関連しています

(05)116 『孤独の死闘』
(40)594 『幕間 ―THE REASON FOR...』


そして他作者様の作品では『孤独の死闘』の元になっている

[Niigaki](02)582 『LIAR GAME』(及びさらにその元になっている[Niigaki](01)434)

…にリゾナントさせていただいた形です
例によって勝手に設定を変えてしまって申し訳ない限りですが本当にありがとうございます


蛇足ながら「安倍なつみ」について触れることはもうないと思います
読んでくださった方がそれぞれ思い描いてくださると助かりますw
839 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/14(金) 12:17:11.25 0
>>816
これは続きが気になる展開
続き待ってます



>>838
このシリーズも大好きなんで続き待ってます
最後にまた嘘ついたことを悔やむガキさん悲しすぎる・・・
840 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/14(金) 12:32:40.59 0
>>838
紺野さん、石川さん、ガキさん、保田さん
各々の思いが交わりそうで交わらないのがやるせないですなあ
この後愛ちゃんやれいなにどんな未来が待ち受けているかと思うと…
841 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/14(金) 13:34:31.49 0
オリジナル作品は切ない話が続いてますなあ…

>>838
このシリーズもまた独特の切なさがありますね。近くにありながらつねにすれ違う心と心…。

遂げられなかったあさ美の想い…。 交わる事の無い石川の心と里沙の心…。
「心」よりも「責任」を選ばなければならない保田の苦しみ…。

そして愛に届く事の無い里沙の最後の想い…。

ここにはいないさゆみは今、何を想っているのか…? そんな事も考えました。
842 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/14(金) 15:01:47.75 0
>>838
ガキさん・・・
孤独な異能力者・・・
その最後も何て孤独なんだ(涙
843 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/14(金) 18:11:37.37 Q
粛清人Qが後を継ぐよ
844 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/14(金) 20:11:06.89 0
保全人0もいるぜ
845 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/14(金) 21:58:24.40 0
ガキさんって孤独だな~
846 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/14(金) 22:18:47.03 0
哀しみのホゼナンター
847 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/14(金) 22:51:24.09 0
最近規制が厳しいのかな
848 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/15(土) 00:05:11.28 0
どこが規制なんだろう
携帯?
849 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/15(土) 00:08:12.58 0
今はこうして書き込めるけど参院選直前になったら政治コピペで巻き添え規制を食らう予感
850 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/15(土) 00:10:01.44 0
やっと巻き添えから解放ですorz
851 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/15(土) 03:37:20.51 0
規制中なの?
852 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/15(土) 05:39:33.93 0
娘。を追ってフランスに行こうかと迷ってます
853 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/15(土) 08:16:19.31 Q
ホゼナンターフランス支部発足
854 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/15(土) 09:34:49.76 0
迷わず行けよ行けばわかるさ
855 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/15(土) 11:04:37.12 0
>>852
ロスは結構神だったんで、こっちも行きたいと思います
856 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/15(土) 12:28:31.99 0
川*’ー’)<ボンジュール
857 : 名無し募集中。。。 [] 投稿日:2010/05/15(土) 12:39:41.48 P
このスレには米のホゼナンターが確認されてるが欧米ホゼナンターもいたりしてな
858 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/15(土) 15:12:52.94 0
しがない関西ホゼナンター参上
859 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/15(土) 16:06:28.79 0
>>855
本場のクレープ食べられるんだね
860 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/15(土) 16:21:54.25 0
リンリンかよ!w
でも高そう、フランス…
861 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/15(土) 18:42:09.05 0
>>816
…最低でも1カ月後とは… アタシは早く田中さんに会いたいのに…
http://buono.shigurui.com/kongariatsuatsu/buono000133.jpg
862 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/15(土) 18:43:36.18 0
そうだ!フランスへ行こう!
863 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/15(土) 19:03:01.14 0
>>861
雅ってこの子だったのか
864 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/15(土) 19:41:31.09 0
北陸ホゼナンター参上っ
命がけでリーダーを支えます
865 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/15(土) 21:16:44.34 0
>>861
なかなか強そう
866 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/15(土) 22:51:34.47 0
実際中々の手練れですからな
867 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/15(土) 23:51:21.36 0
するどい武器をもっているな
868 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/16(日) 02:12:30.35 0
?お?や?リ?ゾ?




( `.∀´)y-~~
869 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/16(日) 04:25:54.90 0
hoZZZZZzzenanto
870 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/16(日) 08:32:06.60 0
何か悪夢にうなされたような
871 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/16(日) 08:38:02.89 0
夢の中での死は・・・精神の死よ
872 : 名無し募集中。。。 [] 投稿日:2010/05/16(日) 09:59:55.95 P
>>870
ヲレもだw
寝汗いっぱいかいてるな・・・
873 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/16(日) 12:48:33.54 0
ランチリゾ
874 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/16(日) 14:25:42.38 0
            ?      ??
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        ????         ????
875 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/16(日) 14:28:41.37 0
愛ちゃんのミステリアス絵文字?
876 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/16(日) 15:03:44.36 0
ウィキ更新乙です
読むのが楽しみ
877 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/16(日) 17:41:52.84 0
関西ホゼナンター参上
878 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/16(日) 19:40:37.50 0
腹減ったー
879 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/16(日) 21:19:40.61 0
作品にも飢えとるよ

motorさんの推理劇
犯行現場のエアコンの設定温度が高かったのは氷を溶かして密室を作るため?
何かミスリードさせられてる気がする
880 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/16(日) 22:11:23.09 0
新潟6R馬連9-14で\1500くらい儲けた
このスレのおかげだな
881 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/16(日) 22:36:14.09 0
wiki更新乙
作者さんの制作意欲にも繋がってると思う
882 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/16(日) 23:03:23.51 0
ライナーノーツに載りたいって思うねあれは
883 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/17(月) 00:27:15.67 0
このスレの充実振りはすごいな
884 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/17(月) 02:21:04.80 0
885 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/17(月) 04:08:37.71 0
おやりぞ
886 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/17(月) 04:28:33.85 0
887 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/17(月) 07:05:54.46 O
おはようリゾナンター達
888 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/17(月) 08:00:27.29 0
>>886
昭和のアクション映画のテイストがあって個人的にはかなり好きだ
889 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/17(月) 08:15:30.25 0
おいの環境じゃどんな画像だか見れんのじゃが
890 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/17(月) 09:50:07.26 0
( ・e・)<見れないけどどうせガキさんだろとか思ってんでしょー?ちがうからー!
891 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/17(月) 11:53:49.16 0
そういやガキさんのAAショートカットVersってあるの?
892 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/17(月) 12:44:47.27 0
何それ
893 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/17(月) 13:02:20.30 0
チョコボールverしかないよ
894 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/17(月) 14:38:27.43 0
さゆやれいなばかりじゃなく
ガキさんのブログも行ってあげて!
895 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/17(月) 15:28:31.88 0
誠実な人柄は伝わってくるんだけどね
正直手が回らんw
896 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/17(月) 16:09:11.36 0
最優先で見てるよ
897 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/17(月) 16:10:14.22 0
娘はジュンリン以外ちゃんと見てるよ
もちろんファッショナブルも
898 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/17(月) 16:16:41.77 0
全員見てるわぃ
899 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/17(月) 17:40:33.52 0
ガキさんブログのコメント欄にばばちゃんとあるが・・・
まさか本物ではあるまいな
900 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/17(月) 17:51:16.64 0
どんだけコンピューターおばあちゃんだよw
901 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/17(月) 17:55:46.98 0
902 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/17(月) 19:26:40.69 0
80年代の歌?一周回って逆に新しい感じw
903 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/17(月) 19:46:24.74 0
なつかしい言ってるオレ18だけどなw
904 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/17(月) 20:04:54.07 0
確か紅白で娘。が歌ってたときなかったっけ?
…って何の話題だよw
905 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/17(月) 22:00:01.53 0
2006年だね
906 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/17(月) 23:37:11.10 Q
急にスレが寂しくなったなあ
Qに
907 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/17(月) 23:47:53.90 0
http://www.smgbb.cn/2010/tv/live.html?220-1274023800

コハミヤキタ━ノリo´ゥ`リl∂∀∂'ル━!!!
908 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/18(火) 02:08:34.21 0
貧乳コンビか
909 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/18(火) 06:57:00.70 Q
ノリo´ゥ`リ<コハハハハ
910 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/18(火) 09:51:22.28 0
笑いが引きつってるな
911 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/18(火) 12:16:37.55 0
>>908
ガキさんも入れてトリオにしてほしかった
912 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/18(火) 12:18:36.38 0
新貧ぬ…
いや何でもない
913 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/18(火) 12:24:28.85 0
れいなは?れいなは?
914 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/18(火) 13:18:00.94 0
あ、あーしのなまえは あいきゅーいちよん っちゃよ
915 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/18(火) 15:18:50.03 0
>>911
じゃあここで結成しよう
916 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/18(火) 16:21:08.97 0
>>915
世にも恐ろしいものを見せられてその記憶を消されての繰り返しの刑
917 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/18(火) 16:47:08.06 0
http://static9.photo.sina.com.cn/orignal/6713f0d4g86cc0d667598.jpg

こんな○○を見せ付けるような事をしたリンリンには一体どんな末路が…!?
918 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/18(火) 16:47:56.05 0
>>917
この画像何回見てもおもろいわww
919 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/18(火) 19:25:25.06 0
凄く見たいけど
画像が見れませぬ
中国語が書いてあったよ
920 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/18(火) 20:47:19.65 0
http://st73.storage.gree.jp/album/23/42/27952342/eff2281d_640.jpg
アニメの登場人物みたいなバイバイをするi914
921 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/18(火) 21:15:36.34 0
夜の始まり
922 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/18(火) 21:15:43.87 0
やっぱりメンバーのブログでネタには困らないけど
これを文章にというとなかなか…。
そういえばこのスレももう終盤ですね。
923 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/18(火) 21:24:04.67 0
ブログの写真で小説はなかなか書けないかと思う

>>920だと笑ってさゆと別れたリーダーがみんなに黙って戦いに行くみたいなの想像できたw
さゆみに背を向けた瞬間に真顔になってるリーダー
まぁリゾスレでも現実でもそんな器用な人じゃないんだけど
924 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/18(火) 21:26:45.86 0
>>923
おおいいねぇそれカコイイ
自分はただ可愛いなぁ~としか思わんかった
まだまだ修行が足りんな
925 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/18(火) 21:36:05.06 0
あちしは画像左上のあんよが気になる… 誰?w

>>923いい想像だけどスヌーピーのTシャツで戦いに赴いてほしくは無いな…w
926 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/18(火) 21:41:22.97 0
リゾスレにこだわらなければブログ写真はネタの宝庫だw
いくつか書いたことあるよ
927 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/18(火) 21:43:21.20 0
特にカプスレ系の人にはそうかもねw 皆仲良いよなw
928 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/18(火) 23:05:00.97 0
今の娘。は本当にいいなあ
929 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/18(火) 23:11:48.10 0
メンバーの変動がないからどんどん愛着が湧く
9人って人数もいい
930 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/18(火) 23:15:11.54 0
…(;´Д⊂)
931 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/19(水) 00:42:30.67 Q
ノリo´ゥ`リ<コハハハハ…
932 代理ナンター[] 投稿日:2010/05/19(水) 01:18:41.96 0
完走間近
流れぶった切っての投下お許しください。

http://www.youtube.com/watch?v=Uq3im0D2JGg&feature=player_embedded
『さよなら、リゾナント』

もともと入ってるソフトでつくったので画質悪いわしょぼいわですが…
どうしてもこの歌声が使いたくて
リゾナント元はもちろん『さよならリゾナント』です。
作者さんの思いとかけ離れていたらすみません…大目に見てやってください。

ブログ画像をネタにほのぼの話を書きたいなと思う今日この頃です。
ほんっとに今の娘。好きすぎる!!!
933 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/19(水) 01:28:41.51 0
>>932
乙です
前の動画同様歌声を生かした作品に仕上がっててイイですね
厳密に言うと「さよならリゾナント」から派生した幾つかの物語の情景も含まれてますがこの辺の話はやはりグッとくるものがあります
シンプルだけど想像力をかき立てられる作品でした
934 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/19(水) 01:51:31.79 0
>>932
くるわあ~
935 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/19(水) 01:59:34.07 0
>>932
もっと長く聴いていたいね 文とか画像はそのままでも、もっと引き伸ばしてくれても良かったかもw
936 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/19(水) 03:29:28.81 0
>>932
うおお素晴らしい!
切ないなー
937 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/19(水) 07:09:11.61 O
おはようリゾナンター達
938 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/19(水) 07:12:42.26 0
>>932
いい…!
BGMの人の映像とはまた違った魅力が毎回あっていいですね
原点とも言える「孤独」を切なく伝えてくる感じが好きです
初心に返る感じもしますね
939 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/19(水) 11:31:30.05 Q
次スレももうすぐだ
940 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/19(水) 12:19:43.22 0
まあぼちぼち行こうや
941 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/19(水) 12:37:00.91 0
アロハロ2のよしガキを思い出したw
942 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/19(水) 12:41:08.48 0
あーなつかしいなw
あれは面白かった
アロハロの中で最高傑作だったな
943 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/19(水) 15:25:20.38 0
その頃のことはあんまりわからん
944 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/19(水) 16:40:07.65 0
>>932
いつも作ってる動画ナンターの人とは別の人なのかな?
動画ナンターは2人いるのかな
945 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/19(水) 17:26:22.17 0
アカウントから見て動画作者さんは3人でしょうかね
皆さんすごいですよねえ
946 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/19(水) 19:01:26.70 0
>>932
いいねぇ~
未来を感じさせる終わり方にゾクっと来た
947 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/19(水) 20:00:26.06 0
>>932
動画感動しました!涙!
ほのぼの話し書いて下さい!
ほのぼの系の話し大好き!
948 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/19(水) 21:08:38.03 0
zzzzzzzzzzzzz
949 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/19(水) 22:58:07.10 0
おっとそろそろ感想大会?
950 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/19(水) 23:12:16.95 0
こだわることはないと思うよ
もちろんそういう流れになるならなるでいいけどね
ニ周年スレもここまできたんだねえ
951 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/19(水) 23:45:24.77 0
いやこのスレもまた充実してましたね!

それと関係ないけど噂のR様の焼きそばが…!!
↓コレで貼れてるかな?
http://www.mbga.jp/.pc/_img_view?img=345139491&fam=1
952 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/20(木) 01:13:48.03 0
川*’ー’) <あれ?うっきー …って誰がサルやねん!
ノ|c| ・e・) <違うでしょ愛ちゃん! ウィキでしょ!?
ノノ*^ー^) <ウィキの「高橋愛」の項目が更新されてますよー うへへ

从*・ 。.・) <…高橋愛。
从*´ ヮ`) <…宮里藍。
ノリo´ゥ`リ <…福原愛!

川=´┴`)つ"<サーッッ!!
川*^A^)つ"<サーッッ!!
川´・_o・)つ"<サーッッ!!
953 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/20(木) 03:04:58.26 0
すげーなぁ
ウィキナンターさんお疲れ様でした!
954 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/20(木) 03:34:31.86 0
>>951
夜中に見ると美味そうに見える
955 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/20(木) 07:01:22.45 O
おはようリゾナンター
956 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/20(木) 09:26:13.95 0
>>954
画面からは臭いがしないからね
957 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/20(木) 12:02:02.16 0
>>956○|―<
      |||

      バキャッ

(*^▽^)∩″<きゃぁぁぁぁぁっ
958 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/20(木) 13:28:27.76 0
( ・?・?)
959 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/20(木) 16:25:30.48 0
とりあえずざっと
然る後にそっと
そんな感じでいこうかと
960 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/20(木) 18:42:52.23 0
いったい何の話なんだか
961 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/20(木) 19:20:19.77 0
ちょっくら書いてみようと思ったけど
自分がモーニング娘のメンバー間の関係性に疎いことに気づいて断念
962 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/20(木) 20:32:19.92 0
あまり現メンバーのこと知らないのに書いてる作者さんもいたよ
必ずしも現実に合わせる必要はないと思うな
963 : ぴーたん[] 投稿日:2010/05/20(木) 20:49:03.30 0

54 :110-54-66-134.ppp.bbiq.jp:2010/05/20(木) 18:49:12.51 0
五年前、モーニング娘。でずっと芸能界で生き残るのは
誰ですか?っていう質問したら
ほとんどのやつはなっちとかごっちんとか言いそうだが
まさか矢口とか辻だとはな・・・。

>>54

いや、サイヤ人と同じで、

なっちと、後藤が、すぐ巻き返すよ
964 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/20(木) 21:49:45.31 0
>>961-962
小説やネタスレから興味を持ったり詳しくなる人もいるぐらいだからな
7年くらい前の俺がそうだが
965 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/20(木) 23:06:20.38 0
じゃあこのスレが公式採用されればファン増えるかもねw
966 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/21(金) 00:38:35.91 0
>>960
>>959はうぃきの話では?

ところでこれは「あの世界」の「俺」と「R」の在りし日の姿…?
http://www.mbga.jp/.pc/_img_view?img=345355139&fam=1
967 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/21(金) 05:28:41.04 0
起床
968 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/21(金) 08:23:10.03 0
モバイル系は相変わらず規制がきつそうやね
969 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/21(金) 10:28:50.15 0
狼全体が過疎っとる
970 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/21(金) 11:47:49.77 0
http://tvde.web.infoseek.co.jp/cgi-bin/jlab-dat/s/609778.jpg

リゾナンターは何してるとこですかこれ
971 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/21(金) 12:16:27.18 0
勝利の決めポーズじゃないの
972 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/21(金) 12:18:53.32 0
ダサイw
973 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/21(金) 13:10:41.53 0
>>970
これは新技の青コレの舞ですね
まだ完成前の極秘の技なのによく激写できましたね
974 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/21(金) 15:10:55.87 0
今スレはトリビュート作品が豊作だったね
わしゃ『コードネーム「pepper」-ガイノイドは父の夢を見るか?-』 
が好きだったよ
あと>>932の動画も好きでした
975 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/21(金) 18:26:41.50 0
ガイノイドとサイボーグって違うの?
976 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/21(金) 18:47:23.32 0
pepperはほんと素晴らしかったですね

>>975
一言でいえば…ガイノイドは人造人間(女性)・サイボーグは改造人間…ですね
ガイノイド(アンドロイド)が完全なロボットであるのに対してサイボーグは元々は人間で機械による改造を施したものです
977 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/21(金) 18:48:49.83 0
俺はX Xライダー 父の作った カイゾーグ♪
978 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/21(金) 18:51:39.11 0
やぁ、ぼくがR・田中一郎だよ
979 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/21(金) 19:07:24.56 0
>>976
ありがとうございます
わしゃ完全に誤解してた
ガイノイドが半分生身でサイボーグが完全なロボかと・・・
980 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/21(金) 20:11:03.47 0
009やらジャッカー電撃隊やらで育った世代には人造人間との違いは明らかなのだが
これが若さか
981 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/21(金) 20:13:43.97 0
>>978
うるさいお前なんかロボットだ
982 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/21(金) 20:15:44.26 0
>>976ですが自分はその世代じゃないですのでw
983 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/21(金) 20:21:45.22 0
じゃ、ブルー・ソネット
最近あんまり「サイボーグ」が出てくるアニメ・特撮ってなくなったかねえ
984 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/21(金) 20:24:40.89 0
あいか(ガイノイド)が壊れて(死んで)しまった時は泣いたな

『蒼の共鳴第二部-The anthem of darkness-』の飯田さんには惚れたな

あと>>721が超好き
震えた
985 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/21(金) 21:37:46.33 0
ウィキの登場人物の項目が面白いね
各キャラクターの細かい設定が今更ながらに面白い
986 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/21(金) 22:08:22.84 0
ようやくパソコンの前にたどり着きましたが…次スレはどうしましょう
立ててしまっても大丈夫そうですか?
987 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/21(金) 22:46:01.31 0
かなしみさんトリビュートが目立つ中で独自路線を貫いたVanishは印象に残ってる
motorさんの推理劇も実験的で面白いと思うんだけどな
規制とかが無ければもっと色んな住人の推理が集まったと思うけど…解決編待っとるよ

>>986
どうにかなるんじゃないでしょうか
テンプレをいじらないといけない部分があるかもしれないのでもう少し詰めるべきか
988 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/21(金) 23:09:42.80 0
じゃあ…立てますね!
皆さんよろしくお願いします
989 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/21(金) 23:17:56.67 0
リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第45話
http://yutori.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1274451074/

立てました
ごめんなさいちょっと邪魔されてしまいましたが…
990 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/21(金) 23:38:19.54 0
帰ってくるまでにスレ残っててよかったぜ

トリビュートの愛れなのやつが好きでした
このスレ独特の愛れなの関係だね
991 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/21(金) 23:42:29.09 0
>>989
992 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/22(土) 00:17:29.61 0
|
|
| ̄ ̄\/|
|  ▼ |/
| 皿 /   爆発まであと8
|  /
|⊂
|
993 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/22(土) 00:49:46.07 0
マジかw
みんな次スレに逃げてええええええええええええ
994 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/22(土) 00:56:43.41 0
!≡≡≡≡≡≡≡=ヾ从*` ロ´)ノ 逃げるっちゃ!!
995 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/22(土) 01:01:51.18 0
≡≡川*’ー’)  ≡≡ 从*・ 。.・) いやあぁぁ
  

   ≡≡ノリo´ゥ`リ             ≡≡ノノ*^ー^) 逃げてー
 


≡≡川=´┴`)    ≡≡川*^A^) キャー
996 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/22(土) 01:03:36.30 0
||c| ・e・)<あれ?待ってジュンジュンが見当たらない!
997 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/22(土) 01:05:22.67 0
     ____ ___
   l´.|l´ ̄ ̄ ̄l|:::::::||
   | ||.(;;゚;;)   l|:::::ノノハヽ
   | |l_(;;゚;;)(;;゚;;)l|:::川´・_o・) 内緒デスヨ  
   | |l´ ̄ ̄ ̄`! O(;゚;)と)
   | ||{]       |   v v    
   | ||.       |l | ̄ ̄ ̄ ̄| 
   │_|l____!、|     .│
998 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/22(土) 01:12:19.29 0
たいへんだー
999 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/22(土) 01:16:35.59 0
オチ待ち
1000 : 名無し募集中。。。[] 投稿日:2010/05/22(土) 01:23:52.35 0
||c| ・e・)<ちょっと!何やってんのよこんな時に!

川´・_o・)<冗談デスヨ。本当はバナナの皮で滑って足くじいたアル。動けないから先に逃げてください

||c| ・e・)<駄目よ!あなた1人置いていけないわ!私が代わりに犠牲になるから私の言う通りに行動して

川´・_o・)<でももうレス書くとこないデス

||c| ・e・)<・・・

川´・_o・)<オチまで考えてなかったから丁度イイって顔してますね
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